JP2622165B2 - ゲルマニウム酸ビスマス単結晶の製造方法 - Google Patents

ゲルマニウム酸ビスマス単結晶の製造方法

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JP2622165B2 JP63227859A JP22785988A JP2622165B2 JP 2622165 B2 JP2622165 B2 JP 2622165B2 JP 63227859 A JP63227859 A JP 63227859A JP 22785988 A JP22785988 A JP 22785988A JP 2622165 B2 JP2622165 B2 JP 2622165B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はゲルマニウム酸ビスマス単結晶およびその製
造方法、特には光学用、γ線シンチレータ用として有用
とされる式Bi4Ge3O12で示されるゲルマニウム酸ビスマ
ス単結晶の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 式Bi4Ge3O12で示されるゲルマニウム酸ビスマス単結
晶は光学用、γ線シンチレータ用として使用されてお
り、このものは酸化ビスマス(Bi2O3)、二酸化ゲルマ
ニウム(GeO2)粉とを混合し、これをルツボ中で加熱し
溶融すると、次式 2Bi2O3+3GeO2→Bi4Ge3O12 のように反応してBi4Ge3O12となるので、種結晶を浸漬
し、チャクラルスキー法により単結晶引上げ法によって
製造されている。しかし、このチャクラルスキー法によ
る単結晶育成法ではその結晶成長過程において成長中の
結晶の固液界面における温度のゆらぎおよび不純物の蓄
積による結晶成長速度のゆらぎが起り、これによって結
晶中に取り込まれる液体が凝固する際に固体と液体との
密度差等の原因によるボイドが帯状に発生し、これが結
晶中に取り込まれるためにこの空隙が光の散乱体とな
り、得られる単結晶体の結晶品質を低下させると共に結
晶化歩留りを低下させるという不利がある。
そのため、このようなボイドの発生を防止する方法も
各種提案されており、これについては例えば引上げ時の
種結晶の回転数を40〜60rpmとして成長結晶の直径Dと
結晶の固液界面の凸出高Hとの比H/Dを−0.2〜0.2の範
囲となるようにし固液界面の平坦化を画ってボイドの発
生量を少なくするという方法も知られている(特公昭58
−49517号公報参照)が、これには直径の大きい長尺の
単結晶を成長させることができないという不利があり、
このボイドの発生は完全には解決されていない。
[発明の構成] 本発明はこのような不利を解決したゲルマニウム酸ビ
スマス単結晶(以下BGOと略記する)およびその製造方
法に関するもので、これは酸化ビスマスと二酸化ゲルマ
ニウムとの混合融液または酸化ビスマスと二酸化ゲルマ
ニウムとの混合焼成体の融体から単結晶を引上げるに当
たり、この二酸化ゲルマニウムを本質的に低温型酸化ゲ
ルマニウムよりなるものとし、高温型酸化ゲルマニウム
の量を10重量%以下としたものとし、これと酸化ビスマ
スとの混合融液または酸化ビスマスとこの二酸化ゲルマ
ニウムとの混合焼成体の融液にゲルマニウム酸ビスマス
単結晶(Bi4Ge3O12)の種結晶を浸し、これを回転させ
ながら引き上げて単結晶棒を得ることを特徴とするもの
である。
すなわち、本発明者らはBi4Ge3O12のチョクラルスキ
ー法による単結晶引上げ時におけるボイドの発生を防止
する方法について種々検討した結果、酸化ビスマス(Bi
2O3)、二酸化ゲルマニウム(GeO2)粉末を溶融して得
られるこれらの混合融体または酸化ビスマス粉末と二酸
化ゲルマニウム粉末とを混合し、これを700〜1,000℃に
焼成して得た混合焼成体の融液からチョクラルスキー法
でBGOを得る方法において、この二酸化ゲルマニウムを
本質的に低温型酸化ゲルマニウムからなるものとし、こ
れに含有されている高温型酸化ゲルマニウムの量を10重
量%以下とすれば結晶成長中におけるボイドの発生が少
なくなるので、光の透過率が高く、散乱体を含まない品
度のよいBGOを得ることができることを見出すと共に、
無色透明でボイドの少ないものが得られることを確認し
て本発明を完成させた。
以下にさらにこれを詳述する。
本発明は上記したように酸化ビスマスと二酸化ゲルマ
ニウムの混合融体また酸化ビスマスと二酸化ゲルマニウ
ムとの混合焼成体の融液からチョクラルスキー法でBGO
を引上げるものであるが、この方法は基本的には公知の
方法に準じて行えばよい。
したがって、本発明の方法において出発原料とされる
酸化ビスマス(Bi2O3)、二酸化ゲルマニウム(GeO2
はできるだけ高純度のものとすることがよく、これらは
純度が99.99%以上のものとすることが好ましいが、こ
れらはチョクラルスキー法による単結晶引上げのために
平均粒径が50μm以下に粉砕した酸化ビスマス(Bi
2O3)と二酸化ゲルマニウム(GeO2)とを当量宛混合し
てから1,050℃以上に加熱して混合融液とすればよく、
これらは酸化ビスマスと二酸化ゲルマニウムとを混合し
たのち700〜1,000℃で焼成して混合焼成体としてから1,
050℃以上に加熱して融液としてもよい。なお、この融
液からBGOを引上げるために使用される種結晶は従来法
で得られたBGOの単結晶から切り出した5mm×5mm程度の
ものとすればよい。
しかし、本発明の方法ではここに使用される二酸化ゲ
ルマニウムを本質的に低温型ゲルマニウムからなるもの
とし、高温型ゲルマニウムの含有量が10重量%以下のも
のとすることが必要とされる。すなわち、この酸化ゲル
マニウムは熱転移点が1,033℃のものであるが、これに
は融点が1,116℃で結晶構造がセキエイ型(32)であ
り、水溶性である低温型のものと、融点が1,086℃で結
晶構造がルチル型(64)であり、水に不溶性である高温
型の2種類があることが知られており、通常これらは混
在しているのであるが、本発明者らの実験によれば二酸
化ゲルマニウムを酸化ビスマスと共に融解し、この融液
からBGOを引上げるときに、この二酸化ゲルマニウムを
高温型の酸化ゲルマニウムが多量に含まれているものと
するとボイドが発生するが、これを低温型の酸化ゲルマ
ニウムを主体とするものとするとボイドの発生すること
がないことが見出されたので、ここに使用する二酸化ゲ
ルマニウムは本質的に低温型酸化ゲルマニウムからなる
ものとし、高温型酸化ゲルマニウムの量は10重量%以下
のものとすることが必要とされ、事実これによれば単結
晶引上げ時におけるボイドの発生が少なくなるので品質
のよいBGOを容易に得ることができるという有利性が与
えられる。
また、本発明の方法で得られるBGOは式Bi4Ge3O12で示
されるゲルマニウム酸ビスマスを主成分とするものであ
るが、ここに使用する二酸化ゲルマニウムを高温型酸化
ゲルマニウムを多量に含有するものとするとこのときに
得られるBGOはボイドが多量に発生するとともに、式Bi
12GeO20で示されるゲルマニウム酸ビスマスを含有する
ものとなり、これによって黄色や赤色などの着色を呈す
るようになるので、この点からも二酸化ゲルマニウムは
低温型酸化ゲルマニウムを主成分とするものとすること
が必要とされる。
つぎに本発明の実施例をあげるが、例中で使用した二
酸化ゲルマニウム中における高温型酸化ゲルマニウムの
含有率は下記の方法による測定値を示したものであり、
得られたBGO結晶の評価方法は下記による結果を示した
ものである。
(GeO2中の高温型GeO2量の測定法) 二酸化ゲルマニウム(GeO2)を濃塩酸に加熱溶融する
と低温型酸化ゲルマニウムは溶解し、高温型酸化ゲルマ
ニウムは不溶解残渣となるので、GeO2を濃塩酸に加熱溶
融し、そのときの不溶解残渣の重量を求め、処理前の重
量との比(%)を求めた。
(BGO残渣の評価法) 30.00×30.00×50.00mmの製品ブロックが何個切り出
させるかによって評価するが、この場合ボイド状介在物
が30.00×30.00mmの面内の半分以上はないこととした。
また、この評価は第1表に示した。なお、表中の結晶
評価は外観の状態とボイドの量より評価した。
実施例1〜5,比較例1 平均粒径が50μmである純度99.999%の酸化ビスマス
(Bi2O3)と、高温型酸化ゲルマニウムの含有量が第1
表に示した量である6種類の二酸化ゲルマニウム(Ge
O2)とをBGOが32kgとなる量で混合し、これを直径200m
m、深さ200mmの白金るつぼに装入し、高周波誘導加熱を
用いて1,070℃に加熱して溶融させた。
ついでこの混合融液に5mm×5mmのBi4Ge3O12の種結晶
を浸漬し、0.5〜3mm/時の速度で引上げて結晶径110mmの
Bi4Ge3O12の単結晶棒(12.5kg)を引上げ、得られた単
結晶の結晶評価をしたところ、第1表に併記したとおり
の結果が得られた。
また、X線回折の結果、実施例1〜5のサンプルはい
ずれもBi4Ge3O12が主成分で3.0%以下の微量のBi12GeO
20が見出されたが、比較例1のサンプルはBi4Ge3O12
にBi12GeO20が5%以上存在していることが判った。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化ビスマスと二酸化ゲルマニウムとの混
    合融液、または酸化ビスマスと二酸化ゲルマニウムとの
    混合焼成体の融液から単結晶を引上げるに当り、この二
    酸化ゲルマニウムを本質的に低温型酸化ゲルマニウムよ
    りなるものとして高温型酸化ゲルマニウムの量が10重量
    %以下のものとし、これと酸化ビスマスとの混合融体ま
    たはその混合焼成体の融液から引き上げて単結晶を得る
    ことを特徴とするゲルマニウム酸ビスマス単結晶の製造
    方法。
JP63227859A 1988-09-12 1988-09-12 ゲルマニウム酸ビスマス単結晶の製造方法 Expired - Lifetime JP2622165B2 (ja)

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JPS5933560A (ja) * 1982-08-19 1984-02-23 Fujitsu Ltd 障害情報フアイルの自動検索方式

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