JP2619086B2 - アミノシラン化合物の製造方法 - Google Patents

アミノシラン化合物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、アミノプロピルアルコキシシランなどのア
ミノシラン化合物の製造方法に関し、さらに詳しくは、
アリルアミン類とヒドロシラン類とをヒドロシリル化触
媒の存在下に、ヒドロシリル化反応させることにより得
られるアミノシラン化合物を含む反応生成物中に、不純
物として含有されるシラザン化合物などを除去すること
ができるようなアミノシラン化合物の製造方法に関す
る。
発明の技術的背景 シランカップリング剤は、同一分子内に有機ポリマー
と反応する有機官能性基と、無機物と反応する加水分解
性基を有する化合物である。このようなシランカップリ
ング剤は、上記のような官能性基を有するため、有機ポ
リマーとシリカなどの無機物とを化学的に結合すること
ができ、有機ポリマーの機械的強度を飛躍的に向上させ
ることができるので、先端複合材料の開発に不可欠なも
のである。
上記のようなシランカップリング剤の1つとして、ア
ミノプロピルアルコキシシランなどのアミノシラン化合
物が用いられており、このようなアミノプロピルアルコ
キシシランの製造方法としては、従来以下のようなもの
が開示されている。
(イ)γ−クロルプロピルトリエトキシシランとアンモ
ニアとを反応させることによりγ−アミノプロピルトリ
エトキシシランを製造する方法(特開昭54−81226号公
報)。
Cl CH2CH2CH2Si(OEt)3+NH3→NH2CH2CH2CH2Si(OEt)3+HCl しかしながら、上記の方法では大過剰のアンモニアを
用い高圧で反応させなければならず、また副生した塩酸
がアンモニアと反応してアンモニウム塩を生成するとい
う問題があった。
(ロ)アクリロニトリルを出発原料に用い、以下に示す
多段反応によりγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
を製造する方法(工業化学雑誌、第63巻、168頁、1960
年)。
NC−CH=CH2+HSiCl3→NC-CH2CH2SiCl3ΔNC-CH2CH2SiCl
3+EtOH→NC-CH2CH2Si(OEt)3 NC-CH2CH2Si(OEt)3+H2→NH2CH2CH2CH2Si(OEt)3 しかしながら上記の方法は多段反応であるゆえ、収率
が低く、かつ水添反応時に高圧反応器が必要であるとい
う問題点があった。
近年に至って上記の問題点を解決するために、以下に
示すようなアリルアミン類とヒドロアルコキシシラン類
とをヒドロシリル化触媒の存在下に、ヒドロシリル化反
応させることにより、1段反応にてアミノプロピルアル
コキシシランを製造する方法が開発されている。
すなわち、下記のような触媒を用いて上記のヒドロシ
リル化反応によってアミノプロピルアルコキシシランを
製造する方法が提案されている。
(ハ)塩化白金酸などの白金触媒と無水炭酸ナトリウム
などの反応促進剤の存在下に、アリルアミン類とヒドロ
アルコキシシラン類とをヒドロシリル化反応させ、アミ
ノプロピルアルコキシシランを製造する方法(特開昭60
−81189号公報)。
(ニ)ロジウム−有機第3級ホスフィン錯体そして必要
によりトリフェニルホスフィンを含んでなる触媒の存在
下に、アリルアミン類とヒドロアルコキシシラン類とを
ヒドロシリル化反応させ、アミノプロピルアルコキシシ
ランを製造する方法(特開昭61−229885号公報)などで
ある。
また、本発明者らも下記のような触媒を用いて、アリ
ルアミン類とヒドロアルコキシシラン類とをヒドロシリ
ル化反応させ、アミノプロピルアルコキシシランを製造
する方法を提案している。
(ホ)ロジウムカルボニル錯体触媒の存在下に、アリル
アミン類とヒドロアルコキシシラン類とをヒドロシリル
化反応させ、アミノプロピルアルコキシシランを製造す
る方法(特開昭64−89号公報)。
(ヘ)ロジウム金属またはロジウム化合物および塩基性
化合物からなる触媒の存在下に、アリルアミン類とヒド
ロアルコキシシラン類とをヒドロシリル化反応させ、ア
ミノプロピルアルコキシシランを製造する方法(特願昭
63−181418号)などである。
ところで、同一分子の末端にアミノ基などの有機官能
性基と他末端にトリアルキルシリル基またはポリシロキ
シ基を有する化合物も、各種基材の表面処理剤として用
いられる有用な化合物である。このようなアミノシラン
化合物は、シランカップリング剤と同様に、アリルアミ
ン類とトリアルキルシラン、または硅素に結合する少な
くとも1つの水素を有する直鎖状、分岐状または環状ポ
リシロキサンなどのヒドロシラン類とを、ヒドロシリル
化触媒の存在下に、ヒドロシリル化反応させることによ
り製造することができる。
しかしながら、上記(ハ)〜(ヘ)に示されるような
方法によりアミノシラン化合物を製造すると、得られる
反応生成物中には各種のシラザン化合物が不純物として
含有されており、製品としての品質を低下させるととも
に、該シラザン化合物を蒸留にて除去しようとすると、
シラザン化合物の沸点とアミノシラン化合物の沸点とは
近似しているため、アミノシラン化合物の蒸留収率が大
巾に低下するという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような問題点を解決しようとするも
のであって、アリルアミン類とヒドロシラン類とのヒド
ロシリル化反応により得られるアミノシラン化合物を含
む反応生成物中に不純物として含有される各種シラザン
化合物を、容易にかつ生成物としてのアミノシラン化合
物の蒸留収率を低下させることなく除去することがで
き、したがって高品質のアミノシラン化合物を得ること
ができるようなアミノシラン化合物の製造方法を提供す
ることを目的としている。
発明の概要 本発明者らは、ヒドロシリル化反応により高純度のア
ミノシラン化合物を収率よく製造するための方法を種々
検討したところ、ヒドロシリル化反応により生成するア
ミノシランを含有する反応生成物中に特定のアルコール
類を添加して熱処理を行ってから蒸留することにより、
不純物である各種シラザン化合物をほぼ完全に、かつア
ミノシランの蒸留収率を低下させることなく除去しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 式[I] (式中、R1は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭
素数2〜10のアルケニル基、フェニル基または置換フェ
ニル基、 -CH2CH2NHCH2CH2NH2または-CH2CH2NH2であり、R2は水素
または炭素数1〜6のアルキル基である)で示されるア
リルアミン類と、 式[II] (式中、R3およびR4はそれぞれ同一であっても異なっ
ていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基であり、nは
1〜3の整数である)で示されるヒドロアルコキシシラ
ン類とを、ヒドロシリル化触媒の存在下に、ヒドロシリ
ル化反応させることにより得られるアミノシラン化合物
と副生するシラザン化合物とを含む反応生成物中に、 式[III] R3OH …[III] (式中、R3は前記と同意義である)で示されるアルコ
ールを副生シラザン化合物の1〜50倍モルの量で添加し
て、50〜100℃の温度で1〜5時間熱処理して、少なく
ともシラザン化合物の一部と上記式[III]で示される
アルコールとを反応させる工程を経た後、該反応液を蒸
留することにより高純度のアミノシラン化合物を高収率
で得る方法である(本発明い係る第1のアミノシラン化
合物の製造方法)。
また、本発明は、 式[I] (式中、R1およびR2は、前記と同意義である)で示さ
れるアリルアミン類と、 式[IV] H-SiR5 …[IV] (式中、R5は炭素数1〜10のアルキル基である) 式[V] (式中、R6は水素またはメチル基であり、R6の少なく
とも1つは水素であり、nは0または1〜300の整数で
ある)または 式[VI] [SiO(CH3)H]m …[VI] (式中、mは3〜10の整数である)で示されるヒドロ
シラン類とを、ヒドロシリル化触媒の存在下に、ヒドロ
シリル化反応させることにより得られるアミノシラン化
合物と副生するシラザン化合物とを含む反応生成物中
に、炭素数1〜10のアルコール類を副生シラザン化合物
の1〜50倍モルの量で添加して、50〜100℃の温度で1
〜5時間熱処理して、少なくともシラザン化合物の一部
と上記炭素数1〜10のアルコール類とを反応させる工程
を経た後、該反応液を蒸留することにより高純度のアミ
ノシラン化合物を高収率で得る方法である(本発明に係
る第2のアミノシラン化合物の製造方法)。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るアミノシラン化合物の製造方法に
ついて具体的に説明する。
アリルアミン類 本発明では、アミノシラン化合物を製造する際の原料
の1つとして、上記式[I]で示されるようなアリルア
ミン類が用いられる。
このようなアリルアミン類としては、具体的には、ア
リルアミン、N−メチルアリルアミン、N−エチルアリ
ルアミン、2−メチルアリルアミン、2−エチルアリル
アミン、ジアリルアミン、アリルエチルレンジアミン、
N−アリルアニリンなどが挙げられる。
ヒドロシラン類 本発明では、アミノシラン化合物を製造するため、上
記のようなアリルアミン類とヒドロシラン類とが反応せ
しめられるが、ヒドロシラン類とは、Si−H結合を有す
る上記式[II][IV][V]あるいは[VI]で示される
化合物である。
上記式[II]で示されるヒドロアルコキシシラン類と
しては、具体的には、トリメトキシシラン、トリエトキ
シシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキシシラ
ン、メチルジメトキシシラン、エチルジメトキシシラ
ン、メチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシラ
ン、トリオクチロキシシラン、メチルジオクチロキシシ
ラン、ジメチルオクチロキロキシシランなどが挙げられ
る。
上記式[IV]で示されるヒドロシラン類としては、具
体的には、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリ
プロピルシラン、トリブチルシラン、トリオクチルシラ
ンなどが挙げられる。
上記式[V]で示されるヒドロシラン類としては、具
体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ペン
タメチルジシロキサン、α,ω−ジヒドロポリシロキサ
ン、分子鎖中間にSi−H結合を有するポリシロキサンな
どが挙げられる。
上記式[VI]で示されるヒドロシラン類としては、具
体的には、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−シクロペンタシロキ
サンなどが挙げられる。
ヒドロシリル化触媒 本発明のアミノシラン化合物を製造するためのヒドロ
シリル化触媒としては、具体的には、H2PtCl6、[Pt(C2
H4)Cl22、Pt(C2H4)(PPh3)2、Co2(CO)8、Ni Cl2(PPh3)
2、Pd(PPh3)4、RhCl(PPh3)3、Ni(acac)2、HRhCO(PPh3)3
などが用いられる。
また本発明者が提案している、ロジウム金属またはロ
ジウム化合物と塩基性化合物からなる触媒としては、具
体的には、RhCl3・3H2O/NaOH、Rh4(CO)12/KOEt、[Rh
(μ−PPh2)(1,5−COD)]2/NaOH、[Rh(μ−OH)
(1,5−COD)]2/n-Bu4NF、RhCl3・3H2O/LiAl H4などが
挙げられる。
ヒドロシリル化反応条件 本発明では、アミノシラン化合物は、上記のようなア
リルアミン類とヒドロシラン類とを、上記のようなヒド
ロシリル化触媒の存在下に、ヒドロシリル化反応させる
ことにより合成される。
その際、アリルアミン類とヒドロシラン類とは、アリ
ルアミン類:ヒドロシラン類とのモル比が1.3:1〜1:1.3
の範囲で用いられることが好ましい。
反応は、常圧下でも加圧下で行ってもよい。また反応
温度は50〜250℃程度である。
反応系におけるヒドロシリル化触媒の使用量はアリル
アミン類1モルに対して、白金またはロジウムなどの金
属として10-6〜10-2モル程度存在していれば充分であ
る。
反応は、溶媒の存在下に行ってもよく、また非存在下
に行ってもよい。溶媒を用いる場合には、トルエン、キ
シレン、ヘプタン、ドデカン、ジトリルブタン、キュメ
ンなどの炭化水素系溶媒が好ましい。
反応時間は、用いるヒドロシリル化触媒および反応温
度により大きく変化するが、通常1〜10時間程度で充分
である。
アミノシラン化合物の精製方法 シラザン化合物 上記の製造方法にて製造されたアミノシラン化合物中
には、不純物として各種のシラザン化合物が含有され
る。すなわち、たとえば、アリルアミンとトリエトキシ
シランとをヒドロシリル化反応させることにより製造さ
れるアミノプロピルトリエトキシシラン中には、下記
(1)〜(3)式で示されるシラザン化合物が存在す
る。(1)式で示される化合物(以下、環状シラザンと
いう。)は、生成物であるアミノプロピルトリエトキシ
シランが、分子内で脱エタノールすることにより生成
し、(2)式で示される化合物(以下、シラザンAとい
う。)は、原料であるアリルアミンの二重結合が移動し
た異性体と、もう一方の原料であるトリエトキシシラン
とが脱水素反応することにより生成し、また(3)式で
示される化合物(以下、シラザンBという。)は、生成
物であるアミノプロピルトリエトキシシランと原料であ
るトリエトキシシランとが脱水素反応することにより生
成する。
このようなシラザン化合物を含有する反応生成物中
に、エタノールを加えて加熱処理すると下式のような反
応が起きると考えられる。
すなわち、(1)式で示される環状シラザンは下式
(i)で示されるごとくエタノールが付加して、生成物
であるアミノプロピルトリエトキシシランに変換され
る。
(1)式 また(2)式で示されるシラザンAは、下式(ii)で
示されるごとく、エタノールにより分解して、アリルア
ミンの異性体およびテトラエトキシシランを生成する。
(2)式 さらに、(3)式で示されるシラザンBは、下式(ii
i)で示されるごとく、エタノールにより分解して、生
成物であるアミノプロピルトリエトキシシランおよびテ
トラエトキシシランを生成する。
(3)式 上記のように、生成物中に含有される各種のシラザン
化合物はアルコール処理を行うことにより、全て分解さ
れ、特に上記式(i)および(iii)ではアミノプロピ
ルトリエトキシシランを生成するので、生成物の収率向
上に寄与する。また、上記式(ii)および(iii)で生
成するアリルアミンの異性体およびテトラエトキシシラ
ンなどは蒸留により容易にアミノシラン化合物から分離
できる。
なお、前記式[I]で示されるアリルアミン類と、前
記式[IV][V]または[VI]で示されるアルコキシ基
を有しないヒドロシラン類とをヒドロシリル化反応させ
ることにより製造されるアミノシラン化合物は、その分
子末端にアルコキシシリル基を有しないので環状シラザ
ンは生成しないが、シラザンAおよびシラザンBを含有
する。
これら上記(1)〜(3)式で示されるシラザン化合
物は、用いる反応体の種類およびヒドロシリル化反応条
件により変化するものの、反応生成物中に通常、2〜4
重量%の量で含有されている。
アルコール処理 本発明では、アリルアミン類とヒドロシラン類とをヒ
ドロシリル化反応させることにより得られるアミノシラ
ン化合物を含む反応生成物中に、特定のアルコールを添
加して熱処理を行ってから蒸留することによりアミノシ
ラン化合物の精製を行う。
添加するアルコールの種類は、前記式[I]で示され
るアリルアミン類と前記式[II]で示されるヒドロアル
コキシシラン類とをヒドロシリル化反応させてアミノシ
ラン化合物を製造した場合には、用いたヒドロアルコキ
シシラン類のアルコキシ基と同一のアルコキシ基を有す
るアルコールを用いることが特に好ましい。アルコキシ
基の対応しないアルコールを用いると、上記式(i)〜
(iii)で示されるシラザン化合物の分解反応が生起す
るのと同時に、アルコキシ基の交換反応も起るため、シ
ラザン化合物の含有量は低下するが、生成物であるアミ
ノシラン化合物の収率が増加しないため好ましくない。
また、前記式[I]で示されるアリルアミン類と前記
式[IV][V]または[VI]で示されるヒドロシラン類
とをヒドロシリル化反応させてアミノシラン化合物を製
造した場合には、生成したアミノシラン化合物はアルコ
キシ基を有しないため、炭素数1〜10のアルコールを添
加して、加熱処理を行うことにより、上記式(ii)〜
(iii)で示されるシラザン化合物の分解反応を生起す
ることができる。上記のアルコールのうち、蒸留による
分離を考えた場合、メタノール、エタノール、プロパノ
ールなどの炭素数1〜3の1級アルコールを用いること
が特に好ましい。
また、アルコールの添加量は、不純物として含有され
るシラザン類の含有量に対し1〜50倍モル用いることが
好ましく、さらに5〜30倍モル用いることが望ましい。
また、アルコールを添加した後の加熱処理温度は50〜
100℃とすることが望ましい。
また、加熱処理時間は1〜5時間程度とすることが好
ましい。
発明の効果 本発明に係るアミノシラン化合物の製造方法では、そ
の反応生成物中にアルコールを添加して加熱処理するこ
とにより、不純物として含有される各種シラザン化合物
を分解するので、シラザン化合物を含有しない高純度の
アミノシラン化合物を得ることができる。
また、本発明のアミノシラン化合物の製造方法では、
蒸留により不純物である各種シラザン化合物を除去する
必要がないのでアミノシラン化合物の蒸留による損失を
最少にすることができる。
また、本発明ではアルコールを添加することにより、
一部のシラザン化合物を生成物であるアミノシラン化合
物に変換しているので、全収率の向上に寄与することが
可能であるとともに、反応系に不均化反応などにより危
険なモノシランを生成する可能性のあるトリアルコキシ
シランが存在する場合には、安定なテトラアルコキシシ
ランに変換するので、次工程の操作を安全に行いうると
いう効果が得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例中の%はとくに断りがない限り重量基準であ
る。
製造例1(アミノシラン化合物の製造) 還流冷却管、攪拌棒、温度計、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、ロジウム化合物として三塩化ロジウム
三水和物(RhCl3・3H2O)0.066g(Rhとしてトリエトキ
シシランに対して0.1モル%)および塩基性化合物とし
て水酸化ナトリウム粉末0.060gからなる触媒と、溶媒と
してキシレン50mlとを加えた後、得られた混合物を130
℃の恒温油槽で加熱した。その後アリルアミン14g(0.2
5モル)およびトリエトキシシラン41g(0.25モル)の混
合物を約1時間にわたり、滴下してヒドロシリル化反応
を行った。
反応終了後、反応混合物をガスクロマトグラフィーに
より分析したところ、反応混合物中には、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランが90%、β−アミノプロピル
トリエトキシシランが0.2%、環状シラザンが1.8%、シ
ラザンAが1.4%、シラザンBが0.4%の収率(いずれも
トリエトキシシラン基準)で含まれていた。
製造例2 トリエトキシシラン41g(0.25モル)をトリメトキシ
シラン30.5g(0.25モル)に代えた以外は、製造例1と
同様にしてヒドロシリル化反応を行った。
反応終了後、得られた反応混合物をガスクロマトグラ
フィー分析したところ、反応混合物中には、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシランが87%、β−アミノプロピ
ルトリメトキシシランが0.2%、環状シラザンが1.2%、
シラザンAが0.8%、シラザンBが0.5%の収率(いずれ
もトリメトキシシラン基準)で含まれていた。
製造例3 トリエトキシシラン41g(0.25モル)をトリエチルシ
ラン29.0g(0.25モル)に代えた以外は、製造例1と同
様にしてヒドロシリル化反応を行った。
その結果、得られた反応混合物中には、γ−アミノプ
ロピルトリエチルシラン80%、β−アミノプロピルトリ
エチルシランが0.1%、シラザンAが2.5%、シラザンB
が1.2%の収率(いずれもトリエチルシラン基準)で含
まれていた。
製造例4 トリエトキシシラン41g(0.25モル)を1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン16.8g(0.125モル)に代えた以外
は、製造例1と同様にしてヒドロシリル化反応を行っ
た。
その結果、得られた反応混合物中には、1,3−ビス−
γ−アミノプロピル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サンが70%、1,3−ビス−β−アミノプロピル−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサンが0.1%、シラザンAが2.3
%、シラザンBが1.2%の収率(いずれも1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン基準)で含まれていた。
製造例5 還流冷却管、攪拌棒、温度計、滴下ロートを備えた4
つ口フラスコに、トリエトキシシラン41g(0.25モ
ル)、溶媒としてキシレン50ml、触媒として塩化白金
(IV)酸のイソプロピルアルコール溶液を白金として2
×10-5モルに相当する量を加え、120℃の恒温油槽で加
熱しながら、アリルアミン14g(0.25モル)を滴下ロー
トより1時間かけて滴下した。さらに9時間、120℃に
保つことによりヒドロシリル化反応を行った。
その結果、得られた反応混合物中には、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランが44%、β−アミノプロピル
トリエトキシシランが10%、環状シラザンが0.8%、シ
ラザンAが1.5%、シラザンBが0.5%の収率(いずれも
トリエトキシシラン基準)で含まれていた。
製造例6 触媒としてロジウムヒドリドカルボニルトリス(トリ
フェニルホスフィン)0.12gおよびトリフェニルホスフ
ィン1.4gを加え、110℃に加熱しながらアリルアミン14g
(0.25モル)を1時間かけて滴下し、さらに5時間、11
0℃に保った以外は、製造例5と同様にしてヒドロシリ
ル化反応を行った。
その結果、得られた反応混合物中には、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランが71%、β−アミノプロピル
トリエトキシシランが6.9%、環状シラザンが1.3%、シ
ラザンAが1.3%、シラザンBが0.4%の収率(いずれも
トリエトキシシラン基準)で含まれていた。
実施例1 製造例1で得られた反応混合物50.5g(反応混合物の
半分量)に、エタノール4.2gを加え、70℃で3時間攪拌
した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、環状シラザン、シラザンA、シラザンBはとも
に検出されず、アミノプロピルトリエトキシシランがト
リエトキシシラン基準の収率に換算して2.2%増加し
た。このことは、環状シラザンおよびシラザンBがアミ
ノプロピルトリエトキシシランに変換されたことを意味
している。
この混合物を蒸留(ビグリュウカラム使用)した結
果、純度99.3%のアミノプロピルトリエトキシシランが
24.3g(トリエトキシシラン基準収率=87.3%)にて得
られた。
なお、この際のエタノール/シラザン化合物のモル比
は20であった。
実施例2〜6 実施例2では、製造例2で得られた反応混合物をメタ
ノールを用いて実施例1と同様に処理した。同様に実施
例3〜6では、それぞれ製造例3〜6で得られた反応混
合物をアルコールの種類を代えて処理した以外は、実施
例1と同様に処理した。
結果を表1に示す。
比較例1 製造例1で得られた反応混合物をエタノール処理しな
いで、直接蒸留した結果、環状シラザンを0.8%、シラ
ザンAを0.7%、シラザンBを0.2%含む純度97.6%のア
ミノプロピルトリエトキシシランが23.7g(トリエトキ
シシラン基準収率=83.7%)にて得られた。
比較例2〜6 比較例2では、製造例2で得られた反応混合物を比較
例1と同様に処理した。同様に比較例3〜6では、製造
例3〜6で得られた反応混合物を比較例1と同様に処理
した。
結果を表1に示す。
比較例7 製造例1で得られた反応混合物50.5gをエタノール処
理しないで、蒸留を2回繰り返した。その結果、環状シ
ラザンを0.2%、シラザンAを0.3%、シラザンBを0.2
%含む、純度98.8%のアミノプロピルトリエトキシシラ
ンが22.6g(トリエトキシシラン基準収率=80.8%)に
て得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 77/388 NUG C08G 77/388 NUG // B01J 27/13 B01J 27/13 X 31/24 31/24 X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 中島 雅司 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−205287(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式[I] (式中、R1は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
    数2〜10のアルケニル基、フェニル基または置換フェニ
    ル基、 -CH2CH2NHCH2CH2NH2または-CH2CH2NH2であり、R2は水素
    または炭素数1〜6のアルキル基である)で示されるア
    リルアミン類と、 式[II] (式中、R3およびR4はそれぞれ同一であっても異なって
    いてもよく、炭素数1〜10のアルキル基であり、nは1
    〜3の整数である)で示されるヒドロアルコキシシラン
    類とを、ヒドロシリル化触媒の存在下に、ヒドロシリル
    化反応させることにより得られるアミノシラン化合物と
    副生するシラザン化合物とを含む反応生成物中に、 式[III] R3OH …[III] (式中、R3は前記と同意義である)で示されるアルコー
    ルを副生シラザン化合物の1〜50倍モルの量で添加し
    て、50〜100℃の温度で1〜5時間熱処理して、少なく
    ともシラザン化合物の一部と上記式[III]で示される
    アルコールとを反応させる工程を経た後、該反応液を蒸
    留することにより高純度のアミノシラン化合物を高収率
    で得る方法。
  2. 【請求項2】式[I] (式中、R1は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
    数2〜10のアルケニル基、フェニル基または置換フェニ
    ル基、 -CH2CH2NHCH2CH2NH2または-CH2CH2NH2であり、R2は水素
    または炭素数1〜6のアルキル基である)で示されるア
    リルアミン類と、 式[IV] H-SiR5 …[IV] (式中、R5は、炭素数1〜10のアルキル基である) 式[V] (式中、R6は水素またはメチル基であり、R6の少なくと
    も1つは水素であり、nは0または1〜300の整数であ
    る)または 式[VI] [SiO(CH3)H]m …[VI] (式中、mは3〜10の整数である)で示されるヒドロシ
    ラン類とを、ヒドロシリル化触媒の存在下に、ヒドロシ
    リル化反応させることにより得られるアミノシラン化合
    物と副生するシラザン化合物とを含む反応生成物中に、
    炭素数1〜10のアルコール類を副生シラザン化合物の1
    〜50倍モルの量で添加して、50〜100℃の温度で1〜5
    時間熱処理して、少なくともシラザン化合物の一部と上
    記炭素数1〜10のアルコール類とを反応させる工程を経
    た後、該反応液を蒸留することにより高純度のアミノシ
    ラン化合物を高収率で得る方法。
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