JP2621974B2 - 焼入装置 - Google Patents

焼入装置

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JP2621974B2
JP2621974B2 JP1045429A JP4542989A JP2621974B2 JP 2621974 B2 JP2621974 B2 JP 2621974B2 JP 1045429 A JP1045429 A JP 1045429A JP 4542989 A JP4542989 A JP 4542989A JP 2621974 B2 JP2621974 B2 JP 2621974B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加熱炉内で高温に加熱された金属製品を,
冷却槽内の冷却液中に浸漬して急冷する焼入装置に関す
る。
〔従来の技術〕
従来の焼入装置は、第5図に示すように、加熱炉51の
正面に設けた出入口の開閉扉52を開けて当該加熱炉51内
から水平方向に引き出された金属製品Wを、冷却槽53内
に配設された昇降台54に載せたり、冷却槽53の上方から
吊り下げられた昇降ケージ(図示せず)に載せて、冷却
液中に落とし込む方式が一般的である(実開昭63−1832
57号,特公昭62−23055号,実公昭63−6202号,実公昭6
3−19312号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、焼入の品質を高めるには、加熱完了した金
属製品Wをできるだけ短時間で急冷しなければならな
い。
しかし、従来一般の方式では、加熱炉51内で高温に加
熱された金属製品Wを冷却槽53内に浸漬するまでに、ま
ず、加熱炉51の開閉扉52を開放し、次いで、当該加熱炉
51内から金属製品Wを水平方向に引き出して昇降台54に
載せ、その後、当該昇降台54を冷却槽53内に向かって垂
直に降下させるという三段階の動作が必要となるから、
加熱完了した金属製品を冷却するまでにかなりの時間を
要していた。
殊に、重量のある金属製品Wは、これを加熱炉51内か
ら勢いよく引き出すと、大きな反動を生ずるので、衝撃
を避けるためにゆっくりと引き出さざるを得ず、加熱完
了してから冷却液中に浸漬するまでに時間がかかり、焼
入の品質が低下するという問題があった。
なお、本出願人は、加熱炉から引き出された金属製品
Wを瞬時に冷却槽内に落とし込む手段として、昇降台54
や昇降ケージに代え、冷却槽53の底部に単動ラムを上下
動させるシリンダを設け、加熱完了した金属製品Wを単
動ラムの上端に設けられた受台に載せて落とし込む装置
を提案したが(実公昭62−17466号公報参照)、この場
合には、シリンダを地下深くまで掘り下げて埋設しなけ
ればならないから、設備費が著しく嵩むという問題があ
った。
そこで本発明は、比較的安価な設備費で、加熱完了し
た金属製品を従来よりも素早く冷却槽内に落とし込める
ようにすることを技術的課題としている。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するために、本発明は、加熱炉内で高
温に加熱された金属製品を、冷却槽内の冷却液中に浸漬
して急冷する焼入装置において、冷却槽の真上に配設さ
れた加熱炉の底部に、金属製品の出入口が開口せられる
と共に、当該出入口を閉鎖する開閉扉が設けられ、加熱
炉内には、金属製品を吊り下げて加熱炉と冷却槽との間
に到来した搬送台に対して係脱自在に連結されて、当該
搬送台に吊り下げられた金属製品を加熱炉内と冷却槽内
に送り込む昇降用チェーンが垂設されていることを特徴
としている。
〔作用〕
本発明によれば、金属製品を吊り下げた搬送台が、冷
却槽とその真上に配設された加熱炉との間に到来する
と、まず、加熱炉の底部に設けられた開閉扉が開放さ
れ、次に、加熱炉内に垂設された昇降用チェーンが降下
して搬送台に連結される。
そして、昇降用チェーンが上昇し、当該チェーンを連
結した搬送台に吊り下げられている金属製品が加熱炉内
に送り込まれると、当該加熱炉の開閉扉が閉鎖されて金
属製品の加熱が開始される。
金属製品の加熱が完了すると、加熱炉の開閉扉が開放
されると同時に、昇降用チェーンが降下されて、高温に
加熱された金属製品が、搬送台に吊り下げられた状態で
冷却槽内に送り込まれ、当該冷却槽に貯留された冷却液
中で急冷される。
したがって、加熱完了した金属製品を冷却槽内に送り
込む動作が、加熱炉の開閉扉を開放する動作と、昇降用
チェーンを降下させる動作の二段階で足り、加熱完了か
ら冷却までの時間が従来よりも大幅に短縮されて焼入品
質が向上する。
殊に、本発明によれば、加熱完了した金属製品が、加
熱炉の底部に開口せられた出入口から垂直に降下され
て、そのまま真下にある冷却槽内に送り込まれるから、
当該金属製品が重量の嵩む大型の製品であっても、これ
を加熱炉内から素早く出す時に反動や衝撃を生ずること
がない。
また、加熱炉内の高温空気は、外部の空気に比してそ
の比重が軽いので、加熱炉の底部に開口された出入口の
開閉扉を開放しても、外部に流出することが少ない。し
たがって、加熱炉内に垂設された昇降用チェーンにより
金属製品を冷却槽に送り込んで冷却する間、開閉扉が開
放されていても、加熱炉内の熱損失は極めて少ない。
そして、上記の構成に加えて、加熱炉と冷却槽との間
に、その間に到来した搬送台の左右両端を支持する位置
と、昇降用チェーンで冷却槽内に送り込まれた金属製品
を吊り下げる搬送台の左右両端を受け止める位置との間
で往復昇降せられる左右一対の昇降架台を設ければ、冷
却槽内に送り込まれた金属製品を吊り下げている搬送台
が昇降架台に受け止められた時に、当該搬送台から昇降
用チェーンを外し、当該チェーンだけを加熱炉内にまで
上昇させて加熱炉の開閉扉を閉鎖することができるか
ら、炉内の温度低下を確実に防止して、省エネルギー、
ランニングコストの節約を図ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて具体的に
説明する。
第1図は本発明による焼入装置の正面図、第2図はそ
の側面図、第3図及び第4図は要部を示す正面図及び側
面図である。
図中、1は金属製品Wを左右の側壁に設けられた電熱
ヒータHで高温に加熱する加熱炉であって、金属製品W
を吊り下げた搬送台2が搬入出される搬入出ゾーンZの
真上に設けられると共に、当該搬入出ゾーンZの真下に
は、前記加熱炉1内で高温に加熱された金属製品Wを急
冷する冷却液の入った冷却槽3が形成されている。
加熱炉1の底部には、金属製品Wの出入口4が開口せ
られると共に、当該出入口4に沿って水平に配設された
レール5に開閉扉6R及び6Lが摺動自在に設けられてい
る。
開閉扉6R及び6Lは、レール5の両端に配設されたスプ
ロケット7R及び7Lに巻き掛けされたチェーン8R及び8Lに
連結され、シリンダ9のピストンロッド10を伸縮させる
ことにより、当該ピストンロッド10のラック10aに係合
された前記スプロケット7Lが正逆回転されて、開閉され
るようになされている。
また、加熱炉1の天井部からは、金属製品Wを吊り下
げて搬入出ゾーンZに到来した搬送台2に対して係脱自
在に連結される昇降用チェーン11,11…が、搬送台2の
上面に取り付けられたUボルト2a,2a…の位置に対応し
て複数本垂設されている。
各昇降用チェーン11は、例えば、ローラチェーンのよ
うに捻じれを生じにくいものが使用されて、その先端に
は搬送台2に取り付けられたUボルト2aに引っ掛けるフ
ック11aが取り付けられている。
なお、12は、昇降用チェーン11を駆動するシリンダで
あって、そのピストンロッド12aの先端に取り付けられ
た一対の動滑車12b及び12cを進退させることにより、定
滑車11bを正逆回転させて昇降用チェーン11を昇降する
ように成されている。
13は、搬送台2の左右両端を支持する左右一対の昇降
架台であって、搬入出ゾーンZに到来した搬送台2の左
右両端を支持する移送位置P1と、昇降用チェーン11で冷
却槽3内に送り込まれた金属製品Wを吊り下げている搬
送台2の左右両端を受け止める冷却位置P2との間で往復
昇降されるようになされている。
すなわち、昇降架台13は、まず、搬送台2が搬入出ゾ
ーンZに到来した時に、移送位置P1において前記搬送台
2を案内支持し、次に、当該搬送台2が昇降チェーン11
で加熱炉1内に引き上げられて金属製品Wが加熱炉1内
で加熱されている間に、冷却位置P2まで降下し、次い
で、金属製品Wが冷却槽3内に送り込まれた時に、冷却
位置P2でこれを受け止め、そして、焼入が終了した時点
で、搬送台2と共に金属製品Wを搬入出ゾーンZまで引
き上げるように成されている。
第3図は、昇降架台13の昇降駆動装置14を示す正面図
であって、モータ15により上下方向に走行されるチェー
ン16の先端に連結された昇降架台13を、案内レール17に
沿って移送位置P1及び冷却位置P2間を昇降するように成
されている。
案内レール17は、シリンダ18で駆動されるリンク機構
19によってその下端部17aが外側へ折れ曲がるように成
されている。
即ち、昇降架台13はレール17の内側に突出しているの
で、冷却位置P2まで降下して待機しているときに、加熱
炉1から冷却槽3内に送り込まれる金属製品Wが昇降架
台13に当たらないようにするため、レール下端部17aが
外側に折り曲げられて当該架台13が下向きに回動して退
避する。
そして、金属製品Wが冷却槽3内に送り込まれて搬送
台2が冷却位置P2に達する直前に、再びレール下端部17
aが伸直状態に戻され、昇降架台13が内側に突出されて
搬送台2を受け止めるように成されている。
また、第4図は、冷却位置P2において昇降架台13に受
け止められた搬送台2から昇降用チェーン11を外す解除
装置20を示す側面図であっる。
当該解除装置20は、昇降架台13の長手方向に沿って搬
送台2を所定距離だけ押して移動させるスライダ21と、
当該スライダ21を進退させるシリンダ22等からなる。
スライダ21は、上向きに回動するように後端部23aが
支持された水平レール23上を走行するように成され、当
該スライダ21の先端に搬送台2を押す突起24が設けられ
ると共に、上端には前記水平レール23の支点23a位置か
ら偏倚してシリンダ22のピストンロッド22aが連結され
ている。
したがって、ピストンロッド22aが収縮すると、スラ
イダ21が後退し、水平レール23の後端に達したところで
当該水平レール23がスライダ21を介して支点23aを中心
に上向きに回転し、冷却槽3に突出している部分が退避
するようになっている。
また、ピストンロッド22aが伸長した時は、水平レー
ル23が水平位置に戻り、当該水平レール23に沿ってスラ
イダ21が前進して、先端に設けられた突起24で搬送台2
を押すように成されている。
以上が、本発明の一例構成であり、次にその動作につ
いて説明する。
搬送台2から吊り下げられた金属製品Wを焼入処理し
ようとする場合は、加熱炉1の開閉扉6R及び6Lを開放し
た後に、昇降用チェーン11,11…を降下させ、搬送台2
が搬入出ゾーンZに到来したときに当該昇降用チェーン
11の先端のフック11aが搬送台2のUボルト2aに係合し
得る高さで待機させる。
そして、金属製品Wを吊り下げた搬送台2が搬入出ゾ
ーンZに到来すると、搬送台2はその左右両側が昇降架
台13に案内支持されると同時に、搬送台2の上面の各U
ボルト2aが昇降用チェーン11の各フック11aと夫々係合
される。
次いで、昇降用チェーン11,11…を引き上げると、金
属製品Wは搬送台2に吊り下げられた状態で加熱炉1内
に収容され、開閉扉6R及び6Lが閉じられて高温に加熱さ
れる。
この間に、昇降架台13は降下されて冷却位置P2で待機
する。
そして、加熱処理が完了した後、開閉扉6R及び6Lを開
放し、昇降用チェーン11を降下させて、金属製品Wを冷
却槽3内へ送り込む。
このように、加熱炉1が冷却槽3の真上にあるので、
金属製品Wを加熱炉1から冷却槽3へ送り込む際には、
加熱炉1の底部に設けられた開閉扉6R及び6Lを開放して
降下させるという二段階の動作だけでよく、しかも重量
の嵩む金属製品Wであってもを水平に移動させる必要が
ないので、極めて短時間で冷却槽3内に送り込むことが
できる。
また、通常時は冷却槽3の周縁から内側に向かって突
出している昇降架台13や解除装置20が、金属製品Wを冷
却槽3内に送り込む際に退避するので、冷却槽3の許容
寸法いっぱいの大きな金属製品Wを焼入するときでも、
当該金属製品Wが昇降架台13や解除装置20に当たって傷
付くことがない。
そして、搬送台2が冷却位置P2に降下される直前に、
退避されていた昇降架台13が原位置に復帰して、搬送台
2が受け止めらる。
その後、昇降用チェーン11,11…をさらに降下させ
て、搬送台2を移動すればフック11aとUボルト2aとの
係合が外れる高さまで降下させる。
ここで、解除装置20のシリンダ22を起動し、スライダ
21を前進させて搬送台2を押して所定距離移動させる
と、昇降用チェーン11と搬送台2との係合が解かれ、そ
の後昇降用チェーン11を加熱炉1内に収容して、開閉扉
6R及び6Lを閉じる。
なお、開閉扉6R及び6Lは加熱炉1の底部に設けてある
ので、これを開放していても、加熱炉内の高温空気が外
部に流出することが少ないが、上述のように、開閉扉6R
及び6Lを閉鎖すれば、より、省エネルギーの効果が大き
い。
そして、冷却が終了したら、昇降架台13を移送位置P1
まで上昇させて、処理の終了した金属製品Wを搬送台2
ごと搬入出ゾーンZに引き上げた後、次工程に搬出して
焼入作業を終了する。
なお、上記実施例のように、金属製品Wは、搬送台2
に吊り下げられて処理される場合に限らず、例えば搬送
台2に設けられたケージに収納されて処理される場合で
あってもよい。
また、開閉扉6R及び6Lは水平に開閉される場合に限ら
ず、例えば観音開き等任意の開閉方式を採用することが
できる。
〔効果〕
以上述べたように、本発明によれば、加熱炉の底部に
設けられた開閉扉を開けると同時に昇降用チェーンを降
下させて、高温に加熱された金属製品を加熱炉の真下に
設けられた冷却槽内に送り込むようにしているので、加
熱炉から引き出して冷却槽に送り込むまで、開閉扉の開
放と金属製品の降下という二段階の動作で足り、しかも
加熱炉と冷却槽が上下に配設されているので、金属製品
を冷却槽内に送り込む際に昇降用チェーンを降下させれ
ば済むので、加熱炉から搬出して冷却槽に搬入するまで
の時間が極めて短縮され、焼入の品質を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る焼入装置を示す正面図、該2図は
その側面図、第3図及び第4図は夫々要部を示す正面図
及び側面図、第5図は従来の焼入装置の概略構成図であ
る。 符号の説明 W……金属製品、Z……搬入出ゾーン、1……加熱炉、
2……搬送台、3……冷却槽、4……出入口、6R,6L…
…開閉扉、11……昇降用チェーン、13……昇降架台。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱炉(1)内で高温に加熱された金属製
    品(W)を、冷却槽(3)内の冷却液中に浸漬して急冷
    する焼入装置において、冷却槽(3)の真上に配設され
    た加熱炉(1)の底部に、金属製品の出入口(4)が開
    口せられると共に、当該出入口を閉鎖する開閉扉(6R,6
    L)が設けられ、加熱炉(1)内には、金属製品(W)
    を吊り下げて加熱炉(1)と冷却槽(3)との間に到来
    した搬送台(2)に対して係脱自在に連結されて、当該
    搬送台(2)に吊り下げられた金属製品(W)を加熱炉
    (1)内と冷却槽(3)内に送り込む昇降用チェーン
    (11)が垂設されていることを特徴とする焼入装置。
  2. 【請求項2】加熱炉(1)と冷却槽(3)との間に、そ
    の間に到来した搬送台(2)の左右両端を支持する位置
    (P1)と、前記昇降用チェーン(11)で冷却槽(3)内
    に送り込まれた金属製品(W)を吊り下げる搬送台
    (2)の左右両端を受け止める位置(P2)との間で往復
    昇降せられる左右一対の昇降架台(13)が設けられた前
    記特許請求の範囲第1項記載の焼入装置。
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JPH02225617A JPH02225617A (ja) 1990-09-07
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