JP2621833C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3電極形ACガス放電パネルの駆動方法に関し、大形表示,カラー
表示を可能とする、高速な駆動方法である。 【0002】 【従来の技術】 本発明に関連する技術を、本発明者らはすでに特開昭55-113237,特開昭57-787
51,特開昭60-220393,特開昭61-144694 および特開昭62-22352などで開示してい
る。 図5に本発明の対象となる3電極形ACガス放電パネルの1例を示し、そのパ ネルの従来の駆動法を図3「従来の消去アドレスの方法」で示すと共に、その結
果表示されるパターンを図4に示した。 【0003】 図5に示すガス放電パネルは、前記の特開昭62-22352に開示された面放電パネ
ルであり、一方の基板1上に、平行に配された表示電極部を有する電極対X,Y
と、該電極を誘電体層4で被覆した後セパレータ5の斜面上に前記電極対X,Y
と絶縁して表示電極部の近傍で交差する方向に配された選択電極Wを備え、一方
の表示電極Yと選択電極Wとの交点において選択セルを、表示電極対X,Yの表
示電極部間において表示セルを構成してなる上記3電極一組の電極セットをマト
リクス状に配列すると共に、スペーサ6を備えた他方の基板7を基板1上に気密
封止をして放電ガスを封入し、同一基板1上の表示電極面上で表示放電を行うよ
うに構成されている。 【0004】 上記パネルに用いる従来の駆動法を、図4に示す4セル×4セルの電極図、お
よびそのパネルを駆動するための波形図である図3を用いて説明する。 図4の記号X,Y,Wは図5の記号と一致しており、ただ電極の場所を示す算
用数字が前記記号に添字としてつけてある。 図4において記号 C11〜 C44は放電セルを代表する記号であり、○印は点火し
て表示中のセルであり、セルの位置で○印のない場所は不点火中のセルである。 【0005】 図3の縦軸はパネル印加電圧であり、横軸は時間軸である。前記したとおり左
欄に書いているWは選択電極,Xは一方の表示電極,Yは他方の表示電極であっ
て、添字は電極番号を表す。 タイミングを表すPは全セル活性化期間であり、S1は壁電荷を安定拡大する維
持期間であり、Qはアドレスラインのみ壁電荷極性を反転する反転期間であり、
Rは選択消去によるアドレス期間であり、S2は選択後の壁電荷を安定化する調整
期間である。選択電極の波形欄に左下がりハッチングで示した記号 A10〜 A40の
パルスは設定した選択消去パルスであり、他方の表示電極上に上記パルスと同タ
イミング、同ハッチングのパルス B10〜 B20は前記パルスに対応した選択消去パ ルスである。一方の表示電極上の右下がりにハッチングしたパルスPX20〜PX40は
一方の点火パルスであって、他方の表示電極Yに同じタイミングで印加される対
となるパルスPY20〜PY40と相呼応して該電極対上の全セルを点火する。 【0006】 なお、選択消去パルスの後に設けられた次の維持パルスとの間の空白時間dは
壁電荷消滅保証時間である。 消去アドレス時間T1〜T2の一つ前のサイクルにおいて、電極対X1,Y1上の全セ
ルは図示しない書き込みパルスPX10とそれに相呼応する維持パルスPY10によって
書き込まれ、点火状態にある。 【0007】 電極対X1,Y1上のセルは、期間PおよびS1において維持放電を続けた後、期間
Qにおいて電極X1にQX1なる壁電荷反転パルスを加え、電極対X1-Y1 上のセルの
み壁電荷極性を電極X1上で正に反転して、他の表示電極対と差別化しておく。 その後選択消去パルスA10,A30とそれと相呼応するY1電極上の選択消去パルス
B10とによって選択セルW1-Y1 ,およびW3- Y1は期間Rの初期に一旦放電を起こ
した後、該パルスが期間Rの中期にゼロ電圧ラインに復帰する付近において電荷
の再結合による消去放電を起こし、表示セル C11および C13は時間dの間に電荷
を中和により失って消え去り、選択パルスが印加されなかったセル C12および C
14のみが点火状態のまま残る。そしてこの後、安定化のため期間S2において壁電
荷を更新させておく。 【0008】 次の表示電極対X2,Y2の動作が上記表示電極対X1,Y1の動作と同時に進行して
いる。すなわち、X2電極上の全セル活性化パルスPX20と、それに相呼応するY電
極上の活性化パルスPY20とによって、今表示アドレスしようとしている電極X1,
Y1の次のアドレス対象の表示電極対X2,Y2上の全セルが期間Pにおいて活性化さ
れる。 【0009】 このように表示アドレスしようとする一つ前の電極対上の全セルを活性化しつ
つ、該手前の電極対を選択消去アドレスしていた。 その間、他の電極は維持電圧がかかっていて、点火または不点火の状態のまま、
すなわち前表示状態にあった。 以上今までは一対の表示電極に表示情報を書込む毎に全活性化、消去、維持と
いう全アドレスサイクルを繰り返していたので、ここに述べた一連の選択消去サ
イクル時間tに単位パルスの幅を4マイクロ秒として一つの表示電極対を書くの
に約40マイクロ秒がかっていた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 前記の表示時間40マイクロ秒/ラインではテレビジョン表示には遅すぎる。し
がも将来高品位TVを実現するには、1600×1000の画素トリオ(三原色画素)を持
つPDPを駆動しなければならない。 それには隣接する二ライン上に画素トリオを作るとして、3200×2000電極のP
DPを少なくとも256 階調の毎秒30画面で駆動しなければいけないと言われてい
る。そうすると、一つの表示電極対のアドレスに使える時間は、2.08マイクロ秒
以下という計算になる。 【0011】 本発明は、以上のような従来の状況から、表示アドレスに必要な駆動時間を短
くして高速アドレスを実現することを目的としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】 請求項1の発明に係る駆動方法は、誘電体層で覆われた面放電用の対となる平
行な二本の表示電極と、それに交差する方向の一つの選択電極との組で一画素を
構成し、該画素をマトリクス状に配設してテレビジョン表示可能な表示画面を構
成してなる3電極形ACガス放電パネルを、前記表示画面を構成する各画素列に
対応した表示電極対の片方を順次走査するとともに、該片方の表示電極と選択電
極との間に選択用のパルスを印加することによって、当該各画素列中の選択画素
を順次電極対対応に連続して表示アドレスする操作と、表示アドレスされた全て
の画素列を構成する全表示電極対のそれぞれの電極間に交番維持パルスを印加す
ることによって、前記表示画面を構成する全ての表示電極対上の画素列を対とな る表示電極間の面放電により 同時に表示維持する操作とを加えて1画面の表示が
行われるようにするとともに、前記表示アドレス操作に先立って表示画面全体の
画素を構成する全表示電極対のそれぞれの電極間にアドレス準備のパルスを同時
に印加して当該全表示電極対のそれぞれに面放電を発生させる操作を加えるよう
にした構成としている。 【0013】 壁電荷の存在,非存在の状態は、外部印加電圧を変えなければミリ秒程度から
秒の単位時間まで充分保存されることが判明してきた。 図1のように表示アドレス前の期間Pにおいて複数の表示電極対X1,Y1〜X4,
Y4をパルス対PX1,PY1・・・PX4,PY4で同時駆動することにより全セル活性化を
行う。この活性化により各セルの壁には一括して壁電荷が蓄積する、つまり各セ
ルを均一の壁電荷状態に規定し、後の表示電極対ごとの表示アドレスに対する準
備態勢がつくられる。この後の表示アドレス期間R中は、維持波形SPを挿入する
ことなしに表示電極対を次々と選択アドレスをして、前記複数の表示電極対の表
示すべきセルに対して壁電荷存在量(維持電圧が印加されたとき再放電が行なえ
る壁電荷量)を一括して規定(蓄積)する。これに引き続く表示維持期間は、表
示アドレスされた全ての表示電極対に対して交番維持電圧を同時に印加すれば、
前記した壁電荷量の蓄積されているセルは点火状態となり、壁電荷蓄積量の少な
いか無いセルは不点火状態となって所望の画面表示となる。 【0014】 このように表示アドレスの準備操作を共通化し、かつ維持電圧を挿入すること
なく表示アドレス操作をするように構成したので、表示アドレス時間を短縮する
ことができ、結果的に表示アドレスを高速にすることができる。 【0015】 【実施の形態】 図1は本発明の1実施例の駆動波形図であり、前述した消去アドレス駆動を例
にして示している。 図2はその駆動によって得られたパネル上の表示状態を示す。 図1において、選択電極W、タイミングP,S1,Q,R,S2など、一方の表示 電極X、他方の表示電極Y、選択消去サイクル時間t、その両端の時間T1,T2 な
どは、従来の方法の項で説明した図3と対応箇所が同じ記号で表現されているの
でそれらの説明は省略する。また図2では表示セルを記号Dで示している。 【0016】 選択電極Wの波形欄に示すパルスA1〜A4は選択消去パルスであり、上記パルス
に時間的に一致対応する他方の表示電極上のパルスB1〜B4は対応選択消去パルス
である。 表示電極におけるタイミングPのパルス PX1,PY1.....PX4,PY4などは表示ア
ドレスを準備するための全セル活性化パルスであり、SPは維持パルスである。m
はアドレスのために走査している最近電極間の選択消去パルス遅らせ時間、換言
すると選択パルス最小刻みであり、dは壁電荷消滅保証時間である。 【0017】 さて図1において、一度に複数の表示電極対、この場合はX1,Y1〜X4,Y4の全
電極をタイミングPにおいて対となるパルスPX1,PY1の合成電界によって該パネ
ルの全セル(16セル)を活性化し、タイミングS1において複数回維持放電させ安
定化した後、タイミングRにおいて表示しないセルのみ、消去アドレスを選択電
極上のパルスA1〜A4などと、他方の表示電極Y上の左下がり斜線でハッチングし
たパルスB1〜B4などとによって、維持パルスを挿入することなく、全セルについ
て走査していく。 【0018】 前記消去アドレス走査が全ライン終わった後すぐには維持パルスを挿入せず、
図1のdに示すように数マイクロ秒の休止期間を置くと、この休止時間に入った
直後に壁電荷による放電が発生し、該放電発生後の無電圧状態によって壁電荷の
減衰を促進させ、放電を維持し得ない壁電荷に減衰させるので表示セルの非点火
が完全となる。 【0019】 前記アドレスパルスA1...A4,B1...B4 などの走査電極対毎の遅らせ幅mは、目
的に応じて本印加パルスの立ち上がり時間幅の2〜3倍程度がら数マイクロ秒程
度として走査し、全活性化電極対について表示すべき放電セルのみを壁電荷存在 状態に電荷を残して行く。 期間S2においては消去アドレス後の安定化のために、複数の維持パルスを挿入
している。 【0020】 図1に示すように選択消去動作をして行くとパネルの表示は図2のようになり
、○印のセルD11,D12,D13,D21,D22,D31 の6つが表示状態となる。この表示
状態は、表示維持期間中全ての表示電極対に交番維持パルスを同時に印加するこ
とにより維持される。 なお、以上の方式は電極X1〜X4を共通化した構成のパネルにも適用できる。 【0021】 以上のようにアクセスをすると、単位の波形幅を4マイクロ秒、1画面の維持
電極対数をNとし、一度の選択消去に要する時間をUとし、選択消去サイクル時
間t、維持時間の合計をSとすると、 t=活性化時間(P+S)+選択消去時間(R) R=(UN)+4 マイクロ秒 S=S1+S2 をとって書くと単純平均選択消去サイクル時間は次のようになる。 U=1マイクロ秒としてt=1.7 マイクロ秒 U=4マイクロ秒としてt=4.7 マイクロ秒 【0022】 U=1マイクロ秒では、t= 1.7マイクロ秒と、目標数値であるt=2.08マイ
クロ秒を優に20%上回って本発明の目的は達せられた。 【0023】 【発明の効果】 本発明によりテレビジョンの画面表示に必要な表示ライン数を持つ大形面放電
形ガス放電パネルが高速アドレス可能となった。少なくとも3原色画素を要する
カラー表示においてはこのような高速アドレス法がぜひ必要となる。 【0024】 目標数値であるt=2.08マイクロ秒に対して、本発明によって得られた数値t = 1.7マイクロ秒は約20%小さいから、本発明を余裕をもって装置として実現で
きる。 またt= 4.7マイクロ秒も中小型パネルではカラーTV映像装置として充分使
用できる数値である。 【0025】 いままで長い寿命のフルカラー表示に難点があったACPDPも、この方式確
立によって、実用し得る駆動が可能となったと言える。
表示を可能とする、高速な駆動方法である。 【0002】 【従来の技術】 本発明に関連する技術を、本発明者らはすでに特開昭55-113237,特開昭57-787
51,特開昭60-220393,特開昭61-144694 および特開昭62-22352などで開示してい
る。 図5に本発明の対象となる3電極形ACガス放電パネルの1例を示し、そのパ ネルの従来の駆動法を図3「従来の消去アドレスの方法」で示すと共に、その結
果表示されるパターンを図4に示した。 【0003】 図5に示すガス放電パネルは、前記の特開昭62-22352に開示された面放電パネ
ルであり、一方の基板1上に、平行に配された表示電極部を有する電極対X,Y
と、該電極を誘電体層4で被覆した後セパレータ5の斜面上に前記電極対X,Y
と絶縁して表示電極部の近傍で交差する方向に配された選択電極Wを備え、一方
の表示電極Yと選択電極Wとの交点において選択セルを、表示電極対X,Yの表
示電極部間において表示セルを構成してなる上記3電極一組の電極セットをマト
リクス状に配列すると共に、スペーサ6を備えた他方の基板7を基板1上に気密
封止をして放電ガスを封入し、同一基板1上の表示電極面上で表示放電を行うよ
うに構成されている。 【0004】 上記パネルに用いる従来の駆動法を、図4に示す4セル×4セルの電極図、お
よびそのパネルを駆動するための波形図である図3を用いて説明する。 図4の記号X,Y,Wは図5の記号と一致しており、ただ電極の場所を示す算
用数字が前記記号に添字としてつけてある。 図4において記号 C11〜 C44は放電セルを代表する記号であり、○印は点火し
て表示中のセルであり、セルの位置で○印のない場所は不点火中のセルである。 【0005】 図3の縦軸はパネル印加電圧であり、横軸は時間軸である。前記したとおり左
欄に書いているWは選択電極,Xは一方の表示電極,Yは他方の表示電極であっ
て、添字は電極番号を表す。 タイミングを表すPは全セル活性化期間であり、S1は壁電荷を安定拡大する維
持期間であり、Qはアドレスラインのみ壁電荷極性を反転する反転期間であり、
Rは選択消去によるアドレス期間であり、S2は選択後の壁電荷を安定化する調整
期間である。選択電極の波形欄に左下がりハッチングで示した記号 A10〜 A40の
パルスは設定した選択消去パルスであり、他方の表示電極上に上記パルスと同タ
イミング、同ハッチングのパルス B10〜 B20は前記パルスに対応した選択消去パ ルスである。一方の表示電極上の右下がりにハッチングしたパルスPX20〜PX40は
一方の点火パルスであって、他方の表示電極Yに同じタイミングで印加される対
となるパルスPY20〜PY40と相呼応して該電極対上の全セルを点火する。 【0006】 なお、選択消去パルスの後に設けられた次の維持パルスとの間の空白時間dは
壁電荷消滅保証時間である。 消去アドレス時間T1〜T2の一つ前のサイクルにおいて、電極対X1,Y1上の全セ
ルは図示しない書き込みパルスPX10とそれに相呼応する維持パルスPY10によって
書き込まれ、点火状態にある。 【0007】 電極対X1,Y1上のセルは、期間PおよびS1において維持放電を続けた後、期間
Qにおいて電極X1にQX1なる壁電荷反転パルスを加え、電極対X1-Y1 上のセルの
み壁電荷極性を電極X1上で正に反転して、他の表示電極対と差別化しておく。 その後選択消去パルスA10,A30とそれと相呼応するY1電極上の選択消去パルス
B10とによって選択セルW1-Y1 ,およびW3- Y1は期間Rの初期に一旦放電を起こ
した後、該パルスが期間Rの中期にゼロ電圧ラインに復帰する付近において電荷
の再結合による消去放電を起こし、表示セル C11および C13は時間dの間に電荷
を中和により失って消え去り、選択パルスが印加されなかったセル C12および C
14のみが点火状態のまま残る。そしてこの後、安定化のため期間S2において壁電
荷を更新させておく。 【0008】 次の表示電極対X2,Y2の動作が上記表示電極対X1,Y1の動作と同時に進行して
いる。すなわち、X2電極上の全セル活性化パルスPX20と、それに相呼応するY電
極上の活性化パルスPY20とによって、今表示アドレスしようとしている電極X1,
Y1の次のアドレス対象の表示電極対X2,Y2上の全セルが期間Pにおいて活性化さ
れる。 【0009】 このように表示アドレスしようとする一つ前の電極対上の全セルを活性化しつ
つ、該手前の電極対を選択消去アドレスしていた。 その間、他の電極は維持電圧がかかっていて、点火または不点火の状態のまま、
すなわち前表示状態にあった。 以上今までは一対の表示電極に表示情報を書込む毎に全活性化、消去、維持と
いう全アドレスサイクルを繰り返していたので、ここに述べた一連の選択消去サ
イクル時間tに単位パルスの幅を4マイクロ秒として一つの表示電極対を書くの
に約40マイクロ秒がかっていた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 前記の表示時間40マイクロ秒/ラインではテレビジョン表示には遅すぎる。し
がも将来高品位TVを実現するには、1600×1000の画素トリオ(三原色画素)を持
つPDPを駆動しなければならない。 それには隣接する二ライン上に画素トリオを作るとして、3200×2000電極のP
DPを少なくとも256 階調の毎秒30画面で駆動しなければいけないと言われてい
る。そうすると、一つの表示電極対のアドレスに使える時間は、2.08マイクロ秒
以下という計算になる。 【0011】 本発明は、以上のような従来の状況から、表示アドレスに必要な駆動時間を短
くして高速アドレスを実現することを目的としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】 請求項1の発明に係る駆動方法は、誘電体層で覆われた面放電用の対となる平
行な二本の表示電極と、それに交差する方向の一つの選択電極との組で一画素を
構成し、該画素をマトリクス状に配設してテレビジョン表示可能な表示画面を構
成してなる3電極形ACガス放電パネルを、前記表示画面を構成する各画素列に
対応した表示電極対の片方を順次走査するとともに、該片方の表示電極と選択電
極との間に選択用のパルスを印加することによって、当該各画素列中の選択画素
を順次電極対対応に連続して表示アドレスする操作と、表示アドレスされた全て
の画素列を構成する全表示電極対のそれぞれの電極間に交番維持パルスを印加す
ることによって、前記表示画面を構成する全ての表示電極対上の画素列を対とな る表示電極間の面放電により 同時に表示維持する操作とを加えて1画面の表示が
行われるようにするとともに、前記表示アドレス操作に先立って表示画面全体の
画素を構成する全表示電極対のそれぞれの電極間にアドレス準備のパルスを同時
に印加して当該全表示電極対のそれぞれに面放電を発生させる操作を加えるよう
にした構成としている。 【0013】 壁電荷の存在,非存在の状態は、外部印加電圧を変えなければミリ秒程度から
秒の単位時間まで充分保存されることが判明してきた。 図1のように表示アドレス前の期間Pにおいて複数の表示電極対X1,Y1〜X4,
Y4をパルス対PX1,PY1・・・PX4,PY4で同時駆動することにより全セル活性化を
行う。この活性化により各セルの壁には一括して壁電荷が蓄積する、つまり各セ
ルを均一の壁電荷状態に規定し、後の表示電極対ごとの表示アドレスに対する準
備態勢がつくられる。この後の表示アドレス期間R中は、維持波形SPを挿入する
ことなしに表示電極対を次々と選択アドレスをして、前記複数の表示電極対の表
示すべきセルに対して壁電荷存在量(維持電圧が印加されたとき再放電が行なえ
る壁電荷量)を一括して規定(蓄積)する。これに引き続く表示維持期間は、表
示アドレスされた全ての表示電極対に対して交番維持電圧を同時に印加すれば、
前記した壁電荷量の蓄積されているセルは点火状態となり、壁電荷蓄積量の少な
いか無いセルは不点火状態となって所望の画面表示となる。 【0014】 このように表示アドレスの準備操作を共通化し、かつ維持電圧を挿入すること
なく表示アドレス操作をするように構成したので、表示アドレス時間を短縮する
ことができ、結果的に表示アドレスを高速にすることができる。 【0015】 【実施の形態】 図1は本発明の1実施例の駆動波形図であり、前述した消去アドレス駆動を例
にして示している。 図2はその駆動によって得られたパネル上の表示状態を示す。 図1において、選択電極W、タイミングP,S1,Q,R,S2など、一方の表示 電極X、他方の表示電極Y、選択消去サイクル時間t、その両端の時間T1,T2 な
どは、従来の方法の項で説明した図3と対応箇所が同じ記号で表現されているの
でそれらの説明は省略する。また図2では表示セルを記号Dで示している。 【0016】 選択電極Wの波形欄に示すパルスA1〜A4は選択消去パルスであり、上記パルス
に時間的に一致対応する他方の表示電極上のパルスB1〜B4は対応選択消去パルス
である。 表示電極におけるタイミングPのパルス PX1,PY1.....PX4,PY4などは表示ア
ドレスを準備するための全セル活性化パルスであり、SPは維持パルスである。m
はアドレスのために走査している最近電極間の選択消去パルス遅らせ時間、換言
すると選択パルス最小刻みであり、dは壁電荷消滅保証時間である。 【0017】 さて図1において、一度に複数の表示電極対、この場合はX1,Y1〜X4,Y4の全
電極をタイミングPにおいて対となるパルスPX1,PY1の合成電界によって該パネ
ルの全セル(16セル)を活性化し、タイミングS1において複数回維持放電させ安
定化した後、タイミングRにおいて表示しないセルのみ、消去アドレスを選択電
極上のパルスA1〜A4などと、他方の表示電極Y上の左下がり斜線でハッチングし
たパルスB1〜B4などとによって、維持パルスを挿入することなく、全セルについ
て走査していく。 【0018】 前記消去アドレス走査が全ライン終わった後すぐには維持パルスを挿入せず、
図1のdに示すように数マイクロ秒の休止期間を置くと、この休止時間に入った
直後に壁電荷による放電が発生し、該放電発生後の無電圧状態によって壁電荷の
減衰を促進させ、放電を維持し得ない壁電荷に減衰させるので表示セルの非点火
が完全となる。 【0019】 前記アドレスパルスA1...A4,B1...B4 などの走査電極対毎の遅らせ幅mは、目
的に応じて本印加パルスの立ち上がり時間幅の2〜3倍程度がら数マイクロ秒程
度として走査し、全活性化電極対について表示すべき放電セルのみを壁電荷存在 状態に電荷を残して行く。 期間S2においては消去アドレス後の安定化のために、複数の維持パルスを挿入
している。 【0020】 図1に示すように選択消去動作をして行くとパネルの表示は図2のようになり
、○印のセルD11,D12,D13,D21,D22,D31 の6つが表示状態となる。この表示
状態は、表示維持期間中全ての表示電極対に交番維持パルスを同時に印加するこ
とにより維持される。 なお、以上の方式は電極X1〜X4を共通化した構成のパネルにも適用できる。 【0021】 以上のようにアクセスをすると、単位の波形幅を4マイクロ秒、1画面の維持
電極対数をNとし、一度の選択消去に要する時間をUとし、選択消去サイクル時
間t、維持時間の合計をSとすると、 t=活性化時間(P+S)+選択消去時間(R) R=(UN)+4 マイクロ秒 S=S1+S2 をとって書くと単純平均選択消去サイクル時間は次のようになる。 U=1マイクロ秒としてt=1.7 マイクロ秒 U=4マイクロ秒としてt=4.7 マイクロ秒 【0022】 U=1マイクロ秒では、t= 1.7マイクロ秒と、目標数値であるt=2.08マイ
クロ秒を優に20%上回って本発明の目的は達せられた。 【0023】 【発明の効果】 本発明によりテレビジョンの画面表示に必要な表示ライン数を持つ大形面放電
形ガス放電パネルが高速アドレス可能となった。少なくとも3原色画素を要する
カラー表示においてはこのような高速アドレス法がぜひ必要となる。 【0024】 目標数値であるt=2.08マイクロ秒に対して、本発明によって得られた数値t = 1.7マイクロ秒は約20%小さいから、本発明を余裕をもって装置として実現で
きる。 またt= 4.7マイクロ秒も中小型パネルではカラーTV映像装置として充分使
用できる数値である。 【0025】 いままで長い寿命のフルカラー表示に難点があったACPDPも、この方式確
立によって、実用し得る駆動が可能となったと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の1実施例に係る駆動方法を説明するための駆動波形図である。
【図2】
本発明の1実施例による表示画面の表示を説明するための図である。
【図3】
従来の駆動方法を説明するための駆動波形図である。
【図4】
従来例による表示画面の表示を説明するための図である。
【図5】
本発明の対象とする3電極形ACガス放電パネルの1例を示す図である。
【符号の説明】
W、W1〜W4 選択電極
X、Y、X1〜X4,Y1〜Y4 表示電極対
SP 維持パルス
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 誘電体層で覆われた面放電用の対となる平行な二本の表示電極
と、それに交差する方向の一つの選択電極との組で一画素を構成し、該画素をマ
トリクス状に配設してテレビジョン表示可能な表示画面を構成してなる3電極形
ACガス放電パネルの駆動方法であって、 前記表示画面を構成する全画素列に対応した表示電極対の片方を順次走査する
とともに、該片方の表示電極と選択電極との間に選択用のパルスを印加すること
によって、当該各画素列中の選択画素を順次電極対対応に連続して表示アドレス
する操作と、表示アドレスされた全ての画素列を構成する全表示電極対のそれぞ
れの電極間に交番維持パルスを印加することによって、前記表示画面を構成する
全ての表示電極対上の画素列を対となる表示電極間の面放電により同時に表示維
持する操作とを加えて1画面の表示が行われるようにするとともに、前記表示ア
ドレス操作に先立って表示画面全体の画素を構成する全表示電極対のそれぞれの
電極間にアドレス準備のパルスを同時に印加して当該全表示電極対のそれぞれに
面放電を発生させる操作を加えるようにした ことを特徴とする3電極形ACガス放電パネルの駆動方法。
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