JPH06211018A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JPH06211018A
JPH06211018A JP2190993A JP2190993A JPH06211018A JP H06211018 A JPH06211018 A JP H06211018A JP 2190993 A JP2190993 A JP 2190993A JP 2190993 A JP2190993 A JP 2190993A JP H06211018 A JPH06211018 A JP H06211018A
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JP
Japan
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rigidity ratio
control
roll rigidity
roll
vehicle
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JP2190993A
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English (en)
Inventor
Shiyouji Inagaki
匠二 稲垣
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の実ヨーレートが目標ヨーレートに追従
するように車体の前後におけるロール剛性比を制御する
ロール剛性比制御と、制動力の左右輪への配分を制御す
る制動力配分制御との双方が可能な車両制御装置におい
て、ロール剛性比制御の効きが小さい場合に大きい場合
より、制動力配分制御の効きを増加させることにより、
ロール剛性比が過大となることを防止する。 【構成】 ロール剛性比制御の効きの程度を表現するロ
ール剛性比制御効果指数αを、実ヨーレートγと目標ヨ
ーレートγ* との差Δγの絶対値を車体の横加速度GY
の絶対値で割ることによって算出する。さらに、制動力
配分制御における制動力ゲインKBRK を、ロール剛性比
制御効果指数αの増加につれて増加するように決定す
る。したがって、ロール剛性比制御の効きの不足が制動
力配分制御で補われ、ロール剛性比が過大とならずに済
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のヨー運動を制御
する車両制御装置に関するものであり、特に、ロール剛
性の前後比を制御することによりヨー運動を間接に制御
するロール剛性比制御とそのロール剛性比制御より直接
にヨー運動を制御する直接ヨー運動制御との双方が可能
な車両制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のヨー運動を間接に制御する装置と
して、ロール剛性比制御装置が既に知られている。これ
は、車輪に発生するコーナリングフォースは一般に車輪
荷重の増加に対して飽和曲線的であるために車両におい
て横方向に荷重移動がある場合の左右輪のコーナリング
フォースの和は荷重移動のない場合より減少し、かつ、
その荷重移動が大きいほどコーナリングフォースの減少
量も大きくなるという事実を利用することにより、車体
の前後におけるロール剛性比を制御することにより、車
両のヨー運動を間接に制御するものである。このロール
剛性比制御装置は、車体に作用する横加速度の利用を不
可欠として車両のヨー運動を制御するという意味におい
て、間接ヨー運動制御装置の一態様であるということが
できるのである。このロール剛性比制御装置の一従来例
が特開平2−109712号公報に記載されている。
【0003】また、特に車両旋回中における車両の挙動
が適正となるようにするために、車両の実ヨーレートを
検出し、その車両に発生すべき目標ヨーレートを決定
し、実ヨーレートが目標ヨーレートに追従するように車
両のヨー運動を制御するヨーレート追従制御装置も既に
知られている。これの一例が特開昭61−229616
号公報に記載されている。
【0004】そして、本出願人は、それらロール剛性比
制御装置とヨーレート追従制御装置とを組み合わせてヨ
ーレート追従型のロール剛性比制御装置を提案した。こ
の装置は具体的に、車両の実ヨーレートの目標ヨーレー
トからの偏差であるヨーレート偏差に基づき、実ヨーレ
ートが目標ヨーレートに追従するように車体の前後にお
けるロール剛性比を制御するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この提案した
装置には次のような問題があることが判明した。
【0006】この装置においては、前述のように、車体
に作用する横加速度が原因となって横方向における荷重
移動が発生し、その荷重移動の量の前後差が原因となっ
てコーナリングフォースの前後差が変化する。そのた
め、各輪のロール剛性が同じであっても、例えば低μ路
を走行する場合など、車体に作用する横加速度が小さい
場合には、各輪に発生するコーナリングフォースも小さ
くなってしまう。そして、車体のロール剛性比が同じで
あっても、車体に作用する横加速度が小さい場合には、
コーナリングフォースの前後差も小さくなってしまうの
が普通である。ロール剛性比制御の効きが低下してしま
うのである。
【0007】一方、この提案した装置においては、実ヨ
ーレートがフィードバックされることによりロール剛性
比の各回の制御量が決定されるため、車体に作用する横
加速度が小さい場合には、ロール剛性比制御の効きの不
足を補うため、ロール剛性比の実際値の、標準値からの
はずれ量(すなわち、ロール剛性比の合計制御量)がか
なり大きくなることとなる。ロール剛性比の合計制御量
が大きくても、例えば車両が低μ路上で旋回し続ける場
合のように、車体に作用する横加速度がほとんど変化し
ない状況が続くか、または変化するとしてもそれが緩や
かに行われる場合には、車両の挙動が急には変化せず、
運転者が違和感を感じることはない。しかし、例えば車
両が旋回中に低μ路から突然高μ路に移行する場合な
ど、車体に作用する横加速度が急に増加する場合には、
その増加当初においてロール剛性比の合計制御量が車体
に作用する横加速度との関係においてやや大きすぎてし
まい、車両の挙動がやや急に変化し、運転者が違和感を
感じるおそれがあると考えられる。
【0008】以上要するに、この提案したヨーレート追
従型のロール剛性比制御装置には、車体に作用する横加
速度が小さい走行状態から大きい走行状態への移行時
に、車両の挙動がやや急に変化し、運転者が違和感を感
じるおそれがあるという問題があるのである。
【0009】本発明は、ヨーレート追従型のロール剛性
比制御装置と直接ヨー運動制御装置との双方を備えた車
両制御装置において、ロール剛性比制御の効き不足を直
接ヨー運動制御装置で補い、ロール剛性比の剛性制御量
があまり大きくならないようにすることにより、上記の
問題を解決することを課題としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、図1に示されているように、(a) 車体の前
後におけるロール剛性比を制御することにより、車両の
ヨー運動を間接に制御するロール剛性比制御装置1であ
って、車両の実ヨーレートの目標ヨーレートからの偏差
であるヨーレート偏差に基づき、実ヨーレートが目標ヨ
ーレートに追従するようにロール剛性比を制御するもの
と、(b) 車両のヨー運動をそのロール剛性比制御装置1
より直接に制御する直接ヨー運動制御装置2とを含む車
両制御装置において、(c) ロール剛性比制御装置1によ
るロール剛性比制御の効きが小さい場合に大きい場合よ
り、直接ヨー運動制御装置2の制御量を増加させる直接
ヨー運動制御量増加手段3を設けたことを特徴とする。
【0011】なお、ここにおける「ロール剛性比制御装
置1」による各輪のロール剛性制御には、例えば、次の
ような形式を採用することができる。すなわち、 サ
スペンション装置におけるばねのばね定数制御,ショッ
クアブソーバの減衰力制御,スラビライザバーのねじり
剛性制御等のセミアクティブ型や、 車体と車輪とを
連結する圧力シリンダのシリンダ変位または圧力を制御
するアクティブ型などを採用することができるのであ
る。
【0012】また、「直接ヨー運動制御装置2」は車体
に作用する横加速度を不可欠とすることなく車両のヨー
運動を制御する装置であって、それの制御形式には、例
えば、駆動・制動力配分制御や、後輪舵角制御などを採
用することができる。なお、制動力配分制御の形式に
は、例えば、電気制御式ブレーキによる制動力制御(非
ブレーキ操作状態でもロック限界付近でも作用)や、ア
ンチロック制御における目標スリップ率制御(ロック限
界付近で作用)などを採用することができる。
【0013】また、「直接ヨー運動制御量増加手段3」
は例えば、車体に作用する横加速度が小さい場合に大き
い場合より、ロール剛性比制御装置1によるロール剛性
比制御の効きが小さいと予想して直接ヨー運動制御量を
増加させる態様としたり、ヨーレート偏差が大きい場合
に小さい場合より、ロール剛性比制御装置1によるロー
ル剛性比制御の効きが小さいと予想して直接ヨー運動制
御量を増加させる態様としたり、それら態様を組み合わ
せた態様であって、それら横加速度とヨーレート偏差と
の双方に基づいて直接ヨー運動制御量を制御する態様と
することができる。
【0014】
【作用】本発明に係る車両制御装置においては、直接ヨ
ー運動制御量増加手段3により、ロール剛性比制御装置
1によるロール剛性比制御の効きが小さい場合に大きい
場合より、直接ヨー運動制御装置2の制御量が増加させ
られる。したがって、例えば車体に作用する横加速度が
小さいために、ロール剛性比制御の効きが不足する場合
には、その効き不足が直接ヨー運動制御装置2で補われ
ることとなり、ロール剛性比制御装置1によるロール剛
性比の合計制御量がそれほど大きくならずに済む。その
ため、車体に作用する横加速度が急に増加し、ロール剛
性比制御の効きが急に回復することとなっても、車両の
挙動がそれほど顕著に変化せずに済む。
【0015】なお付言すれば、ロール剛性比制御装置1
の制御特性は、ロール剛性比制御の効きの大小とは無関
係に不変としてもよい。直接ヨー運動制御量増加手段3
の存在により、ロール剛性比制御の効き不足時にロール
剛性比の合計制御量がそれほど大きくならずに済むから
である。ただし、ロール剛性比制御装置1の制御特性を
可変とし、かつ、ロール剛性比制御の効きが小さい場合
に大きい場合より、ロール剛性比の目標値がヨーレート
偏差に対して鈍感に変化するように決定されるようにす
れば、ロール剛性比制御の効きが急に回復することに起
因する車両の挙動の変化が一層小さく抑えられることに
なる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、車体に作用する横加速度が急に増加し、ロー
ル剛性比制御の効きが急に回復することとなっても、車
両の挙動がそれほど顕著に変化せずに済み、運転者が違
和感を感じないで済むという効果が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0018】本実施例である車両制御装置は、図2に示
されているように、車輪10が車体の前後左右にそれぞ
れ配置された4輪車両に設けられている。
【0019】この車両は液圧式のアクティブサスペンシ
ョン装置を備えており、同図に示されているように、各
輪10と車体とが液圧シリンダ20を介して相対変位可
能に連結されている。各液圧シリンダ20はリニア液圧
制御弁22を介して高圧源としてのポンプ24と低圧源
としてのリザーバ26とにそれぞれ接続されている。こ
のアクティブサスペンション装置は、車速Vを検出する
車速センサ,ステアリングホイールの操舵角θを検出す
る操舵角センサ,車両の前後加速度GX を検出する前後
加速度センサ,車両の横加速度GY を検出する横加速度
センサ等の各種センサからの信号に基づき、各リニア液
圧制御弁22を介して各液圧シリンダ20の圧力を制御
することにより、ロール制御,ピッチ制御等から成る車
両姿勢制御と、バウンス制御等から成る乗り心地制御
と、車高制御とを実行するものである。
【0020】また、この車両は電気制御−マニュアル二
系統式ブレーキ装置を備えており、図3に示されている
ように、各輪10のブレーキのホイールシリンダ30に
二位置弁32を介してマスタシリンダ34と電気制御液
圧源36とが接続されている。電気制御液圧源36は、
各リニア液圧制御弁40を介してホイールシリンダ30
を高圧源としてのポンプ42およびアキュムレータ43
と低圧源としてのリザーバ44とに択一的に連通させる
ことにより、ホイールシリンダ30の圧力をブレーキペ
ダル46の踏力(図示しない踏力センサにより検出され
る)に応じた高さに電気的に制御する。なお、この二系
統式ブレーキ装置は、電気制御液圧源36が故障した場
合には、二位置弁32によりマスタシリンダ34を選択
して各ホイールシリンダ30の圧力がブレーキペダル4
6の踏力に応じて機械的に制御されるマニュアル状態と
する。
【0021】このように構成された車両に、ロール剛性
比制御と制動力配分制御との双方が可能な車両制御装置
が設けられている。この車両制御装置は、図4に示され
ているように、それらロール剛性比制御と制動力配分制
御とに共通の電子制御ユニット(以下、「ECU」とい
う)60を有している。ECU60は、CPU,RO
M,RAMおよびバスを含むコンピュータを主体として
構成されており、そのROMには図5,図6および図7
にそれぞれフローチャートで表されているロール剛性比
制御効果指数決定ルーチン,ロール剛性比制御ルーチン
および制動力配分制御ルーチンを始めとする各種ルーチ
ンを予め記憶させられており、それら各種ルーチンはC
PUによりRAMを使用されつつ実行される。
【0022】また、車両制御装置は、図4に示されてい
るように、ロール剛性比制御と制動力配分制御とに共通
の入力要素として、車速センサ70,操舵角センサ7
2,ヨーレートセンサ74および横加速度センサ76を
備えている。それら車速センサ70等は前記アクティブ
サスペンション装置と共用される。また、車両制御装置
は、ロール剛性比制御に専用の出力要素として前記リニ
ア液圧制御弁22を備え、また、制動力配分制御に専用
の出力要素として前記リニア液圧制御弁40を備えてい
る。リニア液圧制御弁22は、アクティブサスペンショ
ン装置と共用され、一方、リニア液圧制御弁40は、前
記電気制御−マニュアル二系統式ブレーキ装置と共用さ
れる。
【0023】ここで、図5,図6および図7のロール剛
性比制御効果指数決定ルーチン,ロール剛性比制御ルー
チンおよび制動力配分制御ルーチンの内容を個々に説明
する。
【0024】まず、図5のロール剛性比制御効果指数決
定ルーチンについて説明する。まず、概略的に説明す
る。本ルーチンは、ロール剛性比制御の効きの程度を表
すロール剛性比制御効果指数αを決定するためのもので
ある。ここに「ロール剛性比制御効果指数α」とは、そ
の値が大きいほど、ロール剛性比制御の効きが小さいこ
とを表す変数であり、具体的に、車両の実ヨーレートγ
と目標ヨーレートγ* との偏差であるヨーレート偏差Δ
γの絶対値を横加速度GY の絶対値で割った値を持つ変
数である。ロール剛性比制御の効きの程度をこのように
して表現することができる理由は、横加速度GY が小さ
いほど、車両の横方向における荷重移動が小さくなり、
ロール剛性比制御の効きが減少することが予想されると
ともに、ヨーレート偏差Δγが大きいほど、ロール剛性
比制御の効きが現に減少していると予想されるからであ
る。なお、ここに「目標ヨーレートγ* 」は、操舵角θ
と車速Vとに基づき、4輪車両に対して線形2自由度モ
デルを想定した場合にその4輪車両が取ることを予想さ
れる実ヨーレートγとして算出される。
【0025】すなわち、ロール剛性比制御の効きの程度
は横加速度GY の逆数のみとして表現することも、ヨー
レート偏差Δγのみとして表現することもできるのであ
るが、本実施例においては、横加速度GY の逆数とヨー
レート偏差Δγの積として、すなわち、横加速度GY
ヨーレート偏差Δγとの相対的な関係として表現され、
これにより、ロール剛性比制御の効きの程度が正規化さ
れているのである。
【0026】次に、図5に基づき、具体的に説明する。
本ルーチンは一定時間ごとに実行される。各回の実行時
にはまず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。
他のステップについても同じとする)において、車速セ
ンサ70,操舵角センサ72およびヨーレートセンサ7
4からそれぞれ、車速V,操舵角θおよび実ヨーレート
γが読み込まれる。続いて、S2において、それら車速
Vおよび操舵角θに基づき、ROMに予め記憶させられ
たデータを利用することにより、目標ヨーレートγ*
決定される。その後、S3において、その目標ヨーレー
トγ* から実ヨーレートγを引くことによってヨーレー
ト偏差Δγが算出される。
【0027】その後、S4において、横加速度センサ7
6から横加速度GY が読み込まれ、RAMに記憶され
る。続いて、S5において、今回から過去一定時間内に
読み込まれてRAMに記憶されている複数個の横加速度
Y のうちの絶対値が最大なものが、今回の横加速度G
Y に決定される。その後、S6において、その今回の横
加速度GY が一定値より小さくなることが防止される。
続いて、S7において、前記ヨーレート偏差Δγの絶対
値を今回の横加速度GY の絶対値で割ることにより、今
回のロール剛性比制御効果指数αが決定される。決定さ
れた今回のロール剛性比制御効果指数αはRAMに記憶
される。以上で本ルーチンの一回の実行が終了する。な
お、先のS6において、今回の横加速度GY の最小値を
制限するのは、このS7における割算によりロール剛性
比制御効果指数αが許容値を超えないようにするためで
ある。
【0028】次に、図6のロール剛性比制御ルーチンに
ついて説明する。まず、概略的に説明する。本ルーチン
は、車体の前後におけるロール剛性比を制御するロール
剛性比制御を実行するためのものである。ここに「ロー
ル剛性比制御」とは、前記偏差ヨーレートΔγに基づ
き、その偏差ヨーレートΔγの絶対値が減少する方向に
車体の前後のロール剛性比Rを制御するものである。ロ
ール剛性比Rの各回の制御量は、偏差ヨーレートΔγと
ロール剛性比ゲインKRST との積に基づいて決定され
る。
【0029】このロール剛性比ゲインKRST は、前記ロ
ール剛性比制御効果指数αに応じて可変とされており、
図8にグラフで表されているように、ロール剛性比制御
効果指数αが0に近く、基準値α0 より小さい通常領
域、すなわち、ロール剛性比制御の効きが十分に大きい
領域では、ほぼ一定に保たれ、ロール剛性比制御効果指
数αがその領域から増加するにつれて、すなわち、ロー
ル剛性比制御の効きが減少するにつれて減少するように
決定される。すなわち、ロール剛性比制御の効きが減少
するにつれて、ロール剛性比ゲインKRST が小さくな
り、ひいてはロール剛性比Rの各回の制御量がヨーレー
ト偏差Δγに対してより鈍感に変化するようにされてい
るのである。
【0030】次に、図6に基づき、具体的に説明する。
本ルーチンも一定時間ごとに実行される。各回の実行時
にはまず、S101において、前記S1と同様に、車速
V,操舵角θおよび実ヨーレートγが読み込まれる。続
いて、S102において、前記S2と同様に、それら車
速Vおよび操舵角θに基づき、目標ヨーレートγ* が決
定される。その後、S103において、前記S3と同様
に、その目標ヨーレートγ* から実ヨーレートγを引く
ことによってヨーレート偏差Δγが算出される。
【0031】その後、S104において、RAMからロ
ール剛性比制御効果指数αが読み込まれ、続いて、S1
05において、その読み込まれたロール剛性比制御効果
指数αに対応するロール剛性比ゲインKRST が決定され
る。ROMに予め、ロール剛性比制御効果指数αとロー
ル剛性比ゲインKRST との関係(図8)が記憶させられ
ていて、その関係を利用することにより今回のロール剛
性比ゲインKRST が決定されるのである。
【0032】その後、S106において、その今回のロ
ール剛性比ゲインKRST と上記ヨーレート偏差Δγとの
積に基づき、ロール剛性比Rの今回の制御量が決定さ
れ、続いて、S107において、その制御量が実現され
るように前記リニア液圧制御弁22が制御される。以上
で本ルーチンの一回の実行が終了する。
【0033】次に、図7の制動力配分制御ルーチンにつ
いて説明する。まず、概略的に説明する。本ルーチン
は、制動力の左右輪における差である制動力左右差ΔB
を制御する制動力配分制御を実行するためのものであ
る。ここに「制動力配分制御」とは、前記偏差ヨーレー
トΔγの絶対値が減少する方向に制動力左右差ΔBを制
御するものである。制動力左右差ΔBの各回の制御量
は、偏差ヨーレートΔγと制動力ゲインKBRK との積に
基づいて決定される。
【0034】制動力ゲインKBRK も、ロール剛性比制御
効果指数αに応じて可変とされており、図9にグラフで
表されているように、ロール剛性比制御効果指数αが0
に近く、基準値α0 より小さい通常領域、すなわち、ロ
ール剛性比制御の効きが十分に大きい領域では、ほぼ一
定に保たれ、ロール剛性比制御効果指数αがその領域か
ら増加するにつれて、すなわち、ロール剛性比制御の効
きが減少するにつれて増加するように決定される。すな
わち、ロール剛性比制御の効きが減少するにつれて、制
動力ゲインKBRK が大きくなり、ひいては制動力左右差
ΔBの各回の制御量がヨーレート偏差Δγに対してより
敏感に変化するようにされているのである。
【0035】次に、図7に基づき、具体的に説明する。
本ルーチンも一定時間ごとに実行される。各回の実行時
にはまず、S201〜203において、前記S101〜
103と同様に、車速V,操舵角θおよび実ヨーレート
γの読込み,目標ヨーレートγ* の決定およびヨーレー
ト偏差Δγの算出が行われる。
【0036】その後、S204において、RAMからロ
ール剛性比制御効果指数αが読み込まれ、続いて、S2
05において、その読み込まれたロール剛性比制御効果
指数αに対応する制動力ゲインKBRK が決定される。R
OMに予め、ロール剛性比制御効果指数αと制動力ゲイ
ンKBRK との関係(図9)が記憶させられていて、その
関係を利用することにより今回の制動力ゲインKBRK
決定されるのである。
【0037】その後、S206において、その今回の制
動力ゲインKBRK と上記ヨーレート偏差Δγとの積に基
づき、制動力左右差ΔBの今回の制御量が決定され、続
いて、S207において、その制御量が実現されるよう
に前記リニア液圧制御弁40が制御される。以上で本ル
ーチンの一回の実行が終了する。
【0038】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ロール剛性比制御の効きが不足する場合に
は、その効き不足が制動力配分制御で補われることとな
り、ロール剛性比制御の効き不足に起因してロール剛性
比Rの合計制御量がそれほど大きくならずに済む。した
がって、例えば車両が旋回中に低μ路から突然高μ路に
移行し、車体に作用する横加速度GY が急に増加し、ロ
ール剛性比制御の効きが急に回復することとなっても、
車両の挙動がそれほど顕著に変化せずに済む。
【0039】さらに、本実施例においては、制動力配分
制御の制御特性のみならずロール剛性比制御の制御特性
も可変とされ、かつ、ロール剛性比制御の効きが小さい
場合に大きい場合より、ロール剛性比Rの制御量がヨー
レート偏差Δγに対して鈍感に変化するように決定され
ているため、ロール剛性比制御の効きが急に回復するこ
とに起因する車両の挙動の変化が一層小さく抑えられる
ことになる。
【0040】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ECU60のうち図6のS101〜10
3,106および107を実行する部分がリニア液圧制
御弁22と共同して本発明における「ロール剛性比制御
装置1」の一態様を構成し、また、ECU60のうち図
7のS201〜203,206および207を実行する
部分がリニア液圧制御弁40と共同して「直接ヨー運動
制御装置2」の一態様を構成し、ECU60のうち図5
のルーチン,図6のS104,105,図7のS204
および205を実行する部分が車速センサ70,操舵角
センサ72,ヨーレートセンサ74および横加速度セン
サ76と共同して「直接ヨー運動制御量増加手段3」の
一態様を構成しているのである。
【0041】なお、本実施例においては、制動力配分制
御がロール剛性比制御と同様にヨーレート追従型とされ
ていたが、その他の方式で制動力配分を制御するものと
することができる。
【0042】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、この他にも特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を概念的に示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である車両制御装置が設けら
れる4輪車両におけるアクティブサスペンション装置を
示すシステム図である。
【図3】その4輪車両における電気制御−マニュアル二
系統式ブレーキ装置を示すシステム図である。
【図4】上記車両制御装置の電気的な構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】図4におけるECUのコンピュータにより実行
されるロール剛性比制御効果指数決定ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図6】そのコンピュータにより実行されるロール剛性
比制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】そのコンピュータにより実行される制動力配分
制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】上記実施例におけるロール剛性比制御効果指数
αとロール剛性比ゲインKRSTとの関係を示すグラフで
ある。
【図9】上記実施例におけるロール剛性比制御効果指数
αと制動力ゲインKBRK との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
20 液圧シリンダ 22 リニア液圧制御弁 30 ホイールシリンダ 40 リニア液圧制御弁 60 ECU 70 車速センサ 72 操舵角センサ 74 ヨーレートセンサ 76 横加速度センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の前後におけるロール剛性比を制御
    することにより、車両のヨー運動を間接に制御するロー
    ル剛性比制御装置であって、車両の実ヨーレートの目標
    ヨーレートからの偏差であるヨーレート偏差に基づき、
    実ヨーレートが目標ヨーレートに追従するようにロール
    剛性比を制御するものと、 前記車両のヨー運動を前記ロール剛性比制御装置より直
    接に制御する直接ヨー運動制御装置とを含む車両制御装
    置において、 前記ロール剛性比制御装置によるロール剛性比制御の効
    きが小さい場合に大きい場合より、前記直接ヨー運動制
    御装置の制御量を増加させる直接ヨー運動制御量増加手
    段とを設けたことを特徴とする車両制御装置。
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