JPH0794514B2 - オレフイン・ビニル化合物共重合体の製法 - Google Patents

オレフイン・ビニル化合物共重合体の製法

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JPH0794514B2
JPH0794514B2 JP18614886A JP18614886A JPH0794514B2 JP H0794514 B2 JPH0794514 B2 JP H0794514B2 JP 18614886 A JP18614886 A JP 18614886A JP 18614886 A JP18614886 A JP 18614886A JP H0794514 B2 JPH0794514 B2 JP H0794514B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オレフィン・ビニル化合物共重合体の製法、
より詳しくは、ジチオカルバメート基を有する変性ポリ
オレフィンにラジカル重合性ビニル化合物を反応させ
て、ポリオレフィンとビニル化合物部分からなるオレフ
ィン・ビニル化合物共重合体を製造する方法に関する。
本発明によれば、ポリオレフィンとビニル化合物部分か
らなるオレフィン・ビニル化合物ブロック共重合体を効
率よく得ることができる。得られるブロック共重合体
は、性質の異なる重合体成分の結合から成り立っている
ため、元来ポリオレフィンの有する良好な属性を維持し
つつ、更に印刷性、塗装性、接着性、異種樹脂及び無機
フィラーとの相溶性改良特性等の機能をもつことができ
る。
〔従来の技術〕
ポリオレフィンはその有する不活性の性質が利用されて
いる反面、成形加工品の表面への印刷適性、塗装適性、
他材料の接着性に乏しいほか、ポリオレフィンと他の異
種樹脂とか無機充填剤との親和性、相溶性等が良くない
ため、ポリオレフィンを化学的に種々変性することが試
みられている。
変性ポリオレフィンの一例としてオレフィンとビニルモ
ノマーのブロック共重合体があり、その製造方法も種々
提案されている。例えば、特公昭45-40055、特公昭47-4
2385には、配位アニオン重合触媒を用いてオレフィンを
重合した後、ラジカル開始剤を添加し、引き続きビニル
化合物を重合させる方法が提案されている。しかしなが
ら、これらの従来法では、ビニルモノマーのホモポリマ
ーが副生し易く、目的とする共重合体、例えばブロック
共重合体を高収率で得難いという問題があった。また、
配位アニオン重合触媒を用いてオレフィンを重合した
後、有機スルホキシド化合物及び有機ハロゲン化合物を
添加してビニル化合物を重合させる方法も提案されてい
るが(特公昭53-2915)、実用的な共重合量に達するビ
ニル化合物はメタクリル酸の誘導体のみであり、他の多
くのビニル化合物の適用は難かしい。
変性ポリオレフィンの他の一例として、光照射下にハロ
ゲン化を行って得た変性ポリオレフィンも知られている
が、樹脂全体にわたり均一にハロゲン化することは困難
であり、有効な変性ポリオレフィンとは言い難い。ま
た、ポリオレフィンの変性の均一性という点では共重合
体の方がすぐれている。
最近、上述のようなビニルホモポリマーの副生が少な
く、また種々のビニルモノマーへの適用性にすぐれ、適
切な分子量のブロック共重合体を製造する方法としてリ
ビング重合法(ラジカル、アニオン、カチオン、又は配
位重合がある。)およびマクロマー法等が提案されてい
る。就中、ジチオカルバメート基R1R2NCSS−(R1,R2
炭素数20以下の炭化水素基である。)(以下、「DTC
基」と略記する。)を有する特殊な有機化合物を反応さ
せて末端にDTC基を有する重合体を生成させ、該重合体
をイニファータ(iniferter)として他種モノマーと共
重合させる方法(ポリマー・ジャーナル〈Polymer Jour
nal〉17-1,99〜104(1985)等)が紹介されている。し
かしながら、上記方法によってはDTC基含有α−オレフ
ィンは得られないため、DTC基含有ポリオレフィン及び
その製法については現在のところ全く知られていない。
これは上述のイニファータ(iniferter)を用いる方法
では重合機構がラジカル重合であり、一般的にポリオレ
フィンに適用するにはその低活性が故にまた、α−オレ
フィンでは分解をも伴なう為に困難であることに基づく
ものと考えられる。
DTC基を有する重合体のその他の製造方法として、ポリ
塩化ビニルの塩素にジチオカルバミン酸塩を反応させDT
C基をポリ塩化ビニルの側鎖に導入する方法(工業化学6
61383(1969))が知られている。ポリオレフィンにつ
いても、ハロゲンその他の反応性基を導入することがで
きれば、この反応性基をDTC基で置換することが考えら
れる。しかしながら、この方法は実用性を欠くと考えら
れていた。
これは、ポリオレフィンの決められた位置(即ち末端、
側鎖等)に、また、決められた含有量でハロゲン若しく
は他の反応性の基を導入する方法が知られていないため
である。また、ポリ塩化ビニルのようにそれを溶解する
極性溶媒がないため、求核置換反応であるジチオカルバ
ミン酸塩類との反応が求核置換反応上有利な極性溶媒中
で行なわれ得ないからであると考えられる。因みに、ポ
リオレフィンは、炭化水素系の無極性溶媒にしか溶解し
ない。
上述のように末端にDTC基を有する変性ポリオレフィン
は、これまで製造されたことがなかった。従って、これ
を用いたブロック共重合体製造の試みもなされていな
い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、上述の現状に鑑み、より広範囲の種類
のビニル化合物と反応して、ブロック共重合体を形成す
ることのできる、活性なDTC基を有する新規な変性ポリ
オレフィンを用いて、オレフィン・ビニル化合物ブロッ
ク共重合体を工業的有利に製造する方法を提供するにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上述の目的は、下記一般式(I) (式中、R1およびR2は水素原子または炭素数20以下の炭
化水素基である。) で表わされるジチオカルバメート基を有する変性ポリオ
レフィンを光の照射下にラジカル重合性ビニル化合物と
接触させることを特徴とするオレフィン・ビニル化合物
共重合体の製法によって達成される。
本発明で用いるジチオカルバメート基を有する変性ポリ
オレフィンは、新規化合物であって、エチレン又は炭素
数3〜20個のα−オレフィンの単独重合体またはこれら
相互の共重合体もしくはこれらとブタジエンのようなジ
エンとの共重合体から製造される。これら単独重合体お
よび共重合体の製造に用いるオレフィン単量体の例とし
てはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチル−ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチ
ル−ペンテン−1、3−エチル−ブテン−ヘプテン−
1、4,4−ジメチル−ペンテン−1、3,3−ジメチル−ブ
テン−1等があげられる。この共重合体はランダム共重
合体でもブロック共重合体でも良い。LLDPE(線状低密
度ポリエチレン)、EPR(エチレン・プロピレンゴ
ム)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン
リンケージ)もポリオレフィン重合体の例として含まれ
る。
上記変性ポリオレフィンは、下記一般式(I)で表され
るDTC基を有する。
式中、R1およびR2は水素原子または炭素数20以下の炭化
水素である。好ましいDTC基としてはN−メチルジチオ
カルバメート基、N,N′−ジエチルジチオカルバメート
基およびジ−n−ブチルジチオカルバメート基が挙げら
れる。
上記変性ポリオレフィンは、下記の工程からなるプロセ
スによって製造することができる。
(i) チーグラー型触媒を用いてエチレンおよびα−
オレフィン類の中から選ばれたオレフィンを重合して活
性末端基を有するポリオレフィンを製造する工程、 (ii) 前工程で得られたポリオレフィンにハロゲンを
反応させる工程、および (iii) 工程(ii)で得られた末端ハロゲン化ポリオ
レフィンに下記一般式(II)で表わされるジチオカルバ
ミン酸塩 (式中、R1およびR2は前述のとおりであり、Mは周期律
表第I族および第II族の金属元素であり、nはMの原子
価である。)を反応させる工程。
次に、上記各工程について詳しく説明する。
第1工程においては、チーグラー型触媒を用い活性末端
基を有する、エチレン及び/またはα−オレフィンの重
合体を製造する。単量体は、エチレンおよび炭素数3〜
20個のα−オレフィンの中から選ばれ、これらオレフィ
ン単量体は単独重合であっても、または、これら相互の
共重合もしくはこれらとブタジエンのようなジエンとの
共重合であってもよい。オレフィン単量体の具体例は前
述のとおりである。
チーグラー触媒は、一般には“コンプリヘンシィブ・オ
ルガノメタリック・ケミストリー(Comprehensive Orga
nometallic Chemistry)3巻p475-547(1982)(PERGAM
UN PRESS)に記載されるような周期律表第I〜III族に
属する金属の有機金属化合物若しくはその水素化物と第
IV〜VI族の遷移金属化合物(ハライド、アルコキシド、
アセチルアセトナート等)との組合わせからなる。有機
金属化合物の代表例としてはAlRnX3-n(Rは炭素数1〜
5個のアルキル基、Xはハロゲン、nは1,2,3のいずれ
かの数を表わす)で示される有機アルミニウム化合物を
あげることができる。前記式で示される有機アルミニウ
ム化合物においてnが2あるいは3の場合、複数のアル
キル基およびハロゲンは必ずしも同一のものである必要
はない。有機アルミニウム化合物の具体例としてはAl(C
H3)3,Al(C2H5)3,Al(C3H7)3,Al(iC4H9)3,Al(C2H5)2C
lをあげることができる。触媒の他の成分である遷移金
属化合物の具体例としては、TiCl4,TiCl3,TiCl2等の
チタンハロゲン化物品及びVCl4,VCl3,VOCl3等のバナ
ジウム化合物をあげることができる。また、これらと他
のハロゲン化物品との共晶体、担持体も用いられ、例え
ば、AA型TiCl3,Mg化合物やSiO2等への担持体も有効に用
いられる。
有機アルミニウム化合物と遷移金属化合物のモル比は前
者/後者=0.1〜10000、好ましくは0.5〜1000に選定す
る。有機アルミニウム化合物と遷移金属化合物との混合
触媒の使用量は特に制限がなく、通常の触媒量で十分で
ある。また、触媒成分としては他に公知の電子供与性化
合物を共存させることもできる。
上記した触媒と共に補助剤を用いることができる。補助
剤はM−Y結合を有する金属化合物である。式M−Yに
おいて、Mはホウ素又は周期律表第IIb族の金属であ
り、Yは炭化水素基若しくはアルコキシ基あるいは水素
原子若しくはハロゲン原子であり、好ましくは炭化水素
基もしくは水素原子である。これらの補助剤の中で、特
に、ホウ素、カドミウム若しくは亜鉛元素が炭素数12ま
での炭化水素基、例えば、アルキル、アリール、アラル
キル又はシクロアルキル基のみと結合しているホウ素、
カドミウム若しくは亜鉛の有機化合物が好適である。好
ましい補助剤の具体例はZn(C2H5)2,Zn(C3H7)2,Zn(C4H
9)2,Zn(C6H5)2,Cd(C2H5)2,Cd(C4H9)2等の有機亜鉛化
合物または有機アルミニウム化合物である。その他の化
合物、例えば、亜鉛、カドミウム若しくはホウ素のハロ
ゲン化物品、特に亜鉛の塩化物あるいは亜鉛、カドミウ
ム若しくはホウ素のアルコキシド、特にC2H5ZnOC2H5
しくはC2H5ZnOC3H7、更に酢酸亜鉛の様な亜鉛、カドミ
ウム若しくはホウ素の有機酸塩を用いることもできる。
補助剤は最初から重合媒質中に添加しておいてもよい
が、好ましくは重合の間に少しずつ添加される。何とな
れば重合の間に少しずつ添加した方が補助剤の濃度が重
合中ほぼ一定に保たれるからである。
使用すべき補助剤の量はとりわけ第2工程で生成すべき
末端にハロゲンを有するハロゲン化ポリオレフィンのハ
ロゲン基の含有量によって左右される。補助剤を用いる
場合、用いるべき量が多い程第2工程でより多くのハロ
ゲン基をポリオレフィンに結合させることができる点で
好ましい。補助剤を用いない場合は、第2工程でポリオ
レフィンに結合するハロゲン基の量が補助剤を用いる場
合に比較して極端に低下する。一般には、補助剤の量は
遷移金属化合物当り0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜5
00モルである。補助剤を過量に用いてもその効果はさほ
ど増大せず、経済性が低下する。なお、重合中に連鎖移
動の役割を演じる上記補助剤を用いる場合、他の連鎖作
用を有する水素若しくは活性水素を有するアルコール、
アミン、チオール類と共存させることは避けるべきであ
る。
重合方法自体は公知の手法で行うことができる。重合は
常圧または中低圧下(通常50気圧以下)にて行う。重合
媒質として、炭化水素、例えば、プロピレン、プロパ
ン、ブテン、ブタン、ペンタン、ペンテン、ヘキセン、
ヘキサン、メチルペンテン、オクタン、オクテン等の脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を溶媒と
して用いることが好ましい。反応温度は−50〜200℃、
好ましくは10〜100℃である。このような条件下に所定
の時間反応させることにより目的とする活性末端基を有
するポリオレフィン活性体を得ることができる。生成し
た重合体は、酸素、活性水素含有化合物(例えば、空
気、水、アルコール等)と接触させて不活性化させるこ
となく、いわゆる不活性雰囲気下で単離せずそのまま第
2工程に用いる。
第2工程では、前記ポリオレフィン活性体にハロゲンを
反応させる。ポリオレフィンの活性末端とハロゲンが反
応することにより目的とする末端にハロゲンを有するポ
リオレフィン(以下、「ハロゲン化ポリオレフィン」と
略称する)が得られる。
ハロゲンとしてはヨウ素、臭素、塩素および、ICl3のよ
うなインターハロゲン化合物が用いられる。中でもヨウ
素および臭素は後記の反応を穏和に進める点で好まし
い。ポリオレフィン重合体を含む反応系に添加するハロ
ゲンの量は触媒成分(補助剤も含む。但し、Mg化合物や
SiO2への担持体を用いる場合は担持されている金属成分
のみを指す。)の全金属種の全体量に対して0.1〜200モ
ル比、好ましくは0.5〜10モル比に選定する。添加方法
は次の如くである。すなわち、塩素についてはそのまま
ポリオレフィン活性体を含む反応系に添加する。臭素、
ヨウ素およびインターハロゲン化合物については、純品
をそのまま添加してもよいが、好ましくは飽和炭化水素
等の不活性溶媒に溶解してからポリオレフィン活性体を
含む反応系に添加する。
第1工程において生成したポリオレフィン活性体は、前
述のような脂肪族、芳香族または脂環族等の炭化水素系
溶媒に懸濁、好ましくは溶解しておき、前述のようにポ
リオレフィン活性体を不活性化することなく不活性雰囲
気下におく必要がある。これは、第2工程においてハロ
ゲン化反応ができる限り均一系でより円滑に進行させる
ためである。従って、第1工程の重合の際溶媒を用いて
生成したかかるポリオレフィン活性体が懸濁若しくは溶
解している場合には第2工程で再び溶媒を加える必要が
ない。また、第1工程において無溶媒中でポリオレフィ
ン活性体を生成した場合には、これを懸濁若しくは溶解
すべく炭化水素系溶媒をこの第2工程で加える必要があ
る。
反応条件について特別の制限はないが、通常反応温度は
0〜200℃で0.01〜3時間反応を行うことにより目的と
する末端にハロゲンを有するポリオレフィンいわゆるハ
ロゲン化ポリオレフィンを得ることができる。
第2工程で得られるハロゲン化ポリオレフィンは第1工
程及び第2工程で用いた溶媒の留去若しくは非溶媒の添
加等公知の方法を用いることにより単離することができ
る。例えば、アルコール/塩酸混合溶媒を第2工程の終
了した反応系内に加えることにより、重合体を析出さ
せ、濾別後アルコールで洗浄し、次いで再沈殿を繰り返
し行うことにより精製される。精製したハロゲン化ポリ
オレフィンは、特に制限はないが、一般の薬品類と同様
常温若しくは低温で保存することが好ましい。
第3工程では、第2工程で得られた末端ハロゲン化ポリ
オレフィンに下記一般式(II) (式中、R1およびR2は水素原子または炭素数20以下の炭
化水素基であり、Mは周期律表第I族および第II族の金
属元素であり、nはMの原子価である)で表わされるジ
チオカルバミン酸塩を反応させることからなる。この反
応によって、末端ハロゲン化ポリオレフィンのハロゲン
がDTC基と置換されて、目的とする末端にDTC基を有する
変性ポリオレフィン(以下「DTC化ポリオレフィン」と
いう)が得られる。
反応に用いるジチオカルバミン酸塩の中で特に水素原子
若しくは炭化水素基と結合している第I族の金属元素を
含むジチオカルバミン酸塩が好ましく用いられる。好ま
しいジチオカルバミン酸塩の具体例としてはN,N−ジエ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム:(C2H5)2NCSSNa、
N,N−ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム:
(nC4H9)2NCSSNa、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム:(CH3)HNCSSNa、N,N−ジエチルジチオカルバミン
酸カリウム:(C2H5)2NCSSKがあげられる。
ハロゲン化ポリオレフィンとジチオカルバミン酸塩の反
応は、ハロゲン化ポリオレフィンを溶解せしめる第1工
程で用いる脂肪族及び芳香族の炭化水素系溶媒と、ジチ
オカルバミン酸塩を溶解せしめその反応性を高めるため
極性若しくは双極性の高い非プロトン溶媒との混合溶媒
を用いて行うことが好ましい。ここに挙げる極性若しく
は双極性の高い非プロトン溶媒とは「溶媒和」化学モノ
グラフ24、P.54(1972)化学同人に記載されているよう
な非プロトン溶媒を指し、誘電率が15以上又は双極子モ
ーメントが2.5D以上のものを意味する。かかる非プロト
ン溶媒としては、例えば、アセトン、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホ
ラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ニ
トロメタン、無水酢酸、炭酸プロピレン、ニトロベンゼ
ン等を挙げることができる。炭化水素系溶媒と極性の高
い非プロトン性溶媒との混合比(体積比)は通常ハロゲ
ン化ポリオレフィンの溶解性と反応の進行性とから、前
者/後者=1〜50、好ましくは3〜10である。更に、ハ
ロゲン化ポリオレフィンに対して用いる混合溶媒の量は
特別の指定はない。
ハロゲン化ポリオレフィンに反応させるべくジチオカル
バミン酸塩の量としては、ハロゲン化ポリオレフィンの
有するハロゲン含有量に対して等モル〜5倍モルのDTC
基を含有するジチオカルバミン酸塩を用いることが好ま
しい。
反応は、後述する様にDTC基が熱分解する可能性を考慮
し、100℃以下で行うことが好ましい。反応時間は特に
制限はないが、通常1〜6時間にて目的とする新規のDT
C化ポリオレフィンを得ることができる。
第3工程で得られるDTC化ポリオレフィンは、第3工程
で用いた溶媒の留去、若しくは非溶媒の添加等公知の方
法を用いることにより、単離が可能である。例えば、ア
ルコールを加えて重合体を析出させ、次いで再沈殿を繰
り返し行うことにより精製される。また、精製したDTC
化ポリオレフィンは、光増感基であるDTC基を有してい
るため、暗所で一般の薬品類と同様常温若しくは低温で
保存する必要がある。
第3工程で得られたDTC化ポリオレフィンは、元素分析
により硫黄が存在すること、赤外分光法により1486およ
び1255cm-1に吸収ピークのあること、また、これらのデ
ータ値が重合体の精製後においても減少しないことによ
って同定することができる。元素分析は、S含有量から
みて螢光X線法が好ましく、また、赤外分光分析におい
ては含有量からみてベースポリオレフィンとの差スペク
トルをとることが好ましい。
末端にDTC基を有する変性ポリオレフィンは、前述のよ
うに、いくつかの問題点のために製造は困難と考えられ
ていたが、上記の方法によれば工業的有利に製造するこ
とができる。この方法により得られるDTC化ポリオレフ
ィンは、その構造は主としてポリオレフィン活性体を得
る過程により決定され、その重量平均分子量は一般は10
00ないし1×107であり、DTC基の数は10-3mole/gないし
10-8mole/gである。効果をより良く発現する為にはDTC
基の数は10-3mole/gないしは10-6mole/gであることが好
ましい。
次に、末端にジチオカルバメート基を有する変性ポリオ
レフィンからオレフィン・ビニル化合物ブロック共重合
体を製造する本発明の方法について説明する。
上記変性ポリオレフィンは紫外線その他の光の照射下に
ラジカル重合性ビニル化合物と接触させることにより目
的とするオレフィン・ビニル化合物共重合体を得ること
ができる。この共重合体生成反応自体は従来から常用さ
れる手法によって行うことができる。
ここにおいて用いられるラジカル重合性ビニル化合物
は、ブロック共重合体を形成する原料物質であり、ラジ
カル型触媒によって重合または共重合することのできる
全ての化合物を意味する。但し、光に不安定な重合体を
生成するビニル化合物は除く。ラジカル型触媒とは「ラ
ジカル重合(I)」P.27-57化学同人(1971年)に記載
されている様なものを指す。ラジカル重合性ビニル化合
物としては、「ラジカル重合(I)」P.5〜9化学同人
(1971年)に記載されている様なものが挙げられ、具体
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アルキルアク
リレート、アルキルメタクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの様なアクリ
ル誘導体;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン
の様なスチレン誘導体;酢酸ビニルの様なビニルエステ
ル;塩化ビニル、塩化ビニリデンの様なクロルビニル誘
導体;ビニルピリジン及びビニルピロリドン;ブタジエ
ン、イソプレンの様なジエン等を挙げることができる。
このブロック共重合体の合成を行うに際しては、末端に
DTC基を有するポリオレフィンを不活性溶媒中に溶解若
しくは膨潤させ、これに上記のラジカル重合性ビニル化
合物を加えて光照射で共重合を行う。
末端にDTC基を有するポリオレフィンを溶解若しくは膨
潤させるために使用し得る不活性溶媒としては、ラジカ
ルの連鎖移動定数の小さな溶媒を選択すべきであり、例
えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂
肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン
等の脂環式炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素が挙げられる。連鎖移動定数の
大きな溶媒を用いると、ビニル化合物の重合速度の低下
とビニル化合物の単独重合体の割合が増え好ましくな
い。
照射する光としては、重合体中のDTC基が吸収する光の
波長は280〜400nmの範囲にあるため、この範囲内の波長
の光を選択すべきである。通常は、360nm付近の近紫外
線若しくは青色可視光線を多く含む、高圧水銀灯やキセ
ノンランプを用いれば良い。
この共重合のために選択されるべき温度は、−50〜120
℃好ましくは−20〜100℃である。これは120℃より高い
温度ではDTC基が分解することと、−50℃より低い温度
では重合活性が極めて低下するためである。
反応時間としては0.1時間以上で特に制限はない。通常
は1〜6時間で目的とするポリオレフィンとビニル化合
物重合体から成るブロック共重合体を得ることができ
る。
生成したブロック共重合体は次の如く単離精製される。
すなわち、生成した重合体は重合に用いた溶媒の留去若
しくは非溶媒の添加等の公知の方法を用いることにより
単離される。得られた重合体は、通常目的とするブロッ
ク共重合体と少量のビニル化合物の単独重合体との混合
物であるため、完全なブロック共重合体を混合物から分
離することはこれに含まれるビニル化合物の単独重合体
を適当な溶媒を選択し抽出除去することにより可能であ
る。
得られた重合体の抽出残査がポリオレフィンとビニル化
合物重合体からなるブロック共重合体であることは、公
知の方法で確認することができる。例えば、抽出残査を
良溶媒に溶解し、次いで貧溶媒で再沈殿させた時、再沈
殿の操作の前後において重合体の質量がほとんど変化し
ないことより確認できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ポリオレフィンとビニル化合物重合体
部分から成るブロック共重合体を効率良く得ることがで
きる。本発明のブロック共重合体の製造方法は上述した
様に目的とするブロック共重合体と少量ビニル化合物の
単独重合体が生成するが、従来法の場合に比較して、ビ
ニル化合物の単独重合体の生成率が低い。また、本発明
は、従来法に比較して広範囲のビニル化合物について適
用でき、重合温度及び重合時間の選択によりブロック共
重合体中におけるビニル化合物の含有量を制御すること
も可能である。例えば、重合温度を高くするか、重合時
間を長くすることによりブロック共重合体中のビニル化
合物の含有量を高くすることができる。また、逆に重合
温度を低くするか、重合時間を短くすることにより、ブ
ロック共重合体中のビニル化合物の含有量を低くするこ
とができる。
本発明の方法で得られるブロック共重合体は、性質の異
なる重合体成分の結合から成り立っているため、元来ポ
リオレフィンの有する良好な属性を維持しつつ、更に印
刷性、塗装性、接着性、異種樹脂及び無機フィラーとの
相溶性改良特性等の機能を付与することが可能である。
例えば、相溶性改良についてはポリオレフィンと他基材
との複合化時のバインダーとして用いることができる。
〔実施例〕
以下、実施例について本発明を具体的に説明する。
参考例1〈ヨウ素化ポリプロピレンの製造〉 ガス道入口、温度計、撹拌棒及び試薬投入口を有する1.
5lのステンレススチール製のオートクレーブを窒素ガス
で置換した。窒素ガス雰囲気の下に溶媒として600mlの
乾燥ヘキサン、2.0mmolのAA型TiCl3(東洋ストウファー
社製Cグレード)、4.0mmolのAl(C2H5)3、120mmolのZn
(C2H5)2を加えた。200回/分の速度で撹拌下、内温を45
℃にしてプロピレンガスを8気圧になるまで導入し、温
度を一定に保ちながら60分間重合を行った。その後、室
温に戻し、未反応のプロピレンガスを窒素ガスで5分間
駆逐した。次に、100mlの乾燥ベンゼンに50mmolのヨウ
素を溶解した溶液を加えて200回/分の速度で撹拌下室
温で30分間反応を行った。反応終了後、大過剰のメタノ
ールと塩酸の混合溶媒に注ぎ、生成したポリマーを沈殿
させた。沈殿したポリマーを濾別し、キシレンとメタノ
ールの混合溶媒で再沈殿精製法を繰り返し行った。真空
乾燥後、96.53gの重合体が得られた。生成した重合体
は、蛍光X線分析若しくは元素分析により1g当り18mg
(0.142mmol)のヨウ素を含有することがわかった。
参考例2〈末端にDTC基を有するポリプロピレンの製
造〉 1の三つ口セパラブルフラスコに冷却管、温度計を装
着し、一箇所を試料導入口として窒素ガスで置換した。
窒素ガス雰囲気の下に溶媒として400mlの乾燥キシレ
ン、実施例1で生成したヨウ素化ポリプロピレン15.00
g、乾燥ジメチルホルムアミド50mlにN,N−ジブチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム1.8g(6.4mmol)を溶解した
溶液を入れ、110℃に温度を設定し、3時間加熱撹拌し
た。反応終了後、過剰のメタノールに注ぎ、生成ポリマ
ーを沈殿させた。沈殿した重合体は濾別後、キシレンメ
タノール系からの再沈殿を繰り返し行い精製した。真空
乾燥後得られた精製物は、螢光X線分析および赤外分光
光度法により1g当り1.3mgの硫黄成分を含有することが
確認され、DTC基(C4H9)2NCSS-が4.2mg(0.020mmol)結
合していることが裏付けられた。なお、生成物にヨウ素
は全く検知されなかった。
実施例1〈プロピレン・グリシジルメタクリレートブロ
ック共重合体の製造〉 300mlの光重合用四つフラスコに冷却管、温度計、ガス
導入口及び高圧水銀灯を装置して窒素ガスで置換した。
窒素ガス雰囲気の下に溶媒として100mlの乾燥キシレ
ン、参考例2で生成したDTC化ポリプロピレン400g及び
共重合すべきビニル化合物として30mlのグリシジルメタ
クリレートを加え80℃に温度を設定し、マグネティック
スターラーで加熱撹拌しながら2.5時間光重合を行っ
た。反応終了後、過剰のメタノールに注ぎ生成ポリマー
を沈殿させた。沈殿したポリマーは濾別して真空乾燥し
た。得られた重合体は9.5gであった。重合体は沸騰アセ
トンを用いてソックスレー抽出を6時間行いグリシジル
メタクリレートホモポリマーを除去した。この抽出除去
したホモポリマーの重量測定の結果から、得られた重合
体中のグリシジルメタクリレートのホモポリマーの割合
は4.6%であることがわかった。また、元素分析の測定
からアセトン不溶性重合体中(ポリプロピレン及びプロ
ピレングリシジルメタクリレート共重合体)のグリシジ
ルメタクリレート単位の含有量は68.6重量%であった。
実施例2〜11 ビニル化合物としてグリシジルメタクリレートに代えて
表−1に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様に反
応させてブロック共重合体を得た。結果は、表−1に示
すとおりであった。
参考例3〈ヨウ素化ポリエチレンの製造〉 MgCl225g,TiCl4,1.5gを1振動ミルで12時間粉砕して
得られる粉末120mgをAA型TiCl3に代えて用い、エチレン
ガス0.5気圧をプロピレンガスに代えて用い(エチレン
ガスは全圧を保つように追加する)重合温度を80℃にし
た以外は参考例1と同様にヨウ素化して重合体を得た。
生成した重合体中には1g当り8.6mgのヨウ素を含有する
ことが確認された。
参考例4〈DTC化ポリエチレンの製造〉 このヨウ素化ポリエチレンをヨウ素化ポリプロピレンに
代えて用いた以外は参考例2と同様にDTC化を行なっ
た。生成物は1g当り硫黄成分0.7mgを含有し、赤外分光
によってもDTC化されていることが確認された。
実施例12 DTC化ポリプロピレンに代えて参考例4で作られたDTC化
ポリエチレンを用いた他は実施例1と同様に行なって、
沈殿、濾別真空乾燥後、重合体を得たが実施例1と同様
にして分析を行なった結果、この内の7.5%がグリシジ
ルメタクリレートのホモポリマーであり、アセトン不溶
性重合体中のグリシジルメタクリレート単位の含有量は
46.6重量%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) (式中、R1およびR2は水素原子または炭素数20以下の炭
    化水素基である。) で表わされるジチオカルバメート基を有する変性ポリオ
    レフィンを光の照射下にラジカル重合性ビニル化合物と
    接触させることを特徴とするオレフィン・ビニル化合物
    共重合体の製法。
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