JP2623922B2 - スピーカ用振動板の製造方法 - Google Patents

スピーカ用振動板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、スピーカ用振動板の製造方法に関するも
のである。
[従来の技術] 従来、スピーカ用振動板としては、比弾性率E/ρ(E:
ヤング率,ρ:密度)が大きいこと、すなわち剛性率が
大きく軽量であることが音響特性上望ましいことが知ら
れており、そのために、スピーカ用振動板の材料,形状
及び製造方法が種々検討されている。そして最近では、
アルミニウムやチタン等の金属と比較して比較的に大き
なE/ρ値を持つセラミックスがスピーカ用振動板に適用
されるようになった。
第5図は従来のセラミックスを適用したスピーカ用振
動板の製造方法の工程を説明するための概略図である。
図において、(A)はプラズマ溶射工程、(B)は離型
工程、(D)は焼成工程である。この各工程(A),
(B),(D)において、1は溶射ガン、2は粉末供給
ノズル、3は溶射用粉末、4はプラズマ炎、5はドーム
形状等の所望形状を有する金型、6は振動板となる皮
膜、7は電気炉等の容器、8は抵抗線等のヒータ、9は
バルブ付きの排気口、10は不活性ガスを導入するバルブ
付き導入口である。
次に、上記従来のスピーカ用振動板の製造方法につい
て説明する。まず、プラズマ溶射工程(A)において、
アルゴン(Ar)と水素(H)あるいは窒素(N)と水素
(H)の混合ガスを溶射ガン1から放射することにより
発生した高温,高速のプラズマ炎4の中心に、粉末供給
ノズル2より炭化ホウ素(B4C)などのセラミックスの
溶射用粉末3を搬送用のアルゴン又は窒素に乗せて投入
する。すると、投入された溶射用粉末3は溶融し、この
溶融された溶射用粉末3はプラズマ炎4の前方に設置さ
れたドーム形状等の所望形状を有する金型5の表面に被
着し、振動板となる皮膜6が形成される。続いて離型工
程(B)において、皮膜6を金型5より離し、セラミッ
クス単体から成る皮膜6を作成する。続いて焼成工程
(D)において、皮膜6を電気炉等の容器7内に入れ、
真空中又は不活性ガス中でヒータ8によって約2000℃で
焼成を行う。これにより、E/ρ値が高い振動板が得られ
る。
[発明が解決しようとする課題] 上記した従来のスピーカ用振動は以上のような製造方
法によって作成されており、そのために、チタン・アル
ミニウム(Ti・Al)等の金属で形成された振動板と比較
して、大幅に高いE/ρ値を有する振動板を得ていた。し
かるに、上記のような従来の製造方法によって作成され
た振動板は、焼成工程(D)により振動板となる皮膜6
を焼成した後においても、作成された振動板には約17%
に近い程度の空隙が存在している。この事実は、本願発
明の出願人による試験研究の実験結果によって実証され
ている。従って、従来のスピーカ用振動板の製造方法で
は、皮膜6から成る振動板中に上記のように約17%程度
の空隙が存在している振動板が作成されることになり、
空隙が少なく、かつより一層高いE/ρ値を有する振動板
を作成することは極めて困難であるという問題点があっ
た。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、E/ρ値がきわめて高く、より一層高性能な
スピーカ用として最適な振動板を作成することができる
スピーカ用振動板の製造方法を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係るスピーカ用振動板の製造方法は、所望
形状の金型上にプラズマ溶射によりセラミックスなどの
皮膜を形成し、この皮膜を金型から離型した後に、皮膜
中に存在する空隙内に、あるいは皮膜を真空中又は不活
性ガス中で焼成した後の皮膜中に存在する空隙内に、CV
D法によりセラミックスあるいは金属を充填させて振動
板を作成するようにしたものである。
[作用] この発明におけるスピーカ用振動板の製造方法は、プ
ラズマ溶射法により金型上に被着されたセラミックスな
どの皮膜を形成する第1の工程と、この第1の工程によ
り形成された皮膜を金型から離型する第2の工程と、こ
の第2の工程により形成された皮膜中に存在する空隙内
に、あるいは第2の工程により形成された皮膜を焼成す
る第3の工程によって焼成した後の皮膜中に存在する空
隙内に、CVD法によりセラミックスあるいは金属を充填
する第4の工程により振動板を作成するようにしている
ので、E/ρ値の極めて高い振動板を製造することができ
る。
[実施例] 第1図はこの発明の実施例であるスピーカ用振動板の
製造方法の工程を説明するための概略図である。図にお
いて、(A)はプラズマ溶射工程、(B)は離型工程、
(C)はCVD(化学蒸着)工程、(D)は焼成工程であ
る。この各工程(A),(B),(C),(D)におい
て、1は溶射ガン、2は粉末供給ノズル、3は溶射用粉
末、4はプラズマ炎、5はドーム形状等の所望形状を有
する金型、6は振動板となる皮膜、7は電気炉等の容
器、8は抵抗線等のヒータ、9はバルブ付きの排気口、
10は不活性ガスを導入するバルブ付き導入口、11はCVD
(化学蒸着)装置容器、12はサセプタとなるカーボン、
13は誘導加熱用の高周波コイル、14はCVD原料ガス、15
はCVD原料ガス14のガス導入口、16はCVD原料ガス14のガ
ス排気口である。
次に、上記この発明の実施例であるスピーカ用振動板
の製造方法について説明する。上記第5図に示す従来の
製造方法と同様に、まず、プラズマ溶射工程(A)にお
いて、アルゴンと水素あるいは窒素と水素の混合ガスを
溶射ガン1から放射することにより発生した高温(〜20
000℃),高速プラズマ炎4の中心に、粉末供給ノズル
2より、例えば平均粒径20μmの炭化ホウ素などのセラ
ミックスの溶射用粉末3を搬送用のアルゴン又は窒素に
乗せて投入する。すると、投入された溶射用粉末3はプ
ラズマ炎4中で溶融あるいは半溶融し、プラズマ炎4の
前方に設置されたドーム形状等の所望形状を有する金型
5の表面に高速で被着し、冷却し、固化堆積して振動板
となる皮膜6が形成される。続いて離型工程(B)にお
いて、あらかじめ金型5の表面を平滑にし、その材質を
適当に選定することにより、上記のようにして形成され
た皮膜6を金型5より離すことができ、これにより炭化
ホウ素などのセラミックス単体から成る皮膜6を形成す
る。このようにして形成された皮膜6は、炭化ホウ素の
粒子の大部分が機械的に堆積形成されている構成を有す
るために、各粒子間の結合は比較的に弱く、かつ約17%
程度の空隙が存在しているので、E/ρ値は比較的に小さ
いものである。
そこで、この発明では続いて行われるCVD工程(C)
において、皮膜6中に存在する上記の空隙内にCVD法に
よりセラミックスを充填させる。ここでは、例えば炭化
ホウ素を皮膜6の空隙内に充填する方法について説明す
る。まず、CVD装置容器11内に皮膜6を入れ、真空ポン
プにて約10-4torr以下に排気した後に、高周波コイル13
にて誘導加熱によりカーボン12及び皮膜6を約800℃〜1
300℃に加熱する。次に、このようにして加熱された皮
膜6に対し、ガス化させたBcl3とCO及びHをマスフロメ
ータで調整しCVD原料ガス14として皮膜6上に吹き付け
る。吹き付けられたCVD原料ガス14は皮膜6の表面上の
粒子に付着すると共に、皮膜6の上記空隙内にも侵入し
て堆積し、徐々に空隙(空孔)を充填することができ
る。ここで、CVD装置容器11内の排気はCVD処理中続けら
れている。またCVD処理をする以前の皮膜6の組織は、
溶射皮膜の特徴として金型5に接していた部分付近は押
しつぶされて空隙が少なくなっている。そのために、CV
D原料ガス14を皮膜6の空隙が多く存在する方向、すな
わち第1図のCVD工程(C)に示す方向よりCVD原料ガス
14を皮膜6に吹き付ける方が効率良く上記空隙を充填す
ることができる。これとは反対に、金型5に接していた
部分の方向よりCVD原料ガス14を皮膜6に吹き付ける
と、皮膜6の空隙は早く目詰まりし、皮膜6全体の空隙
を埋めることが非常に困難になる。この実施例では、皮
膜6に存在している空隙の約70%を炭化ホウ素(B4C)
で充填することができた。
次に、皮膜6の空隙内に炭化ホウ素が充填された後
に、さらに皮膜6を焼成工程(D)により焼成する。こ
の焼成は、皮膜6を電気炉等の容器7の中に入れ、この
容器7内を排気した真空中あるいは真空排気後にアルゴ
ン又は窒素等の不活性ガスを入れた雰囲気中で皮膜6に
対し高温焼成を行う。この場合における皮膜6の焼成程
度は焼成温度によって変化し、また、E/ρ値は焼成温度
が約1000℃より徐々に増加し、約2100℃にてピーク値に
達する。
第2図及び第3図はこの発明の他の実施例であるスピ
ーカ用振動板の製造方法の工程を説明するための概略図
で、第1図と同一符号は同一、又は相当部分を表示して
おり、その詳細な説明は省略する。
第2図に示すこの発明の他の実施例の製造方法におい
ては、プラズマ溶射工程(A),離型工程(B)までは
上記第1図に示す製造方法と同一の工程であるが、この
実施例の場合には、離型工程(B)による金型5から離
型後に焼成工程(D)を行う。すなわち、皮膜6を容器
7内に入れた状態において、焼成工程(D)により皮膜
6を真空中あるいはアルゴン又は窒素等の不活性ガス中
にて高温焼成を行い、皮膜6の炭化ホウ素(B4C)粒子
間の結合力を増加させる。このように処理した後の皮膜
6は、焼成前の皮膜6と比較して粒子間の結合は増加
し、また開気孔が少しできる。しかるに、皮膜6にはい
まだに多くの開気孔である空隙が存在している。そこ
で、続いて上述したようにCVD工程(C)により皮膜6
の空隙内に炭化ホウ素(B4C)を充填させる。その結
果、皮膜6における空隙の約60%が炭化ホウ素(B4C)
によって充填され、E/ρ値も上記焼成工程(D)によっ
て焼成しただけのものよりも約10%以上向上できる。
また、第3図に示すこの発明の他の実施例の製造方法
においては、上記第2図に示す実施例の各工程(A),
(B),(D),(C)による処理の後に、さらに焼成
工程(D)を付加した製造方法である。
第4図は従来例及びこの発明の各実施例であるスピー
カ用振動板の製造方法における皮膜のE/ρ値を比較して
示す図である。ここで、焼成工程(D)における皮膜6
の焼成は、アルゴンの雰囲気中で焼成温度約2000℃にて
焼成した場合を示している。
なお、上記実施例では皮膜6の空隙内にCVD法によっ
て炭化ホウ素(B4C)を充填した場合について示してい
るが、充填する物質はE/ρ値の高い物質が望ましく、セ
ラミックスではSiC,Si3N4,TiC,C等が適しており、また
金属ではBe,Ti等が適している。そして、SiCのCVD法に
よる原料としてはSicl4+C3H6を用い、その基板の温度
は約1000℃〜1500℃が望ましい。また、BのCVD法によ
る原料としてはBcl3+H2を用い、その基板の温度は約50
0℃〜1500℃が望ましい。
[発明の効果] 以上のように、この発明のスピーカ用振動板の製造方
法によれば、所望形状の金型上にプラズマ溶射によりセ
ラミックスなどの皮膜を形成し、この皮膜を金型から離
型した後に、皮膜中に存在する空隙内に、あるいは皮膜
を真空中又は不活性ガス中で焼成した後の皮膜中に存在
する空隙内に、CVD法によりセラミックスあるいは金属
を充填させて振動板を作成するようにしたので、E/ρ値
が極めて高く、より一層高性能なスピーカ用として最適
な振動板を作成することができるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例であるスピーカ用振動板の製
造方法の工程を説明するための概略図、第2図及び第3
図はこの発明の他の実施例であるスピーカ用振動板の製
造方法の工程を説明するための概略図、第4図は従来例
及びこの発明の各実施例であるスピーカ用振動板の製造
方法における皮膜のE/ρ値を比較して示す図、第5図は
従来のセラミックスを適用したスピーカ用振動板の製造
方法の工程を説明するための概略図である。 図において、1……溶射ガン、2……粉末供給ノズル、
3……溶射用粉末、4……プラズマ炎、5……金型、6
……皮膜、7……容器、8……ヒータ、9……排気口、
10……導入口、11……CVD(化学蒸着)装置容器、12…
…カーボン、13……高周波コイル、14……CVD原料ガ
ス、15……ガス導入口、16……ガス排気口、(A)……
プラズマ溶射工程、(B)……離型工程、(C)……CV
D(化学蒸着)工程、(D)……焼成工程 である。 なお、図中同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所望形状を有する金型上にプラズマ溶射に
    より炭化ホウ素等の皮膜を形成し、この皮膜を金型から
    離型した後、上記皮膜中に存在する空隙内に、あるいは
    この皮膜を真空又は不活性ガス中で焼成した後の皮膜中
    に存在する空隙内に、CVD(化学蒸着)法によりセラミ
    ックスあるいは金属を充填させて振動板を作成すること
    を特徴とするスピーカ用振動板の製造方法。
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