JP3148320B2 - アレイアンテナ - Google Patents

アレイアンテナ

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JP3148320B2
JP3148320B2 JP00159192A JP159192A JP3148320B2 JP 3148320 B2 JP3148320 B2 JP 3148320B2 JP 00159192 A JP00159192 A JP 00159192A JP 159192 A JP159192 A JP 159192A JP 3148320 B2 JP3148320 B2 JP 3148320B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、到来電波を全電子的
に自動追尾するアダプティブ・アレイアンテナに係り、
特にその受信コンバータの構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】衛星放送波などの移動受信に係るアレイ
アンテナによるビーム制御では、各単位受信系の位相制
御によりビーム方向を変化させるため、周波数変換を行
う際には位相情報を保つために各受信コンバータを共通
ローカル動作させる必要がある。図4に従来の共通ロー
カル受信コンバータによるアレイアンテナの一構成ブロ
ック線図を示す。
【0003】図4においてアレイアンテナはN個の単位
受信系により構成され、ブロック1−1,1−2,…,
1−NはN個の単位受信ブロックを表わす。各単位受信
ブロック1−1,1−2,…,1−Nは単位受信アンテ
ナ7および受信コンバータ8を備え、すべての受信コン
バータには共通ローカル発振器6よりのローカル信号が
N分配器5により分配されて供給されている。また各単
位受信ブロックの出力はN合成器4で合成され受信出力
信号が得られる。かかる受信形態でビーム方向の変化範
囲を広くするためには広い指向性パターンの単位アンテ
ナからなる受信系を多数用いて構成する必要があるが、
各受信コンバータの共通ローカル化では、高出力の発振
器が必要になること、高い周波数のローカル信号の分配
では位相精度の良い分配が難しいこと、配線が複雑にな
る等の問題があった。
【0004】図5は、このような問題の解決法として構
成された従来の個別ローカル受信コンバータによるアレ
イアンテナの構成ブロック線図を示し、この構成では各
単位受信ブロック1−1,1−2,…,1−Nの各受信
コンバータ8は個別のローカル信号によって周波数変換
が行われるようになっている。従って各出力間では周波
数のズレを生じているが、次段の位相同期ブロック2内
の位相同期ループ(PLL)でズレを吸収する構成にな
っている。この形態では、受信コンバータ8に内蔵され
ているローカル発振器の周波数のばらつきと温度ドリフ
トに対するPLLの同期を確保するために、帰還ループ
のループ帯域を広くせざるを得ないため、低いCN比の
時に動作不安定になる問題があった。ここで図5図示構
成の各ブロックは図4と同一機能をはたすブロックには
同一の参照番号を付したが、未だ未説明のものは以下の
通りである。すなわち位相同期ブロック2−1,…,2
−(N−1)内の各ブロック11, 12, 13, 14, 15, 16,
17, 18はそれぞれバイアスT(電源19重畳器) 、第1I
F帯域通過フィルタ、周波数変換器、分配器、電圧制御
発振器、ループフィルタ、狭帯域通過フィルタ、位相比
較器を表わし、バイアスTにより直流電源19がブロック
1(ブロック1−1,…,1−Nの総称)とブロック2
(ブロック2−1,…,2−(N−1)の総称),3間
の同軸ケーブルを介してブロック1の方へ伝達されブロ
ック1内機器の電源として使用される。またさらに位相
基準ブロック3内のブロック20,21は基準発振器および
増幅器である。図5で注目すべきことは、第1IF(第
1中間周波数)に変換するためのローカル発振器はブロ
ック8内にあってそれぞれ個別に発振させ、これらのズ
レを位相同期ブロック2内にある第2IFに変換するロ
ーカル周波数に位相同期をかけて吸収しているというこ
とである。従ってN合成器4で合成される信号は第2I
Fであり、図4の場合の第1IFとは異なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】衛星放送等の移動受信
ではアンテナ受信ビーム方向を常に電波到来方向に向け
ておく必要があるため初期の装置では追尾を機械的に行
なっていた。機械追尾方式では可動部があることや高
さ、重量の点で小型化軽量化に限界があり、将来的には
可動部がなく薄型にできる電子追尾アンテナによる追尾
方式が有利である。全電子追尾のアンテナとしては素子
数の多いアレイアンテナにより実現できるが、ビーム方
向の変化範囲を広く得るためにはブロードな指向性の単
位アンテナによる多素子アレイアンテナシステムとする
必要がある。一般に、ブロードな指向性の単位アンテナ
は利得が低いため、このような受信アンテナを用いる各
系の動作CN比は低く、位相制御を安定に動作させるた
めに克服しなければならない問題が多い。一方、衛星放
送等の受信では低雑音受信のためにアンテナと受信コン
バータは直結させるため、ビーム方向の制御はIF段で
の位相制御により行なうのが好適である。したがって、
周波数変換の際の位相情報の保持に共通ローカル動作が
不可欠となる。従来の方法による共通ローカル信号の分
配では多素子になるほど配線が複雑になり、小型で高性
能の装置を実現することは困難である。
【0006】本発明の目的は、素子数が多くても全ての
受信コンバータを共通ローカル動作させることを可能と
し、簡易な構成により全電子追尾方式の移動受信装置の
実現を図るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を解決するた
め、本発明アレイアンテナに係る第1の発明は、到来電
波を電子追尾するアダプティブ・アレイアンテナにおい
て、前記アレイアンテナを構成する複数の単位受信ブロ
ックと、その各ブロックに属する受信コンバータに使用
されるローカル信号の基準信号を、その各ブロック毎に
位相同期ループで発生させる複数の位相同期ブロックと
を具え、各位相同期ブロックから前記基準信号をIFケ
ーブルを介して前記各単位受信ブロックに供給し、前記
ローカル信号を前記基準信号に基づいて生成することを
特徴とするものである。また、第2の発明は、前記ロー
カル信号を、前記基準信号の逓倍により生成することを
特徴とするものである。また、第3の発明は、IFケー
ブルを介して前記各単位受信ブロックに供給される前記
基準信号の位相を各前記位相同期ブロック毎に可変可能
な構成とし、各単位受信系の出力信号の位相を可変制御
できる構成としたことを特徴とするものである。
【0008】
【実施例】以下添付図面を参照し実施例により本発明を
詳細に説明する。図1にN個の単位受信系からなる本発
明によるコンバータ共通ローカル化アダプティブ・アレ
イアンテナの構成を示す。受信アンテナ7と受信コンバ
ータ8から構成されるブロックを単位受信ブロック1−
1〜1−Nとし、位相同期ブロック2−1〜2−(N−
1)および位相基準ブロック3と組み合わせて単位受信
系が構成される。位相同期ブロック2−1〜2−(N−
1)は、受信コンバータ8へ電源を供給しコンバータか
らの第1IF出力を通過させるバイアスT(電源重畳
器)11と、コンバータローカルの基準信号と第1IF信
号とを分離する分波器22と、第1IF信号を増幅する増
幅器21と、本線出力と位相検出系とに信号を分ける分岐
器14と、位相検出を行う周波数成分を抽出する狭帯域通
過フィルタ17と、位相基準信号と帯域フィルタ17の出力
信号間の位相を比較する位相比較器18と、位相比較出力
の誤差信号の低域成分を通過させるループフィルタ16
と、この出力により位相がコントロールされる可変位相
器23とから構成されている。
【0009】位相基準ブロック3は、受信コンバータ8
へ電源を供給しコンバータからの第1IF出力を通過さ
せるバイアスT(電源重畳器)11と、コンバータローカ
ルの基準信号と第1IF信号とを分離する分波器22と、
第1IF信号を増幅する増幅器21と、本線出力と位相検
出系とに信号を分ける分岐器14と、位相検出を行う周波
数成分を位相基準信号として抽出する狭帯域通過フィル
タ17と、この抽出された位相基準信号を増幅する増幅器
21とから構成される。位相基準ブロック3からの位相基
準信号はN分配器5で分配され、N分配器の各出力は位
相同期ブロック2−1から2−(N−1)の位相比較器
18に供給される。位相同期ブロック2−1〜2−(N−
1)の出力端子および位相基準ブロック3の出力端子の
各出力信号はN合成器4で合成され、その出力端子から
出力される。コンバータ用基準発振器9の基準信号はN
分配器5でN分配され、N分配器出力端子10−1から10
−(N−1)の各出力は位相同期ブロック2−1から2
−(N−1)に供給され、可変位相器23、分波器22、バ
イアスT11、同軸ケーブルを経て受信コンバータ8−1
〜8−(N−1)に供給される。同様に、N分配器出力
端子10−Nの出力は位相基準ブロック3に供給され、分
波器22、バイアスT11、同軸ケーブルを経てその受信コ
ンバータ8−Nに供給される。各系の受信コンバータ8
への電源は、電源入力端子19、バイアスT11、および同
軸ケーブルを経て供給される。
【0010】図2は、本発明による共通ローカル化受信
コンバータ(図1のブロック8に示す受信コンバータ)
の第1の実施例を示す図で、アンテナからの出力信号は
RF入力端子31から入力され、低雑音増幅器32で増幅さ
れた後イメージ除去フィルタ33を経て周波数変換器34で
周波数が第1IF帯に変換される。この信号は第1IF
帯域フィルタ35で不要波を除去した後、第1IF増幅器
36で増幅し分波器39、バイアスT37を経て、第1IF出
力端子41より受信コンバータ出力として出力される。周
波数変換器34へのローカル信号は、電圧制御可変発振器
46の発振出力が分配器または分岐器44および高調波除去
フィルタ38を経て供給される。電圧制御可変発振器46の
発振周波数および位相は、電圧制御可変発振器46、分配
器または分岐器44、M分周器45、位相比較器48、ループ
フィルタ47からなる位相同期ループ(PLL)と、第1
IF出力端子41の外部より入力され、バイアスT37、分
波器39、基準信号抽出狭帯域フィルタ42、AGC増幅器
43を経て位相比較器48に加えられる基準信号とによって
その基準信号の周波数および位相に制御される。
【0011】図3は、本発明による共通ローカル化受信
コンバータの第2の実施例を示す図で、アンテナからの
出力信号はRF入力端子31から入力され、低雑音増幅器
32で増幅した後イメージ除去フィルタ33を経て周波数変
換器34で周波数が第1IF帯に変換される。この信号は
第1IF帯域フィルタ35で不要波を除去した後、第1I
F増幅器36で増幅され分波器39、バイアスT37を経て、
第1IF出力端子41より受信コンバータ出力として出力
される。
【0012】ローカル信号(所要周波数fL)は、外部
から供給する基準信号(周波数fR)をM逓倍して発生
させる。第1IF出力端子41で外部より入力された基準
信号は、バイアスT37、分波器39を経て基準信号抽出狭
帯域フィルタ42によって抽出され、AGC増幅器43で増
幅した後M逓倍器49に加えられる。発生したM倍の周波
数成分M・fR(=fL)を帯域フィルタ50で抽出し、
周波数変換に必要なレベルに増幅器51で増幅し、高調波
除去フィルタ38で不要波を除去した後、周波数変換器34
に加えられる。本発明の構成では、受信コンバータのロ
ーカル信号周波数を図2または図3のようにして発生さ
せるため、図1で示すように基準信号を共通にすること
でコンバータを共通ローカル化できる。また、本発明で
は、各系毎に供給する基準信号の位相を変化させれば、
コンバータ内のローカル信号でM倍の位相変化となっ
て、コンバータ出力信号の位相もM倍の位相変化を生じ
るため、この位相変化を制御することにより、高感度の
アダプティブ・アレイアンテナを容易に構成することが
できる。以上詳細に述べてきた実施例は本発明を限定す
るものではなく、発明の要旨内で各種の変形、変更の可
能なことは自明である。
【0013】
【発明の効果】以上詳細に述べてきたように本発明によ
れば、衛星放送等の移動受信装置を広いビーム方向可変
範囲を持つアダプティブ・アレイアンテナによる全電子
追尾方式で構成することができる。また電波を受信する
ためのアンテナと受信コンバータからなる受信部とIF
帯での信号処理を行う位相同期ブロックおよび位相基準
ブロックからなる信号処理部とをIFケーブルでの信号
伝送により分離できるため、信号処理部を動作環境の良
い部分に設置することにより、装置全体の動作の安定性
を高めることができる。またさらにアンテナビーム方向
が可変の受信アンテナが実現できるため、受信アンテナ
の方向調整を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンバータ共通ローカル化アレ
イアンテナの一構成例を示すブロック線図
【図2】 本発明に係るPLLによる共通ローカル化受
信コンバータの第1の実施例構成ブロック線図
【図3】 本発明に係る逓倍による共通ローカル化受信
コンバータの第2の実施例構成ブロック線図
【図4】 従来の共通ローカル受信コンバータによるア
レイアンテナの構成ブロック線図
【図5】 従来の個別ローカル受信コンバータによるア
レイアンテナの構成ブロック線図。 1-1, 1-2, …,1-(N-1), 1-N 単位受信ブロック 2-1, 2-2, …,2-(N-1) 位相同期ブロック 3 位相基準ブロック 4 N合成器 5 N分配器 6 共通ローカル発振器 7 単位受信アンテナ 8 受信コンバータ 9 コンバータ用基準発振器 10 N分配器出力端子 11 バイアスT 12 第1IF帯域通過フィルタ 13 周波数変換器 14 分配器 15 電圧制御発振器 16 ループフィルタ 17 狭帯域通過フィルタ 18 位相比較器 19 電源入力端子 20 基準発振器 21 増幅器 22 分波器 23 可変位相器 31 RF入力端子 32 低雑音増幅器 33 イメージ除去フィルタ 34 周波数変換器 35 第1IF帯域フィルタ 36 第1IF増幅器 37 バイアスT 38 高調波除去フィルタ 39 分波器 40 安定化電源 41 第1IF出力端子 42 狭帯域フィルタ 43 AGC 増幅器 44 分岐器 45 M分周器 46 電圧制御可変発振器 47 ループフィルタ 48 位相比較器 49 M逓倍器 50 帯域フィルタ 51 増幅器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 到来電波を電子追尾するアダプティブ・
    アレイアンテナにおいて、前記アレイアンテナを構成す
    る複数の単位受信ブロックと、その各ブロックに属する
    受信コンバータに使用されるローカル信号の基準信号
    を、その各ブロック毎に位相同期ループで発生させる複
    数の位相同期ブロックとを具え、各位相同期ブロックか
    ら前記基準信号をIFケーブルを介して前記各単位受信
    ブロックに供給し、前記ローカル信号を前記基準信号に
    基づいて生成することを特徴とするアレイアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアレイアンテナにおい
    て、前記ローカル信号を、前記基準信号の逓倍により生
    成することを特徴とするアレイアンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のアレイアンテナ
    において、IFケーブルを介して前記各単位受信ブロッ
    クに供給される前記基準信号の位相を各前記位相同期ブ
    ロック毎に可変可能な構成とし、各単位受信系の出力信
    号の位相を可変制御できる構成としたことを特徴とする
    アレイアンテナ。
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