JP2625485B2 - 電磁シールド材料 - Google Patents

電磁シールド材料

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JP2625485B2 JP63068826A JP6882688A JP2625485B2 JP 2625485 B2 JP2625485 B2 JP 2625485B2 JP 63068826 A JP63068826 A JP 63068826A JP 6882688 A JP6882688 A JP 6882688A JP 2625485 B2 JP2625485 B2 JP 2625485B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、各種電子機器、シールドルームや磁気カー
ドの保護ケース等に用いられる電磁シールド材料に関す
るものである。
〔従来の技術〕
近年電子機器が高度化し、かつ多数用いられるように
なったために、電磁波によるノイズの増大あるいは機器
の誤動作が大きな問題となってきている。
従来電子製品のは筐体には鋼板などの金属材料が使用
され、されらは電磁波をシールドする効果があるため、
放射性電磁波ノイズによる電磁障害の問題は今日ほど重
要視されていなかった。ところが、電子機器の軽量化、
小型化、量産化の要求に対応して、それらの筐体には電
磁波に対して透明なプラスチック類が採用されはじめ、
電磁障害の発生源および被害が急速に増加するようにな
ってきた。
電磁障害はその形態として、電子機器の筐体を貫通し
て空間に放射される放射性電磁障害と、電波ラインや信
号ラインを介して伝導される伝導性電磁障害とに分けら
れる。
後者の伝導性ノイズに対しては通常ノイズフィルター
が使用され、前者の放射性電磁障害の対策としてはシー
ルド材が用いられる。
従来、電磁界シールド材としては導電性の物質、例え
ばニッケル、銀、銅、カーボンブラック、グラファイト
等が多く用いられており、それなりの効果が得られてい
る。
すなわち、上記導電性物質の粉末をバインダー材のア
クリルやウレタン樹脂中に混練し塗料として使用される
場合が多い。
しかし、これらの材料では、塗膜厚さを加減すること
で所望の電界シールド効果は得られるが、100kHz以下で
の磁界シールド効果は殆ど得られない。このため磁気カ
ードを磁界から守る等の用途には適さない。
100kHz以下の低周波での磁界シールドをするために
は、鉄箔が有効であることが知られている。
これは鉄が軟磁性体であり、その透磁率を利用するこ
とにより磁界シールドが可能となる。
すなわち、より透磁率の大きなもの程磁界シールドに
対して有効であり、パーマロイなどが磁界シールドによ
く使われる所以である。
ところが、軟磁性体に非晶質軟磁性材料を用いること
により、より大きな磁界シールドが可能であるという発
明がなされ、それらは特開昭52−10660号、同55−21196
号、同56−84852号の各公報等で開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
軟磁性材料として、非晶質合金を用いることにより、
ある程度磁界シールド性は向上するが、アモルファス合
金の場合、特に高透磁率のCo基アモルファス合金は飽和
磁束密度が十分でなく、強い静磁界に対しての磁気シー
ルド効果が十分でない欠点がある。また熱的に不安定で
ありシールド特性の経時変化がある。
一方、Fe基アモルファス合金は飽和磁束密度は高い
が、透磁率が十分でなく、弱磁界を完全にシールドする
用途に対しては十分な効果が得られない。また磁歪が著
しく大きいため、曲げたりわん曲させ使用する場合、著
しく電磁シールド効果が悪くなる欠点がある。
一方、電界シールドに用いられる銅箔等は低周波の磁
界シールド効果が不十分である。
本発明の目的は電磁シールド特性に優れ、歪による特
性劣化、経時変化が小さい新規の電磁シールド材料を提
供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するために本発明者は鋭意検討の結
果、一般式 (Fe1-aMa100−x−y−z−α−γCuxSiyBzM′
αM″βγ (原子%) (ただしMはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,Au,Zn,Sn,
Re,Agからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、
XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素であり、 a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a<0.3,0.1≦
x≦3,0≦y≦25,3≦z≦17,10≦y+z≦30,0.1≦α≦
10,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満たす。) により表わされる組成を有し、組織の少なくとも50%が
微細な結晶粒からなり、その結晶粒が1000Å以下の平均
粒径を有する合金が優れた電磁シールド効果を有し、 電磁シールド材料に最適であることを見い出し本発明
に想到した。
本発明に係る合金において、Cuは必須元素であり、そ
の含有量xは0.1〜3原子%の範囲である。0.1原子%よ
り少ないとCu添加によるシールド効果、改善の効果がほ
とんどなく、一方3原子%より多いとシールド効果が未
添加のものよりかえって劣化することがある。また本発
明において特に好ましいCuの含有量xは0.5〜2原子%
であり、この範囲では特にシールド効果が良好のものが
得られる。
本発明に係る合金は、前記組成の非晶質合金を溶湯か
ら急冷することにより得る工程、あるいはスパッター
法、蒸着法等の気相急冷法により得る工程と、これを加
熱し微細な結晶粒を形成する熱処理工程に依って通常得
ることができる。
Cuによるシールド効果改善作用の原因は明らかではな
いが次のように考えられる。
CuとFeの相互作用パラメータは正であり、固溶度が低
く分離する傾向があるため非晶質状態の合金を加熱する
とFe原子同志またはCu原子またはCu原子同志が寄り集ま
り、クラスターを形成し組成ゆらぎが生じる。このため
部分的に結晶化しやすい領域が多数でき、そこを核とし
た微細な結晶粒が生成される。この結晶はFeを主成分と
するものであり、FeとCuの固溶度はほとんどないため結
晶化によりCuは微細結晶粒の周囲にはき出され、結晶粒
周辺のCu濃度が高くなる。このため結晶粒は成長しにく
いと考えられる。
Cu添加により結晶核が多数できることと、結晶粒が成
長しにくいため結晶微細化が起こると考えられるが、こ
の作用はNb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等の存在により特に著し
く強められると考えられる。
Nb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等が存在しない場合は結晶粒は
あまり微細化されず軟磁気特性も悪く磁気シールド特性
も十分でない。
また本発明に係る合金はFeを主成分とする微細結晶相
が生ずるためFe基非晶質合金に比べ磁歪が小さくなって
おり、磁歪が小さくなることにより、内部応力−歪によ
る磁気異方性が小さくなることも軟磁気特性及びシール
ド特性が改善される理由の1つと考えられる。
Cuを添加しない場合は結晶粒は微細化されにくく、化
合物相が形成しやすいため結晶化により磁気特性は劣化
する。このため磁気シールド特性は著しく悪くなる。
Si及びBは合金の微細化および磁歪調整に有用な元素
である。本発明の合金は、好ましくは、一旦Si,B添加効
果により非晶質合金とした後で、熱処理により微細結晶
粒を形成することにより得られる。Si含有量yの限定理
由は、yが25原子%を超えると磁気シールド特性の良好
な条件では磁歪が大きくなってしまい歪によりシールド
特性が劣化しやすくなり好ましくないためである。Bの
含有量zの限定理由は、zが3原子%未満では均一な結
晶粒組織が得にくく軟磁気特性が劣化し磁気シールド効
果も悪くなり好ましくなく、zが17原子%を超えると磁
気シールド特性の良好な熱処理条件では磁歪が大きくな
ってしまい好ましくないためである。SiとBの総和量y
+zの値に関しては、y+zが10原子%未満では非晶質
化が困難になり磁気特性が劣化し好ましくなく、一方、
y+zが30原子%を超えると飽和磁束密度の著しい低下
および磁気シールド効果の劣化および磁歪の増加があ
る。より好ましいSi,B含有量の範囲は10≦y≦25,3≦z
≦12,18≦y+z≦28であり、この範囲では−5×10-6
〜+5×10-6の範囲の飽和磁歪で磁気シールド効果の大
きい合金が得られやすい。
特に好ましくは11≦y≦24,3≦z≦9,18≦y+z≦27
であり、この範囲では−1.5×10-6〜+1.5×10-6の範囲
の飽和磁歪で変形等によるシールド効果劣化の小さい材
料が得られやすい。
本発明に係る合金においてM′はCuとの複合添加によ
り析出する結晶粒を微細化する作用を有するものであ
り、Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素である。Nb等は合金の結晶化温度を
上昇させる作用を有するが、クラスターを形成し結晶化
温度を低下させる作用を有するCuとの相互作用により結
晶粒の成長を抑え析出する結晶粒が微細化するものと考
えられる。M′の含有量αは0.1≦α≦10の範囲が望ま
しい。αが0.1原子%未満ではコア損失が低いものが得
にくく、10原子%を超えると飽和磁束密度の著しい低下
を招くためである。好ましいαの範囲は2≦α≦8であ
り、この範囲で特に優れたシールド効果が得られる。
M″の添加により、耐食性の改善、シールド効果の改
善、又は磁歪調整効果等が得られる。
M″が10原子%を超えると、飽和磁束密度の低下が著
しい。
本発明に係る合金において、C,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,As
等からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を10原
子%以下含む合金を使用できる。これらの元素は非晶質
化に有効な元素であり、Si,Bと共に添加することにより
合金の非晶質化を助けたり、磁歪やキュリー温度調整に
効果である。
残部は不純物を除いて実質的にFeが主体であるがFeの
1部は成分M(Co及び/又はNi)により置換されていて
も良い。Mの含有量は0≦a<0.3であるが、0.3を超え
ると磁歪が大きくなったり、シールド効果が劣化するた
めである。
本発明材料に係る合金はbcc構造の鉄固溶体を主体と
する合金であるが、非晶質相やFe2B,Fe3B,Nb等の遷移金
属の化合物、Fe3Si規則相等を含む場合もある。これら
の相は磁気シールド特性を劣化させる場合がある。特に
Fe2B等の化合物相は磁気シールド特性を劣化させやす
い。したがってこれらの相はできるだけ存在しない方が
望ましい。
本発明材料に係る合金は1000Å以下の粒径の超微細な
均一に分布した結晶粒からなるが、優れた磁気シールド
効果が得られる合金の場合はその粒径が500Å以下の場
合が多い。特に優れた磁気シールド効果は20〜200Åの
平均粒径を有する場合に得やすく、チョークコイル用磁
心に用いた場合優れた特性が得られる。
この結晶粒はα−Fe固溶体を主体とするものでSiやB
等が固溶していると考えられる。合金組織のうち微細結
晶粒以外の部分は主に非晶質である。なお微細結晶粒の
割合が実質的に100%になっても本発明材料は十分に優
れたシールド特性を示す。
なお、N,O,S等の不可避的不純物やCa,Sr,Ba,Mg等につ
いては所望の特性が劣化しない程度に含有していても本
発明の材料に用いられる合金組成と同一とみなすことが
できるのはもちろんである。
本発明の材料に用いられる合金は、単ロール法、双ロ
ール法、遠心急冷法等により非晶質薄帯を作製後熱処理
を行ない微細な結晶粒を形成する方法、蒸着法、スパッ
ター法やイオンプレーティング等により非晶質膜を作製
後熱処理し結晶化させる方法や回転液中紡糸法やガラス
被覆紡糸法により、非晶質線を得た後熱処理し結晶化さ
せる方法等いろいろな方法で作製することができる。し
たがって、本発明の材料は線、薄帯、膜などいろいろな
形状で使用できる。
本発明材料を得る際行われる熱処理は内部歪を小さく
することと、微細結晶粒組織とし軟磁気特性を改善し磁
気シールド効果を改善するとともに磁歪を小さくする目
的で行なわれる。
熱処理は通常真空中または水素ガス、窒素ガス、アル
ゴンガス等の不活性ガス雰囲気中において行なわれる。
しかし場合によっては大気中等の酸化性雰囲気で行って
も良い。
熱処理温度及び時間は非晶質状態の合金の形状サイ
ズ、組成により異なるが、一般的には結晶化温度より高
い450℃〜700℃に5分から24時間程度保持し熱処理する
のが望ましい。
熱処理の際の昇温や急冷の条件は状況に応じて任意に
変えることができる。また同一温度または異なる温度で
複数回にわけ熱処理を行ったり、多段の熱処理パターン
で熱処理を行なうこともできる。更には、熱処理を直流
あるいは交流の磁場中で行なうこともできる。磁場中熱
処理により磁気異方性を付与したり、回転磁場中で熱処
理することにより磁気異方性を低減することができる。
本発明電磁シールド材料は薄帯の形状、フレーク状の
形状、粉末状の形状、ワイヤー状の形状や薄膜等いろい
ろな形態で使用できる。
薄帯の場合は巻いたり積層したりして使用する場合が
多い。また電界シールド効果を更に改善する目的で薄帯
表面にAu,Cu,Ag,Ni,Cr,Sn,Al等の導電性の良い金属層を
メッキしたり、蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング等の方法により形成したり、ろう付けによりハン
ダ形成する場合がある。また同様の目的でCu,Al,Ag,Au
等の金属薄帯を接着する場合もある。
本発明材料にかかわる合金は一般的には脆化している
ので合成樹脂テープと接着し破損を損いだり、合成樹脂
と混和し成形し、破損を損ぐことができる。また、フレ
ーク状や粉末状の合金を用いる場合は、シート状やブロ
ック状のシールド材料を得るために樹脂と混和し成形す
る場合がある。
また高周波における磁気シールド効果を改善する目的
で合金表面に酸化物絶縁物層を形成しても良い。
また、合金薄帯の表面に1部あるいは全部に貼着剤を
形成した場合、容易に接着を可能とし、シールドが必要
な箇所にはりつけ電磁界シールドを行うことができる。
粉末の場合はアクリルやウレタン樹脂等のバインダー
と混ぜ塗料として使用することもできる。またこの場合
Cu,Ag,Al等の粉末を混ぜ電界シールド効果を改善するこ
ともできる。
〔実施例〕
以下本発明を実施例に従って説明するが本発明はこれ
らに限定されるものではない。
実施例1 第1表に示す組成の合金溶湯を単ロール法により急冷
し幅50mm、厚さ25μmの非晶質合金薄帯を作製した。
次にこの合金を窒素ガス雰囲気中第1表の条件で熱処
理し、薄帯を一部重ね合わせ、200×200の平面板測定試
料を作製し、シールド効果評価器により、磁界に対する
シールド性の評価を行った。
第1表に磁界シールド性の評価結果を示す。なお熱処
理後の合金は組織の大部分が500Å以下の粒径の結晶粒
からなり結晶主体の合金であった。
本発明材料の磁界シールド効果はFe基アモルファスや
電解銅箔より優れており、シールド材として優れてい
る。
実施例2 第2表に示す組成の合金溶湯から単ロール法により急
冷し幅50mm、厚さ25μmの非晶質合金薄帯を作製した。
次にこの合金を熱処理し、第2表に示す材質、厚さの
メッキを行い、薄帯を1部重ね合わせ、200×200の平面
板測定試料を作製し、シールド効果評価器により、磁界
および電界に対するシールド性の評価を行った。なお熱
処理後の合金は、実施例1と同様の組成を有していた。
表からわかるように本発明材料に磁界シールド効果、
電界シールド効果ともに優れている。
実施例3 第3表に示す組成の厚さ10〜50μm、幅0.1〜2mm、長
さ2〜10mmのアモルファスフレークをキュビテーション
法により作製した。
作製したフレークを熱処理し結晶化させ実施例1と同
様の組織とし銅メッキを行いアクリル系の塗料に40wt%
の充填率に混ぜ電磁シールド用の塗料を製造した。
第3表に示す組成の合金フレークより製造した塗料を
150mm角の樹脂板の片面に厚さ約100μm塗布し乾燥後、
電磁シールド効果を測定した。結果を第3表に示す。
本発明材料は40wt%の充填率ですぐれたシールド特性
を示す。
実施例4 キャビテーション法によってFe75.5Cu1Si14B7Nb
2.5(at%)の組成を有する非晶質合金フレークを作製
した。次にこのアスペクト比200〜500の合金フレークを
550℃で1時間保持し熱処理を行なった。X線回折およ
びミクロ組織観察の結果この合金はbcc Fe固溶体を主体
とした超微細な100〜200Å程度の粒径の結晶質合金であ
ることが確認された。
次にこの合金フレークを幅500mm、厚さ30μmのポリ
エステルフィルム上に均一に分散させ、その上に厚さ30
μmのポリエステルフィルムを被せた。このシートを10
0℃に加熱した2つのゴムロールの間を通過させて圧着
し、厚さ150μmの合金積層シートとした。
この積層シートの磁界シールド効果は100kHzで32dBで
あり、良好なシールド特性を示した。
実施例5 水アトマイズ法によりFe69Cu1Nb7Si14B9(原子%)の
組成を有するアモルファス合金粉末を作製し、これを59
0℃に加熱し90分保持後室温まで冷却した。
次にこの粉末と銅粉末をアクセル樹脂中に混練し、塗
料を作製した。
次にこの塗料を樹脂板に厚さ約3mmに塗り、電磁シー
ルド特性を調べた。
100MHzで40dBの電界シールド効果、100MHzで35dBの磁
界シールド効果が得られ、電磁シールド塗料としては良
好なシールド効果が得られた。
実施例6 単ロール法により厚さ25μmのFeCu1Si16B7Nb3非晶質
合金薄帯を作製し、耐熱性の粘着剤が片面についた厚さ
36μmのCuテープを両面にはりつけ複合テープを作製し
た。
次にこの複合テープを530℃で90分保持し熱処理を行
った。
得られた複合テープを一部重ね合わせ、200×200の平
面板測定試料を作製し、シールド効果評価器により磁界
および電界のシールド効果を測定した。
磁界シールド効果は1kHzで18dB,100kHzで25dB、電界
シールド効果は10MHzで125dB、100MHzで110dBであり良
好な特性を有していた。
実施例7 単ロール法により幅15mm厚さ25μmのFe71.5Cu1.5Si
14B9Mo3Cr1非晶質合金薄帯を作製し、530℃に1時間保
持し熱処理を行った。熱処理後の合金は実施例1と同様
超微細な結晶粒組織を有していた。
次にこの合金薄帯の片面に粘着剤を塗布し、接着可能
な金属テープを作製した。
この金属テープを、200×200のアクリル板に貼りつけ
シールド効果を測定したところ、顕著な磁気シールド効
果が得られた。
実施例8 単ロール法により幅15mm厚さ26μmのFe73.5Cu1Si
13.5B8Nb3Ge0.5Ga0.5非晶質合金を作製した。
次にこの合金薄帯を550℃で1時間保持する熱処理を
行った。得られた合金の組織は実施例1とほぼ同様であ
った。
次にこの合金薄帯の両面にふっ素樹脂製のテープをは
りつけ複合テープを作製した。
作製した複合テープは実施例1と同様すぐれたシール
ド特性を示した。
実施例9 単ロール法により幅10mm厚さ22μmのFe72.8Cu1.2Si
14B8.5Nb2.5Ta1非晶質合金を作製した。次にこの合金薄
帯を外径100μmのセラミック製の長さ250mmのパイプ全
体に厚さ約0.5mmになるように巻きつけ570℃で1時間熱
処理後直流外部磁界によるシールド率の変化を測定し
た。得られた結果を第1図に示す。図からわかるように
本発明材料は、高透磁率高飽和磁束密度であり、パーマ
ロイより優れた磁気シールド特性を示す。
次にこの試料を50cmの高さから床に落下させ再度シー
ルド率を測定した。
パーマロイは8%程度外部磁界の小さい領域でシール
ド率の低下が認められたが、本発明材はほとんど劣化が
認められなかった。
次にこの試料を120℃で500時間保持後再度シールド率
を測定したが、変化はほとんど認められなかった。
比較のため作製したCo69Fe4Mo2Si15B10アモルファス
合金は120℃に500時間保持したところ外部磁界の小さい
領域のシールド率が約50%も低下した。
〔発明の効果〕
本発明によれば、磁気シールド特性に優れ、歪による
特性劣化、経時変化が小さい電磁シールド材料を提供す
ることができるためその効果は著しいものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るシールド材のシールド率の外部磁
界依存性の一例を示した図である。

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (Fe1-aMa100−x−y−z−α−γCuxSiyBzM′
    αM″βγ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,Au,Zn,Sn,
    Re,Agからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素、
    XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少
    なくとも1種の元素であり、 a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a<0.3,0.1≦x
    ≦3,0≦y≦25,3≦z≦17,10≦y+z≦30,0.1≦α≦1
    0,0≦β≦10及び0≦γ≦10を満たす。) により表わされる組成を有し、組織の少なくとも50%が
    微細な結晶粒からなり、その結晶粒が1000Å以下の平均
    粒径を有する合金よりなることを特徴とする電磁シール
    ド材料。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の電磁シール
    ド材料において、0≦a≦0.1,0.5≦x≦2,10≦y≦25,
    3≦z≦12,18≦y+z≦28,2≦α≦8の関係を有するこ
    とを特徴とする電磁シールド材料。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項ならびに第2項に記
    載の電磁シールド材料において前記結晶粒の周囲が非晶
    質である組織からなる合金よりなることを特徴とする電
    磁シールド材料。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項ならびに第2項に記
    載の電磁シールド材料において前記合金組織が実質的に
    微細な結晶粒からなることを特徴とする電磁シールド材
    料。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項乃至第4項に記載の
    電磁シールド材料において、前記合金が、厚さ50μm以
    下の薄帯であることを特徴とする電磁シールド材料。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項乃至第4項に記載の
    電磁シールド材料において、前記合金が、厚さ50μm以
    下、アスペクト比(但し、アスペクト比は最小長さに対
    する最大長さの比である。)5000以下のフレークである
    ことを特徴とする電磁シールド材料。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項乃至第4項に記載の
    電磁シールド材料において、前記合金が粉末状であるこ
    とを特徴とする電磁シールド材料。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項乃至第7項に記載の
    電磁シールド材料において、前記合金表面に導電性の高
    い金属層を形成したことを特徴とする電磁シールド材
    料。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項乃至第8項に記載の
    電磁シールド材料において、前記合金表面に絶縁物層を
    形成したことを特徴とする電磁シールド材料。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第1項乃至第9項に記載
    の電磁シールド材料において、前記合金と導電性の高い
    金属薄帯が接着あるいはロウ付けされていることを特徴
    とする電磁シールド材料。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第5項に記載の電磁シー
    ルド材料において、前記合金と合成樹脂テープが接着さ
    れていることを特徴とする電磁シールド材料。
  12. 【請求項12】前記合金を混和した合成樹脂より成形さ
    れてなることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第
    10項に記載の電磁シールド材料。
  13. 【請求項13】特許請求の範囲第5項、第6項、第8項
    並びに第10項に記載の電磁シールド材料において、前記
    合金薄帯の表面の1部あるいは全部に粘着剤が形成され
    ていることを特徴とする電磁シールド材料。
  14. 【請求項14】特許請求の範囲第7項に記載の電磁シー
    ルド材料において、前記合金粉末をバインダーと混練し
    塗料としたことを特徴とする電磁シールド材料。
  15. 【請求項15】導電性の良い金属粉末と混練したことを
    特徴とする特許請求の範囲第14項に記載の電磁シールド
    材料。
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