JP2631680B2 - 変性ポリオレフィンとその製造方法およびそれを用いる共重合体の製造方法 - Google Patents

変性ポリオレフィンとその製造方法およびそれを用いる共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変性ポリオレフィンの製造方法に関する。よ
り詳しくは、末端にジチオカルバメート基を有するポリ
オレフィンの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ポリオレフィンはその有する不活性の性質が利用され
ている反面、成形加工品の表面への印刷適性、塗装適
性、他材料の接着性に乏しいほか、ポリオレフィンと他
の異種樹脂とか無機充填剤との親和性、相溶性等が良く
ないため、ポリオレフィンを化学的に種々変性すること
が試みられている。
変性ポリオレフィンの一例としてオレフィンとビニル
モノマーのブロック共重合体があり、その製造方法も種
々提案されている。例えば特公昭45−40055、特公昭47
−42385には、配位アニオン重合触媒を用いてオレフィ
ンを重合した後、ラジカル開始剤を添加し、引き続きビ
ニル化合物を重合させる方法が提案されている。しかし
ながら、これらの従来法では、ビニルモノマーのホモポ
リマーが副生し易く、目的とする共重合体、例えばブロ
ック共重合体を高収率で得難いという問題があった。ま
た、配位アニオン重合触媒を尾用いてオレフィンを重合
した後、有機スルホキシド化合物及び有機ハロゲン化合
物を添加してビニル化合物を重合させる方法も提案され
ているが(特公昭53−2915)、実用的な共重合量に達す
るビニル化合物はメタクリル酸の誘導体のみであり、他
の多くのビニル化合物の適用は難しい。
変性ポリオレフィンの他の一例として、光照射下にハ
ロゲン化を行って得た変性ポリオレフィンも知られてい
るが、樹脂全体にわたり均一にハロゲン化することは困
難であり、有効な変性ポリオレフィンとは言い難い。ま
た、ポリオレフィンの変性の均一性という点では共重合
体の方がすぐれている。
最近、上述のようなビニルホモポリマーの副生が少な
く、また種々のビニルモノマーへの適用性にすぐれ、適
切な分子量のブロック共重合体を製造する方法としてリ
ビング重合法(ラジカル、アニオン、カチオン、又は配
置重合がある。)およびマクマロー法等が提案されてい
る。就中、ジチオカルバメート基R1R2NCSS−(R1,R2
水素原子または炭素数20以下の炭化水素基であり、R1,R
2が同時に水素原子であることはない。)(以下、「DTC
基」と略記する。)を有する特殊な有機化合物を反応さ
せて末端にDTC基を有する重合体を生成させ、該重合体
をイニファーター(iniferter)として他種モノマーと
共重合させる方法(ポリマー・ジャーナル<Polymer Jo
urnal>17−1、99〜104(1985)等)が紹介されてい
る。しかしながら、上記方法によってはDTC基含有α−
オレフィンは、得られないため、DTC基含有ポリオレフ
ィン及びその製法については現在のところ全く知られて
いない。これは上述のイニファーター(iniferter)を
用いる方法では重合機構がラジカル重合であり、一般的
にポリオレフィンに適用するにはその低活性が故にまた
α−オレフィンでは分解をも伴なう為に困難であること
に基づくものと考えられる。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上述の現状に鑑み、より広範囲の種
類のビニル化合物と反応してブロック共重合体を形成す
ることのできる、末端に活性なDTC基を有する新規な変
性ポリオレフィンを工業的に有利に製造する方法を提供
するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、 (1)下記(a)及び(b)の工程を含む末端に下記一
般式(I) (式中、R1及びR2は水素原子または炭素数20以下の炭化
水素基であり、R1及びR2が同時に水素原子であることは
ない。) で表されるジチオカルバメート基を有する変性ポリオレ
フィンの製造方法、 (a)チーグラー型触媒を用いてエチレン及びα−オレ
フィン類の中から選ばれたオレフィンを重合して活性末
端基を有するポリオレフィンを製造する工程、 (b)工程(a)で得られた活性末端基を有するポリオ
レフィンに下記一般式(II)で表されるジスルフィド化
合物を反応させる工程。
(2)(a)工程のポリオレフィンを製造する際に、チ
ーグラー型触媒中の遷移金属化合物1モル当たり、0.01
〜1000モルのM−Y結合を有する金属化合物(ただしM
はホウ素または周期律表II b族の金属であり、Yは炭化
水素基、アルコキシ基、水素原子またはハロゲン原子で
ある。)を用いることを特徴とする(1)記載の変性ポ
リオレフィンの製造方法、及び (3)(b)工程において、触媒成分及びM−Y結合を
有する金属化合物の金属種の全体量1モルに対して、0.
1〜200のジスルフィド化合物を用いる(1)記載の変性
ポリオレフィンの製造方法を提供するものである。
本発明の変性ポリオレフィンは、エチレンまたは炭素
数3〜20個のα−オレフィンの単独重合体またはこれら
相互の共重合体もしくはこれらとブタジエンのようなジ
エンとの共重合体から製造される。これら単独合体およ
び共重合体の製造に用いるオレフィン単量体の例として
はエチレン、プロピレン、ブテン−1、ぺンテン−1、
3−メチル−ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−
ペンテン−1、3−エチル−ブテン−1、ペプテン−
1、4,4−ジメチル−ペンテン−1、3,3−ジメチル−ブ
テン−1等があげられる。この共重合体はランダム共重
合体でもブロック共重合体でも良い。LLDPE(線状低密
度ポリエチレン)、EPR(エチレン・プロピレンゴ
ム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン
リンケージ)もポリオレフィン重合体の例として含まれ
る。
本発明の変性ポリオレフィンは、末端に下記一般式
(I)で表されるDTC基を有する。
(式中、R1およびR2は前述のとおりである。)好ましい
DTC基としてはN−メチルジチオカルバメート基、N,N−
ジメチルジチオカルバメート基,N−エチルジチオカルバ
メート基,N,N−ジエチルジチジオカルバメート基および
N,N−ジ−n−ブチルジチオカルバメート基等が挙げら
れる。
本法により得られるDTC化ポリオレフィンは、その構
造は主として後述するポリオレフィン活性体を得る過程
によって決定され、この重量平均分子量は一般に1000〜
1×107であり、DTC基の数は10-3mole/gないし10-8mole
/gである。効果をより良く発現する為にはDTC基の数は1
0-3mole/gないしは10-6mole/gであることが好ましい。
次に、末端に一般式(I)で表わされるDTC基を有す
る変性ポリオレフィンの製造方法について詳細に説明す
る。
第1工程においては、チーグラー型触媒を用い活性末
端基を有する、エチレン及び/またはα−オレフィンの
重合体を製造する。単量体は、エチレンおよび炭素数3
〜20個のα−オレフィンの中から選ばれ、これらオレフ
ィン単量体は単独重合であっても、または、これら相互
の共重合もしくはこれらとブタジエンのようなジエンと
の共重合であってもよい。オレフィン単量体の具体例は
前述のとおりである。
チーグラー触媒は、一般には「コンプリヘンシィブ・
オルガノメタリック・ケミストリー」(Comprehensive
Organometallic Chemistry)3巻P475−547(1982)(P
ERGAMUN PRESS)に記載されるような周期律表第I〜III
続に属する金属の有機金属化合物若しくはその水素化物
と第IV〜VI族の遷移金属化合物(ハライド、アルコキシ
ド、アセチルアセトナート等)との組合わせからなる。
有機金属化合物の代表例としてはAIRnX3-n(Rは炭素数
1〜5個のアルキル基、Xはハロゲン、nは1,2,3のい
ずれかの数を表わす)で示される有機アルミニウム化合
物をあげることができる。前記式で示される有機アルミ
ニウム化合物においてn−2あるいは3の場合、複数の
アルキル基およびハロゲンは必ずしも同一のものである
必要はない。有機アルミニウム化合物の具体例としては
Al(CH33,Al(C3H53,Al(C3H73,Al(iC4H93,Al
(C2H52Clをあげることができる。触媒の他の成分で
ある遷移金属化合物の具体例としては,TiCl4,TiCl3,TiC
l2等のチタンハロゲン化物及びVCl4,VCl3,VOCl3等のバ
ナジウム化合物をあげることができる。また、これらと
他のハロゲン化物との共晶体、担持体も用いられ、例え
ば、AA型TiCl3,Mg化合物やSiO2等への担持体も有効に用
いられる。
有機アルミニウム化合物と遷移金属化合物のモル比は
前者/後者=0.1〜10000、好ましくは0.5〜1000に選定
する。有機アルミニウム化合物と遷移金属化合物との混
合触媒の使用量は特に制限がなく、通常の触媒量で十分
である。また、触媒成分としては他に公知の電子供与性
化合物を共存させることもできる。
上記した触媒と共に補助剤を用いることができる。補
助剤はM−Y結合を有する金属化合物である。式M−Y
において、Mはホウ素又は周期律表第II b族の金属であ
り、Yは炭化水素基若しくはアルコキシ基あるいは水素
原子もしくはハロゲン原子であり、好ましくは炭化水素
基もしくは水素原子である。これらの補助剤の中で、特
に、ホウ素、カドミウム若しくは亜鉛元素が炭素数12ま
での炭化水素基、例えば、アルキル、アリール、アラル
キル又はシクロアルキル基のみと結合しているホウ素、
カドミウム若しくは亜鉛の有機化合物が好適である。好
ましい補助剤の具体例はZn(C2H52,Zn(C3H72,Zn
(C4H92,Zn(C6H52,Cd(C2H52,Cd(C4H9等の
有機亜鉛化合物または有機アルミニウム化合物である。
その他の化合物、例えば、亜鉛、カドミウム若しくはホ
ウ素のハロゲン化物、特に亜鉛の塩化物あるいは亜鉛、
カドミウム若しくはホウ素のアルコキシド、特にC2H5Zn
OC2H5若しくはC2H5ZnOC3H7、更に酢酸亜鉛の様な亜鉛、
カドミウム若しくはホウ素の有機酸塩を用いることもで
きる。
補助剤は最初から重合媒質中に添加しておいてもよい
が、好ましくは重合の間に少しずつ添加される。何とな
れば重合の間に少しずつ添加した方が補助剤の濃度が重
合中ほぼ一定に保たれるからである。
使用すべき補助剤の量はとりわけ第2工程で生成すべ
き末端にDTC基を有するポリオレフィンのDTC基の含有量
によって左右される。補助剤を用いる場合、用いるべき
量が多い程第2工程でより多くのTDC基をポリオレフィ
ンに結合させることができる点で好ましい。補助剤を用
いない場合は、第2工程でポリオレフィンに結合するDT
C基の量が補助剤を用いる場合に比較して極端に低下す
る。一般には、補助剤の量は遷移金属化合物当り0.01〜
1000モル、好ましくは0.1〜100モルである。補助剤を過
量に用いてもその効果はさほど増大せず、経済性が低下
する。なお重合中に連鎖移動の役割を演じる上記補助剤
を用いる場合、他の連鎖作用を有する水素若しくは活性
水素を有するアルコール、アミン、チオール類と共存さ
せることは避けるべきである。
重合方法自体は公知の手法で行うことができる。重合
は常圧または中低圧下(通常50気圧以下)にて行う。重
合媒質として、炭化水素、例えば、プロピレン、プロパ
ン、ブテン、ペンタン、ペンテン、ヘキセン、ヘキサ
ン、メチルペンテン、オクタン、オクテン等の脂肪族炭
化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等の脂環族炭化水素あるいはベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素等を溶媒として用い
ることが好ましい。反応温度は−50〜200℃、好ましく
は10〜100℃である。このような条件下に所定の時間反
応させることにより目的とする活性末端基を有するポリ
オレフィン活性体を得ることができる。生成した重合体
は、酸素、活性水素含有化合物(例えば、空気、水、ア
ルコール等)と接触させて不活性化させることなく、い
わゆる不活性雰囲気下で単離せずそのまま第2工程に用
いる。
第1工程において生成したポリオレフィン活性体は、
前述とような脂肪族、芳香族または脂環族等の炭化水素
系溶媒に懸濁、好ましくは溶解しておき、前述のように
ポリオレフィン活性体を不活性することなく不活性雰囲
気下におく必要がある。これは、第2工程においてDTC
化反応ができる限り均一系でより円滑に進行させるため
である。従って、第1工程の重合の際溶媒を用いて生成
したかかるポリオレフィン活性体が懸濁若しくは溶解し
ている場合には第2工程で再び溶媒を加える必要がな
い。また、第1工程において無溶媒中でポリオレフィン
活性体を生成した場合には、これを懸濁若しくは溶解す
べく炭化水素系溶媒をこの第2工程で加える必要があ
る。
本発明の第2工程では、第1工程で得られた活性末端
基を有するポリオレフィンに下記一般式 (式中、R1及びR2は水素原子または炭素数20以下の炭化
水素基であり、R1及びR2が同時に水素原子であることは
ない。) で表わされるジスルフィド化合物を反応させることから
なる。この反応によって、目的とする末端にDTC基を有
する変性ポリオレフィン(以下、「DTC化ポリオレフィ
ン」という)が得られる。
DTC基を有するジスルフィド化合物の具体的な化合物
の例としては、N,N,N′,N′−テトラエチルチウラムジ
スルフィド:(C2H52NCSSSSCN(C2H5、N,N,N′,
N′−テトラメチルチウラムジスルフィド:(CH32NCS
S−SSCN(CH3、N,N′−ジエチルチウラムジスルフ
ィド、C2H5HNCSS−SSCNHC2H5、N,N′−ジ−tert−ブチ
ルチウラムジスルフィド、tBuHNCSS−SSCNHtBuがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。
上記ジスルフィド型有機化合物を以下に示すポリオレ
フィン活性体を含む反応系に添加する量は、次の如くで
ある。ジスルフィド型有機化合物は触媒成分(補助剤も
含む但し、Mg化合物やSiO2等への担持体を用いる場合は
担持されている金属成分のみを指す)の全金属種の全体
量に対して、0.1〜200(モル比)、好ましくは0.5〜10
(モル比)選定して添加する。この時の添加方法として
は、ジスルフィド型有機化合物単身をそのまま添加して
も良いが好ましくは、第1工程で用いる炭化水素等の不
活性溶媒に溶解せしめてから以下に示すポリオレフィン
活性体を含む反応系に添加するのが好ましい。
DTC基を有するジスルフィド型有機化合物を添加すべ
く第1工程で生成したポリオレフィン活性体の使用形態
としては次の如くである。ポリオレフィン活性体は第1
工程の重合の際記述した炭化水素(脂肪族・芳香族・脂
環族等)系溶媒ひに懸濁、好ましくは溶解させておき、
上述した様にポリオレフィン活性体を不活性化させるこ
となく不活性雰囲気下におく必要性がある。これは、で
きる限り均一系で第2工程のDTC化反応がより円滑に進
行させることを目的とするものである。従って、第1工
程の重合の際溶媒を用いて生成したかかるポリオレフィ
ン活性体が懸濁若しくは溶解している場合には、第2工
程で再び溶媒を加える必要もない。また、第1工程で無
溶媒中でポリオレフィン活性体を生成した場合にはこれ
を懸濁若しくは溶解すべく炭化水素系溶媒をこの第2工
程で加える必要がある。
反応温度は通常150℃以下なかでも20〜110℃が好まし
く、0.1時間以上好ましくは0.5〜10時間DTC化反応を行
うことにより目的とする末端にDTC基を有するポリオレ
フィン系重合体を得ることができる。尚、反応温度が上
記の値より高い場合には、DTC基が分解するため好まし
くない。
第2工程で得られるDTC化ポリオレフィンは、第2工
程で用いた溶媒の留去、若しくは非溶媒の添加等公知の
方法を用いることにより、単離が可能である。例えば、
アルコールを加えて重合体をより析出させ、次いで再沈
殿を繰り返し行うことにより精製される。また、精製し
たDTC化ポリオレフィンは、光増感基であるDTC基を有し
ているため、暗所で一般の薬品類と同様常温度若しくは
低温で保存する必要がある。
第2工程で得られたDTC化ポリオレフィンは、元素分
析により硫黄が存在すること、赤外分光法により1486及
び1255cm-1に吸収ピークのあること、また、これらのデ
ータ値が重合体の精製後においても減少しないことによ
って同定することができる。元素分析は、S含有量から
みて螢光X線法が好ましく、また、赤外分光分析におい
ては含有量からみてベースポリオレフィンとの差スペク
トルをとることが好ましい。
末端にDTC基を有する変性ポリオレフィンは、前述の
ように、いくつかの問題点のために製造は困難と考えら
れていたが、上記の方法によれば工業的有利に製造する
ことができる。この方法により得られるDTC化ポリオレ
フィンは、その構造は主としてポリオレフィン活性体を
得る過程により決定され、その重量平均分子量は一般は
1000ないし1×107であり、DTC基の数は10-3mole/gない
し10-8mole/gである。効果をより良く発現する為にはDT
C基の数は10-3mole/gないし10-6mole/gであることが好
ましい。
〔実施例〕
以下、実施例について本発明を具体的に説明する。
実施例1<DTC化ポリプロピレンの製造> ガス導入口、温度計、撹拌棒及び試薬投入口を有する
1.5のステンレススチール製のオートクレーブを窒素
ガスで置換した。窒素ガス雰囲気の下に溶媒として500m
lの乾燥キシレン、2.0mmolのAA型TiCl3(東洋ストウフ
ァー社製Cグレード)、4.0mmolのAl(C2H5、12mmo
lのZn(C2H5を加えた。200回/分の速度で撹拌下、
内温を45℃にしてプロピレンガスを8気圧になるまで導
入し、温度を一定に保ちながら45分間重合を行った。そ
の後、室温に戻し、未反応のプロピレンガスを窒素ガス
で5分間駆逐した。次に、150mlの乾燥キシレンに40mmo
lのテトラエチルチウラムジスルフィドを溶解した溶液
を加えて200回/分の速度で撹拌下80℃で2時間反応を
行なった。反応終了後、大過剰のメタノールの塩酸の混
合溶媒に注ぎ、生成したポリマーを沈殿させた。沈殿し
たポリマーを濾別し、キシレンとメタノールの混合溶媒
で再沈殿精製法を繰り返し行った。真空乾燥後、77.17g
の重合体が得られた。
螢光X線分析および赤外分光光度法により1g当り15.4
mgの硫黄成分を含有することが確認され、DTC基(C
4H92NCSS−が0.24mmol結合していることが裏付けられ
た。
<プロピレン・スチレンブロック共重合体の合成> 300mlの光重合用四つ口フラスコに冷却官、温度計、
ガス導入口及び高圧水銀灯を装着して窒素ガスで置換し
た。窒素ガス雰囲気の下に溶媒として1.00mlの乾燥キシ
レン、上記で生成した末端にDTC基を有するポリプロピ
レン4.00g及び共重合体すべくビニル化合物として30ml
のスチレンを加え80℃に温度を設定し、マグネライラッ
クスターラーで加熱撹拌しながら2時間光重合を行っ
た。反応終了後、過剰のメタノールに注ぎ生成ポリマー
を沈殿させた。沈殿したポリマーは別して真空乾燥し
た。得られた重合体は5.19gであった。重合体は沸騰ア
セトンを用いてソックスレー抽出を6時間行いスチレン
ポリマーを除去した。この抽出除去したホモポリマーの
重量測定の結果から得られた重合体中のスチレンのホモ
ポリマーの割合は6.4%であることがかった。また、赤
外線吸収スペクトルの測定からアセトン不溶性重合体中
のスチレン単位の含有量は26.8重量%であった。
実施例2〜4 実施例1と同様の条件及び方法で行った。但し、表1
に示す条件下でDTC化反応を行った。表1に実施結果を
示す。
実施例5〜7 実施例1と同様の条件及び方法で行った。但しDTC化
反応の際(C2H52NCSS−SSCN(C2H5の代わりに表
2に示すジスルフィド化合物を用いた。表2に実施結果
を示す。
実施例8〜10 実施例8〜10は、重合時に使用する補助剤としてZn
(C2H5の代わりに表3に示す化合物を用いた以外
は、実施例1と同様の条件及び方法で行った。結果を表
3に示す。
実施例11 <末端にDTC基を有するポリエチレン> エチレンガス1気圧をプロピレンガスに代えて用い重
合温度45℃のもとで30分間重合を行った以外は実施例1
と同様にして重合体を得た。生成した重合体には1g当り
11800ppmの硫黄を含有することが確認され、DTC基を27.
2mg(0.18mmol)含有することが裏付けられた。
実施例12 <末端にDTC基を有するポリエチレン> MgCl225g,TiCl41.5gを1振動ミルで12時間粉砕して
得られる粉末120mgをAA型TiCl3に代えて用い、エチレン
ガス0.5気圧をプロピレンガスに代えて用い重合温度を8
0℃にした以外は実施例1と同様にして重合体を得た。
生成した重合体には1g当り1820ppmの硫黄を含有するこ
とが確認され、DTC基を4.2mg(0.028mmol)含有するこ
とが裏付けられた。
実施例13 <末端にDTC基を有するエチレン・プロピレン共重合体
> MgCl225g,AA型TiCl3(東洋ストウファ−Cグレード)
8gを1振動ミルで24時間粉砕して得られる粉末を、室
温下テトラヒドロフランの10%トルエン溶液1で洗浄
し、乾燥して得られる粉末104mgをAA型TiCl3に代えて用
い、エチレンプロピレン等モル混合ガスを通気すること
をプロピレンガスの加圧の代わりに用い、重合温度を60
℃にした実施例1と同様にして重合体を得た。生成した
重合体には1g当り4210ppmの硫黄を含有することが確認
され、DTC基を9.7mg(0.066mmol)含有することが裏付
けられた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 4/52 MEZ C08F 4/52 MEZ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)及び(b)の工程を含む末端に
    下記一般式(I) (式中、R1及びR2は水素原子または炭素数20以下の炭化
    水素基であり、R1及びR2が同時に水素原子であることは
    ない。) で表されるジチオカルバメート基を有する変性ポリオレ
    フィンの製造方法。 (a)チーグラー型触媒を用いてエチレン及びα−オレ
    フィン類の中から選ばれたオレフィンを重合して活性末
    端基を有するポリオレフィンを製造する工程、 (b)工程(a)で得られた活性末端基を有するポリオ
    レンフィンに下記一般式(II)で表されるジスルフィド
    化合物を反応させる工程。
  2. 【請求項2】(a)工程のポリオレフィンを製造する際
    に、チーグラー型触媒中の遷移金属化合物1モル当た
    り、0.01〜1000モルのM−Y結合を有する金属化合物
    (ただしMはホウ素または周期律表II b族の金属であ
    り、Yは炭化水素基、アルコキシ基、水素原子またはハ
    ロゲン原子である。)を用いることを特徴とする請求項
    1記載の変性ポリオレフィンの製造方法。
  3. 【請求項3】(b)工程において、触媒成分及びM−Y
    結合を有する金属化合物の金属種の全体量1モルに対し
    て、0.1〜200のジスルフィド化合物を用いる請求項1記
    載の変性ポリオレフィンの製造方法。
JP63025015A 1988-02-04 1988-02-04 変性ポリオレフィンとその製造方法およびそれを用いる共重合体の製造方法 Expired - Lifetime JP2631680B2 (ja)

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