JP2632301B2 - 指圧加療器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加療を要する身体の一
部に指圧突起を押し付けて圧迫し、所定の治療効果を得
るべく用いられる指圧加療器に関する。

【０００２】

【従来の技術】身体の一部に生じる凝り、痛み等の不具
合を和らげる効果的な加療法の一つに指圧がある。これ
は、不具合部分及びその近傍、又は不具合部分に対応す
る身体の一部（つぼ）に圧迫刺激を加える加療法であ
り、本来、加療を要する部位を手指により加圧して行わ
れるが、この加圧を容易に行わせ、特に、首筋、背筋
等、手指が届かない加療部位の加圧を他人の手を煩わせ
ることなく行わせ得るようにした指圧加療器が、従来か
ら種々実用化されている。

【０００３】この種の指圧加療器の一つに、基端に把手
を備える支持ロッドの先端に指圧突起を備えた指圧加療
器がある。前記指圧突起は、木、樹脂等の材料により、
手指を模した半球形の頭部を有して形成されており、該
指圧突起を所望の加療部位に当て、前記把手を把持して
力を加えることにより、前記加療部位を圧迫すべく使用
される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如き従来
の指圧加療器において、両端に把手及び指圧突起を備え
る前記支持ロッドは、身体の各部への指圧突起の到達を
可能とするために十分な長さを有し、また、首筋、背筋
等、使用者の背部への指圧突起の到達を容易とするため
に湾曲させてある。ところが、前記背部に指圧突起を当
てた状態で加圧を行わせるには、前記把手に引っ張り力
を加えねばならず、十分な圧迫を加えることが難しく、
満足すべき加療効果が得られないという問題があった。

【０００５】また、前記支持ロッドが長寸であり、前述
の如く湾曲させてあることから、非使用時の保管が難し
いという問題があり、更に、腕部、脚部等、背部以外の
加療部位への使用に際し、支持ロッド及び把手が存在が
却って邪魔になり、前記加療部位への指圧突起の押し付
けが難しく、良好な使用感が得られなくなる不都合があ
った。

【０００６】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、首筋、背筋等の背部への使用に際し、十分な加
圧が容易に行え、良好な加療効果が得られると共に、非
使用時における保管が容易であり、また、背部以外への
使用に際しても良好な使用感が得られる指圧加療器を提
供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る指圧加療器
は、加療を要する身体の一部に指圧突起を押し付けて圧
迫刺激を加える指圧加療器において、一平面内にて湾曲
し、該平面内での撓みを許容する支持ロッドと、該支持
ロッドの一端部に前記湾曲の内側に向けて突設された前
記指圧突起と、前記支持ロッドの他端部に折り畳み可能
に連結され、折り畳まれた支持ロッドの一部を適長に亘
って抱持する抱持部を有する把手と、該把手の一部に装
備された指圧部材とを具備することを特徴とする。

【０００８】更に加えて前記指圧部材は、前記把手に回
転自在に枢支され、その外周に複数の突起を備える指圧
ローラであることを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明においては、両端に指圧突起及び把手を
備え一平面内にて湾曲する支持ロッドが、この湾曲面内
にて容易に撓み得る程度の弾性を有しており、指圧突起
を加療部位に当てた後、支持ロッドに撓みを与えるべく
把手に力を加えることにより、この力と、この力により
撓む支持ロッドの弾性反発力とにより指圧突起が加療部
位に押し付けられ、該加療部位に十分な押圧刺激が加わ
る。また、非使用時には、支持ロッドを把手との連結部
位にて折り畳み、該把手に適長に亘って抱持させて全長
を減じた状態で保管する。更に、背部以外への使用に際
しては、把手の一部に備えられた指圧部材を所望の加療
部位に当て、把手に力を加えて加圧する。

【００１０】更に、把手に装備した指圧部材を回転可能
な指圧ローラとし、外周に突設された複数の突起を加療
部位に押し付けつつ回転させることにより、押圧による
指圧効果に加えて、加療部位の血行を促進する効果を得
る。

【００１１】

【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図１は、本発明に係る指圧加療器の平面
図、図２は、本発明に係る指圧加療器の正面図、図３
は、本発明に係る指圧加療器の背面図である。

【００１２】これらの図に示す如く、本発明に係る指圧
加療器は、支持ロッド１の一端部に指圧突起２を、他端
部に把手３を夫々備えている。支持ロッド１は、６mm前
後の外径を有する鋼製の丸棒であり、その表面は、錆止
め防止のためにクロームめっき処理されている。支持ロ
ッド１の中途部は、一平面内にて所定の曲率を有して湾
曲させてあり、前記指圧突起２は、湾曲部の一側端部に
固設された樹脂製の指圧ブロック20に一体成形され、半
球形の頭部を有して湾曲円の内側に向けて突設されてい
る。前記湾曲部の他側には、適長の直線部が連設してあ
り、前記把手３は、この直線部の他端に連結されてい
る。

【００１３】把手３は、図１に示す如く、把持部となる
適長の直線部の両側に同向きに屈曲する短寸及び長寸の
屈曲部30，31を備え、図２及び図３に示す如く、厚さ方
向の略中央部にて２つ割り可能な樹脂製の半体3a，3b
を、両屈曲部30，31の夫々と、両者間の直線部に適長離
隔した２か所とにおける止めねじ４（図４〜図６参照）
の締め付けにより一体化せしめて構成されている。両屈
曲部30，31のねじ止め部は、円形をなす樹脂製のキャッ
プ32，33により各別に被覆され、また前記直線部の２か
所のねじ止め部は、長円形をなす樹脂製のキャップ34に
より一括して被覆されており、図１に示す如く把手３の
外側には、これらのキャップ32，33，34のみが露出し、
美観を損なわないようになしてある。

【００１４】以上の如き把手３への前記支持ロッド１の
連結は、前記直線部の２か所のねじ止め部の内、短寸の
屈曲部30に近い側の一方のねじ止め部を利用して行われ
ている。図４は、図１のIV−IV線による連結部の拡大断
面図である。本図に示す如く把手３の両半体3a，3bは、
夫々の幅方向中央に円柱形のボス部35，36を有してお
り、同軸的に整合させたこれらのボス部35，36に半体3a
の側から挿通された止めねじ４を締め付け、全体として
楕円形の断面を有して一体化させてあり、止めねじ４の
露出端は、前記キャップ34により被覆されている。

【００１５】図１中に破線により示す如く、支持ロッド
１の連結端には、円環状に屈曲されたリング部10が設け
てあり、該支持ロッド１の連結は、把手３の両半体3a，
3bの前述した一体化に際し、前記ボス部35，36にリング
部10を挿通せしめてなされている。図２に示す如く、半
体3a，3bの合わせ面には、支持ロッド１の直径に対応す
る幅を有する抱持溝５が、前記屈曲部30，31の突設側と
逆側に直線部分の略全長に亘って設けてあり、前記ボス
部35，36へのリング部10の挿通は、図４に示す如く、支
持ロッド１の中途部を前記抱持溝５に嵌挿せしめてなさ
れている。

【００１６】而して、以上の如く連結された支持ロッド
１と把手３とは、後者のボス部35，36を枢軸とする前者
のリング部10の回転により折り畳み可能であり、支持ロ
ッド１に対し把手３は、図１中に実線により示す伸長状
態と、同じく２点鎖線により示す折り畳み状態とをとり
得る。前記抱持溝５は、把手３が折り畳まれたとき支持
ロッド１の直線部分を適長に亘って内包する作用をな
す。

【００１７】図５は、図１のＶ−Ｖ線による拡大断面図
であり、把手３の直線部の２か所のねじ止め部の他方、
即ち、長寸の屈曲部31に近い側のねじ止め部の断面を示
している。このねじ止め部は、図４に示すねじ止め部と
同様に、把手３の半体3a，3bを合わせ、両者の幅方向中
央に設けた円柱形のボス部37，38に止めねじ４を締め付
けて一体化させ、該止めねじ４の露出端を前記キャップ
34により被覆した構成となっている。半体3a，3bの合わ
せ面には、前述した折り畳み状態において支持ロッド１
の中途部を受け入れるべく抱持溝５が開口しており、該
抱持溝５の両側壁には、他方に向けて突出する保持突起
5a，5aが突設されている。

【００１８】而して、折り畳まれた支持ロッド１の抱持
溝５への受け入れは、前記保持突起5a，5aを押し広げつ
つ行われ、抱持溝５中に内包された支持ロッド１は、図
示の如く、一側をボス部37，38により、他側を前記保持
突起5a，5aにより夫々拘束されて、この状態を保つよう
になしてある。

【００１９】また、伸長状態にある支持ロッド１は、図
１及び図２に示す如く、抱持溝５の対応部分に突設され
た同様の保持突起5a，5aにより、把手３からの突出部位
にて拘束されるようになしてある。把手３の一側に設け
た短寸の屈曲部30は、前記保持突起5a，5aの逆側にて伸
長状態にある支持ロッド１を支える支え部としての作用
をなす。

【００２０】図６は、図１のVI−VI線による拡大断面図
であり、把手３の残りの２か所のねじ止め部の内、長寸
の屈曲部31におけるねじ止め部の断面を示している。こ
のねじ止め部31は、図４及び図５に示すねじ止め部と同
様に、半体3a，3bを合わせ、両者の幅方向中央に設けた
円柱形のボス部39，40に止めねじ４を締め付けて一体化
させ、該止めねじ４の露出端を前記キャップ33により被
覆した構成となっており、このねじ止め部を利用して指
圧ローラ６が装着されている。

【００２１】該指圧ローラ６は、半球形をなす多数の突
起60，60…を、その外周に一体的に突設してなる硬質ゴ
ム製のリングであり、図６に示す如く、前述したねじ止
めに際して前記ボス部39，40に回動自在に遊嵌保持させ
た樹脂製の保持環61の外側に一体的に嵌着せしめてあ
る。前記屈曲部31の先端側には、図２及び図３に示す如
く、半体3a，3bの合わせ部全体に所定幅の切欠き溝62が
形成してあり、前述した指圧ローラ６の取り付けは、図
６に示す如く、外周の突起60，60…を切欠き溝62から突
出せしめた状態でなされている。

【００２２】図７は、以上の如く構成された本発明に係
る指圧加療器の使用状態を示す説明図である。図示の如
く本発明に係る指圧加療器は、前記把手３を把持し、支
持ロッド１の他側の指圧ブロック20に突設された指圧突
起２を所望の加療部位（図においては背筋）に位置さ
せ、前記把手３に力を加えて、前記加療部位に指圧突起
２を押し付けて圧迫せしめて使用される。

【００２３】本発明に係る指圧加療器においては、支持
ロッド１が前述の如くに湾曲しており、この湾曲の内側
に向けて前記指圧突起２が突設されているから、図示の
背筋等、身体の背面側への指圧突起２の位置決めが容易
に行われる。

【００２４】また支持ロッド１は、前述した如く、６mm
前後の直径を有する細径の鋼棒であり、この湾曲の面内
にて比較的容易に撓ませることができる。従って、指圧
突起２の押し付けを行わしめるべく把手３には、支持ロ
ッド１に前記撓みを生じさせる力、即ち、図７中に矢符
にて示す如く、該把手３を身体から離反させる向きの押
し力を加えればよく、指圧突起２は、前記撓みの反作用
として発生する支持ロッド１の弾性反発力と前記押し力
との合力により前記加療部位に強く押し付けられ、該加
療部位に十分な圧迫が加わる。

【００２５】把手３への前述した押し力の付加は、図示
の使用姿勢にて無理なく行うことができ、また、この押
し力の調節による圧迫程度の加減も容易である。なお、
把手３の両側の屈曲部30，31は、図示の使用状態におい
て使用者の手による把持位置のずれを防ぐ作用をなす。

【００２６】このように本発明に係る指圧加療器は、一
平面内にて湾曲し、この湾曲面内にて容易に撓み得る支
持ロッド１と、該支持ロッド１の一端部に前記湾曲の内
側に向けて突設された指圧突起２と、支持ロッド１の他
端部に連結された把手３とを備える構成により、把手３
への無理のない力の付加により指圧突起２を当てた加療
部位に適度の圧迫を加えることが可能であり、十分な加
療効果が容易に得られるようになる。

【００２７】以上の如き使用を終えた後、支持ロッド１
と把手３とは、ボス部35，36を枢軸とするリング部10の
回転により、両者の連結部位にて折り畳むことができ
る。これにより支持ロッド１は、図１中に２点鎖線によ
り示す状態となる把手３に適長に亘って抱持され、全長
を大幅に縮めた状態となり、非使用時における保管が容
易となる。なお、加療を必要とする部位によっては、こ
のような折り畳み状態での使用もまた可能である。

【００２８】また、把手３の屈曲部31に取り付けた指圧
ローラ６は、これの外周に突設された突起60，60…を、
腕部、脚部等、背部以外の加療部位に直接的に押し付け
て圧迫を加えるべく用いられる。前述の如く指圧ローラ
６は、前記ボス部39，40に遊嵌する保持環61に嵌着して
あり、該保持環61と共にボス部39，40を枢軸として回転
可能である。従って、前記突起60，60…を加療部位に押
し付けた状態で前記回転を行わせることにより、該加療
部位の周辺に適度な押圧刺激を連続して加えることがで
き、良好な指圧効果が得られると共に、押し付け部位近
傍の血行を促進する付加的な加療効果が得られる。また
指圧ローラ６は、把手３における支持ロッド１の取り付
け側と逆側の端部に取り付けられているから、該指圧ロ
ーラ６の押し付けは、支持ロッド１の存在に煩わされる
ことなく容易に行える。

【００２９】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る指圧加療
器においては、一平面内にて湾曲し、この湾曲面内にて
容易に撓み得る程度の弾性を有する支持ロッドの一端に
把手を連結し、また他端に、湾曲の内側に向けて指圧突
起を突設したから、首筋、背筋等、手指の届き難い身体
の背面側の加療部位への指圧突起の押し付けが容易とな
る上、前記支持ロッドに撓みを与えるべく把手に力を加
えることにより、この力と支持ロッドの弾性反発力とに
よって指圧突起が加療部位に押し付けられ、該加療部位
に十分な押圧刺激が加えられ、良好な加療効果が得られ
るようになる。

【００３０】また、支持ロッドと把手とを折り畳み可能
に連結し、折り畳まれた支持ロッドの一部を抱持する抱
持部を把手に設けたから、非使用時には、支持ロッドを
折り畳み、適長に亘って抱持部に抱持させて、全長を大
幅に減じた状態で保管することができ、保管に支障を来
す虞れがない。

【００３１】また、把手の一部に指圧部材を備えたか
ら、腕部、脚部等、背面側以外の加療部位に対しては、
該加療部位に前記指圧部材を直接的に押し付けることに
より、支持ロッドの存在に煩わされることがなくなり良
好な使用感が得られる。

【００３２】更に、前記指圧部材を外周に複数の突起を
備えて回転する指圧ローラとしたから、前記突起を押し
付けつつ指圧ローラを回転させることにより、押し付け
部位の血行を促進する付加的な効果が得られる等、本発
明は優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る指圧加療器の平面図である。

【図２】本発明に係る指圧加療器の正面図である。

【図３】本発明に係る指圧加療器の背面図である。

【図４】図１のIV−IV線による拡大断面図である。

【図５】図１のＶ−Ｖ線による拡大断面図である。

【図６】図１のVI−VI線による拡大断面図である。

【図７】本発明に係る指圧加療器の使用状態の説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 支持ロッド ２ 指圧突起 ３ 把手 3a 半体 3b 半体 ４ 止めねじ ５ 抱持溝 ６ 指圧ローラ 10 リング部 60 突起

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加療を要する身体の一部に指圧突起を押
   し付けて圧迫刺激を加える指圧加療器において、一平面
   内にて湾曲し、該平面内での撓みを許容する支持ロッド
   と、該支持ロッドの一端部に前記湾曲の内側に向けて突
   設された前記指圧突起と、前記支持ロッドの他端部に折
   り畳み可能に連結され、折り畳まれた支持ロッドの一部
   を適長に亘って抱持する抱持部を有する把手と、該把手
   の一部に装備された指圧部材とを具備することを特徴と
   する指圧加療器。
2. 【請求項２】 前記指圧部材は、前記把手に回転自在に
   枢支され、その外周に複数の突起を備える指圧ローラで
   ある請求項１記載の指圧加療器。