JP2618794B2 - 製本装置の折帖搬送機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】 本発明は、製本装置において、
特に折帖搬送機構の改善に関する。

【０００２】

【従来技術】 製本装置においては、テーブル上に折帖
を縦積み状態で多数列整列載置し、この折帖を、折帖搬
送手段により最前列のものから１列単位でテーブルの一
端排出側に連絡させた昇降台上に押動搬送する１次側の
折帖搬送機構と、上記昇降台上に押動搬送された縦積み
状態の折帖を、昇降台の順次上昇により該台の上方に臨
ませた移動吸着手段に接触せしめて最上端のものから１
枚づつ、かつ夫々が前後にズレ状態で重合吸着せしめて
繰出し、繰出された折帖を繰出し部位に臨ませた一対の
搬送ベルト間に導入挟持せしめて該ベルトの移動により
その後端に連絡させた入紙掛機械のフィーダーに連続的
に送りこむようにした２次側の折帖搬送機構とを組合せ
使用するものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】 従来技術で述ベた１
次側の折帖搬送機構は、構成が複雑なるため、製作費が
嵩み、高価となり、加えて故障が多い、と云う欠点があ
る。また２次側の折帖搬送機構は、この機構中の移動吸
着手段を外周に吸気孔を有する回転ドラムにて構成して
いるため、ドラム面への折帖の接触が線状接触となり、
そのためドラム面に対する折帖の吸着が不安定で、折帖
が連続的に吸着されずに途切れて繰出されることがあ
り、この途切れがしばしば繰返されることによって入紙
掛機械のフィーダーへの送り込み量が不足し、帖合い順
を狂わせる原因となる。そこで本発明は、上記１次側の
折帖搬送機構に対しては構成を極端に簡易化してコスト
ダウンを図り、併せて故障の発生を極力阻止することを
目的とする。また２次側の折帖搬送機構に対しては、こ
の機構中の移動吸着手段に工夫を加え、面接触によって
確実に折帖を吸着するようにし、もって従来に生じた途
切れ状の繰出しを防がせて入紙機械のフィーダーへの安
定送り込みを図ることを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上目己目的は、平面状
が方形状をしたテーブルの両側に、正逆転モータに連結
した送りねじを平行に軸架し、この送りねじに、ガイド
軸に摺動自在に挿通支持させた移動座を螺合させ、この
移動座に、上記縦積み状態の折帖の後端直交２辺縁に当
接する断面形状を備えた縦長の後押し杆を夫々内向きに
対向支持させ、この後押し杆に、上記移動座に設けた駆
動部材を、上記折帖の大きさに応じて上記後押し杆が内
外方に進退動作するように連結した１次側折帖搬送機構
（Ａ）と、１次側折帖搬送機構（Ａ）の折帖排出端に設
けられ、かつ、上記テーブルから搬出された縦積み状態
の折帖を昇降台に受けとり、この折帖を昇降台の順次上
昇作用により上方にリフトアップするリフト装置（１
４）と、リフト装置（１４）により最上端の折帖から順
次１枚づつ、かつ夫々の折帖が前後にズレた状態で重合
吸着せしめて繰出し、繰出された折帖を、繰出し部位に
一端を臨ませた一対の送りベルト間に導入挟持せしめ
て、該送りベルトの移動によりその終端に連絡させた入
紙掛機械のフィーダーに連続的に送り込む形式の折帖搬
送機構であって、上記吸着手段が、多数の吸気孔を備え
た駆動平ベルトと、該ベルトの片面に折帖を吸着すべく
上記吸気孔の移動域に摺接配置した吸気装置に連なる吸
気窓とで構成した２次側折帖搬送機構（Ｂ）とよりなる
ことにより達成される。

【０００５】

【実施例】 図１は、１次側折帖搬送機構Ａと２次側折
帖搬送機構Ｂとが接続された装置の正面図を示してい
る。先ず、１次側折帖搬送機構Ａは、平面形状が方形状
をしたテーブル１上に折帖ａが縦積み状態で多数列整列
され、この折帖ａは後述する搬送手段により最前列（図
で左端）のものから１列単位でテーブル１の一端に連絡
させた２次側折帖搬送機構Ｂの昇降台２上に押動搬送さ
れるようになっている。

【０００６】そこで上記１次側折帖搬送機構Ａの搬送手
段は、上記テーブル１の両側に支柱３を介して水平姿勢
の送りねじ４が平行に軸架され、この両送りねじ４には
移動座６が螺されているとともに、この送りねじ４の上
下側に平行に軸架したガイド軸５を移動座６ａに摺動可
能に挿通せしめ、この移動座６ａには水平姿勢のロッド
７が夫々摺動自在に支持されるとともに、該ロッド７の
先端には、折帖ａの後端直交２辺縁に適合当接する断面
アングル状の縦長の後押し杆８が夫々内向き対向状に取
付けられ、また、上記移動座６には、請求範囲の駆動部
材に相当するエヤシリンダー９が夫々対向的に取付けら
れ、該シリンダー９のピストンロッド１０に上記後押し
杆８を進退動作自在に連結する。

【０００７】上記送りねじ４の軸端にはプーリ１１が夫
々取付けられ、該プーリ１１には後述のように制御され
る正逆モータ１２によって駆動するベルト１３が上記送
りねじ４を互いに反対方向に回転するように懸設されて
いる。

【０００８】次に２次側折帖搬送機構Ｂについて述べる
と、上記１次側折帖搬送機構Ａを構成するテーブル１の
一端排出側には、リフト装置１４に水平に支持させた前
述の昇降台２が同一平面上に連絡される。上記昇降台２
は、水平姿勢のシリンダー１５によって出入し、そして
リフト装置１４の動作でテーブル１上の最前列の折帖ａ
を順次持上げて最上端の折帖ａの１枚宛をこれの上部に
臨ませた吸着手段により吸着させるようになっている。

【０００９】上記吸着手段の詳細は図４に示すように、
回転ドラム１６に吸気孔１７を有する駆動平ベルト１８
を沿接してこの駆動平ベルト１８を昇降台２上の折帖と
平行に臨ませ、該駆動平ベルト１８の内側に図示しない
吸気装置に連結したエヤチャンバー１９の吸気窓２０を
摺接させ、かつこの吸気窓２０の前方部送出し側に、上
記駆動平ベルト１８に重合するように別の沿当てベルト
２１の始端部を臨ませ、両ベルト１８，２１の後端解放
端を入紙掛機械２２のフィーダー２３に臨ませたもので
ある。

【００１０】

【作用】 １次側折帖搬送機構Ａについては、テーブル
１上に整列された折帖ａのうち、最前列の折帖ａが昇降
台２上に載置位置され、そしてこの折帖ａが昇降台２の
上昇で後述する吸着手段により処理されて順次少なくな
り、次の折帖ａが昇降台２の直下に進入可能状態となっ
たとき、適時後押し部材８がシリンダー９の動作で折帖
ａ外側方に一旦退避し、この退避状態で送りねじ４が逆
回転して後押し杆８を次位の折帖ａ位置に後進させて停
止させ、この停止状態で上記退避状態の後押し杆８を内
向きに進出させて折帖ａの後端に当接させた後、送りね
じ４を正転せしめて後押し杆８を前進させ、折帖ａを上
記空いた最左端のテーブル１位置に搬送する。この手順
により、テーブル１上の各折帖ａを次々と席詰め状に間
歇搬送するものである。

【００１１】また、上記搬送により自ずと空いた最右端
部のテーブル１上に新たに折帖ａを人手により縦積み
し、折帖ａの連続搬送を可能とするものである。尚、ま
た上記送りねじ４を回転させるモータ１２及び後押し杆
８を動作するシリンダー９は、図示しない制御装置から
の入力信号で駆動することは勿論である。

【００１２】次に、上記昇降台２上に載置された折帖ａ
を昇降台２の順次上昇で吸着手段によって繰出す動作と
しては、図４のように、最上部の折帖ａの１枚が移動し
ている駆動平ベルト１８に当接すると、折帖ａは吸気窓
２０からの吸気作用によって駆動平ベルト１８に吸着さ
れるので折帖ａは移動し、この移動域に臨ませた沿当て
ベルト２１の始端に侵入して該沿当てベルト２１と上記
駆動平ベルト１８とで挟持され、また、この挟持状態の
折帖ａの後端縁が吸気窓２０を通過し終ると該吸気窓２
０に次の折帖ａが対向するので該折帖ａが吸引され、そ
れにより折帖ａ同志は夫々前後にズレた状態で、かつ、
重合状態で順次吸着されて上記駆動平ベルト１８と沿当
てベルト２０とで挟合されながら入紙掛機械２２のフィ
ーダー２３に搬送供給されるものである。

【００１３】なお、昇降台２は、その上昇位置から下降
位置に至る過程では、邪魔にならないようにシリンダー
１５により引込めることは勿論である。

【００１４】

【発明の効果】 上述のように本発明の構成によれば、
次のような効果が得られる。 （ａ）テーブル上に縦積み状態で整列載置した折帖を、
送りねじの正転による後押し杆の前進で排出側に押出
し、かつ送りねじの逆転による後押し杆の後進で次位の
折帖捕捉位置に移動させ、また上記捕捉位置での折帖へ
の接近当接動作をシリンダーなどの駆動手段で個別に行
わせるようにしたことにより、全体の構成が極端に簡易
化され、それによりコストダウンを図り、故障の少ない
折帖搬送機構を提供することができる。 （ｂ）吸気孔を有する平ベルトを用い、この平ベルトに
吸気装置に連なる吸気窓を臨ませる構成としたため、折
帖が平ベルトに面接触で吸着するため、吸着が安定し従
来に生じた途切れ状の繰出しを防がせ、もって入紙掛機
械のフィーダーへの安定送り込みを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 折帖搬送機構の正面図である。

【図２】 同上の平面図である。

【図３】 同上の側面図である。

【図４】 吸着手段の一部切欠正面図である。

【符号の説明】

Ａ １次側折帖搬送機構 Ｂ ２次側折帖搬送機構 ａ 折帖 １ テーブル ２ 昇降台 ４ 送りねじ ５ ガイド軸 ６ 移動座 ６ａ 移動座 ７ ロッド ８ 後押し杆 ９ 駆動部材（シリンダー） １２ 正逆転モータ １４ リフト装置 １７ 吸気孔 １８ 駆動平ベルト ２０ 吸気窓 ２１ 沿当てベルト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平面形状が方形状をしたテーブルの両側
   に、正逆転モータに連結した送りねじを平行に軸架し、
   この送りねじに、ガイド軸に摺動自在に挿通支持させた
   移動座を螺合させ、この移動座に、上記縦積み状態の折
   帖の後端直交２辺縁に当接する断面形状を備えた縦長の
   後押し杆を夫々内向きに対向支持させ、この後押し杆
   に、上記移動座に設けた駆動部材を、上記折帖の大きさ
   に応じて上記後押し杆が内外方に進退動作するように連
   結した１次側折帖搬送機構（Ａ）と、 １次側折帖搬送機構（Ａ）の折帖排出端に設けられ、か
   つ、上記テーブルから搬出された 縦積み状態の折帖を昇
   降台に受けとり、この折帖を昇降台の順次上昇作用によ
   り上方にリフトアップするリフト装置（１４）と、 リフト装置（１４）に より最上端の折帖から順次１枚づ
   つ、かつ夫々の折帖が前後にズレた状態で重合吸着せし
   めて繰出し、繰出された折帖を、繰出し部位に一端を臨
   ませた一対の送りベルト間に導入挟持せしめて、該送り
   ベルトの移動によりその終端に連絡させた入紙掛機械の
   フィーダーに連続的に送り込む形式の折帖搬送機構であ
   って、上記吸着手段が、多数の吸気孔を備えた駆動平ベ
   ルトと、該ベルトの片面に折帖を吸着すベく上記吸気孔
   の移動域に摺接配置した吸気装置に連なる吸気窓とで構
   成した２次側折帖搬送機構（Ｂ）とよりなることを特徴
   とする製本装置の折帖搬送機構。