JP2787995B2 - 四ほう酸リチウム単結晶の製造方法 - Google Patents

四ほう酸リチウム単結晶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は四ほう酸リチウム単結晶
の製造方法、特にはSAWデバイスの作製に有用とされ
る四ほう酸リチウム単結晶の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、SAWデバイス用の単結晶材料と
してはタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶、
四ほう酸リチウムなどが実用化されており、これらの単
結晶のなかでは四ほう酸リチウムが電気機械結合係数が
比較的大きく、かつデバイスの周辺温度の変動に伴なう
特性変化が非常に小さいことから、コードレス電話器、
自動車電話器に用いられるフィルターに有用な材料とさ
れている。
【0003】そして、この四ほう酸リチウム単結晶は、
一般にチョコラルスキー法もしくはブリッジマン法によ
って融液から成長させ、この単結晶を円柱状に加工し、
さらに一定の結晶面方位を有するウエーハ状に切断し、
研磨した基板の形で各種デバイス用に提供されており、
例えばSAWデバイスはこのようにして製作されたウエ
ーハ基板上に主としてAlからなる電極を形成したの
ち、四角形のチップを切り出すことによって作られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、四ほう酸リチ
ウム単結晶を得る目的において四ほう酸リチウム多結晶
などからなる融液からチョコラルスキー法またはブリッ
ジマン法で四ほう酸リチウム単結晶を成長させると、セ
ル成長が容易におきて気泡状の介在物が単結晶に混入し
て結晶欠陥が生じ易いという問題点があるので、この気
泡状介在物の発生を抑制するためにこの原料を灼熱減量
が0.01重量%以下のものを用いるという方法が提案され
ている(特開昭58-55398号公報参照)が、この方法だけ
ではセル成長の抑制が不十分であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決できる四ほう酸リチウム単結晶の製造方法に関す
るものであり、これは融液から四ほう酸リチウム単結晶
を成長させる方法において、融液原料として四ほう酸リ
チウム結晶のほう素元素と置換することができる元素の
総量が5ppm 以下であるものを原料を用いることを特徴
とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らはSAWデバイス用
の四ほう酸リチウム単結晶の成長方法について種々検討
し、四ほう酸リチウム結晶を成長させるための融液原料
中の不純物濃度を変化させてこの不純物濃度をICP法
で分析し、その値と結晶のテイル部にみられるセル成長
との関係をしらべた結果、融液原料として四ほう酸リチ
ウム結晶のほう素元素と置換することができる元素の総
量が5ppm 以下のものを使用すればセル成長が起き難く
なることを見出して本発明を完成させた。以下にこれを
さらに詳述する。
【0007】
【作用】本発明は四ほう酸リチウム単結晶の製造方法に
関するものであり、これは融液から四ほう酸リチウム単
結晶を成長させる方法において、融液原料として四ほう
酸リチウム結晶のほう素元素と置換することができる元
素の総量が5ppm 以下であるものを原料とすることを特
徴とするものであるが、これによれば四ほう酸リチウム
単結晶に混入して結晶欠陥を生じさせるセル成長の発生
を防止することができるので、目的とする四ほう酸リチ
ウム単結晶を結晶欠陥のないものとして容易に得ること
ができるという有利性が与えられる。
【0008】本発明による四ほう酸リチウム単結晶の製
造は公知のチョコラルスキー法またはブリッジマン法で
行なわれる。このチョコラルスキー法、ブリッジマン法
ではいずれの場合も原料物質としての四ほう酸リチウム
多結晶体の所定量を白金ルツボに仕込み、これを加熱溶
融して溶融するのであるが、この四ほう酸リチウム多結
晶体はできるだけ高純度のものとすることがよいので、
通常は純度が 99.95%以上のものとされるが、これは予
じめ育成した単結晶を原料としてもよい。
【0009】このチョコラルスキー法では白金ルツボに
仕込まれた原料物質が高周波誘導加熱炉内で 950℃で溶
融され、この溶融原料に方位 <110>の種結晶が浸漬さ
れ、この種結晶の引上げで四ほう酸リチウム単結晶が成
長され、ブリッジマン法では白金ルツボ中に仕込まれた
原料物質がヒーターで 920〜 980℃に加熱されて溶融さ
れ、この溶融原料に種結晶が接触され、この白金ルツボ
を低温部に引き下げるという方法で白金ルツボ中に四ほ
う酸リチウム単結晶が成長される。
【0010】しかし、この場合、通常はこの四ほう酸リ
チウム単結晶の成長時にセル生長が発生して気泡状の介
在物が単結晶に混入し、結晶欠陥が生じ易くなるという
ことから、本発明者らはこの融原料中の不純物を変化さ
せ、このときの不純度濃度をICP法で分析し、その値
と結晶ののテイル部にみられるセル成長との関係を詳細
にしらべたところ、融液原料としての四ほう酸リチウム
多結晶中にほう素元素と置換し得る元素、例えばアルミ
ニウム、けい素が存在すると、四ほう酸リチウム結晶の
ほう素と酸素とで構成される3次元的な結晶の編目構造
にこの不純物原子が取り込まれる結果、その編目構造が
壊われ、これがセル成長の原因になるということを見出
し、このほう素元素と置換し得る元素の総量を5ppm 以
下とすればこのセル生長の発生が抑制できるということ
を確認した。
【0011】したがって、本発明では四ほう酸リチウム
単結晶製造時における原料としての四ほう酸リチウム多
結晶中のほう素と置換し得る元素、例えばアルミニウ
ム、けい素の量を5ppm 以下とすることを特徴とするも
のであるが、この四ほう酸リチウム結晶のリチウムと置
換し得る元素、例えばナトリウム、マグネシウム、チタ
ン、バナジウム、ニオブ、タンタルといった不純物は 1
0ppmと比較的多く含まれていても、セル成長に関係がな
いものと考えられるので、この不純物については何も規
制する必要はない。
【0012】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 特別に用意した高純度の原料、すなわち純度5Nの炭酸
リチウムとほう酸とを所定のモル比となるように秤量
し、混合したのち 500℃で仮焼し、これを直径 100mm、
高さ 100mmの白金ルツボに 1,200g入れ、高周波誘導炉
内で 950℃で溶融させ、この融液原料から白金製の治具
でその一部をすくいとってICP分析用の試料とした。
【0013】ついで、この融液に方位 <110>の5mm角の
種結晶としての四ほう酸リチウム単結晶を浸漬し、結晶
回転数5rpm 、引上げ速度 1.0mm/時で種結晶を引上げ
て直径60mm、直胴長さ 100mmの四ほう酸リチウム単結晶
を育成し、そのテイル部を観察したところ、これにはセ
ル成長は認められなかった。なお、この場合における融
液中の不純物量は後記する表1に示したようにAl、S
iが2ppm であった。
【0014】実施例2 特別に用意した高純度の原料、すなわち純度5Nの炭酸
リチウムとほう酸とを所定のモル比となるように秤量
し、混合したのち 500℃で仮焼し、この一部をICP分
析用の試料とした。この仮焼した原料をブリッジマン用
の直径50mm、長さ 100mmの白金ルツボに 500g入れ、直
径5mm、長さ50mmの <110>方位の四ほう酸リチウム単結
晶を種管に挿入し、種を溶かなように 920℃で原料を溶
解した。
【0015】ついで、単結晶育成炉の育成方向の温度勾
配を10℃/cmに設定し、降下速度を0.5mm/時として 10
0mm移動させて単結晶を育成させ、降温後白金ルツボを
破いて単結晶を取り出し、育成終端を観察したところ、
これに気泡状の介在物の存在は認められなかった。な
お、この場合における融液中の不純物量は後記する表2
に示したようにAl、Siが2ppm であった。
【0016】実施例3〜6、比較例1〜8 上記した実施例1、2における高純度原料に表1、2に
示される不純物量となるように不純物を添加してこれを
ICP分析法で分析し、これから実施例1、2によるチ
ョコラルスキー法またはブリッジマン法で四ほう酸リチ
ウム単結晶の育成を行ない、得られた単結晶のセル成長
を観察したところ、つぎの表1、表2に示したとおりの
結果が得られた。
【0017】
【表1】
【表2】
【0018】
【発明の効果】本発明は四ほう酸リチウム単結晶の製造
方法に関するものであり、これは前記したように融液か
ら四ほう酸リチウム単結晶を成長させる方法において、
融液原料として四ほう酸リチウム結晶のほう素元素と置
換することができる元素の総量を5ppm 以下としたもの
を原料とすることを特徴とするものであり、これによれ
ば四ほう酸リチウム単結晶に混合して結晶欠陥を生じさ
せるセル成長の発生を防止することができるので、目的
とする四ほう酸リチウム単結晶を結晶欠陥のないものと
して容易に得ることができるという有利性が与えられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H03H 1/00 - 9/76

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融液から四ほう酸リチウム単結晶を成長さ
    せる方法において、融液原料として四ほう酸リチウム結
    晶のほう素元素と置換することができる元素の総量が5
    ppm以下であるものを原料とすることを特徴とする四ほ
    う酸リチウム単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】四ほう酸リチウム結晶のほう素元素と置換
    することができる元素がアルミニウムまたはけい素であ
    る請求項1に記載した四ほう酸リチウム単結晶の製造方
    法。
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