JP2619782B2 - コンクリート柱体製造用型枠の締結装置 - Google Patents

コンクリート柱体製造用型枠の締結装置

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JP2619782B2
JP2619782B2 JP5078004A JP7800493A JP2619782B2 JP 2619782 B2 JP2619782 B2 JP 2619782B2 JP 5078004 A JP5078004 A JP 5078004A JP 7800493 A JP7800493 A JP 7800493A JP 2619782 B2 JP2619782 B2 JP 2619782B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートパイルや
コンクリート柱体を製造する型枠の締結装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、円筒状のコンクリートパイルや
ポール等の柱体を製造する場合、図9のように上下半円
状に2分割した型枠(K) の下型枠(K2)内に芯材鉄筋籠を
セットするとともに、生コンクリートを充填し、上型枠
(K1)を被せて閉じた後、上下型枠(K1)(K2)の分割端部外
側に有するフランジ(130)(130)の部分で締結し、この型
枠(K) に高速回転を与えて遠心成形し、蒸気養生後は下
型枠(K2)と下型枠(K2)との締結を緩めて上型枠(K1)を外
し、パイル等のコンクリート柱体を取り出し脱型してい
る。
【0003】従来、前記型枠(K) の締結構造としては、
例えば図10に示すように、上下型枠(K1)(K2)のフラン
ジ(130)(130)を、一方のフランジに固着した締結ボルト
(131) とこれに螺合するナット(132) により締結する構
造のものがあった。
【0004】また図11に示すように、一方(主に下
側)の型枠のフランジ(130) に回動自在な蝶番ボルト(2
31) を設けておき、上下型枠(K1)(K2)を締結する場合
は、前記ボルト(231) を起立させてボルト頭部のナット
(232) をねじ込み締結し、また型枠(K) を解体する場
合、ナット(232) を緩めて前記ボルト(231) を倒して上
型枠(K2)を外すようにした構造のものがあった。
【0005】これらいずれの締結構造の場合にも、締結
用のボルト、すなわち締結箇所が、コンクリート柱体等
を製造する型枠(K) の全長に渡って多数配されており、
特に軸方向に長い型枠(K) ほど配設数が多いため、この
締結および緩め作業をインパクトレンチ等の締緩器具を
用いて手作業で行なうのは、多くの手間、時間、労力を
要することになる。
【0006】そのため、近年、インパクトレンチ等の締
緩器具を自動で操作して、前記型枠の締結、緩め作業を
行なうことが試みられており、種々の提案がなされてい
る。本発明者らも、型枠載置台の上方に設けた昇降台
に、型枠の幅方向で対をなす締緩器具をユニット化した
締緩装置の複数組を型枠の略全長に見合う長さにわたっ
て配設して、型枠の締結、緩め作業を容易にし、かつ全
長に渡って均一に締結できるようにした装置を開発し
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記におけ
る型枠の締結構造として、図11の蝶番ボルト(231) を
利用する締結構造にあっては、蝶番ボルトを型枠の組
立、解体毎に起立させたり、倒したりせねばならず、締
緩作業が煩雑となり、到底自動化を効率よくなし得ない
欠点があった。
【0008】なお、型枠(K) の締結構造として、図10
のように、いずれか一方の型枠のフランジに固設した締
結ボルト(131) を利用し、これにナットをねじ込み締結
する方法では、締結の際にナット嵌め込み作業が必要に
なる上、型枠を解体した時に、ボルトの頂部がフランジ
面より突出することとなり、フランジ面の清掃が行え
ず、また取り外したナットの保管等が面倒になるといっ
た取扱い上の問題もあった。
【0009】本発明は上記に鑑みてなしたものであり、
その目的は、型枠の締結装置として、上記従来の問題を
解消した構造の締結装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の型枠の締
結装置は、上型枠のフランジにおける締結用挿通孔の部
分にフランジ面と垂直に支持されかつ径方向に突出した
係止部を下端部に有する締結ロッドと、この締結ロッド
の胴部に螺合されたナットと、締結ロッドの外周部に装
着されて該ロッドを上向き方向に付勢する圧縮バネとを
有し、前記締結ロッドは、非締付け時にはロッド下面が
上型枠のフランジ下面より突出しないように締結用挿通
孔内に嵌り込んだ状態に保持されるとともに、圧縮バネ
に抗して下方に突出可能に設けられており、ロッド下動
時に下端部の前記係止部がこれと対応形状をなす下型枠
のフランジの締結用挿通孔に貫入するとともに、この貫
入状態でのナットの締付け方向の回転に伴う摩擦力で所
要角度回転して前記係止部が下型枠のフランジ下面およ
び該下面に有するストッパーに係止し、またナットの緩
め方向の回転に伴う摩擦力で前記とは逆方向に回転して
前記係止部が挿通孔に合致したときに圧縮バネの弾力で
挿通孔より上方に抜出し得るように構成されてなること
を特徴とするものである。
【0011】また本発明の第2の締結装置は、緩装置
の回転軸の端部に有するソケットのナットへの接近・離
隔および回転伝達により、締結または締結解除するもの
であって、相対する径方向の突出部分を有するナットの
その突出部分に嵌め合い係合する係止部が、筒状をなす
ソケットの下端部に、設けられてることを特徴とする
請求項1に記載のコンクリート柱体製造用型枠の締結装
置である
【0012】
【作用】上記した本発明の第1の型枠の締結装置によれ
ば、上型枠のフランジ面に垂直に保持されている締結ロ
ッドに螺合したナットに対し、例えばナットランナー方
式の締結装置のソケットを嵌め合せるようにして、該締
結ロッドを圧縮バネに抗して押下すると、ロッド下端部
の係止部がこれと対応形状をなす下型枠フランジに有す
る締結用挿通孔に貫入する。
【0013】この状態で締緩装置の回転力によりナット
締付け方向に回転させると、その回転に伴うナットと締
結ボルトの間の摩擦力で締結ロッドが所要角度回転し
て、このロッド下端部に有する係止部の突出部分が挿通
孔周辺のフランジの下に回り込んで該フランジ下面およ
び該下面に有するストッパーに係止し、その後はナット
のみが回転する。したがって、このままナットを圧縮バ
ネの弾力に抗してねじ込み締付けることにより、上下型
枠のフランジを締結できる。特にこの締結状態では、圧
縮バネがさらに圧縮された状態になって、その弾力によ
って緩みなく強固に締結状態に保持されることになる。
【0014】また緩め作業の際には、前記とは逆にナッ
ト緩め方向に回転させると、圧縮バネの付勢力とナット
とロッドとの間の摩擦力で締結ロッドがナットとともに
回転して、前記係止部が挿通孔に合致しこの状態で圧縮
バネの弾力により下型枠のフランジの挿通孔より上方に
抜き出て、上下型枠を分離することが出来る。またこの
状態では締結ロッドが上型枠のフランジ下面より下方に
突出しない状態で保持されることになる。
【0015】特に、ナットの回転による摩擦力を利用し
て締結ロッドに所定角度の回転を与えるようにしたの
で、締緩装置による締緩作業において、係止部がストッ
パーに当接係止する際の衝撃をナットの回転により吸収
できる。
【0016】さらに、本発明の第2の締結装置の場合、
締緩装置の回転軸端部のソケットが降下して、筒状をな
すソケットの下端部に有する係止部が、締結ロッド側の
回転伝達部分であるナットの径方向の突出部分に嵌め合
い係合することにより、締緩装置の回転力が締結ロッド
側における回転伝達部分に伝達され、締結ロッドによる
型枠締結が行なわれる。
【0017】特に、締結ロッド側の回転伝達部分である
ナットに径方向の突出部分を設け、この突出部分に筒状
をなすソケット下端部の係止部を嵌め合い係合させるよ
うにしたので、ソケットの内径を、これが嵌合する前記
回転伝達部分であるナットとの間に遊びを保有するよう
に大きく形成することが可能であり、そうすることによ
り、締緩装置と締結ロッドの軸心の少々のずれをも許容
でき、前記係合が確実に行なわれる。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0019】図1において、締結対象の型枠(K) は、略
半円状に2分割された上下型枠(K1)(K2)からなり、胴部
には軸方向適当間隔に複数の遠心タイヤ(40)が設けら
れ、上型枠(K1)、下型枠(K2)のそれぞれの合せ面となる
分割縁部にはそれぞれフランジ(30a)(30b)が形成されて
いる。(43)は型枠(K) に設けた円形の補強フランジであ
る。
【0020】(42)は型枠(K) の底部側(下部側)に設け
た受座であり、上下のフランジ(30a)(30b)を水平にして
型枠(K) を受支するものである。(D) は型枠(K) の載置
台である。
【0021】図の場合、前記載置台(D) の上面に、リニ
アガイド(53a) とリニアベアリング(53b) とにより型枠
軸心方向にスライド移動可能なスライド台(52)が設けら
れ、このスライド台(52)上に上記した型枠(K)の受座(4
2)を介して型枠(K)が載置されるようになっている。
【0022】(G) は型枠(K) のフランジの長手方向所定
ピッチに配設された第1の発明に係る締結装置を示して
いる。この締結装置(G) は、図2〜図7に示すように次
の構成を有してなる。
【0023】(31)は上型枠(K1)のフランジ(30a) に垂直
に支持された締結ロッドであって、下端部には一部がロ
ッド径方向に突出する例えば略角形(略長方形)をなす
係止部(31b) が設けられ、またロッド(31)の胴部に形成
された雄ネジ部(31c) には略長方形のナット(32)が螺合
されている。さらに締結ロッド(31)はその外周部におい
て前記ナット(32)とフランジ(30a) との間に装着された
圧縮バネ(33)により上向き方向に付勢されており、この
圧縮バネ(33)に抗して下向き方向に突出、すなわち下動
可能である。(31a) はナットの抜脱防止用のストッパー
を兼ねる頭部、(32b) はナット(32)の下面に配されたバ
ネ座である。
【0024】上下型枠(K1)(K2)のフランジ(30a)(30b)に
は、前記締結ロッド(31)の下端部と略対応形状をなす例
えば略長方形の締結用挿通孔(36a)(36b)が設けられてお
り、締結ロッド(31)の係止部(31b)は、挿通孔(36a)(36
b)と略長方形状を略合致させた場合にのみ挿通でき、さ
らに若干回転して係止部(31b) の方向を変えると、突出
部分がフランジ(30b) の下面に回り込んで挿通もしくは
抜け出せないように構成されている。尚、本実施例では
型枠(K) の軸方向に長孔形状の挿通孔が設けられ、係止
部(31b) がこれと対応合致する方向になったときにのみ
挿通可能になっている。
【0025】また、上型枠(K1)のフランジ(30a) の上面
には係止部(31b) と略対応する保持室(35)が設けられ、
保持面(35a) に係止部(31b) の上面が接当して係止部(3
1b)が抜け出さないように構成されている。すなわち非
締付け状態においては、前記ナット(32)と保持室(35)の
間に設けられた圧縮バネ(33)の付勢力で、締結ロッド(3
1)が上方に引き上げられて係止部(31b) が保持室(35)内
に納まるようになっている。このときロッド下面が若干
挿通孔(36a) 内に嵌り込んでフランジ(30a) の下面より
突出しないようになっている。またこの状態では、締結
ロッド(31)は保持面(35a) の挿通孔及び保持パイプ(34)
で上型枠(K1)のフランジ(30a) に対して垂直に保持され
る。したがって型枠の締結、解体に際して起立させた
り、倒したりする作業は不要である。
【0026】さらに下型枠(K2)のフランジ(30b) には、
挿通孔(36b) に係止部(31b) が貫入した状態において、
締結ロッド(31)がナット締付け方向に所要角度(例えば
90°)回転したときに前記係止部(31b) が係止するとと
もに、逆回転したときに係止部(31b) を挿通孔(36b) に
合致させるストッパー(37)が設けられている。
【0027】したがって締結ロッド(31)は、ナット締付
け方向の回転時に前記係止部(31b)がストッパー(37)に
当接係合してそれ以上の回転が阻止され、また逆方向の
回転により係止部(31b) が挿通孔(36b) と合致したとき
にもそれ以上の回転が阻止される。
【0028】(38)は、上下型枠(K1)(K2)のフランジ(30
a) (30b) を一定間隔で締結するための当り面部材、(3
9)は型枠(K) 内部の生コンクリート等の洩れを防ぐパッ
キンである。
【0029】上記の締結装置(G) を締結する締緩装置
(S) としては、例えば図2および図3等に示すナットラ
ンナー方式の締緩装置が用いられる。
【0030】この締緩装置(S) は、図のようにエアー
圧、油等の液圧で回転駆動される駆動部(S1)とその下方
に連結した回転締結部(S2)とにより構成され、駆動軸(2
2)の回転数を検知する回転センサー(22a) や、エアー圧
等を検知する圧力センサー(図示せず)が設けられてい
る。
【0031】図2に示すように、回転締結部(S2)は、外
パイプ(20)内に駆動軸(22)、スピンドル(24)および回転
軸(26)等が納められてなり、スピンドル(24)は駆動軸(2
2)の下部にスプライン状に連結されて内パイプ(21)によ
り抜脱しないように保持され、またこのスピンドル(24)
に対して回転軸(26)が自在継ぎ手部(25)を介して首振り
自在に連結されている。この回転軸(26)の端部にソケッ
ト(27)が設けられ、上記した締結ロッド(31)側のナット
(32)に嵌め合い係合して、締付けあるいは緩め方向の回
転を伝達するようになっている。すなわち、締結ロッド
(31)側における前記ソケット(27)からの回転伝達部分と
なるナット(32)には相対向して径方向に突出する突出部
分(32a) を有し、またソケット(27)は、図2〜図6に示
すように、締結ロッド(31)の頭部(31a) やナット(32)に
遊び保有して嵌合し得る筒状をなし、このソケット(27)
の下端部に前記突出部分(32a) が嵌め合い係合する係止
部(27a) が切欠形成されている。
【0032】(20a) はソケット(27)が一定範囲内で首振
りし得るように設けたガイドパイプである。また、前記
駆動軸(22)とこれにスプライン嵌合により連結されたス
ピンドル(24)との間には圧縮バネ(23)が設けられ、この
圧縮バネ(23)の弾性力によりスピンドル(24)、つまりは
ソケット(27)が下向きに付勢されて、一定範囲内で上下
動するようになっている。
【0033】図8は、回転締結部(S2)の他の実施例とし
て、駆動軸(22)の下方側の軸部に対して回転軸(26)を直
接スプライン状に連結し、この回転軸(26)を圧縮バネ(2
3)の弾性力で下方に付勢した場合を示している。この場
合にもスプライン状連結部の製作精度範囲内でソケット
(27)が首振りすることとなる。ガイドパイプ(20a) が前
記の首振り範囲を規制することは上記の場合と同様であ
る。
【0034】なお、上記の締緩装置(S) は、通常、載置
台(D) 上に載置された型枠(K) の上方に上下動可能に配
設されて使用されるが、これに限らず、締結装置(G) の
ナット(32)を締付け得る他の構成による締緩装置を用い
ることもできる。
【0035】そして、上記の締結装置(S) の構造によっ
て型枠(K) の締結する場合の動作について説明する。
【0036】型枠(K) は、内部に生コンクリートを充填
し、鉄筋籠をセットし、さらに上下型枠(K1)(K2)のフラ
ンジ(30a)(30b)を合せた状態で、載置台(D) 上に載置し
ておき、その上方に配した締緩装置(S) を下降させて、
該締緩装置(S) の先端部のソケット(27)の係止部(27a)
を、締結装置(G) における締結ロッド(31)側の回転伝達
部分であるナット(32)の突出部分(32a) に係合させる。
【0037】かかる状態で、締緩装置(S) をさらに下降
させると、ナット(32)を下圧することにより、締結ロッ
ド(31)は下方へ押し込まれ、締結ロッド(31)下端部の係
止部(31b) が、上下型枠(K1)(K2)のフランジ(30a)(30b)
の挿通孔(36a)(36b)に挿通される〔図3〕。
【0038】この状態で、締緩装置(S) を駆動し回転軸
(26)を回転させると、ソケット(27)に係合されたナット
(32)が回転し、ナット(32)の回転により、ナット(32)に
付加される下向きの力と摩擦力により締結ロッド(31)も
回転する。その結果、下端部の係止部(31b) が、所要角
度回転して下型枠(K2)のフランジ(30b) の下面に回り込
んで該下面に設けられたストッパー(37)に当接し係止
し、それ以上の回転が阻止される。
【0039】したがって、さらに締緩装置(S) による回
転をつづけると、締結ロッド(31)は下端の係止部(31b)
がフランジ(30b) の下面に係止した状態に保持されて、
ナット(32)が圧縮バネ(33)に抗してねじ込まれ、上下の
フランジ(30a)(30b)が締結されることとなる。このと
き、圧縮バネ(33)がさらに圧縮された状態となり、この
圧縮バネ(33)の弾力により緩みなく強固に締結されるこ
とになる〔図4および図5〕。
【0040】この場合、締結度合の確認は、締緩装置
(S) の駆動軸(22)、回転軸(26)もしくは、駆動部(S1)内
の別の回転軸の回転数を、例えば回転センサー(22a) に
より検出することにより行う。すなわちナット(32)がね
じ込まれるにつれて締め付け力、即ちトルクが大きくな
り回転数が落ちるので、これを検出する。また、駆動源
であるエアー、油等の圧力の変化を圧力センサーで検出
しても良い。
【0041】以上、型枠(K) を締結する場合を説明した
が、遠心成形、蒸気養生後の製品(コンクリート体)の
脱型時の締結装置(G) の緩め作業は、締緩装置(S) のソ
ケット(27)をナット(32)に係合した状態で、締緩装置
(S) を駆動し回転軸(26)をナット締付け時とは逆にナッ
ト緩め方向に回転させる。これにより、ソケット(27)に
係合されたナット(32)が回転し、このナット(32)の回転
に伴ってナット(32)に付加される圧縮バネ(33)による上
向きの力と摩擦力により締結ロッド(31)も回転し、下端
部の係止部(31b) が締付け時とは逆方向に回転し、これ
に対応する下型枠(K2)のフランジ(30b) の挿通孔(36b)
の形状、方向が略合致した位置になると、係止部(31b)
がストッパー(37)に接当し係止してそれ以上の締結ロッ
ド(31)の回転が阻止される。
【0042】したがって締緩装置(S) の回転を続けなが
ら上方へ移動させると、ナット(32)が上方へ移動すると
ともに、締結ロッド(31)も圧縮バネ(33)の弾力により上
動し、係止部(31b) がまず下型枠(K2)フランジ(30b) の
挿通孔(36b) を上方へ抜け出し、さらに上型枠(K2)のフ
ランジ(30a) の挿通孔(36a) の下面より抜けて保持面(3
5a)に係合し、保持部(35)内に嵌り込んだ状態に保持さ
れる。そのため締結ロッド(31)の係止部(31b) は上型枠
(K1)のフランジ(30a)に保持されているにも拘らず、フ
ランジ対向面側へは突出しない。
【0043】かかる状態で、締緩装置(S) を締結装置
(G)より外して上昇させれば、緩め作業が完了する。
【0044】
【発明の効果】上記した本発明の第1の締結装置によれ
ば、上型枠のフランジに垂直に支持されかつ径方向に突
出した係止部を下端部に有する締結ロッドを、その外周
部に装着した圧縮バネに抗して下方に突出可能に構成し
たもので、ナットランナー方式等の締緩装置により締結
ロッドを圧縮バネに抗して押下して、ロッド下端部の係
止部を下型枠のフランジに有する締結用挿通孔に挿通さ
せ、この状態で前記締緩装置によりナットを締付け方向
に回転させるだけで、締結ロッド下端部の係止部を下型
枠のフランジ下面および該下面に有するストッパーに係
止でき、所定の締結状態を確実に保持できる。
【0045】また締緩装置によりナット緩め方向に締結
ロッドを回転させれば、係止部が下型枠の挿通孔に合致
した状態で圧縮バネの弾力により下フランジの挿通孔よ
り上方に抜き出て、上下型枠を分離することができ、締
緩操作を容易に行なえる。
【0046】特に、ナットの回転による摩擦力を利用し
て締結ロッドに所定角度の回転を与えるようにしたの
で、締緩装置による締緩作業において、係止部がストッ
パーに当接係止する際の衝撃をナットの回転により吸収
できるので、締緩装置に無理な力が加わるおそれがな
く、自動化した締緩装置による締付け、緩め作業を問題
なく行なえる。
【0047】しかも、締結装置の締結ロッドをフランジ
に設けてあるにも拘らず、型枠の締結、解体に際して締
結ロッドを起立させたり、倒したりする面倒な作業が必
要でなく、また分離状態では締結ロッドがフランジ対向
面に突出しないため、フランジ面の清掃も容易である。
【0048】さらに、本発明の第2の締装置によれ
ば、締結ロッド側の回転伝達部分であるナットに有する
径方向の突出部分を設け、この突出部分に筒状をなすソ
ケット下端部の係止部を嵌め合い係合させるようにした
ことで、ソケットの内径を前記回転伝達部分であるナッ
との間に遊びを保有するように大きくでき、これによ
り締緩装置と締結ロッドの軸心の少々のずれをも許容し
て前記係合が確実に行なえるので、締緩装置と型枠に設
けた締結ロッドとの位置合せが容易になり、細かい調整
は必要でなくなる。
【0049】したがって、本発明の締結装置を用いるこ
とにより、コンクリート柱体製造用型枠の締結、緩め作
業の省力化、自動化に大いに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】載置台に型枠を載置した型枠締結状態を示す正
面断面図。
【図2】本発明の締結装置を締緩装置と共に示す拡大縦
断面図。
【図3】同上の締緩装置を下降させた締結動作途中の縦
断面図。
【図4】同上の締結完了時の縦断面図。
【図5】前図の5−5線における断面図。
【図6】前図6−6線における断面図。
【図7】係止部分の下方からの平面図。
【図8】締緩装置の回転締結部の他の実施例を示す断面
図。
【図9】型枠構造を例示する断面図
【図10】従来の締結構造を示す一部の斜視図。
【図11】従来の他の締結構造を示す側面図である。
【符号の説明】
(D) …載置台 (G) …締結装置 (K) …型枠 (K1)…上型枠 (K2)…下型枠 (S) …締緩装置 (S1)…駆動部 (S2)…回転締結部 (20)…外パイプ (22)…駆動軸 (23)…圧縮バネ (24)…スピンドル (26)…回転軸 (27)…ソケット (30a) …上型枠のフランジ (30b) …上下型枠のフラ
ンジ (31)…締結ロッド (31b) …係止部 (32)…ナット (33)…圧縮バネ (35)…保持室 (37)…ストッパー (36a) …上フランジの締結用挿通孔 (36b) …下フランジの締結用挿通孔 (42)…型枠の受座 (43)…補強フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 進 大阪府大阪市中央区高麗橋二丁目1番10 号 株式会社ジオトップ内 (72)発明者 早坂 正次郎 大阪府大阪市中央区高麗橋二丁目1番10 号 株式会社ジオトップ内 (56)参考文献 実開 昭50−140963(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上型枠のフランジにおける締結用挿通孔の
    部分にフランジ面と垂直に支持されかつ径方向に突出し
    た係止部を下端部に有する締結ロッドと、この締結ロッ
    ドの胴部に螺合されたナットと、締結ロッドの外周部に
    装着されて該ロッドを上向き方向に付勢する圧縮バネと
    を有し、 前記締結ロッドは、非締付け時にはロッド下面が上型枠
    のフランジ下面より突出しないように締結用挿通孔内に
    嵌り込んだ状態に保持されるとともに、圧縮バネに抗し
    て下方に突出可能に設けられており、ロッド下動時に下
    端部の前記係止部がこれと対応形状をなす下型枠のフラ
    ンジの締結用挿通孔に貫入するとともに、この貫入状態
    でのナットの締付け方向の回転に伴う摩擦力で所要角度
    回転して前記係止部が下型枠のフランジ下面および該下
    面に有するストッパーに係止し、またナットの緩め方向
    の回転に伴う摩擦力で前記とは逆方向に回転して前記係
    止部が挿通孔に合致したときに圧縮バネの弾力で挿通孔
    より上方に抜出し得るように構成されてなることを特徴
    とするコンクリート柱体製造用型枠の締結装置。
  2. 【請求項2】緩装置の回転軸の端部に有するソケッ
    のナットへの接近・離隔および回転伝達により、締結ま
    たは締結解除するものであって、 対する径方向の突出部分を有するナットのその突出部
    分に嵌め合い係合する係止部が、筒状をなすソケットの
    下端部に、設けられてることを特徴とする請求項1に
    記載のコンクリート柱体製造用型枠の締結装置。
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