JPWO2006059624A1 - 履帯、及びこの履帯のための履板 - Google Patents

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Abstract

履帯1は、トラックリンク2に対する接続面31Bを有する履板本体31と、履板本体31の接続面31B上に積層される複数の積層板及び押さえ板を有する制振部材33と、複数の積層板のそれぞれを相互にスライド可能に保持した状態で、履板本体31、複数の積層板、及び押さえ板を締結する締結部材6とを備えて構成されている。積層板のそれぞれが相互にスライド可能となっているので、制振効果が高く、履帯1に発生する騒音を抑制させることができる。

Description

本発明は、履帯及びこの履帯のための履板に関する。
ブルドーザ等の作業機械は、駆動輪および遊動輪に巻装される履帯を備えるものがある。この履帯は、無端状に連結された複数のトラックリンクと、これらトラックリンクにそれぞれ接続される履板等を有する。そして、このような作業機械は、駆動輪の回転駆動により履帯が駆動輪および遊動輪の外周を周回運動することで走行する。
このような作業機械では、走行時に、履帯と駆動輪や遊動輪とが、及び履帯と地面とが衝突し、その衝撃騒音(加速度騒音)やリンギングノイズ(履板等の固有振動による騒音)が生じやすいものである。
そこで、このような問題を解決するために、以下に示す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の技術では、履板の接地側の反対側に、複数の普通鋼板が積層されて栓溶接にて離散的に結合されている。このような構成により、履帯と駆動輪や遊動輪等とが衝突した際に、その衝撃による履板の振動エネルギを複数の普通鋼板の摩擦や衝突により消散して騒音を低減している。
特開2000−219168号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、栓溶接にて複数の普通鋼板が履板に結合されているため、履板を製造する際に普通鋼板を溶接する工程が必要となり、製造コストの低減という基本的要請を満たすことが難しい。
また、履板の磨耗等により履板を交換する際、普通鋼板を再利用することも難しい。このため、履板を交換する際に新しい複数の普通鋼板が必要となり、結果として上記同様に、製造コストの低減を図ることが難しい。
さらに、前記特許文献1に記載の技術では、栓溶接によって複数の普通鋼板を履板に結合しているため、普通鋼板同士がこの結合部分で互いに拘束しあい、各々の普通鋼板のズレによる摩擦効果が低下し、効率的に振動エネルギを吸収することができない。
本発明の目的は、部材の再利用を行うことができ、制振による騒音低減効果を向上することのできる履帯、及びこの履帯のための履板を提供することにある。
第1発明に係る履帯は、
無端状に連結された複数のトラックリンクと、各トラックリンクにそれぞれ接続される複数の履板とを備え、走行装置の駆動輪及び遊動輪に巻装される履帯であって、
前記履板は、
前記複数のトラックリンクの連結方向に直交する幅方向に延びる板状に形成され、幅方向略中央に前記トラックリンクが接続される接続面を有する履板本体と、
前記接続面上に積層される複数の積層板、及びこれら複数の積層板上に設けられる押さえ板を備えた制振部材と、
前記複数の積層板のそれぞれを相互に分離可能に保持した状態で、前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板を締結する複数の締結部材とを備えていることを特徴とする。
ここで、前記締結部材は、要するに各積層板を相互にスライドさせて、衝撃に伴う履板の振動エネルギを摩擦により消散させることができる種々の構成を採用することができる。例えば、積層板に締結部材の配置に応じて孔を開けておき、この孔にボルトナット等の螺合部材、リベット等のかしめ部材等を挿通して締め付ける構造を採用することができる。また、履板本体側に溶接等によりボスを設けておき、積層板に形成された孔にこのボスを挿入した後、ボスの先端部分を押さえ板に溶接接合してもよい。
第2発明に係る履帯は、第1発明において、
前記締結部材は、前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板を貫通する雄ねじと、この雄ねじに螺合する雌ねじとを備えた螺合部材であり、
前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板のそれぞれには、前記螺合部材の貫通位置に、前記雄ねじ径よりも大きな径の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
第3発明に係る履帯は、第1発明又は第2発明において、
前記積層板及び前記押さえ板は、前記履板本体の幅方向一端近傍から他端近傍に跨り、前記履板本体の前記トラックリンクとの接続位置を中心として対称な板体から構成されていることを特徴とする。
第4発明に係る履帯は、第3発明において、
前記トラックリンク及び前記履板本体は、これらを貫通する螺合部材により接続され、
前記履板本体上には、この螺合部材による接続位置に、前記制振部材の厚さ寸法よりも大きな厚さ寸法のスペーサが介装されていることを特徴とする。
第5発明に係る履帯は、第3発明又は第4発明において、
前記複数の締結部材は、前記積層板の幅方向端部に沿った軸線上、及び前記積層板を幅方向に略3分割する軸線上に設けられていることを特徴とする。
第6発明に係る履帯は、第5発明において、
前記複数の締結部材は、前記履板本体の連結方向略中央に、前記履板本体の幅方向に沿って延びる中心軸線上に設けられていることを特徴とする。
第7発明に係る履帯は、第1発明又は第2発明において、
前記積層板及び前記押さえ板は、前記履板本体の幅方向端部近傍から前記トラックリンクに干渉しない位置まで延びる板状体から構成され、
これらは、前記履板本体の前記トラックリンクとの接続位置を中心として、前記履板本体の幅方向一端側と他端側に対称配置されていることを特徴とする。
第8発明に係る履帯は、第7発明において、
前記複数の締結部材は、前記積層板の幅方向端部に沿った軸線上に設けられていることを特徴とする。
第9発明に係る履帯は、第8発明において、
前記複数の締結部材は、前記積層板を幅方向に略2分割する軸線上に設けられていることを特徴とする履帯。
第10発明に係る履帯は、第7発明乃至第9発明において、
前記複数の締結部材は、前記履板本体の連結方向略中央に、前記履板本体の幅方向に沿って延びる中心軸線上に設けられていることを特徴とする。
第11発明乃至第18発明に係る履板は、第1発明乃至第10発明のサブコンビネーションとして成立する発明であり、これらの発明の一部となる履板に係るものである。
第1発明によれば、締結部材によって制振部材を構成する積層板のそれぞれが相互にスライド可能に保持されるので、積層板相互の動きによる摩擦や衝突により、履板に生じた振動エネルギを効率的に消散して騒音を低減することができる。また、各積層板を溶接等によって接合していないので、履板の摩耗等によって履板を交換した際、積層板を簡単に取り外すことができ、再利用に供することができる。
第2発明によれば、締結部材を螺合部材とすることにより、制振部材の組立の簡単化を図ることができるうえ、締め付けトルクを調整することにより、積層板の動きやすさを自由に調節することが可能となる。
第3発明によれば、積層板及び押さえ板が履板本体の幅方向一端近傍から他端近傍に跨る長さを有し、履板本体のトラックリンクとの接続位置を中心として対称な板体から構成されているので、大きな積層板による十分な制振効果を期待でき、履板本体に対する制振部材の締結箇所を少なくすることができ、制振部材の構造の簡素化を図ることができる。
第4発明によれば、トラックリンク及び履板本体の接続位置に制振部材の厚さ寸法よりも大きな厚さ寸法のスペーサが介装されていることにより、トラックリンクに作用した力が制振部材に作用することを防止することができるので、接続位置で制振部材を構成する積層板が拘束されることなく、それぞれの積層板による制振効果を確実に維持することができる。
第5発明によれば、複数の締結部材が積層板の幅方向端部に沿った軸線上、及び積層板を幅方向に略3分割する軸線上に設けられることにより、必要最小限の締結で制振部材を履板本体上に取り付けることができ、制振効果が損なわれることもない。
第6発明によれば、履板本体の連結方向略中央で締結部材によって制振部材を固定しているので、制振部材を構成する積層板の動きの自由度が向上し、制振効果を一層期待することができる。
第7発明によれば、積層板及び押さえ板が履板本体のトラックリンクとの接続位置を避けて設けられているので、トラックリンクに作用した力によって制振部材の制振効果を低減させることがない。
第8発明乃至第10発明によれば、積層板の動きの自由度を確保しつつ、履板本体上に制振部材を確実に固定することができるため、優れた騒音低減効果を発現することのできる履帯とすることができる。
第11発明乃至第18発明によれば、履板本体が摩耗等によって交換しなければならなくなっても、制振部材が設けられた履板毎交換するだけで、履帯を元の制振効果を有する状態に簡単に復元させることができる。
本発明の第1実施形態に係る履帯の構造を示す斜視図。 前記実施形態における履帯の構成を示す分解斜視図。 前記実施形態における履板の平面図。 前記実施形態における履板の側面図。 前記実施形態における制振部材の構成を表す断面図。 本発明の第2実施形態に係る履帯の構造を示す斜視図。 前記実施形態における履板の平面図。 本発明の第3実施形態に係る履帯の構造を示す分解斜視図。 実施形態の変形となる履板を示す平面図。 実施例で用いた履板本体の寸法を表す平面図。 実施例で用いた積層板の寸法を表す平面図。 実施例で用いた押さえ板の寸法を表す平面図。 実施例で用いたスペーサの寸法を表す平面図及び側面図。 他の実施例で用いた履板本体及び制振部材の寸法を表す平面図。 他の実施例で用いた履板本体及び制振部材の寸法を表す平面図。 振動測定および騒音測定に用いる振動騒音試験装置の概略構成を示す側面図。 実施例1の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 実施例1の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 実施例2の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 実施例2の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 実施例3の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 実施例3の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 実施例4の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 実施例4の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 実施例5の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 実施例5の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 実施例6の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 実施例6の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 比較例1の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 比較例1の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 比較例2の振動加速度の時間的変化を表すグラフ。 比較例2の1/3オクターブバンド分析結果を表すグラフ。 各実施例及び比較例の各周波数バンドの騒音レベルの総和を比較したグラフ。 各実施例及び比較例の各周波数バンドの騒音レベルの総和を比較したグラフ。
符号の説明
1…履帯、2…トラックリンク、3,3A,3B,3C…履板、6…締結部材、31…履板本体、31B…接続面、32…当接部、33,33A,33B…制振部材、330…開口部、331…積層板、332…押さえ板、A1,A2,A3,A4,CA,CB…軸線、CA…中心軸線、P1,P2,P3,P4,P5,P6,P7,P1A,P2A,P3A,P4A,P5A,P6A,P7A…結合位置。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る履帯の構造を示す斜視図である。
図2は、履帯の構成を示す分解斜視図である。
履帯1は、ブルドーザ等の作業機械の足回りに用いられるものであり、図示しない駆動輪および遊動輪に巻装され、駆動輪の回転駆動により前記駆動輪および前記遊動輪の外周を周回運動して建設機械を走行させる。この履帯1は、図1および図2に示すように、一対のトラックリンク2、および履板3等を備える。
一対のトラックリンク2は、履帯1の走行方向(図1および図2中、左右方向)に延びる略直方体形状を有し、履帯1の走行方向(図1および図2中、左右方向)に直交する幅方向に対向するように配置される。そして、これら一対のトラックリンク2は、図1に示すように、履帯1の走行方向に隣り合う他の一対のトラックリンク2と図示しないブシュおよび連結ピンにより、屈曲自在に連結される。このように履帯1の走行方向に隣り合う一対のトラックリンク2同士が連結することで無端状のトラックチェーンが構成される。
これらトラックリンク2において、長手方向の一端側および他端側には、図1および図2に示すように、走行方向に直交する方向に開口する円孔21がそれぞれ形成されている。そして、隣り合う一対のトラックリンク2同士、および一対のトラックリンク2は、円孔21を介して前記ブシュおよび前記連結ピンにより連結する。
また、これらトラックリンク2において、長手方向略中央部分には、図1および図2に示すように、履帯1の走行方向に2つの開口部22が、円孔21と同じ方向に開口して、それぞれ並列するように形成されている。これら開口部22の各下方側端面、すなわち履板3との接続側端面には、長手方向と直交する方向にずれた位置にトラックリンク2の下方側端部に向けて貫通する貫通孔23(図2)がそれぞれ形成されている。
履板3は、一対のトラックリンク2と接続し、作業機械が走行する際に接地する部材である。この履板3は、図2に示すように、履板本体31と、当接部32と、制振部材33と、締結部材6とを備える。
履板本体31は、図2に示すように、トラックリンク2の連結方向の長さ寸法に対してこの連結方向と直交する幅方向の長さ寸法が大きい平面視略矩形状の板体から構成されている。また、この履板本体31は、走行方向の両端部が上方または下方に向けて屈曲する形状を有し、履帯1を組み立てた状態で隣り合う履板3の前記屈曲した部分が重なるように配置される。
このような履板本体31は、図2に示されるように、下方側が接地面31Aとして機能し、上方側の平面部分がトラックリンク2と接続する接続面31Bとして機能する。
この履板本体31において、接地面31Aには、図2に示すように、面外方向に突出し、履帯1の走行方向と直交する方向に延びるグローサ311が形成されている。このグローサ311により、走行時のすべりを防止して牽引力の向上を図っている。
この履板本体31の接続面31Bには、図2に示されるように、長手幅方向の略中央部分に一対のトラックリンク2の各貫通孔23に対応して4つの貫通孔312が形成されている。そして、この貫通孔312には、下方側からボルト4が挿通され、ボルト4には、トラックリンク2の開口部22に設けられるナット5が螺合され、これにより履板本体31はトラックリンク2に接続される。
このような履板本体31とトラックリンク2との接続位置には、図2に示されるように、スペーサ32が介装されている。このスペーサ32は、ボルト4を挿通可能とする円筒形状を有し、履板本体31における接続面31Bの各貫通孔312周縁部分にそれぞれ配置される。このスペーサ32は、円筒軸方向の高さ寸法が後述する制振部材33の厚み寸法よりも大きく形成され、履帯1を組み立てた状態では、トラックリンク2がスペーサ32にのみ当接する。
このような履板本体31の接続面31Bには、制振部材33が設けられている。
制振部材33は、図3に示されるように、履板本体31の接続面31Bと略同一、あるいはやや小さい外形寸法を有し、履板本体31の連結方向略中心で履板本体31の幅方向に沿って延びる中心軸CAと、制振部材31の端部近傍に延びる連結方向に平行な軸線A1、A2、及び制振部材31を幅方向に略3分割する連結方向と平行な軸線A3、A4の交点P1、P2、P3、P4に設けられる締結部材6によって履板本体31上に固定されている。
この制振部材33は、図4に示されるように、履板本体31上面、すなわち履板3の接地面の反対側の面に沿って設けられ、図5に示されるように、複数の積層板331及びこの積層板331の上部を覆う押さえ板332を備えて構成される。
積層板331は、0.6mmの厚さ寸法を有する普通鋼板から構成され、本実施形態では、9枚が積層されて制振部材33が構成されている。
押さえ板332は、これら積層板331の最上部を覆う4.5mmの厚さ寸法を有する普通鋼板から構成されている。尚、本実施形態では、積層板331及び押さえ板として普通鋼板を採用しているが、これに限らず、アルミニウム合金、ステンレス鋼あるいはFRP(強化プラスチック材)等を採用できる。
締結部材6は、図3のIV−IV線における断面図である図5に示されるように、ボルト61及びナット62から構成され、ボルト61が制振部材33を貫通し、その先端にナット62が螺合することにより、制振部材33が履板本体31上に固定されている。
図3及び図4では図示を略したが、前述した積層板331及び押さえ板332には、ボルト61を挿通するために、締結部材6が設けられる位置に孔が形成されており、形成される各孔は、ボルト61の径よりも若干大きな径に設定されている。これにより、締結部材6による締め付けを行っても、各積層板331は履板本体31上で相互にスライド方向にズレを生じさせることができるようになっている。
締結部材6によって履板本体31上に固定された制振部材33は、図3に示されるように、トラックリンク2の連結方向に沿った履板本体31の辺の略中央を通り、幅方向に延びる中心軸線CA上に締結部材6が配置され、履板本体3の幅方向略中央に設定される中心軸線COを中心として対称配置されて取り付けられる。
また、この制振部材33には、図2または図3に示すように、履板本体31における接続面31Bの各貫通孔312に対応して4つの開口部330が形成され、この開口部330には、前述した円筒状のスペーサ32が挿通される。
以上のように、第1の実施形態では、履板本体31の接続面31Bに複数の積層板331が積層された状態でボルト締め結合されているので、履帯1と駆動輪や遊動輪等とが衝突した際に、その衝撃による履板本体31の振動エネルギが複数の積層板331の摩擦や衝突により熱エネルギに変換されて消散される。このため、騒音を低減できる。
また、履板本体31に対して複数の積層板331をボルト締め結合するだけで履板3を組み立てることができ、従来のような履板本体に対して複数の積層板を溶接する工程を省略でき、製造コストの低減を図れる。
さらに、履板3を接地面31A側の磨耗等により交換する際でも、締結部材6を取り外すことで複数の積層板331を再利用することができ、オペレーションコストの低減を図れる。
さらにまた、履板本体31および複数の積層板331は、交点P1、P2、P3、P4が履板本体31の幅方向の中心位置を通り走行方向に平行する中心軸線COに対称となるように設定されているので、一対のトラックリンク2の幅方向外側で結合位置P1,P2と結合位置P3,P4とが同一位置となり、従来の構成と比較して、その構造の簡素化を図れる。
ここで、結合位置P1,P2,P3,P4が第1の軸線A1上および第2の軸線A2上と、第1の軸線A1および第2の軸線A2の幅方向を略3分割した分割位置を通る第3の軸線A3上および第4の軸線A4上とにそれぞれ設定されると、履板本体31および制振部材33の結合状態を良好に維持しつつ、履板本体31の振動エネルギを効果的に消散して騒音を良好に低減できる。
また、結合位置P1,P2,P3,P4が履板本体31のトラックリンク2の連結方向略中心位置を通り、幅方向に沿って延びる中心軸線CA上にのみ設定されているので、4つの少ない結合箇所で履板本体31および制振部材33を結合でき、履板本体31に対する制振部材33の取り付けを容易に実施できる。
さらに、結合箇所を4つにすることで、履板本体31の強度を良好に維持して履板3の劣化および破損を回避でき、履板3の長寿命化を図れる。
また、履板本体31及びトラックリンク2との間にスペーサ32が介装されているので、トラックリンク2と接続した状態でトラックリンク2からの力が制振部材33に作用しない構造となり、トラックリンク2による複数の積層板331の劣化および破損を回避できる。このため、制振部材33が履板本体31から外れたり、締結部材6が緩んで所定の押圧力で制振部材33を押圧することができなくなったりすることがなく、制振部材33の騒音低減効果を良好に維持できる。また、制振部材33は、それほど高い強度を必要とせず、低コストの普通鋼板等を採用でき、履板3の低コスト化を図れる。
また、このような構造であれば、制振部材33にスペーサ32を挿通可能とする開口部330を形成しておくだけで、制振部材33を接続面31Bと略同一の外形寸法とすることができる。このため、制振部材33を履板本体31およびトラックリンク2の接続位置近傍にも配設することができ、該接続位置近傍の振動エネルギを効率的に消散して騒音をさらに低減できる。
さらに、制振部材33が押さえ板332を備えているので、ボルト締めによる押圧力が複数の積層板331に直接加わることがない。この押さえ板332を設けることで、ボルト締めによる押圧力を複数の積層板331に均一に与えることができる。このため、ボルト締めにより複数の積層板331が変形したり、ボルト6との当接箇所が劣化したりすることを回避でき、複数の積層板331にて履板本体31の振動エネルギを効果的に消散して騒音を良好に低減できる。また、押さえ板332を設けることで、複数の積層板331のうち最上層の積層板331に反りや変形が生じることも防止できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1の実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、積層板311及び押さえ板332を履板本体31の幅方向両端に跨る1枚ものから構成し、履板本体31及びトラックリンク2の接続位置に制振部材33が介在するように構成していた。
これに対して、第2実施形態に係る履帯1Aは、図6に示されるように、履板本体31とトラックリンク2との接続位置を避けた位置に、幅方向に一対の制振部材33A、33Aが設けられている点が相違し、これに伴い、締結部材6による締結位置も第1実施形態とは異なる位置とされている点が相違する。
制振部材33Aは、図6に示されるように、平面視矩形形状を有し、履帯1Aを組み立てた状態で、トラックリンク2(図1または図2)の幅方向外側にそれぞれ配置され、その端部は、トラックリンク2に干渉しない位置とされている。また、制振部材33A、33Aは、図7に示されるように、履板3Aの走行方向に直交する幅方向の中心位置を通る中心軸線COに対して線対称に配置されている。
そして、本実施形態では、制振部材33Aがトラックリンク2及び履板本体31の間に介在しないことにより、前記第1実施形態で説明したスペーサ32が省略されている。このため、本実施形態では、履帯1Aを組み立てた状態で、トラックリンク2が履板本体31の接続面31Bに直接、当接する。
なお、各制振部材33Aの構成は、具体的な図示は省略するが、前記第1実施形態で説明した制振部材33と同様に、複数の積層板331および押さえ板332で構成されている。
また、各制振部材33Aは、図7に示されるように、3つの締結部材7によりそれぞれ結合される。
具体的に、履板本体31および各制振部材33Aは、図7に示されるように、トラックリンク2の連結方向に沿った履板3Aの端縁の略中心位置を通り、幅方向に沿って延びる中心軸線CA上で、制振部材33Aの幅方向に均等間隔で位置付けられる3つの結合位置P5,P6,P7にて3つの締結部材7により結合される。すなわち、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、結合位置P5,P6,P7が、中心軸線COに対して対称となる。
以上のように、第2実施形態では、各制振部材33Aが履板本体31の接続面31Bにおけるトラックリンク2の幅方向外側にそれぞれ配置されているので、トラックリンク2と接続した状態でトラックリンク2からの力が制振部材33Aに作用しない構造を、スペーサ等の別部材を使用せずに容易に実現できる。このため、前記第1の実施形態と比較して、履板3Aの製造を容易に実施でき、その製造コストの低減を図れる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
前記第1実施形態では、トラックリンク2及び履板本体31を接続するボルト4の挿通位置には、制振部材33に力が作用しないように、スペーサ32が介装されていた。
これに対して、第3実施形態に係る履帯1Bでは、図8に示されるように、スペーサが設けられていない点が相違する。
すなわち、履板本体31のトラックリンク2との接続位置には、制振部材33が配置され、制振部材33には、孔312Bが4箇所に形成され、各孔312Bにボルト4が挿通され、ナット5により螺合されることにより、履板本体31及びトラックリンク2が接続される。
孔312Bは、ボルト4の径よりも僅かに大きな径を有する孔として形成され、ボルト4及びナット5が所定のトルクで締め付けされても、この範囲で制振部材33の積層板はスライド可能とされることとなる。
このように、スペーサを介装しない履帯1Bの場合においても、第1実施形態程ではないが、第1実施形態で述べた作用及び効果と同様の効果を享受できる。
尚、その他の点については、第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
[実施形態の変形]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
図9は、前記第1実施形態の変形を示す図であり、前記第1実施形態における履板本体31および制振部材33の結合位置は、前記第1実施形態で説明した結合位置P1,P2,P3,P4に限らず、例えば、図9で示す履板3Bの結合位置にて締結部材6により結合してもよい。
具体的には、履板3Bは、図9に示されるように、結合位置P1,P2,P3,P4の他、中心軸線CAと平行し履板3Bにおける走行方向の一端側の軸線CBと、第1の軸線A1、第2の軸線A2、第3の軸線A3、および第4の軸線A4とが交差する4つの結合位置P1A,P2A,P3A,P4Aにて履板本体31および制振部材33を締結部材6により結合する。すなわち、この場合でも、前記第1実施形態と同様に、結合位置P1,P2,P3,P4,P1A,P2A,P3A,P4Aが、走行方向に直交する幅方向の中心位置を通り走行方向に平行する中心軸線COに対して対称となる。
以上のように、制振部材と履板本体との結合位置は、履板の走行方向と直交する幅方向の中心位置を通り前記走行方向に平行する中心軸線に対して対称となるように設定されていればよい。
また、図9に示す変形のように、履板の走行方向と直交する少なくとも2つの軸線上に結合位置が設定されている場合には、履板本体31に対して複数の積層板331の結合状態を良好に維持して最上層の積層板331の反りや変形を防止することが可能となるため、押さえ板332を省略する構成としてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
次に、本発明の効果を確認すべく、いくつかの条件で実験を行った結果を、以下の実施例として説明する。
[実施例1〜実施例4]
まず、実施例1〜実施例4においては、第1実施形態及び第3実施形態に相当する制振部材の構成について、履板に対する締結部材の締結位置、締結部材の仕様等を変更したものを採用した。
(1)履板本体31の寸法仕様
履板本体31は、図10に示されるように、幅寸法W0(=910mm)×長さ寸法H0(=248mm)、のものを採用し、締結部材により制振部材を固定する位置を、履板本体31の幅方向端部から寸法W1、W2の2箇所に孔径D1で設定している。また、接続部材固定用の孔は、履板本体31のトラックリンクの連結方向中央の中心軸CA上に形成され、履板本体31のトラックリンクとの接続位置は、この中心軸CAからH1(=13.4mm)だけオフセットした位置に孔径D2で形成している。
(2)積層板331の寸法仕様
積層板331は、図11に示されるように、厚さ寸法T1(=0.6mm)の鋼板を幅寸法W3×長さ寸法H2の形状に加工し、積層板331の幅方向端部から寸法W4、W5の位置に径D3の孔を形成したものを採用している。
(3)押さえ板332の寸法仕様
押さえ板332は、図12に示されるように、厚さ寸法T2(=4.5mm)の鋼板を幅寸法W6×長さ寸法H3の形状に加工し、押さえ板332の幅方向端部から寸法W7、W8の位置に径D4の孔を形成したものを採用している。
(4)スペーサ32の寸法仕様
実施例4については、第1実施形態に示されるように、トラックリンクと履板本体31の接続位置にスペーサ32を介装した仕様となっており、図13に示されるように、スペーサ32は、外径D7(=44mm)、内径D8(=22.5mm)、厚さ寸法T3(=11mm)の円筒形状に形成される。このスペーサ32の外径D7は、後述する表1における積層板331の孔径D4、押さえ板332の孔径D5よりも若干小さくなっている。また、スペーサ32の厚さ寸法T3は、前述した厚さ寸法T1の積層板331を9枚積層した寸法(0.6×9=5.4mm)と、厚さ寸法T2(=4.5mm)の押さえ板332とを重ねた寸法よりも大きくなっていて、トラックリンク及び履板本体31をボルト、ナットで接続した場合には、このスペーサ32にトラックリンクの下面が当接する。
以上のような履板本体31、積層板331、押さえ板332、及びスペーサ32において、幅方向端部からの寸法、孔径等を変更して実施例1〜実施例4を設定した。各実施例の各部位寸法を下記表1に示す。
Figure 2006059624
そして、各実施例について締結部材により履板本体31、積層板331、及び押さえ板332を一体化した。尚、実施例1及び実施例2では、M12のボルト、ナットを用い、締め付けトルク11kg・mで締め付けて一体化を図った。一方、実施例3及び実施例4では、実施例1及び実施例2よりも大きなM22のボルトナットを用い、締め付けトルク70kg・mで締め付けて一体化を図った。尚、実施例4における履板本体31とトラックリンクのボルトナットは締め付けトルク0.35kg・mで締め付けた後、さらに、120degボルト頭を回転させて増し締めを行った。
[実施例5]
実施例5は、前記第2実施形態と同様の構成であり、図14に示されるように、履板本体31上の両端に2箇所制振部材33Aを設けている。
制振部材33Aは、履板本体31の幅寸法W0を2分割する軸線COを中心として対称に配置され、その締結部材を挿通するための径D9の孔は、履板本体31の長さ方向の中心軸CA上でかつ軸線COに対して対称な位置に設定した。
また、制振部材33Aを構成する積層板の厚さ寸法及び積層枚数は第1実施例〜第4実施例と同様であり、押さえ板の厚さ寸法も第1実施例〜第4実施例と同様である。尚、実施例における図14の各寸法詳細は、W9=25mm、W10=115mm、W11=115mmである。
[実施例6]
実施例6は、図15に示されるように、履板本体31の幅方向寸法W0、W1、W2は第1実施例と同様に締結部材を設定してあるが、履板本体31の長さ方向中央の中心軸CAに対して、寸法H2だけオフセットさせた軸線CB上にもオフセットさせた状態で締結部材を設定している。尚、この際のオフセット寸法H2は、80mmであり、制振部材33は、片側4箇所で締結される。
[比較例1]
比較例1は、前記第1実施形態で説明した履板本体31と一対のトラックリンク2とを接続して履帯1の一部を組み立てた。すなわち、比較例1では、前記第1の実施形態で説明したスペーサ32および制振部材33が省略されている。
[比較例2]
比較例2は、第5実施例で用いた制振部材33Aを用い、各制振部材33Aを履板本体31上に栓溶接によって固定したものである。
[試験方法]
前述した実施例1〜5および比較例1,2にて組み立てた履帯1の一部を振動騒音試験装置にて、振動測定および騒音測定を実施した。
図16は、振動測定および騒音測定に用いる振動騒音試験装置の概略構成を示す側面図である。
振動騒音試験装置10は、図16に示すように、載置台11と、載置台11上に取り付けられ一対のトラックリンク2における長手方向一端側に形成された円孔21を介して履帯1の一部を回転可能に支持する回転支持部12と、載置台11上に取り付けられ履帯1の一部が自重により回転した際に一対のトラックリンク2と衝突する試験片13とで構成される。
そして、図16に示すように、上記実施例1〜4および比較例1,2の履帯1の一部を振動騒音試験装置10に設置した状態で、履板本体31の接地面31A側に加速度センサ20(PCB社製、303A02)を取り付けておく。
この状態で、試験片13に対して10mm上方から前記履帯1の一部を自重により回転させ、一対のトラックリンク2と試験片13が衝突した際の加速度を加速度センサ20にて計測し、振動測定を実施した。
また、履板本体31の1m上方の位置で、図示しない騒音計(リオン社製、N−27)にて騒音測定を実施し、1/3オクターブバンド分析を行った。
[試験結果]
加速度センサ20にて計測された実施例1〜比較例2における最大振動加速度測定結果を表2に示す。
Figure 2006059624
また、図17Aには、実施例1の振動加速度の時間的変化、図17Bには、実施例1の1/3オクターブバンド分析結果、図18Aには、実施例2の振動加速度の時間的変化、図18Bには、実施例2の1/3オクターブバンド分析結果、図19Aには、実施例3の振動加速度の時間的変化、図19Bには、実施例3の1/3オクターブバンド分析結果、図20Aには、実施例4の振動加速度の時間的変化、図20Bには、実施例4の1/3オクターブバンド分析結果、図21Aには、実施例5の振動加速度の時間的変化、図21Bには、実施例5の1/3オクターブバンド分析結果、図22Aには実施例6の振動加速度の時間的変化、図22Bには実施例6の1/3オクターブバンド分析結果を示す。尚、これらの図17B〜図22Bにおける1/3オクターブ分析の結果においては、実線で表されたグラフが各実施例のデータであり、破線で表されたデータは比較例1の1/3オクターブバンド分析結果である。
さらに、図23Aには、比較例1の振動加速度の時間的変化、図23Bには、比較例1の1/3オクターブバンド分析結果、図24Aには、比較例2の振動加速度の時間的変化、図24Bには、比較例1の1/3オクターブバンド分析結果を示す。
[考察]
まず、図17B〜図22Bの1/3オクターブバンド分析結果によれば、図22Bに示される比較例1の1/3オクターブバンド分析結果と比較すると、実施例1〜実施例6では、総じて50Hz〜100Hz付近の騒音と、200Hz以上の高周波騒音が著しく低下していることが確認された。すなわち、履板本体に制振部材を設けることによって、履板から発生する騒音を効率的に消散していることが確認された。
また、表2からも判るように、実施例1〜実施例6のいずれも、比較例1の騒音レベル、最大加速度も大幅に低減しており、本発明の効果が十分に確認された。
次に、比較例2との対比においては、実施例1〜実施例4、及び実施例6は、比較例2の騒音レベル、最大加速度よりも低減の度合いが大きく、これらの値から栓溶接により制振部材を固定するよりも、ボルトナット等の締結部材により制振部材を固定した方が、低減効果が優れていることが確認された。
ここで、実施例5については、表2から判るように、比較例2よりも騒音レベルが高くなっている。しかしながら、実際の騒音は、1/3オクターブバンド分析の結果得られた各周波数バンドの騒音レベルの総和として認識されるものである。
そこで、便宜的に各周波数バンドとその周波数バンドの騒音レベルに基づいて、
Σ(周波数バンドの中心周波数×騒音レベル)…(a)
で算出したところ、1600Hz〜12500Hz帯における(a)式の算出結果は、図25のように、2500Hz〜6300Hz帯における(a)式の算出結果は、図26のようになった。
これらの結果からすると、実施例1〜実施例4、及び実施例6はもちろんのこと、実施例5にあっても、比較例2よりも2500Hz以上の帯域の総和レベルが低減されることが認識され、実施例5の方が比較例2よりも騒音上有利であることが確認された。
本発明は、ブルドーザ等の作業機械に用いられる履帯式走行装置に利用できる。

Claims (18)

  1. 無端状に連結された複数のトラックリンクと、各トラックリンクにそれぞれ接続される複数の履板とを備え、走行装置の駆動輪及び遊動輪に巻装される履帯であって、
    前記履板は、
    前記複数のトラックリンクの連結方向に直交する幅方向に延びる板状に形成され、幅方向略中央に前記トラックリンクが接続される接続面を有する履板本体と、
    前記接続面上に積層される複数の積層板、及びこれら複数の積層板上に設けられる押さえ板を備えた制振部材と、
    前記複数の積層板のそれぞれを相互に分離可能に保持した状態で、前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板を締結する複数の締結部材とを備えていることを特徴とする履帯。
  2. 請求項1に記載の履帯において、
    前記締結部材は、前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板を貫通する雄ねじと、この雄ねじに螺合する雌ねじとを備えた螺合部材であり、
    前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板のそれぞれには、前記螺合部材の貫通位置に、前記雄ねじ径よりも大きな径の貫通孔が形成されていることを特徴とする履帯。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の履帯において、
    前記積層板及び前記押さえ板は、前記履板本体の幅方向一端近傍から他端近傍に跨り、前記履板本体の前記トラックリンクとの接続位置を中心として対称な板体から構成されていることを特徴とする履帯。
  4. 請求項3に記載の履帯において、
    前記トラックリンク及び前記履板本体は、これらを貫通する螺合部材により接続され、
    前記履板本体上には、この螺合部材による接続位置に、前記制振部材の厚さ寸法よりも大きな厚さ寸法のスペーサが介装されていることを特徴とする履帯。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の履帯において、
    前記複数の締結部材は、前記積層板の幅方向端部に沿った軸線上、及び前記積層板を幅方向に略3分割する軸線上に設けられていることを特徴とする履帯。
  6. 請求項5に記載の履帯において、
    前記複数の締結部材は、前記履板本体の連結方向略中央に、前記履板本体の幅方向に沿って延びる中心軸線上に設けられていることを特徴とする履帯。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の履帯において、
    前記積層板及び前記押さえ板は、前記履板本体の幅方向端部近傍から前記トラックリンクに干渉しない位置まで延びる板状体から構成され、
    これらは、前記履板本体の前記トラックリンクとの接続位置を中心として、前記履板本体の幅方向一端側と他端側に対称配置されていることを特徴とする履帯。
  8. 請求項7に記載の履帯において、
    前記複数の締結部材は、前記積層板の幅方向端部に沿った軸線上に設けられていることを特徴とする履帯。
  9. 請求項8に記載の履帯において、
    前記複数の締結部材は、前記積層板を幅方向に2分割する軸線上に設けられていることを特徴とする履帯。
  10. 請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の履帯において、
    前記複数の締結部材は、前記履板本体の連結方向略中央に、前記履板本体の幅方向に沿って延びる中心軸線上に設けられていることを特徴とする履帯。
  11. 無端状に連結される複数のトラックリンクのそれぞれに接続されて履帯を構成する履板であって、
    前記複数のトラックリンクの連結方向に直交する幅方向に延びる板状に形成され、幅方向略中央に前記トラックリンクが接続される接続面を有する履板本体と、
    前記接続面上に積層される複数の積層板、及びこの複数の積層板上に設けられる押さえ板を備えた制振部材と、
    前記複数の積層板のそれぞれを相互にスライド可能に保持した状態で、前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板を連結する複数の締結部材とを備えていることを特徴とする履板。
  12. 請求項11に記載の履板において、
    前記締結部材は、前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板を貫通する雄ねじと、この雄ねじに螺合する雌ねじを備えた螺合部材であり、
    前記履板本体、前記複数の積層板、及び前記押さえ板のそれぞれには、前記螺合部材の貫通位置に、前記雄ねじ径よりも大きな径の貫通孔が形成されていることを特徴とする履板。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の履板において、
    前記積層板及び前記押さえ板は、前記履板本体の幅方向一端近傍から他端近傍に跨り、前記履板本体の前記トラックリンクとの接続位置を中心として対称な板体から構成されていることを特徴とする履板。
  14. 請求項13に記載の履板において、
    前記複数の締結部材は、前記積層板の幅方向端部に沿った軸線上、及び前記積層板を幅方向に略3分割する軸線上に設けられていることを特徴とする履板。
  15. 請求項14に記載の履板において、
    前記複数の締結部材は、前記履板本体の連結方向略中央に、前記履板本体の幅方向に沿って延びる中心軸線上に設けられていることを特徴とする履板。
  16. 請求項11又は請求項12に記載の履板において、
    前記積層板及び前記押さえ板は、前記履板本体の幅方向端部近傍から前記トラックリンクに干渉しない位置まで延びる板状体から構成され、
    これらは、前記履板本体の前記トラックリンクとの接続位置を中心として、前記履板本体の幅方向一端側と他端側に対称配置されていることを特徴とする履板。
  17. 請求項16に記載の履板において、
    前記複数の締結部材は、前記積層板の幅方向端部に沿った軸線上に設けられていることを特徴とする履板。
  18. 請求項17に記載の履板において、
    前記複数の締結部材は、前記積層板の連結方向略中央に、前記履板本体の幅方向に沿って延びる中心軸線上に設けられていることを特徴とする履板。
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