JP2008120377A - 建設機械の騒音低減装置 - Google Patents

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Kenji Nishikawa
賢二 西川
Haruhiro Tsubota
晴弘 坪田
Masao Tsujino
正雄 辻野
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Abstract

【課題】 騒音を効率的に低減すると共に、コストが安く、しかも耐久性がある建設機械の騒音低減装置を提供する。
【解決手段】 建設機械の騒音発生部(振動部)の一部または全体に、鋼板を積層した積層板を所定間隔で離散的に結合する。また、鋼板を積層した積層板を複数種類の結合間隔で離散的に結合することが好ましい。また、騒音発生部の騒音レベルに応じて、積層数の異なる積層板を結合することにより、騒音低減効果が大きくなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、建設機械の騒音低減装置に係り、特には、騒音を効率的に低減すると共に、コストの安い、しかも耐久性がある建設機械の騒音低減装置に関する。
従来、建設機械の騒音低減の方法として、例えば図20(a)に示すように、ゴムや樹脂等の粘弾性体による制振部材21を振動部(母材)22に貼り付ける方法が知られている。これは、図20(b)に示すように、振動部22に貼り付けられた制振部材21が、振動部22の振動時の動きにつれて図示の矢印のように強制的に伸縮させられる。そして、その際の制振部材21の内部での物性で決まる損失により、振動エネルギを熱エネルギとして消散することにより、制振効果を発揮することを特徴としている。
また、他の騒音低減方法の先行技術として、例えば実開昭55−174082号公報には、その裏面側に摩擦損失を利用した振動減衰手段を取り付けた、装軌式車両のシュープレート(履帯)を開示している。これによると、振動減衰手段(例えば、バネ鋼板)の一端側がシュープレートの裏面にボルト等で固定されると共に、他端側はシュープレートに強く押し付けた状態(固定せず)で取り付けられる。そして、シュープレートが振動した場合、振動減衰手段の他端部とシュープレートとの相対的位置のずれによる摩擦によって、シュープレートの振動エネルギが急激に減少し、振動が急速に減衰させられるようにしている。
実開昭55−174082号公報
しかしながら、上記従来の騒音低減方法では以下のような問題がある。
図20に示された制振方法では、有効な制振効果を生むためには制振部材21の厚さを厚くする必要があり、制振部材21の厚さが振動部(母材)22の板厚の2〜3倍以上あることが求められる。建設機械の場合、対象となる振動部(母材)の板厚が数mmから十数mm以上あるので、必要とされる制振部材の板厚は概略10〜50mm程度となる。このため、制振部材21が特殊材料なので高価となる上に、上記の如く厚さにより更に高価になると共に、制振部材21を貼り付ける場所には他の部材との干渉を避けるために所定の大きさの隙間を確保しなければならず、装置が大型化するという問題がある。
また、建設機械等のように屋外の様々な現場で使用される場合、制振部材21の貼り付け部が環境(日光、風雨等)、振動、衝撃及び磨耗(岩石や砂等による)に対して耐久性が無いという問題がある。
また、上記実開昭55−174082号公報に開示されたシュープレートの実施例に記載された振動減衰手段は、波形形成したバネ鋼板の一端側をボルト等により押し付けてシュープレートに取り付けている。しかしながら、波形形成した板を一端側でのみ固定し、かつ押し付けるという構造上、同シュープレートでは、バネ鋼板とシュープレートとの隙間に泥や砂等が入り易く、これらが入ると前記隙間が大きくなり、よって摩擦エネルギによる振動の損失が無くなる、又は少なくなるので、騒音低減効果が長期間持続しないという問題がある。また、前記構成上、岩石等によりバネ鋼板が変形し易いので、耐久性が乏しいという問題もある。
本発明は上記従来の問題点に着目し、騒音を効率的に低減すると共に、コストが安く、しかも耐久性がある建設機械の騒音低減装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る建設機械の騒音低減装置の第1発明は、建設機械の騒音発生部の一部または全体に、板を積層した積層板を所定間隔で離散的に結合した構成としている。
第2発明は、建設機械の騒音発生部の一部または全体に、板を積層した積層板を複数種類の結合間隔で離散的に結合した構成としている。
第3発明は、第1又は第2発明において、騒音発生部に応じて、積層数の異なる積層板を結合するようにしている。
第1発明によれば、積層板が騒音発生部(振動部)に離散的に結合されているので、騒音発生部が振動すると、振動部と積層した板間、及び積層した板間に微小な位置ズレや隙間が生じる。この微小な位置ズレや隙間は常に変化しながら次々に生起されるので、板間の摩擦や衝突が繰り返される。したがって、騒音発生部の振動エネルギは、これらの摩擦や衝突により熱エネルギに変換され、消散していくので、振動を減少させることができ、騒音を低減できる。このとき、積層した板は、従来の粘弾性体による制振部材の内部損失とは異なる原理で、すなわち上記のように板間の摩擦や衝突により振動エネルギを熱エネルギに変換するので、積層板の各板を薄くして本来の振動部(母材)の板厚とほぼ同等か又はそれ以下の積層高さに構成しても十分な騒音低減効果が得られる。したがって、騒音低減装置を小型化できる。また、積層する板は制振部材のような特殊な材料でなく、普通鋼板や、アルミニウム、SUSあるいはFRP(強化プラスチック材)等の所定値以上の摩擦係数を有するものでよいので、コストを安くでき、しかも耐久性を向上できる。
第2発明によれば、積層板が騒音発生部(振動部)に離散的に結合されているので、騒音発生部が振動すると、振動部と積層した板間、及び積層した板間に微小な位置ズレや隙間が生じる。この微小な位置ズレや隙間は常に変化しながら次々に生起されるので、板間の摩擦や衝突が繰り返される。したがって、騒音発生部の振動エネルギは、これらの摩擦や衝突により熱エネルギに変換され、消散していくので、振動を減少させることができ、騒音を低減できる。このとき、積層板の結合間隔を大きくすると低周波数帯域の騒音がより低減され、結合間隔を小さくすると高周波数帯域の騒音がより低減されるので、結合間隔を変えることにより低減する騒音の周波数帯域を設定できる。したがって、騒音発生部での発生騒音の周波数帯域及びその発生レベルに応じて最も有効な制振効果が得られるように積層板の結合間隔を適宜設定して使用することにより、全周波数帯域にわたって騒音レベルを効果的に低減できる。
第3発明によれば、積層数を多くすると全周波数帯域にわたって騒音レベル低減量が大きくなるので、騒音発生部の発生騒音の騒音レベルに応じて異なった積層枚数の積層板を結合することにより、所望の騒音レベル低減量が得られる。これにより、騒音発生部に適合させて効果的に騒音を低減できる。
以下、本発明に係る建設機械の騒音低減装置の実施形態について、図1乃至図15により詳細に説明する。なお、第1〜7実施形態においては、騒音低減装置を建設機械の履帯の履板に適用する例を説明する。
先ず第1実施形態について、図1乃至図8により説明する。
図1は履帯の斜視図あり、図2は履帯の構成図である。図1,2に示すように、履帯10は、後述する積層板8を結合した履板1を左右リンク4,5にボルト2及びナット3により締結して構成されている。左右リンク4,5は、それぞれ一端側に外側リンク部4a,5aを、他端側に内側リンク部4b,5bを有している。そして、これらの左右リンク4,5は、左右リンク4,5の一端部の内側リンク部4b,5b間に固定されたブッシュ7と、このブッシュ7に挿入されて隣の左右リンク4,5の他端部の外側リンク部4a,5aに固定されたピン6とにより、屈曲自在に連結されて無端状になっている。
図3は履板の平面図であり、図4は図3のA−A断面図である。図3,4に示すように、履板1の裏側(つまり、接地面の反対側)には、それぞれが薄い普通鋼板8(以後、積層板8と呼ぶ。)が所定のn1 枚積層されており、これらn1枚の積層板8は結合間隔がa1 で複数箇所、履板1に栓溶接Wにより結合されている。そして、n1 枚の積層板8及び履板1は、左右リンク4,5に前記ボルト2及びナット3により共締めされている。
次に、作動について、図5(a),(b)及び図6に基づいて説明する。図5(a)は履板1の非振動時の積層板8の状態を示し、図5(b)は履板1の振動時の積層板8の状態を示す。また図6は、積層板8の有、無の時の騒音レベルを示している。
図5(b)に示すように、履板1が振動すると、図5(a)に示す状態にあった各積層板8も結合間隔等の拘束条件に応じて振動し、その板間に微小な位置ズレや隙間が生じる。振動に伴い、この微小な位置ズレや隙間は常に変化しながら次々に生起されるので、板間で摩擦や衝突が繰り返される。すると、履板1の振動エネルギは、これらの摩擦や衝突により熱エネルギに変換されて消散していく。したがって、履板1の振動を減少させることができ、ひいては履板1から放射される騒音を低減できる。
本出願人らは、実験により積層板による騒音低減の効果を確認しており、図6はその実験結果を示す。同図の線α1 ,β1 は、それぞれ積層板の有、無時の周波数に対する騒音レベルを示したものである。
同図に示すように、積層板が有る時は無い時に比べて全周波数帯域において騒音レベルが低下しており、積層板が非常に騒音低減効果を有することがわかる。
また、図7に積層板8の結合間隔を変えたときの騒音レベル低減量を示す。ここで、縦軸の騒音レベル低減量は「積層板有りのときの騒音レベル−積層板無しのときの騒音レベル」としており、よってこの低減量がマイナスの方が低減効果があることを表す。以下、同様とする。また図7の線α2 ,β2 は、積層板8の結合間隔をそれぞれ、a1 ,a2 (ただし、a1 >a2 である)として履板1に結合したときの周波数に対する騒音レベル低減量を示したものである。
同図に示すように、結合間隔が大きい(a1 )ときは、低〜中周波数帯域での騒音低減効果が大きく、結合間隔が小さい(a2
)ときは、中〜高周波数帯域での騒音低減効果が大きいことがわかる。このように、結合間隔を変化させることにより、所定の周波数帯域の騒音を低減させることができる。
また、図8に積層板8の積層枚数を変えたときの騒音レベルを示す。図8の線α3 ,β3 は、積層枚数をそれぞれn1 ,n2 (ただし、n1 <n2 である)とした積層板8を履板1に結合したときの周波数に対する騒音レベル低減量を示している。
同図に示すように、積層枚数が多い(n2 )ときは低周波数帯域の一部を除いてほぼ全周波数帯域にわたって騒音レベルが小さくなる。
このような第1実施形態によれば、履板1に積層板8を結合することにより、図6に示すように振動エネルギを積層板8の摩擦や衝突により消散して大幅に騒音を低減できる。また、従来のように高価な制振部材を使わずに、安い普通鋼板でよいのでコストが安く、しかも耐久性がある。また、図7,8に示すように、積層板8の結合間隔により低減する騒音周波数帯域を調整したり、また積層枚数により騒音レベルを調整できるので、履板1の様々な振動状態に応じて、きめ細かく、効率的に騒音を低減することができる。
図9,10に基づいて、第2実施形態を説明する。図9は本実施形態に係わる履板1の平面図であり、図10は図9のB−B断面図である。
同図に示すように、積層部8A,8Aは左右リンク4,5を挟んで履板1の長手方向(図中左右)に分離して配設されている。各積層部8Aは、図10に示すように、所定枚数の薄い積層板8aと厚い積層板9とから構成されており、薄い積層板8aを履板1と厚い積層板9との間に挟みつけ、前実施形態と同様の結合手段により固着したものである。
このような構成によれば、前記第1実施形態と同様な効果が得られると共に、厚い積層板9により締付け力が増すので、積層板8a間の摩擦力が大きくなり、よって、摩擦による消散エネルギを増大させ、大きな騒音低減効果を得ることができる。また、外側に、すなわち最も上部に厚い積層板9を使用することにより、岩石等による変形や損傷を受け難く、また摩耗しても長期間大きな締付け力を維持できるので、積層部8Aの耐久性を向上させることができる。
図11により、第3実施形態を説明する。
図11は、本実施形態に係わる履板の断面図である。同図に示すように、積層部8Bは所定枚数の薄い積層板8aと上下の厚い積層板9a,9aとを備えており、薄い積層板8aを厚い積層板9a,9aの間に挟みつけて前記実施形態と同様の結合手段により履板1に結合している。このような積層部8Bは、前記第1又は第2実施形態に示した使用形態と同様に使用される。
本実施形態の構成によれば、前記第1,第2実施形態と同様な効果が得られると共に、厚い積層板9a,9a間に挟むことにより締付け力が更に大きくなり、積層板8a間の摩擦力が更に大きくなる。したがって、この摩擦による振動消散エネルギを増大させるので、騒音低減効果を更に大きくできる。
つぎに、図12により第4実施形態を説明する。
図12は、本実施形態に係る履板の断面図である。同図に示すように、積層部8Cは、所定枚数の薄い積層板8aと予め所定の曲げ変形が加えられた厚い積層板9bとを備えており、この厚い積層板9bと履板1の間に薄い積層板8aを挟みつけている。そして、厚い積層板9bの有する前記曲げ変形による押し付け力により薄い積層板8aを強制的に履板1に押しつけた状態で、前述の結合手段により結合している。この積層部8Cは、第1又は第2実施形態における使用形態と同様に使用される。
本実施形態によれば、上記第1,第2実施形態と同様な効果が得られると共に、押し付け力を有する厚い積層板9bにより予圧が与えられるので、薄い積層板8a間の摩擦力が大きくなる。したがって、摩擦による振動消散エネルギを増大させ、さらに大きな騒音低減効果を得ることができる。
図13に示す第5実施形態を説明する。
図13は、本実施形態に係る積層部8A,8D1,8D2が結合された履板1の平面図である。同図に示すように、履板1には複数箇所に分離して所定形状の積層部8Aや積層部8D1,8D2が配設されている。積層部8Aは履板1の左右リンク4,5より左右いずれか一側に結合され、他側には2個所に積層部8D1,8D2が結合されている。これらの積層部8A,8D1,8D2には、前述までの実施形態で示した各種の積層板が使用される。
このような第5実施形態によれば、前述までの各実施形態の作用及び効果の他に、積層板の各種の大きさや形状のものを所定箇所に分離して結合することにより、履板1(母材)のそれぞれ特定箇所の形状や振動特性に応じて、きめ細かく対応することができる。すなわち、制振対象の部位形状や振動特性に応じて、所定の大きさ及び形状で、所定の積層形態による積層板をそれぞれの必要な箇所に結合できる。また、制振対象部の発生騒音の周波数帯域に応じて各積層部の結合間隔を変えることにより、各部の振動を効果的に低減できる。これにより、制振対象をきめ細かく、かつ効率的に制振でき、大きな騒音低減効果を得ることができる。
図14により、第6実施形態を説明する。
図14は、本実施形態に係る積層部8E,8Aが結合された履板1の平面図である。同図に示すように、履板1には、それぞれ履板1への結合間隔が異なる複数種類の積層部が配設されている。本実施形態では、大き目の結合間隔a1 を有する積層部8Aと、小さ目の結合間隔a2 を有する積層部8Eとを設けている。なお、同一の積層部において、履板長手方向、短手方向で結合間隔を変えること、あるいは結合間隔を段階的に変化させること、更には結合間隔を不等ピッチとすること等、異なる結合間隔を有するようにしてもよい。
このような第6実施形態によれば、履板1の特定部位の振動特性、すなわち騒音周波数特性に応じて、結合間隔を設定することが可能となり、これにより、騒音低減周波数帯域を調整して積層部を設けられる。したがって、履板1の部位毎に、効率的に騒音を低減できる。
なお、結合間隔の異なる積層部を複数組み合わせて配設することにより、それらの騒音低減の周波数特性を兼ね備えることができ、履板1の形状、振動特性に応じて、きめ細かく対応することができる。
図15に基づいて、第7実施形態を説明する。
図15は、本実施形態に係る積層部8Fが結合された履板1Aの断面図である。同図に示すように、履板1Aの接地面の反対側に窪みを設け、この窪みの中に積層板8bを埋め込み、前述までの実施形態と同様の結合手段により結合している。また、積層板としては、前述までの実施形態と同様の積層板が使用される。
このような第7実施形態によれば、履板1Aの重量軽減が可能であり、また積層板8bが窪みの中に埋め込まれているので、岩石等により損傷を受けることが少なくなり、耐久性が向上する。この他の効果は、上記第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
ところで、建設機械の内、例えばブルドーザ20においては、図16に示すように、履帯10の履板1の他に、振動に起因して騒音を発生している様々な部材(11〜20)がある。これらには、例えば、トラックフレーム11、エンジンルームカバー12A,12B、メインフレーム13、オペレータキャブ14、アンダガード15、フェンダカバー16、フロントアイドラ17、ファイナルドライブキャリア18、ブレード19及びブレード支持フレーム20等がある。これらの各部材11〜20についても本発明に係る積層板を適用することが可能であるが、以下の第8、9、10実施形態ではトラックフレーム11、エンジンルームカバー12A,12B及びフロントアイドラ17に適用する例について、図17,18,19により説明する。
図17に、トラックフレーム11に積層板を適用した第8実施形態を示す。
同図に示すように、トラックフレーム11の側面には平面状の積層板11a,11bを、上面には曲面状の積層板11cを結合する。また図示しないが、トラックフレーム11の内面にも積層板を結合することができる。尚、積層板11a,11b、11cは、前述までの実施形態において説明した各種の積層板を組み合わせて使用することができる。
トラックフレーム11は、岩石や土砂との衝突により、大きな起振力が直接に、あるいは履帯10を経て伝達される所であると同時に、岩石等に直接接触する所でもある。したがって、上記の積層板11a,11b、11cによれば、必要な箇所の大きさ及び形状に応じて、また振動特性に適合するような積層板を適用できるので、容易に大きな騒音低減効果を得ることができると共に、耐久性を確保できる。
図18に、エンジンルームカバー12A,12Bにおいて積層板を適用した第9実施形態を示す。
同図に示すように、エンジンルームカバー12A,12Bの内面に不定形の積層板12a,12bを結合する。尚、積層板12a,12bは、前述までの実施形態において説明した各種の積層板を組み合わせて使用することができる。エンジンルームカバー12A,12Bは、図示しないエンジンのマウントによる起振力が、メインフレーム13を経て伝達される所であり、複雑な形状をしている。したがって、上記のような積層板12a,12bによれば、様々な形状の部材に対しても簡単に適用できるので、確実に騒音を低減することができる。
なお、本実施形態の場合、大きな荷重がかかる適用個所ではないので、積層板の各板の素材は鋼板に限定されず、例えばアルミニウム、SUSあるいはFRP(強化プラスチック材)等の表面摩擦係数がを所定値以上有るものが使用可能である。
図19に基づいて、フロントアイドラ17を積層板により構成した第10実施形態について説明する。同図に示すように、本実施形態ではフロントアイドラ17の全体が積層板17aにより構成されており、積層板17aは複数の所定厚さの鋼板からなっている。積層板17aは、幅方向中央部に位置し、かつ径が大きな複数の部材31と、部材31の外側に配設され、かつ径が小さな複数の部材32とが複数のボルトにより所定の結合間隔で締着されている。
このような構成によると、フロントアイドラ17の全体が積層板17aにより構成されているので、フロントアイドラ17で発生した振動は積層板17aの板間の摩擦により低減され、発生する騒音を効率的に低下できる。これにより、従来の制振材を貼り付けたものよりも、全体の厚さを薄くできて小型化が可能となる。
上記の他に、図16に示した部材では、詳細な説明は省くが、メインフレーム13の内外面、オペレータキャブ14の上面や側面、アンダガード15の内外面、フェンダカバー16の内外面、フロントアイドラ17の側面、ファイナルドライブキャリア18の円筒面、ブレード19の裏面、ブレード支持フレーム20の上面や内外側面等に積層板を適用することができる。
尚、油圧式掘削機においても、図示しないが、上記ブルドーザと同部材は勿論のこと、バケット、アーム、ブーム等に適用することができる。
尚また、ホイールローダにおいても、同様に、バケット、リフトアーム等に適用することができる。
さらに、ダンプトラックにおいても同様に、ベッセル等に適用することができる。さらにまた、建設機械の種類に拘わらず、エンジン、マフラ等に対しても同様に適用することができる。
以上説明したように、本発明の建設機械の騒音低減装置によれば、騒音発生部(振動部)の全体(つまり、振動部の表面全体あるいは振動発生部自体)又は一部に積層板を所定の結合間隔で結合することにより、この振動エネルギが振動部と積層した板間、及び積層した板間の摩擦や衝突により熱エネルギに変換され、消散していくので、振動を減少させることができ、騒音を低減することができる。
また、各積層板間は所定間隔毎に、すなわち離散的に結合されると共に、騒音発生部にも離散的に結合されており、その結合間隔はそれぞれの騒音発生部の騒音周波数帯域に応じて最も有効な制振効果が得られるように設定することができる。すなわち、結合間隔を大きくすると低〜中周波数帯域の騒音の低減効果が大きくなり、結合間隔を小さくすると中〜高周波数帯域の騒音の低減効果を大きくできる。これにより、騒音発生部に応じて騒音をきめ細かく、効率的に低減することができる。
さらに、積層数を多くすると全周波数帯域にわたって騒音低減量が大きくなるので、騒音発生部の騒音レベルに応じて積層数を適宜設定することにより、効率的に騒音を低減できる。
また、積層板は、従来のような高価な制振材でなく、普通鋼板でも良いので、コストが安いと共に、耐久性を確保できる。さらに、各積層板の形状を騒音発生部の制振対象部材の形状に適合させて任意の形状に切り板し、一体で、あるいは複数の積層板に分離して結合されるので、取付場所のスペースに応じた結合ができる。よって、汎用性を確保できると共に、確実に騒音を低減できる。
さらにまた、積層板の摩擦係数を大きくすることにより摩擦での消失エネルギを大きくできるので、鋼板の表面粗さや、積層板の材質等を選択して、適用する場所や目的等に適合させることができる。
さらに、積層板の内、少なくとも最上部の板の板厚を他より厚くしてもよい。これにより、厚い板と振動部との間に薄い積層板を挟み込む際に、厚い板により押し付け力が増加するので、挟まれた振動部と積層板との間、及び積層板間の摩擦力が大きくなり、よって摩擦により消散する振動エネルギは増加するので、さらに騒音を低減できる。
また、積層板の最上部の板は下方へ押し付ける付勢力を有していてもよい。これにより、積層板の最上部の板は押し付け力を有しているので、積層板の摩擦力が増加し、したがって摩擦により消散する振動エネルギは増加し、さらに大きな騒音低減効果が得られる。
また、積層板の騒音発生部への結合手段は、ボルト、リベット等による締結、あるいは栓溶接、スポット溶接等による溶着などの剛に結合される手段としている。これにより、騒音発生部(振動部)の部材の材質、使用環境条件又は振動状態等に応じて最適な結合手段を選択できるので、騒音を効率的に低減できると共に、積層板の取り付け施工が容易である。
本発明は、ブルドーザ、油圧式掘削機(油圧ショベル)、ホイールローダ、ダンプトラック等の建設機械の騒音発生部に適用可能である。
本発明に係る建設機械の騒音低減装置を適用した履帯の斜視図である。 同、履帯の構成図ある。 同、履板の平面図ある。 同、図3のA−A断面図である。 同、積層板の挙動の説明図であり、(a)は非振動時の状態、(b)は振動時の状態を示す。 同、積層板の有無時の騒音レベルを示す図である。 同、積層板の結合間隔を変えた時の騒音レベル低減量を示す図である。 同、積層板の積層枚数を変えた時の騒音レベル低減量を示す図である。 同、第2実施形態の履板の平面図である。 同、図9のB−B断面図である。 同、第3実施形態の履板の断面図である。 同、第4実施形態の履板の断面図である。 同、第5実施形態の履板の平面図である。 同、第6実施形態の履板の平面図である。 同、第7実施形態の履板の断面図である。 本発明が適用されるブルドーザの側面図である。 トラックフレームに適用した第8実施形態を示す。 エンジンルームカバーに適用した第9実施形態を示す。 フロントアイドラに適用した第10実施形態を示す。 従来の制振部材の挙動の説明図であり、(a)は非振動時の状態を示し、(b)は振動時の状態を示す。
符号の説明
1…履板、2…ボルト、3…ナット、4,5…リンク、6…ピン、7…ブッシュ、8,8a,8b…積層板、8A〜8F…積層部、9,9a,9b…厚い積層板、10…履帯、11…トラックフレーム、11a,11b,11c…積層板、12A,12B…エンジンルームカバー、12a,12b…積層板、13…メインフレーム、14…オペレータキャブ、15…アンダガード、16…フェンダカバー、17…フロントアイドラ、18…ファイナルドライブキャリア、19…ブレード、20…ブレード支持フレーム、21…制振部材、22…振動部。

Claims (3)

  1. 建設機械の騒音発生部の一部または全体に、板を積層した積層板を所定間隔で離散的に結合した
    ことを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
  2. 建設機械の騒音発生部の一部または全体に、板を積層した積層板を複数種類の結合間隔で離散的に結合した
    ことを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
  3. 請求項1又は2記載の建設機械の騒音低減装置において、
    騒音発生部に応じて、積層数の異なる積層板を結合した
    ことを特徴とする建設機械の騒音低減装置。
JP2007285924A 2007-11-02 2007-11-02 建設機械の騒音低減装置 Pending JP2008120377A (ja)

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