JP2628973B2 - からくり時計 - Google Patents

からくり時計

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JP2628973B2
JP2628973B2 JP31808593A JP31808593A JP2628973B2 JP 2628973 B2 JP2628973 B2 JP 2628973B2 JP 31808593 A JP31808593 A JP 31808593A JP 31808593 A JP31808593 A JP 31808593A JP 2628973 B2 JP2628973 B2 JP 2628973B2
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藤郎 小俣
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Rhythm Watch Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定時刻に人形等の装
飾体が作動するからくり時計に関し、より詳しくは、文
字板及び指針を備えた時計本体の背面にからくり人形等
の装飾体を設置し、駆動機構により時計本体が時計ケー
スに対し回転するからくり時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】からくり時計の一種に時計本体が時計ケ
ースに対し反転(回転)する形式のからくり時計が知ら
れている。この種のからくり時計は、時計本体の背面に
からくり人形等の装飾体を設置し、正時(12時、1
時、2時のように長針が文字板の12を指すとき)に時
計本体が回転し、背面のからくり人形等が正面側に向い
て所定時間からくり動作し、爾後、時計本体が逆回転
し、従前の時計本体の位置に復帰するものである。
【0003】このようなからくり時計として、特開平2
−141693号公報に記載されたものが知られてお
り、そして本出願人は、この種公知の時計本体反転型か
らくり時計を改良した発明を提案した(特願平5−60
916号)。この発明は、従前のからくり時計(特開平
2−141693号)が、時計本体の回転スペースを予
め見込んで設けてあるため、前後方向の幅が大きくなっ
て時計全体が厚くなり、壁掛け式に利用することが困難
である点を改良し、併せて、からくり動作の意外性を高
めたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本出願人が
先に提案した発明は、時計ケース側に、時計本体を前方
に迫り出す迫出し機構を設け、常時は時計本体は時計ケ
ースに収容されており、そしてからくり作動時に迫出し
機構が動作して時計本体を前方に移動させ、迫出し動作
後、時計本体を反転させる構成のものであった。
【0005】前記発明は、従前のこの種のからくり時計
に比べ、迫り出して反転するものであるため薄型化する
ことができ、壁掛け式として用いることが可能となるこ
と、更には、からくり作動時に時計本体が迫り出し、そ
して、時計本体が反転するので、看者に意外性を与える
ことができて、からくり時計としての機能を十二分に果
たすことができる等の利点を有している。
【0006】本発明は、前記発明の利点を承継しつつ、
より一層の改良を施したもので、具体的には、機構の簡
易化と、からくり動作の迅速性を向上させることを目的
としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載したものが、時計本体の背面にからくり人形等の装飾
体を設置し、駆動機構により前記時計本体が時計ケース
に対し反転する形式のからくり時計において、前記時計
ケースの正面側に回動可能なアームを設けるとともに、
前記アームに時計本体を回転可能に設け、前記時計本体
には当該時計本体を回転駆動する駆動機構を備え、前記
時計本体及びアームには、前記時計本体が回転する際の
当該時計本体の回転軌跡及び当該アームの回動軌跡を規
制する姿勢制御機構を備えたからくり時計である。
【0008】本発明の請求項2に記載したものは、時計
本体の背面にからくり人形等の装飾体を設置し、駆動機
構により前記時計本体が時計ケースに対し反転する形式
のからくり時計において、前記時計ケースの正面側に回
動可能なアームを設けるとともに、前記アームに時計本
体を回転可能に設け、前記時計本体には当該時計本体を
回転駆動する駆動機構を備え、更に、前記時計本体と前
記アームとの間に両者の動作を連係する姿勢制御機構を
備え、そして前記姿勢制御機構は、前記駆動機構が作動
して前記時計本体が回転を開始すると、前記時計本体の
回転角度の増減に比例して前記アームの回動角度が増減
する機械的手段を有する、からくり時計である。
【0009】本発明の請求項3に記載したものは、時計
本体の背面にからくり人形等の装飾体を設置し、駆動機
構により前記時計本体が時計ケースに対し反転する形式
のからくり時計において、前記時計ケースは、正面側に
突出する一対の回動可能なアームと、前記一対のアーム
間に固定される固定軸と、前記アームの回動支点と同軸
又は該回動支点の近傍に設けられる固定歯車と、を備
え、前記時計本体は、前記アーム間の固定軸に係合する
軸保持部と、前記軸保持部の近傍に設けられる杆係合部
と、時計本体に設置されて当該時計本体を回転駆動する
駆動機構と、を備え、更に、前記アームには、前記固定
歯車と噛合する従動歯車輪列を回転可能に設け、先端の
従動歯車を前記アーム間の固定軸と同軸に設けるととも
に、この先端の従動歯車には、前記時計本体の前記杆係
合部と係合する突出杆を設けた構成のからくり時計であ
る。
【0010】なお、本明細書において、「回転」「反
転」「回動」なる言葉は、所定の部位を中心として所謂
「まわる」という意味内容で共通するものであって、説
明の便宜上、主に、まわる動作自体に説明の趣旨がある
場合は「回転」、ある位置から他の位置にまわって向き
が変わる点に主眼があるときは「反転」、また、一部の
回転動作(とりわけ90゜以下)の場合は「回動」を用
いている。
【0011】
【作用】請求項1及び2に記載した発明によれば、時計
本体は、アームの回動が終了する前に回転することがで
きる、つまり時計本体の回転と同時にアームの回動がな
されるので、反転動作終了までの時間が短縮される。そ
して、アームの回動に対し時計本体の回転が早すぎる
と、時計本体は時計ケースにぶつかってしまい、遅すぎ
ると時間がかかってしまう、という問題に対しては、前
記姿勢制御機構が設けられているので解決される。
【0012】更に、より具体的な構成を記載した請求項
3によれば、時計本体が駆動機構により回転すると、こ
の回転による時計本体の位置の変化は、突出杆を設けた
従動歯車の回転位置変化として表われる。前記従動歯車
が回転すると、その回転駆動力は、従動歯車輪列を介し
て固定歯車に付与され、そして固定歯車は回転しないの
で、前記回転駆動力は従動歯車が設けてあるアームを回
動させる力として作用する。時計本体の回転量とアーム
の回動量は比例関係にあるので、時計本体と前記アーム
は連係動作がなされ、これにより姿勢制御がなされる。
更に、前記比例関係を、からくり時計の装置の大小を考
慮し適宜なものに設定することにより、前述の姿勢制御
が十全になされる。
【0013】
【実施例】本発明を図示の一実施例に基いて説明する。
図1は本発明に係るからくり時計の正面図、図2は同上
の時計において文字板を省略して内部機構を示す正面
図、図3は同上の時計の縦断右側面図、図4は時計本体
が反転してからくり人形が表われた状態を示す正面図、
図5は時計本体の反転途上における一部縦断右側面図、
図6は同斜視図である。
【0014】図1ないし図6において、本発明のからく
り時計は、時計ケースAに対し時計本体Bが反転する形
式のからくり時計であり、正面に文字板及び指針を備え
た時計本体Bの背面にからくり人形等の装飾体を設置
し、駆動機構により、通常は正時に時計本体Bが時計ケ
ースAに対し反転するようになされている。この種のか
らくり形式自体は従来から知られているものであり、従
って、これらの構成要素については、先に提案した特願
平5−60916号記載のからくり時計のものを援用す
ることができる。
【0015】本発明のからくり時計は、大略、時計ケー
スAの正面側に回動可能なアームCを設けるとともに、
アームCに時計本体Bを回転可能に設け、時計本体Bに
は前述のように当該時計本体を回転駆動する駆動機構D
を備え、時計本体B及びアームCには、時計本体Bが回
転する際の当該時計本体の回転軌跡及び当該アームの回
動軌跡を規制する姿勢制御機構Eを備えて構成される。
【0016】本実施例では、アームCは時計ケースAの
上下に一対、左右方向に回動するように設け、これに伴
い、時計本体Bは、垂直方向が回転中心となって左右方
向に反転するように設置されている。
【0017】以下に順次、実施例を詳細に説明する。
【0018】まず、時計ケースAは、ケース本体1と、
このケース本体1に正面側から装着される前枠2とを備
え、ケース本体1には、正面側に突出する円筒部3が一
体成形されている。なお、ケース本体1の上下部には前
述したようにアームCが取付けられるので、アームCが
取付けられる部位の円筒部3は切欠成形されている。こ
の切欠部近傍の円筒部3には、リミットスイッチ9,1
0が設けられている。アームCの回動により、該アーム
Cがリミットスイッチ9,10に各別に当接して、スイ
ッチのオン・オフが行われるものであり、このオン・オ
フ信号に基いて所定の駆動制御が行われる。
【0019】同様に、前枠2の上下部も切欠成形されて
おり、そして、この切欠部位には、カバー部材4が装着
されている。カバー部材4は、実施例の場合、正面から
見て左側端部がケース本体1に回動可能に取付けられて
おり、常時は前枠2の前記上下部の切欠部を隠蔽するよ
うに、コイルばね5を装着して回動付勢されている。ま
た、ケース本体1の左右には、からくり時計製作後の運
送等の場合に時計本体Bを固定するための、後に詳述す
る固定機構Fが設けられている。
【0020】次に、時計本体Bについて説明すると、時
計本体Bは、正面に文字板11及び指針12を備え、背
面にはからくり人形等の装飾体13を設置し、内部に
は、後に詳述する駆動機構Dと、従前のものと同様にム
ーブメント14、スピーカー15等を設けている。な
お、図2及び図3において、装飾体13については輪郭
のみを概念的に表わしている。この装飾体13を構成す
るからくり人形には適宜のものを用いることができ、こ
れらの機構も従来公知のものを実施することができる。
【0021】更に、時計本体Bは、アームC,C間に固
定される固定軸24に係合する軸保持部16と、前記軸
保持部16の近傍に設けられる杆係合部17を形成して
いる。アームC,C間の固定軸24は時計本体Bの回転
中心となる部材であり、前記軸保持部16がこの固定軸
24と係合することにより、時計本体Bが軸保持部16
に支えられて、後述のように、正時に回転駆動する。
【0022】また、杆係合部17は、後に詳述するアー
ムCの先端の従動歯車28に設けられた突出杆29と係
合するもので、本発明の前記姿勢制御機構Eの構成要素
である。
【0023】次に、アームCは、時計ケースAの正面側
に回動可能に設けられている。実施例では、アームC
は、ケース本体1の上下部の、正面から見て若干右側に
取付けられている。具体的な取付け構造は、ケース本体
1に取付け板21を螺着するとともに、取付け板21の
上下を正面側に折り曲げて突出片22を形成し、この上
下の突出片22に軸23を上下方向に向けて取付け、こ
の軸23にアームCの基部を回動可能に取付けている。
また、上下のアームC,C間には、前述のように固定軸
24が設けられており、そしてこの固定軸24は、時計
本体Bの中心を外れて該時計本体を貫通している。この
貫通位置は、正面から見て若干左側に設けられている。
このようなアームCの取付け位置と固定軸24の時計本
体貫通位置は、時計本体Bの反転動作においてきわめて
有意義である。詳細は後述する。
【0024】次に、駆動機構Dについて説明する。この
駆動機構Dは、時計本体Bを回転駆動するモータ及びモ
ータからの駆動力を伝達する輪列をケース18内に収納
し、ケース18を前記固定軸24の近傍の時計本体Bに
装着する一方、固定軸24には歯車25を固定し、前記
輪列の終端歯車19を前記歯車25に噛合して構成され
る。駆動機構Dのモータが正転すると、駆動力が輪列を
経由して終端歯車19に伝達され、そして固定軸24及
び歯車25は回転しないので、終端歯車19が回転する
と、その回転駆動力は、時計本体Bを固定軸24まわり
に回転させる働きを行う。実施例では、正時に駆動機構
Dが駆動を開始すると、図1において時計本体Bの右側
が図の手前側に(従って左側が図の向う側に)移動する
ように、時計本体Bは固定軸24を中心に回転する。
【0025】次に、姿勢制御機構Eについて説明する。
姿勢制御機構Eは、前記のようにして時計本体Bが回転
する際の、当該時計本体の回転軌跡と、時計本体Bの回
転に伴い回動するするように構成したアームCの、当該
回動軌跡の両方を規制するものであって、実施例では、
固定歯車26と、従動歯車輪列27,28、及び時計本
体Bの前記杆係合部17を備えて構成される。固定歯車
26は、アームCの回動支点すなわち前記軸23と同軸
に設けられるとともに、半割り状を呈してアームC近傍
のケース本体1に固着されるものであり、また、従動歯
車輪列27,28は、アームC上に回転可能に設けられ
るとともに、従動歯車27が固定歯車26に噛合する歯
車輪列である。そして先端の従動歯車28をアームC,
C間の固定軸24と同軸に設け、具体的には、固定軸2
4の延長端部に従動歯車28を回転可能に設け、更にこ
の従動歯車28には、時計本体Bの前記杆係合部17と
係合する突出杆29を設けている。
【0026】なお、固定歯車26は、実施例の場合、軸
23と同軸に設けたが、当該固定歯車を例えば楕円歯車
として、軸23と異軸に設けてもよい。また、先端の従
動歯車28を固定軸24の延長端部に設けたが、この態
様に限られるものではない。更に、実施例では、杆係合
部17と突出杆29との係合は、杆係合部17を筒状と
してこれに突出杆29を挿入する形態を採っているが、
この逆の態様や、その他の任意な係合構造を選択できる
ことは勿論である。
【0027】ここで、前記固定機構Fについて説明する
と、この固定機構Fは、図7に示すブロック6を、時計
ケースAの左右において、ケース本体1と前板2との間
に装着(図2参照)して構成される。ブロック6は、貫
通孔68を設けたブロック本体61と、ブロック本体1
の正面側に位置する楕円状面部62、突片63及びこれ
を設けることにより楕円状面部62との間に形成される
係止部たる溝部64、ブロック本体61よりも背面側へ
長く突出する棒状部材65を備え、そして、楕円状面部
62の、前記突片63とは反対側の曲面部に、二つの凹
溝66,67を設けている。
【0028】ブロック6は、楕円状面部62を正面側に
して、ケース本体1と前板2にそれぞれ形成した突起
(図示を省略)をブロック本体61の貫通孔68に嵌合
し、他方、ケース本体1に形成した円弧状切欠7(図8
参照)から棒状部材65を背面側へ突出させる。この棒
状部材65を掴んで、ブロック6を貫通孔68の部位を
支点として回動させることにより、時計本体Bの左右に
形成した係合部たる突起20(図8及び図9参照)を、
ブロック6の溝部64の部位で係脱するものであり、係
止時と離脱時にブロック6が仮止めされるように、ブロ
ック6の前記凹溝66,67が、前枠2に形成したピン
8(図2及び図8参照)に各別に係合するようになされ
ている。
【0029】次に、本実施例に示したからくり時計の動
作を説明する。
【0030】所定の時刻になると、駆動機構Dのモータ
が正転し、その駆動力が輪列を経由して終端歯車19に
伝達され、そして終端歯車19が回転すると、固定軸2
4及び歯車25は回転しないので、その回転駆動力は、
時計本体Bを固定軸24まわりに回転させるものとして
働く。
【0031】駆動機構Dが作動して時計本体Bが回転を
始めると、同様に杆係合部17も固定軸24に対して回
動するので、この回転による時計本体Bの位置の変化
は、突出杆29を固定軸24に対して回動させることと
なり、従って、突出杆29を設けた従動歯車28が回転
して、該従動歯車28の、アームCに対する回転位置変
化として表われる。すなわち、図10において、時計本
体Bの矢印方向(時計方向)の回転は、従動歯車28を
時計方向へ回転させるものである。
【0032】従動歯車28が回転すると、その回転駆動
力は、もう一つの従動歯車27を経由して固定歯車26
に付与され、そして固定歯車26は固定されて回転しな
いので、その結果、前記回転駆動力は従動歯車27,2
8が設けてあるアームCを、図10における反時計方向
に回動させる力として作用する。このようにして、一方
で、時計本体Bは、固定軸24を支点として、図10に
おいて時計方向に回転し、他方で、アームCは、図10
において反時計方向に回動する。前述の図6は、時計本
体Bが丁度左右方向を向いている状態を示している。
【0033】図10に示す時計本体Bの回転開始時にお
いて、時計本体Bは時計方向に回転するので、当該回転
が進むに伴い時計本体Bの左側端部がケース本体1に接
近するが、同時にアームCは反時計方向に回動するの
で、時計本体Bの回転中心たる固定軸24をケース本体
1から離れる方向に移動させることとなり、そして図6
に示されるように、時計本体Bが左右方向を向くとき、
すなわち、時計本体Bとケース本体1との間隔を広く必
要とするときは、アームCがほぼ正面を向いているの
で、時計本体Bの左側端部がケース本体1に当接しない
で該時計本体Bの回転が行われる。
【0034】この場合、前述したように、時計本体Bの
中心を外れて固定軸24が設けられている(実施例の場
合、正面から見て若干左側に設けられている)ので、図
6に示す状態下において、アームCの正面向きの態様と
相俟て、時計本体Bの回転中心をなるべくケース本体1
に接近した状態で行うことが可能となる。すなわち、固
定軸24を時計本体Bの中心に設けた場合は、アームC
をより一層長くしなければならないし、また、時計本体
Bが左右方向を向くときに、アームCが正面を向かずに
傾いていた場合は、同様にアームCをより長くしなけれ
ばならないものである。従って、実施例のように構成し
た場合は、アームCを短くすることができるので、時計
本体Bの回転による重心位置の移動を、可及的に少なく
することができ、その結果、通常は一箇所設置の壁掛け
時計において、からくり動作によって生じることのある
設置の不安定状態を、回避することができるものであ
る。
【0035】更に、駆動機構Dにより時計本体Bの回転
が進むと、図11に示すように、時計本体Bは反転し
て、正面側に装飾体が表われる。そして、時計本体Bが
180度回転した時点で、例えばアームCがリミットス
イッチ10を押接して回転駆動が停止され、爾後、人形
等が所定の動作を行う。
【0036】なお、アームCは、ケース本体1の上下部
の、正面から見て若干右側に取付けられているので、時
計本体Bの回転の始め(図10参照)よりも、反転時
(図11参照)のときのアームCの位置の方が、正面側
に突出している状態になっている。また、時計本体Bの
回転量とアームCの回動量は比例関係にあるので、時計
本体BとアームCは連係動作がなされ、これにより姿勢
制御がなされるものである。更に、前記比例関係を、か
らくり時計の装置の大小を考慮して適宜なものに設定す
ることにより、前述の姿勢制御が十全になされる。この
ように、アームCの長さや取付け位置、前記時計本体B
の回転位置等を考慮することにより、大小及び厚薄適宜
のからくり時計に本発明を容易に実施することが可能と
なるものである。
【0037】図11に示す状態から時計本体Bをケース
本体1内に収容するには、前述の動作を逆に行う。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
るので、従来公知の反転型からくり時計に比べ、反転前
から反転後の時計本体の動作が予測がつかないので、よ
り一層意外性をもつものとなる。
【0039】また、本出願人が先に提案したからくり時
計と比べると、先のものは迫出し動作の後に時計本体が
回転するのに対し、本発明のものは時計本体の回転と同
時にアームの回動がなされるので、反転動作終了までの
時間が短縮される利点がある。従って、本発明はからく
り動作の迅速性が要求されるものに好適である。そし
て、前記からくり時計の迫出し機構は、迫出しアームが
多数(8本)であり、迫出し機構と反転機構のそれぞれ
にモータを必要としていたのに対し、アームを主体とす
る本発明の姿勢制御機構は部品点数が少なく、また、駆
動系もモータ一つで済むので、全体的に機構の簡易化を
もたらすことができる。
【0040】このように、本発明によれば、機構の簡易
化と、からくり動作の迅速性を向上することのできるか
らくり時計が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るからくり時計の正面図。図2は、
図3は同上の時計の縦断右側面図、図4は、図5は、図
6は同斜視図
【図2】図1の時計において文字板を省略して内部機構
を示す正面図。
【図3】図1の時計の縦断右側面図。
【図4】図1の時計において、時計本体が反転してから
くり人形が表われた状態を示す正面図。
【図5】図1の時計において、時計本体の反転途上にお
ける一部縦断右側面図。
【図6】図1の時計において、時計本体の反転途上を示
す斜視図。
【図7】時計本体の固定用ブロックを示す拡大斜視図。
【図8】時計本体と固定用ブロックの係合状態を示す正
面図。
【図9】時計本体と固定用ブロックの係合状態を示す斜
視図。
【図10】時計本体の反転開始時における横断面図。
【図11】時計本体の反転終了時における横断面図。
【符号の説明】
A 時計ケース B 時計本体 C アーム D 駆動機構 E 姿勢制御機構 F 固定機構 1 ケース本体 2 前枠 6 ブロック 13 装飾体 16 軸保持部 17 杆係合部 24 固定軸 26 固定歯車 27 従動歯車 28 先端の従動歯車 29 突出杆

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時計本体の背面にからくり人形等の装飾
    体を設置し、駆動機構により前記時計本体が時計ケース
    に対し反転する形式のからくり時計において、 前記時計ケースの正面側に回動可能なアームを設けると
    ともに、前記アームに時計本体を回転可能に設け、 前記時計本体には当該時計本体を回転駆動する駆動機構
    を備え、 前記時計本体及びアームには、前記時計本体が回転する
    際の当該時計本体の回転軌跡及び当該アームの回動軌跡
    を規制する姿勢制御機構を備えたことを特徴とするから
    くり時計。
  2. 【請求項2】 時計本体の背面にからくり人形等の装飾
    体を設置し、駆動機構により前記時計本体が時計ケース
    に対し反転する形式のからくり時計において、 前記時計ケースの正面側に回動可能なアームを設けると
    ともに、前記アームに時計本体を回転可能に設け、 前記時計本体には当該時計本体を回転駆動する駆動機構
    を備え、 更に、前記時計本体と前記アームとの間に両者の動作を
    連係する姿勢制御機構を備え、 前記姿勢制御機構は、前記駆動機構が作動して前記時計
    本体が回転を開始すると、前記時計本体の回転角度の増
    減に比例して前記アームの回動角度が増減する機械的手
    段を有すること、を特徴とするからくり時計。
  3. 【請求項3】 時計本体の背面にからくり人形等の装飾
    体を設置し、駆動機構により前記時計本体が時計ケース
    に対し反転する形式のからくり時計において、 前記時計ケースは、正面側に突出する一対の回動可能な
    アームと、前記一対のアーム間に固定される固定軸と、
    前記アームの回動支点と同軸又は該回動支点の近傍に設
    けられる固定歯車と、を備え、 前記時計本体は、前記アーム間の固定軸に係合する軸保
    持部と、前記軸保持部の近傍に設けられる杆係合部と、
    時計本体に設置されて当該時計本体を回転駆動する駆動
    機構と、を備え、 更に、前記アームには、前記固定歯車と噛合する従動歯
    車輪列を回転可能に設け、先端の従動歯車を前記アーム
    間の固定軸と同軸に設けるとともに、この先端の従動歯
    車には、前記時計本体の前記杆係合部と係合する突出杆
    を設けたことを特徴とするからくり時計。
  4. 【請求項4】 前記アーム間の固定軸は、前記時計本体
    の中心を外れて設けられていることを特徴とする請求項
    3記載のからくり時計。
  5. 【請求項5】 前記一対のアームに対応する箇所の時計
    ケースに、前記アーム及び従動歯車を隠蔽するカバー部
    材を回動可能に設置したことを特徴とする請求項3記載
    のからくり時計。
  6. 【請求項6】 前記時計ケースに、係止部を備えた時計
    本体固定用ブロックを回転可能に設ける一方、前記時計
    本体には、前記ブロックの係止部と係合する係合部を形
    成したことを特徴とする請求項3記載のからくり時計。
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