JP2629069B2 - ハロゲン化金属フタロシアニンの製造方法 - Google Patents

ハロゲン化金属フタロシアニンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明が緑色顔料として広く使用されているハロゲン
化銅フタロシアニンの添加剤や電子感光体などに用いら
れているハロゲン化金属フタロシアニンの製造方法に関
する。
(従来の技術) 従来,金属フタロシアニンを塩素化する工業的な方法
としては,一般に塩化アルミニウム・食塩の共融塩にフ
タロシアニンを溶解して塩素化する方法やクロルスルホ
ン酸にフタロシアニンを溶解して塩素化する方法が用い
られている。
これらの方法によって製造されるハロゲン化金属フタ
ロシアニンの中で最も多いものは塩素化銅フタロシアニ
ンであるが,近年,電子感光体などの用途に各種のハロ
ゲン化金属フタロシアニンが注目されるようになってき
た。それに伴って銅フタロシアニンのハロゲン化ではあ
まり問題にならなかったフタロシアニン骨格の分解や中
心金属の置換がその他の金属フタロシアニンのハロゲン
化においては大きく浮かび上がってきた。
即ち,特開昭52−155625号公報に記載されているよう
な塩化アルミニウム・食塩の共融塩を溶媒とする方法は
金属フタロシアニンの仕込み時に中心金属がアルミニウ
ムに核置換し易いこと,塩素個数が14個以上になると急
激に分解が進行するという問題があり,USP2,622,085号
公報に記載されているようなクロルスルホン酸を溶媒と
する方法では分解を抑制するイオウのハロゲン化物を添
加しても塩素個数が12個以上になると急激に分解が進行
して塩素個数が14個以上を導入するのは困難であるとい
う問題がある。この骨格の分解の傾向は特にAl,Fe,Tiな
どのフタロシアニンが顕著である。
そして,これらの方法は工業的には溶媒の回収が困難
であるため,排水処理の問題やコスト高となる欠点も有
している。
一方,溶媒回収の可能なハロゲン化方法としては四塩
化チタンを溶媒とする方法がある。例えば,特開昭52−
29819号公報に開示されている塩化アルミニウムを含有
する四塩化チタン溶媒中でのハロゲン化では反応系が不
均一になり易く,途中で反応の続行が不可能になり充分
な塩素化が困難であるという欠点があるため,実用には
至っていない。
また,特開平1−279975号公報では,四塩化チタン溶
媒中で塩化アルミニウムと銅フタロシアニンの塩を生成
した後ハロゲン化する方法を開示しているが,その他の
各種金属フタロシアニンについては示していない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は中心金属が他の金属に核置換せず,かつ
充分なハロゲン化ができる方法を提供するものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明者等は塩化アルミニウムを含む四塩化チタンを
溶媒とする反応系において金属フタロシアニンの中心金
属が他の金属に核置換せず,金属フタロシアニンが実質
的に分解することなく充分なハロゲン化ができることを
見出して本発明の完成に到った。
即ち本発明は,四塩化チタンを溶媒として,塩化アル
ミニウムを金属フタロシアニンと共に50℃以上で予備攪
拌した後,ハロゲン化する方法において,金属フタロシ
アニンの中心金属がAl,Si,Ti,V,Fe,Co,Ni,Zn,Ge,Mo,Sn
から選ばれる金属フタロシアニンであるハロゲン化フタ
ロシアニンの製造方法である。
本発明においての金属フタロシアニンとしては中心金
属がAl,Si,Ti,V,Fe,Co,Ni,Zn,Ge,Mo,Snから選ばれる一
種以上の金属フタロシアニンであり一部ハロゲン化され
た金属フタロシアニンも用いることが出来る。
溶媒である四塩化チタンの量は銅フタロシアニンの重
量に対して4倍以上,好ましくは5〜20倍,更に好まし
くは8〜12倍である。4倍以下ではスラリーの攪拌が困
難であり,20倍以上では経済的に不利になる為である。
塩化アルミニウムの添加量としては,高ハロゲン化金
属フタロシアニンを得るに金属フタロシアニンに対して
3倍モル以上が必要であるため,塩化アルミニウムの全
添加量は3倍モル以上,好ましくは3〜8倍モル,さら
に好ましくは4〜5倍モルである。
塩化アルミニウムの添加方法は反応系を安定に保つた
めに重要である。即ち,ハロゲン化前に金属フタロシア
ニンと塩化アルミニウムを加熱攪拌して金属フタロシア
ニンと塩化アルミニウムの付加物または塩を生成させて
おくことである。好ましい条件は,ハロゲン化の前に金
属フタロシアニンに対して0.4〜4倍モルの塩化アルミ
ニウムを添加し50℃以上で予備攪拌を行い金属フタロシ
アニンと塩化アルミニウムの塩を生成させた後でハロゲ
ン化を行い,必要に応じて追加し全添加量を3〜8倍モ
ルとする方法である。
塩化アルミニウムの初期添加量と反応系の安定性は四
塩化チタンの量によっても影響される。即ち,四塩化チ
タン量が多い場合は塩化アルミニウムの必要量の全量を
一度に添加しても良いが,四塩化チタンの量が少ない場
合は塩化アルミニウムの初期添加量も少なめにして,追
加の塩化アルミニウムも量も少量ずつ追加することが反
応系を安定に保つためには好ましい。追加の塩化アルミ
ニウムの添加時期については塩素化反応が緩慢になった
時点で添加するのが好ましい。
塩化アルミニウムと金属フタロシアニンの付加物また
は塩を生成させる為の予備攪拌温度は50℃以上,好まし
くは80〜137℃である。
塩を生成させる為の予備攪拌時間は塩化アルミニウム
の初期添加量,四塩化チタン量,温度によって異なる
が,塩化アルミニウムの初期添加量が金属フタロシアニ
ンおよび四塩化チタンに対して少ない場合100〜120℃で
は0.5〜2時間で良い。塩化アルミニウムの初期添加量
が多い場合は2〜10時間必要である。
ハロゲン化剤としては臭素,塩素ガス,塩化スルフリ
ルなどがある。
塩素化反応の温度は100〜137℃が好ましいが,更に反
応速度を速くするために加圧して反応温度を高くするこ
ともできる。
反応後にハロゲン化金属フタロシアニンを取り出す方
法としてはスラリーを濾過する方法や四塩化チタンを蒸
留回収した後に残ったマグマを塩酸や硫酸,アセトン,
メタノール等で溶かし出した後で濾過する方法がある。
以下に,本発明のハロゲン化金属フタロシアニンの製
造法の概略を実施例,比較例を挙げて説明する。例中
「部」,「%」とは「重量部」,「重量%」をそれぞれ
示す。
実施例 1 四塩化チタン800部,粗製鉄フタロシアニン40部,塩
化アルミニウム40部を反応器に仕込み,攪拌しながら昇
温する。内温を110〜115℃にした後3時間攪拌を続け
る。次いで135〜137℃に昇温して,塩素ガスを5部/時
で25時間導入した後,四塩化チタンを蒸留し残ったマグ
マに4%塩酸を注いでスラリーとして取り出す。さら
に,アルカリ洗浄,濾過,乾燥して暗緑色の塩素化鉄フ
タロシアニン61.4部を得た。残留しているアルミニウム
から求められた,核置換によって生成した塩素化アルミ
ニウムフタロシアニンの割合は0.5%以下であった。ま
た,塩素含有量を測定した結果,鉄フタロシアニン1分
子あたり14.8個の塩素が導入された。
比較例 1 塩化アルミニウム200部,食塩40部を反応器に仕込
み,加熱して共融塩とした後120℃まで冷却する。次
に,攪拌しながら粗製鉄フタロシアニン40部を徐々に溶
解させた後,130〜137℃まで昇温し塩素ガスを5部/時
で25時間導入した。内容物を4000部の水中に注いでスラ
リーとして取り出す。さらに,実施例1と同様にアルカ
リ洗浄,濾過,乾燥したところ塩素化鉄フタロシアニン
は分解のため42.1部しか得られなかった。さらに,アル
ミニウム残留量から,核置換によって生成した塩素化ア
ルミニウムフタロシアニンを求めると約20%にもなっ
た。また,塩素は鉄フタロシアニン1分子あたり14.6個
が導入されていた。
実施例 2 四塩化チタン500部,粗製チタニウムフタロシアニン4
0部,塩化アルミニウム32部を反応器に仕込み,攪拌し
ながら昇温する。温度が110〜115℃になったら5時間予
備攪拌する。次いで135〜137℃に昇温して,塩素ガスを
5部/時で7時間導入したところで塩化アルミニウム10
部を追加し,更に20時間塩素を導入して黄緑色の塩素化
チタニウムフタロシアニン59.3部を得た。アルミニウム
残留量から,核置換によって生成した塩素化アルミニウ
ムフタロシアニンの割合は0.5%以下であった。塩素は
チタニウムフタロシアニン1分子あたり14.2個が導入さ
れた。
比較例 2 反応器にクロルスルホン酸700部,塩化イオウ25部,
沃素10部を仕込み,攪拌しながら粗製チタニウムフタロ
シアニン40部を徐々に溶解する。塩素化反応は塩素ガス
流量を8部/時で行い,温度は70℃で4時間反応した
後,3時間毎に10℃ずつ昇温して110℃まで昇温する。反
応終了後40℃以下に冷却し4000部の氷水中に注いでスラ
リーとして取り出す。さらに,実施例1と同様にアルカ
リ洗浄,濾過,乾燥したところ塩素化チタニウムフタロ
シアニンは39.8部しか得られなかった。また,塩素はチ
タニウムフタロシアニン1分子あたり13.7個しか導入さ
れなかった。
実施例 3 四塩化チタン440部,粗製アルミニウムフタロシアニ
ン40部,塩化アルミニウム30部を反応器に仕込み,攪拌
しながら昇温する。温度が110〜115℃になったら5時間
予備攪拌する。次いで135〜137℃に昇温して,塩素ガス
を5部/時で8時間導入したところで塩化アルミニウム
12部を追加し,更に20時間塩素を導入して緑色の塩素化
アルミニウムフタロシアニン48.5部を得た。塩素はアル
ミニウムフタロシアニン1分子あたり14.8個が導入され
た。
実施例 4 四塩化チタン440部,粗製錫フタロシアニン40部,塩
化アルミニウム30部を反応器に仕込み,攪拌しながら昇
温する。温度が110〜115℃になったら8時間予備攪拌す
る。次いで135〜137℃に昇温して,塩素ガスを4部/時
で5時間導入したところで塩化アルミニウム12部を追加
し,更に10時間塩素を導入したところで塩化アルミニウ
ム8部を追加,さらに8時間塩素を導入して緑色の塩素
化錫フタロシアニンを得た。塩素は錫フタロシアニン1
分子あたり15.3個が導入された。
実施例 5 四塩化チタン480部,粗製ニッケルフタロシアニン40
部,塩化アルミニウム35部を反応器に仕込み,攪拌しな
がら昇温する。温度が95〜100℃になったら10時間予備
攪拌をする。次いで135〜137℃に昇温して,塩素ガスを
5部/時で8時間導入したところで塩化アルミニウム10
部を追加し,更に18時間塩素を導入して緑色の塩素化ニ
ッケルフタロシアニンを得た。ニッケルフタロシアニン
1分子あたり14.2個が導入された。
〔発明の効果〕
本発明のハロゲン化金属フタロシアニンの製造方法に
よれば,フタロシアニン骨格の分解や中心金属の置換
等,好ましくない副次的反応がほとんどど起こらない。
したがって,近年,電子写真感光体として注目されてい
るハロゲン化金属フタロシアニンを高品位かつ効率的に
得ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−279975(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四塩化チタンを溶媒として,塩化アルミニ
    ウムを金属フタロシアニンと共に50℃以上で予備攪拌し
    た後,ハロゲン化する方法において,フタロシアニンの
    中心金属がAl,Si,Ti,V,Fe,Co,Ni,Zn,Ge,Mo,Snから選ば
    れる金属フタロシアニンであるハロゲン化金属フタロシ
    アニンの製造方法。
  2. 【請求項2】予備攪拌時の塩化アルミニウム量が金属フ
    タロシアニンに対して0.4〜4倍モルであり,ハロゲン
    化の途中で必要に応じて塩化アルミニウムを追加し塩化
    アルミニウムの最終添加量が金属フタロシアニンに対し
    て3〜8倍モルである請求項1記載のハロゲン化金属フ
    タロシアニンの製造方法。
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