JP2629445B2 - 制動液圧制御装置 - Google Patents

制動液圧制御装置

Info

Publication number
JP2629445B2
JP2629445B2 JP31162290A JP31162290A JP2629445B2 JP 2629445 B2 JP2629445 B2 JP 2629445B2 JP 31162290 A JP31162290 A JP 31162290A JP 31162290 A JP31162290 A JP 31162290A JP 2629445 B2 JP2629445 B2 JP 2629445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
hydraulic pressure
pressure
wheel
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31162290A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04185561A (ja
Inventor
真次 松本
博嗣 山口
淳 波野
秀明 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP31162290A priority Critical patent/JP2629445B2/ja
Publication of JPH04185561A publication Critical patent/JPH04185561A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2629445B2 publication Critical patent/JP2629445B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は制動液圧制御装置に関し、特に車両の左右輪
間の制動液圧に差を発生させて車両挙動を制御すること
のできる制動液圧制御装置に関する。
(従来の技術) 車両の制動力を制御する装置として、車両左右輪の制
動力に差をつけ、これによって車両挙動を制御しようと
する制動液圧制御装置がある。かかる差圧を生成させて
の液圧制御は、例えば、旋回制動時車両の回頭性を向上
させる、あるいは安定性を向上させるなど、積極的に制
動力差(ブレーキ液圧差)を利用した制御(アクティブ
ブレーキ)が可能である。車両の実際のヨーレイトと目
標ヨーレイトとの偏差をなくすように左右のブレーキ液
圧に差をつけて制御するヨーレイトフィードバック方式
の液圧制御などはその一例であり、制動時の操安性に寄
与できる。
(発明が解決しようとする課題) しかして、かように車両挙動を制御することを目的と
して左右のブレーキ液圧に差をつけて制御する場合、要
求される車両挙動の程度にかかわらず、差圧を発生させ
る左右輪として、一律に、例えば前輪側のもの、あるい
は後輪側のものを対象とするよう設定されている制御態
様であるときは、減速度の確保と車両挙動制御効果の確
保との2つを同時に満足させることは容易ではない。
即ち、車両挙動を制御する効果という面からみれば、
前輪側左右が望ましいところ、車両挙動に応じた要求さ
れる差圧を発生させる際に、輪荷重の大きい前輪の左右
輪間をもって必要差圧をつける制御であると、上記車両
挙動制御の効果は大きい反面、減速度の減少が大きくな
る。これとは逆に、後輪の左右輪に差圧をつける制御で
あると、減速度の減少は小さいものの、しかし車両挙動
を制御する効果は小さなものとなる。これがため、車両
挙動が大きい時などでは、前輪側を制御する場合ほど効
果は大きくはなく、従ってかかるケースに十分には対応
できない。
かように、この種の左右の液圧差により車両挙動を制
御する装置においては、減速度確保と車両挙動制御効果
確保とを両立させることは難しく、従来は、車両挙動の
程度に応じよりきめ細かく対応できて上記の両立を図る
という機能までは有してはいない。
本発明の目的は、左右の制動液圧差により車両挙動を
制御する場合に、必要な車両挙動の程度に応じて差圧生
成対象車輪を適切に切換え得るようにし、もって減速度
確保と車両挙動制御効果確保の両立を図ることのできる
制動液圧制御装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的のための本発明制動液圧制御装置は第1図に
概念を示す如く、 車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、 前輪及び後輪の左右の制動液圧を独立に制御可能で、
前記旋回状態検出手段からの出力に応じて車輪左右の制
動液圧に差を生じさせ、車両挙動を目標の特性になるよ
う目標制動液圧差を設定する目標液圧差設定手段と、目
標液圧差が所定値より小さいときは後輪の左右輪間で該
差圧を生じさせ、目標液圧差が所定値より大きいときは
前輪側においても差圧を生ぜしめるよう、対象車輪の目
標液圧を設定する目標液圧設定手段を含む液圧制御手段
とを具備してなるものである。
(作 用) 前輪及び後輪の左右の制動液圧を独立に制御可能な液
圧制御手段は、旋回状態検出手段からの出力に応じて車
輪左右の制動液圧に差を生じさせ、車両挙動を目標の特
性になるよう目標制動液圧差を目標液圧差設定手段で設
定して制御を行うが、かかる制御時、その目標液圧設定
手段が、生成すべき必要な差圧に応じ、目標液圧差が所
定値より小さいときは該差圧を後輪の左右輪間で生じさ
せるように、かつ目標液圧差が所定値より大きいときは
前輪側においても差圧を生ぜしめるように、対象車輪の
目標液圧を設定する。
これにより、車両挙動が小さく、左右輪に生じさせる
差圧が所定値より小さければ、減速度の減少が小さくて
効果もある後輪に差圧を生じさせて車両挙動を制御する
ことができると共に、車両挙動が大きく、制御する差圧
も所定値より大きいものであるなら、前輪にも差圧を生
じさせることにより車両挙動を制御することができる。
かような車両挙動の程度を考慮しての差圧生成対象車輪
についての選択的な切換え制御は、よりきめの細かな制
動液圧制御を可能とし、減速度の確保と車両挙動制御効
果の確保との両立を容易に達成せしめる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第2図は本発明制動液圧制御装置の一実施例の構成を
示す。
適応する車両は、前輪及び後輪の制動液圧を独立可能
なものであって、図中1L,1Rは左右前輪、2L,2Rは左右後
輪を夫々示す。各車輪は、夫々、ブレーキディスク3L,3
R,4L,4Rと、液圧(油圧)の供給によりブレーキディス
クを摩擦挟持して各輪毎にブレーキ力(制動力)を与え
るホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rとを備え、これらブレ
ーキユニットの各ホイールシリンダに圧力サーボユニッ
ト(圧力制御ユニット)7からの液圧を供給される時、
各車輪は個々に制動される。
圧力サーボユニット7は、これを含んで後述のコント
ローラと共に制動液圧制御装置を構成するもので、入力
制御信号により油圧発生源8からの油圧を調節し、各輪
のホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rへ供給する制動液圧
(ブレーキ液圧)を制御する。圧力サーボユニット7
は、前後輪左右の各液圧供給系(各チャンネル)個々に
アクチュエータを含んで構成される。アクチュエータと
しては、例えばアンチスキッド制御(ABS制御)の用に
も供することのできる減圧、保圧、増圧制御可能なもの
を使用することができる。
上記圧力サーボユニット7では、各供給系の液圧制御
用のアクチュエータをもって、入力液圧指令信号、詳し
くは前輪左液圧指令値P1A(S)、同右液圧指令値P
2A(S)、後輪左液圧指令値P3A(S)、同右液圧指令
値P4A(S)の各信号に応じ個々に制動液圧P1〜P4の調
圧をなすものとする。
圧力サーボユニット7への上記の各信号はこれらをコ
ントローラ(コントロールユニット)9から供給し、こ
のコントローラ9には、ステアリングホイール(ハンド
ル)10の操舵角δ(ハンドル角)を検出する操舵角セン
サ11からの信号、ブレーキペダル12の踏込力FPを検出す
る踏力センサ13からの信号、車両に作用する実ヨーレイ
ト(ヨーレイト角速度)を検出するヨーレイトセンサ
(ヨーレイト角速度センサ)14からの信号、各車輪の車
輪速度VW1,VW2,VW3,VW4,を検出する車輪速センサ15,16,
17,18からの信号等を夫々入力する。
操舵角センサからの信号はそれ自体で車両旋回状態を
表すパラメータとして、またはその一部として用いられ
る。踏力センサからの信号は減速度を表す情報として、
またヨーレイトセンサからの信号はヨーレイトフィード
バック方式による液圧制御での制御パラメータとして用
いられる。
更に、車輪速センサからの信号は、車速を制御パラメ
ータとして使用する場合の車体速推定のための情報とし
て用いることができると共に、コントローラ9によりア
ンチスキッド制御が行れる場合には該制御にも用いられ
る。
コントローラ9はマイクロコンピュータ等を含んで構
成され、旋回状態に応じて車両の左右輪の制動液圧に差
を生じさせての車両挙動制御を行うときは、即ち旋回時
の車両挙動を目標の特性になるよう制動液圧を制御する
場合には、上記入力情報に基づき、その演算処理回路に
おいて後述の制御プログラムに従い目標減速度、目標ヨ
ーレイト、ヨーレイト差分値などを演算し、それら各演
算値を用い各輪毎のブレーキ力制御値としての目標のホ
イールシリンダ液圧値(指令値)を演算して、それに相
当する信号を圧力サーボユニット7へ出力する。これに
より、圧力サーボユニット7をして、各輪毎の実際のホ
イールシリンダ液圧が上記の目標液圧に一致するように
油圧発生源8からの油圧を調節せしめ、制動液圧として
各ホイールシリンダ5L,5R,6L,6Rに供給させる。
コントローラ9はまた、上記制動液圧差による車両挙
動制御に関し、液圧差を生成させるべき車両左右輪とし
て、後輪左右を対象とする場合と、前後輪左右を対象と
する場合のいずれかの態様に選択的に切換えるための制
御をも実行する。即ち目標液圧の設定にあたり、左右に
生じさせる差圧が小さい時は後輪側左右に差圧を生じさ
せるように、差圧が大きい時は前輪側左右にも差圧を生
じさせるように、各輪の目標液圧の設定をなす目標液圧
設定手段をも構成する。
第3図は、コントローラ9により実行される上記液圧
差生成対象車輪の選択、切換えのための目標液圧の設定
処理を含む本制動液圧制御プログラムの一例を示すフロ
ーチャートである。本プログラムは一定時間毎に実行さ
れる。
まず、ステップ101では、前記各センサからの信号に
基づき、操舵角δ、ブレーキ踏力FP、実ヨーレイト、
各輪の車輪Vwj(j=1〜4)を夫々読み込む。
続くステップ102では、車体の速度を推定する。即
ち、Vwjにより車体速を演算により求めるが、本実施例
では、例えばFR車の場合はその非駆動輪である前2輪の
車輪速VW1,VW2を用いて、 V=(VW1+VW2)/2 としてV値を求め、これを車速値とする。
次に、ステップ103でブレーキ踏力FP値を用い、次式
に従って目標減速度Grefを演算する。
Gref=K1×FP ……(1) 上記でK1は比例定数であり、ここでは、車両の目標減
速度はブレーキ踏力に比例するものとして扱う。
次に、制御時のヨーレイトフィードバック制御のた
め、ここでは、ステップ104で前記車速V値と舵角δよ
り、目標ヨーレイト(目標ヨー角速度) を演算する。目標ヨーレイトの演算については、本実施
例では、次式に従って求めることとする。
ここで、(2)式の は、任意の舵角、車速が与えられたときの目標旋回半径
Rrefとの関係で求められ、Rrefは次式(3)に従って求
められる。
Rref=A×(1+K2×V2)/δ ……(3) ここに、Aは車両のホイールベースとステアリングギ
ヤ比によって決まる定数、K2は車両のステア特性を表す
定数である。
一般に、運転し易いとされているステア特性は、いわ
ゆる弱アンダーステア特性といわれており、これは
(3)式中のK2を、K2>0かつK20、即ち舵角δを固
定したままで車体速Vを上げた場合でも旋回半径があま
り増加しないようなステア特性と表現できる。従って、
この好ましいステア特性を得るためには、任意のδ、V
が与えられたときのRrefを求め、このRrefとの関係 値を求めることになる。
次にステップ105では、上記のステップ104で求めた目
標ヨーレイト と実際のヨーレイト (検出実ヨーレイト)との差であるヨーレイト差分値 を次式に従って演算する。
上記のようにして、目標減速度Gref、目標ヨーレイト を算出したならば、次いで、ステップ106において、各
車輪毎の目標ホイールシリンダ圧PjA(S)(j=1〜
4)の基準液圧PA(S)を演算する。
実際のホイールシリンダ液圧Pj(j=1〜4)と制動
力Fj(j=1〜4)との関係は、車輪のスリップが充分
に小さいとすると、次式(5)で表せる。
ただし、上記でaj等(j=1〜4)は次を表す。
aj:ホイールシリンダ面積 μpj:パッドとディスクロータ間の摩擦係数 rpj:ディスクロータの中心からパッドまでの距離 rj:タイヤ回転半径 従って、目標減速度Grefと目標ホイールシリンダ圧P
jA(S)との間には、次式(6)の関係が成立する。
ただし、W,α(j=1〜4)は次を表す。
W:車両重量 αj:(2×α×μpj×rpj/rj) 簡単のため、4輪同一の目標ホイールシリンダ液圧と
仮定し(PA(S)=P1A(S)=P2A(S)=P3A(S)
=P4A(S)、また、α=α=α(f:フロン
ト),α=α=α(r:リア)とすると、上記
(6)式は、次式(7a)のように表すことができる。
よって、上記(7a)式をPA(S))について書き直す
と、次式 PA(S)=Gref×W/2(α+α) ……(7b) が得られる。
前記ステップ106の演算処理では、上記で求められるP
A(S)を各ホイールシリンダの基準液圧として算出す
ることとする。
次いで、上記で算出の基準液圧PA(S)値を基本値と
して、各車輪毎の目標ホイールシリンダ液圧値P
jA(S)を演算するため、処理をステップ107以下へ進
める。
ここで、前記(4)式で求めたヨーレイト差分値 を零とするような、即ち車両の実際のヨーレ ようなヨーイングトルクを左右の制動液圧差によって車
両に発生させるための目標ホイールシリンダ液圧差は、
このときの に対するヨーレイトフィードバック制御におけるフィー
ドバックゲインをK3とおけば、 となる。
従って、左右輪間で車両挙動制御のため制動液圧に差
をつける場合には、上記の 分の液圧差を目標差圧として、これを生成せしめるべく
目標ホイールシリンダ液圧PjA(S)を設定することと
なるが、本制御では、車両挙動が小さく、よって左右輪
に生じさせるべき差が小さい時には、減速度の減少が小
さくて効果もある後輪に差圧を生じさせ、他方、車両挙
動が大きく、それ故制御する差圧も大きい時は、前輪で
も差圧を生じさせて車両挙動の制御をするように、夫々
の場合に合わせて目標ホイールシリンダ液圧の設定を行
う(ステップ107〜109)。
そのため、まず、ステップ107で目標ホイールシリン
ダ差圧を示す上記 値についてチェックし、その結果に応じて選択的にステ
ップ108または109へ処理を進める。
ステップ107では、具体的には、目標ホイールシリン
ダ差圧に関し予め設定した所定値(判別値)αを用
い、 を該αと比較、判別し、その結果、 の場合の夫々に対応して、各目標ホイールシリンダ液圧
PjA(S)を以下のような演算により決定する。即ち、 が成立し(ステップ107の答がNoのとき)、従って車両
挙動が小さくて生じさせるべき差圧も小さくて済むよう
な場合は、ステップ108へ進み、本例では下記の(8−
1)〜(8−4)式に従い各輪の目標ホイールシリンダ
液圧PjA(S)を演算し、他方、 が成立し(ステップ107の答がYesのとき)、従って車両
挙動が大きくて、差圧を生成させての挙動制御も十分大
きなものが要求されるような場合には、ステップ109へ
進み、本例では下記の(9−1)〜(9−4)式に従い
各輪の目標ホイールシリンダ液圧PjA(S)を演算す
る。
P1A(S)=Gref×W/2(α+α)=PA(S) …(8−1) P2A(S)=Gref×W/2(α+α)=PA(S) …(8−2) しかして、 によりステップ108でのPjA(S)算出またはステップ10
9でのPjA(S)算出の処理の後、ステップ110,111で該
当する場合はPjA(S)値を値0とする処理を実行す
る。即ち、演算された目標ホイールシリンダ液圧P
jA(S)が負値となる場合も起こり得るが、その場合は
目標ホイールシリンダ液圧PjA(S)を0とするものと
し、次のステップ112でブレーキ液圧制御処理を実行
し、本プログラムを終了する。
該処理内容は、上述のようにして求められた各車輪毎
の目標ホイールシリンダ液圧PjA(S)に相当する制御
信号を個々に決定して圧力サーボユニット7に出力する
処理から成り、これら信号の圧力サーボユニット7への
供給により、上記PjA(S)に従って実際のホイールシ
リンダ液圧PJ(油圧)が調節されて各車輪毎のホイール
シリンダ5L,5R,6L,6Rに与えられることになる。
かくして、以上のような制御の実行により、目標ホイ
ールシリンダ差圧 が小ならば、ステップ108での前記(8−1)〜(8−
4)式による算出値が目標液圧として設定されて制御さ
れる結果、(8−1)、(8−2)式に示す如く、前輪
左右はともにGref×W/2(α+α)値に等しいもの
に制御される一方、液圧差生成は、(8−3)、(8−
4)式に示されるように後輪側の左右で行われる。即
ち、車両挙動制御のための制動時のヨーレイトフィード
バック制御において、この場合は所要の差圧分 は、それを後輪の左右輪で、夫々1/2ずつの割合でホイ
ールシリンダ液圧を増減することで発生させることがで
きる。
これを例をもって示せば、第4図の如くになる。同図
(a)、(b)、(c)は、夫々、前輪左右のホイール
シリンダ液圧P1,P2、後輪左右のホイールシリンダ液圧P
3,P4及び目標差圧 の様子を示すが、目標差圧が小さい時には、同図の前半
例で示すように、前輪側では差圧は発生されず(P1
P2)、後輪側にのみ差圧を設けることができる。車両挙
動を制御することを目的として制動液圧に左右で差をつ
ける場合に、かような後輪の左右輪間だけでの差圧生成
は、減速度確保の上で有利であり、しかも後輪側での差
圧発生でも、この場合は要求差圧は小で車両挙動は小さ
いものであることから、必要な車両挙動制御もこれで充
足し得てその効果の確保も図れる。
また、ここで、本例のように、左右での所要液圧差生
成の際に、片側増圧、片側減圧として液圧制御幅を半分 ずつとすれば、減速度確保に一層効果があるし、制御幅
が半分故に制御も正確で応答性も高まる(この点につい
ては、差圧が大の後半例でも同様である)。
上記に対し、目標ホイールシリンダ差圧 が大きいときは、第4図の後半例で示すように、前輪側
にも差圧を設けるようにすることができる。即ち、かか
る場合は、PjA(S)設定処理としてはステップ109が選
択され、前記(9−1)〜(9−4)式による算出値が
目標液圧として設定されて制御されるため、差圧発生
は、(9−3)、(9−4)式並びに第4図(b)に示
すように後輪側の左右で行われるのに加えて、(9−
1)、(9−2)式並びに同図(a)に示すように前輪
側の左右でも行われる(本例では、目標差圧K3・Δが
αを上回わる分を前輪側で受けもつように前後輪に分
担することとしている)。
こうして、前輪にも差圧を生じさせることにより、後
輪側左右での液圧差生成の利点を活かしつつ、車両挙動
制御効果の大きな前輪側左右での液圧差生成の特徴をも
利用し制御を実行できることから、目的とする車両挙動
が大きいものである場合にでもこれに応えることができ
る。
以上のように、目標ホイールシリンダ差圧が設定値α
より小さい場合は、差圧を後輪の左右輪で発生させる
ように、また目標ホイールシリンダ差圧が設定値α
上で大きい場合は、差圧を前輪の左右輪でも発生させる
ように、夫々車両挙動の小さいときと大きいときとに合
わせて適切に制御することができ、従って、減速度確保
と車両挙動制御確保の両者を達成することができる。
なお、本実施例では、制動液圧差を発生させての車両
挙動制御はヨーレイトフィードバックを使用し、また、
その場合に前記ヨーレイト差分値Δに対するフィード
バック制御方法として、いわゆる比例制御方式を用いた
が、これに限らず、微分動作、積分動作のいずれか一方
または両方を加えた制御方法としてもよい。このように
するときは、目標ヨーレイトに対する車両の実ヨーレイ
ト応答性や安定性を向上することができる。
また、ヨーレイトフィードバックを使わない制御でも
実施することができる。
(発明の効果) 本発明制動液圧制御装置によれば、車両挙動が小さ
く、従って左右輪に生じさせるべき差圧が所定値より小
さいときには、減速度の減少のより少なくしかも効果も
ある後輪に差圧を生じさせて車両挙動を制御することが
できると共に、車両挙動が大きく、従って制御する差圧
も所定値より大きいときには、効果のより大きい前輪に
も差圧を生じさせることにより車両挙動を制御すること
ができるものであるから、必要な車両挙動の程度に応じ
て上記の如き選択的な切換えを行い得て、適切でよりき
め細かな制御をすることができ、減速度確保と車両挙動
制御効果確保との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明制動液圧制御装置の概念図、 第2図は本発明制動液圧制御装置の一実施例を示すシス
テム図、 第3図は同例でのコントローラの制御プログラムの一例
を示すフローチャート、 第4図は同プログラムでの制御内容の一例の説明に供す
るタイムチャートである。 1L,1R……左右前輪 2L,2R……左右後輪 3L,3R,4L,4R……ブレーキディスク 5L,5R,6L,6R……ホイールシリンダ 7……圧力サーボユニット 8……油圧発生源 9……コントローラ 10……ステアリングホイール 11……操舵角センサ 12……ブレーキペダル 13……踏力センサ 14……ヨーレイトセンサ 15〜18……車輪速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 秀明 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−208255(JP,A) 特開 平2−70561(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手
    段と、 前輪及び後輪の左右の制動液圧を独立に制御可能で、前
    記旋回状態検出手段からの出力に応じて車輪左右の制動
    液圧に差を生じさせ、車両挙動を目標の特性になるよう
    目標制動液圧差を設定する目標液圧差設定手段と、目標
    液圧差が所定値より小さいときは後輪の左右輪間で該差
    圧を生じさせ、目標液圧差が所定値より大きいときは前
    輪側においても差圧を生ぜしめるよう、対象車輪の目標
    液圧を設定する目標液圧設定手段を含む液圧制御手段と
    を具備してなることを特徴とする制動液圧制御装置。
JP31162290A 1990-11-19 1990-11-19 制動液圧制御装置 Expired - Fee Related JP2629445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31162290A JP2629445B2 (ja) 1990-11-19 1990-11-19 制動液圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31162290A JP2629445B2 (ja) 1990-11-19 1990-11-19 制動液圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04185561A JPH04185561A (ja) 1992-07-02
JP2629445B2 true JP2629445B2 (ja) 1997-07-09

Family

ID=18019474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31162290A Expired - Fee Related JP2629445B2 (ja) 1990-11-19 1990-11-19 制動液圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2629445B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0769190A (ja) * 1993-09-03 1995-03-14 Honda Motor Co Ltd 車両のブレーキ力制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04185561A (ja) 1992-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3409439B2 (ja) 左右輪と前後輪の駆動力配分総合制御装置
JP3426000B2 (ja) カーブ走行における車両安定性の制御方法
JP3215414B2 (ja) 車輪滑り制御装置
JP2851180B2 (ja) 制動圧力を制御する方法および装置
US5839799A (en) Behavior control device of vehicle based upon monitoring movement of rear wheels
JP2730413B2 (ja) 制動力制御装置
JP2861651B2 (ja) 車両の運動制御装置
JP2743576B2 (ja) 制動力制御装置
KR20190069431A (ko) 회생 및 마찰 제동 혼합을 위한 측방향 동적 제어
JP4379184B2 (ja) 車両の制動制御装置
JP3000663B2 (ja) 制動力制御装置
JP2629445B2 (ja) 制動液圧制御装置
JP3729919B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2623846B2 (ja) 車両の制動力制御装置
JP3039071B2 (ja) 車両旋回限界判定装置
JP2572856B2 (ja) 車両の旋回挙動制御装置
JPH06211018A (ja) 車両制御装置
JP3733651B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2861670B2 (ja) 車両挙動制御装置
JP2988223B2 (ja) 車両姿勢制御装置
JP2884864B2 (ja) 制動力制御装置
JP3178188B2 (ja) 制動力制御装置
JP3146718B2 (ja) 制動力制御装置
JP2002137721A (ja) 車両運動制御装置
JPH09295564A (ja) 電動ブレーキ制御方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees