JP2624929B2 - 液晶プロジェクタ - Google Patents

液晶プロジェクタ

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JP2624929B2
JP2624929B2 JP4314929A JP31492992A JP2624929B2 JP 2624929 B2 JP2624929 B2 JP 2624929B2 JP 4314929 A JP4314929 A JP 4314929A JP 31492992 A JP31492992 A JP 31492992A JP 2624929 B2 JP2624929 B2 JP 2624929B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般にブロジェクタ、特
に液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来技術】従来の光学プロジェクタは、光源と、スラ
イド又は透明画を載置してこれを光源からの光で照明す
るためのガラスプレートのようなホルダと、照明された
スライド又は透明画の像を投影するレンズ系とを具え
る。この種のプロジェクタの典型的な例として、オーバ
ヘッドプロジェクタがある。オーバヘッドプロジェクタ
は、透明体上に書かれた文字、図形、その他の情報の像
を投影するのに屡々使用され、多くの場合講師がプロジ
ェクタに使用中の透明画上に直接書込むこともできるよ
うになっている。
【0003】従来のこの種プロジェクタの一つの問題
は、スライド又は透明画の光吸収分により吸収される熱
量が大きく、これによりスライド又は透明画の破壊又は
損傷を発生し得ることである。斯かる発熱を最低にする
ためには、多くの場合、スライド又は透明画の光学的上
流側に赤外線または熱線吸収フィルタを使用する必要が
ある。熱線フィルタで消散される熱及び光源又はこれを
収納するキャビネットの熱は、例えば送風器又は他の手
段で放出する必要がある。送風器は雑音や振動を発生す
ると共に、無駄なエネルギーを消費する。従来のオーバ
ヘッドプロジェクタの他の欠点は、透明画の表面が熱い
ためにその上に講師が書込み難いことである。従来のオ
ーバヘッドプロジェクタの更に他の欠点は、透明画又は
スライドの黒感光乳剤のような光吸収材料と透明材料と
の間の界面における光の回折によって、スクリーン上に
投影された像のコンストラスト及び画質が低下すること
である。更に従来のフィルムプロジェクタは、光の遮断
により像の形成を行う形式であるため、コントラストが
低下する。
【0004】液晶材料は、例えば可視的な表示装置のよ
うに、種々の装置に広く使用されている。可視表示に使
用し得る液晶の特性は、液晶が無秩序に配向していると
きに光を散乱または吸収するとともに、液晶が規則正し
く配向しているときに光を透過するところにある。液晶
を使用する可視表示装置は多くの場合暗い文字を灰色又
は比較的明るい背景上に表示する。しかし、場合によっ
ては、液晶を使って比較的明るい文字又は他の情報等を
比較的暗い背景上に容易に表示し得るようにすることが
望ましい。また、表示された文字と背景との実効コント
ラストを改善することが望まれている。
【0005】電気応答液晶材料の一例及びその応用例が
米国特許第3322485 号に開示されている。ある種の液晶
材料は温度に応答し、液晶材料の温度に応答して液晶材
料の無秩序配向または規則配向のような光学特性を変化
する。現在、液晶材料には3種類ある。即ちコレステリ
ック液晶、ネマティック液晶及びスメクティック液晶で
ある。本発明はネマティック液晶材料又はネマティック
とコレステリック型の組合せを使用するのが好適であ
る。特に、液晶材料は動作的にネマティック型のもの、
即ちネマティック材料として動作し、他の型の材料とし
て動作しないものとするのが望ましい。動作的にネマテ
ィック型とは、外部電界がない場合には、液晶の構造歪
みがコレステリック材料における極めて強いねじれ又は
スメクティック材料における層状化のようなバルク効果
ではなく、その境界、例えばカプセル封止構造の表面の
ような表面における液晶の配向によって支配されるもの
を意味する。これがため、例えばねじれの性向を誘起す
るが境界配向の効果を圧倒し得ないキラル材料は動作的
にネマティック型である。斯かる材料は正の誘電異方性
を有するはずである。種々の特性の種々の液晶材料が従
来技術として開示されているがその一つの既知の特性は
可逆性である。特にネマティック液晶材料は可逆性であ
ることが既知であるがコレステリック材料は通常可逆性
でない。
【0006】液晶材料に多色性色素を加えることも公知
である。液晶材料に多色性色素を加える一つの利点は、
偏光子の必要性を除去することにある。しかし、ネマテ
ィック型では多色性色素を含む装置はコントラストが低
い。従来、コレステリック材料を染料と一緒にネマティ
ック材料に加えてコントラスト比を改善している。例え
ば、Journal of Applid Physies Vol. 45, No.11, 1974
年11月、第7718〜4723頁のホワイトの論文を参照された
い。しかし、ネマティック材料はこれに電界が印加され
るか否かに応じて可逆性であるが、コレステリック材料
は電界が除去されたときにそのもとの無電界状態になら
ない傾向がある。液晶材料に溶液状の多色性色素を使用
する技術の他の欠点は、色素の吸収が電界印加状態にお
いて零にならず、電界印加状態における吸収は色素の配
列状態に関連するか又はその関数である秩序パラメータ
に追従する点にある。
【0007】通常、液晶材料は光学的に異方性(複屈
折)であると共に、例えばネマティック材料の場合には
電気的にも異方性である。光化学的異方性は液晶材料が
無秩序配向のときは光の散乱により、液晶材料が規則正
しい配向のときは液晶材料の光の透過により顕著にな
る。電気的異方性は、液晶材料の配向に対する比誘電率
又は誘電係数の関係であるとすることができる。
【0008】従来、可視表示装置よ用いられる液晶装置
は比較的小さいものであった。カプセルに封入された液
晶を使用すると、掲示板のようなかなり大きな表示装置
に液晶を満足に使用することができ、液晶をシャッター
として、例えばビルディングの窓又は壁のような区域に
使用することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のプロ
ジェクタにおいて経験される発熱の問題を解決し、使用
中に熱硼酸のための無駄なエネルギ消費を伴わない、使
用に便利で経済性の高いプロジェクタを提供することを
解決すべき課題とする。すなわち、本発明の目的は、液
晶手段を用いて入射光を制御して光学手段により像を投
影するプロジェクタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による液晶プロジ
ェクタは、光を投射する光学手段と、液晶手段とを備え
る。液晶手段は、光を選択的に透過させるか或いは散乱
又は吸収する。光学手段は、液晶手段からの光を選別し
て投影し、前記液晶手段の作用の結果としての像を形成
する。さらに、光を選択的に着色するための着色手段が
設けられる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、光学手
段は、液晶手段からの光を所定の位置に合焦させる合焦
手段を含み、着色手段は、上記所定位置に向かう光を遮
断する位置に置かれた複数の着色区域を含み、複数の着
色区域が互いに異なる色である。さらに、着色手段に所
定の入力を与えて光が該着色手段を透過することを可能
にするとともに、該光を着色させる入力手段が設けられ
る。
【0012】本発明の有利な特徴は、コントラストが改
善されること、動作の低温化並びに表示及び像の多様性
が得られる点にある。コントラストは、例えば従来の写
真及び透明フィルムを使用するプロジェクタよりも改善
される。その理由は、本発明では光を透明画上の乳剤又
は他の吸収材料により吸収するのではなく、光を選択的
に散乱させて、散乱された光と散乱されずに液晶手段を
通過した光を光学手段により選別して、投影するためで
ある。
【0013】本発明のプロジェクタは、意図的に光を吸
収しないようにするため、熱エネルギーを光吸収材料で
消散させる必要がなく、これがためプロジェクタの全動
作温度が低下し、書込表面が熱くならず、熱い書込表面
よりも使い易くなると共に、別個の送風器や熱フィルタ
をなくすことができ、また表示装置の加熱損傷の可能性
がなくなる。本発明のプロジェクタの多様性は、例えば
像の位相を便利よく変えることができること、例えば明
るい文字を暗背景上に又はその逆に便利よく投映し得る
こと、並びに液晶手段への電気的入力を変化させて光を
散乱する部分と透過する部分を制御することにより像を
容易に変化させることができることにある。更に、カラ
ーフィルタをプロジェクタの光出力側に付加することも
容易である。
【0014】本発明のプロジェクタにおいて、例えば透
明画又はスライドの代わりをする液晶手段は、光を等方
性散乱するか又は光を透過する性能を有するものとする
のが好適である。この液晶手段は、収容手段内に液晶材
料を収容した多数の液晶材料部から構成される。これら
の液晶材料部は、流体的に分離されていても、相互に連
結されていても、その両方でもよい。液晶材料は、歪ん
だ配向状態、又は彎曲配向状態のときに完全に等方性散
乱を生ずるものとするのが好適であり、少なくとも斯か
る液晶材料はできるだけ等方性散乱を行うものとするの
が望ましい。等方性散乱とは、光ビームが液晶材料に入
射したとき散乱光の射出角が実際上予想されないことを
意味する。他方、電界のような所定の入力が存在する場
合は液晶材料は電界方向に整列して実効的に光学的に透
明になる。
【0015】着色手段としては、液晶に多色性色素を含
めることができる。更に、液晶又はその収容手段に非多
色性色素を含めて、透過する光に色をつけることもでき
る。更に、単色又は多色の液晶色フィルタを用いて、プ
ロジクタにより投影される光に色をつけることも可能で
ある。本発明において、歪み配向、無秩序配向及び無電
界状態は、本質的に同じことを意味する。即ち、液晶分
子又は構造の方向性配向が実効的に彎曲した形状に歪ん
でいることを意味する。斯かる歪みは、例えばカプセル
の壁のような湾曲した壁面により達成される。所定のカ
プセル内の液晶材料のこの特定の歪み配向は、電界がな
い場合に通常つねに略々同一になる。
【0016】本発明において、平行配向、秩序配向及び
電界印加状態は、収容手段内において液晶材料が外部印
加電界にそってほぼ整列していることを意味する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について詳細に説
明する。液晶プロジェクタ及びそれを用いて光を投映す
る方法のいくつかの実施例を本明細書の後部で第12〜
20図につき詳細に説明する。しかし、先ず液晶表示装
置の詳細な説明を行う。ここで液晶表示装置という言葉
は、観察者が液晶材料を直接目視した時この液晶が光に
影響した結果が目に見えるか否かを問わず、液晶装置に
入射する光に影響するか又は否か選択的に動作できる液
晶装置を意味することである。勿論意図するところは前
記結果が光学的に処理され、究局的には英数字、グラフ
その他の情報の映像を投映できることにある。
【0018】図面につき詳細に説明するが、ここで同じ
ような符号は各図を通して同じような部分を指す。先
ず、第1、2及び3図につき、本発明で用いるカプセル
封入液晶材料を説明する。第1図は本発明に係る液晶装
置10の略図である。装置10は第1図ないし第3図では単
一のカプセルで表わされているカプセル封入液晶材料11
を具える。図面ではカプセルは二次元で、それ故、平坦
な形で示されているが、カプセルは三次元、それも好ま
しくは球状であることを理解されたい。カプセル11はで
きれば透明な支持媒体12内に入っており、支持媒体12の
上部12a と下部12b は互いに一体形成できる。装置10は
一対の電極13,14を具え、スィッチ15を閉成して通常の
電圧源16からこれらの電極を付勢する時液晶材料間に電
界をかけるようになっている。ここでカプセルとか、カ
プセル封入液晶とか云ったが、これは収容媒体に入って
いる或る量の液晶材料を意味する。
【0019】本発明の一次的な特徴は、電界がオフで乱
雑な状態では、カプセル封入液晶材料がそこに入射する
光を等方的に散乱し、電界がオンで整列した状態では、
カプセル封入液晶材料が光学的にほぼ透明にあることで
ある。カプセル11は離散的に形成されているか又は望ま
しくは液晶材料を云うなればカプセル封入材料、即ち、
封入媒体に混合し、乳濁液、できればそれも安定な乳濁
液にした多数のカプセルの一つであることを理解された
い。これらのカプセルは流体的に他のカプセルと連結し
たり、互いに分離したりできる。また互いに連結したカ
プセルと分離したカプセルが共存することもできる。乳
濁液は支持媒体に塗布したり、図示したように電極13,
14間にはさんだりする。所望とあらば、支持媒体12と云
うなればカプセル封入材料、即ち、封入媒体とを同じ材
料とすることができる。代わりに、上側及び下側支持媒
体部12a,12b又はその一方をプラスチック状のガラス
等、できれば透明な取付け材料とすることができる。こ
の場合、電極13, 14はこのような取付け材料に塗布し、
多数のカプセル11を含むカプセル封入液晶材料/乳濁液
をこのような取付け材料12a,12b間にはさみ、装置10
を造る。これについて後述する。
【0020】媒体18は下側支持媒体部12bとの間に界面
19を形成し、所望とあらば、後述するように全内部反射
機能を得る。ここでは、全内部反射動作原理のため、カ
プセル11内の液晶材料は、入射光、例えば、光ビーム17
で表わされる入射光及び装置10内で等方的に散乱させら
れ、上側支持媒体部12aの上方の目視区域20から見る
と、電界をかけない時、例えば、スィッチ15を開いた
時、液晶材料11が白又は相対的に明るく見えるような光
で照明する。このような等方性の散乱(及び、カプセル
封入液晶材料内に多色性の色素がある場合は多少の吸
収)は本願人の前記米国特許第4,435,047 号に開示され
ている発明でも生ずるが、本発明の全内部反射原理は散
乱を強め、従って、カプセル封入液晶材料により形成さ
れる文字を明かるく見せる。しかし、このような全内部
反射は選択的に光を散乱させたり、透過させたりできる
ことに比較して本発明にとって重要ではない。
【0021】電極13は、例えば、或る量の酸化インジウ
ム、錫を下側支持媒体部12bに真空蒸着したものとする
ことができ、電極14は、例えば、導電性のインクを直接
液晶材料に塗布したもの又は電極13のようなものとする
ことができる。他の電極材料及びそのための取付け手段
をいずれかの電極に対して用いることもできる。例え
ば、酸化錫やアンチモンをドープした酸化錫である。で
きれば、これらの電極はかなり薄く、例えば200 Å厚と
し、併せて透明にし、電極が液晶装置10の光学系にあま
り影響しないようにする。
【0022】カプセル封入液晶材料11はカプセル32の閉
じ込め、即ち、内部容積31内に収納されている液晶30を
具える。各カプセル32は流体的に他のカプセルから離散
していてもよいし、1個又は複数個のカプセルと連結し
ていてもよい。また、封入媒体、即ち、いうなればカプ
セル封入材料33を安定な乳濁液に入れ、液晶材料を含む
多数のカプセル状の収容体を形成するようにしてもよ
い。図面から簡明ならしめるため、カプセル32は全体を
封入媒体、即ち、カプセル封入材料33内の離散カプセル
として図示してある。本発明の好適な実施例であり、最
適なモードによれば、カプセル32はほぼ球形で、液晶30
はネマチック形又は正の誘電異方性を有する動作的にネ
マチック形の液晶材料とする。しかし、本発明の原理
は、カプセル32が球形以外の形をしている場合でも適用
できる。しかし、その場合の形状は、液晶材料30の光学
特性、例えば、屈折率と満足ゆくように共存し、電界を
オン状態にしたい時液晶が所望通り平行に並ぶように十
分な電界が液晶30にかかるようにする必要がある。この
形はまた電界がオフの時、即ち、無秩序な状態では液晶
材料をひずませるようなものとする必要がある。カプセ
ル32を球形にすることの利点は、電界がオフな状態で内
部の液晶30にひずみを与えることである。このひずみ
は、少なくとも一部は、カプセルと液晶のピッチとの相
対的なサイズによるものである。これらの寸法は同程度
又は少なくとも同じオーダーの大きさとすると好適であ
る。また、ネマチック形の液晶材料は流体状の性質を有
し、電界がない時容易にひずんでカプセルの壁の形に合
う。他方、電界がかかると、ネマチック形の液晶は可成
り簡単に変化し、その電界に対し配向する。
【0023】ネマチック形以外の液晶材料又は種々のタ
イプの液晶材料及び他の添加物若しくはそのいずれか一
方の組合わせも、カプセル封入液晶が動作的にネマチッ
ク形である限り、好適なネマチック形の液晶材料と共に
又はそれの代わりに使うことができる。しかし、コレス
テリック及びスメクティック液晶材料は一般にバルク駆
動される。そしてこのバルク構造を壊してカプセルの壁
の形に合わせ、カプセル内のエネルギーを適当にするこ
とは一層困難である。
【0024】第2図及び第3図に進むが、これらは、夫
々、電界がオフの場合及びオンの場合の液晶30を収容す
る単一のカプセル32を略式図示したものである。カプセ
ル32は球形で、ほぼ滑らかな彎曲した内壁面50を有し、
これが容積31に対する境界を画成する。内壁面50及び全
カプセル32の実際上の寸法パラメータは中に収容されて
いる液晶30の量及び個々の液晶材料の他の特性に関係す
る。加えて、カプセル32は液晶30に力を加えて容積31内
に圧力をかけるか又は少なくとも圧力をほぼ一定に保と
うとする。この結果及び液晶の表面が濡れているため、
通常は自由な形をしている液晶が、多分ランダムに分布
するであろうが、互いに平行になろうとし、且つ内壁面
50の近傍にほぼ平行な向きにひずんで彎曲させられる。
このひずみのため液晶は弾性エネルギーを蓄わえる。図
面を簡明ならしめるため、向きを夫々点線52で示した液
晶分子の層51を内壁面50の極く近傍に示した。液晶分子
52の向き、一層正確に云えば液晶構造は、内壁面50の近
傍区域に平行な向きにひずまされ、彎曲させられる。カ
プセル内で、しかも境界層52から遠い液晶分子の向きの
パターンを53で示した。液晶分子は層をなすように示さ
れている。しかし、分子自体がこのような層に閉じ込め
られるのではない。斯くして、個々のカプセル内の組織
は、壁の構造52の構成により予め定められ、外力、例え
ば、電界が作用しない限り、固定される。電界を除く
と、向きが変わり、第2図に示したような元の姿に戻
る。
【0025】ネマチック形の材料は普段は平行な構造を
しており、偏光の向きに感応する。しかし、カプセル封
入液晶11内の材料52はカプセル32の全三次元で歪まされ
る。即ち、彎曲させられるから、カプセル内のこのよう
な液晶材料は入射光の偏光の向きに感応しないという改
良された特性を有する。また、本発明者は、カプセル32
内の液晶材料30が多色性の染料を溶かし込んでいる場
合、この染料は、本来は偏光に感応すると予想される
が、偏光に対する感応を呈さないことを発見した。蓋
し、染料は個々の液晶分子52と同じ彎曲の向きをとろう
とするからである。カプセル32内の液晶30は、壁50と平
行に整列でき且つ弾性エネルギーを最小にするという要
件を満足する態様で均一に整列できないため、ほぼ球形
の向きで不連続性を有する。この不連続性は三次元に亘
るものであり、液晶30を更に歪ませ、液晶30が入射光
の偏光の向きに感じなくする。不連続性の突起55はカプ
セル内で散乱及び吸収をひき起こし、カプセルの内壁面
50の一部に対して液晶分子が接し、平行になることも、
カプセル32内で散乱及び吸収をひき起こす。例えば、第
3図に示したように、電界がかけられると、この不連続
性はなくなり、カプセル封入液晶11が電界オン、即ち、
整列させられた状態の時、この不連続性が光の透過に及
ぼす作用が最小になる。
【0026】上述した説明では、液晶材料の向きが均一
である(カプセルの壁に平行)としているが、これはは
本発明の必須要件ではない。必要なことは、壁と液晶の
間の相互作用のため壁の近傍での液晶の向きがほぼ均一
になり、細かく見れば連続しており、従って、液晶材料
のカプセル容積に亘る空間的に平均をとった向きが著し
く彎曲し、電界がない時液晶構造の向きが殆んど平行で
なくなることだけである。電界オフ状態で散乱や偏光に
対する不感応性を生ずるのはこの著しい彎曲であり、こ
れは本発明の一つの特徴である。
【0027】電界オン状態又は第3図に示すように液晶
を平行に整列せしめる任意の他の状態では、カプセル封
入液晶11がそこに入射するほぼ全部の光を透過し、支持
媒体12を介して見えなくする。他方、第2図に示すよう
に液晶の配置が乱れている、ここでは時として無秩序な
配置と呼んだ電界オフ状態では、入射光の一部は吸収さ
れるが、入射光の残りは、支持媒体12で等方性的に散乱
させられる。全内部反射を用いれば、このように等方性
的に散乱させられた光はカプセル封入液晶11の方に向け
られ、これを照らして目視者又は視覚装置に白く見せ
る。
【0028】カプセル封入媒体32の屈折率と液晶32の正
常屈折率とはできるだけ整合させ、電界オンの時、即
ち、液晶が秩序だって整列している時そこを通過する入
射光の屈折のため光学的にひずまされないようにする。
しかし、液晶材料が無秩序に配向している時、即ち、電
界がかかっていない時、液晶30とカプセル32の壁との境
界に屈折率の違いが生ずるものである。液晶の異常屈折
率はカプセル封入媒体の屈折率よりも大きい。このため
液晶材料と容器、即ち、カプセル封入媒体との境界で屈
折が生じ、そのため散乱も生ずる。こうして散乱させら
れた光は、内部に反射され、更に液晶を明るくする。こ
のように屈折率の差が生ずることは複屈折率として知ら
れている。複屈折の原理はシアーブ(Sears)の「光学」
(Optics)及びハートショーン(Hartshorne)とスチュワー
ト(Stewart) の「クリスタルスアンド ザポーラライジ
ング マイクロスコープ」(Crystals And The Polarizi
ngMicroscope) に記載されており、関連する部分を参考
文献としてここに含める。カプセル封入、即ち、封入媒
体32及び支持媒体12の屈折率を同じにし、光学的にほぼ
同じ材料に見えるようにし、光学的にもう一つの界面が
できないようにすると好適である。
【0029】液晶材料の正常屈折率が異常屈折率よりも
所謂カプセル封入媒体の屈折率と近い限り、電界オンか
ら電界オフ状態に行く時散乱に変化を生ずる。逆もまた
成立する。正常屈折率が媒体の屈折率と整合する時コン
トラストが最大になる。屈折率の整合の程度はコントラ
ストがどれだけ欲しいか及び装置の透明度に依存する
が、液晶の正常屈折率と媒体の屈折率とは0.03以上、で
きれば0.01以上、更には0.001 以上違わないようにする
のが望ましい。許容できる差はカプセルのサイズに依存
する。
【0030】好適な実施例で最良のモードによれば、カ
プセル封入材料内で消散又は電圧降下させられるのより
も大部分カプセル32内の液晶30に第3図に示す電界Eを
かける。カプセル32の壁54の材料間でほとんど電圧降下
がなく、電圧降下はカプセル32の容積31内の液晶30間で
生ずるようにすべきである。カプセル封入媒体の電気イ
ンヒーダンスは実際にはカプセル封入液晶11内の液晶の
インピーダンスに対して十分大きくし、専ら壁54を通し
て、即ち、点Aから壁だけを通して点Bに液晶をバイパ
スして短絡回路を生じなくする。それ故、例えば、中を
通り又は壁54を介して点Aから点Bに流れる誘起、即
ち、変位電流に対する実行インピーダンスは、壁面50内
で点Aから点A′の経路で出合うインピーダンス、なお
容積31内の点B′に至る液晶材料30のインピーダンス、
究局的には点Bに再び至るインピーダンスよりも大きく
する必要がある。このため点Aと点Bの間には電位差が
生ずる。幾何学的考慮、即ち、点Aから壁だけを通って
点Bに至る長さのため、例えば、壁の材料の実際のイン
ピーダンスが中の液晶材料のインピーダンスより低くて
もこの条件はかなえられる。
【0031】カプセル封入媒体を形成する材料及び液晶
を構成する材料の誘電定数(係数)並びにカプセル壁54
の実効用量値(特に半径方向での)及び電界Eがかけら
れる液晶の実効容量値は関連し、カプセル32の壁54は加
えられた電界Eの大きさをほとんど下げない。理想的に
は、カプセル封入液晶材料の全層(第4図)の容量性誘
電定数(係数)は電界オン状態の場合ほとんど同じにす
る必要がある。
【0032】液晶30は異方性の誘電定数を有する。それ
故、時として誘電係数と呼ばれる。壁50の誘電定数を異
方性の液晶材料30の誘電係数より低くならないように
し、上述した最適動作の条件を満足するようにすると好
適である。電界Eに対する電圧条件を下げるためには可
成り高い正の誘電異方性を有することが望ましい。電界
がかけられない時液晶30の誘電係数間の差はなるべく小
さくする必要があり、電界をかけて液晶を整列した時の
誘電係数はできるだけ大きいことが必要である。誘電定
数(係数)の関係は前記特許願で論じられている。注意
すべきことは、誘電値と印加電界の臨界的関係は、カプ
セル内の液晶材料にかかる電界が液晶構体を電界に対し
て整列せしめるのに十分なものとすることである。普通
に使用される液晶の下側の誘電値は、例えば、約3.5 迄
低い値から約8迄高い値に達する。
【0033】カプセル32は種々のサイズにすることがで
きる。サイズが小さい程、カプセル内の液晶を整列させ
るのに電界に対する要求が高くなる。カプセルは均一な
サイズパラメータを有し、装置、例えば、表示装置の光
学的及び電気的文字のような種々の文字がカプセル封入
液晶がほぼ均一になるようにすると好適である。又、カ
プセルは直径が少なくとも1ミクロンとし、入射光ビー
ムに対して離散したカプセルのように見えるようにす
る。これより直径を小さくすると、光ビームが連続した
均一な層としてカプセルを「見」る。こうなると必要な
等方性散乱が得られない。液晶材料が入っているカプセ
ルのサイズの例は直径1〜30ミクロンで、同時出願の前
記特許願に記載されている。
【0034】本発明の最良のモードに係る好適な液晶材
料は、ネマチック材料NM−8250であり、これはエステル
でアメリカン・リキッド・クリスタル・ケミカル社(米
国オハイオ州)により市販されている。他の例はエステ
ルの組み合わせであり、例えば、ビフェニール又はビフ
ェニール組合せ等である。本発明によればいくつかの他
のタイプの液晶材料も有効に使える。それには下記の例
が含まれる。各々は、夫々の液晶材料の配合表である。
ここで、10%材料は約10%の4−シアノ置換材料であ
り、20%材料は約20%のシアノ置換材料である。10%材料 ペンチルフェニルメトキシベンゾエート 54g ペンチルフェニルペンチロキシベンゾエート 36g シアノフェニルペンチルベンゾエート 2.6g シアノフェニールヘプチルベンゾエート 3.9g シアノフェニルペンチロキシベンゾエート 1.2g シアノフェニルヘプチロキシベンゾエート 1.1g シアノフェニルオクチロキシベンゾエート 9.94g シアノフェニルメトキシベンゾエート 0.35g 20%材料 ペンチルフェニルメトキシベンゾエート 48g ペンチルフェニルペンチロキシベンゾエート 32g シアノフェニルペンチルベンゾエート 5.17g シアノフェニルヘプチルベンゾエート 7.75g シアノフェニルペンチロキシベンゾエート 2.35g シアノフェニルヘプチロキシベンゾエート 2.12g シアノフェニルオクチロキシベンゾエート 1.88g シアノフェニルメトキシベンゾエート 0.705g 40%材料 ペンチルフェニルメトキシベンゾエート 36g ペンチルフェニルペンチロキシベンゾエート 24g シアノフェニルペンチルベンゾエート 10.35g シアノフェニルヘプチルベンゾエート 15.52g シアノフェニルペンチロキシベンゾエート 4.7g シアノフェニルヘプチロキシベンゾエート 4.23g シアノフェニルオクチロキシベンゾエート 3.76g シアノフェニルメトキシベンゾエート 1.41g 40% MOD ペンチルフェニルメトキシベンゾエート 36g ペンチルフェニルペンチロキシベンゾエート 24g シアノフェニルペンチルベンゾエート 16g シアノフェニルヘプチルベンゾエート 24g 夫々のカプセル32を形成するカプセル封入媒体はほとん
ど全く液晶材料に影響されたり、したりするものであっ
てはならない。カプセル封入媒体としては種々の樹脂や
重合体を用いうる。好適なカプセル封入媒体はポリビニ
ル アルコール(PVA) であり、これは良好な、かなり高
い誘電定数を有し、屈折率が好適な液晶材料の屈折率と
ほぼ整合している。好適なPVA の一例は約84%加水分解
された分子量が少なくとも1000の樹脂である。Gelvatol
20/30として売られているモンサント社のPVA を用いる
と本発明の最良のモードが得られる。
【0035】乳濁化されカプセルに封入される液晶11を
作る方法は、封入、即ち、カプセル封入媒体と、液晶材
料及び水のような担体媒体とを一つに混合する工程を含
む。この混合は種々のミクサ装置、例えば、ブレンダ、
コロイドミル(これが最も好適である)等で行うことが
できる。この混合工程で生ずるものは種々の成分の乳濁
液である。次にこれを乾燥し、水のような担体物質をと
ばし、PVA のようなカプセル封入媒体を満足ゆくように
硬化させる。こうして作られたカプセル封入液晶11のカ
プセル32は完全に球形ではないが、ほぼ球形である。蓋
し、球は個々のしずく、ボール又は乳濁液のカプセルの
自由エネルギーが最小の状態であるからである。これは
は元々作られた時でも、乾燥させ硬化した後でも云え
る。
【0036】カプセルのサイズ(直径)は乳濁液内で均
一になるようにし、入射光への影響と電界への応答を一
様にすることが必要である。例えば、カプセルのサイズ
は約0.3ないし約100 ミクロン、できれば0.5ないし30
ミクロン、さらには1ないし5ミクロンとする。支持媒
体12を作るにも種々の技術を用いうる。これははカプセ
ル封入、即ち、封入媒体と同じか又は類似の材料で作る
ことができる。例えば、下側支持媒体12bは型込め又は
鋳造プロセスで作れる。電極13及び液晶材料はこの下側
媒体12bにつけて支持する。電極14は、例えば、印刷に
よりつける。その後で、上側支持媒体12aは正しい位置
に成形又は鋳造する。これでカプセル封入液晶材料及び
電極が完全に封じられる。代わりに、支持媒体部12a,
12bは、例えば、第1図に示すように、ほぼ透明なプラ
スチック状の薄膜又はガラス板でもよい。
【0037】固体ならば、反射媒体18は、例えば、更に
鋳造又は成形技術により支持媒体部12bにつける。下記
に本発明に係る液晶表示装置の材料と製造方法並びにそ
の動作特性を数例あげる。実施例1 等方性散乱材料の一例は約2gの8250(アメリカン リ
キッド クリスタル社のエステル)、ネマチック形の液
晶をAirco 405 ポリビニルアルコールの20%溶液(残り
の80%は水とした)の約4gと混合する。この材料は低
いせん断力で小さなホモジェナイザで混合し、乳濁液を
作った。約5ミルに設定したドクターブレードを用いて
乳濁液を既に約5ミル厚さのポリエステル薄膜基板上に
のっているイントレックス(Interx) 材料の電極に塗布
した。このような薄膜はマイラー(Mylar)として知られ
ている。このような電極を具備するもう一枚のこのよう
な薄膜をカプセル封入液晶層の上に置き、夫々の電極及
び薄膜でカプセル封入液晶層をはさむ。個々のカプセル
封入され、動作的にネマチックな液晶カプセル、即ち、
粒子は直径が4ないし5ミクロンで、カプセル封入液晶
材料層全体の厚さは約20ないし30ミクロンであった。
【0038】実施例1に従って作ったデバイスを試験し
た。得られた材料はゼロ電界状態(以后ゼロフィールド
又は電界オフ状態と称する)で光を散乱した。10Vの電
界をかけると散乱が減り、40Vで散乱がなくなった。ホ
モジェナイザを使用したが、他のタイプのミクサ、ブレ
ンダ等を用いて所望の混合を行わせることができる。実施例2 2gの8250ネマチック液晶を約4gのGelvatol 20/30(
モンサント社)ポリビニルアルコールの22%溶液(78%
は水)と混合して等方的散乱材料の一例を作った。この
材料を小さなホモジェナイザで低いせん断力で混合し、
乳濁液を形成した。この乳濁液を、実施例1と同じくIn
trex薄膜電極及びMylar 薄膜ポリエステル基板の上に5
ミルにセットしたドクターブレードで塗布し、実施例1
のようなサンドイッチ状のものを作った。ネマチックカ
プセル、即ち、粒子は直径が約3ないし4ミクロンで、
カプセル封入液晶層の厚さは約25ミクロンであった。
【0039】実施例2により作ったデバイスを試験し
た。得られた材料はゼロ、即ち、電界オフ状態で光を散
乱した。10Vの電界をかけると散乱が減り、40Vで散乱
が全くとまった。実施例3 約2gのE−63(イギリスのドラッグハウス社のビフェ
ニールの西ドイツのエーメルク社の付加物を加えたも
の)ネマチック液晶に約4gのGelvatol 20/30(モンサ
ント社)ポリビニルアルコールの22%溶液を混合して等
方性散乱材料の一例を作った。この材料を小さなホモジ
ェナイザで低いせん断力で混合し、乳濁液を作った。こ
の乳濁液をIntrex薄膜電極及びMylar 薄膜ポリエステル
基板の上に5ミルにセットしたドクターブレードで塗布
し、上述したようにサンドイッチを完了した。カプセル
封入液晶層の厚さは約25ミクロンで、ネマチックカプセ
ル、即ち、粒子の直径が4ないし5ミクロンであった。
【0040】実施例3により作ったデバイスを試験し
た。得られた材料はゼロフィールド、即ち、電界オフ状
態で光を散乱した。7Vの電界をかけると散乱が減り、
35Vで散乱がなくなった。実施例4 約2gの8250液晶を約4gのGelvatol 20/30ポリビニル
アルコールの22%溶液と混合して等方散乱材料の一例を
作った。この材料を小さなホモジェナイザで低いせん断
力で混合して乳濁液を形成した。この乳濁液をInterx薄
膜電極及びMylar ポリエステル薄膜基板の上に5ミルに
セットしたドクターブレードで塗布し、前述したように
サンドイッチを完成した。カプセル封入液晶層の厚さは
約25ミクロンで、ネマチックカプセル、即ち、粒子の直
径は4ないし5ミクロンであった。
【0041】乳濁液の安定性とコーティングの一様性を
改良するために、0.001 %のGAF LO630 非イオン性表面
活性剤(洗剤)を混合段階の前に加えた。乳濁液の安定
性及び乳濁液を電極/ポリエステル薄膜にコートする際
の一様性と著しく改良された。こうしなければ光学的特
性は実施例1につき前述したところとほとんど同じであ
ったであろう。
【0042】このように、本発明によれば、表面活性
剤、できれば非イオン性の表面活性剤、洗剤等を、すぐ
前に述べたように、電極を薄膜につける前にカプセル封
入液晶材料と混合できることを理解されたい。実施例5 Mylar 薄膜に代えて1/8 インチのガラス板を使うことを
除いて、実施例1と同じ材料を用いて実施例1のプロセ
スを辿った。動作は実施例1につき述べたところとほと
んど同じであった。実施例6 8250ネマチック液晶と85%の水に15%のAN169Gantrezを
溶かした溶液との混合物を作った。このGantrez はGAF
社のポリメチル ビニル エーテル/無水マレイン酸、
即ち、ポリマレイン酸製品である。この混合物は封入媒
体にした時15%の液晶と85%のGantrez とでできてい
た。この混合物を低いせん断力で均一にし、乳濁液を造
り、これを前述したように電極/支持薄膜に塗布した。
この支持薄膜の厚さは約1.2 ミルであった。乳濁液を乾
燥させた後、得られた液晶乳濁液はほぼ前述したように
電界に応答し、電界オフ状態では散乱を生じ約7Vをし
きい値として散乱が減り始め、約45Vでほとんど散乱が
ない飽和レベルになった。
【0043】本発明で有効な酸タイプの封入媒体のもう
一つの例はカルボポール(B.F.Goodrich Chemical Comp
any のカルボキシ ポリメチレン ポリマ)又はポリ酸
である。本発明によれば、他のタイプの支持媒体12を使
え、それにはポリエステル材料、ポリカーボネット材
料、例えば、Kodel 薄膜が含まれる。非常に不活性なTe
dlar薄膜も、電極を十分に接着させ得るならば、使用す
ることができる。このような媒体12は光学的にほぼ透明
にする必要がある。
【0044】本発明によれば、いくつかの異なる重合体
の封入媒体を使用でき、それを以下の表1にリストアッ
プしてある。この表は夫々の重合体のいくつかの特性を
併せ示している。 第 1 表 封入媒体 粘度 %加水 分子重量 温度と %溶解度 20/30 4-6CPS 88.7-85.5 10,000 20℃で4% ゲルバトール モンサント社製 40/20 2.4-3CPS 77-72.9 3,000 20℃で4% ゲルバトール モンサント社製 523 21-25 87-89 − 20℃で4% エアー・プロダクツ・ アンド・ケミカル社製 72/60 55-60 99-100 − 20℃で4% エバノール デュポン社製 405 2-4CPS 80-82 − 20℃で4% ポバル 倉敷製 使用された他のガルバトールPVA材料は20-90;9000;2
0-60;6000;3000; 及び40-10 としてモンサント社によっ
て設計された材料を含んでいる。
【0045】封入媒体に対する液晶材料の好ましい量比
は封入媒体の約3重量部に対する液晶材料の約1重量部
である。本発明によって実施される受け入れ可能なカプ
セル化された液晶乳濁液は封入媒体の約2部分に対する
液晶材料の約1部分の量比、すなわちガルバトールPV
Aの使用によって達成されよう。更に、1:1の比がま
た働くとは言え、一般にそれは約1:2〜約1:3まで
の範囲の比を持つ材料ほど機能しないであろう。
【0046】さて第4図と第5図を参照して、本発明に
よる液晶表示装置の部分60が例示されている。部分60あ
るいは装置60は、事実その複数層である複数のカプセル
化された液晶11が支持媒体12に含まれている様に第1図
を参照して上に述べられた液晶装置10の完成物である。
第4図と第5図に示されたいくつかの部分の寸法、厚
さ、直径等は必ずしもスケール通りではない。むしろそ
の寸法は下に述べる様に、本発明によるいくつかの部分
とそれ等の動作を例示するのに必要とする様なものであ
る。
【0047】電極13,14 は、例えば第3図に示された態
様で液晶材料の選択的整列を有効にする所望の電界を印
加するために用いられている。液晶の秩序するもしくは
無秩序な整列を有効にする目的で、電極以外の手段が表
示装置60に対する若干のタイプの入力を印加するのに用
いられよう。カプセル化された液晶11は表示部分60内の
いくつかの層61に配列されている。層61は表示装置60に
よって表示されている予定の種々の文字あるいは文字の
部分を表わすいくつかの部分に分割されよう。例えば第
4図に示された層61の長い左手部分61L はよく知られた
セグメント表示パターンの一部分の断面図を表わし、そ
して第4図に示された層61の相対的に短い右手部分61R
は別の7セグメント文字表示の1部分を表わすであろ
う。しかし評価されることであろうが、液晶材料の種々
のパターンは本発明によって用いられよう。支持媒体12
のゾーン62は液晶層部分61L,61R の間の領域を充してい
る。層61に対する次の規定と集合的であろう。すなわ
ち、いくつかの層あるいは同じもので構成された複数の
層を含むものとして層61が規定される。1例として、こ
の様な層61の複合厚さは約0.3 ミルとなろう。一様な厚
さは電界、散乱等に対する一様応答のために好ましい。
【0048】61L,61R における様な、支持媒体12や他の
材料によって領域62で分離されたカプセル化された液晶
材料層部分の配列あるいはパターンが容易るされるか、
あるいは好ましい安定乳濁液によって形成された様な離
散封入媒体中の液晶のカプセル化や閉込めによって可能
にされさえする。従って、例えばオーバーヘッド・プロ
ジェクタ、16mmあるいは35mmプロジェクタ等の様なプロ
ジェクタの透明画の代りに用いられた表示の如き相対的
に大きい寸法の装置では特にカプセル化された液晶材料
は、選択可能な光学特性を与えるのに必要とされる所の
みで支持媒体12に印加されよう。カプセル化された液晶
材料のこの様なパターニングはある場合には特定の応用
に要求されるかかる材料の量を可成り減少することがで
きる。更にこの様なパターニングは、以下詳細に述べら
れた様にその機能動作によって本発明によるカプセル化
された液晶材料を使用する装置の所望の動作と首尾一貫
することを可能とする。
【0049】表示装置60は例えば次の様な大気環境で使
用れ、この大気は引用番号63で表わされ、そしてこの大
気は支持媒体12の観測面においてかあるいは観測方向20
からインタフェース64を形成する。外部媒体63の屈折係
数Nはカプセル化媒体12の屈折係数N′から異なり、一
般に後者は前者より大きい。その結果、一般に観察方向
20からインタフェース64を通過して支持媒体に到達する
光ビーム65はインタフェース64に垂直な仮想線66である
法線に向かって屈折しよう。支持媒体12の内側の光ビー
ム65aは関係式NSineθ=N′Sineθ′を満足する入射
ビーム65よりも法線に近くなろう。ここでθは法線に対
する入射ビーム65の角であり、θ′は法線に対する光ビ
ーム65a の角である。かかる数字的関係式はSineθ′=
N″Sineθ″の様にインタフェース19で摘要されよう。
表示装置60での内部反射に対して反射媒体18の屈折係数
N″は支持媒体12の屈折係数N′よりも小さい。従っ
て、例えばもし光ビーム65a がインタフェース19を通過
できかつそうしたならば、それはインタフェース19にお
ける法線から法線に対して角度θ″だけ離れて屈折しよ
う。実際には、光ビーム65,65a は層中の液晶材料によ
ってもちろん散乱しないから、すなわちそれは領域62を
通過すると言う理由で、それはインタフェース19を通過
して出射することになろう。
【0050】特に第4図について続けて規定すること
で、本発明による液晶表示装置60の動作は説明されよ
う。動作するネマチック液晶30は電界オフ条件の存在に
よって歪んだ整列あるいはランダム整列にする。入射光
ビーム70はインタフェース64で支持媒体12にはいり、そ
してカプセル化された液晶の層61上に入射光としてぶつ
かる光ビーム70a として屈折する。ランダムな、あるい
は歪んだカプセル化された液晶材料はその上に入射する
光を等方的に散乱しよう。従って、以下の如く入射光ビ
ーム70a が散乱するいくつかの可能性が存在する。
【0051】A. 例えば、1つの可能性は入射光ビーム
が点線70b によってインタフェース19に向かって方向付
けられると言うものである。光ビーム70b がインタフェ
ース19上にぶつかる角度はいわゆる照明のコーンの示さ
れた立体角α内にある(破線71によって第4図の図面の
平面方向で規定されている)。この様な立体角αあるい
は照明のコーン内る落ちる光はインタフェースで全く内
部的に反射する様にインタフェース19における法線に対
して非常に小さい角度である。従って、光ビーム70b は
インタフェース19を通過し、一方、光ビーム70c を形成
する様に法線から離れて屈折する。光ビーム70c は反射
媒体18の中を通り、直接後者から出る。
【0052】B. 別の可能性は、光ビーム70a がコーン
角αの外側で光ビーム70d の方向に等方的に散乱すると
言うものである。全内部反射はインタフェース19で起
り、光ビーム70d を光ビーム70e としてカプセル化され
た液晶材料の層61に反対方向に反射させ、ここで、それ
から導びかれた光ビーム70a と丁度同じ様に、そこへの
別の無関係な入射光ビームとして取扱われよう。従っ
て、この様な光ビーム70eはここで説明された様な等方
散乱を再び受けることになろう。
【0053】C. なお別の可能性は、入射光ビーム70a
あるいは光ビーム70e のごときそこから導かれた光ビー
ムが、ある角度でインタフェース64に向って等方的に散
乱し、その角度は光ビームがインタフェース64を通って
空気の様な「媒体」63に通過する様にそのインタフェー
ス64における法線に非常に近いと言うものである。上述
のコーン角αと同様に、その内部でかかる散乱光ビーム
70e がインタフェース64を通って射出すべき状態になる
べき照明のコーンの立体角α′は1点鎖線72によって表
わされる。光ビーム70f は表示装置60からその様に発出
する光ビームを表わしている。それは例えばこの様に発
出された光ビーム70f の和である光であり、これはイン
タフェース64を出てカプセル化された液晶11の層61の観
測方向20から見て白文字あるいは輝いた文字を出現させ
る様にする。
【0054】D. 更に別の可能性は、光ビーム70a が光
ビーム70g の方向に等方的に散乱すると言うものであ
る。光ビーム70g は立体角α′の外側にあり、従ってイ
ンタフェース64で全内部反射を受け、そこで反射された
ビーム70h は、上述のビーム70e と同様にかつ類似の効
果を有する実効的に独立な入射光ビームとして層61に戻
ってぶつかるであろう。
【0055】電極13,14 の屈折係数は通常封入媒体と支
持媒体のそれより高く、そして封入と支持媒体の屈折係
数はむしろ少くとも同程度である。従って、封入媒体を
通って電極材料に到る光は法線に向って屈折し、電極を
通って支持媒体に到る光は法線からそれて屈折する。こ
の様にして電極の総効果は零であるか実質的に無視でき
る。従って、全内部反射の大部分はインタフェース19,
64で起るであろう。
【0056】観測方向20から見た様に、領域62と吸収層
21の組成に従って暗く見えたり色付いて見える。このこ
とは領域62を通過する光の大部分を表わす光ビーム65,6
5a,65bがインタフェース64、支持媒体12、インタフェー
ス19及び反射媒体18を通過しようとし、示された様なそ
れぞれのインタフェースで法線に向って、あるいは法線
からそれて屈折すると言う事実によっている。
【0057】本発明のプロジェクタクは、屈折すること
無しに液晶材料を通って伝達される光か液晶材料によっ
て前方に散乱される光を用いるのが好ましい。第5図を
一寸参照すると、フィールド・オンあるいは秩序付けら
れた整列条件及び表示装置60中のカプセル化された液晶
層61の動作は光の屈折しないかあるいは実質的に屈折し
ない伝達を実現するために示されている。第5図の層61
中のカプセル化された液晶11は第3図に見られたものと
同様である。従って、領域62を通過する光ビーム65,65
a,65bと同様に、光ビーム70,70a,70iは、整列されかつ
この様な実効的に透明あるいは非散乱層61を通って伝達
されているのと類似の通路に従うであろう。インタフェ
ース19において、光ビーム70a は法線からそれて屈折
し、引続く光ビーム70i は表示装置60にはいるビーム7
0′に並行に媒体18を通って伝達されよう。かくして、
表示装置60と特にその中のカプセル化された液晶材料が
秩序立って整列するかフィールド・オン条件にすると、
液晶が位置している領域は領域62のとほぼ同じ外見を有
するであろう。
【0058】もし入射ビーム65か70のいずれかがその法
線に対して大きな角度でインタフェース64にはいり、そ
して従って最終的にいわゆる光角度のコーン角α内に落
ちるよりも大きな角度でインタフェース19にぶつかるな
ら、その様なビームはインタフェース19で全体的に内部
反射されよう。しかしながら、液晶材料の層61を通る引
続く伝達及びインタフェース64における引続く全内部反
射等によって、かかる反射光は多分支持媒体12内にとど
まることになろう。
【0059】さて第6図に戻って、本発明による液晶装
置100 の1例が液晶表示装置の形態で示されており、こ
れは基盤あるいは支持媒体12内で4角なかどばった数字
8(101)として表わされ、この支持媒体はこの場合にはマ
イラーの様なプラスチック材料かあるいは代案として例
えばガラスの様な他の材料であることが好ましい。4角
いかどばった数8を形成するために第6図に現われた陰
影をつけた領域は1つあるいはそれ以上の層に整列さ
れ、かつ基盤12に付着されたカプセル化された液晶11の
1つあるいはそれ以上の層61から構成されている。数字
8の部分101 の拡大された断片の断面図は、第4〜5図
を引用して上に述べられた表示装置60として第4図に例
示されている。
【0060】数字8(101)の7つのセグメントの各々は選
択的に付勢されるか、あるいは種々の数文字を創製しな
い様にされる。例えば、セグメント101aと101bの付勢の
数字の「1」を表示し、セグメント101a,101b,101cの付
勢は数字の「7」を表示することになろう。ここで付勢
によって意味されることは背景に対して明るく現われる
条件に各セグメントを置くことである。従って、付勢は
例えば「1」を表示するためにセグメント101aと101bの
フィールド・オフ条件あるいは無秩序整列条件を意味
し、一方、他のセグメントがフィールド・オンすなわち
秩序ある整列にすることである。
【0061】第7図と第8図は、それぞれ断片的部分と
断片的異性体タイプの観点で、支持媒体12″中の液晶層
61″と電極13″,14″の好ましい配向を表わしている本
発明の実施例を例示している。第7図と第8図におい
て、2重ダッシュの引用数字は第4図と第5図のダッシ
ュのついていない引用文字によって示されたものに対応
する部分を示している。特に、第7図と第8図の表示に
従って、表示装置60″が層61″を持ち、かつ電極13″が
表示装置の全部分あるいは少くとも比較的大部分にわた
ってほぼ連続していることが好ましい。電極13″は例え
ば接地電位の電源に接続されよう。電極14″は14a,14b
で表わされた様な複数の電気的に絶縁された電極部分に
分割され、その各々はその様に付勢された電極部分14a
か14b と他の電極13″の間にある液晶材料にわたる電界
の印加を完成するために電圧源に選択的に結合されよ
う。従って、例えば、電界は電極14a,13″にわたって印
加され、それ等の間にほぼ直接落ちるカプセル化された
液晶材料を秩序付けられたフィールド・オン整列にし、
この様にして上述の態様で実効上光学的に透明にする。
同時に、電極14b は電圧源に接続されず、従ってかかる
電極14b と電極13″の間の液晶材料がねじれているかあ
るいは無秩序整列により、それ故、観測方向20″から相
対的に明るく現われることになろう。電極14a,14b の間
の小さいギャップ120 は丁度説明した分離した付勢ある
いはそれでない付勢を許す様にそれ等の間に電気的分離
を与えている。
【0062】少々第9図を引用すると、本発明の好まし
い実施例及び最良のモードは表示60′′′として示され
ている。第9図では、3重ダッシュの引用数字によって
示された種々の部分は、上述の如く同様な引用数字で示
されたそれ等の部分に対応している。表示装置60′′′
は一般に上に示された様に番号が付けられた例に従って
作られている。特に、下側支持媒体12b ′′′はその上
にインジウムをドープした酸化スズ・イントリックス
(Intrex) 電極13′′′を有するマイラー・フィルムで
形成されている。そしてカプセル化された液晶材料は示
された様に電極を被覆されて表面に適用されている。そ
れ等の間に空隙120 ′′′を持ついくつかの電極部分14
a ′′′,14b ′′′等は支持媒体12b ′′′の反対側
の層61′′′の表面あるいは支持媒体12a ′′′のいず
れかに直接に適用され、そして後者は第9図に示された
態様で表示装置60′′′のサンドイッチを完成するため
に適用されている。反射媒体80′′′は空気である。表
示装置60′′′の動作は、例えば第4−5図と第7図を
参照して上述の動作に従っている。
【0063】第10図を参照すると、以下の実施例7に
記載されたタイプのカプセル化された液晶130 は図式的
に示されている。この様なカプセル130 は、封入材料13
2 の球形カプセル壁131 、カプセル内部に動作的にネマ
チック液晶材料133 及びコレステリック・キラル添加剤
134 を含んでいる。添加剤134 は一般的にネマチック材
料13を有する溶液であるが、この添加剤は第10図では
中心位置に示されている。と言うのはその機能は以下更
に述べる様に、液晶材料に対してカプセル壁から1次的
に離れているからである。カプセル130 は例えば第2図
を引用して上に述べられた態様でねじれた液晶材料を持
つフィールド・オフ、ねじれ条件にあることが示されて
いる。壁131 に最も近接した液晶材料は強制的にその壁
の内部境界を曲線的に似ている形状にしようとし、そし
て第2図に示された不連続55に類似の不連続135 が存在
する。実施例7 実施例1のステップは、コレステリック材料である3%
コレステロール・オレエート(カイラル添加剤)が混合
ステップの前に添加され、かつかかる混合が非常に低い
剪断で実効されることを除いて実施例1と同じ材料とス
テップを用いて行われていた。結果としてのカプセルは
実施例1で製作されたものよりいくぶん大きかった。カ
プセル化された液晶材料はなお動作上ネマチックであ
る。
【0064】実施例7で形成された材料の動作では、カ
イラル添加剤は動作上ネマチックなカプセル化された液
晶材料の応答時間を改良(減少)したことが見出され、
特に、フィールド・オン条件からフィールド・オフ条件
に進んだすぐあと、個々のカプセルの壁の形状に通常続
くねじれた整列に戻る場合にそうである。例えばすくな
くとも18ミクロン直径程度のこの様な相対的に大きいカ
プセルでは、フィールド・オフ条件に進んだ場合、カプ
セル壁に隣接した液晶材料がカプセル壁形状に続くねじ
れた整列に戻るか、あるいは液晶材料がカプセルの中心
に近くなるよりもずっとしっかりした曲率で戻るのが通
常のケースである。すなわち、この不均衡は材料の全応
答時間を遅くされる。しかし、カイラル添加剤は構造が
ねじれる傾向を誘起する。ネマチック材料に対する影響
はカプセル壁から離れて最も著しく、従ってねじれた整
列にこの様な相対的に離れた材料の戻りを加速し、むし
ろカプセル壁の形状によって影響される。この様なカイ
ラル添加剤は液晶材料の約0.1%から8%の範囲内にあ
り、好ましくは範囲は約2%から約5%である。その量
は添加剤と液晶に存在して変化し、かつカプセルが動作
上ネマチックにする限り指定された範囲外にさえあるこ
とができる。
【0065】第10図のカプセル化された液晶130 は、
さもなければここに述べられたカプセル化された液晶材
料の代りあまいはそれに結合してこの適用で述べられた
本発明の種々の具体化で置換えられることは評価されよ
う。動作は一般に実施例7で述べられた線に沿うことに
なろう。他の添加剤は、例えば装置60の製造の間に液晶
の粘度を減少すること及び/もしくはさもなければ制御
するのにまた用いられよう。減少された粘度は乳濁液形
成及び/もしくは乳濁液を電極で覆われた支持媒体12に
適用するプロセスに積極的な効果を有しよう。この様な
添加剤の例は、水溶性であり乾燥すると乳濁液を残すク
ロロホルムであろう。実施例8 乳濁液は22%(残部は水)低粘度、半加水分解PVA の約
15グラムの用いて準備された。これは約3%(百分率は
液晶の重量に対するものである)のコレステロール・オ
リエート、約0.1%のL.O.630 の界面活性剤の1%(残
りは水)溶液、及び15%クロロホルムを含む約5グラム
の(アメリカン・リキッド・クリスタル〔American Liq
uid Xtal〕社の)8250液晶である。
【0066】この様な材料は高い剪断力で約3分間混合
された。製作されたカプセルは約1ないし2ミクロン直
径である。この様なカプセル化された液晶はギャップ5
に設定されたドクターブレードを用いて電極被覆支持媒
体に適用された。この材料は乾燥され、上述の材料とし
て通常動作された。第11図を参照すると、カプセル化さ
れた液晶材料200 の別の実施例が示されており、これは
ここで開示された本発明の種々の他の実施例を置換えよ
う。カプセル化された液晶材料200 は好ましくは一般に
球状壁203 を有するカプセル202 中の動作上ネマチック
液晶材料201 を含んでいる。第11図では材料200 はフィ
ールド・オフ条件にあり、そしてその条件の下で液晶分
子の構造204 はインタフェース205 において203 に法線
がほぼ法線である方向になっている。従って、インタフ
ェース205 において、構造204 はカプセル202 の幾何学
的形状に対して半径方向に方向付けられている。カプセ
ル202 の中心に向って近付くと、少なくとも若干の液晶
分子の構造204 の方向は、図面から分る様に、例えばカ
プセル中で液晶のほぼ最小自由エネルギー配列を有する
カプセル202 の容積を利用する。すなわち占めるために
曲がろうとする。
【0067】この様な整列は液晶材料201 に添加剤を加
えることによって起こるものと信じられており、これは
内部カプセル壁で通常方向付けられたステリルあるいは
アルキルを形成するために支持媒体と反応する。更に特
定すると、この様な添加剤は、相対的に堅い外皮あるい
は液晶材料それ自身の中に半径方向に突起しようとする
ステリル・グループかステリル成分を形成するためにカ
プセル壁203 を作る支持媒体(12)のPVA と反応するク
ロム・ステリル錯体あるいはウェルナー錯体であろう。
この様な突起は液晶構造の注意した半径方向整列あるい
は垂直整列を有効にしようとする。更に、液晶構造のこ
の用な整列はフィールド・オフ条件で液晶構造の上述の
強く曲がった歪に従っている。と言うのは一般分子方向
に直角に取られた方向変化率が0でないからである。こ
の様な材料の実施例は以下に示されている。実施例9 8250ネマチック液晶の5グラムサンプルに対して、3グ
ラムのクロロホルムと共にキロンM(Quilon M)〔デュポ
ン社によって製造されたクロム・ステリル錯体〕の10%
溶液の0.005 グラムが加えられた。結果として得られた
材料はゲルバトール20/30 PVA の22%w/w 溶液(この様
なゲルバトール溶液の残りの78%は水であった)の15グ
ラムと共に低い剪断力で均質化された。
【0068】その結果は溶けない殻を形成するためにそ
の中でカプセル壁のキロンMと反応するカプセル化され
た液晶であった。偏光によって観測することにより、カ
プセル壁が液晶を半径方向に整列することが決定され
た。5ミルに設定されたギャップを有するドクターブレ
ードを用いて、上述の如くその上にイントレックス電極
をすでに有するマイラー支持媒体上にフィルムがキャス
トされた。結果として得られたフィルムは乾燥して1ミ
ルの厚さを持っていた。補助電極が取付けられた。この
材料はカプセル中で10V において整列を始め、40V で充
分整列した。この様な整列は上の第3図で示されたもの
と同じである。本発明と小規模および大規模の双方にわ
たってデータ、文字、情報、映像等の表示を種々のやり
方で実行するのに用いられよう。発明の好ましい実施例
および最良の様式によると、液晶材料は支持媒体12中で
文字等が形成されるべき領域のみに置かれる。代案とし
て、層61は全支持媒体12にわたって拡がり、そして文字
が表示されるべき領域のみが液晶層61の希望部分に大使
フィールド・オン/フィールド・オフを制御するための
電極を有することになろう。本発明に従う全内部反射お
よび/もしくは光学的干渉原理によって有効となった増
大された散乱を利用して、所望の如き種々の他の設計も
また用いられよう。
【0069】さて、第12図に戻って、本発明による液晶
プロジェクタクは300 と記号が付けられている。プロジ
ェクタク300 は筐体301 、光入力部分と光出力部分304,
304を含む光学部302 および液晶表示305 を含み、好ま
しくはすべて筐体301 に対してその中に位置し、結合さ
れ、あるいは支持され、電極駆動は筐体301 の内側か外
側にあろう。プロジェクタク300 の目的に液晶表示305
によって形成された(一方、同じものは電気駆動306 に
よって駆動されるが)像の映像か文字を投射幕か同様な
もの307 の上に投影することである。
【0070】液晶表示305 はその上の光入射に選択的に
作用する(例えば散乱する)か作用しない(例えば伝達
する)をもくろみ、そして好ましくは上述の液晶装置の
1つである。例えば、液晶表示305 は支持媒体および/
もしくはその中に複数容積の液晶材料311 の1つあるい
はそれ以上の層を有する封入媒体310 を含もう。支持/
封入媒体310 は、第12図に見られるその用なシートのエ
ッジ312 で第12図の図面の平面内に拡がる寸法の材料14
のシートとして形成されるのが好ましい。表示シートの
反対の表313,314 は吸収体あるいは反射体とは反対に光
学的に透明であることが好ましい。従って、電界が表示
305 に含まれる液晶の選択された部分あるいは領域に印
加され、それによってこの様な液晶材料は実効的に透明
になる場合、表示305 上の光入射は実質的な散乱あるい
は吸収無しにそこを通って伝達されよう。しかし、液晶
材料311 の容積が上述の散乱モードにあるかもしくはフ
ィールド・オフになり、曲線的に整列しているかねじれ
た構造方位になる任意の状態にあるところの表示305 の
これ等の部分の光入射は、上に詳細に説明された態様の
この様な液晶材料によって、例えば、平面図で見て2パ
イ・ラジアンか、3次元(球状容積)では4パイ・ステ
ラジアンにわたって等方的に散乱する様になろう。
【0071】非多色色素の如き染料が着色出力を生成す
るために色光に対し表示305 中に含まれよう。多色色素
は液晶中に含まれよう。プロジェクタク300 の光学素子
302 において、光入力部分303 例えば通例の電球あるい
はプロジェクタク・ランプの様な光源319 と集光レンズ
あるいはコリメート・レンズ320 を含み、光出力部分30
4 は液晶表示305 によって散乱された光と液晶表示305
を通って伝達された光の間を辨別するために投射レンズ
321 と光制御装置あるいは光コントローラ322 を含んで
いる。1具体例では、光制御装置322a(第13図)は主と
してマスク323 であり、第2の具体例では光制御装置32
2b(第14図)は開口324 である。どちらかの場合でも、
光制御装置322 は投映のために散乱光あるいは伝達光を
選択する。ここで開示されたいくつかのプロジェクタク
の具体例の動作は一般にレンズ公式 1/S1 +1/S2 =1/f に従っている。この様な公式が薄いレンズに適用される
とは言え、通常この分野の技術にくわしい人々にとって
同様な性質と動作上の制約は厚いレンズと多層レンズ
(これは本発明に含まれているものと考えられている)
に適用されるのは明らかであろう。
【0072】光源319 はコリメート・レンズ302 の焦点
に位置し、従ってこの様なレンズは液晶表示305 に向け
られたコリメートされた光出力325 を生成する。フィー
ルド・オン、光学的な伝達条件で液晶表示305 の部分に
入射するコリメートされた光325 は表示305 を通って伝
達され、そして投射レンズ321 に伝達されたコリメート
された光326 として連続する。投射レンズは焦点327 で
この様に伝達されたコリメートされた光326 を集束す
る。
【0073】フィールド・オフであり、曲線的に整列
し、ねじれた状態において、そして任意で一般に等方的
散乱モードあるいは構造的整列において、液晶材料311
上に入射するコリメートされた光325 は散乱しようとす
るであろう。この様な散乱光は第12図の328 で表わされ
ている。もし受取られると、この様な散乱光はレンズ32
1 によって光制御装置322 に向って投映されようとする
が、しかし一般には焦点327 に集束しないであろう。液
晶表示305 による光の散乱は、支持媒体/封入媒体310
の屈折係数と液晶材料それ自身の異状な屈折係数の間の
差によって主として起る。(表示305 を通る散乱の無い
光の伝達は、液晶材料の通常の屈折係数と封入/支持媒
体の屈折係数ができる限り近く整合している。−最も好
ましくは等しい−場合に最大となる)。
【0074】たとえ液晶材料311 の容積が液晶表示305
を通して1つあるいはそれ以上のほぼ連続した層に配列
されていても、液晶材料のこの様な容積はまたパターン
化され、それにより液晶表示305 の別々の部分はかかる
容積を含み、他の部分はそうでなく、これによってそれ
ぞれの液晶部分に絶縁を与えている。パターン化の1例
が第4〜5図に現わされている。表示305 中の少なくと
も1つの電極は例えば第7〜9図の態様でパターン化さ
れねばならず、そこで電界は液晶材料311 のそれぞれの
選ばれた部分に選択的に印加することができる。電気駆
動306 はこの様な電極間で液晶材料311 にわたって電界
を生成するために(第8図中の電極14aと13″の間の様
に)それぞれの電極ペアーの間に電位を与えることので
きる様なありふれた設計の適当な電力出力および/もし
くは制御回路を有するコンピュータであろう。この様な
電気駆動は光学的表示装置や同様なものを駆動するのに
用いられたありふれたタイプであろう。
【0075】さて、特に第13図に戻って、光制御装置32
2aは投射レンズ321 に位置しているマスクを含んでい
る。レンズ321 によって受け取られたコリメートされた
光326は焦点で集束し、単にマスクでブロックされる。
しかし、所望の見ることのできる映像を投映スクリーン
307 に形成するために、プロジェクタ300 の筐体301 の
光出力穴331 を通って光出力330 としてレンズ321 は散
乱光328 を投映する。集められた散乱光の量を最小にす
るために、この具体例におけるレンズ321 は合理的に可
能な限り大きくなくてはならない。所望のあるいは要求
された様々な追加のレンズ、鏡、フィルタ等は、スクリ
ーン307 上に所望の映像を形成するために、穴331 を通
って出る光330 を投射する機能を完成する様に用いられ
よう。光制御装置322aを有するプロジェクタ300 を用い
ると、伝達可能な液晶表示305 のそれ等の部分はスクリ
ーン307 上で黒か暗黒に現われようし、散モードにある
それ等の部分はスクリーン307 上で相対的に明るく現わ
れよう。
【0076】さて第14図では、光制御装置322bは開口32
4 を含んでいる。投映レンズ321 はコリメートされた光
326 を焦点327 で集束し、焦点は開口に位置するかある
いは少なくとも開口324 に関連する位置にあり、従って
スクリーン307 上に投映するために穴332 を通って集束
するすべての光あるいはほぼすべての光の通過を許容す
る様にする。1つあるいはそれ以上の追加レンズ、鏡あ
るいは他の光学装置はスクリーン307 上の開口324 を通
るその様な光を投映する機能を完成するために用いられ
よう。しかし、レンズ321 に到達する散乱光328 はプロ
ジェクタ300 の筐体301 及び/もしくは開口を限る壁上
に光330 として向けられ、そしていずれにしても開口の
穴332 を通って伝達されることからブロックされる。好
ましくはマスク323(第13図)と壁333 は例えば黒ペン
キ、黒フェルトあるいはそこに入射する光を吸収する材
料の様な光学的吸収体であり、従ってプロジェクタ筐体
の内側334 に戻るにせの光の反射を妨げている。事実、
プロジェクタ筐体301 の内壁のすべてはそこのにせの光
を最少にするために黒かさもなければ光吸収体であろ
う。
【0077】光制御装置322bを用いるプロジェクタ300
の動作において、フィールド・オン、光伝達モードによ
る液晶表示305 のそれ等の部分はスクリーン307 上で明
るく現われる。ところが散乱モードにある液晶表示305
のそれ等の部分はスクリーン307 上で相対的に暗く現わ
れよう。上に述べた様に、レンズ公式 1/S1 +1/S2 =1/f は一般に適用される。S1 は対物距離すなわちレンズ32
1 から表示305 の距離であり、S2 は映像距離すなわち
レンズからスクリーン307 の距離であり、そしてfはレ
ンズの焦点の長さである。
【0078】電気駆動部306 はマイクロコンピュータの
如き慣例のコンピュータとすることができ、これにより
電力、駆動、分離等の回路をディスプレイ305 の各電極
に接続して、液晶材料311 の対応する各部分に電界を選
択的に付与したり、しなくしたりすることができる。駆
動部306 は、例えば各電極に電圧を供給する各回路への
スイッチを閉じるような手動調節を行うか、又は駆動部
のコンピュータをプログラミングし、かつ操作するよう
に人間が選択的に制御して液晶ディスプレイ305 におけ
る特定像を変えることができる。例えば講演者が講演の
最中にプロジェクタ300 を用いる場合には、その講演者
は電気駆動部306 を定期的に操作することによって特定
像、つまり投映スクリーン307 に投映された情報を変え
ることができる。或いはまた、電気駆動部306 を遂次自
動的に操作して投映スクリーン307 上に投映される像を
変えることもでき、所要に応じ電気駆動部306 を比較的
迅速に作動させて像を迅速に変え、従ってスクリーン30
7 に投映される動きのある像の効果を起生せしめること
ができる。
【0079】プロジェクタ300 並びに第15及び16図につ
き下記に詳述する他のプロジェクタには種々の慣例の支
持手段(図示せず)を用いることができ、これらの手段
によりプロジェクタの種々の構成部品をハウジング301
内にて支持するか、又はいずれにしても斬様なハウジン
グに対し、或いは互いに支持せしめるようにすることが
できる。支持手段には例えば、光源ランプ319 用おソケ
ット、レンズ320,321用のレンズ保持器、ホルダの如き
支持フレーム又はガラス、プラスチック、マイラーフィ
ルム等のシートの如き液晶ディスプレイ305 用の透明基
板等がある。例えば、光源319 への電力線及び電気駆動
部306 と液晶ディスプレイ305 の幾つかの電極との間に
おける335 にて示してある電気接続線の如き適当な電気
接続線(図示せず)もあることは通常の当業者にとって
は自明なことである。さらに、プロジェクタ300 からの
光出力の調整は、アパーチャ324 における開口部331 及
び/又は開口部332 のマスク323 の大きさを適当に調整
することによって行うことができる。
【0080】特に第13図の例のプロジェクタの利点は、
無電界状態での散乱量が比較的少ないディスプレイ305
を使用できることにあり、このためにディスプレイは比
較的薄くすることができ;しかもそのディスプレイ及び
それを用いるプロジェクタの所謂ターン・オン特性を容
易に正確に制御することができる。これらの利点からし
て、例えば所望に駆動させるのに必要な駆動回路の個数
を最小にして比較的大きな寸法のディスプレイにて容易
に多重操作、即ち多数の画素を駆動させることができ
る。第15A 及び15B 図は第13図のプロジェクタ301 の欺
様な利点を立証するものである。第15A 図の輪郭340 は
無電界状態の際にディスプレイ305 の片側にてどの程度
の光が各方向に散乱し得るかを示している。散乱光の大
部分はレンズ321 及び開口331 を経て伝達されるが、多
少の散乱光は開口331 から離れた所に散乱して、ハウジ
ング壁部333 によって阻止される。電界を液晶ディスプ
レイ305 にかけると、輪郭340 に関係する光の円錐部が
例えば341 にて示すようにつぶれるようになり、散乱光
の量、即ち開口331 から出る光強度が増大する。開口33
1 を通る投射光の強度が電圧、又は電界の大きさの関数
として一般に増加する様子を第15B 図に曲線343 にて、
特にこの曲線の左側の部分344 に示す。曲線部分344 に
おける強度変化は比較的僅かづつであり、いずれにして
もその程度以上の光が開口331 を経て伝達される。
【0081】しかし、ディスプレイの液晶に適当な電圧
Vtを印加すると、液晶の配列に極めて早い遷移を来た
し、即ち液晶がほぼ透明となり、その後は液晶からの透
過光がマスク323 に集束して、開口331 を通過しなくな
る。このような急激な遷移を第15B 図に曲線部345 にて
示してあり、これは曲線部344 の傾斜よりも遥かに急峻
である。
【0082】ディスプレイ305 の多重操作は、一方の電
極又は電極部分(例えば第8図の電極14a)に正の電位、
又は電圧を選択的に印加したり、しなくしたりし、かつ
他方の電極又は電極部分(例えば第8図の電極13″)に
負の電位、又は電圧を選択的に印加したり、しなくした
りすることによって実行することができる。電圧を電極
のいずれか一方に供給し、他方の電極には供給しなくす
ると、このような電極間の液晶による光の連続した散乱
に応答して、開口331 を経て伝達される光の強度に変化
が生じ得る。しかし、正の電圧を一方の電極に供給し、
かつ負の電圧を他方の電極に供給すると、これらの電極
間の液晶間に適当な電位差/電界が生じて透過状態への
所望な遷移(曲線345)が得られる。この場合には斯様な
液晶を透過した光がマスク又は止め部材323 上に集束さ
れるため、液晶個所における透過性の場(フィールド)
がスクリーン307 上に暗く現れる。
【0083】第16図には本発明の好適例及び最適モード
を液晶プロジェクタ350 の形態にて示してある。プロジ
ェクタ350 は光入力部353 及び光出力部354 を含むプロ
ジェクタの光学部品を収容する変形ハウジング351 を具
えている。光入力部353 は光源319 とフレネルレンズ35
5 を含み、かつ光出力部354 はアパーチャ356 、反射器
357 及び投映レンズ358 を含んでいる。反射器357 及び
投影レンズ358 はハウジング内、即ちアパーチャ356 の
光学的に下流で、ハウジング351 に取付けられるフレー
ム部分360 内に位置させる。反射器357 は液晶プロジェ
クタ350 の光路を折り曲げて、例えば第12図に示した直
通プロジェクタ300 に比べてプロジェクタの寸法及び/
又は全体的な構成を縮小するために設けられる。
【0084】光源319 はフレネルレンズ355 の一方の主
点、即ち焦点に位置させると共に、アパーチャ356 はフ
レネルレンズ355 の反対側の主点、即ち焦点361 に位置
させる。これがため、光学的な障害がなければ、光源31
9 から光路362 に沿って走行し、かつフネルレンズ355
によって受光される光はアパーチャ内の焦点361 または
アパーチャ356 の近傍に集束する。さらに、アパーチャ
356 を経て伝達された光は反射器357 によって投影レン
ズ358 の方へと反射され、かつこの投影レンズによって
スクリーン上に投映されて、例えばそこに像を形成す
る。
【0085】ディスプレイ305 はフレネルレンズ355 に
対し平行に、しかもその近くに取付けるのが好適であ
り、また斯かるディスプレイ305 はレンズ321 の物体平
面内、即ち前記公式要件に従ってレンズから距離S1の所
に取付ける。ディスプレイの液晶が散乱モードでない場
合には、ディスプレイ305 の屈折率の影響が、フレネル
レンズによりアパーチャ356 に集束される光に悪影響を
及ぼさないようにするのが好適である。
【0086】液晶プロジェクタ350 の作動に当たって
は、相互接続線335 を経て液晶ディスプレイ305 を作動
させる電気駆動部306 が例えばそのディスプレイの選択
部分に電界を与えて、他の部分には電界を与えなくす
る。前述したように、電界が付与されるこれらの部分は
光学的に透過性となり、かつ他の部分は散乱モードで作
動するようになる。ディスプレイ305 を経て透過した光
はアパーチャ356 内におけるフレネルレンズ355 の焦点
361 に集束される。斯様な光はさらに反射器357 によっ
て反射され、かつレンズ358 によってスクリーン307 上
に投映されて、このスクリーンに明るい像領域を形成す
る。これに対し、光を散乱させる液晶ディスプレイ305
の部分は斯様な光を好ましくは4pi ステラジアンにわた
りほぼ等方的に散乱させ、いずれにせよ斯様な光の殆ど
大部分はアパーチャ356 から離れた所か、又はそのアパ
ーチャを通過しないように散乱され、その代わりにハウ
ジング351 に関連する壁部または裏張等の材料によって
吸収される。
【0087】液晶プロジェクタ350 の特有な利点は液晶
ティスプレイ305 がほぼ水平な平面内に位置付けられる
ことにあり、しかも斯様な液晶ディスプレイまたはこの
ディスプレイ上に位置付けることのできるプラスチック
シート、ガラス板等の如き他の光学的に透明な媒体は表
面部を備えており、この表面部には、慣例のオーバーヘ
ッドプロジェクタを用いて透明な表面上に手書きした像
を実時間で投映させるのと同じ方法でスクリーン307 上
に投映させる情報を人間が書くことができる。情報を手
書きし得る液晶ディスプレイの斯様な表面又は頂部表面
305aに接近し得るようにするために、プロシェクタハウ
ジング351 には適当な開口を設けることができる。例え
ば、ハウジング351 の閉成した、又は一体の壁部363 と
して第16図に示したものは実際にはアパーチャ356 及び
光吸収壁面364 を焦点361 に対して位置付けるためのフ
レーム状部材とすることができ、また構成フレーム部材
間またはハウジング壁部に単に形成される開口個所365
は表面305aまたは上述した他の書込み面に手を出入れす
るために設ける。第16図に示した液晶プロシェクタ350
の作動に関連する種々の部品を位置付けし、かつ取付け
るためには、例えば慣例の設計による種々の支持部材、
フレーム部材、構成部材、電気接続線等を用いることは
勿論である。
【0088】本発明による二重又は複式折曲げ液晶プロ
ジェクタ370 を第17図に示してある。このプロジェクタ
370 はハウジング371 と、入力光学部373 、出力光学部
374及び反射器375 を含む光学部分372 と、電気駆動部3
06 とを具えている。フレネルレンズ376 は入力光学部
及び出力光学部374 の各部分として機能すべく位置付け
る。特に、光源319 はフレネルレンズ376 に光を向け、
かつその光はフレネルレンズによって平行にすると共に
液晶ディスプレイ305 に向けるのが好適である。電界を
かけて整列させた光学的に透過モードにある液晶ディス
プレイ305 の部分は上述したように、電気コネクタ377
によってディスプレイ305 の電極に結合させたコンピュ
ータとして示される電気駆動部306 によって決定され、
上述したような平行入射光は反射器375 に透過し、かつ
透過性の液晶部分を経てフレネルレンズ376 に逆戻りす
る。フレネルレンズは斯様な反射光を出力光学部374 の
一部としてアパーチャ380 に集束させ、このアパーチャ
はフレネルレンズの焦点381 に位置させる。ついで斯様
に集束した光は出力光学部の反射器382 により投映レン
ズ383 に反射され、この投映レンズは反射光を投映して
スクリーン307 上に像を形成する。しかし、液晶ディス
プレイ305 によって散乱された光は等方的/無作為に散
乱され、かつフレネルレンズ376 に達するこのような散
乱光は一般にそのレンズの全平面に対し垂直の方向では
受光されず、従ってレンズにより焦点381 には集束しな
くなる。液晶プロジェクタ370 の作動に当たっては、電
気駆動部306 を前述したように作動させてディスプレイ
305 の透過性部分を形成することができ、またディスプ
レイの他の部分は散乱モードとすることができる。ディ
スプレイ305 の透過性モードの部分はスクリーン307 上
に明るい個所として投映されることになり、またディス
プレイ305 の散乱している他の部分はスクリーン307 上
に比較的暗い個所として出現する。液晶プロジェクタ37
0 はその二重、または複式折返し光路のために輪郭及び
全体の寸法が比較的小さくなると云う利点もある。しか
し、所要に応じフレネルレンズ376 の上側面上に支持用
の追加のガラス板、プラスチックシート等を設け、その
表面にプロジェクタ370 の使用中に情報を手書きするこ
とができる。このような場合には、プロジェクタ370 の
ハウジング又はフレーム構体内に手及び筆記用具を入れ
て情報を書けるようにするための出入口、例えば開口ま
たはドア384 をハウジング371 に設けるようにする。
【0089】液晶ディスプレイは35mmまたは16mm程度の
小さなものとするか、又は8-1/2 インチ×11インチまた
はそれ以上のものとすることができる。液晶の容積はデ
ィスプレイ全体にわたるものとすることができ、それに
はパターン電極を用立てることができる。プロジェクタ
の液晶ディスプレイ305 にはパターン液晶を用いたり、
又は液晶による全適用範囲を用いることができる。コン
トラストはf数の関数となる。黒い個所はf数及び散乱
の関数として黒くなり、f数が高くなるにつれてスクリ
ーン307 上の黒い個所はさらに暗くなる。その理由はレ
ンズ383 により集められる光が少なくなるからである。
明るい個所の明るさはf数の関数にはならない。その理
由は、光は焦点、即ち投映レンズの焦平面に集められる
からである。
【0090】第18図には本発明の数個のプロジェクタに
使用ひる液晶ディスプレイ400 を電気駆動部306 と関連
して示してある。ディスプレイ400 はそこに染料401 を
有している。このような染料は図解的に表してある。し
かし斯様な染料401 は液晶中の多色性染料として、無電
界状態における透過性及び散乱を低減させるものとした
り;液晶中又は着色光に対する接触/支持媒体中におけ
る非多色性の一色の染料としたり;又はディスプレイの
種々の部分に幾つかの異なる色を位置させて、多色出力
を形成し、斯種のディスプレイ400 を用いるプロジェク
タにより投映される光の色合い、または彩色形態に影響
を及ぼすようにする数個の非多色性染料とすることがで
きる。
【0091】第18図に示した回路を用いてディスプレ
イ400 に401R, 401G, 401Bで示したような画素状の個所
を選択的にアドレスすることによって、これらの画素間
に電界をかけたり、かけなくしたりすることができる。
どの画素が附勢され、どの画素が附勢されないかに応じ
て、ディスプレイ400 を透過する光を着色させることが
できるため、このようなディスプレイ400 を用いるプロ
ジョクタによって投映される光の合成出力は色付きの出
力となる。さらに、ディスプレイ400 の画素を適当に小
さくすれば、実際上投映光に及ぶ彩色効果が高まる。従
って、任意の所定時間に附勢されたり、されなかったり
する斯様な画素を一個以上設けることによって種々の色
を発生させることが出来る。斯様な付加的な彩色は、選
択されたカラードット、すなわち画素が選択的に附勢さ
れる慣例のカラーテレビジョンに生ずる彩色に似たもの
と見なすことができ、通常はこのようなカラー光学分野
では既知のように、任意のカラー出力を可視的に発生さ
せるには3つの異なる色が必要とされるだけである。
【0092】第19及び20図に転ずるに、ここにはカラー
表示できる本発明によるプロジェクタの他の好適例を45
0 にて示してある。第19図のプロジェクタ450 の種々の
構成部品は、第16図に示したプロジェクタ350 につき呈
示し、かつ説明したものと殆ど同じ形状をしており、し
かも同じように機能する。しかし、プロジェクタ450の
アパーチャ356 にはカラーフィルタ イプの装置451 が
あり、この装置を接続線335aにより接続された電気駆動
部306 によって作動的に制御して、液晶ディスプレイ30
5 を透過してフレネルレンズ355 によりアパーチャ356
に集束される光を色付き、または無色のものとすること
ができる。
【0093】それぞれ赤、緑及び青のパイ状のセクタ45
2R, 452G, 452Bを有しているカラーフィルタタイプの装
置451 を第20図に平面図にて示してある。各セクタは液
晶ディスプレイ355 に用いたものと同じか、又はそれと
同じような液晶ディスプレイ材料で構成するのが好適で
あるが、フィルタ451 の個々の各セクタはそれの色に着
色する。特に、フィルタ451 は封じ込め媒体に形成され
た複数容積部内に収納される作動的にネマチックな液晶
材料で形成することができる。非多色染料は例えば各カ
ラーセクタの液晶材料及び/または封じ込め媒体中に吸
収又はその他の方法で設けるのが好適である。フィルタ
451 の両側に位置させる電極を電気駆動部306 によって
選択的に附勢し、一個以上の任意のセクタ間に電位を与
えて、そのセクタ光学的にほぼ透明とすることができる
が、それでもそこを透過する光に色合いを付けたり、ま
たは彩色を施したりすることができる。作動に当り、赤
のセクタ452Rに電界をかけて、それを相対的に透明と
し、また緑と青のセクタ452G, 452Bを附勢しないと、ア
パーチャ356 を透過して、レンズ358 により投映される
光は赤に着色される。同様な作業は、緑又は青のセクタ
452G, 452Bのいずれか一方だけを附勢して、投映光を緑
又は青に彩色することによって行わせることができる。
フィルタ451 の2つまたは3つのセクタを附勢すること
によっても付加的な彩色を施すことができる。附勢され
ず、しかも光学的に透過性とならないセグメント452 に
ついて云えば、これらのセグメントは光を散乱し、これ
らの光は投映用レンズ358 によってスクリーン307 上に
は集められず;斯様な散乱光の内の多少の光は集められ
て伝達されるが、その光量は附勢セクタを透過した光量
に比べて比較的少なく、従ってスクリーン307 に投映さ
れた色には殆ど影響を及ぼさない。また、所要に応じフ
ィルタ451 に追加の無着色セクタを設けて、スクリーン
307 上への投映用レンズ358 に白色光を透過し易くする
こともできる。電気駆動部306 によって液晶ディスプレ
イ305 の部分、即ち画素を選択的に変えることができ、
しかもそれらの画素をフィルタ451 の選択操作と整合さ
せることによりレンズ358 によってスクリーン307 上に
投映される静止又は動きのある像のいずれかを単色また
は多色像とすることができることは明らかである。
【0094】好ましくは一個以上の異なるカラーセクタ
又はセグメントを有している相対的に小形の光制御シャ
ッターを用いることにより相対的に大きなスクリーン上
に投映される像の光学的特性をプロジェクタ450 が制御
し得ることは明らかである。従って、相対的に広範囲の
出力光、即ちスクリーン307上に投映される像を相対
的に小面積のシャッタ451 によりチョップしたり、又は
制御したりすることができ、しかもフィルタ451 に僅か
3つの異なる色付きセクタ部分452 を用いるだけで3色
以上のカラー出力を得ることができる。産業上の用途 本発明は特に、液晶光学ディスプレイに生ずる特性の光
像を投映するのに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液晶装置の略図、
【図2】 電界オフ状態における液晶カプセル内の液晶
材料の配向の例を示す概略図、
【図3】 電界オン状態における液晶カプセル内の液晶
材料の配向の例を示す概略図、
【図4】 本発明の液晶装置の一例を電界オフ状態で示
す概略図、
【図5】 図4の液晶装置の電界オン状態を示す概略
図、
【図6】 本発明の液晶装置の例を示す斜視図、
【図7】 液晶材料の連続した層と途切れた電極を用い
る液晶装置の実施例を示す一部切欠側面図、
【図8】 図7の実施例の一部切欠斜視図、
【図9】 支持媒体層とここに述べるいくつかの実施例
のためのカプセル封入液晶層の寸法関係を一層正確に示
す液晶表示装置の略図、
【図10】 本発明の実施例で用いることができるコレ
ステリック材料を添加したネマチック形の液晶カプセル
の略図、
【図11】 カプセル封入液晶の他の実施例を示す図2
及びず3と同様な略図、
【図12】 本発明に係る液晶プジェクタの一例を示す
略図、
【図13】 本発明のプロジェクタの実施例の詳細を示
す略図、
【図14】 本発明のプロジェクタの他の実施例の詳細
を示す略図、
【図15】 A及びBは、図13のプロジェクタにおけ
る散乱光と電気入力の関数としての投光される光の強さ
を示す図表、
【図16】 本発明の他の実施例による液晶プロジェク
タの略図、
【図17】 本発明のさらに他の実施例を示す液晶プロ
ジェクタの略図、
【図18】 本発明の実施例に使用できる着色手段の一
例を示す略図、
【図19】 ダイナミックカラーフィルタを用いるよう
にした図16図と同様なプロジェクタの断面図、
【図20】 ダイナミックカラーフィルタの平面図。
【符号の説明】
11はカプせル、12は媒体、13、14は電極、30
5は液晶ディスプレイ、350は液晶プロジェクタ、3
51はハウジング、355はフレネルレンズ、356は
アパーチャ、358は投影レンズ、361は焦点、36
4は光吸収壁面を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−52233(JP,A) 特開 昭49−1132(JP,A) 特開 昭52−45894(JP,A) 特開 昭59−226322(JP,A) 特開 昭50−91342(JP,A) 特開 昭58−144885(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を選択的に透過し、もしくは散
    乱、吸収する第1の液晶手段、 投影しようとする像パターンと一致して選択的に入射光
    を前記の第1の液晶手段が透過するように第1の液晶手
    段を作動させる第1の作動手段、 アパーチャ手段に像変調透過光を収束させてその像変調
    透過光が前記のアパーチャ手段を像路に沿って通過する
    ようにさせる光収束手段、 前記のアパーチャ手段へ進む像変調透過光を遮るように
    配置された複数の色彩フイルタ区域を含み、各色彩フイ
    ルタ区域は像路に沿ってそれぞれの色の像変調透過光を
    透過させ、または像変調透過光を散乱させて像路から外
    れるように選択的に作動する第2の液晶手段、及び 前記の第1の作動手段に作動的に接続されて、前記の色
    彩フイルタ区域を選択的に付勢してそれぞれの色彩区域
    により像路に沿って着色光を選択的に通す第2の作動手
    段を備えたことを特徴としたプロジェクタ。
  2. 【請求項2】 第2の液晶手段は着色されていないフイ
    ルタ区域を含み、白色光の透過を容易としている請求項
    1に記載のプロジェクタ。
  3. 【請求項3】 色彩フイルタ区域は収容媒体に微小塊の
    液晶を含み、液晶と収容媒体の中の少なくとも一つは非
    多色性染料により着色されてそれを透過する光を着色す
    る請求項1に記載のプロジェクタ。
  4. 【請求項4】 色彩フイルタ区域が第2の作動手段によ
    り付勢されないときは光を散乱させて像路から光が外れ
    るように色彩フイルタ区域が作動する請求項1に記載の
    プロジェクタ。
  5. 【請求項5】 着色区域を透過して像路に沿って進む光
    を集め、そしてその光をスクリーンへ投影するレンズを
    更に含む請求項1に記載のプロジェクタ。
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