JP2626966B2 - ソーラーシステムハウス利用の空冷方法 - Google Patents

ソーラーシステムハウス利用の空冷方法

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JP2626966B2
JP2626966B2 JP23442493A JP23442493A JP2626966B2 JP 2626966 B2 JP2626966 B2 JP 2626966B2 JP 23442493 A JP23442493 A JP 23442493A JP 23442493 A JP23442493 A JP 23442493A JP 2626966 B2 JP2626966 B2 JP 2626966B2
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昭雄 奥村
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株式会社オーエム研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気によって太陽エネ
ルギーを利用するソーラーシステムハウスを利用した空
冷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅の南側に大きな開口部を取って冬の
日射を大量に取入れ、夏にはその一部を開け放って通風
を図ることは古くから行われていることである。これを
一歩進めて、居室の外側にサンルームを作り、これを温
室としてここから居室へ温められた空気を取入れること
も行われている。これを合理的に推進させ、方位に限定
されず、太陽光により集熱した空気を効果的に利用でき
るソーラーシステムハウスを出願人は先に提案し、出願
した。特願昭61−311485号(特開昭63−16
5633号公報)、特願昭62−234666号(特開
昭64−75858号公報)がそれである。
【0003】図6についてその概略を説明すると、カラ
ー鉄板やスレート板等の屋根板1の直下に屋根勾配を有
する空気流路2を形成し、この空気流路2の一端は軒先
に空気取入口3として開口し、他端は断熱材による集熱
ボックスとしての棟ダクト4に連通させる。
【0004】内部に逆流防止ダンパー6、ファン7及び
流路切換えダンパー8を設け、該流路切換えダンパー8
の流出側の一方は排気ダクト9により屋外に開口するハ
ンドリングボックス5を屋根裏空間である小屋裏22に
設置し、このハンドリングボックス5の逆流防止ダンパ
ー6の流入側を前記棟ダクト4に連通させ、流路切換え
ダンパー8の流出側の一方を立下りダクト10の上端に
連結する。立下りダクト10の下端は床下蓄熱体として
の蓄熱土間コンクリート11と床パネル12との間の空
気流通空間13に開口し、該空気流通空間13から室内
への床吹出口14を設けた。
【0005】なお、前記のごとくハンドリングボックス
5の逆流防止ダンパー6の流入側は棟ダクト4に接続さ
れるが、この逆流防止ダンパー6の流入側は天井等で室
内に開口する循環用ダクト19にも接続され、該逆流防
止ダンパー6はこの棟ダクト4側と循環用ダクト19側
との流路を切り換える流路切換えダンパーとして構成す
る。また、この循環用ダクト19が開口する吸込口20
を設ける部屋はこれが2階であれば、前記室内への床吹
出口14を設けた床パネル12がある1階の部屋とは吹
き抜け構造として空気が自由に流れるようにすることが
望ましい。
【0006】ハンドリングボックス5内で、逆流防止ダ
ンパー6とファン7との間にお湯とりコイル15を設
け、このお湯とりコイル15は循環配管16で貯湯槽1
7と連結し、該貯湯槽17には、追焚き用の給湯ボイラ
ー18を途中へ設けて、風呂や洗面所、台所へとつなが
る給湯配管21を接続する。
【0007】このようにして、太陽光で加熱された金属
板である屋根板1が、空気流路2へ入った外気を温め、
この温められた空気は屋根勾配に沿って上昇する。そし
て、この加熱空気は棟ダクト4に集められてからファン
7によりハンドリングボックス5に入り、ハンドリング
ボックス5から立下りダクト10内を流下し、蓄熱土間
コンクリート11と床パネル12との間の空気流通空間
13へ入る。この空気流通空間13では加熱空気が床パ
ネル12を介して直接床面下を温めるのと、蓄熱土間コ
ンクリート11に蓄熱させるのと、床吹出口14から温
風として直接室内へ吹出されるのとの3通りの暖房作用
を行う。
【0008】一方、お湯とりコイル15で、ここに循環
配管16を介して貯湯槽17から送り込まれる水が加熱
され、湯として貯湯槽17へ蓄えられ、さらにここから
必要に応じて追焚き用の給湯ボイラー18で再加熱され
て給湯配管21から各所へ給湯される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような図6に示す
太陽光により集熱した加熱空気を利用するソーラーシス
テムハウスでは、夏季等高温時で暖房の必要のない季節
では屋根板1で温められた加熱空気は全部外気に放出し
て捨てることが必要となる。その場合は流路切換えダン
パー8で流出側の一方である立下りダクト10側を閉塞
し、流出側の他の一方である排気ダクト9側を開放すれ
ば、ハンドリングボックス5から加熱空気は排気ダクト
9を介して屋外へ捨てられる。なお、加熱空気はハンド
リングボックス5を通ることでお湯とりコイル15の加
熱は行うので、夏季等高温時でも太陽熱利用で湯が得ら
れることは確保できる。
【0010】しかし、従来は夏季はこのように加熱空気
は全部外気に放出して捨てることのみで、それ以外の利
用はなされていなかった。
【0011】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、夏の夜間に、蓄冷と除湿が可能なものとしてよりパ
ッシブなものとすることができるソーラーシステムハウ
ス利用の空冷方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、カラー鉄板やスレート板等の屋根板
の直下に屋根勾配を有する空気流路を形成し、この空気
流路の一端は軒先に空気取入口とし、他端は断熱材によ
る集熱ボックスとしての棟ダクトに連通させ、内部に逆
流防止ダンパー、ファン及び流路切換えダンパーを設
け、該流路切換えダンパーの流出側の一方は排気ダクト
により屋外に開口するハンドリングボックスを設置し、
このハンドリングボックスの逆流防止ダンパーの流入側
を前記棟ダクトに連通させ、流路切換えダンパーの流出
側の一方を立下りダクトの上端に連結し、立下りダクト
の下端は床下蓄熱体と床パネルとの間の空気流通空間に
開口し、該空気流通空間から室内への床吹出口を設けた
ソーラーシステムハウスにおいて、夏の夜間に、逆流防
止ダンパーは棟ダクト側を開き、また、流路切換えダン
パーはファンと立下りダクト側とを連通させ、ファンと
排気ダクト側を閉鎖し、ハンドリングボックス内のファ
ンを運転し、夜間の冷気を空気流路に取り込み、屋根面
からの放射冷却も作用させ、この空気を立下りダクトを
介して床下蓄熱体と床パネルとの間の空気流通空間に送
り、床下蓄熱体に蓄冷し、また、空気流路には防水シー
トを敷設するとともに、先端部に軒上に開口するスリッ
トである結露水流出口を設け、前記夜間の冷気を空気流
路に取り込む際に空気流路に生じる結露をこの結露水流
出口より排出することを要旨とするものである。
【0013】第2に、空気流路の一端に設ける空気取入
口は、軒先の外気取入口であることもしくは屋根の小屋
裏に換気口を開口し、この小屋裏からの通気路に空気流
路の一端の空気取入口を連通させること、第3に、空気
流路の一端の空気取入口にはこの空気流路内に発生する
結露水の流出防止用の通気筒を設けることを要旨とする
ものである。
【0014】
【作用】本発明によれば、夏の夜間にハンドリングボッ
クスのファンを回せば、夜の冷気を取り込むだけでな
く、屋根面(集熱面)からの放射冷却も働いて、床下蓄
熱体に蓄冷することができる。
【0015】さらに、屋根板の直下に形成した屋根勾配
を有する空気流路に結露を生じることを考慮したもので
あり、該空気流路は防水シートを敷設することで結露水
に耐えられるものとなり、さらに、発生する結露水は先
端部の結露水流出口より排出でき、この結露水流出口か
ら流出する結露水は軒に降りる夜露と一緒になって流れ
おちる。
【0016】なお、通気筒を設けることで、外気を小屋
裏から取り入れる場合に、結露水が小屋裏に流れ込まな
いようにすることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は本発明の空冷方法で利用するソーラー
システムハウスの1実施例を示す縦断側面図で、前記従
来例を示す図5と同一構成要素には同一参照符号を付し
たものである。
【0018】カラー鉄板等金属板の屋根板1の直下に屋
根勾配を有する空気流路2を形成した点は前記従来例と
同じである。この屋根板1は南面の屋根であり、一方、
屋根の小屋裏22の換気口25を南面以外、例えば北面
に開口するようにした。そしてこの小屋裏22と前記空
気流路2とは断熱材で区画されているが、小屋裏22と
空気流路2の下端までに該空気流路2と平行な通気路4
0を設け、この通気路40を介して小屋裏22と空気流
路2の下端の空気取入口3を連通させる。
【0019】この空気流路2の上端は断熱材による集熱
ボックスとしての棟ダクト4に連通させ、この棟ダクト
4と立下りダクト10との間にハンドリングボックス5
を設置し、立下りダクト10の下端は床下蓄熱体として
の蓄熱土間コンクリート11と床パネル12との間の空
気流通空間13に開口し、また、該空気流通空間13か
ら室内への床吹出口14を設ける。なお、床下蓄熱体と
してはこの蓄熱土間コンクリート11の他に別途形成す
るものでもよい。
【0020】これら棟ダクト4やハンドリングボックス
5は小屋裏22に設置するものであり、ハンドリングボ
ックス5は、内部に逆流防止ダンパー6、ファン7及び
流路切換えダンパー8を設け、該流路切換えダンパー8
の流出側の一方は排気ダクト9により屋外に開口し、ま
た、他の一方を立下りダクト10の上端に連結した。
【0021】ハンドリングボックス5の逆流防止ダンパ
ー6の流入側は棟ダクト4に接続されるが、この逆流防
止ダンパー6の流入側は天井等で吸込口20により室内
に開口する循環用ダクト19にも接続され、該逆流防止
ダンパー6はこの棟ダクト4側と循環用ダクト19側と
の流路を切り換える流路切換えダンパーとして構成し
た。
【0022】ハンドリングボックス5内で、逆流防止ダ
ンパー6とファン7との間にお湯とりコイル15を設
け、このお湯とりコイル15は循環配管16で貯湯槽1
7と連結し、該貯湯槽17には給湯ボイラー18を途中
へ設けて、風呂や洗面所、台所へとつながる給湯配管2
1を接続する。また、ファン7と流路切換えダンパー8
との間に補助暖房コイル23を設け、この補助暖房コイ
ル23を循環配管26により屋外等に設置する暖房・追
炊きボイラー24に接続する。この暖房・追炊きボイラ
ー24は前記給湯ボイラー18に組込む暖房専用のボイ
ラーを使用することができる。
【0023】前記室内への床吹出口14の近傍に補助暖
房コイル39を設け、これら補助暖房コイル39を循環
配管38により前記暖房用ボイラーである暖房・追炊き
ボイラー24に接続させた。
【0024】図2に示すように、前記空気流路2の底面
に防水シート41を敷設し、また、通気路40と空気流
路2が連通する空気取入口3に図4に示すようなステン
レス薄板製で、上に笠の付いた通気筒42を設ける。こ
の通気筒42はその上端開口が空気流路2の底面より少
し上方に突出するので、空気流路2内に発生する結露水
の空気取入口3からの流出防止をなすものである。図中
43は通気筒42の取付けをシールするためのコーキン
グである。
【0025】前記防水シート41は夏の昼間に高温にさ
らされることを考慮して熱に強い(100°C程度ま
で)接着シートが望ましく、同時に冬の集熱を考慮して
黒色またはこれに近い色をもっていることが望ましい。
さらに、酸性に耐久力をもつものを選択する。木材は酸
性には強いので、防水シート41を瓦棒受けを打つ前
に、野路板の上に全面に敷き、瓦棒受けの下面にコーキ
ング材を挟んで打ちつける方法も採用できる。
【0026】また、空気流路2の先端部(下端部)に軒
44の上に開口するスリット45を結露水流出口として
設けた。
【0027】次に、使用法について説明すると、冬での
太陽熱利用の場合は、前記従来例と同じである。太陽光
が屋根板1にまだ当たらない朝方は、棟ダクト4内の空
気温度も低い。この場合、逆流防止ダンパー6は循環用
ダクト19側を開き、棟ダクト4側を閉じている。ま
た、流路切換えダンパー8は排気ダクト9側を閉鎖し、
ファン7と立下りダクト10を連通させる。この状態で
ファン7を駆動すると冷たい空気が吹出口14から室内
に出され暖房とは逆効果となる。従って、まず、暖房・
追炊きボイラー24の着火を行い、補助暖房コイル23
および補助暖房コイル39を加熱する。
【0028】これにより、室内から循環用ダクト19を
経てハンドリングボックス5に入る空気は補助暖房コイ
ル23で加熱され、温風となって立下りダクト10を下
り、吹出口14から室内に吹き出されるときにさらに補
助暖房コイル39で加熱されて暖房を行う。
【0029】太陽光が屋根板1に当たり出し、棟ダクト
4内の温度が設定温度以上になると、逆流防止ダンパー
6が反転して棟ダクト4側を開き、循環用ダクト19側
を閉じる。そして、ファン7が始動して集熱を始める。
ファン7により屋外の空気はまず換気口25から屋根の
小屋裏22に入り、そしてこの小屋裏22の空気が南面
の屋根の屋根板1直下に形成された空気流路2に入り、
ここで太陽光で加熱された屋根板1で加温され、棟ダク
ト4に集められてからハンドリングボックス5に入る。
【0030】この集熱を始めても補助暖房コイル23や
補助暖房コイル39はまだ加熱を続けている。そして、
これら補助暖房コイル23や補助暖房コイル39を加温
する暖房・追炊きボイラー24は室温が設定温度以上に
なると制御装置を介して自動的に停止し、これにより補
助暖房コイル23や補助暖房コイル39での加熱も停止
する。
【0031】加熱空気は前記ハンドリングボックス5か
ら立下りダクト10内を流下し、蓄熱土間コンクリート
11と床パネル12との間の空気流通空間13へ入り、
床パネル12を介して直接床面下を温めるのと、蓄熱土
間コンクリート11に蓄熱させるのと、吹出口14から
温風として直接室内へ吹出されるのとの3通りの暖房作
用を行うことで、室温は徐々に上がっていくが、室温が
上がり過ぎないうちはお湯採りはまだ開始されない。
【0032】室温がお湯採りの設定温度になると、貯湯
槽17内のポンプが作動し、循環配管16を介してお湯
とりコイル15との間でお湯が循環を始める。なお、ポ
ンプの作動にはハンドリングボックス5内の温度と貯湯
槽17内の温度に一定温度以上の差温があることが必要
である。お湯採り開始の午前中にはこの差温がかなりあ
るが、お湯とりコイル15内にお湯が循環を繰り返すう
ちに、貯湯槽17内の温度はどんどん上がり、差温が一
定以下になるとポンプが止まり、お湯採りは停止する。
【0033】また、前記暖房用ボイラー24および補助
暖房コイル23や補助暖房コイル35は室温が設定温度
以上にならない場合には自動的に駆動され、夜間や天気
のよくない日などもこの補助暖房コイル23や補助暖房
コイル39により暖房することができる。
【0034】前記ファン7が駆動する時にこのファン7
の温度が上がると、配管31に煙突効果で上昇気流が生
じ、ハンドリングボックス5を下から上へと抜ける空気
の流れでケース30内の前記モーターは冷却される。
【0035】一方、夏等の暖房がいらない季節の昼間の
集熱時には示すように、逆流防止ダンパー6は循環用ダ
クト19側を閉じ、棟ダクト4側を開く。また、流路切
換えダンパー8はファン7と立下りダクト10側とを閉
鎖し、ファン7と排気ダクト9側とを連通させる。
【0036】このようにしてファン7を駆動すれば、換
気口25から屋根の小屋裏22に入り、さらに空気流路
2を経て棟ダクト4に集められた加熱空気はハンドリン
グボックス5に入り、お湯とりコイル15を加熱してか
ら排気ダクト9を流れ屋外へ捨てられる。その際、ファ
ン7から直接排気ダクト9へ送り込まれる空気が立下り
ダクト10へ誘引力を与え、床下の空気は立下りダクト
10を介して排気ダクト9へ吸い込まれるので前記小屋
裏22の換気のみならず、床下の換気も同時に行うこと
ができる。
【0037】そして、夏の夜間には逆流防止ダンパー6
は循環用ダクト19側を閉じ、棟ダクト4側を開く点は
前記昼間と同じであるが、前記流路切換えダンパー8は
ファン7と立下りダクト10側とを連通させ、ファン7
と排気ダクト9側を閉鎖する。
【0038】この状態で、ハンドリングボックス5のフ
ァン7を回せば、夜の冷気が換気口25から屋根の小屋
裏22に入り、そしてこの小屋裏22の空気が南面の屋
根の屋根板1直下に形成された空気流路2に入り、ここ
で放射冷却がなされる。そして、棟ダクト4に集められ
てからハンドリングボックス5に入り、該ハンドリング
ボックス5から立下りダクト10内を流下し、蓄熱土間
コンクリート11と床パネル12との間の空気流通空間
13へ入り、蓄熱土間コンクリート11に蓄冷されるの
と、吹出口14から冷風として直接室内へ吹出されるの
との冷却作用を行う。
【0039】かかる冷却作用をさらに詳しく説明する。
非常に良く晴れた青空は−40゜〜−60°Cという超
低温である。それと地上のものの表面の間で輻射熱のや
りとりがある。地上のものの方が温度が高いから熱を奪
われる。夜は日射がないので、もっばら地表の熱は奪わ
れる。それが夜間放射である。
【0040】本発明においては、大気に含む水蒸気量と
雲の状態から夜間放射量を推計し、屋根面内を流れる空
気の温度低下と、屋根面の中で起こる結露を計算してい
る。この結露はやっかいなものではあるが、取り込まれ
る空気の絶対湿度を下げる働きをするから、冷えた空気
が室温まで上昇したとき、外気よりも乾燥したものにな
る利点が得られる。(図5参照)
【0041】
【表1】
【0042】表1は、夜間放射冷却量に関して、4つの
都市について8月の良い日と中間日を示したものであ
る。夜間の12時と明け方の4時の各1時間を比較して
いる。条件的には、金属板葺きの屋根板1で、流れ長さ
4m、屋根幅7m、面積28mのガラスなしの集熱面
に400m/hの空気を流した場合である。
【0043】この表1の最右欄、潜+顕熱は取得空気
(400m/h)が1時間に冷却されたカロリー量で
ある。内陸型の都市である前橋、松本の良い日が大き
い。このカロリーは、空気温度を下げる顕熱(温度差A
−B)と、結露になる潜熱(結露量)に分かれて働く。
この分かれ方は、表1の中では外気の相対湿度が比較的
低い東京で、良い日では、顕熱として空気温度を下げる
方により多く使われ、潜熱として結露にまわる割合が少
ない。
【0044】それに対して、相対湿度の高い鹿児島で
は、結露の割合が多い。しかし、温度を下げる方に回ろ
うが、湿度を除去する方に働こうが、取り入れる空気の
持っているエネルギー(エンタルピ)を減らしている点
は同じことである。
【0045】温度差A−Bは、夜間の外気温度をさらに
3〜5゜C下げていることを示している。取得空気温度
Bと日中12時の温度差は、東京、鹿児島で約10°
C、前橋、松本では15゜Cにも達することがある(松
本では寒く感じるかもしれない。)本発明における蓄冷
運転は、一晩に8〜10時間続けることができるから、
蓄冷の効果は翌日の昼過ぎまで持続する可能性がある。
【0046】空気流路2内の結露量は相当なものと予想
される。ただし、空気流路2は防水シート41を敷設す
ることで結露水に耐えられるものとなっており、さら
に、通気筒42が結露水が小屋裏に流れ込まないように
し、結露水はスリット45から流出して夜露と一緒にな
って流れおちる。また、濡れた屋根の中は、翌日の排気
の運転でたちまち乾いてしまう。
【0047】前記表1には結果だけが示されているが、
東京の良い日の4時について、計算過程の状態を図5の
空気線図上で説明すると、24.95゜C、77.1%
あった外気は、屋根の中を1m進ごとに○印の点を進
む。1mの点ではまだ、結露は始まっていない。2mか
ら4mは、相対湿度100%の線の上を下がっていく。
【0048】この間に結露して、絶対温度が0.001
kG/KgDA減少する。4mの点では、19.61゜
Cで、5.34゜C温度降下している。この空気が床下
に蓄冷し、室内に出たとき仮に26゜Cになったとする
と、相対温度は67%になって約10%低下したことに
なる。このことからも、結露すなわち除湿であって、取
入れ空気の温度降下と同様の効果を持っていることがわ
かる。
【0049】以上の実施例は図1に示すような小屋裏2
2の換気口25を設けて通気路40を介して小屋裏22
と空気流路2とを連通させる場合について説明したが、
本発明は図6に示すような空気流路2の一端は軒先に空
気取入口3として開口する場合でも実施できる。
【0050】その場合は、空気取入口3が結露水流出口
となるので、別途設ける必要はなくなる。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように本発明のソーラーシス
テムハウス利用の空冷方法、夏の夜間に、蓄冷と除湿が
可能なものとしてよりパッシブなものとすることができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空冷方法で使用するソーラーシステム
ハウスの1例を示す縦断側面図である。
【図2】本発明の空冷方法で使用するソーラーシステム
ハウスの1例を示す要部の縦断側面図である。
【図3】本発明の空冷方法で使用するソーラーシステム
ハウスの1例を示す要部の縦断正面図である。
【図4】通気筒の斜視図である。
【図5】湿り空気線図で、東京8月良い日4時の夜間放
射冷却を示す図である。
【図6】ソーラーシステムハウスの従来例を示す縦断側
面図である。
【符号の説明】
1…屋根板 2…空気流路 3…空気取入口 4…棟ダクト 5…ハンドリングボックス 6…逆流防止ダ
ンパー 7…ファン 8…流路切換え
ダンパー 9…排気ダクト 10…立下りダ
クト 11…蓄熱土間コンクリート 12…床パネル 13…空気流通空間 14…床吹出口 15…お湯とりコイル 16…循環配管 17…貯湯槽 18…給湯ボイ
ラー 19…循環用ダクト 20…吸込口 21…給湯配管 22…小屋裏 23…補助暖房コイル 24…暖房・追
炊きボイラー 25…換気口 26…循環配管 27…フィン 30…ケース 31…配管 38…循環配管 39…補助暖房コイル 40…通気路 41…防水シート 42…通気筒 43…コーキング 44…軒 45…スリット

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー鉄板やスレート板等の屋根板の直
    下に屋根勾配を有する空気流路を形成し、この空気流路
    の一端は軒先に空気取入口とし、他端は断熱材による集
    熱ボックスとしての棟ダクトに連通させ、内部に逆流防
    止ダンパー、ファン及び流路切換えダンパーを設け、該
    流路切換えダンパーの流出側の一方は排気ダクトにより
    屋外に開口するハンドリングボックスを設置し、このハ
    ンドリングボックスの逆流防止ダンパーの流入側を前記
    棟ダクトに連通させ、流路切換えダンパーの流出側の一
    方を立下りダクトの上端に連結し、立下りダクトの下端
    は床下蓄熱体と床パネルとの間の空気流通空間に開口
    し、該空気流通空間から室内への床吹出口を設けたソー
    ラーシステムハウスにおいて、夏の夜間に、逆流防止ダ
    ンパーは棟ダクト側を開き、また、流路切換えダンパー
    はファンと立下りダクト側とを連通させ、ファンと排気
    ダクト側を閉鎖し、ハンドリングボックス内のファンを
    運転し、夜間の冷気を空気流路に取り込み、屋根面から
    の放射冷却も作用させ、この空気を立下りダクトを介し
    て床下蓄熱体と床パネルとの間の空気流通空間に送り、
    床下蓄熱体に蓄冷し、また、空気流路には防水シートを
    敷設するとともに、先端部に軒上に開口するスリットで
    ある結露水流出口を設け、前記夜間の冷気を空気流路に
    取り込む際に空気流路に生じる結露をこの結露水流出口
    より排出することを特徴としたソーラーシステムハウス
    利用の空冷方法。
  2. 【請求項2】 空気流路の一端に設ける空気取入口は、
    軒先の外気取入口である請求項1記載のソーラーシステ
    ムハウス利用の空冷方法。
  3. 【請求項3】 屋根の小屋裏に換気口を開口し、この小
    屋裏からの通気路に空気流路の一端の空気取入口を連通
    させる請求項1記載のソーラーシステムハウス利用の空
    冷方法。
  4. 【請求項4】 空気流路の一端の空気取入口にはこの空
    気流路内に発生する結露水の流出防止用の通気筒を設け
    る請求項3記載のソーラーシステムハウス利用の空冷方
    法。
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