JP2631361B2 - 複合制振鋼板 - Google Patents

複合制振鋼板

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JP2631361B2 JP59158488A JP15848884A JP2631361B2 JP 2631361 B2 JP2631361 B2 JP 2631361B2 JP 59158488 A JP59158488 A JP 59158488A JP 15848884 A JP15848884 A JP 15848884A JP 2631361 B2 JP2631361 B2 JP 2631361B2
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征一 渡辺
東男 坂本
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた制振性を保持する溶接強度部材に使
用される複合制振鋼板に関する。
〔従来の技術〕
従来、建設機械や船舶、車両等の振動ならびに騒音を
忌避する箇所に使用される制振材料には、防振合金もし
くは複合型制振板が主として使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
而して前者は単体で無負荷状態において用いる場合に
は、良好な性能を示すが、強度部材として構造物に組込
んで使用する場合には、静荷重もしくは溶接施工に基づ
く残留応力が負荷され、材料力学上の応力−歪線図にお
けるヒステリシスループが形成されず、制振効果が発生
し難くなる。また防振合金の種類としてはマグネシウ
ム、片状黒鉛鋳鉄、12%Cr鋼、Cu−Mn合金、Fe−Cr−Al
合金等があるが、溶接性に乏しく、かつ高価であるため
に、広く一般に使用し難い。また、後者には粘弾性を有
する高分子樹脂と鋼板とを組合せた複合板等があり、構
造物に組入れた場合の制振効果を有するので、自動車部
品等には使用されているが、有機物である高分子樹脂か
ら構成されているために溶接施工が困難であり、また強
度部材としても断面積当りの特性が劣化し、しかもこの
種の材料は経年変化を伴うので、たとえば船舶甲板やボ
イラー煙道等の苛酷な使用条件の構造物に使用するには
不適当である。
本発明は、従来の各種制振材料の諸欠点を排除して、
如何なる使用条件に対しても優れた制振性を発揮し、か
つ、金属のみで有機物質を含有せず、しかも比較的安価
な制振材料を提供することが目的である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る複合制振鋼板は、3枚以上の鋼板を直接
重ね合わせて構成された複合制振鋼板であって、重ね合
わされた3枚以上の鋼板が、該鋼板自身を板厚方向に溶
融させて形成した複数のスポット状の溶融溶接部によ
り、少なくとも2個所以上で結合され、且つ前記溶融溶
接部の1m2当たりの個数が、鋼板の隅部のものを1/4個、
隅部を除く鋼板縁部のものを1/2個として15個以下であ
ることを特徴としている。
鋼板の縁部とは鋼板の各辺に沿った領域で、各辺に直
角な方向の鋼板寸法を100として各辺から10までの領域
をいう。また鋼板の隅部とは鋼板の隣接する2辺に囲ま
れた領域で、2辺に直角な方向の鋼板寸法を100として
2辺から10までの領域をいう。ちなみに、後述の実施例
(第2図)では、縁部及び隅部は、鋼板の長手方向につ
いては端縁(辺)から3.3のところに位置し、鋼板の幅
方向については端縁(辺)から10のところに位置する。
〔作用〕
本発明に係る複合制振鋼板の機能を以下に詳細に説明
する。
本発明鋼板は、3枚以上の鋼板を重合することによっ
て、各鋼板表面の相互接触に基づき物理的に制振能力を
惹起させることが、その原理である。すなわち、制振鋼
板を構成している3枚以上の板に大きな面圧が生じ合う
如き強い拘束を加圧すると、これにかかる機械的な振動
歪に対して各板の表面が相互にずれることなく振動を発
生するので好ましくない。また逆に各板の表面が相互に
全く接触せず、板と板との間に隙間が発生していると、
鋼板表面相互の摩擦による制振効果が消滅する。従って
本発明の制振鋼板では、各構成板を過度に強固な力によ
って拘束せず、適数個所でスポット結合することによ
り、制振性を惹起させるのである。
このような複合制振鋼板に外部から機械的な振動応力
が印加されると、振動学上の横波および縦波となって伝
播されるが、この際次に述べるメカニズムによって制振
効果が発揮される。
(1)横波:伝播する場合に表面の接触部分は相互に過
度の拘束を及ぼし合っていないので、同期的に振動する
ことなく異なる変位をする。特に表面接線方向に対して
両側の板の変位が相違するため、いわゆるズレが発生
し、その摩擦によって制振効果が発現され、しかもこの
効果が最も大である。
(2)縦波:いわゆる疎密波であって、3枚以上の構成
鋼板のうち、外側の2枚の板と内側の板とは力学的境界
条件が異なるため、縦波伝播時の位相差が発生し、疎な
部分と密な部分とが接触界面の両側で反対になる箇所が
必ず生じ、その部分において上記と同様に接触界面のズ
レを発生し、いわゆるズレ摩擦によって制振効果が現れ
る。
以上の如く構成する板表面が相互にズレを伴うこと
が、本発明の目的である制振効果を発揮させる上におい
ても最も重要な条件である。上記の如きメカニズムによ
って制振性能が得られるので、溶接構造物に組立てて残
留応力が発生しても、あるいは静的荷重が付加されて
も、本複合制鋼板はその所期の効果を十分に挙げ得るの
である。
本発明の複合制振鋼板では、3枚以上の構成鋼板のス
ポット結合に溶融溶接を用いたこと、及びその溶融溶接
部の1m2当りの個数を15以下としたことが重要である。
溶融溶接部の1m2当りの個数は、良好な制振制を得る
ために15個以下とし、望ましくは10個以下として、隣接
する鋼板を過度に拘束し合わない状態にする。ここで個
数は、前述したように、鋼板の隅部を除く縁部について
は1/2個、隅部については1/4個、他の部分については1
個とカウントする。
なお、複合制振鋼板を1枚の板として運搬、加工なら
びに施工を行うためには、1枚の板につき最少2個所の
溶接個所が必要である。
3枚以上の鋼板の結合形態は、良好な疲労強度を得る
ために、貫通孔をあけずに外部からのエネルギー供給に
より当該鋼板自身を板厚方向に溶融させるスポット状と
溶融溶接とする。具体的には、第1図に示すように、板
厚方向に貫通して溶融溶接部(4)が形成されるもの
(アークスポット溶接等)と、通常のスポット溶接、即
ち電気抵抗スポット溶接がある。電気抵抗スポット溶接
では、周知のとおり、隣接する鋼板の接合面近傍が板厚
方向に部分的に溶融する。
3枚以上の鋼板をスポット状に結合するだけであれ
ば、各板に貫通孔を設けてこれに通したバーの両端を外
側の2枚の鋼板に溶接するバー溶接、貫通孔にフィラー
を溶融して埋め込む栓溶接なども使用可能であるが、こ
れらは結合部において各板が治金的に完全に一体化され
ていないために、溶融溶接に比べると溶接欠陥が残り、
疲労強度が低い。
本発明の複合制振鋼板では、制振性を高めるために結
合点の個数を減らしているので、各結合点に振動負荷が
集中し、結合点を起点として疲労破壊を生じやすい。結
合点が疲労破壊を起こすと、その結合点では鋼板が剥離
し、所期の機械的強度を失う。制振性を高めるために結
合点の密度を制限した本発明の複合制振鋼板では、疲労
強度の高い結合形態を採用することが重要であり、この
観点からその結合形態として、貫通孔をあけずに鋼板自
身を板厚方向に溶融させるスポット状の溶融溶接を採用
し、貫通孔を必要とするバー溶接、栓溶接を除外する。
重ね合わせる鋼板の枚数は特に制限するものではな
く、枚数が多くなればなる程、制振能は向上する。各鋼
板の板厚も制限する必要もなく、鋼板の枚数、板厚等は
適用する構造物の設計の観点から決めるとよい。
なお本発明の要件であるズレ摩擦の見地からは、大き
すぎる面圧をかけて鋼板表面相互を接触させると、ズレ
が生じ難くなり、従って制振作用が起こらなくなる。特
に摩擦係数が大きくなるほど、上記の傾向が顕著にな
る。よって過大な面圧が回避する。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を図面及び表に基づいて詳述す
る。
第1図は本発明に係る複合制振鋼板の1例について鋼
板結合部の構造を示す断面図である。
第1図では、アークスポット溶接等を用いて板厚方向
に貫通形成されたスポット状の溶融溶接部(4)によ
り、2枚の外側の鋼板(1)(1)と内側の鋼板(2)
とが結合一体化されている。溶接箇所の密度が十分小さ
ければ、ズレによる制振効果が期待されるが、逆に密度
が大きければ鋼板表面相互のズレが発生し難くなり、当
然制振性能が低下する。なお、溶接箇所の表面はグライ
ンダー仕上等によって鋼板表面と面一にすることが望ま
しい。
本発明に係る複合制振鋼板を、アークスポット溶接及
び電気抵抗スポット溶接によって実際に製作してその制
振性を測定した。第1表及び第2表に、その測定結果を
本発明例A,B,C,D,E,Fとして示す。また第2表に、結合
点の密度が本発明範囲外のものを比較例G,Hとして示
し、これら制振鋼板と同じ厚さの単板の場合を比較例I
として示す。第2図及び第3図には製作した制振鋼板に
おける溶接個所を示す。
第1表及び第2表から分かるように、結合点の密度が
小さくなるにつれてピーク音圧レベルの数値(dB)が減
少し、振動減衰効果が増大する。そして、結合点の密度
を1m2当たり15点以下に制限した本発明例では、単板の
場合に比べて10(dB)を超える振動減衰効果が得られ
る。なお、ピーク音圧レベルは、長さ200mmのプラスチ
ックハンマーを鋼板表面より30゜傾斜させた高さから該
鋼板の中央部を打撃し、経時的にその音圧(dB)を測定
してピーク時の数値で表現したものである。
また、重ね合わせた3枚のSM41鋼板各板(厚3.2mm)
をバー溶接、栓溶接、電気抵抗スポット溶接、アークス
ポット溶接にてスポット状に結合したときの各結合部の
疲労強度を調査した結果を第4図に示す。電気抵抗スポ
ット溶接およびアークスポット溶接の疲労強度は厚さ9.
6mmの単板より若千低い程度であり、バー溶接、栓溶接
より格段に優れる。
疲労試験片の形状を第5図に示す。電気抵抗スポット
溶接におけるスポット径4mmは、アークスポット溶接に
おけるスポット径は6mm、バー溶接におけるバー径は8m
m、栓溶接における栓径は8mmとした。試験片の破断より
前に結合部が破壊したときは、その破壊時点での繰り返
し数を疲労寿命とした。
なお本発明に係る複合制振鋼板は、上記実施例に限定
されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、適宣
変更し得ることは言うまでもない。
〔発明の効果〕 本発明の複合制振鋼板は、3枚以上の鋼板を直接重ね
合わせ、有機物を排除した構成であるので、安価な上に
溶接が可能であり、更に、船舶甲板やボイラー煙道等の
苛酷な使用条件の構造物に使用しても、制振性能が低下
しない。また、強度部材として構造物に組込んで、静荷
重もしくは溶接施工に基づく残留応力が付加されても、
制振性能の低下が少ない。結合形態として溶融溶接を採
用したので、優れた制振性を得るために結合点を制限し
たにもかかわらず、疲労強度が高く、両者を高次元で両
立させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る複合制振鋼板の結合部を示す断面
図、第2図及び第3図は溶接箇所の説明図、第4図は結
合方法と疲労強度との関係を示す図表、第5図は疲労試
験片の説明図である。 1:外側鋼板、2:内側鋼板、4:溶融溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−148499(JP,A) 特公 昭41−10616(JP,B1) 実公 昭40−21308(JP,Y1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3枚以上の鋼板を直接重ね合わせて構成さ
    れた複合制振鋼板であって、重ね合わされた3枚以上の
    鋼板が、該鋼板自身を板厚方向に溶融させて形成した複
    数のスポット状の溶融溶接部により、少なくとも2個所
    以上で結合され、且つ前記溶融溶接部の1m2当たりの個
    数が、鋼板の隅部のものを1/4個、隅部を除く鋼板縁部
    のものを1/2個として15個以下であることを特徴とする
    複合制振鋼板。
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