JP2618602B2 - イオン交換膜の加水分解の方法 - Google Patents

イオン交換膜の加水分解の方法

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JP2618602B2 JP6056807A JP5680794A JP2618602B2 JP 2618602 B2 JP2618602 B2 JP 2618602B2 JP 6056807 A JP6056807 A JP 6056807A JP 5680794 A JP5680794 A JP 5680794A JP 2618602 B2 JP2618602 B2 JP 2618602B2
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    • C08J2327/02Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08J2327/12Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は燃料電池又は電解槽、特にクロ
ロアルカリ槽の陽極及び陰極室の分離に有利に用いるこ
とができるイオン交換膜の製造法に関する。さらに特定
すると本発明はエーテル、エポキシ又はケトン結合及び
アルコール基を含み、室温で非固体の化合物、好ましく
は1−メトキシ−2−プロパノールを含む水溶液と膜
を、過フッ素化前駆基を加水分解するのに十分な時間接
触させる、フッ素化イオン交換膜の製造法に関する。
【0002】
【発明の背景】燃料電池又は電解槽、特にクロロアルカ
リ電解槽の陽極及び陰極室の分離のための膜としての、
カルボキシレート及び/又はスルホネートイオン交換基
を有するフッ素化イオン交換膜の利用は周知である。電
解槽の場合、イオン交換膜は低い槽電圧及び高い電流効
率を示し、それにより電解槽が低い電力消費で安定して
運転されるようにするのが望ましい。燃料電池の場合、
イオン交換膜は高いイオン伝導率を示し、それにより燃
料電池が高出力の電力で安定して運転されるようにする
のが望ましい。
【0003】従来カルボキシレート及び/又はスルホネ
ートイオン交換基を有するフッ素化イオン交換膜は、イ
オン交換前駆基を有し、熱可塑性を有するフッ素化ポリ
マーを最初にフィルムに成型し、その後イオン交換前駆
基を加水分解してそれによりカルボキシレート及び/又
はスルホネートイオン交換基を形成することにより製造
される。イオン交換前駆基を加水分解するための通常の
方法は、前駆基をアルカリ金属水酸化物の水溶液、又は
アルカリ金属水酸化物の水溶液とメタノール、エタノー
ル又はプロパノールなどのアルコールあるいはジメチル
スルホキシドなどの水溶性有機溶媒から選ばれる有機溶
媒の混合物と接触させることを含む。アルコール又は水
溶性有機溶媒は、イオン交換前駆基の加水分解速度を増
すために加えられる。
【0004】イオン交換膜は槽の電解質と接触すると膨
潤し、それにより膜の表面にしわを形成する傾向がある
ことは既知である。このしわの形成は、しわが発生気体
及び/又は電解質を保留するために起こる電解槽の電圧
の上昇、ピンホールの形成、及びしわのできた膜の電極
に対する摩擦によって起こる膜の引裂などの問題を伴う
傾向がある。これらの問題に対処するために、膜を特殊
な有機溶媒又は有機溶媒の水溶液に浸漬することによ
り、イオン交換膜を槽に設置する前に予備膨潤すること
が提案された。例えば米国特許第4,595,476号
明細書はジエチレングリコール及びトリエチレングリコ
ールなどの有機溶媒を含む水溶液でイオン交換膜を予備
膨潤する方法を開示している。さらに米国特許第4,3
76,030号明細書は、第1、第2及び第3アミンか
ら選ばれるアミン、最も好ましくはトリエタノールアミ
ンを2−60重量%の量で含む水溶液を用い、20℃−
80℃の温度で膜を予備膨潤するイオン交換膜の予備膨
潤法を開示している。
【0005】しかしこれらの先行技術の加水分解法では
2つの別の段階、すなわち加水分解段階及び予備膨潤段
階が含まれることが避けられない。その結果これらの方
法はすべて複雑な手順が必要であるという欠点を有す
る。
【0006】米国特許第4,904,701号明細書
は、少なくとも1つの塩基性有機化合物の水溶液を用
い、前駆イオン交換基の加水分解に十分な時間、膜を加
水分解する加水分解法を開示している。塩基性有機化合
物には塩基性窒素化合物、例えばアミン又はイミン、好
ましくはトリエタノールアミン又はジエタノールアミン
が含まれる。しかし塩基性有機化合物は前駆イオン交換
基を完全に加水分解できないか、あるいは加水分解に長
時間かかる。さらに塩基性有機化合物はイオン交換基と
不利に相互作用し、それにより膜の安定性及び効率を低
下させる。さらにトリエタノールアミンなどのアミンは
引火性又は爆発危険性である。
【0007】米国特許第5,066,682号明細書
は、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール又
はプロパノールを含むアルカリ水溶液で膜を加水分解す
る加水分解法を開示している。しかしメタノール、エタ
ノール及びプロパノールは引火性及び爆発危険性のため
に取り扱いが困難である。さらに加水分解を容易にする
添加物として最高30重量%という高濃度が必要であ
る。ジメチルスルホキシドは毒性であり、又有害な臭気
を起こす。ジメチルスルホキシドは電気化学槽、特に一
体化された膜と電極構造を有する槽において電極触媒の
損傷(poisoning)に寄与する。さらにジメチ
ルスルホキシドは焼却の間、又は嫌気性処理設備中で有
害な臭気を起こすので、廃棄が困難である。
【0008】従って膜が迅速で簡単な方法で加水分解さ
れ、膜が寸法的に安定であり、しわ及びピンホールを避
けるために予備膨潤され、加水分解剤が膜のイオン交換
基と不利な相互作用をせず、加水分解剤が高度に引火性
でなく、電極触媒を損なわず、容易に廃棄できるイオン
交換膜の加水分解法が必要とされている。
【0009】
【発明の概略】エーテル、エポキシ又はケトン結合及び
アルコール基を有し、加工温度で非固体の有機化合物、
好ましくは1−メトキシ−2−プロパノールを含むアル
カリ性又は酸性水溶液を用いたフッ素化樹脂のイオン交
換前駆基の加水分解は、複雑な予備膨潤段階の必要性を
除去し、優れた寸法安定性及び性能安定性を有するイオ
ン交換膜を与える。加水分解剤はイオン交換基と不利な
相互作用をせず、引火性が低く、電極触媒を損なわず、
容易に廃棄することができる。加水分解剤は保存するこ
とができ、有害な臭気なしに用いることができ、有利で
ある。
【0010】本発明の方法に従いイオン交換前駆基、す
なわち−SO2X、C≡N及び/又はCOXの基を有
し、ここでXはハロゲン原子又は−ORであり、Rは炭
素数が1−6、好ましくは炭素数が1のアルキル基であ
るフッ素化樹脂の膜を、式−SO2Xの前駆基、及び/
又は式C≡N及び/又はCOXの前駆基をそれぞれスル
ホネート基及び/又はカルボキシレート基に加水分解す
るのに十分な時間、水溶液と接触させる。水溶液はエー
テル、エポキシ又はケトン結合ならびにアルコール基を
有し、加工温度で非固体の炭化水素である加水分解剤を
含む。好ましい加水分解剤は1−メトキシ−2−プロパ
ノール(“MOP”)である。他の加水分解剤には1−
エトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−メチ
ル−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノ
ール、1−イソプロポキシ−2−プロパノール、2−フ
ェノキシ−1−プロパノール、2−エトキシ−1−プロ
パノール、2,3−エトキシ−1−プロパノール、2−
メトキシ−1−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロ
パノール、又はそれらの混合物が含まれる。前記の例に
おいてプロパノール成分は他のアルコール、例えばエタ
ノール又はブタノールと置き換えることができる。
【0011】加水分解剤は前駆イオン交換基の加水分解
を有利に助長するので特に有用である。そのような化合
物は比較的安価であり、燃料電池のための膜及び電極構
造の加工でも用いることができる。さらに加水分解剤は
ポリマーの官能基とイオン伝導率を損なうか、又は低下
させるような相互作用を有意に行わない。さらに加水分
解剤は、粘度調節剤又は湿潤剤として作用することがで
き、それは前駆イオン交換基の加水分解を助長する。炭
化水素化合物上のアルコール基が膜の膨潤を有利に助長
し、運転の間のしわ又はピンホールを防ぐと思われる。
【0012】本発明の方法に従って得られるイオン交換
膜は電解槽又は燃料電池で用いる間の優れた寸法安定性
及び優れた性能安定性も有する。
【0013】本発明の方法においてフッ素化イオン交換
樹脂の膜の量に対する溶液の量の比率は、水溶液の量が
イオン交換前駆基の加水分解に十分である限り重要でな
い。一般にこの加水分解は、水溶液中に膜を浸漬するこ
とにより行われるので、水溶液の量が膜をその中に浸漬
するのに十分であることが一般に好ましい。過剰量の水
溶液を悪影響なしに用いることができるが、それにより
特に経済的見地から追加の利点は得られない。
【0014】水溶液はイオン交換前駆基の加水分解を行
うのに十分な量で水を含むのが好ましい。イオン交換前
駆基の加水分解に十分な水の量は、モルで表すと前駆基
の合計量と等しいかそれより多い量である。水溶液の適
した含水量は、側鎖イオン交換前駆基を有するフッ素化
イオン交換樹脂の膜の重量に対する溶液の重量の比率を
考慮に入れて選ばれる。
【0015】水溶液の含水量は、溶液の体積に基づいて
50−95体積%の範囲が好ましい。含水量がこの範囲
内の場合、加水分解の速度は十分に速く、本発明の方法
により得られる膜は電解槽又は燃料電池で用いた場合に
低い膜抵抗率を示す効果を有する。さらに−Xがハロゲ
ンの場合、アルカリ金属ハライドが膜の内側に沈澱する
のを防ぐために、膜の含水量はアルカリ金属ハライドを
溶液中に保つのに十分であることが好ましい。
【0016】水溶液はアルカリ金属水酸化物を含むのが
好ましい。アルカリ金属水酸化物は水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム及び水酸化カリウムあるいはこれらの混
合物であることができる。溶液はアルカリ金属塩、例え
ば塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭素化ナトリウム、
臭素化カリウム及び塩化リチウムあるいはこれらの混合
物を含むこともできる。加えられるアルカリ金属水酸化
物及びアルカリ金属塩の種類と濃度は加水分解の後に形
成されるイオン交換基のための対イオンの種類と割合に
影響する。さらに今度は対イオンの種類と割合がイオン
交換膜の性質に影響する。従って加えられるアルカリ金
属水酸化物及びアルカリ金属塩の種類と濃度を制御する
ことにより、本発明の効果が十分に発揮されるように膜
の性質を有利に制御することができる。さらにいくつか
のカルボキシレート基の場合、イオン交換基の加水分解
に酸性媒体を用いることができる。
【0017】本発明の方法において、イオン交換前駆基
の加水分解は一般に50−95℃、好ましくは65−8
5℃の温度で行われる。加水分解が50℃より低い温度
で行われると、加水分解を完結するために長時間が必要
なばかりでなく、最終的に得られるイオン交換膜は槽電
圧を下げるという所望の効果を示すことができない。他
方、加水分解が95℃より高い温度で行われると、加水
分解溶液の蒸発の速度が許容できない程速くなる。さら
にイオン交換膜は機械的強度が低下する。さらに加水分
解温度の上限は加水分解剤の沸点により制限される。
【0018】イオン交換前駆基の加水分解を行う時間は
化合物の種類、水溶液の組成、及び加水分解を行う温度
に依存して変化する。しかし一般にそれは0.1−5時
間の範囲である。
【0019】本発明で処理される膜はフッ素化されてお
り、それは炭素に結合している原子の少なくとも90
%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくはすべ
てがF原子又は側鎖エーテル基であることを意味し、後
者は塩に加水分解できる官能基を含むことができる。フ
ッ素原子でない原子がもし用いられるならそれはH、C
l又はBrであることができる。ポリマーは側鎖スルホ
ニル又はカルボキシル基を有することもできる。クロロ
アルカリ槽で用いられる膜は少なくとも2層を含み、陽
極液と接している少なくとも1層が側鎖スルホニル基を
有するのが好ましい。
【0020】使用することができるスルホニルポリマー
は、基−CF2CFR’SO2Xを含む側鎖を有するフッ
素化ポリマーであり、式中R’はF、Cl、CF2Cl
又はC1−C10過フッ素化アルキル基であり、XはF又
はCl、好ましくはFである。通常側鎖は−OCF2
2CF2SO2X又は−OCF2CF2SO2F基を含み、
後者が好ましい。過フッ素化ポリマーが好ましい。
【0021】側鎖、 [式中、kは0又は1であり、jは2、3、4又は5で
ある]を含むポリマーを用いることができる。これらは
米国特許第4,329,435号明細書(Kimoto
et al.,Asahi Glass)に記載され
ている。側鎖−CF2CF2SO2Xを含むポリマーは米
国特許第3,718,627号明細書(Grot,Du
Pont)に記載されている。これらのスルホニルポ
リマーは制限を与えるものではなく、他は当該技術にお
ける熟練者に既知である。
【0022】好ましいポリマーは側鎖−(OCF2CF
Y)r−OCF2CFR’SO2Xを含み、式中R’、Y
及びXは上記と同義であり、rは0、1、2又は3であ
る。これらのポリマーのいくつかは米国特許第3,28
2,875号明細書(Connolly et a
l.,Du Pont)に記載されている。特に好まし
いポリマーは側鎖 を含むコポリマーである。
【0023】塩の形態のカルボン酸ポリマーはフッ素化
炭化水素主鎖を有し、塩の形態に加水分解する前はアル
カリ性媒体中でカルボキシレート基に加水分解できるあ
る種の官能基、例えばニトリル又はエステル基を有する
側鎖がそれに結合している。これらのポリマーには例え
ば−(OCF2CFY)n−O−CF2−CF2−W側鎖を
含むものが含まれ、式中YはF又はCF3であり、nは
0、1又は2であり、WはCOOR又は−CNであり、
ここでRは低級アルキルである。そのようなポリマーは
米国特許第4,138,426号(England,D
u Pont)に記載されている。これらのポリマーの
中で、n=1でありY=CF3であるポリマーが好まし
い。これらのカルボン酸ポリマーは制限を与えるもので
はなく、他は当該技術における熟練者に既知である。
【0024】コポリマーは、熔融二次加工可能な(前駆
体)形態及び加水分解されたイオン交換形態の両方にお
いて自立的であるフィルムを製造するのに十分な高分子
量であることが好ましい。
【0025】少なくとも1層の熔融二次加工可能な形態
でスルホニル基を有するコポリマーの層、及び熔融二次
加工可能な形態でカルボキシル基を有するコポリマーの
層を有する、例えば共押し出しにより形成された膜を本
発明の方法において用いることができるか、あるいは本
発明の方法で用いられる膜の製造において成分フィルム
の1つとして用いることができる。そのような積層構造
はしばしば本明細書で2層膜(bimembrane)
と呼ばれる。2層膜は当該技術において周知である。
【0026】本発明で用いられる膜は3層、例えば: a)陰極液側に、Naのグラム原子当たり3.0−4.
0モルの水の水輸送を与えるのに適した当量を有する5
−50μm、好ましくは20−40μmの厚さのカルボ
キシレート層、 b)中間に、(a)より当量が低く、同程度の厚さを有
する任意のカルボキシレート層、及び c)陽極液側に、50−250μm、好ましくは75−
100μmの厚さのスルホネート層を含むこともでき
る。
【0027】膜は通常全体の厚さが50−300μm、
特に125−200μmである。
【0028】この分野でフィルム又は膜の構造的組成を
特定する通常の方法は、膜に二次加工されるポリマー組
成、イオン交換容量又は当量、及び熔融二次加工可能な
形態におけるポリマーフィルムの厚さを特定することで
ある。これは、ポリマーの量が一定のままでも膜が乾燥
しているか、又は水あるいは電解質で膨潤しているか、
及び電解質のイオン種ならびにイオン強度にさえ依存し
て、測定される厚さが変化するので行われる。
【0029】ポリマーの当量は低い膜抵抗率を与えるの
に十分な低さでなければならないが、取り扱い及び槽に
おける設置が便利なように、湿潤した場合に柔らかすぎ
るか又は粘着性の膜を与える程低くてはならない。側鎖
が−O−CF2−CF(CF3)−O−CF2−CF2−S
3Hの塩である場合、当量は通常800−1500、
好ましくは900−1300、最も好ましくは900−
1100である。スルホネート層の当量は−SO3Hの
形態に関して算出される。
【0030】膜は非強化フィルム又は2層フィルムであ
ることができるが、寸法安定性及びより高いノッチ付き
引裂抵抗のために強化材料を用いるのが普通である。ポ
リテトラフルオロエチレン、又はテトラフルオロエチレ
ンとヘキサフルオロプロピレンあるいは過フッ素化(プ
ロピルビニルエーテル)の熔融加工可能なコポリマーな
どのフルオロカーボン樹脂から作られた布を用いるのが
普通である。これらは平織、バスケット織、からみ織及
びその他などの種々の組織を用いて布に織ることができ
る。比較的解放された組織が電気抵抗率がより低いので
好ましい。支持体として多孔性シートを用いることがで
きる。他の過ハロゲン化ポリマー、例えばポリクロロト
リフルオロエチレンも用いることができるが、過フッ素
化支持体が熱及び化学品に対して最高の抵抗性を有す
る。支持布で用いられる繊維はモノフィラメント糸又は
マルチフィラメント糸であることができる。それらは通
常丸い断面のものであることもでき、あるいは特別な断
面を有することもできる。長円形又は長方形の断面は、
膜に適した配向であれば、全体がより薄い膜でより強い
強化作用を得ることを可能にする。米国特許第4,43
7,951号明細書(Bissot et al.,D
u Pont)に記載の通り、フルオロカーボン繊維と
共にレーヨン、紙又はポリエステルなどの犠牲繊維を用
いるのが望ましい。用いられる布は積層の前に圧延し、
その厚さを減じることができる。2層膜の場合、布はス
ルホネート層又はカルボキシレート層、あるいは両者中
にあることができるが、通常厚い方であるスルホネート
層中にあることが多い。布の代わりにフィブリルを用い
ることができる。
【0031】場合により膜は膨潤剤又は極性溶媒(例え
ば低級アルコール又はエステル、テトラヒドロフランあ
るいはクロロホルム)を用いて膨潤させ、その後好まし
くは平板の間で乾燥し、電解槽又は燃料電池におけるそ
の性能を向上させることができる。電解槽の場合一辺が
1−5mでありうる市販の槽の支持枠に取り付ける前
に、膜を枠に締め付けて電解液にさらした後にそれがし
わを形成しないように膨潤させることができる。用いる
ことができる膨潤剤の中には、水、ブライン、重炭酸ナ
トリウム溶液、苛性アルカリ、低級アルコール、グリコ
ール又はそれらの混合物がある。例えば米国特許第4,
595,476号明細書(Bissot,Du Pon
t)を参照せよ。
【0032】本発明の方法は従来の方法と比較して非常
に簡単である。さらに本発明の方法により製造されたイ
オン交換膜は優れた寸法安定性及び安定な電解性能を有
する。
【0033】
【実施例】実施例1 強化2層フッ素化イオン交換膜(E.I.du Pon
t de Nemours and Companyか
らNAFION(商標)N90209として商業的に入
手可能)を加水分解した。膜は公称当量が1050で厚
さが1.5ミルのカルボン酸ポリマー層及び公称当量が
1080で厚さが4ミルのスルホニルポリマー層を含
む。膜は、Prodesco,Inc.により販売され
ているポリテトラフルオロエチレン布であるT924G
布で強化されている。
【0034】膜は79%の水、6%の水酸化カリウム及
び15%のMOPの溶液中で85℃にて1時間加水分解
した。その後、軟鋼陰極及び酸化ルテニウムを含む皮膜
で活性化したチタンの陽極を用い、膜の有効直径が7.
5cmの実験室電解槽に膜を設置し、陰極液ヘッド(c
atholyte head)により膜を陽極に対して
押し付けた。精製飽和NaClを陽極液として用いた。
90℃の温度及び3.1kA/m2の電流密度で従来通
り電解を行い、32重量%のNaOHを形成した。電解
槽の運転特性を表1に示す。
【0035】 比較実施例 実施例1の膜を56%の水、30%のジメチルスルホキ
シド及び14%の水酸化カリウムの溶液中で85℃にて
1時間加水分解した。膜を実施例1の実験室電解槽に設
置し、実施例1の場合と同一の条件で運転した。電解槽
の運転特性を表2に示す。
【0036】 本発明の主たる特徴及び態様は以下の通りである。
【0037】1.エーテル、エポキシ又はケトン結合及
びアルコール基を有する少なくとも1つの化合物を含む
水溶液と膜を、スルホニル前駆基及び/又はカルボニル
前駆基を加水分解してそれぞれスルホネート基及び/又
はカルボキシレート基とするのに十分な時間接触させる
ことを含む、スルホニル又はカルボキシル前駆基を有す
るフッ素化イオン交換膜の加水分解法。
【0038】2.化合物が1−エトキシ−2−プロパノ
ール、1−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール、
1−プロポキシ−2−プロパノール、1−イソプロポキ
シ−2−プロパノール、2−フェノキシ−1−プロパノ
ール、2−エトキシ−1−プロパノール、2,3−エト
キシ−1−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノ
ール、1−ブトキシ−2−プロパノール又はそれらの混
合物の群より選ばれることを特徴とする上記1項に記載
の方法。
【0039】3.該膜を約25−約150℃の温度で水
溶液と接触させることを特徴とする上記1項に記載の方
法。
【0040】4.該膜を約60−100℃の温度で水溶
液と接触させることを特徴とする上記1項に記載の方
法。
【0041】5.該化合物が1−メトキシ−2−プロパ
ノールであることを特徴とする上記4項に記載の方法。
【0042】6.膜を約10分−約24時間水溶液と接
触させることを特徴とする上記1項に記載の方法。
【0043】7.水溶液がさらにアルカリ金属水酸化物
を含むことを特徴とする上記1項に記載の方法。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホニル及び/又はカルボニル前駆基
    を有するフッ素化イオン交換膜をエーテル結合及びアル
    コール基を有する少なくとも1つの化合物を含む水溶液
    と、該スルホニル前駆基及び/又はカルボニル前駆基を
    加水分解してそれぞれスルホネート基及び/又はカルボ
    キシレート基とするのに十分な時間接触させることを特
    徴とする、スルホニル及び/又はカルボキシル前駆基を
    有するフッ素化イオン交換膜の加水分解法。
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