JP2621255B2 - アントラサイクリングリコシド溶液およびその製造方法 - Google Patents

アントラサイクリングリコシド溶液およびその製造方法

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JP2621255B2 JP62304699A JP30469987A JP2621255B2 JP 2621255 B2 JP2621255 B2 JP 2621255B2 JP 62304699 A JP62304699 A JP 62304699A JP 30469987 A JP30469987 A JP 30469987A JP 2621255 B2 JP2621255 B2 JP 2621255B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は抗腫瘍性アントラサイクリングリコシド例え
ばドキソルビシンの貯蔵安定なすぐに使用できる注射溶
液および該溶液の製造方法に関する。
アントラサイクリングリコシド化合物は抗新生物剤と
してよく知られた化合物群であり、ドキソルビシンは典
型的で最も広く使用されている。代表例はドキソルビシ
ン(Doxorubicin)である。「抗癌性抗生物質(Antican
cer Antibiotics)」フェデリコアルカモン(Federico
Arcamone)氏著、1981年アカデミックプレス社発行(ニ
ューヨーク)「アドリアマイシンレビュー(Adriamycin
Review)」、イーアールオーティーシー国際シンポジ
ウム(ブルッセル)1974年5月、エムスタキュート氏編
(M.Staquet)、ヨーロッパプレスメディコン社発行
(ゲント、ベルギー)「アドリアマイシン治療の結果
(Results of Adriamycin Therapy)」アドリアマイシ
ンシンポジウム、(フランクフルト/メイン)、1974
年、エムギオン、ゼイフェツアーおよびエイチメイア氏
編(M.Ghione.J.FetzerおよびH.Maier)、スプリンガー
社発行(ニューヨーク)。
現在では抗腫瘍剤であるアントラサイクリングリコシ
ド特にたとえばドキソルビシンは凍結乾燥製剤の形態で
単独に入手することができるが、それは投与前に再調製
する必要がある。
その抗腫瘍物質が毒性を有するゆえにそのような製剤
の製造および再調製の両方によりそれにたずさわる人々
(労働者、薬剤師、医療職員、看護婦)は特に重大な汚
染の危険にさらされる。
マーチンダールのエキストラ薬局方(Martindale Ext
ra Pharmacopoeia)第28版第175頁左欄には実際に抗新
生物剤の副作用についての記載がされており、「細心の
注意をもって取り扱わなければならないし、皮膚および
眼との接触は避けるべきであり、吸入すべきではない。
疼痛および組織の損傷が生起する可能性があるので透過
を避けるように注意しなければならない」との勧告がな
されている。
同様に「スカンド、ゼイワークエンバイロンヘルス」
(Scand.J.Work Environ.Health)第10巻第2号第71〜7
4頁(1984年)、ならびに「化学工業に関する報告」(A
rticles on Chemistry Industry)1983年7月4日発
行、第488頁、および「ドラッグトピックスメディカル
エコノミックス社」(Drug−Topics−Medical−Economi
cs−Co)1983年2月7日発行、第99頁にはドキソルビシ
ンを含めた細胞増殖抑制剤の使用にさらされた医療従事
者において観察された重篤な副作用に関して記載されて
いる。
凍結乾燥製剤を投与するためには、その薬剤を二重に
取り扱う必要がある。最初に凍結乾燥したケークを再調
製しなければならないし、つぎに投与し、さらに場合に
よっては溶解度に問題があるために粉末を完全に溶解す
るのに長時間振盪する必要がある。凍結乾燥したケーク
または粉末の再調製ではエーロゾル小滴が生成してしま
い、それらが吸入されたりまたはその溶液を取扱ってい
る人々の皮膚もしくは粘膜に接触する。
製剤のすぐに使用できる溶液が得られるならば凍結乾
燥製剤の製造および再調製に関連した危険性は極めて減
少するであろうから、本発明者はその製造および投与が
凍結乾燥または再調製を必要としないような、アントラ
サイクリングリコシド薬剤たとえばドキソルビシンの安
定を治療上許容しうる静脈内注射溶液を開発した。
英国特許出願第2178311号明細書には凍結乾燥製剤か
ら再調製する必要がなく、2.5〜6.5のpHを有し、そして
生理学的に許容しうる溶媒に溶解されたドキソルビシン
のようなアントラサイクリングリコシドの生理学的に許
容しうる塩を本質的に含有する滅菌した、発熱物質を含
まないアントラサイクリングリコシドの溶液が記載され
ている。特に好ましいpHは約3と約5である。実施例に
はpH2.62〜3.14、4.6および5.2を有する各溶液が説明さ
れている。そこには安定化剤についての記載は全くな
い。デキストロース、ラクトースおよびマンニトールは
浸透圧調節剤として記載されているが、それらの使用し
うる割合については全く指摘されていない。
ベイズネンらは、J.Parenter.Sci.Technol.39,6,220
−222,1985でドキソルビシン、ダウノルビジンおよび4
つのそれらの同族体の異なった注入液における安定性に
ついての研究を報告している。これらの液はpH4.7の5
%デキストロース、pH4.4の3.3%デキストロース+0.3
%NaCl、pH6.8の乳酸加リンゲル液およびpH7の0.9%塩
化ナトリウム液であった。
本発明によれば、賦形剤を含む凍結乾燥製剤から再調
製されたものではなく、且つアントラサイクリングリコ
シドの濃度の0.1〜50mg/mlで生理学的に許容しうる水性
溶媒柱に溶解されたアントラサイクリングリコシドの生
理学的に許容しうる塩からなる、即時使用可能な、貯蔵
安定性、滅菌性の、発熱物質を含まない注射可能なアン
トラサイクリングリコシド溶液であって、該溶液のpHが
グリシンバッファーを用いることによって2.5〜3.5に調
整されていることを特徴とするアントラサイクリングリ
コシド溶液が提供される。
即ち、貯蔵安定性があり、商業的に意義のある貯蔵寿
命を有する溶液を提供することができる。
好ましくは本発明の溶液は密封容器、特にガラス製の
容器に入れて提供される。該溶液はこれようにして単位
投与量賦形または多数回投与量剤形のいずれかで提供さ
れることができる。
好ましくはアントラサイクリングリコシドはドキソル
ビシン、4′−エピ−ドキソルビン(すなわちエピルビ
シン)、4′−デスオキシ−4′−ヨード−ドキソルビ
シン、ダウノルビジンおよび4−デメトキシダウノルビ
シン(すなわちイダルビシン)からなる群中より選ばれ
る。
特に好ましいアントラサイクリングリコシドはドキソ
ルビシンおよび4′−エピ−ドキソルビシン、特にドキ
ソルビシンである。
アントラサイクリングリコシドの生理学的に許容しう
る塩は本発明の溶液を製造するために使用することがで
きる。適当な塩の例はたとえば塩酸、臭化水素酸、硫
酸、燐酸などの無機の鉱酸との塩、およびある種の有機
酸たとえばこはく酸、酒石酸、アスコルビン酸、くえん
酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などとの塩で
あってもよい。塩酸との塩は特にアントラサイクリング
リコシドがドキソルビシンの場合に特に好ましい塩であ
る。
生理学的に許容することができ、そしてアントラサイ
クリングリコシドの塩を溶解することができる任意の溶
媒を使用することができる。本発明の溶液はまた、1種
またはそれ以上の調製補助剤例えば共可溶化剤(溶媒と
同一であってもよい)、浸透圧調節剤、防腐剤および製
薬的に許容しうるキレート化剤を含有することもでき
る。
適当な溶媒および共可溶化剤は例えば水例えば注射用
水;0.9%塩化ナトリウム溶液即ち生理食塩水;5%デキス
トロース水溶液;水と脂肪族アミドたとえばN,N−ジメ
チルアセトアミド、N−ヒドロキシ−2−エチル−ラク
タミドなど、アルコールたとえばエタノール、ベンジル
アルコールなど、グリコールまたはポリアルコールたと
えばプロピレングリコール、グリセリンなど、ポリアル
コールのエステルたとえばジアセチン、トリアセチンな
ど、ポリグリコールまたはポリエーテルたとえばポリエ
チレングリコール400、プロピレングリコールメチルエ
ーテルなど、ジオキソランたとえばイソプロピリデング
リセリンなど、ジメチルイソソルビド、ピロリドン誘導
体たとえば2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、ポリビニルピロリドンの1種またはそれ以上との混
合物であってもよい。
好ましい溶媒の例としては水、生理食塩水、5%デキ
ストロース水溶液、水とエタノール、ポリエチレグリコ
ールおよびジメチルアセトアミドの1種またはそれ以上
との混合物を挙げることができる。水、生理食塩水およ
び5%デキストロース溶液が特に好ましい。
適当な浸透圧調節剤は無機塩化物、例えば塩化ナトリ
ウム、デキストロース、ラクトース、マンニトールまた
はソルビトールであることができる。
生理学的投与に適当な防腐剤は、例えばp−ヒドロキ
シ安息香酸のエステル(例えばメチル、エチル、プロピ
ルおよびブチルエステルまたはそれらの混合物)および
クロロクレゾールであってもよい。
適当な製薬的に許容しうるキレート化剤はエチレンジ
アミノ四酢酸(EDTA)であることができる。該キレート
化剤は少量、典型的には0.001〜0.05重量%で含有され
る。
前記の溶媒および浸透圧調節剤、防腐剤およびキレー
ト化剤は単独でまたはそれらの2種もしくはそれ以上の
混合物として使用することができる。
所望によりpHを2.5から3.5までの範囲内に調節するた
めにグリシンバッファーを加える。
本発明の即時使用可能な溶液に対して好ましいpH範囲
は2.5〜3.5、例えば2.6〜3.5である。より好ましいpH範
囲は3〜3.5である。特に本発明の溶液がソルビトー
ル、デキストロース、ラクトースもしくはマンニトール
を含有する場合には約3のpHがとりわけ好ましい。その
他の好ましいpH範囲は3.14以上、例えば3.2〜3.5であ
る。2.62〜3.14のpHを有する有用な溶液はさらに製薬的
に許容しうるキレート化剤を含有する。
本発明の溶液においてアントラサイクリングリコシド
の濃度は広い範囲で、好ましくは1mg/ml〜20mg/mlの間
で変えることができる。
好ましい濃度範囲はアントラサイクリングリコシドの
種類でわずかに異なる。従ってたとえばドキソルビシン
の好ましい濃度は2mg/ml〜50mg/ml、好ましくは2mg/ml
〜20mg/mlであり、特に適当な値は2mg/mlおよび5mg/ml
である。同様の濃度は4′−エピ−ドキソルビシンおよ
び4′−デスオキシ−4′−ヨード−ドキソルビシンに
対しても好ましい。ダウノルビシンおよび4−デメトキ
シ−ダウノルビシンに対して好ましい濃度範囲は1mg/ml
〜20mg/mlであり、1mg/mlおよび5mg/mlの濃度が特に適
当である。
アントラサイクリングリコシド溶液に対して適当な包
装は非経口的に使用するように意図されたすべての公認
された容器たとえばプラスチック製およびガラス製の容
器、即時使用可能な注射器であってもよい。好ましい容
器は密封されたガラス製の容器、たとえばバイアルまた
はアンプルである。密封されたガラス製バイアルが特に
好ましい。
本発明はまた、賦形剤を含む凍結乾燥製剤の形態では
ないアントラサイクリングリコシドの生理学的に許容し
うる塩を、アントラサイクリングリコシドの濃度0.1〜5
0mg/mlで生理学的に許容しうる水性溶媒中に溶解するこ
とからなる、その際得られる溶液が滅菌性で発熱物質を
含まないようにして行う、即時使用可能な、貯蔵安定
性、滅菌性の、発熱物質を含まない注射可能なアントラ
サイクリングリコシド溶液の製造方法であって、該溶液
にグリシンバッファーを加えてpHを2.5〜3.5に調整する
ことを特徴とするアントラサイクリングリコシド溶液の
製造方法を提供する。
得られた溶液は通常容器に入れられ密封される。
その方法は好ましくは、 (i) 前記の生理学的に許容しうる塩を、生理学的に
許容しうる水性溶媒に溶解し、 (ii) 共可溶化剤、浸透圧調節剤、防腐剤および製薬
的に許容しうるキレート化剤から選ばれた調製補助剤の
1種またはそれ以上を加え次いで (iii) グリシンバッファーを加えることからなる。
得られる溶液が確実に滅菌性であり、発熱物質を含ま
ないようにするには任意の適当な方法を採用することが
できる。とにかく1種またはそれ以上の使用物質が滅菌
性であり、発熱物質を含まないのは勿論であるけれども
該溶液をグリシンバッファー添加後に滅菌濾過器に通す
のが好ましい。用いられるすべての物質が滅菌性であ
り、発熱物質を含まない場合には得られる溶液を滅菌濾
過器に通す必要はない。
本発明の溶液の場合には、活性物質であるアントラサ
イクリングリコシドの濃度が50mg/mlでさえあるような
極めて高濃度の組成物を得ることができる。このことに
より現在入手可能な凍結乾燥製剤を使用するよりもはる
かに有利になる。後者の場合には主として食塩水を使用
して再調製を行う際に溶解度の問題に遭遇するので、高
濃度のアントラサイクリングリコシドを難なく得ること
はできない。凍結乾燥ケーク中に賦形剤たとえば乳糖が
存在すること、そして活性物質に対して一般的にその割
合が高いこと(活性物質1部あたり賦形剤5部までの場
合でさえ)は溶解度に対して負の作用を及ぼすので、特
にアントラサイクリングリコシドの濃度が2mg/mlよりも
高い場合には凍結乾燥ケークを溶解する際に困難を生じ
るであろう。
本発明の溶液は良好な安定性を特徴とする。異なった
pHおよび濃度を有する種々の溶媒中の溶液は薬学的製剤
の貯蔵に対して認められている温度で長期間安定である
ことが見い出された。このことは以下の実施例で説明さ
れる。
活性剤であるアントラサイクリングリコシドの抗腫瘍
活性はよく知られているので、本発明の薬学的組成物は
人および動物の両方において腫瘍を治療するのに有用で
ある。治療することができる腫瘍の例はたとえば骨形成
性および軟質組織の肉腫を含めて肉腫、癌たとえば乳
房、肺、膀胱、甲状腺、前立腺および卵巣の癌、ホジキ
ンおよび非ホジキンリンパ腫を含めてリンパ腫、神経芽
腫、黒色腫、骨髄腫、ウイルムス腫瘍および急性リンパ
芽球白血病および急性骨髄芽球白血病を含めて白血病で
ある。
治療することができる特定の腫瘍の例はメロニィサル
コーマウイルス(Meloney Sarcoma Virus)、サルコー
マ180アシテス(sarcoma 180 Ascites)、ソリッドサル
コーマ180(Solid Sarcoma 180)、移植可能なグロス白
血病、L1210白血病およびリンパ性P388白血病である。
従って本発明により、また腫瘍特に上記の腫瘍の一つ
の成長を抑制する方法が提供され、それは上記の腫瘍に
かかっている患者に、その腫瘍の成長を抑制するのに充
分な量の活性物質を含有する本発明の注射溶液を投与す
ることからなる。
本発明の注射溶液は種々の可能な投与計画に従って迅
速な静脈内注射または注入により投与される。ドキソル
ビシンに対する適当な投与計画は1回の迅速な注入とし
て体表面m2あたり活性物質60〜75mgを投与し、そして21
日間くり返す。別の計画では1日あたり30mg/m2を静脈
内経路により3日間投与し、28日ごとにくり返す。4′
−エピ−ドキソルビシンおよび4′−デスオキシ−ドキ
ソルビシンに対する適当な投与量はたとえば1回の注入
で投与する場合75〜90mg/m2であり21日目にくりかえさ
れる。同様の投与量はまた4′−デスオキシ−4′−ヨ
ード−ドキソルビシンに対しても有用である。
イダルビシンすなわち4−デメトキシ−ダウノルビシ
ンはたとえば非乳頭腫を治療する場合には13〜15mg/m2
の1回投与量で21日ごとに静脈内を投与することができ
るが、白血病を治療する場合には好ましい投与計画はた
とえば1日あたり10〜12mg/m2を3日間静脈内経路によ
り投与し、15〜21日ごとにくり返すことである。同様の
投与量はたとえばダウノルビシンにも適用することがで
きる。
以下に本発明を実施例により説明する。
実施例 1 滅菌水、5%デキストロースまたは0.9%食塩水中に溶
解したドキソルビシン・HCl溶液 ドキソルビシン・HClをI=0.05、pH2.5および3.5の
グリシンバッファーに2mg/mlの濃度で溶解した。
各溶液の窒素加圧下で0.22μmの微孔性膜に通して濾
過した。各溶液5.0mlを最大容量が8mlであるガラス型1
のアラスバイアル中に入れ、テフロン(商標)で表面加
工したクロロブチルゴム栓で密封し次いでアルミニウム
シールで密封して55℃において貯蔵した。各溶液をドキ
ソルビシン・HClのアッセイおよびpHについてあらかじ
め決められた時間(120時間まで)で分析した。結果は
表1、2および3に示されており、そこにはそれぞれ滅
菌水、5%デキストロース溶液および0.9%食塩水溶液
の場合の種々のpHおよび貯蔵時間での55℃におけるドキ
ソルビシン・HClの残留濃度および安定性%が記載され
ている。
ドキソルビシン・HClのアッセイは米国薬局方(USP高
速液体クロマトグラフィ(HPLC)法(USP XXI))によ
って実施される3個の独立した測定値の平均である。各
pH値において、劣化に関する擬似一次速度定数(Kobs
は、以下の式 1n|Dx|t=1n|Dx|o−Kobs・t によって示されるように時間に対するドキソルビシン・
HClの残留濃度(|Dx|t)の自然対数を線形回帰分析する
ことにより計算された。
表4、5および6にはそれぞれ滅菌水、5%デキスト
ロース溶液および0.9%食塩水溶液の場合の55℃および
相異なるpHでのドキソルビシン・HClの劣化速度につい
ての観測された速度定数(Kobs)が示されている。
実施例 2 4′−エピ−ドキソルビシン(即ち、エピルビシン)溶
液 実施例1の相当するドキソルビシン溶液と同様の方法
でエピルビシン溶液を調製した。得られた溶液を同様の
方法で安定性試験に付した。結果を表7〜12に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジユセツペ・ボツトーニ イタリア国ベルガモ.ヴイアコツリドー ニ85 (72)発明者 カルロ・コンフアロニエリ イタリア国クサノミラニーノ/ミラノ. ヴイアテイチーノ5 (72)発明者 ルチアーノ・ガンビーニ イタリア国コルナレド/ミラノ.ヴイア ピアーヴエ16 (72)発明者 ロベルト・デ・ポンテイ イタリア国ミラノ.ヴイアデリアストリ 22 (56)参考文献 特開 昭62−48629(JP,A) 特開 昭61−246129(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】賦形剤を含む凍結乾燥製剤から再調製され
    たものではなく、且つアントラサイクリングリコシドの
    濃度0.1〜50mg/mlで生理学的に許容しうる水性溶媒中に
    溶解されたアントラサイクリングリコシドの生理学的に
    許容しうる塩から本質的になる、即時使用可能な、貯蔵
    安定性、滅菌性の、発熱物質を含まない注射可能なアン
    トラサイクリングリコシド溶液であって、該溶液のpHが
    グシリンバッファーを用いることによって2.5〜3.5に調
    整されていることを特徴とするアントラサイクリングリ
    コシド溶液。
  2. 【請求項2】密封容器に入れた特許請求の範囲第1項記
    載の溶液。
  3. 【請求項3】アントラサイクリングリコシドがドキソル
    ビシンまたは4′−エピ−ドキソルビシンである特許請
    求の範囲第1項または第2項記載の溶液。
  4. 【請求項4】3〜3.5のpHを有する特許請求の範囲第1
    〜3項のいずれか1項に記載の溶液。
  5. 【請求項5】3のpHを有する特許請求の範囲第1〜3項
    のいずれか1項に記載の溶液。
  6. 【請求項6】該塩が塩酸との塩である特許請求の範囲第
    1〜5項のいずれか1項に記載の溶液。
  7. 【請求項7】共可溶化剤、浸透圧調節剤、防腐剤および
    製薬的に許容しうるキレート剤から選択される1種以上
    の調製補助剤をさらに含有する特許請求の範囲第1〜6
    項のいずれか1項に記載の溶液。
  8. 【請求項8】浸透圧調節剤としてデキストロース、ラク
    トース、ゾルビトールまたはマンニトールを含有する特
    許請求の範囲第7項記載の溶液。
  9. 【請求項9】生理学的に許容しうる溶媒が水、生理食塩
    水または5%デキストロース水溶液である特許請求の範
    囲第1〜8項のいずれか1項に記載の溶液。
  10. 【請求項10】賦形剤を含む凍結乾燥製剤の形態ではな
    いアントラサイクリングリコシドの生理学的に許容しう
    る塩を、アントラサイクリングリコシドの濃度0.1〜50m
    g/mlで生理学的に許容しうる水性溶媒中に溶解すること
    からなる、その際得られる溶液が滅菌性で発熱物質を含
    まないようにして行う、即時使用可能な、貯蔵安定性、
    滅菌性の、発熱物質を含まない注射可能なアントラサイ
    クリングリコシド溶液の製造方法であって、該溶液にグ
    リシンバッファーを加えてpHを2.5〜3.5に調整すること
    を特徴とするアントラサイクリングリコシド溶液の製造
    方法。
  11. 【請求項11】該溶液を前記グリシンバッファーの添加
    後に滅菌濾過器に通す特許請求の範囲第10項記載の方
    法。
  12. 【請求項12】共可溶化剤、浸透圧調節剤、防腐剤およ
    び製薬的に許容しうるキレート剤から選択される1種以
    上の調製補助剤を前記グリシンバッファーの添加前に該
    溶液に加える、特許請求の範囲第10項または第11項記載
    の方法。
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