JP2632213B2 - ガラス棒の製造装置 - Google Patents

ガラス棒の製造装置

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JP2632213B2 JP1144199A JP14419989A JP2632213B2 JP 2632213 B2 JP2632213 B2 JP 2632213B2 JP 1144199 A JP1144199 A JP 1144199A JP 14419989 A JP14419989 A JP 14419989A JP 2632213 B2 JP2632213 B2 JP 2632213B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、フェライト磁気ヘッド等を製造する際に
フェライト素材の溶着材や充填材として使用されるガラ
ス棒の製造装置に関する。
[従来の技術] 従来から、フェライト磁気ヘッドを製造する際に、フ
ェライト素材の溶接材等として小径のガラス棒が使用さ
れている。この従来のガラス棒の製造装置を第5図に示
す。環状の予熱ヒータ3とその下側にある環状の加熱ヒ
ータ4とから成る電気炉2内に、予め別の装置で製造し
た円柱状のガラス製のロッドプリフォーム1を入れて加
熱する。上方の予熱ヒータ3はガラスを軟化させるため
のものであり、下方にある加熱ヒータ4はその軟化した
ガラスを半溶融にするためのより高温のものである。
加熱ヒータ4によって半溶融の状態とされたガラス
は、自重で細くなりながら下方に垂れ下がり、自からの
表面張力で断面が略円形の小径のガラス棒5となってゆ
く。この半溶融の状態のガラスは下方に行くにつれて冷
却され、固まった断面円形の小径のガラス棒5は一対の
移送用ローラ6、7によって下方へ引き出される。この
断面円形のガラス棒5は、フェライト磁気ヘッド等の製
造時に、フェライトブロックのつき合わせ部に溶着材等
として使用される。
このフェライトブロックのつき合せ部は、溶着材を載
せる窪みの断面が必ずしも円形であるとは限らない。例
えば第6図に示すように、フェライトブロック8、9の
つき合せ部の溶着材を載せる窪みは断面がV字形をして
おり、この窪みにはそのV字形に合致した三角柱のガラ
ス棒10を載置した方が作業性及び歩留り率が良い。
又、第7図に示すように、フェライトブロック11の溝
にガラスを充填する場合は、ガラス棒の断面が円形であ
る場合には安定性が悪く動いてしまうので、断面が略四
角形の四角柱ガラス棒12を載置した方が作業性が良い。
その他に、断面が楕円であるものや断面が菱形やその
他の特殊な断面形状のもの等、用途に応じた断面形状の
ガラス棒があれば便利である。
[発明が解決しようとする課題] しかし、第5図に示した従来の製造装置では、自重で
下方に垂れ下がる際に自からの表面張力で断面が略円形
になるので、断面が円形以外のガラス棒は製造すること
ができないものである。このため、断面が三角形や四角
形のものについては、大きなガラス塊をダイヤモンドカ
ッターで切断して製造していた。この切断による製造
は、コストがかかりすぎるという問題があった。更に、
断面が楕円や台形等の特殊な形状では、コストの問題の
他、均一な断面を得ることができないという問題もあっ
た。
[発明の目的] この発明は上記問題に鑑みてなされたもので、各種の
断面形状のガラス棒を容易にしかも大量に製造できるガ
ラス棒の製造装置を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] この発明においては上記目的を達成するため、ガラス
材を溶解させる第1電気炉を備え、その第1電気炉の下
位に互いに接合する2個の整形ローラを配置し、その2
個の整形ローラの少なくとも1方の外周に溝部を備え、
その2個の整形ローラの接合部における前記溝部によっ
て前記ガラス材が通過する閉鎖空間を形成し、その閉鎖
空間を通過するガラス材を加熱手段によって軟化温度以
上に加熱するようにしたものである。
[作 用] 互いに接合した2個の整形ローラによって形成される
閉鎖空間にガラス材を通過させる。この閉鎖空間を通過
するガラス材は第2電気炉で軟化温度以上に加熱されて
いるので、ガラス材のその空間を通る際に圧延されてそ
の空間と同一の断面形状となる。一対の整形ローラの空
間を三角形や四角形や楕円等にすれば、所望の断面のガ
ラス棒ができる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明のガラス棒製造装置の概略構成図であ
る。環状の予熱ヒータ17とその下側にある略同形の加熱
ヒータ18とから成る第1電気炉16内には、予め別の装置
で製造した大径の円柱形状のガラス材15が入れられる。
上方の予熱ヒータ17はガラス材15を軟化させるためのも
ので、下方にある加熱ヒータ18はガラス材15を半溶融さ
せるためのものである。
第1電気炉16の下方には、図示しない駆動装置により
回転制御される一対の整形ローラ19が配置され、この一
対の整形ローラ19はその間にガラス材15を挟んで、ガラ
ス材15を所望の断面形状に整形するためのものである。
この一対の整形ローラ19は、熱伝導の良い金属の外表面
に溶融ガラスに対するぬれ性の悪い(ガラスが接着しに
くい)チッ化ホウ素や炭化珪素又はカーボン等をコーテ
ィングしたものや、あるいは同材質のセラミックス製の
ローラが用いられる。一対の整形ローラ19の周囲には、
その一対の整形ローラ19即ち一対の整形ローラ19の間を
通過するガラス材を加熱するための第2電気炉20が配設
されており、この第2電気炉20によって一対の整形ロー
ラ19はガラス材15の軟化温度以上に加熱される。
ここで、2個の整形ローラについて、第2図乃至第4
図に基づき更に詳細に説明する。
第2図は、一対の整形ローラの第一の実施例を示し、
ガラス材15を三角柱のガラス棒に整形する例を示す。第
2電気炉20に囲まれた一対の整形ローラ19は、略同径の
円筒ローラ19aと溝付ローラ19bとから成る。溝付ローラ
19bは、円周面の幅の中央にV字状の溝部23が形成さ
れ、この溝部21の両側は前記円筒ローラ19aに常に接触
する大径部22となっている。この大径部22が円筒ローラ
19aに接触することによって、第2図に示すように、円
筒ローラ19aと溝付ローラ19bとの接合部に、溝部21によ
って断面が三角形の閉鎖した空間Sが形成される。この
空間Sをガラス材15が通過することによって断面が三角
形のガラス棒ができる。
第3図は第二の実施例を示するもので、第一の実施例
と相違する点は、V字状の溝部21を形成した溝付きロー
ラ19bを、矩形状の溝部23を形成した溝付きローラ19cに
変えたことである。溝付きローラ19cの両側の大径部22
が円筒ローラ19aに接触することによって、第3図に示
すように、矩形状の溝部23の箇所が断面略四角形の閉鎖
した空間Tとなり、この空間Tをガラス材15が通過する
ことによって断面が四角形のガラス棒ができる。
第4図は、一対の整形ローラの第三の実施例を示し、
軟化したガラス材15を断面略菱形の角柱ガラス棒に整形
する整形する例を示す。一対の整形ローラは、第2図に
示した溝付ローラ19bを2個用いる。各溝付ローラ19bの
対向する大径部22を互いに当接させることによって、2
個の溝部21によって断面が菱形の閉鎖した空間Uが形成
され、この空間Uをガラス材15が通過することによって
断面が菱形のガラス棒ができる。
第1図において、一対の整形ローラ19が備えられた下
方には、整形されて固まったガラス棒材25を挟んで移送
させる一対の移送用ローラ26が配置される。この一対の
移送用ローラ26は、前記整形ローラ19と同じ形状として
もよい。
次に動作について説明する。第1図の第1電気炉16内
において、上方の予熱ヒータ17は、ガラス材15を軟化点
以上に加熱し、下方にある加熱ヒータ18はガラス材15を
半溶融する温度まで加熱する。加熱ヒータ18を出たガラ
ス材15は自重で垂れ下がり、下方に行くにつれて漸次細
くなりしかも断面が円形になる。この加熱ヒータ18から
出て下方に向かうガラス材15は、例えば第一実施例の場
合では、円筒ローラ19aと溝付ローラ19bとの間に形成さ
れる断面略三角形の空間S内に入る。この空間S内に入
るガラス材15はまだ固まっていない軟化状態で断面が略
円形である。
ここで、一対の整形ローラ19は第2電気炉20によりガ
ラス材15の軟化温度以上に加熱されているので、空間S
内に入るガラス材15は一対の整形ローラ19の間で圧延さ
れ、空間Sの断面形状である三角形に整えられる。一対
の整形ローラ19の間を出たガラス棒27は、空気冷却によ
り直ちに固化が始まり、断面が三角形を保てるように、
第1電気炉16と整形ローラ19との距離や第2電気炉20の
加熱温度が設定される。
冷却固化された三角柱ガラス棒25は一対の移送用ロー
ラ26によって引出され、この三角柱ガラス棒25はその後
図示しないカッターで所定の長さに切断される。
断面が四角形や菱形や楕円のガラス棒は、断面形状に
合わせて整形ローラ19の種類を変えることにより得るこ
とができる。
[発明の効果] 以上のように本発明のガラス棒製造装置によれば、ガ
ラス材を整形できる温度に加熱した互いに接合する2個
の整形ローラの閉鎖空間にガラス材を通過させ、その空
間を通過させる間に所望の断面形状のガラス棒を作るよ
うにしたもので、2個の整形ローラを適宜な空間形状の
ものに交換することによって、各種の断面形状のガラス
棒を容易に安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のガラス棒製造装置の概略構成図、第2
図は整形ローラの第一の実施例を示す平面図、第3図は
整形ローラの第二の実施例を示す平面図、第4図は整形
ローラの第三の実施例を示す平面図、第5図は従来のガ
ラス製造装置の概略構成、第6図はフェライトに三角柱
ガラス棒を使用した状態を示す正面図、第7図はフェラ
イトに四角柱ガラス棒を使用した状態を示す斜視図であ
る。 15……ガラス材、16……第1電気炉、 17……予熱ヒーター、18……加熱ヒーター、 19……整形ローラ、19a……円筒ローラー、 19b、19c……溝付ローラ、 20……第2電気炉、21……溝、 22……大径、23……溝、 25……ガラス棒、 S、T、U……空間。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス材を溶解させる第1電気炉を備え、
    その第1電気炉の下位に互いに接合する2個の整形ロー
    ラを配置し、その2個の整形ローラの少なくとも1方の
    外周に溝部を備え、その2個の整形ローラの接合部にお
    ける前記溝部によって前記ガラス材が通過する閉鎖空間
    を形成し、その閉鎖空間を通過するガラス材を加熱手段
    によって軟化温度以上に加熱することを特徴とするガラ
    ス棒の製造装置。
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