JP2621832B2 - 3電極形acガス放電パネルの駆動方法 - Google Patents

3電極形acガス放電パネルの駆動方法

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JP2621832B2
JP2621832B2 JP7206177A JP20617795A JP2621832B2 JP 2621832 B2 JP2621832 B2 JP 2621832B2 JP 7206177 A JP7206177 A JP 7206177A JP 20617795 A JP20617795 A JP 20617795A JP 2621832 B2 JP2621832 B2 JP 2621832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3電極形ACガス
放電パネルの駆動方法に関し、大形表示,カラー表示を
可能とする、新しい高速表示アドレス駆動の方法であ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連する技術を、本発明者らは
すでに特開昭55-113237,特開昭57-78751, 特開昭60-220
393,特開昭61-144694 および特開昭62-22352などで開示
している。図6に本発明の対象となる3電極形ACガス
放電パネルの1例を示し、そのパネルの従来の駆動法を
図4「従来の消去アドレスの方法」で示すと共に、その
結果表示されるパターンを図5に示した。
【0003】図6に示すガス放電パネルは、前記の特開
昭62-22352に開示された面放電パネルであり、一方の基
板1上に、平行に配された表示電極部を有する電極対
X,Yと、該電極を誘電体層4で被覆した後セパレータ
5の斜面上に前記電極対X,Yと絶縁して表示電極部の
近傍で交差する方向に配された選択電極Wを備え、一方
の表示電極Yと選択電極Wとの交点において選択セル
を、表示電極対X,Yの表示電極部間において表示セル
構成してなる上記3電極一組の電極セットをマトリク
ス状に配列すると共に、スペーサ6を備えた他方の基板
7を基板1上に気密封止をして放電ガスを封入し、同一
基板1上の表示電極面上で表示放電を行うように構成さ
れている。
【0004】上記パネルに用いる従来の駆動法を、図5
に示す4セル×4セルの電極図、およびそのパネルを駆
動するための波形図である第4図を用いて説明する。図
5の記号X,Y,Wは図6の記号と一致しており、ただ
電極の場所を示す算用数字が前記記号に添字としてつけ
てある。図5において記号 C11〜 C44は放電セルを代表
する記号であり、○印は点火して表示中のセルであり、
セルの位置で○印のない場所は不点火中のセルである。
【0005】図4の縦軸はパネル印加電圧であり、横軸
は時間軸である。前記したとおり左欄に書いているWは
選択電極, Xは一方の表示電極, Yは他方の表示電極で
あって、添字は電極番号を表す。タイミングを表すPは
全セル活性化期間であり、S1は壁電荷を安定拡大する維
持期間であり、Qはアドレスラインのみ壁電荷極性を反
転する反転期間であり、Rは選択消去によるアドレス期
間であり、S2は選択後の壁電荷を安定化する調整期間で
ある。選択電極の波形欄に左下がりハッチングで示した
記号 A10〜 A40のパルスは設定した選択消去パルスであ
り、他方の表示電極上に上記パルスと同タイミング、同
ハッチングのパルス B10〜 B20は前記パルスに対応した
選択消去パルスである。一方の表示電極上の右下がりに
ハッチングしたパルスPX20〜PX40は一方の点火パルスで
あって、他方の表示電極Yに同タイミングで印加される
対となるパルスPY20〜PY40と相呼応して該電極対上の全
セルを点火する。
【0006】なお、選択消去パルスの後に設けられた次
の維持パルスとの間の空白時間dは壁電荷消滅保証時間
である。消去アドレス時間T1〜T2の一つ前のサイクルに
おいて、電極対X1, Y1上の全セルは図示しない書き込み
パルスPX10とそれに相呼応する維持パルスPY10によって
書き込まれ、点火状態にある。
【0007】電極対X1, Y1上のセルは、期間PおよびS1
において維持放電を続けた後、期間Qにおいて電極X1に
QX1なる壁電荷反転パルスを加え、電極対X1-Y1 上のセ
ルのみ壁電荷極性を電極X1上で正に反転して、他の表示
電極対と差別化しておく。その後選択消去パルスA10, A
30とそれと相呼応するY1電極上の選択消去パルスB10と
によって選択セルW1-Y1 ,およびW3- Y1は期間Rの初期
に一旦放電を起こした後、該パルスが期間Rの中期にゼ
ロ電圧ラインに復帰する付近において電荷の再結合によ
る消去放電を起こし、表示セル C11および C13は時間d
の間に電荷を中和により失って消え去り、選択パルスが
印加されなかったセル C12および C14のみが点火状態の
まま残る。そしてこの後、安定化のため期間S2において
壁電荷を更新させておく。
【0008】次の表示電極対X2, Y2の動作が上記表示電
極対X1, Y1の動作と同時に進行している。すなわち、X2
電極上の全セル活性化パルスPX20と、それに相呼応する
Y電極上の活性化パルスPY20とによって、今表示アドレ
スしようとしている電極X1,Y1の次のアドレス対象の表
示電極対X2, Y2上の全セルが期間Pにおいて活性化され
る。
【0009】このように表示アドレスしようとする一つ
前の電極対上の全セルを活性化しつつ、該手前の電極対
を選択消去アドレスしていた。その間、他の電極は維持
電圧がかかっていて、点火または不点火の状態のまま、
すなわち前表示状態にあった。以上今までは一対の表示
電極に表示情報を書込む毎に全活性化、消去、維持とい
う全アドレスサイクルを繰り返していたので、ここに述
べた一連の選択消去サイクル時間tに単位パルスの幅を
4マイクロ秒として一つの表示電極対を書くのに約40マ
イクロ秒かかっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記の表示時間40マイ
クロ秒/ラインではテレビジョン表示には遅すぎる。し
かも将来高品位TVを実現するには、1600×1000の画素ト
リオ(三原色画素)を持つPDPを駆動しなければなら
ない。それには隣接する二ライン上に画素トリオを作る
として、3200×2000電極のPDPを少なくとも256 階調
の毎秒30画面で駆動しなければいけないと言われてい
る。そうすると、一つの表示電極対のアドレスに使える
時間は、2.08マイクロ秒以下という計算になる。
【0011】本発明は、以上のような従来の状況から、
表示アドレスに必要な駆動時間を短くして高速アドレス
を実現することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る駆
動方法は、対となる平行な二本の表示電極と、それに交
差する方向の一つの選択電極との組で一画素を構成し、
該画素をマトリクス状に配設して1画面を構成してなる
3電極形ACガス放電パネルの駆動方法を、複数の表示
電極対上の画素列を順次電極対対応に連続して表示アド
レスする操作と、表示アドレスされた全ての表示電極対
上の画素群を同時に表示維持する操作とを加えることに
より、1画面の表示が行われるようにした駆動方法であ
る。
【0013】請求項2の発明に係る駆動方法は、テレビ
ジョンの画面表示に必要な複数の表示ラインに対応した
表示電極対とそれに交差する方向の複数の選択電極とを
有する3電極形ACガス放電パネルを、複数の表示ライ
ンを維持パルスを印加することなく順次表示アドレスす
る操作と維持パルスを印加して共通に表示維持する操作
とを加えることにより、1画面の表示が行われるように
した駆動方法である。
【0014】壁電荷の存在, 非存在の状態は、外部印加
電圧を変えなければミリ秒程度から秒の単位時間まで充
分保存されることが判明してきた。図1のように表示ア
ドレス期間R中は、維持電圧SPを挿入することなしに表
示電極対を次々と選択アドレスをして、前記複数の表示
電極対の表示すべきセルに対して壁電荷存在量(維持電
圧が印加されたとき再放電が行なえる壁電荷量)を一括
して規定(蓄積)する。これに引き続く表示維持期間
は、表示アドレスされた全ての表示電極対に対して交番
維持電圧を同時に印加すれば、前記した壁電荷量の蓄積
されているセルは点火状態となり、壁電荷蓄積量の少な
いか無いセルは不点火状態となって所望の画面表示とな
る。 このように表示アドレス期間に維持電圧を挿入しな
いので、表示アドレス時間を短縮することができ、結果
的に表示アドレスを高速にすることができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【実施の形態】図1、図2は本発明に係る2つの実施例
の駆動波形図であり、前述した消去アドレス駆動を例に
して示している。 図3(a)、(b)はそれら実施例の
駆動によって得られたパネル上の表示である。
【0018】図1および図2において、選択電極W、タ
イミングP,S1, Q,R,S2など、一方の表示電極X、
他方の表示電極Y、選択消去サイクル時間t、その両端
の時間T1,T2 などは、従来の方法の項で説明した図4と
対応箇所が同じ記号で表現されているのでそれらの説明
は省略する。選択電極Wの波形欄に示すパルスA1〜A4は
選択消去パルスであり、上記パルスに時間的に一致対応
する他方の表示電極上のパルスB1〜B4は対応選択消去パ
ルスである。
【0019】表示電極におけるタイミングPのパルス P
X1, PY1.....PX4, PY4などは全セル活性化パルスであ
り、SPは維持パルスである。mはアドレスのために走査
している最近電極間の選択消去パルス遅らせ時間、換言
すると選択パルス最小刻みであり、dは壁電荷消滅保証
時間である。図2に示したタイミングQにおけるパルス
QX1,.... QX4は前記した電荷反転パルスである。
【0020】図3の表示セル記号のみが、図1に対応す
る(a)図ではDに、図2に対応する(b)図ではEと
なっている。実施例1 さて図1において、一度に複数の表示電極対、この場合
はX1, Y1〜X4, Y4の全電極をタイミングPにおいて対と
なるパルスPX1, PY1の合成電界によって該パネルの全セ
ル(16セル)を活性化し、タイミングS1において複数回
維持放電させ安定化した後、タイミングRにおいて表示
しないセルのみ、消去アドレスを選択電極上のパルスA1
〜A4などと、他方の表示電極Y上の左下がり斜線でハッ
チングしたパルスB1〜B4などとによって、維持パルスを
挿入することなく、全セルについて走査していく。
【0021】前記消去アドレス走査が全ライン終わった
後すぐには維持パルスを挿入せず、図1のdに示すよう
に数マイクロ秒の休止期間を置くと、この休止時間に入
った直後に壁電荷による放電が発生し、該放電発生後の
無電圧状態によって壁電荷の減衰を促進させ、放電を維
持し得ない壁電荷に減衰させるので表示セルの非点火が
完全となる。
【0022】前記アドレスパルスA1...A4,B1...B4 など
の走査電極対毎の遅らせ幅mは、目的に応じて本印加パ
ルスの立ち上がり時間幅の2〜3倍程度から数マイクロ
秒程度として走査し、全活性化電極対について表示すべ
き放電セルのみを壁電荷存在状態に電荷を残して行く。
期間S2においては消去アドレス後の安定化のために、複
数の維持パルスを挿入している。
【0023】図1に示すように選択消去動作をして行く
とパネルの表示は図3(a)のようになり、○印のセル
D11,D12, D13, D21, D22, D31 の6つが表示状態とな
る。この表示状態は、表示維持期間中全ての表示電極対
に交番維持パルスを同時に印加することにより維持され
る。なお、以上の方式は電極X1〜X4を共通化した構成の
パネルにも適用できる。実施例2 また、図3(b)に示す電極を共通接続をしたパネルに
おいては、電極X1とX2が一つの電極ブロックBX1 を形成
し、電極X3とX4とがもう一つの電極ブロックBX2 を形成
している。該パネルの駆動には第2図に示す駆動実施例
が考えられる。
【0024】図2の駆動波形例の期間T1〜Tmにおいて
は、タイミングPにおいて対となる書込みパルスPX1,PY
1 およびPX2, PY2によって、図3(b)に示す電極ブロ
ックBX1 上の全セル、E11 〜E24 までが点火し、維持パ
ルスSPで電荷再生した後、期間Qにおいて電荷反転パル
スQX1, QX2をそれぞれ加え壁電荷を差別化した後、期間
Rにおいて該電極ブロック内Y電極Y1, Y2上の選択消去
パルスB1, B2と、同タイミングの選択電極からの選択消
去パルスA31, A41とが相呼応してセルE14, E23,E24 を
一旦活性化後消去し、期間S2で維持放電をさせる。
【0025】次の期間Tm〜T2において、電極ブロックBX
2 をアドレスする。すなわちタイミングP’において対
となる書込みパルスPX3, PY3およびPX4, PY4などによっ
て、電極ブロックBX2 上の全セル、E31 〜E44 までを活
性化し、維持パルスSPで電荷再生した後、期間Q' にお
いて電荷反転パルスQX3, QX4をそれぞれ加えた後、期間
R’において、電極ブロック内Y電極Y3, Y4上の選択消
去パルスB3, B4と、同タイミングの選択電極からの選択
消去パルスA12, A22, A32, A42などとが相呼応してセル
E32, E33, E34, E41〜E44 を一旦点火後消去し、期間S
2' で維持放電をして一つの選択消去サイクルを完了す
る。この実施例では一画面の画像を出すのに電極ブロッ
クの数2だけアクセスを繰り返すことになる。
【0026】以上のようにアクセスをすると、単位の波
形幅を4マイクロ秒、一ブロックの維持電極対数をNと
し、一度の選択消去に要する時間をUとし、選択消去サ
イクル時間t、維持時間の合計をSとすると、 t=活性化時間(P+S)+選択消去時間(Q+R) R=(UN)+4 マイクロ秒 S=S1+S2 をとって書くと単純平均選択消去サイクル時間は次のよ
うになる。
【0027】実施例1がU=1マイクロ秒としてt=1.
7 マイクロ秒 U=4マイクロ秒としてt=4.7 マイクロ秒 U=1マイクロ秒では、t= 1.7マイクロ秒と、目標数
値であるt=2.08マイクロ秒を優に20%上回って本発明
の目的は達せられた。
【0028】
【発明の効果】本発明によりテレビジョンの画面表示に
必要な表示ライン数を持つ大形面放電形ガス放電パネル
が高速アドレス可能となった。少なくとも3原色画素を
要するカラー表示においてはこのような高速アドレス法
がぜひ必要となる。目標数値であるt=2.08マイクロ秒
に対して、本発明によって得られた数値t= 1.7マイク
ロ秒は約20%小さいから、本発明を余裕をもって装置と
して実現できる。
【0029】また実施例2で得られたt= 4.7マイクロ
秒も中小型パネルではカラーTV映像装置として充分使
用できる数値である。いままで長い寿命のフルカラー表
示に難点があったACPDPも、この方式確立によっ
て、実用し得る駆動が可能となったと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動方法を説明するための駆動波形図
である。
【図2】本発明の他の駆動方法を説明するための駆動波
形図である。
【図3】本発明による表示画面の表示を説明するための
図である。
【図4】従来の駆動方法を説明するための駆動波形図で
ある。
【図5】従来例による表示画面の表示を説明するための
図である。
【図6】本発明の対象とする3電極形ACガス放電パネ
ルの1例を示す図である。
【符号の説明】
W、W1〜W4 選択電極 X、Y、X1〜X4, Y1〜Y4 表示電極対 SP 維持パルス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対となる平行な二本の表示電極と、それ
    に交差する方向の一つの選択電極との組で一画素を構成
    し、該画素をマトリクス状に配設して1画面を構成して
    なる3電極形ACガス放電パネルの駆動方法であって、 複数の表示電極対上の画素列を順次電極対対応に連続し
    て表示アドレスする操作と、表示アドレスされた全ての
    表示電極対上の画素群を同時に表示維持する操作とを加
    えて1画面の表示が行われるようにしたことを特徴とす
    る3電極形ACガス放電パネルの駆動方法。
  2. 【請求項2】 テレビジョンの画面表示に必要な複数の
    表示ラインに対応した表示電極対とそれに交差する方向
    の複数の選択電極とを有する3電極形ACガス放電パネ
    ルの駆動方法であって、 複数の表示ラインを維持パルスを印加することなく順次
    表示アドレスする操作と維持パルスを印加して共通に表
    示維持する操作とを加えて1画面の表示が行われるよう
    にしたことを特徴とする3電極形ACガス放電パネルの
    駆動方法。
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