JP2628563B2 - 分岐状ポリカーボネート及びその製造法 - Google Patents

分岐状ポリカーボネート及びその製造法

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JP2628563B2 JP2199185A JP19918590A JP2628563B2 JP 2628563 B2 JP2628563 B2 JP 2628563B2 JP 2199185 A JP2199185 A JP 2199185A JP 19918590 A JP19918590 A JP 19918590A JP 2628563 B2 JP2628563 B2 JP 2628563B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は分岐状ポリカーボネート及びその製造法に関
し、さらに詳しくは偏肉が少なく大型の中空成形体等の
成形に好適な特性を備えた新規な分岐状ポリカーボネー
ト及びその効率のよい製造法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来から知られているポリカーボネートは、溶融状態
でニュートン流体として挙動するため、中空成形体を製
造するのが困難であった。この問題を解決するため、製
造時にフロログルシン,トリメリト酸,1−〔α−メチル
−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−
〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕ベンゼン等の三個以上の官能基を含む多官能基性有
機化合物を分岐剤として共存させることによって、該ポ
リカーボネートに分岐性を付与しようとする方法が、特
公昭44−17149号公報,同47−23918号公報,同60−1173
3号公報等で提案されている。これらの方法で得られた
熱可塑性分岐状ポリカーボネートは、溶融状態で非ニュ
ートン流体特性を示し、その中空成形性をある程度向上
させることができた。しかしその後の研究で、このよう
にして得られた分岐状ポリカーボネートは、大型の中空
成形体を製造するには溶融耐性が不充分であって実用的
ではないことが判り、特開昭62−146920号公報ではその
改良が試みられた。しかしながら、この改良された方法
で、大型の中空成形体を製造するのに充分な溶融耐力
(溶融張力)をポリカーボネートに付与させると、溶融
粘度も同時に上昇してしまうため、成形時間が長くな
り、かえって成形作業サイクルの遅延をもたらすという
新たな問題が生じた。
そこで、本発明者らは、溶融粘度を上昇させずに、大
型の中空成形体を成形するに充分な溶融耐力(溶融張
力)を有する分岐状ポリカーボネート類を探索し、また
その製造方法を開発すべく、鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、極限粘度,分岐パラメーター,分岐度で規
定される物性値とともに立ち上り度(伸長粘度比)が一
定範囲にあるポリカーボネートが、溶融粘度の上昇をも
たらさずに溶融耐力が向上し、しかも成形時に偏肉が改
善できることを見出した。本発明はかかる知見に基いて
完成したものである。
すなわち本発明は、ビスフェノールA,分岐剤,一価フ
ェノール類およびホスゲンの反応により得られた分岐状
ポリカーボネートであって、塩化メチレン溶媒中,20
℃における極限粘度[η]が0.3〜2.0dl/gであること、
分岐パラメーターG=[η]/[η]Lin〔ここで
[η]Linは光散乱法による重量平均分子量が同一の直
鎖状ポリカーボネートの極限粘度である。〕が0.05〜0.
9であること、分岐度λ=nw/Mw〔ここでnwは重量平均
分岐点数であり、MWは重量平均分子量である。〕が0.2
×10-4〜2.0×10-4であること及び立ち上り度A=Z30
/Z3〔ここでZ30及びZ3は、温度200℃,一定歪速度0.1秒
-1でのそれぞれ30秒及び3秒における伸長粘度であ
る。〕が2.5〜20であること、重量平均分子量が15,00
0〜150,000の範囲にあること、分岐構造として、一般
〔ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基
であり、R1〜R6はそれぞれ水素,炭素数1〜5のアルキ
ル基あるいはハロゲンである。〕で表される化合物およ
び1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕ベンゼンから選ばれた少なくと
も一つの分岐剤から誘導された分岐構造を有すること、
前記分岐剤単位の含有量がビスフェノール単位に対し
て0.05〜2.0モル%であり、且つ前記一価フェノール類
単位の含有量がビスフェノールA単位に対して0.85〜8.
5モル%であることを特徴とする分岐状ポリカーボネー
トを提供するものである。また本発明は、二価フェノー
ル類とホスゲンを反応させてポリカーボネートオリゴマ
ーを製造し、次いで該ポリカーボネートオリゴマーを、
エマルジョンの界面積が40m2/以上になるような撹拌
条件下で三個以上の官能基を有する多官能基性有機化合
物と予備縮合させ、しかる後再度エマルジョンの界面積
が40m2/以上になるような撹拌条件下で二価フェノー
ル類及び一価フェノール類と縮重合させることを特徴と
する上記分岐状ポリカーボネートの製造法を提供し、更
に二価フェノール類,三個以上の官能基を有する多官能
性有機化合物及びホスゲンを反応させた後、一価フェノ
ール類を反応させ、さらに二価フェノール類を反応させ
てポリカーボネートオリゴマーを製造し、次いで該ポリ
カーボネートオリゴマーをエマルジョンの界面積が40m2
/以上になるような撹拌条件下で二価フェノール類を
縮重合させることを特徴とする上記分岐状ポリカーボネ
ートの製造法をも提供するものである。
本発明の分岐状ポリカーボネートは、上記,,
及びで規定される特性を有する。すなわち塩化メチ
レン溶媒中,20℃における極限粘度[η]が0.30〜2.0dl
/g、好ましくは0.35〜1.0dl/gである。ここで、極限粘
度[η]の測定は、純溶媒塩化メチレンの粘度η及び
該分岐状ポリカーボネートの塩化メチレン溶液の粘度η
を20℃でウベローデ改良型自動粘度計(例えば離合社製
がある)によって種々のポリカーボネート濃度cの範囲
にわたって測定した。極限粘度は式 によって求めたものである。極限粘度[η]が0.3dl/g
未満の分岐状ポリカーボネートは耐衝撃性が悪く、また
2.0dl/gを超えるものでは分子量が高すぎて成形が困難
になる。
また、本発明の分岐状ポリカーボネートは、分岐パ
ラメーターGが0.05〜0.9、好ましくは0.2〜0.8であ
る。ここで、分岐パラメーターGは該分岐状ポリカーボ
ネートの極限粘度[η](塩化メチレン溶媒中、20℃に
おける極限粘度)及びそれと同じ重量平均分子量の直鎖
状ポリカーボネートの極限粘度[η]Lin(塩化メチレ
ン溶媒中、20℃における極限粘度)の比、即ちG=
[η]/[η]Linで定義される。なお重量平均分子量
は光散乱法で測定したものである。[η]Linは、モノ
マーがビスフェノールAの場合にはSchultzの粘度式
[η]Lin=1.11×10-4Mw 0.82から算出し、共重合体及
び他のモノマーの単独重合体の場合には直鎖状ポリカー
ボネートの極限粘度と重量平均分子量の経験的相関関係
を用いて算出した。分岐パラメーターGが0.9を超える
分岐状ポリカーボネートでは、ブロー特性が充分に発現
できず大型中空成形に不向きなものとなり、0.05未満の
ものでは架橋してしまうという不都合がある。
更に、本発明の分岐状ポリカーボネートは、分岐度
λは0.2×10-4〜2.0×10-4、好ましくは0.4×10-4〜1.9
×10-4である。このλは重量あたりの平均分岐点数であ
り、式λ=nw/Mwで求められる。ここで、nwは重量平均
分岐点数であり、Mwは重量平均分子量である。これを決
定するには、先ず該分岐状ポリカーボネートをイソオク
タン−塩化エチレン系において逐次分別沈澱法により10
区分以上に分別する。すなわち、分岐状ポリカーボネー
トの1%塩化エチレン溶液にイソオクタンを逐次加え、
曇点に達したらイソオクタンの添加を止め、沈澱物が得
られるまで放置し、沈澱物を濾別し、上澄み液について
以上の操作を繰り返す。各沈澱物試料の内i番目の分別
試料について、光散乱法によって重量平均分子量Mwi
よび分岐パラメーターGiを測定する。Giとnwiの間に
は、パラメーターψ={(2+nwi)/nwi0.5を導入し
て、経験式Gi 2=(6/nwi)〔(ψ/2)1n{(ψ+1)/
(ψ−1)}−1〕の相関関係がある。この関係を用い
て各分別試料について求めた分岐パラメーターGiの測定
結果からnwiを算出する。かくして、重量平均分岐点数
はnw=Σwinwi/Σwi、また重量平均分子量はMw=ΣwiM
wi/Σwiで決定する。
本発明でいう分岐度とは、このようにして得られたnw
とMwを用いて式λ=nw/Mwによって算出されたものであ
る。λが2.0×10-4を超える分岐状ポリカーボネートで
は架橋化してしまい、一方、2.0×10-4未満で溶融粘度
を上昇させずに大型中空成形に耐えうる溶融耐力(溶融
張力)を保持できない。
本発明の分岐状ポリカーボネートは、また前述の如
く定義される立ち上り度Aが2.5〜20、好ましくは3.0〜
10である。この立ち上り度Aの測定には、先ず該分岐状
ポリカーボネートを小型押し出し機(例えば田辺プラス
チック機械(株)製;口径20mm,回転数40rpm,設定温度2
80℃)から直径3mmの円柱状試料を成形し、これを200℃
のシリコーンオイル中に15分間放置する。次いで延伸レ
オメーター(岩本製作所(株)製など)の回転ローラー
に取り付け、試料のたるみを取り除いてから所定のロー
ラー回転速度で延伸し、張力及び試料直径の経時変化を
タイマー付ビデオテープレコーダーで観測する。この直
径の経時変化の測定結果から、 式 1n{dt/d0}=−(ε/2)・t〔ここで、d0は初期
直径,dtは時刻t秒における直径,εは歪速度であ
る。〕に従って歪速度を求める。さらに、この歪速度ε
から式Zt=Ft/St・ε〔ここで、Ft及びStはそれぞ時刻
tにおける張力及び断面積であり、Stはdtから計算で求
められる。〕から伸長粘度Ztを求める。立ち上り度A
は、温度200℃,一定歪速度0.1秒-1で時刻30秒及び3秒
における伸長粘度Z30及びZ3の結果を用いて式A=Z30/Z
3で算出される。
立ち上り度Aが2.5未満の分岐状ポリカーボネートで
は、分子間の絡み合いがほぐれ易い、伸長時の粘度増加
が小さく、成形時の偏肉が大きくなってしまう。また、
立ち上り度Aが20を超えるものでは、溶融時に延伸切れ
が生ずるという不都合がある。
本発明の分岐状ポリカーボネートは、上記〜の特
性を有するが、また一般式 〔ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基
であり、R1〜R6はそれぞれ水素,炭素数1〜5のアルキ
ル基あるいはハロゲンである。〕で表される化合物およ
び1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロ
キシフェニル)エチル〕ベンゼンから選ばれた少なくと
も一つの分岐剤から誘導された分岐構造を有する。この
中でも、上の一般式でRがメチル基で、R1〜R6が全て水
素原子である分岐剤1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンから誘導された分岐核構造を有する分岐
状ポリカーボネート特に好適である。
本発明の分岐状ポリカーボネートは、重量平均分子量
が15,000〜150,000の範囲にある。
上記のような特定の分岐核構造を有する本発明の分岐
状ポリカーボネートは、前述した本発明の2つの方法で
製造される第1の方法は、次の如きオリゴマー化,予備
縮合及び縮重合の三つのプロセスを経て製造される。先
ず、二価フェノール類とホスゲンからポリカーボネート
オリゴマーを誘導する。次に、このようにして得られた
オリゴマーを、分岐化剤としての三個以上の官能基を有
する多官能基性有機化合物と、エマルジョンの界面積が
40m2/以上になるような撹拌条件下で予備縮合させ
る。しかる後再度エマルジョンの界面積が40m2/以上
になるような撹拌条件下で、前記予備縮合物を二価フェ
ノール類及び末端停止剤である一価フェノール類と縮重
合させる。なおこれらの各工程においては、必要に応じ
て触媒や溶媒を加えることもできる。
ポリカーボネートオリゴマーを製造するために使用さ
れる二価フェノール類としては、ビスフェノール類が好
ましく、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン〔ビスフェノールA〕が好適である。またこのビ
スフェノールAの一部又は全部を他の二価フェノール類
と置換してもよい。ビスフェノールA以外の二価フェノ
ール類としては、例えば各種のビスフェノール類があ
る。ビスフェノール類の具体例としては、ビスフェノー
ルAのほかにビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−(4−イソブチルフェニル)
メタン;ジフェニル−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;1−エチル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン;2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン;
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;4−メ
チル−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ブタンなどのジヒドロキシアリー
ルアルカン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン;ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル;ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテルなどの
ジヒドロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキ
シベンゾフェノン;3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′
−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシアリ
ールケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフ
ィド;ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ス
ルフィド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドな
どのジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル
類、ヒドロキノン;レゾルシノール;メチルヒドロキノ
ンなどのジヒドロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシ
ナフタレン;2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒド
ロキシナフタレン類等があげられる。これらの二価フェ
ノール類は一種類単独で用いてもよく、又二種以上を組
み合わせて用いてもよい。
また使用できる溶媒としては、ジクロロメタン(塩化
メチレン);1,1−ジクロロエタン;1,2−ジクロロエタ
ン;1,1,1−トリクロロエタン;1,1,2−トリクロロエタ
ン;1,1,1,2−テトラクロロエタン;ペンタクロロエタ
ン;ヘキサクロロエタン;クロロベンゼン;クロロホル
ム;四塩化炭素等の塩素系炭化水素類やアセトフェノン
など、様々な不活性有機溶媒が挙げられる。これらの溶
媒はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上を混合し
て用いてもよい。これらの中で特に塩化メチレンが好適
である。
ポリカーボネートオリゴマーの製造過程では、上記の
二価フェノール類の一種あるいは二種以上の混合物を必
要に応じて上記不活性有機溶媒に溶解混合し、ホスゲン
と公知の方法で反応させることによって得られるもので
ある。その一例としては、まずこれらの成分を含む反応
混合液が乱流となるように攪拌しながら反応させる。こ
こで行う攪拌は、結果とし反応混合液が乱流状態で反応
が進行するようになっていればよく、攪拌速度などに制
限はないが、通常は400rpm以上で攪拌すればよい。反応
温度は0〜50℃、好ましくは5〜40℃である。また、反
応時間は各種状況により異なるが、一般には上記攪拌速
度で10分〜6時間、好ましくは30分〜3時間程度反応さ
せればよい。上記の反応過程で得られるオリゴマーまた
はコオリゴマーの重合度は20以下で、好ましくは2〜10
である。
次に、本発明において、予備縮合の製造過程で使用す
る分岐化剤、すなわち三個以上の官能基を有する多官能
基性有機化合物としては、水酸基,カルボキシル基,ア
ミノ基,イミノ基,ホルミル基,酸ハライド基,ハロホ
ーメート基などの官能基を一化合物中に三個以上有する
もので、例えばフロログルシン;メリト酸;トリメリト
酸;トリメリト酸クロリド;無水トリメリト酸;没食子
酸;没食子酸n−プロピル;プロトカテク酸;ピロメリ
ト酸;ピロメリト酸第二無水物;α−レゾルシン酸;β
−レゾルシン酸;レゾルシンアルデヒド;トリメリチル
クロリド;トリメチルトリクロリド;4−クロロホルミル
フタル酸無水物;ベンゾフェノンテトラカルボン酸;2,
4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン;2,2′,4,4′−
テトラヒドロキシベンゾフェノン;2,4,4′−トリヒドロ
キシフェニルエーテル;2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ
フェニルエーテル;2,4,4′−トリヒドロキシジフェニル
−2−プロパン;2,2′−ビス(2,4−ジヒドロキシ)プ
ロパン;2,2′,4,4′−テトラヒドロキシジフェニルメタ
ン;2,4,4′−トリヒドロキシジフェニルメタン;1−〔α
−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕
−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕ベンゼン;α,α′,α″−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベン
ゼン;2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−5′−メチルベン
ジル)−4−メチルフェノール;4,6−ジメチル−2,4,6
−トリス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2;
4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4′−ヒドロキシフェ
ニル)−ヘプタン−2;1,3,5−トリス(4′−ヒドロキ
シフェニル)−ベンゼン;1,1,1−トリス(4′−ヒドロ
キシフェニル)−エタン;2,2−ビス−〔4,4−ビス
(4′−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル〕−プロ
パン;2,6−ビス(2′−ヒドロキシ−5′−イソプロピ
ルベンジル)−4−イソプロピルフェノール;ビス〔2
−ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
ベンジル)−5−メチルフェニル〕メタン;ビス〔2−
ヒドロキシ−3−(2′−ヒドロキシ−5′−イソプロ
ピルベンジル(−5−メチルフェニル〕メタン;テトラ
キス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;トリス(4−
ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2′,4′,7−トリ
ヒドロキシフラバン;2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−
トリヒドロキシフラバン;1,3−ビス(2′,4′−ジヒド
ロキシフェニルイソプロピル)ベンゼン;トリス(4′
−ヒドロキシアリール)−アミル−s−トリアジン;1−
〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕−3−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェ
ニル)エチル〕ベンゼン等があげられる。これらの分岐
剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種以上組み合わ
せて用いてもよい。以上の中で、トリスヒドロキシフェ
ニルアルカン類、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)エタン;1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エタン;1,1,1−トリ
ス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,
1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン;1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)エタン;1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−
4−ヒドロキシフェニル)エタン;トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン;トリス(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)メタン;トリス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)メタン;トリス(3−クロロ−
4−ヒドロキシフェニル)メタン;トリス(3,5−ジク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;トリス(3−
ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン;トリス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン等が好
ましい。
好適な触媒にはトリエチルアミン等の第三級アミン及
び塩化テトラエチルアンモニウムなどの第四級アンモニ
ウムのハロゲン塩が挙げられる。触媒の量は、オリゴマ
ー中のクロロホーメート基に対してモル比で1.0×10-3
〜1.0×10-2、好ましくは1.0×10-3〜8.0×10-3であ
る。
既に述べたようにポリカーボネートオリゴマーに上記
分岐化剤及び触媒を加え予備縮合する。この際、分岐化
剤は、最終的に得られる分岐状ポリカーボネート中の分
岐剤単位の含有量が、二価フェノール単位に対して通常
0.05〜2.0モル%、好ましくは0.1〜1.0モル%であ、水
酸化ナトリウム水溶液とともに反応液に加える。この際
の水酸化ナトリウムの量は分岐剤のフェノール性水酸基
に対して当量比で1〜2、好ましくは1.1〜1.5である。
反応液中の水相は有機相に対して体積比で0.1〜5、好
ましくは0.2〜2である。予備縮合反応は、これらの混
合物を入れた反応器内にバッフルを取り付けたり、ホモ
ジナイザーを用い、エマルジョンの界面積が40m2/以
上、好ましくは50〜1000m2/になるように撹拌する。4
0m2/未満の撹拌では、分岐度が小さくなおそれがあ
る。
本発明の方法によれば、オリゴマーあるいはコオリゴ
マー,分岐化剤,触媒及び溶媒からなる予備縮合した反
応液に、最後に、二価フェノール類及び末端停止剤とし
ての一価フェノール類を加え、重縮合反応を行う。この
際の二価フェノール類はオリゴマー化で用いたものであ
っても、別のものであってもよい。また、一価及び二価
フェノール類は同様に水酸化ナトリウム水溶液として加
える。これらを含む反応混合液を撹拌しながら重縮合反
応させる。
この重縮合反応液中の有機相は水相に対して体積比で
0.1〜5、好ましくは0.2〜2である。二価フェノール類
の量は、オリゴマー中のクロロホーメート基に対してモ
ル比で0.4〜0.55、好ましくは0.42〜0.5である。
末端停止剤である一価フェノール類としては、各種の
ものを使用することができ、例えばp−tert−ブチルフ
ェノール,フェノール;p−クミルフェノール;p−tert−
オクチルフェノール,ペンタブロモフェノール,トリブ
ロモフェノール等が挙げられるが、p−tert−ブチルフ
ェノールが好ましい。一価フェノール類の量は、オリゴ
マー中のクロロホーメート基に対してモル比で0.02〜0.
20、好ましくは0.04〜0.17である。
反応混合液は撹拌は、エマルジョンの界面積が40m2/
以上、好ましくは50〜1000m2/になるようにする。
この撹拌方法はいかなる方法であってもよいが、反応器
内にバッフルを取り付けたり、ホモジナイザーを用いる
ことが好ましい。なお、撹拌状態のエマルジョンの界面
積Aは、エマルジョンの顕微鏡写真によって分散相体積
分率φと分散相平均直径dを測定し、その結果からA=
6φ/dとして算出される。
本発明では、この縮重合反応を反応混合液の粘度が上
昇するまで続ける。反応時間は各種状況により異なる
が、一般には上記攪拌状態で30分〜2時間程度反応させ
ればよい。
得られた反応混合物に洗浄,分離等の常用の手段で後
処理を行えば、所望する本発明の分岐状ポリカーボネー
トが得られる。
第2の方法では、ホスゲン化,オリゴマー化及び縮重
合の三つのプロセスを経て製造される。まず、二価フェ
ノール類,三個以上の官能基を有する多官能性有機化合
物とホスゲンからホスゲン化反応を行う。次にこれに一
価フェノール類を反応させ、さらに二価フェノール類を
反応させてポリカーボネートオリゴマーを誘導する。
次にこのようにして得られたオリゴマーを、エマルジ
ョンの界面積が40m2/になるような撹拌条件下で二価
フェノール類を縮重合させる。なお、これらの各工程に
おいては、必要に応じて触媒や溶媒を加えることもでき
る。
ポリカーボネートオリゴマーを製造するために使用さ
れる二価フェノール類,三個以上の官能基を有する多官
能性有機化合物,一価フェノール類及び溶媒は前述のも
のと同様である。
ポリカーボネートオリゴマーの製造過程では、上記二
価フェノール類の一種あるいは二種以上の混合物及び三
個以上の可能基を有する多官能性有機化合物の一種ある
いは二種以上の混合物をホスゲンと公知の方法で反応さ
せ、次にこれ一価フェノール類を反応させ、さらに二価
フェノール類を反応させて得られるものである。その一
例としては、まずこれらの成分を含む反応混合液が乱流
となるように撹拌しながら反応させる。ここで行う撹拌
は、結果として反応混合液が乱流状態で反応が進行する
ようになっていればよく、撹拌速度などに制限はない
が、通常は400rpm以上で撹拌すればよい。反応温度は0
〜50℃、好ましくは5〜40℃である。また、反応時間は
各種状況により異なるが、一般には上記撹拌速度で10分
〜6時間、好ましくは30分〜3時間程度反応させればよ
い。次段階の一価フェノール類の反応及び二価フェノー
ル類の反応も同様であり、上記の反応過程で得られるオ
リゴマーまたはコオリゴマーの重合度は20以下で、好ま
しく2〜10である。
また、ここで使用される分岐化剤は、最終的に得られ
る分岐状ポリカーボネート中の分岐剤単位の含有量が二
価フェノール単位に対して、通常0.05〜2.0モル%、好
ましくは0.1〜1.0モル%であり、水酸化ナトリウム水溶
液とともに反応液に加える。また一価フェノール類の量
は、最終的に得られる分岐状ポリカーボネート中の一価
フェノール単位の含有量が、二価フェノール単位に対し
て通常0.85〜8.5モル%、好ましくは1.7〜7.0モル%で
ある。
第2の方法において、重縮合の際に使用する二価フェ
ノール類及び触媒は前述のものと同様である。触媒の量
はオリゴマー中のクロロホーメート基に対してモル比で
1.0×10-3〜1.0×10-2、好ましくは1.0×10-3〜8.0×10
-3である。
反応混合液の撹拌は、エマルジョンの界面積が40m2/
以上、好ましくは50〜100m2/になるようにする。こ
の撹拌方法はいかなる方法であってもよいが、反応器内
にバッフルを取り付けたり、ホモジナイザーを用いるこ
とが好ましい。
本発明では、この縮重合反応を反応混合液の粘度が上
昇するまで続ける。反応時間は各種状況により異なる
が、一般には上記撹拌状態で30分〜2時間程度反応させ
ればよい。
得られた反応混合物に洗浄,分離等の通常の手段で処
理を行えば、所望する本発明の分岐状ポリカーボネート
が得られる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。
実施例1 内容積50の撹拌機付き容器に、ビスフェノールA220
0g(9.7モル)、2.0N水酸化ナトリウム水溶液13.6お
よび塩化メチレン8を入れて撹拌し、ここにホスゲン
を70分間吹き込んだ後、水相と有機相を分離した。この
ようにして濃度320g/のポリカーボネートオリゴマー
の塩化メチレン溶液を得た。この溶液中のクロロホーメ
ート基濃度は0.7モル/であった。
得られたポリカーボネートオリゴマーの塩化メチレン
溶液8と、分岐剤としての1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン21.1g(0.069モル)、0.5重量
%水酸化ナトリウム水溶液2200g及びトリエチルアミン
4.4g(0.043モル)をホモジナイザーに加え、エマルジ
ョンの界面積が90m2/〜100m2/になるように撹拌し
て60分間反応させた。
反応終了後、ビスフェノールA573g(2.5モル)、7.25
重量%水酸化ナトリウム水溶液4000g、p−tert−ブチ
ルフェノール70.4g(0.47モル)、塩化メチレン6を
加え、エマルジョンの界面積が90m2/〜100m2/にな
るように撹拌して反応させた。
60分後、得られた反応混合物を、水相と生成ポリマー
を含有する塩化メチレン相とに分離し、塩化メチレン相
を水,酸(0.1N塩酸),水の順で洗浄した。この有機相
から塩化メチレンを40℃で減圧除去し、白色ポリカーボ
ネート粉末を得た。
実施例2〜4 分岐剤を下記の化合物に変えたこと以外は、実施例1
と同様の操作を行い、ポリカーボネートを製造した。即
ち、実施例2ではトリス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、実施例3ではフロログルシン、実施例4では1−
〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロキシフェ
ニル)エチル〕ベンゼンをそれぞれ分岐剤として用い
た。
実施例5 内容積50の撹拌機付き容器に1,1,1−トリス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン20.1g(0.069モル)、ビス
フェノールA2100g(9.2モル)、2.0N水酸化ナトリウム
水溶液9.4及び塩化メチレン8を入れて撹拌し、こ
こにホスゲンを30分間吹き込んだ。次にp−tert−ブチ
ルフェノール70.4g(0.47モル)を反応させ、さらにビ
スフェノールA100g(0.44モル),トリエチルアミン2.3
g(0.022モル),0.2N水酸化ナトリウム水溶液4.5を加
え、40分間反応させた後、水相と有機相を分離した。こ
のようにして濃度320g/のポリカーボネートオリゴマ
ーの塩化メチレン溶液を得た。この溶液中のクロロホー
メート基濃度は0.7モル/であった。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー
の塩化メチレン溶液8と、ビスフェノールA573g(2.5
モル)、7.25重量%水酸化ナトリウム水溶液400g,トリ
エチルアミン1.7g(0.017モル)及び塩化メチレン6
をホモジナイザーに加え、エマルジョンの界面積が90m2
/から100m2/になるように撹拌して反応させた。
60分後、得られた反応混合物を、水相と生成したポリ
マーを含有する塩化メチレン相とに分離し、塩化メチレ
ン相を水,酸(0.1N塩酸),水の順で洗浄した。この有
機相から塩化メチレンを40℃で減圧除去し、白色のポリ
カーボネート粉末を得た。
。参考例1 内容積50の撹拌機付き容器に、ビスフェノールA220
0g(9.7モル)、分岐剤としてフロログルシン8.69g(0.
069モル)、2.0N水酸化ナトリウム水溶液13.6および
塩化メチレン8を入れて撹拌し、ここにホスゲンを70
分間吹き込んだ後、水相と有機相を分離した。このよう
にして濃度320g/のポリカーボネートオリゴマーの塩
化メチレン溶液を得た。この溶液中のクロロホーメート
基濃度は0.7モル/であった。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー
の塩化メチレン溶液8と、ビスフェノールA573g(2.5
モル)、7.25重量%水酸化ナトリウム水溶液400g,トリ
エチルアミン4.4g(0.043モル)、p−tert−ブチルフ
ェノール70.4g(0.47モル)および塩化メチレン6を
ホモジナイザー加え、エマルジョンの界面積が90m2/
〜100m2/になるように撹拌して重縮合反応を60分間行
った。
得られた反応混合物を、水相と生成ポリマーを含有す
る塩化メチレン相とに分離し、塩化メチレン相を水、酸
(0.1N塩酸)、水の順で洗浄した。この有機相から塩化
メチレンを40℃で減圧除去し、白色ポリカーボネート粉
末を得た。
参考例2 参考例1において、分岐剤としてフロログルシンの代
わりに1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェ
ニル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒド
ロキシフェニル)エチル〕ベンゼン29.3g(0.069モル)
を用いたこと以外は、参考例1と同様の操作を行い、白
色ポリカーボネート粉末を得た。
実施例1〜5および参考例1,2で得られた全てのポリ
カーボネートについの極限粘度,重量平均分子量,分岐
パラメーターG値,分別した試料から算出した重量平均
分子量および重量平均分岐点数,分岐度λ,溶融粘度,
溶融張力,立ち上り度ならびに試作容器の側部及び凸部
厚みの測定結果を表1に示す。なお、上記試作容器の側
部及び凸部厚みの測定は、成形工程における偏肉を定量
的に評価するために行うものであり、ポリカーボネート
をアキュムレーター型機(石川島播磨重工業(株)製90
mmφダイ,10用)で20容器を成形し、容器側部をピ
ンチオフ部に直角に切り出し高さを変えて6箇所ノギス
で厚さを測定し、さらに成形容器上部の金型凸部付近を
ピンチオフ部に直角に切り出し最小肉厚をノギスで測定
した。
表1から明らかなように、実施例1〜4で得られた分
岐状ポリカーボネートは、極限粘度,重量平均分子量,
分岐パラメーターG値,分別した試料から算出した重量
平均分子量および重量平均分岐点数,分岐度λ,溶融粘
度及び溶融張力,試作容器の側部厚みについては、予備
縮合を省略した参考例1,2のものと同様の結果を示して
いるにもかかわらず、立ち上り度ならびに試作容器の凸
部厚みの測定結果は、格段の向上を示している。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明のポリカーボネートは、極限粘
度,分岐パラメーター及び分岐度で規定される物性値を
有するとともに、立ち上り度(伸長粘度比)が一定範囲
にあるため、溶融粘度の上昇をもたらすことなく溶融耐
力が向上し、しかも偏肉が極めて低減されたものとな
る。
また、本発明の方法によれば、上記分岐ポリカーボネ
ートを効率よく製造することができ、得られるポリカー
ボネートも高品質なものとなる。
それ故、本発明の分岐ポリカーボネートは、各種の成
形品、特にブロー成形品の素材として有効に利用され
る。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビスフェノールA,分岐剤,一価フェノール
    類およびホスゲンの反応により得られた分岐状ポリカー
    ボネートであって、塩化メチレン溶媒中,20℃におけ
    る極限粘度[η]が0.3〜2.0dl/gであること、分岐パ
    ラメーターG=[η]/[η]lin〔ここで[η]lin
    光散乱法による重量平均分子量が同一の直鎖状ポリカー
    ボネートの極限粘度である。〕が0.05〜0.9であるこ
    と、分岐度λ=nw/Mw〔ここでnwは重量平均分岐点数
    であり、MWは重量平均分子量である。〕が0.2×10-4
    2.0×10-4であること及び立ち上り度A=Z30/Z3〔こ
    こでZ30及びZ3は、温度200℃,一定歪速度0.1秒-1での
    それぞれ30秒及び3秒における伸長粘度である。〕が2.
    5〜20であること、重量平均分子量が15,000〜150,000
    の範囲にあること、分岐構造として、一般式 〔ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基
    であり、R1〜R6はそれぞれ水素,炭素数1〜5のアルキ
    ル基あるいはハロゲンである。〕で表される化合物およ
    び1−〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニ
    ル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビス(4″−ヒドロ
    キシフェニル)エチル〕ベンゼンから選ばれた少なくと
    も一つの分岐剤から誘導された分岐構造を有すること、
    前記分岐剤単位の含有量がビスフェノール単位に対し
    て0.05〜2.0モル%であり、且つ前記一価フェノール類
    単位の含有量がビスフェノールA単位に対して0.85〜8.
    5モル%であることを特徴とする分岐状ポリカーボネー
    ト。
  2. 【請求項2】1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
    ル)エタンから誘導された分岐核構造を有する請求項1
    記載の分岐状ポリカーボネート。
  3. 【請求項3】二価フェノール類とホスゲンを反応させて
    ポリカーボネートオリゴマーを製造し、次いで該ポリカ
    ーボネートオリゴマーを、エマルジョンの界面積が40m2
    /以上になるような撹拌条件下で三個以上の官能基を
    有する多官能基性有機化合物と予備縮合させ、しかる後
    再度エマルジョンの界面積が40m2/以上になるような
    撹拌条件下で二価フェノール類及び一価フェノール類と
    縮重合させることを特徴とする請求項1記載の分岐状ポ
    リカーボネートの製造法。
  4. 【請求項4】二価フェノール類,三個以上の官能基を有
    する多官能性有機化合物及びホスゲンを反応させた後、
    一価フェノール類を反応させ、さらに二価フェノール類
    を反応させてポリカーボネートオリゴマーを製造し、次
    いで該ポリカーボネートオリゴマーをエマルジョンの界
    面積が40m2/以上になるような撹拌条件下で二価フェ
    ノール類を縮重合させることを特徴とする請求項1記載
    の分岐ポリカーボネートの製造法。
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