JP2621164B2 - 電気光学装置の駆動方法 - Google Patents

電気光学装置の駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気光学装置の駆動方法に関する。さらに詳
しくは強誘電性液晶を用い、スイツチング素子を液晶素
子基板上に形成した電気光学装置の駆動方法に関する。
〔従来の技術〕
電子写真方式を用いたプリンターにおける感光体上に
潜像を形成するための電気光学装置に強誘電性液晶を用
いた場合には、例えば特開昭59−187324号公報に示され
るように直流駆動による液晶の変質あるいは配向状態の
劣化を避けるために直流分補正パルスを印加して、駆動
時の電圧の平均値をゼロにするような駆動方法をとって
いた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、従来の駆動方法では直流分補正パルスに液晶
が応答して光漏れを生じコントラスト比を低下させる。
あるいは、この直流分補正パルスによるコントラスト比
の低下を避けるために光源の発光強度を変化させる等の
手段をとらなければならないという問題点を有してい
た。
本発明はこの様な問題点を解決するもので、その目的
とするところは強誘電性液晶を用い各表示ドツトにスイ
ツチング素子を接続した電気光学装置に於いて、これま
でに報じられていない光学応答特性を利用した新規な駆
動方法を用い高性能な電気光学装置を得ることにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の電気光学装置の駆動方法は、対向する一対の
基板間にメモリー性を有する液晶を挟持してなり、前記
一方の基板上にスイッチング素子が配置されてなり、該
スイッチング素子に接続して画素電極が配置されてな
り、前記他方の基板には対向電極が形成されてなる電気
光学装置の駆動方法において、 前記スイッチング素子を低インピーダンスにして、前
記液晶に電圧を印加する第1の期間と、 前記スイッチング素子を高インピーダンスにして、前
記液晶に電圧を印加する第2の期間とからなり、 前記第1の期間に、前記電気光学装置の光透過状態を
定める電圧パルスと前記液晶に印加される電圧の直流分
を補正する補正パルスとを印加することを特徴とする。
また、本発明の第2の電気光学装置の駆動方法は、前
記第1の期間の前半の期間に前記補正パルスを前記液晶
に印加し、前記第1の期間の後半の期間に前記電圧パル
スを前記液晶に印加することを特徴とする。
また、本発明の第3の特許請求の範囲第1項記載の電
気光学装置の駆動方法は、前記補正パルスは、前記補正
パルスを印加したフレームの直流分を補正することを特
徴とする。
また、本発明の第4の電気光学装置の駆動方法は、前
記補正パルスは、前記補正パルスを印加した直前のフレ
ームの直流分を補正することを特徴とする。
以下に実施例をあげ本発明の詳細を説明する。
〔実施例〕 実施例1 先ず、本発明で利用する複数の表示ドツトの各々にス
イツチング素子を設けた場合の強誘電性液晶素子におけ
る電気光学特性について説明する。
石英基板上にPoly−Siを用いたシフトレジスター回
路、データラツチ回路、トランスミツシヨンゲートを含
む駆動回路及び前記トランスミツシヨンゲートにつなが
る100μm角の表示ドツト及び前記表示ドツトと並列に
接続された容量0.5pFのコンデンサーCsを持つTFT基板を
作り、各表示ドツトに対向する対向電極を有する対向基
板と1.8μmの間隙を保ってセルを形成し、チツソ
(株)製の液晶組成物CS−1018を封入し液晶素子とし
た。この液晶素子を45℃に於いて第2図の201に示す±1
0Vの矩形波を印加して透過率が90%まで変化する応答時
間τを測定したところ50μsであった。次に第3図
(a)に示すように、LZ期間t11に液晶に301の波形で示
す±10Vの電圧パルスを交互に印加し、それ以外の期間
はHZ期間t12となるように駆動し、パルス幅Pw(=t11
を変化させて光学応答Tを測定した。するとパルス幅Pw
を20μsにしても液晶素子は応答した。このときの液晶
素子の光学応答Tは第3図(b)に示すようにLZ期間も
t11内では20%程度しか飽和しておらず、HZ期間t12にな
って80μs後に飽和していた。これはLZ期間t11に液晶
の容量CLCとコンデンサーCsに電荷Qが充電され、HZ期
間t12にはこの電荷Qによって液晶の両端に電界VLCが
生じる。
この電界VLCの効果は液晶分子に十分に長いパルスが
印加されたのと同じであり、HZ期間t12になってからも
動作を継続し、その結果完全に光学応答する。
以下に上記の電気光学効果を利用した新規な駆動方法
に付いて述べる。
実施例2 実施例1で用いたと同じ液晶素子を用い、補正パルス
が該補正パルスの後ろに続くフレームの直流分を補正す
る場合の駆動波形及び光学応答を第1図に示す。LZ期間
t11の前半t13には後に続くフレームで書き込みたい方向
とは逆方向に液晶分子を動作させる極性の補正パルスを
印加し、LZ期間t11の後半t14には書き込みたい側に液晶
分子を動作させる極性の書き込みパルスを印加する。こ
のような駆動をした時、駆動波形側から見れば1フレー
ムは(t11〜t12)の期間であるが、電気光学装置として
の動作状態から見ると1フレームは例えば(t14〜t23
の期間と見なすことが出来る。この時、電気光学装置の
状態が1つ前のフレームが遮光状態(以下、OFFと略
す)で次に続くフレームが光透過状態(以下、ONと略
す)である様なONのフレームがONとしての全透過光量の
積分値SONが最も小さく、1つ前のフレームがONで次に
続くフレームがOFFであるようなOFFのフレームがOFFと
しての全透過光量の積分値SOFFが最も大きい。フレー
ム周期を1.68ms,パルス幅Pwを30μsとして駆動した
時、最小コントラスト比CRmin(=SON/SOFF)は13.6と
なった。
実施例3 実施例1で用いたと同じ液晶素子を用い、補正パルス
が該補正パルスの前にあるフレームの直流分を補正する
場合の駆動波形及び光学応答を第4図に示す。LZ期間t
11の前半t13には前フレームの書き込み状態とは逆方向
に液晶を動作させる極性の補正パルスを印加し、LZ期間
t11の後半t14には書き込みたい側に液晶分子を動作させ
る極性の書き込みパルスを印加する。この場合にも電気
光学装置としての動作状態からみると1フレームは例え
ば(t14〜t23)と見なすことが出来、実施例2の場合と
同様にOFF→ON→ONと変化した時の中央のON期間がONと
しての全透過光量の積分値SONが最も小さく、→ON→OF
F→OFFと変化した時の中央のOFF期間がOFFとしての全透
過光量の積分値SOFFが最も大きい。パルス幅Pwを30μ
s,フレーム周期を1.68msとして駆動した時、最小コント
ラスト比CRminは21.6となった。
実施例4 第5図に示すように各表示ドツト51にa−SiHで作っ
たTFT52を接続し、複数のTFT52のゲート電極からの端子
を複数の組にまとめて基板外に引き出すことで端子数を
減らした液晶素子を作りチツソ(株)製の液晶組成物CB
−1018を封入し、第6図に示すように一まとめにした各
TFTを501,502・・の波形で順次選択し、Seg1〜Seg4にデ
ータ信号を印加することでマルチプレツクス駆動を行な
ったところPw=30μsで最小コントラスト比CRminは13.
6となった。
実施例5 第7図に示すように各表示ドツト71にTa−Ta2O5−Cr
構造を持つ非線形素子(MIM素子)72を接続し、第8図
の701に示すような駆動波形で駆動した。
用いた液晶組成物は前出のCS−1018で、パルス幅をPw
=30μsにした時に得られた最小コントラスト比CRmin
は12.2であった。
上記実施例ではスイツチング素子をpoly−Siあるいは
a−SiHによるTFT,あるいはMIM素子で形成したがこれは
本実施例に限定されることなく例えば双方向性のダイオ
ード等を用いることが可能である。またパルス幅,電圧
などの駆動条件は液晶素子の構成あるいは用いた液晶組
成物によって変化することは明かである。
〔発明の効果〕
以上のような構成にすることによって、直流分による
劣化が少なく、しかも補正パルスによる光漏れが少な
く、コントラスト比が高い電気光学装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例2における補正パルスが該補正
パルスの後ろに続くフレームの直流分を補正する場合の
駆動波形及び光学応答を示す図である。 第2図は本発明の実施例1における通常の矩形波で液晶
組成物の応答時間を測定したときの駆動波形及び光学応
答を示す図である。 第3図(a)(b)は本発明の実施例1における高イン
ピーダンス期間を設けた駆動波形によって駆動を行った
場合の駆動波形及び光学応答を示す図である。 第4図は本発明の実施例3における補正パルスが該補正
パルスの前にあるフレームの直流分を補正する場合の駆
動波形及び光学応答を示す図である。 第5図は本発明の実施例4における液晶素子の回路構成
を示す図である。 第6図は本発明の実施例4における駆動波形を示す図で
ある。 第7図は本発明の実施例5における液晶素子の回路構成
を示す図である。 第8図は本発明の実施例5における駆動波形を示す図で
ある。 101,301,401,701……液晶素子に印加した駆動波形 201……液晶の応答測定に用いた波形 51,71……表示画素 52……TFT 53,73……電荷蓄積用コンデンサー 501〜504……TFTを選択するゲート信号 t11,(t21‥)……スイツチング素子が低インピーダン
スの期間 t12,(t22‥)……スイツチング素子が高インピーダン
スの期間 COM……対向電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する一対の基板間にメモリー性を有す
    る液晶を挟持してなり、前記一方の基板上にスイッチン
    グ素子が配置されてなり、該スイッチング素子に接続し
    て画素電極が配置されてなり、前記他方の基板には対向
    電極が形成されてなる電気光学装置の駆動方法におい
    て、 前記スイッチング素子を低インピーダンスにして、前記
    液晶に電圧を印加する第1の期間と、 前記スイッチング素子を高インピーダンスにして、前記
    液晶に電圧を印加する第2の期間とからなり、 前記第1の期間に、前記電気光学装置の光透過状態を定
    める電圧パルスと前記液晶に印加される電圧の直流分を
    補正する補正パルスとを印加することを特徴とする電気
    光学装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】前記第1の期間の前半の期間に前記補正パ
    ルスを前記液晶に印加し、前記第1の期間の後半の期間
    に前記電圧パルスを前記液晶に印加することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の電気光学装置の駆動方
    法。
  3. 【請求項3】前記補正パルスは、前記補正パルスを印加
    したフレームの直流分を補正することを特徴とする特許
    請求の範囲第1項または第2項記載の電気光学装置の駆
    動方法。
  4. 【請求項4】前記補正パルスは、前記補正パルスを印加
    した直前のフレームの直流分を補正することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項または第2項記載の電気光学装
    置の駆動方法。
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