JP2619556B2 - 衛星放送受信用自動追尾アンテナの位相モノパルス回路 - Google Patents

衛星放送受信用自動追尾アンテナの位相モノパルス回路

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JP2619556B2
JP2619556B2 JP2186147A JP18614790A JP2619556B2 JP 2619556 B2 JP2619556 B2 JP 2619556B2 JP 2186147 A JP2186147 A JP 2186147A JP 18614790 A JP18614790 A JP 18614790A JP 2619556 B2 JP2619556 B2 JP 2619556B2
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博司 畑野
利夫 安彦
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は衛星放送受信用自動追尾アンテナの位相モノ
パルス回路に関するものである。
[従来の技術] 従来衛星放送受信用自動追尾アンテナとしては、ター
ンテーブル上に衛星放送受信用平面アンテナを設置し、
搭載している移動体の動きに拘らず、常に平面アンテナ
を衛生方向に正対させるようにターンテーブルを機械的
に回転させるものがあるが、衛星方向を知る方式として
は位相モノパルス方式が採用されている。
この位相モノパルス方式について説明すると、第3図
に示すように2つの平面アンテナ1a,1bを同一平面上に
配し、各平面アンテナ1a,1bの中心距離間がLであると
き、平面アンテナ1a,1bの正面方向から角度θだけずれ
て電波f0(周波数11GHZ帯)が到来すると、平面アンテ
ナ1aに比べて平面アンテナ1bは距離Lsinθだけ早く受信
する。
そのため平面アンテナ1a,1bで受信した電波間にはLsi
nθ/λ(λはf0の波長)だけ位相差が生じること
となり、この位相差を観察していればアンテナが左右ど
ちらかに何度、衛星方向からずれているかが分かる。
第4図はこの衛星方向を知るための位相モノパルス回
路のブロック図を示しており、2枚の平面アンテナ1a,1
bに対応して設けられたコンバータ2a,2bは平面アンテナ
1a,1bで受信した11GHz帯の信号を1.3GHz帯のIF信号に変
換する。
各平面アンテナ1a,1bで受信した信号の位相差を見る
には完全に一致していることが条件であるが、通常コン
バータに用いる局部発振回路は10.678GHz±1.5MHzの周
波数のばらつきがあるため、位相モノパルス回路ではコ
ンバータ2a,2bに共通の局部発振回路3を用い、周波数
を完全に一致させた状態でミキサ回路4に入力させてい
る。
ミキサ回路4の出力は直流成分と高調波成分が混在し
ているためローパスフィルタ5でずれ角度θに対応した
直流成分のみを取り出し、DCアンプ6で使い易い値まで
増幅している。
ここでブースタ7a,7bはミキサ入力レベルを最適にす
るためのものであり、位相延滞回路8は平面アンテナ1
a,1bが衛星方向に正対したときにモノパルス電圧が0Vと
なるように予め90度の位相差をつけておくものである。
第5図平面アンテナ1a,1bと衛星方向とのずれ角度θ
とモノパルス電圧との関係例を示しており、この第5図
から分かるように、モノパルス電圧のピーク・ピークの
範囲内ではずれ角度θと電圧値とは1:1で対応してい
る。例えば第6図(a)のようにモノパルス電圧のピー
ク・ピークが±10V、その時のずれ角度が±2度に対応
するときモノパルス電圧が+7.1Vであれば、ずれ角度が
1度であることが逆算できるので、平面アンテナ1a,1b
を右に1度だけ回転させてやればよいことになる。ずれ
角度が2度以上にならないように高速に且つ連続して以
上の動作を繰り返して行えば常に平面アンテナ1a,1bを
衛星方向に正対させることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかし従来例のミキサ回路4では入力レベルによって
出力レベルが変動するため、入力レベルが一定であるこ
とが望ましいが、平面アンテナ1a,1bの受信レベルは、
天候、受信する地域によって変動するためモノパルス電
圧のピーク電圧が第6図(b)のように変動する。この
ようなモノパルス電圧が変動すると追尾誤差が生じるば
かりでなく、完全に追尾を外す原因になりかねないとい
う問題がある。
本発明は上述の問題点に鑑みて為されたもので、その
目的とするところは天候や受信する地域などに拘らず、
安定した位相モノパルス電圧値が得られ、追尾外れや追
尾誤差が生じることがない衛星放送受信用自動追尾アン
テナの位相モノパルス回路を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、並設した2つのアンテナで夫々受信した受
信信号を各別にIF信号に変換する二つのコンバータと、
これらコンバータのIF信号変換に用いる周波数信号をこ
れらコンバータに与える共通の局部発振回路と、各コン
バータから出力されるIF信号を入力する二つのAGC回路
と、一方のAGC回路の出力の位相を他方のAGC回路の出力
の位相に対して90度延滞させる位相延滞回路と、他方の
AGC回路の出力と位相延滞回路の出力とを入力して上記
二つのアンテナの受信電波の位相差に応じた直流電圧
(以下モノパルス電圧と称する)を出力する手段とを備
え、受信エリアにおける最低受信レベルに基づいて上記
モノパルス電圧の値が最大となるアンテナと衛星方向と
のずれ角度と、上記モノパルス電圧の値が0Vとなるアン
テナが衛星に正対した位置からアンテナをずらし、上記
モノパルス電圧の値が再度0Vとなるずれ角度において、
前者及び後者夫々のずれ角度におけるアンテナ受信レベ
ルに対応したAGC回路入力レベルの間の値に上記各AGC回
路の制御レベルを設定し、上記制御レベル以上の入力に
対して上記各AGC回路は常に出力レベルが一定となるよ
うにしたものである。
[作用] 本発明によればミキサ回路の各入力部にAGC回路を夫
々挿入しているため、ミキサ回路の入力を一定レベルに
保つことができてモノパルス電圧のピーク値を一定にす
ることができて、天候や受信する地域に影響されること
なく安定した追尾制御を可能とする。しかも受信エリア
における最低受信レベルに基づいてモノパルス電圧値が
最大となるずれ角度のときの受信レベルと、アンテナが
通信衛星に正対した時の次にモノパルス電圧値が0Vとな
るずれ角度のときの受信レベルとの間に各AGC回路のAGC
設定レベルを設定してあるから、自動追尾に用いるター
ンテーブルの回転制御を安定して行うことができるずれ
角度の範囲で一定ピーク値のモノパルス電圧が得られ
る。
[実施例] 以下本発明を実施例により説明する。
第1図は本発明の実施例の回路を示しており、第3図
回路と同一の構成については同一番号を付している。そ
して本実施例ではミキサ回路4の各平面アンテナ1a,1b
からの入力部に電圧制御可変抵抗9a,9b、DCアンプ10a,1
0b、検波器11a,11bからなるAGC回路12a,12bを設けてい
る。
つまりコンバータ2a,2bからのIF信号をダイレクトに
検波器11a,11bで検波してその電圧値を使って電圧制御
可変抵抗9a,9bの抵抗値を変化させ、ミキサ回路4の入
力レベルを一定にしている。
ここで第2図に示すようにローパスフィルタ5とDCア
ンプ6とを介して得られるモノパルス電圧は、ずれ角度
±θにより±に振れる周期が幾つかあるが、ターンテー
ブルを回転制御する上で安定を望まれるのは範囲αのみ
で、特に範囲βではより早く振幅が減衰する方が望まし
い。
従ってAGC回路12a,12bが有効に働くブースタ入力レベ
ル(以後、AGC設定レベルと言う)を低く設定とする範
囲βでも領域αと同振幅の電圧値となり、好ましくな
い。
そのため実施例では受信エリアにおける最低受信レベ
ルXを想定して、このモノパルス電圧値Zが最大となる
ずれ角度A(A′)の時の受信レベルMと、モノパルス
電圧値が正面方向の次に0Vとなるずれ角度B(B′)の
時の受信レベルNとの間にAGC設定レベルYを定めてい
る。
[発明の効果] 本発明は、並設した2つのアンテナで夫々受信した受
信信号を各別にIF信号に変換する二つのコンバータと、
これらコンバータIF信号変換に用いる周波数信号をこれ
らコンバータに与える共通の局部発振回路と、各コンバ
ータから出力されるIF信号を入力する二つのAGC回路
と、一方のAGC回路の出力の位相を他方のAGC回路の出力
の位相に対して90度延滞させる位相延滞回路と、他方の
AGC回路の出力と位相延滞回路の出力とを入力して上記
二つのアンテナの受信電波の位相差に応じた直流電圧を
出力する手段とを備え、受信エリアにおける最低受信レ
ベルに基づいて上記直流電圧の値が最大となるアンテナ
と衛星方向とのずれ角度と、上記直流電圧の値が0Vとな
るアンテナが衛星に正対した位置からアンテナをずら
し、上記直流電圧の値が再度0Vとなるずれ角度におい
て、前者及び後者夫々のずれ角度におけるアンテナ受信
レベルに対応したAGC回路入力レベルの間の値に上記各A
GC回路の制御レベルを設定し、上記制御レベル以上の入
力に対して上記各AGC回路は常に出力レベルが一定とな
るようにしたので、自動追尾に用いるターンテーブルの
回転制御を安定して行うことができるずれ角度の範囲で
一定ピーク値のモノパルス電圧が得られ、結果自動追尾
制御が確実に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のブロック図、第2図は同上の
AGC設定レベルの説明図、第3図は位相モノパルス方式
の原理説明図、第4図は従来例のブロック図、第5図、
第6図は同上の動作説明図である。 1a,1bは平面アンテナ、2a,2bはコンバータ、3は局部発
振回路、4はミキサ回路、5はローパスフィルタ、6は
DCアンプ、7a,7bはブースタ、8は位相延滞回路、12a,1
2bはAGC回路である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】並設した2つのアンテナで夫々受信した受
    信信号を各別にIF信号に変換する二つのコンバータと、
    これらコンバータのIF信号変換に用いる周波数信号をこ
    れらコンバータに与える共通の局部発振回路と、各コン
    バータから出力されるIF信号を入力する二つのAGC回路
    と、一方のAGC回路の出力の位相を他方のAGC回路の出力
    に位相に対して90度延滞させる位相延滞回路と、他方の
    AGC回路の出力と位相延滞回路の出力とを入力して上記
    二つのアンテナの受信電波の位相差に応じた直流電圧を
    出力する手段とを備え、受信エリアにおける最低受信レ
    ベルに基づいて上記直流電圧の値が最大となるアンテナ
    と衛星方向とのずれ角度と、上記直流電圧の値が0Vとな
    るアンテナが衛星に正対した位置からアンテナをずら
    し、上記直流電圧の値が再度0Vとなるずれ角度におい
    て、前者及び後者夫々のずれ角度におけるアンテナ受信
    レベルに対応したAGC回路入力レベルの間の値に上記各A
    GC回路の制御レベルを設定し、上記制御レベル以上の入
    力に対して上記各AGC回路は常に出力レベルが一定とな
    るようにしたことを特徴とする衛星放送受信用自動追尾
    アンテアンの位相モノパルス回路。
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