JP2621060B2 - 画像形成装置用給紙カセット装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像形成装置用給紙カ
セット装置、特に、給紙カセットが配置されるカセット
収容部と、前記給紙カセット内に収納された用紙を用紙
搬送方向に送出するために回転軸が前記用紙搬送方向と
直交するように配置される給紙コロとを有する画像形成
装置に用いられる画像形成装置用給紙カセット装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】例えば複写機等の画像形成
装置において、給紙カセットを画像形成装置本体の前面
から装着するいわゆるフロントローディングタイプのも
のが知られている。このフロントローディングタイプの
画像形成装置では、給紙カセットの装着の際には、給紙
カセットはカセット収容部の給紙コロの回転軸線方向に
移動する。このため、用紙が給紙ローラ端面に当接する
ことによる用紙の横ずれを防止する必要がある。

【０００３】そこで、給紙カセットを給紙コロの下方位
置において装置本体の前後方向に移動可能とし、給紙カ
セットがカセット収容部内に配置されたときに、給紙カ
セット全体あるいは給紙カセットの用紙取り出し側端部
を上方へ移動させることにより、用紙端部を給紙コロに
圧接させるようにすることが考えられる。

【０００４】一方、カセット収容部内に給紙カセットを
セットした状態において、床面からの振動等により給紙
カセットが装置本体前方へ抜け出すのを防止するため
に、いわゆるキャッチ機構が採用されている。このキャ
ッチ機構は、給紙カセットに設けられた突起部と、カセ
ット収容部内に設けられ前記突起部を係脱自在に係止す
る係止部とから構成されている。

【０００５】ところが、給紙カセットは、上述のよう
に、カセット収容部内にセットされたとき上方へ移動す
るため、給紙カセット側の突起部とカセット収容部側の
係止部との係合がうまくいかない場合があり、この結
果、前記従来装置では、カセット収容部からの給紙カセ
ットの抜け出し防止を確実に行えない場合が生じる。

【０００６】本発明の目的は、給紙カセットのカセット
収容部からの抜け出し防止を確実に行える画像形成装置
用給紙カセット装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る画像形成装
置用給紙カセット装置は、給紙カセットが配置されるカ
セット収容部と、前記給紙カセット内に収納された用紙
を用紙搬送方向に送出するために回転軸が前記用紙搬送
方向と直交するように配置される給紙コロとを有する画
像形成装置に用いられる画像形成装置用給紙カセット装
置である。この装置は、給紙カセットケースと、支持部
と、上下動機構と、固定部とを備えている。

【０００８】給紙カセットケースは給紙カセットが着脱
自在に装着される。支持部は、給紙カセットケースを上
下動可能に支持するとともに、給紙カセットケースに装
着された給紙カセットをカセット収容部に位置させる装
着位置とカセット収容部から離脱させる引き出し位置と
の間で給紙コロの回転軸と平行に移動可能である。上下
動機構は、支持部が装着位置にあるとき、給紙カセット
の最上部に収納された用紙を給紙コロに当接させるよう
に、給紙カセットケースを上方に移動させ、支持部が装
着位置から離脱する際に、給紙カセットの最上部に収納
された用紙を給紙コロから離間させるように、給紙カセ
ットケースを下方に移動させる。固定部は、支持部が装
着位置にあるとき、支持部を画像形成装置内に固定する
ためのものである。

【０００９】

【作用】本発明では、給紙カセットケースに給紙カセッ
トが着脱自在に装着される。支持部は、給紙カセットケ
ースを上下動可能に支持するとともに、給紙コロの回転
軸と平行に移動可能となっている。この支持部は、給紙
カセットケースに装着された給紙カセットをカセット収
容部に位置させる装着位置と、給紙カセットをカセット
収容部から離脱させる引き出し位置との間で移動可能と
なっている。支持部が引き出し位置に引き出されて、給
紙カセットがカセット収容部から離脱した状態では、給
紙カセットケースは上下動機構により下方に移動されて
おり、給紙カセットの最上部に収納された用紙は給紙コ
ロから下方に離間している。支持部が装着位置に到達す
ると、上下動機構により給紙カセットケースが上方に移
動され、給紙カセットに収納された最上部の用紙が給紙
コロに当接するようになる。また、同時に給紙カセット
がカセット収容部に位置する状態で、固定部により支持
部が固定され、給紙カセットが確実に所定位置に固定さ
れる。これにより、給紙カセットのカセット収容部から
の抜け出しが防止できる。

【００１０】この場合には、固定部による固定が、給紙
カセットケースを支持する支持部に対して行われるた
め、支持部を画像形成装置内の所定位置に確実に固定で
き、給紙カセットのカセット収容部からの抜け出し防止
を確実に行える。

【００１１】

【実施例】図１は、本発明の一実施例が採用された複写
機を示している。図１において、複写機本体１の上部に
は、原稿が載置される原稿台２が配置されており、その
上面に原稿押え３が開閉自在に設けられている。また、
複写機本体１の図左側部には、排紙トレイ４と、カセッ
トケース５を支持する外枠部材１４とが配置されてい
る。カセットケース５内には、給紙カセット１５が着脱
自在に装着される。また外枠部材１４は、紙面手前側か
ら複写機本体１内に装着されるようになっている。図右
側部には、バイパス給紙用のトレイ６が配置されてい
る。

【００１２】複写機本体１の内部には、感光体ドラム７
が配置されている。感光体ドラム７の周囲には、帯電装
置、転写装置、用紙分離装置及びクリーニング装置に加
えて、上下方向に並べて配置された現像器１０，１１，
１２及び１３を有する現像装置８が設けられている。各
現像器１０，１１，１２，１３は、たとえばマゼンタ，
シアン，イエロー及びブラックの各現像器となってい
る。これらの現像器１０〜１３は、移動枠体９に固定さ
れている。移動枠体９は、かさ歯車１７，１８及びボー
ルスクリュー１９等を含む移動機構１６により上下方向
移動可能となっている。

【００１３】感光体ドラム７の下方には、転写ドラム２
１が近接して配置されている。また、感光体ドラム７の
上方には、レーザユニット２２が配置されている。レー
ザユニット２２からのレーザビームは、感光体ドラム７
の上端面に照射されるようになっている。一方、原稿台
２の下方には、ＣＣＤ素子を備えた読み取り器２３が配
置されている。読み取り器２３は、図の左右方向に移動
可能となっており、原稿台２上に載置された原稿をスキ
ャンするようになっている。読み取り器２３で得られた
画像情報は、レーザユニット２２に電気信号として送出
される。

【００１４】転写ドラム２１の下部と、給紙カセット１
５及びバイパス給紙トレイ６との間には、それぞれ給紙
搬送装置２４，２５が配置されている。各給紙搬送装置
２４，２５は、給紙ガイドや複数の給紙ローラから構成
されている。転写ドラム２１と排紙トレイ４との間に
は、転写ドラム２１側から順に、排紙搬送装置２６及び
画像定着装置２７が配置されている。転写ドラム２１と
排紙搬送装置２６との間には、転写ドラム２１上の記録
紙を転写ドラム２１から分離するための分離爪２８が設
けられている。

【００１５】次に、外枠部材１４の取付部分の詳細を図
２および図３に示す。これらの図において、複写機本体
１内には、１対のアキュライド（登録商標）（登録商
標）３０が前後方向（図２上下方向）に配設されてい
る。アキュライド３０は、一端が複写機本体１の後パネ
ル１ａに固定された断面コ字状の固定部材３１と、固定
部材３１内をスライド自在な中間スライド部材３２と、
中間スライド部材３２をスライド自在に支持する断面コ
字状のスライド部材３３とから構成されている。中間ス
ライド部材３２及びスライド部材３３は、前パネル１ｂ
に形成された開口３４から複写機本体１の前方に突出し
得るようになっていた。また、各固定部材３１の間の上
方位置には、給紙コロ２０が配置されている。給紙コロ
２０は、前後方向に配設された回転軸２９に回転自在に
支持されている。

【００１６】外枠部材１４は箱状の部材であり、左右の
側板１４ａ，１４ｂはそれぞれアキュライド３０のスラ
イド部材３３に固定されている。また、外枠部材１４は
上下（図３上下）に開口を有している。外枠部材１４内
には、カセットケース５が配置されている。外枠部材１
４の前後の側板１４ｃ，１４ｄ及びカセットケース５の
一端（給紙コロ２０から離れた側）には、支軸３５が挿
通している。カセットケース５は、支軸３５の回りに回
動自在となっている。また、支軸３５から離れた側にお
いてカセットケース５の下部には、下方に突出する１対
の突出部３６が設けられている。各突出部３６には、上
下方向に延びる長孔３６ａがそれぞれ形成されている。
一方、外枠部材１４の側板１４ｂの内側面上には、前後
方向に延びる１対の連結部材３７が固定されている。各
連結部材３７には、それぞれ長孔３６ａ内を挿通するピ
ン３８が取付けられている。また、カセットケース５の
下部において突出部３６側方には、前後方向に延びる１
対のレール３９が固定されている。

【００１７】また、カセットケース５内に装着された給
紙カセット１５には、収容する用紙４０のサイズ等に応
じた適正な給紙圧を発生させるコイルばね４１が取付け
られている。

【００１８】外枠部材１４の側板１４ｃ中央部には、た
とえば樹脂製の突起部４２が後方に突出して設けられて
いる。一方、後パネル１ａ上において突起部４２に対応
する位置には、突起部４２を係脱自在に係止するたとえ
ば樹脂製の係止部４３が設けられている。これら突起部
４２及び係止部４３によりキャッチ機構が構成されてい
る。

【００１９】次に、図２のＡ−Ａ断面を図４及び図５に
示す。なお、図５は、カセットケース５がカセット収容
部４５内に配置された状態を示しており、図４は、カセ
ットケース５がカセット収容部４５よりも若干手前側
（図２下側）に配置された状態を示している。

【００２０】これらの図において、複写機本体１の前パ
ネル１ｂ（図２）側に設けられた支持板５０には、給紙
コロ２０の上方において前後方向（図４，図５の左右方
向）に延びるプレート５１の一端が固定されている。プ
レート５１には、前後方向に延びるスリット５１ａが２
か所に形成されている。一方、プレート５１の下方に
は、スライド部材５２が配置されている。このスライド
部材５２の前後端部はそれぞれ下方へ折り曲げられてお
り、各折曲げ部５２ａ，５２ｂを回転軸２９が挿通して
いる。各折曲げ部５２ａ，５２ｂにより、回転軸２９
は、回転自在に支持されるとともに、軸方向にはスライ
ド部材５２と一体的に移動するようになっている。ま
た、スライド部材５２の上部には、プレート５１のスリ
ット５１ａを挿通するねじ５３が上方から螺合してい
る。このねじにより、スライド部材５２はプレート５１
に前後方向スライド自在に支持されている。

【００２１】また、支持板５０とスライド部材５２との
間には、コイルばね５４が引っ張り状態で装着されてい
る。コイルばね５４の各端部は、それぞれ支持板５０及
びスライド部材５２下部に係止されている。このコイル
ばね５４のばね力により、スライド部材５２は、回転軸
２９とともに常時前方（図左方）に付勢されている。ま
た、支持板５０には、後方へ突出する円筒状の突出部５
５が設けられている。突出部５５の穴５５ａ内に回転軸
２９の一端が挿入しており、回転軸２９は穴５５ａ内を
スライド自在となっている。また、スライド部材５２の
折曲げ部５２ｂには、下方へ延びる当接板５６が取り付
けられている。この当接板５６には、外枠部材１４の側
板１４ｃが図の左方から当接し得る。また、給紙コロ２
０の下方には、１対のコロ６０，６１が設けられてい
る。各コロ６０，６１は、それぞれ紙面直角方向に延び
る支軸６０ａ，６１ａの回りに回転自在となっている。
また、カセットケース５下部に固定されたレール３９の
下面は、前方に行くにしたがい突出量が増加している傾
斜面３９ａと、これに連続して形成された凹部３９ｂと
を有している。凹部３９ｂは、コロ６０，６１の上部に
係合し得るようになっている（図５参照）。

【００２２】次に、動作について説明する。カセット収
容部４５（図２）に給紙カセット１５を装着する際に
は、まず、外枠部材１４及びカセットケース５を複写機
本体１の手前側へ取り出した状態（図２参照）で、カセ
ットケース５内に給紙カセット１５を装着する。次に、
外枠部材１４を複写機本体１内へ押し込む。外枠部材１
４及びカセットケース５は、アキュライド３０を介して
カセット収容部４５側へ移動する。そして、カセットケ
ース５がカセット収容部４５の近くまでくると、給紙カ
セットケース５下部のレール３９がコロ６０，６１に当
接する（図４参照）。この状態からさらに外枠部材１４
を押し込むと、レール３９の傾斜面３９ａがコロ６０，
６１上に乗り上げ、カセットケース５が支軸３５の回り
に回動して、カセットケース５のレール３９側端部が徐
々に持ち上げられる。

【００２３】一方、外枠部材１４の移動により、側板１
４ｃが当接板５６に当接する（図４）。この状態からさ
らに外枠部材１４が押し込まれると、当接板５６が固定
されたスライド部材５２がコイルばね５４を伸長させ、
このコイルばね５４のばね力に抗して、外枠部材１４，
スライド部材５２及び回転軸２９が一体的に移動する。
これにより、カセットケース５内の給紙カセット１５と
給紙コロ２０との相対移動がなくなり、給紙コロ２０と
の干渉による用紙の横ずれが防止される。

【００２４】カセットケース５内の給紙カセット１５が
給紙コロ２０下方に位置したところで、コロ６０上部が
レール３９の凹部３９ｂ内に嵌まり込む（図５）。この
とき、給紙カセット１５内の用紙４０は、給紙コロ２０
の下方から圧接する（図６）。このようして、給紙カセ
ット１５がカセット収容部４５内に配置される。また、
給紙カセットケース５がカセット収容部４５内に配置さ
れるときには、外枠部材１４の側板１４ｃに固定された
突起部４２が前パネル１ａ上の係止部４３内に挿入し、
突起部４２が係止部４３に係止する。

【００２５】この場合には、キャッチ機構の突起部４２
が、上下方向には移動しない外枠部材１４に取付けられ
ているため、突起部４２の係止部４３への係止が確実に
行われる。これにより、複写動作中において、床面から
の振動等により、外枠部材１４及び給紙カセットケース
５がカセット収容部４５から抜け出すのが確実に防止さ
れる。また、給紙カセットケース５は、外枠部材１４に
支軸３５を介して支持されているため、上下方向のがた
が生じにくい。これにより、用紙４０の給紙コロ２０へ
の圧接が確実に行われ、給紙性能が向上する。

【００２６】〔他の実施例〕 （ａ） 突起部４２は外枠部材１４の前側の側板１４ｄ
上に取付けられていても良い。この場合には、複写機本
体１の前パネル１ｂ上にこの突起部を係止する係止部を
配置するようにする。

【００２７】（ｂ） 前記実施例では、カセットケース
５が回動自在に支持されたものに本発明を適用したが、
給紙カセットケース５全体が上下方向に移動自在に支持
されたものについても同様に適用できる。

【００２８】

【発明の効果】本発明に係る画像形成装置用給紙カセッ
ト装置では、固定部による固定が、給紙カセットケース
を支持する支持部に対して行われるため、支持部を画像
形成装置内の所定位置に確実に固定でき、カセット収容
部からの給紙カセットの抜け出し防止を確実に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例が作用された複写機の縦断面
概略図。

【図２】外枠部材の取付部の平面概略図。

【図３】その正面概略図。

【図４】図２のＡ−Ａ断面略図。

【図５】図２のＡ−Ａ断面略図。

【図６】前記実施例の動作を説明するための図。

【符号の説明】

１ 複写機本体 ５ カセットケース １４ 外枠部材 １５ 給紙カセット ２０ 給紙コロ ２９ 回転軸 ４２ 突起部 ４３ 係止部 ４５ カセット収容部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給紙カセットが配置されるカセット収容部
   と、前記給紙カセット内に収納された用紙を用紙搬送方
   向に送出するために回転軸が前記用紙搬送方向と直交す
   るように配置される給紙コロとを有する画像形成装置に
   用いられる画像形成装置用給紙カセット装置であって、 前記給紙カセットが着脱自在に装着される給紙カセット
   ケースと、前記給紙カセットケースを上下動可能に支持するととも
   に、前記給紙カセットケースに装着された給紙カセット
   を前記カセット収容部に位置させる装着位置と前記カセ
   ット収容部から離脱させる引き出し位置との間で前記給
   紙コロの回転軸と平行に移動可能である 支持部と、前記支持部が装着位置にあるとき、前記給紙カセットの
   最上部に収納された用紙を前記給紙コロに当接させるよ
   うに、前記給紙カセットケースを上方に移動させ、前記
   支持部が前記装着位置から離脱する際に、前記給紙カセ
   ットの最上部に収納された用紙を前記給紙コロから離間
   させるように、前記給紙カセットケースを下方に移動さ
   せる上下動機構と、 前記支持部が装着位置にあるとき、 前記支持部を前記画
   像形成装置内に固定するための固定部と、 を備えた画像形成装置用給紙カセット装置。