JP2622344B2 - 電−空変換装置およびこれを用いたアクチュエータシステム - Google Patents

電−空変換装置およびこれを用いたアクチュエータシステム

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JP2622344B2
JP2622344B2 JP5144922A JP14492293A JP2622344B2 JP 2622344 B2 JP2622344 B2 JP 2622344B2 JP 5144922 A JP5144922 A JP 5144922A JP 14492293 A JP14492293 A JP 14492293A JP 2622344 B2 JP2622344 B2 JP 2622344B2
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智彦 阿木
賢治 色川
徹 中道
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノズルフラッパ機構を
用いて電気信号を空気出力に精度良く変換することを可
能とする電−空変換装置およびこれを用いたアクチュエ
ータシステムに関し、一層詳細には、長期間にわたる使
用においても圧電素子のクリープ、電気的歪み等の影響
を阻止することが可能な電−空変換装置およびこれを用
いたアクチュエータシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、制御装置の出力に基づいて弁
の制御が行われている。これらの制御弁では、電気的な
制御信号を空気圧に変換する電−空変換部に弁のステム
の位置等をフィードバックする電−空ポジショナ等の操
作器が通常使用されている。
【0003】このような電−空変換器の従来の機構を図
6に示す。すなわち、トルクモータ2の駆動により可動
鉄片が作動され、ノズルフラッパ4の背圧を調整し、そ
れをパイロットリレー6で外部アクチュエータ8に供給
する空気圧を調整していた。この際、パイロットリレー
6の位置を位置検出部10で検出してフィードバック信
号とし、制御信号との偏差信号により前記トルクモータ
2を制御していた。
【0004】しかしながら、可動鉄片型のトルクモータ
2の質量が大きいために、発振あるいはハンチングを生
じやすいという問題があった。
【0005】また、制御装置としてマイクロプロセッサ
ーを用いてインテリジェント化が図られている。この場
合には、トルクモータを一層低消費電力で駆動する必要
がある。
【0006】このような問題を解決するために、トルク
モータに換えてバイモルフ型圧電素子が使用されるに至
っている。電−空変換部を一層軽量で低消費電力とする
ためである。
【0007】前記バイモルフ型圧電素子を用いた例を、
図7に示す。すなわち、印加電圧が0の場合には、バイ
モルフ型圧電素子から形成されたフラッパ14は、スプ
リング16の作用下にノズル18と当接し、所謂、ノン
ブリード型を構成している。このフラッパ14に正電圧
が印加された場合には、図8に示すように、位置Aを指
向して変位し、ノズル18からフラッパ14を離間させ
る。この動作を繰り返すことにより、ノズルフラッパ機
構として機能する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
バイモルフ型圧電素子に用いられる電−空変換部では、
平衡状態(印加電圧0)であっても、フラッパ14は、
スプリング16の作用下に、強制的にノズル18側に湾
曲させられている。常時、かかる湾曲方向に力が加わる
ことは、結果的にフラッパ14にクリープを生ずる原因
となる。また、図8および図9に示すように、印加電圧
も一方の電圧(正電圧)のみ作用させて、常時、一方向
に変位させるため、フラッパ14の略同一位置に応力が
かかり、クリープの原因になるとともに、分極の影響に
よって変位量d2が変化する原因となる。
【0009】このような原因により、フラッパ14の電
圧を印加しない平衡状態における位置が変位し、ノズル
フラッパ機構の変換ゲインが変化して系全体が不安定に
なるだけでなく、制御範囲を狭めるおそれがある。
【0010】本発明は、この種の問題を解決するために
なされたものであって、長期間にわたって精度良く電−
空変換を行う電−空変換装置およびこれを用いたアクチ
ュエータシステムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、ノンブリード型のノズルフラッパ機構
によってノズル背圧を変化させ、弁体の開閉動作等を行
う電−空変換装置において、ノズルに当接、離間するこ
とにより、ノズル背圧室の背圧を変化させるフラッパ
と、前記フラッパを、常時、ノズル方向に向かって付勢
する弾性部材と、前記フラッパに対し所定間隔離間して
設けられ、正負いずれか一方の極性を有するパルスが印
加されたときにのみ変位するバイモルフ型圧電素子と、
前記バイモルフ型圧電素子に対して正負のパルスを印加
する制御機構と、を備え、前記バイモルフ型圧電素子
は、前記フラッパに当接することにより前記弾性部材の
弾発力に打ち勝って前記ノズルからフラッパを離間させ
ることを特徴とする。
【0012】前記電−空変換装置において、前記弾性部
材は、ノズルの軸線上に配設されていれば好適である。
【0013】また、前記制御機構からバイモルフ型圧電
素子に対して印加されるパルスを連続させた駆動信号
は、振幅が同一であり且つ正負それぞれのパルス幅の総
和が同一であれば一層好適である。
【0014】さらにまた、前記電−空変換装置をアクチ
ュエータのパイロット弁として使用し、一方の電−空変
換装置をアクチュエータの流体供給側に、他方の電−空
変換装置をアクチュエータの流体排出側に配設したアク
チュエータシステムとして用いることができる。
【0015】この場合には、前記アクチュエータに作用
する流体圧力、あるいは前記アクチュエータの変位量を
検出する検出装置を設け、前記検出装置の出力信号を制
御装置に入力し、外部から入力された入力信号との偏差
信号を求め、前記偏差信号に基づいてバイモルフ型圧電
素子を制御する。
【0016】またさらに、前記アクチュエータシステム
において、電源を有するフェィルセーフ装置を前記制御
装置に備え、アクチュエータシステムに対応して供給側
あるいは排気側の電−空変換装置に前記電源を接続させ
れば好適である。
【0017】前記電源は、電池またはコンデンサであれ
ばなお好適である。
【0018】
【作用】本発明に係る電−空変換装置では、フラッパと
バイモルフ型圧電素子を別体としたため、弾性部材によ
ってフラッパが常時ノズル側に付勢されているノンブリ
ード型であっても、前記バイモルフ型圧電素子には、前
記弾性部材によって何ら機械的作用が働かず、長期間の
使用によってクリープ等が発生することはない。特に、
前記弾性部材をノズルの軸線上に配設すれば、前記フラ
ッパは前記弾性部材によってモーメントが発生すること
なく、クリープを阻止できる。また、通常状態(ノンブ
リード状態)の場合には、弾性部材によってフラッパが
ノズルに押圧されており、別途、当該フラッパを前記ノ
ズルに当接させるために前記バイモルフ型圧電素子にパ
ルスを印加する必要がない。したがって、バイモルフ型
圧電素子に一方の極性のパルスのみを印加し続けた場合
に発生する電気的歪み等を阻止できる。
【0019】さらに、前記バイモルフ型圧電素子は、ノ
ズル先端に押圧されているとともに、一方の極性のパル
スが印加された場合のみ、フラッパを変位させるように
構成している。すなわち、他方の極性のパルスを印加し
た場合には、フラッパが変位しない。したがって、ノン
ブリード状態では連続したパルスで構成される駆動信号
は、正負の極性であって振幅が同一であるパルス幅の総
和が同一となるように構成でき、この駆動信号をバイモ
ルフ型圧電素子に印加することにより、分極等による電
気的歪みの発生を防止できる。
【0020】また、前記電−空変換装置をアクチュエー
タの供給側、排気側のパイロット弁として用い、特にフ
ィードバック制御を行えば、長期的に精度良く稼働する
アクチュエータシステムが構成できる。
【0021】さらに、前記アクチュエータシステムにお
いて、電源として電池あるいは充電部からなるフェイル
セーフ装置を設けたため、前記システムが電源断等の場
合に、電−空変換装置に電圧を印加して駆動し、アクチ
ュエータに空気を供給または排気可能になり、アクチュ
エータを適切な状態に維持できるため、システム全体の
安全を一層図ることができる。
【0022】
【実施例】本発明に係る電−空変換装置およびこれを用
いたアクチュエータシステムについて、好適な実施例を
挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0023】先ず、電−空変換装置について説明し、続
いて、電−空変換装置を組み込んだアクチュエータシス
テム(電−空ポジショナ)について説明する。
【0024】図1に示すように、電−空変換装置20
は、弁機構22とノズルフラッパ機構24とから構成さ
れている。
【0025】弁機構22は、本体26に孔部28を介し
て連通する第1室30と第2室32が画成されている。
前記第1室30には、ダイヤフラム34が設けられてお
り、これにより、前記第1室の上半分がノズル背圧室3
6となる。前記ノズル背圧室36には、図示しない圧縮
空気供給源と連通する供給通路38が連通されており、
前記供給通路38の途上には、減圧弁40と固定絞り4
1が設けられている。前記減圧弁40は、摘み42を螺
回することにより、ピストン部材44を付勢する第1ス
プリング部材46の弾発力を調整する。ピストン部材4
4と弁座48の間には、第2スプリング部材50が設け
られるとともに、弁体52は、弁座48の下部に設けら
れた第3スプリング部材54によってピストン部材44
の軸部分に当接されている。
【0026】したがって、減圧弁40においてノズル背
圧室36の圧力が圧縮空気供給側の圧力よりも高い場合
には、前記ピストン部材44の断面積が弁体52の断面
積よりも大きいため、上向きにピストン部材44が付勢
され、これにより第3スプリング部材54によって付勢
される弁体52が追従して変位され、弁座48に着座
し、圧縮空気供給側との連通を遮断する。一方、ノズル
背圧室36の圧力が圧縮空気供給源側の圧力よりも低い
場合には、第1スプリング部材46の弾発力により、弁
体52を弁座48から離間させ、ノズル背圧室36は圧
縮空気供給源側と連通するに至る。
【0027】次に、第1室30および第2室32に配設
される弁本体56は、フランジ部58と円筒部60とか
らなり、前記円筒部60が孔部28内で軸方向に変位自
在に挿通されるとともに、フランジ部58はスプリング
部材62の弾発力によりダイヤフラム34に当接されて
いる。したがって、ダイヤフラム34の変位により、弁
本体56の円筒部60が弁座64に着座、あるいは離間
し、第2室32に連通する供給通路66と排気通路68
の連通制御を円筒部60で行っている。
【0028】一方、ノズルフラッパ機構24は、ノズル
背圧室36に連通して設けられたノズル72と、ノズル
72の端部に当接するフラッパ74と、フラッパ74を
変位自在に支持する支持体76と、前記支持体76に装
着され、前記フラッパ74の下面に形成された突部78
から所定距離離間されているバイモルフ型圧電素子80
と、前記フラッパ74をノズル72側に常時付勢してい
るスプリング部材82とから構成されている。なお、バ
イモルフ型圧電素子80は、正電圧が印加されることに
より、フラッパ74側に湾曲し、負電圧が印加されるこ
とにより、反対側に湾曲される。
【0029】さて、このように構成される電−空変換装
置20を組み込んだ電−空ポジショナ92を図2のブロ
ック図を参照して説明する。
【0030】電−空ポジショナ92は、電源部94と、
前記電源部94からA/D変換器96を介して制御信号
が入力されるマイクロプロセッサ(以下、μプロセッサ
という)98と、前記電源部94およびμプロセッサ9
8に接続される通信I/F100と、前記μプロセッサ
98からの駆動信号に基づきノズルフラッパ機構24が
駆動されて弁機構22を作動させる供給用、排気用の電
−空変換装置20a、20bが備えられている。なお、
それぞれ電−空変換装置20a、20bは、図示しない
圧縮供給源と排気口に連通されるとともに、外部アクチ
ュエータ102に管路104で連通されている。前記外
部アクチュエータ102の弁体106を制御するステム
108の変位量を位置検出器110で検出し、これをA
/D変換器112を介して位置検出信号としてμプロセ
ッサ98に入力し、前記制御信号との偏差に基づいて信
号処理を行う。
【0031】なお、電源部94に接続してフェイルセー
フ部114が設けられている。前記フェイルセーフ部1
14は、電源部94の制御信号の一部の電力により充電
する充電部116と電源断により電−空変換装置20
a、20bに電流を流す電源監視部118とμプロセッ
サ98からの制御信号により、電−空変換装置20a、
20bのいずれかに選択的に電流を流すスイッチ部12
0とからなる。なお、前記充電部116は、リチウム電
池等で代替しても良い。
【0032】このように構成される電−空ポジショナ9
2は、次のように作動される。先ず、外部からの制御信
号が電源部94、A/D変換器96を介してμプロセッ
サ98に入力される。すなわち、管路104の圧力を上
昇させて、外部アクチュエータ102のステム108を
変位させ(図3(a)参照)、それによって弁体106
を制御させるように、制御信号が入力される。続いて、
電−空変換装置20aには、図3(c)における区間C
でμプロセッサ98から電−空変換装置20aのバイモ
ルフ型圧電素子80に、図3(b)に示すような異なる
パルス幅を有する同一振幅の正負のパルスが駆動信号と
して印加される。したがって、前記バイモルフ型圧電素
子80に正のパルスが印加された場合、図4に示すよう
に、当該バイモルフ型圧電素子80がフラッパ74の突
部78に当接して上部に押圧するため、フラッパ74が
スプリング部材82の弾発力に抗してフラッパ74をノ
ズル72から離間させる。したがって、ノズル背圧室3
6では圧力が低下し、ダイヤフラム34をZ1方向に変
位させる。これにより、スプリング部材62によってZ
1方向に付勢されているフランジ部58を有する弁本体
56もZ1方向に変位する。その結果、弁本体56の円
筒部60が弁座64から離間し、供給通路66と排気通
路68が連通される。したがって、図2に示す管路10
4に圧縮供給源から圧縮空気を供給することができる。
【0033】また、バイモルフ型圧電素子80に負のパ
ルスが印加された場合には、図1に示すように、フラッ
パ74の突部78に対してバイモルフ型圧電素子80が
離間しているため、フラッパ74がスプリング部材82
の弾発力によってノズル72に当接する。したがって、
ノズル背圧室36の圧力が上昇し、ダイヤフラム34お
よび弁本体56のフランジ部58がスプリング部材62
の弾発力に抗してZ2方向に変位される。この結果、弁
本体56の円筒部60によって供給通路66と排気通路
68の連通が遮断される。
【0034】一方、電−空変換装置20bは、駆動信号
が入力されないため、バイモルフ型圧電素子80が変位
せず、フラッパ74がノズル72に押圧されているた
め、供給通路66と排気通路68の遮断状態が維持され
ている。すなわち、外部アクチュエータ102から管路
104を介して外部に排気されることを遮断している。
【0035】このように、電−空変換装置20aにのみ
前記駆動信号を正負のパルス幅を変更しながら付与する
ことにより、区間Cにおいて、管路104の圧力が徐々
に上昇し、所定の圧力に達する(図3(a)参照)。こ
の結果、図2における圧縮空気供給源SUPから管路1
04を介して外部アクチュエータ102に圧縮空気が供
給され、弁体106が開成される。
【0036】この際、外部アクチュエータ102では、
ステム108の変位を位置検出器110で検出し、A/
D変換器112を介してμプロセッサ98に位置検出信
号をフィードバックすることにより、当該μプロセッサ
98において制御信号との偏差を求め、これを解消する
ように正負のパルス幅を変更した駆動信号を前記電−空
変換装置20aに出力する(図3参照)。
【0037】このようにして、正負のパルス幅を変更し
ながら、外部アクチュエータ102に所定の圧力が付勢
される(ステム108が所定位置に変位する)まで電−
空変換装置20aは駆動される。ここで、駆動信号は、
図3(b)に示すように、同一の振幅の正負それぞれの
パルス幅の総和が等しくなるように設定されている。し
たがって、バイモルフ型圧電素子80に印加されるパル
スは、正負いずれかに偏ることがないため、当該バイモ
ルフ型圧電素子80の分極等による電気残留歪みの要因
が生ずるおそれはない。また、バイモルフ型圧電素子8
0の変位方向が正負の両方向(Z1方向、Z2方向)で
あるため、クリープ等が発生することはない。
【0038】逆に外部アクチュエータ102のステム1
08を逆方向に変位させて、外部アクチュエータ102
へ付勢される圧力を低下させる場合には、電−空変換装
置20aを遮断し、電−空変換装置20bを開成する。
この場合の動作は、上記の説明と同様であるので省略す
る。
【0039】なお、電−空ポジショナ92では、フェイ
ルセーフ部114を設けているため、電源断や入力断線
の場合、充電部116から電源監視部118を介して、
スイッチ部120を経て電−空変換装置20bに電圧を
印加する。したがって、前記電−空変換装置20bが開
成され、管路104を排気口と連通させ、弁体106を
閉成させる。この結果、弁体106が開成し続けること
を阻止できる。
【0040】このように、本実施例の電−空変換装置2
0(20a、20b)では、ノンブリード型のノズルフ
ラッパ機構24において、バイモルフ型圧電素子80と
は別にフラッパ74を形成している。そして、バイモル
フ型圧電素子80が正のパルスが印加された場合のみフ
ラッパ74の突部78に当接し、フラッパ74が変位さ
れるように構成している。負のパルスが印加された場
合、あるいはパルスが印加されなかった場合には、バイ
モルフ型圧電素子80がフラッパ74に当接して作用す
ることはなく、前記フラッパ74はスプリング部材82
の弾発力によってノズル72に当接されている。したが
って、前記バイモルフ型圧電素子80に正負のパルス幅
を変更しながら印加しても、正のパルスの場合のみバイ
モルフ型圧電素子80によってフラッパ74がノズル7
2から離間するだけで負のパルスによってフラッパ74
に力が作用して、例えば、フラッパ74がノズル72に
過度の力で押圧されることはない。
【0041】しかも、上記のように負のパルスをバイモ
ルフ型圧電素子80に印加しても、正負のパルスを印加
しなかった場合とフラッパ74の状態が同一であるため
に、図3(b)、図3(c)に示すように、連続する駆
動信号において振幅の等しい正負のパルス幅の総和を等
しくでき、バイモルフ型圧電素子80に分極の影響等に
よる電気的歪みを発生することはない。
【0042】さらに、スプリング部材82をノズル72
と同軸上に配設し、しかも、ノズル72にフラッパ74
が当接状態にある。この場合、当該フラッパ74は水平
状態にあるため、ノンブリード時にバイモルフ型圧電素
子80に正負のパルス幅を印加する必要がない。
【0043】さらにまた、前記フラッパ74の突部78
の位置を図1の破線矢印方向に変位させることにより、
バイモルフ型圧電素子80によるフラッパ74の変位量
を変更させることができる。
【0044】またさらに、フェイルセーフ部114を設
けたため、入力断線等により、あるいは外部から電源を
供給している場合に電源断となった等の異常時には、電
源監視部118で検出し、充電部116からその時の電
−空ポジショナ92の作動状況に応じてスイッチ部12
0から電−空変換装置20a、20bに駆動信号を、す
なわち、開成信号を出力することができる。
【0045】なお、本実施例では、外部アクチュエータ
102は、電−空変換装置20a、20bによる単動型
であったが、図5に示すように、外部アクチュエータ1
02aのように復動型であれば、供給側に電−空変換装
置20a、20c、排気側に電−空変換装置20b、2
0dを組み込むことによって電−空ポジショナが構成さ
れる。
【0046】また、フィードバック制御を行う場合にス
テム108の変位量を検出したが、管路104の圧力を
検出して用いても良い。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る電−空変換装置によれば、
以下の効果が得られる。
【0048】すなわち、電−空変換装置では、フラッパ
とバイモルフ型圧電素子を別体としたため、弾性部材に
よってフラッパが常時ノズル側に付勢されているノンブ
リード型であっても、前記バイモルフ型圧電素子には、
前記弾性部材によって何ら機械的作用が働かず、長期間
の使用によってクリープ等が発生することはない。特
に、前記弾性部材をノズルの軸線上に配設すれば、フラ
ッパに対しても前記弾性部材によってモーメントが発生
することなく、クリープを阻止できる。
【0049】また、通常状態(ノンブリード状態)の場
合には、弾性部材によってフラッパがノズルに押圧され
ており、別途、当該フラッパを前記ノズルに当接させる
ために、前記バイモルフ型圧電素子にパルスを印加する
必要がない。したがって、バイモルフ型圧電素子に一方
の極性のパルスのみを印加し続けた場合に発生する可能
性のある電気的歪み等を阻止できる。
【0050】さらに、前記バイモルフ型圧電素子に正負
いずれか一方の極性のパルスが印加された場合のみ、フ
ラッパを変位させるように構成したため、他方の極性の
パルスを印加した場合には、フラッパが変位しない。し
たがって、連続したパルスで構成される駆動信号は、振
幅が同一である正負それぞれのパルス幅の総和が同一と
なるように構成でき、この駆動信号をバイモルフ型圧電
素子に印加することにより、分極等による電気的歪みの
発生を防止できる。
【0051】また、前記電−空変換装置をアクチュエー
タの供給側、排気側のパイロット弁として用いることに
より、特にフィードバックを行えば、長期的に精度良く
稼働するアクチュエータシステムが構成できる。前記ア
クチュエータシステムにおいて、電源として電池あるい
は充電部からなるフェイルセーフ装置を有するため、前
記システムが電源断等の場合に、電−空変換装置に電圧
を印加して駆動し、アクチュエータに空気を供給あるい
は排気することにより、アクチュエータを適切な状態に
維持できるため、システム全体の安全を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電−空変換装置を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明に係る電−空変換装置を組み込んだ電−
空ポジショナのブロック説明図である。
【図3】本発明に係る電−空ポジショナにおけるポジシ
ョナの圧力状態および電−空変換装置に対する入力信号
を示す波形図である。
【図4】本発明に係る電−空変換装置を示す縦断面図で
ある。
【図5】本発明に係る電−空ポジショナの別の実施例の
要部説明図である。
【図6】従来例に係る電−空ポジショナの構成説明図で
ある。
【図7】従来例に係るノズルフラッパ機構を示す図であ
る。
【図8】従来例に係るノズルフラッパ機構の入力信号お
よびフラッパの変位状態を示す波形図である。
【図9】従来例に係るノズルフラッパ機構の分極の影響
を示す図である。
【符号の説明】
20…電−空変換装置 22…弁機構 24…ノズルフラッパ機構 34…ダイヤフラム 56…弁本体 74…フラッパ 80…バイモルフ型圧電素子 82…スプリング部材 92…電−空ポジショナ 98…マイクロプロセッサ 114…フェイルセーフ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中道 徹 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4−2−2 エスエムシー株式会社 筑波技術セン ター内 (56)参考文献 特開 昭60−112102(JP,A) 特開 昭56−81419(JP,A) 特開 昭59−178315(JP,A) 実開 昭62−199505(JP,U) 特公 平4−78932(JP,B2) 実公 昭44−25043(JP,Y1)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノンブリード型のノズルフラッパ機構によ
    ってノズル背圧を変化させ、弁体の開閉動作等を行う電
    −空変換装置において、 ノズルに当接、離間することにより、ノズル背圧室の背
    圧を変化させるフラッパと、前記フラッパを、常時、ノズル方向に向かって付勢する
    弾性部材と、 前記フラッパに対し所定間隔離間して設けられ、正負い
    ずれか一方の極性を有するパルスが印加されたときにの
    み変位するバイモルフ型圧電素子と、前記 バイモルフ型圧電素子に対して正負のパルスを印加
    する制御機構と、 を備え、前記バイモルフ型圧電素子は、前記フラッパに
    当接することにより前記弾性部材の弾発力に打ち勝って
    前記ノズルからフラッパを離間させることを特徴とする
    電−空変換装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電−空変換装置において、 前記弾性部材は、ノズルの軸線上に配設されていること
    を特徴とする電−空変換装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の電−空変換装置に
    おいて、 前記制御機構からバイモルフ型圧電素子に対して印加さ
    れるパルスを連続させた駆動信号は、振幅が同一であり
    且つ正負それぞれのパルス幅の総和が同一であることを
    特徴とする電−空変換装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の電−空
    変換装置を用いたアクチュエータシステムであって、 前記電−空変換装置をアクチュエータのパイロット弁と
    して使用し、一方の電−空変換装置をアクチュエータの
    流体供給側に、他方の電−空変換装置をアクチュエータ
    の流体排出側に配設することを特徴とするアクチュエー
    タシステム。
  5. 【請求項5】請求項4記載のアクチュエータシステムに
    おいて、 前記アクチュエータに作用する流体圧力、あるいは前記
    アクチュエータの変位量を検出する検出装置を設け、前
    記検出装置の出力信号を制御装置に入力し、外部から入
    力された入力信号との偏差信号を求め、前記偏差信号に
    基づいてバイモルフ型圧電素子を制御することを特徴と
    するアクチュエータシステム。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載のアクチュエータシ
    ステムにおいて、 前記制御装置は、電源を有するフェルセーフ装置を備
    え、前記電源は、アクチュエータシステムに対応して供
    給側あるいは排気側の電−空変換装置に接続されること
    を特徴とするアクチュエータシステム。
  7. 【請求項7】請求項6記載のアクチュエータシステムに
    おいて、 前記電源は、電池またはコンデンサであることを特徴と
    するアクチュエータシステム。
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