JP2617961B2 - ポリプロピレン高開繊網状繊維及びその製造方法 - Google Patents
ポリプロピレン高開繊網状繊維及びその製造方法Info
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- JP2617961B2 JP2617961B2 JP63000684A JP68488A JP2617961B2 JP 2617961 B2 JP2617961 B2 JP 2617961B2 JP 63000684 A JP63000684 A JP 63000684A JP 68488 A JP68488 A JP 68488A JP 2617961 B2 JP2617961 B2 JP 2617961B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高度にフィブリル化したポリプロピレン繊
維及びその繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは、
高開繊のポリプロピレン三次元網状繊維及びその繊維の
製造方法に関する。
維及びその繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは、
高開繊のポリプロピレン三次元網状繊維及びその繊維の
製造方法に関する。
三次元に網状にフィブリル化している繊維として、フ
ラッシュ紡糸法によって製造される繊維が公知である。
フラッシュ紡糸法とは、繊維形成性のポリマーと溶媒の
均一溶液を溶媒の沸点以上の温度、蒸気圧以上の圧力の
条件下から1個以上の孔を有する紡糸口金を通して低圧
域に瞬間的に押出す方法である。その繊維の特徴は、US
P3,081,519号公報及び特公昭40−28125号公報に開示さ
れている。
ラッシュ紡糸法によって製造される繊維が公知である。
フラッシュ紡糸法とは、繊維形成性のポリマーと溶媒の
均一溶液を溶媒の沸点以上の温度、蒸気圧以上の圧力の
条件下から1個以上の孔を有する紡糸口金を通して低圧
域に瞬間的に押出す方法である。その繊維の特徴は、US
P3,081,519号公報及び特公昭40−28125号公報に開示さ
れている。
即ち、前記USP3,081,519号公報に開示された三次元網
状繊維は、フィブリルが三次元に網状に広がっている構
造を有する、表面積2m2/g以上の有機合成結晶性ポリマ
ーの繊維である。フィブリルは、平均厚み4μ以下であ
り、配向した構造を有し、電子線回折による平均配向角
が90゜以下であることを特徴とする。更に繊維のX線回
折による平均配向角が55゜より小さいこと、自由フィブ
リル数が50本/1000d/0.1mm以上あるいは25本/1000d/0.1
mm以上であること等を特徴としている。この三次元網状
繊維は、断面が異形断面をしており、比表面積が大き
く、光散乱性に優れ、嵩高性に富み、強度が高い。した
がってこの繊維の形態や性能の特徴を生かして、カバー
リング性の高い、高強度の不織布を作ることができる。
その一例として直鎖状ポリエチレンの繊維から作られた
「Tyvek 」(イー、アイ、デュポン、ニモアース、エ
ンド、コンパニー製)という商品名の不織布が市販され
ている。
状繊維は、フィブリルが三次元に網状に広がっている構
造を有する、表面積2m2/g以上の有機合成結晶性ポリマ
ーの繊維である。フィブリルは、平均厚み4μ以下であ
り、配向した構造を有し、電子線回折による平均配向角
が90゜以下であることを特徴とする。更に繊維のX線回
折による平均配向角が55゜より小さいこと、自由フィブ
リル数が50本/1000d/0.1mm以上あるいは25本/1000d/0.1
mm以上であること等を特徴としている。この三次元網状
繊維は、断面が異形断面をしており、比表面積が大き
く、光散乱性に優れ、嵩高性に富み、強度が高い。した
がってこの繊維の形態や性能の特徴を生かして、カバー
リング性の高い、高強度の不織布を作ることができる。
その一例として直鎖状ポリエチレンの繊維から作られた
「Tyvek 」(イー、アイ、デュポン、ニモアース、エ
ンド、コンパニー製)という商品名の不織布が市販され
ている。
次に従来のPPの三次元網状繊維の製造方法について説
明する。
明する。
トリクロルフルオルメタン(以後フロン−11と略
す。)を溶媒として用いてフラッシュ紡糸を行う方法
が、USP3,564,088号公報、USP3,756,441号公報、これに
対応する特開昭49−42917号公報及び本出願人出願の特
開昭62−33816号公報に開示されている。
す。)を溶媒として用いてフラッシュ紡糸を行う方法
が、USP3,564,088号公報、USP3,756,441号公報、これに
対応する特開昭49−42917号公報及び本出願人出願の特
開昭62−33816号公報に開示されている。
USP3,564,088号公報に開示された複数の紡糸孔を有す
る紡糸口金を用いて一体化された繊維凝集ウェブを得る
プロセスにおいて、アイソタクチックポリプロピレン
(以下i−ppと称す)の網状繊維を得るために下記のス
テップから成る製造方法を用いている。
る紡糸口金を用いて一体化された繊維凝集ウェブを得る
プロセスにおいて、アイソタクチックポリプロピレン
(以下i−ppと称す)の網状繊維を得るために下記のス
テップから成る製造方法を用いている。
190〜220℃の間の臨界温度を持つ1,1,2−トリクロル
−1,2,2−トリフルオルメタン(以後フロン−113と略
す)、フロン−11、及びそれらの混合物から選ばれたフ
ッ化塩化炭化水素系の溶媒で、0.09〜10の間のMFRを持
つi−ppの4〜20重量%の均一な単一溶液を作り、その
溶液に、溶媒中最も低い沸点を持つ成分の臨界温度以上
で2液相境界圧力以上の圧力を持たせる。
−1,2,2−トリフルオルメタン(以後フロン−113と略
す)、フロン−11、及びそれらの混合物から選ばれたフ
ッ化塩化炭化水素系の溶媒で、0.09〜10の間のMFRを持
つi−ppの4〜20重量%の均一な単一溶液を作り、その
溶液に、溶媒中最も低い沸点を持つ成分の臨界温度以上
で2液相境界圧力以上の圧力を持たせる。
溶液の圧力を2液相境界圧力下10〜400psiに減圧する
ために、減圧領域に溶液を通す。
ために、減圧領域に溶液を通す。
オリフィスを通して、実質的に大気圧、雰囲気温度下
に溶液を放出して、連続した高度にフィブリル化した繊
維を得る。
に溶液を放出して、連続した高度にフィブリル化した繊
維を得る。
特開昭49−42917号公報に開示されている方法は、溶
媒中2〜20重量%のi−ppを蒸気圧以上の圧力下に加熱
して溶液を生成し、この溶液をそれよりも低温及び低圧
域へ押出すことによって、i−ppのフィラメント状材料
を製造する方法であり、用いられる温度が200〜240℃で
あり、圧力が63.3kg/cm2G以上であり、及び押出し直前
のi−ppの溶融流速(MFR)が関係式 〔式中、CはPPの重量%による濃度であり、Tは℃表示
の溶液温度〕を満し、かつMFRが2〜30の範囲にあるこ
とを特徴とする。
媒中2〜20重量%のi−ppを蒸気圧以上の圧力下に加熱
して溶液を生成し、この溶液をそれよりも低温及び低圧
域へ押出すことによって、i−ppのフィラメント状材料
を製造する方法であり、用いられる温度が200〜240℃で
あり、圧力が63.3kg/cm2G以上であり、及び押出し直前
のi−ppの溶融流速(MFR)が関係式 〔式中、CはPPの重量%による濃度であり、Tは℃表示
の溶液温度〕を満し、かつMFRが2〜30の範囲にあるこ
とを特徴とする。
特開昭62−33816号公報に開示された方法は、i−pp
溶液を、溶媒の臨界温度未満の紡糸温度(溶媒がフロン
−11のとき、198℃未満)で、0.75〜1.5mmのノズル径を
有する最終ノズルを通過させてフラッシュ紡糸を行う方
法であって、押出し直前のポリマーのMFRが15以下であ
ることを特徴とする。
溶液を、溶媒の臨界温度未満の紡糸温度(溶媒がフロン
−11のとき、198℃未満)で、0.75〜1.5mmのノズル径を
有する最終ノズルを通過させてフラッシュ紡糸を行う方
法であって、押出し直前のポリマーのMFRが15以下であ
ることを特徴とする。
また、たとえば、溶媒としてフロン−113を用いる方
法がUSP3,564,088号公報、USP3,467,744号公報及び特開
昭62−33816号公報に開示されている。
法がUSP3,564,088号公報、USP3,467,744号公報及び特開
昭62−33816号公報に開示されている。
直鎖状ポリエチレンより高い耐熱性を必要とする要求
に答える三次元網状繊維素材として、融点が25〜35℃高
いポリプロピレン(以後PPと略す。)を用いることが考
えられるが、公知のPP製の三次元網状繊維は開繊性が低
いという問題点があり、満足できる製品が得られず、こ
の点が高密度ポリエチレンと比べて劣っていた。ここで
言う開繊とは、単一紡糸口金ノズルから紡出した繊維が
より細かい単位に、たとえば網状組織を構成する1本1
本の繊維(フィブリルと称す。)に分離することを言
う。
に答える三次元網状繊維素材として、融点が25〜35℃高
いポリプロピレン(以後PPと略す。)を用いることが考
えられるが、公知のPP製の三次元網状繊維は開繊性が低
いという問題点があり、満足できる製品が得られず、こ
の点が高密度ポリエチレンと比べて劣っていた。ここで
言う開繊とは、単一紡糸口金ノズルから紡出した繊維が
より細かい単位に、たとえば網状組織を構成する1本1
本の繊維(フィブリルと称す。)に分離することを言
う。
開繊の程度すなわち開繊度は、自由フィブリル数及び
繊維幅で評価することができる。自由フィブリル数とは
繊維のより細かい単位への分離の程度を示す尺度であ
り、繊維単位量当りの分離している繊維数で示される。
自由フィブリル数が大きいほど繊維が細かく別れている
ことを示す。繊維幅は単一紡糸口金から紡出した繊維を
繊維軸と、繊維軸と直角方向に二次元に広げたときの繊
維軸と直角方向への広がりである。繊維幅は繊維量に比
例するので、繊維単位量当りの繊維の広がりで示し、例
えば20mm/200dのように表示する。特に自由フィブリル
数が小さく、フィブリルがかたまっていたり、繊維軸方
向に裂けが生じたり、その結果、開繊糸に穴があいたり
する場合を除いては、開繊度は概略繊維幅でその大きさ
を判断することができる。
繊維幅で評価することができる。自由フィブリル数とは
繊維のより細かい単位への分離の程度を示す尺度であ
り、繊維単位量当りの分離している繊維数で示される。
自由フィブリル数が大きいほど繊維が細かく別れている
ことを示す。繊維幅は単一紡糸口金から紡出した繊維を
繊維軸と、繊維軸と直角方向に二次元に広げたときの繊
維軸と直角方向への広がりである。繊維幅は繊維量に比
例するので、繊維単位量当りの繊維の広がりで示し、例
えば20mm/200dのように表示する。特に自由フィブリル
数が小さく、フィブリルがかたまっていたり、繊維軸方
向に裂けが生じたり、その結果、開繊糸に穴があいたり
する場合を除いては、開繊度は概略繊維幅でその大きさ
を判断することができる。
単一のノズルをもつ紡糸口金で、外側に円形の溝を有
するものや溝のないもので紡糸する場合で、特に自由フ
ィブリル数が小さくなく、繊維に裂け、穴あきが発生し
ない場合には繊維幅は繊度約150dの繊維で、最高15mm程
度までである。このような繊維幅の小さい繊維を積層し
て不織布を作る場合には、繊維と繊維の間の空間を埋め
ることが困難となる。この空間を埋めようとすれば、繊
維量の多い厚手の不織布しかできない。また、このよう
な不織布は目付や外観の均一性の悪い不織布となる。薄
い目付で均一性の高い不織布を得るためには、繊維幅が
繊維量に無関係に20mm以上であることが必要で、40mm以
上あることが好ましい。
するものや溝のないもので紡糸する場合で、特に自由フ
ィブリル数が小さくなく、繊維に裂け、穴あきが発生し
ない場合には繊維幅は繊度約150dの繊維で、最高15mm程
度までである。このような繊維幅の小さい繊維を積層し
て不織布を作る場合には、繊維と繊維の間の空間を埋め
ることが困難となる。この空間を埋めようとすれば、繊
維量の多い厚手の不織布しかできない。また、このよう
な不織布は目付や外観の均一性の悪い不織布となる。薄
い目付で均一性の高い不織布を得るためには、繊維幅が
繊維量に無関係に20mm以上であることが必要で、40mm以
上あることが好ましい。
このように、不織布用の繊維は良好な開繊度を有する
ことが必要となる。そこで特公昭42−19520号公報には
紡糸口金から吐出した吐出流を衝突板に当てることによ
り開繊する方法が開示されているが(該公報の実施例
9)、この方法で得られた繊維の引張強度は0.53g/dで
あり、強度的に不満足である。このように素材がポリプ
ロピレンである場合には高強度でかつ繊維幅の大きな繊
維を得ることが困難であった。この問題を解決するため
に、USP3,467,744号公報、USP3,564,088号公報あるいは
特開昭49−42917号公報に開示されているように、紡糸
口金の形状を工夫して、たとえば矩形の溝を持った紡糸
口金を用いることにより繊維幅を広げることが試みられ
ている。この方法によって、繊維幅の広い開繊糸が得ら
れるが、紡糸条件によりまたは紡糸口金形状によりフラ
ッシュ力が有効に作用しないために得られた繊維の配向
性が低く、強度も不満足であった。
ことが必要となる。そこで特公昭42−19520号公報には
紡糸口金から吐出した吐出流を衝突板に当てることによ
り開繊する方法が開示されているが(該公報の実施例
9)、この方法で得られた繊維の引張強度は0.53g/dで
あり、強度的に不満足である。このように素材がポリプ
ロピレンである場合には高強度でかつ繊維幅の大きな繊
維を得ることが困難であった。この問題を解決するため
に、USP3,467,744号公報、USP3,564,088号公報あるいは
特開昭49−42917号公報に開示されているように、紡糸
口金の形状を工夫して、たとえば矩形の溝を持った紡糸
口金を用いることにより繊維幅を広げることが試みられ
ている。この方法によって、繊維幅の広い開繊糸が得ら
れるが、紡糸条件によりまたは紡糸口金形状によりフラ
ッシュ力が有効に作用しないために得られた繊維の配向
性が低く、強度も不満足であった。
更に公知のPP製三次元網状繊維には、熱安定性、即ち
加熱雰囲気における寸法安定性が低いという問題点があ
る。即ち、加熱雰囲気中で伸長あるいは収縮が非常に大
きい。そのため繊維及び繊維を積層して作られたウェブ
を熱固定あるいは熱接合等の加熱加工を行う際に、変形
しやすく、また熱収縮しやすい問題点を有していた。
加熱雰囲気における寸法安定性が低いという問題点があ
る。即ち、加熱雰囲気中で伸長あるいは収縮が非常に大
きい。そのため繊維及び繊維を積層して作られたウェブ
を熱固定あるいは熱接合等の加熱加工を行う際に、変形
しやすく、また熱収縮しやすい問題点を有していた。
又USP3,081,519号公報あるいは特公昭40−28125号公
報には、ウィブリル及び繊維の分子配向性に関して電子
線回折及びX線回折で測定する配向角によって主として
結晶の配向の存在とその程度が開示されている。しかし
これらの公報には、加熱寸法安定性、すなわち加熱雰囲
気中での伸長あるいは収縮に影響する三次元網状繊維の
微細構造は開示されていない。
報には、ウィブリル及び繊維の分子配向性に関して電子
線回折及びX線回折で測定する配向角によって主として
結晶の配向の存在とその程度が開示されている。しかし
これらの公報には、加熱寸法安定性、すなわち加熱雰囲
気中での伸長あるいは収縮に影響する三次元網状繊維の
微細構造は開示されていない。
本発明の第1の目的は有用なポリプロピレンの新規な
三次元網状繊維、詳しくは、高い開繊性を有する三次元
に網状の形態を成した繊維を提供することにある。更に
は、高い開繊性と極めて高い加熱寸法安定性とを有する
三次元に網状の形態を成した繊維を提供することにあ
る。
三次元網状繊維、詳しくは、高い開繊性を有する三次元
に網状の形態を成した繊維を提供することにある。更に
は、高い開繊性と極めて高い加熱寸法安定性とを有する
三次元に網状の形態を成した繊維を提供することにあ
る。
次に、従来のPP三次元網状繊維の製造方法の問題点を
説明する。
説明する。
前記USP3,564,088号公報に開示された方法で作られた
PP網状繊維の加熱寸法安定性はなお満足する値を示さな
い。特にスクリュー押出機を用いて、PP樹脂を溶融し、
溶媒に溶解させる連続紡糸方法を用いる場合には、溶液
形成領域での溶液の滞留時間が短いこともあり、樹脂の
溶解性が低いためかUSP3,564,088号公報記載の条件に基
づいても、安定して開繊性の高い、更に加熱寸法安定性
の高い繊維を得ることができなかった。
PP網状繊維の加熱寸法安定性はなお満足する値を示さな
い。特にスクリュー押出機を用いて、PP樹脂を溶融し、
溶媒に溶解させる連続紡糸方法を用いる場合には、溶液
形成領域での溶液の滞留時間が短いこともあり、樹脂の
溶解性が低いためかUSP3,564,088号公報記載の条件に基
づいても、安定して開繊性の高い、更に加熱寸法安定性
の高い繊維を得ることができなかった。
前記特開昭49−42917号公報に開示されている方法か
ら得られる三次元網状繊維も開繊性が低く、更に充分な
加熱安定性を有しない。衝突による開繊を行うと、繊維
が繊維軸方向に裂けたり、そのため開繊糸に穴があいた
り、極端な場合、繊維が破断することがある。更に溶液
温度として比較的高温を使用するため、繊維が着色しや
すい欠点も有している。
ら得られる三次元網状繊維も開繊性が低く、更に充分な
加熱安定性を有しない。衝突による開繊を行うと、繊維
が繊維軸方向に裂けたり、そのため開繊糸に穴があいた
り、極端な場合、繊維が破断することがある。更に溶液
温度として比較的高温を使用するため、繊維が着色しや
すい欠点も有している。
特開昭62−33816号公報に開示された方法は、溶液温
度が溶媒の臨界温度未満であり、すなわち低温であるた
めにフラッシュ力が低く、開繊性が劣っていた。また紡
出糸の配向性が低く、加熱寸法安定性特に加熱伸長に対
する安定性が不満足であった。
度が溶媒の臨界温度未満であり、すなわち低温であるた
めにフラッシュ力が低く、開繊性が劣っていた。また紡
出糸の配向性が低く、加熱寸法安定性特に加熱伸長に対
する安定性が不満足であった。
溶媒としてフロン−113を用いるUSP3,564,088号公
報、USP3,467,744号公報及び特開昭62−33816号公報に
開示されている方法で作られるPP三次元網状繊維も、開
繊性が低く、また加熱寸法安定性は、特開昭49−42917
号公報の方法による繊維とほとんど変らなかった。
報、USP3,467,744号公報及び特開昭62−33816号公報に
開示されている方法で作られるPP三次元網状繊維も、開
繊性が低く、また加熱寸法安定性は、特開昭49−42917
号公報の方法による繊維とほとんど変らなかった。
以上の問題点に鑑みて、本発明の第2の目的は、開繊
性の高い、更には加熱寸法安定性の高い三次元網状繊維
の新規な製造方法を提供することにある。
性の高い、更には加熱寸法安定性の高い三次元網状繊維
の新規な製造方法を提供することにある。
本発明の第1の目的はフィブリル化されたポリプロピ
レンの三次元網状繊維において、該三次元網状繊維が0.
1〜10wt%の開繊剤を含むことを特徴とする三次元網状
繊維によって達成される。
レンの三次元網状繊維において、該三次元網状繊維が0.
1〜10wt%の開繊剤を含むことを特徴とする三次元網状
繊維によって達成される。
前記含有される開繊剤が結晶核剤、滑剤または基材樹
脂以外の結晶性樹脂であると好ましい。前記三次元網状
繊維のマイクロ波複屈折が0.07以上であると好ましく、
更に0.10以上であるとより好ましい。前記三次元網状繊
維の長周期散乱強度比が5以上であると好ましく、更に
10以上であるとより好ましい。
脂以外の結晶性樹脂であると好ましい。前記三次元網状
繊維のマイクロ波複屈折が0.07以上であると好ましく、
更に0.10以上であるとより好ましい。前記三次元網状繊
維の長周期散乱強度比が5以上であると好ましく、更に
10以上であるとより好ましい。
本発明のポリプロピレンフィブリル化繊維は、前述の
ように三次元に網状の構造をしている繊維であって、三
次元網状繊維が0.1〜10wt%の開繊剤を含むことを特徴
とし、開繊剤を含有させることによって開繊性が改善さ
れた極めて形態の良い三次元網状繊維が得られる。
ように三次元に網状の構造をしている繊維であって、三
次元網状繊維が0.1〜10wt%の開繊剤を含むことを特徴
とし、開繊剤を含有させることによって開繊性が改善さ
れた極めて形態の良い三次元網状繊維が得られる。
0.1〜10wt%の開繊剤を含有するPP三次元網状繊維
は、開繊操作によって、自由フィブリル数150本/50d以
上、繊維幅20mm/100d以上という高開繊を達成すること
ができる。この繊維を積層し、熱接合すれば、有用性の
高い不織布が得られる。
は、開繊操作によって、自由フィブリル数150本/50d以
上、繊維幅20mm/100d以上という高開繊を達成すること
ができる。この繊維を積層し、熱接合すれば、有用性の
高い不織布が得られる。
前記高開繊性を有する三次元網状繊維で更に0.07以上
のマイクロ波複屈折を有する網状繊維は、加熱伸長率が
100℃で8%以下で、130℃で12%以下である。更に0.10
以上のマイクロ波複屈折を有する網状繊維は、加熱伸長
率が100℃で4%以下、130℃で6%以下である。高開繊
の三次元網状繊維でマイクロ波複屈折が0.07以上であ
り、且つ長周期散乱強度比が5以上である網状繊維は、
加熱伸長率が100℃で8%以下、130℃で12%以下であ
り、かつ熱収縮率が11%以下である。マイクロ波複屈折
が0.10以上であり、且つ長周期散乱強度比が5以上であ
る高開繊の網状繊維は、加熱伸長率が100℃で4以下、1
30℃で6%以下であり、かつ熱収縮率が11%以下であ
る。高開繊の網状繊維でマイクロ波複屈折が0.07以上で
あり、且つ長周期散乱強度比が15以上である網状繊維
は、加熱伸長率が100℃で8%以下、130℃で約12%以下
であり、かつ熱収縮率が6%以下である。更に高開繊の
網状繊維でマイクロ波複屈折が0.10以上であり、且つ長
周期散乱強度比が15以上である網状繊維は、加熱伸長率
が100℃で4%以下、130℃で6%以下であり、かつ熱収
縮率が6%以下である。
のマイクロ波複屈折を有する網状繊維は、加熱伸長率が
100℃で8%以下で、130℃で12%以下である。更に0.10
以上のマイクロ波複屈折を有する網状繊維は、加熱伸長
率が100℃で4%以下、130℃で6%以下である。高開繊
の三次元網状繊維でマイクロ波複屈折が0.07以上であ
り、且つ長周期散乱強度比が5以上である網状繊維は、
加熱伸長率が100℃で8%以下、130℃で12%以下であ
り、かつ熱収縮率が11%以下である。マイクロ波複屈折
が0.10以上であり、且つ長周期散乱強度比が5以上であ
る高開繊の網状繊維は、加熱伸長率が100℃で4以下、1
30℃で6%以下であり、かつ熱収縮率が11%以下であ
る。高開繊の網状繊維でマイクロ波複屈折が0.07以上で
あり、且つ長周期散乱強度比が15以上である網状繊維
は、加熱伸長率が100℃で8%以下、130℃で約12%以下
であり、かつ熱収縮率が6%以下である。更に高開繊の
網状繊維でマイクロ波複屈折が0.10以上であり、且つ長
周期散乱強度比が15以上である網状繊維は、加熱伸長率
が100℃で4%以下、130℃で6%以下であり、かつ熱収
縮率が6%以下である。
以上に示すように繊維に開繊剤を含ませて得た本発明
による開繊糸は、開繊剤を含まない開繊していないフラ
ッシュ紡糸繊維に比べて、その長周期散乱強度比が同等
の値であっても熱収縮率が低い傾向を示す。
による開繊糸は、開繊剤を含まない開繊していないフラ
ッシュ紡糸繊維に比べて、その長周期散乱強度比が同等
の値であっても熱収縮率が低い傾向を示す。
開繊剤とは、紡出前のPP溶液に混合し、紡糸口金から
吐出した高速繊維流を衝突板に当てることによって、開
繊効果が発揮されるものを言う。
吐出した高速繊維流を衝突板に当てることによって、開
繊効果が発揮されるものを言う。
自由フィブリル数が約150本/50d以上、繊維幅が約20m
m/100d以上である場合に開繊効果があると定義する。
m/100d以上である場合に開繊効果があると定義する。
開繊性(自由フィブリル数及び繊維幅)はPP濃度に依
存し、濃度が高ければこれらの値は低下する傾向を有す
るので、ここで定義した値はi−pp濃度9wt%で調べた
ときの値である。繊維幅の測定の際に繊維幅の50%以上
の幅でフィブリルが観測されない場合は、すなわち、裂
けや穴あきが観測される場合は、裂けあるいは穴あきで
開繊性不良と判定される。
存し、濃度が高ければこれらの値は低下する傾向を有す
るので、ここで定義した値はi−pp濃度9wt%で調べた
ときの値である。繊維幅の測定の際に繊維幅の50%以上
の幅でフィブリルが観測されない場合は、すなわち、裂
けや穴あきが観測される場合は、裂けあるいは穴あきで
開繊性不良と判定される。
自由フィブリル数は、対物レンズ1.6倍、接眼レンズ1
0倍の顕微鏡を用いて、繊維幅方向に視野を移動させな
がら、分離している繊維(フィブリル)の数を計数し
た。観測倍率を上げれば、自由フィブリル数が増加する
傾向である。
0倍の顕微鏡を用いて、繊維幅方向に視野を移動させな
がら、分離している繊維(フィブリル)の数を計数し
た。観測倍率を上げれば、自由フィブリル数が増加する
傾向である。
繊維幅は、開繊操作後開繊状態の繊維を目の粗い(10
メッシュ程度の)ネットで受けて、測定した。また、ネ
ットで受けなかった場合は、120mm以上の長さの繊維を
横にして、側端を垂直板にピンで止め、20mm長さ間隔で
もう一方の側端に繊維の網状構造が破れない範囲で最大
の(約0.1g程度)重りを7ケ付けてつるし、両端を除い
た内側の重りが付けてある5ケ所の繊維幅を測定し、平
均値を求めた。このようにして測定した繊維幅は、ネッ
トで開繊糸を受けて測定した数値と変わらなかった。
メッシュ程度の)ネットで受けて、測定した。また、ネ
ットで受けなかった場合は、120mm以上の長さの繊維を
横にして、側端を垂直板にピンで止め、20mm長さ間隔で
もう一方の側端に繊維の網状構造が破れない範囲で最大
の(約0.1g程度)重りを7ケ付けてつるし、両端を除い
た内側の重りが付けてある5ケ所の繊維幅を測定し、平
均値を求めた。このようにして測定した繊維幅は、ネッ
トで開繊糸を受けて測定した数値と変わらなかった。
開繊剤の含有量の測定は、開繊剤の種類に応じて適正
な方法で行われる。たとえば、特定の金属元素を一定組
成で含有する開繊剤であれば、その特定金属元素の定量
分析により、また、特定の赤外線吸収が存在する場合に
は、赤外吸収スペクトル法による定量分析等が使われ
る。
な方法で行われる。たとえば、特定の金属元素を一定組
成で含有する開繊剤であれば、その特定金属元素の定量
分析により、また、特定の赤外線吸収が存在する場合に
は、赤外吸収スペクトル法による定量分析等が使われ
る。
開繊剤は室温(40℃と定義しておく)で固体であるこ
とが好ましい。用いられる開繊剤としては、結晶核剤、
滑剤、あるいは基材樹脂以外の結晶性樹脂が好ましい。
たとえば、結晶核剤には、有機リン酸塩、有機カルボン
酸塩、ソルビトール誘導体、無機粉体、顔料等があり、
滑剤には脂肪族炭化水素類、脂肪酸類、脂肪酸塩類、脂
肪酸アルコール類、脂肪酸アマイド類、脂肪酸エステル
類、金属石けん類等がある。結晶性ポリマーしては、ポ
リアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等がある。
とが好ましい。用いられる開繊剤としては、結晶核剤、
滑剤、あるいは基材樹脂以外の結晶性樹脂が好ましい。
たとえば、結晶核剤には、有機リン酸塩、有機カルボン
酸塩、ソルビトール誘導体、無機粉体、顔料等があり、
滑剤には脂肪族炭化水素類、脂肪酸類、脂肪酸塩類、脂
肪酸アルコール類、脂肪酸アマイド類、脂肪酸エステル
類、金属石けん類等がある。結晶性ポリマーしては、ポ
リアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等がある。
たとえば、結晶核剤では、ヒドロキシージ(ターシャ
リ−ブチル安息香酸)アルミニウム、p−ターシャリ−
ブチル安息香酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、1,3,
2,4−ジパラメチル−ジベンジリデンソルビトール、1,3
−パラクロル−ジベンジリデン−2,4−パラクロル−ベ
ンジリデン−D−ソルビトール、1,3,2,4−ジベンジリ
デンソルビトール、フェニルフォスフォン酸ナトリウ
ム、タルク等が好ましく、滑剤では、ステアリン酸アマ
イド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、パルミチン酸等
が好ましい。基材樹脂以外の結晶性樹脂としては、高密
度ポリエチレン、ポリカプラミド、ポリブチレンテレフ
タレート等が好ましい。
リ−ブチル安息香酸)アルミニウム、p−ターシャリ−
ブチル安息香酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、1,3,
2,4−ジパラメチル−ジベンジリデンソルビトール、1,3
−パラクロル−ジベンジリデン−2,4−パラクロル−ベ
ンジリデン−D−ソルビトール、1,3,2,4−ジベンジリ
デンソルビトール、フェニルフォスフォン酸ナトリウ
ム、タルク等が好ましく、滑剤では、ステアリン酸アマ
イド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、パルミチン酸等
が好ましい。基材樹脂以外の結晶性樹脂としては、高密
度ポリエチレン、ポリカプラミド、ポリブチレンテレフ
タレート等が好ましい。
これら開繊剤の添加量は繊維中に0.1〜10wt%含まれ
ている場合に効果がある。0.1wt%未満では開繊性は低
く、不織布に適する開繊性は得られない。添加量は多い
程開繊性が向上する傾向にあるが同時に開繊した時裂け
易くなる。添加量が10wt%より多い場合は、裂けや穴あ
きの発生が著しく、また繊維の機械的性質も損われ、不
織布用繊維として不適なものとなる。添加量は好ましく
は0.3〜2.5wt%である。
ている場合に効果がある。0.1wt%未満では開繊性は低
く、不織布に適する開繊性は得られない。添加量は多い
程開繊性が向上する傾向にあるが同時に開繊した時裂け
易くなる。添加量が10wt%より多い場合は、裂けや穴あ
きの発生が著しく、また繊維の機械的性質も損われ、不
織布用繊維として不適なものとなる。添加量は好ましく
は0.3〜2.5wt%である。
市販されているPPの場合、酸化防止剤を初めとして、
紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、核剤、帯電防止剤等の添
加剤が、通常2〜3種類、目的に応じて0.05〜0.wt%程
度添加されている。従って、市販のi−pp樹脂だけの使
用が考えられるが、効果が認められないことが多い。こ
れは、開繊効果の高い添加剤が含有されている場合が少
ないし、含有されていても添加量が0.1wt%未満で少な
いことが多いからである。まして開繊性と加熱寸法安定
性を同時に満足させることのできる市販の樹脂はほとん
ど見当たらないと言ってよい。従って市販の樹脂に、添
加剤の開繊性能に応じて添加量を選択し、添加するのが
好ましい。
紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、核剤、帯電防止剤等の添
加剤が、通常2〜3種類、目的に応じて0.05〜0.wt%程
度添加されている。従って、市販のi−pp樹脂だけの使
用が考えられるが、効果が認められないことが多い。こ
れは、開繊効果の高い添加剤が含有されている場合が少
ないし、含有されていても添加量が0.1wt%未満で少な
いことが多いからである。まして開繊性と加熱寸法安定
性を同時に満足させることのできる市販の樹脂はほとん
ど見当たらないと言ってよい。従って市販の樹脂に、添
加剤の開繊性能に応じて添加量を選択し、添加するのが
好ましい。
マイクロ波複屈折(Δn)とはマイクロ波領域(周波
数0.3GHz〜30GHz)の電磁波によって測定される繊維軸
方向の屈折率(nMD)と繊維軸と直角方向の屈折率
(nTD)の差(Δn=nMD−nTD)である。可視波で偏光
顕微鏡を用いて測定される複屈折と同様に、マイクロ波
複屈折によって分子の配向性、即ち結晶及び非晶領域の
分子の配向性を評価することができる。特に異形断面を
有する本発明の繊維に対しては、フィブリルの厚みがま
ちまちであること等から偏光顕微鏡を用いる方法では測
定しにくく、マイクロ波による方法が有効である。
数0.3GHz〜30GHz)の電磁波によって測定される繊維軸
方向の屈折率(nMD)と繊維軸と直角方向の屈折率
(nTD)の差(Δn=nMD−nTD)である。可視波で偏光
顕微鏡を用いて測定される複屈折と同様に、マイクロ波
複屈折によって分子の配向性、即ち結晶及び非晶領域の
分子の配向性を評価することができる。特に異形断面を
有する本発明の繊維に対しては、フィブリルの厚みがま
ちまちであること等から偏光顕微鏡を用いる方法では測
定しにくく、マイクロ波による方法が有効である。
長周期散乱強度比はX線小角散乱から求めた長周期の
散乱強度を散乱強度曲線のベースラインの散乱強度で除
した値である。マイクロ波複屈折、長周期散乱強度比と
もに、開繊糸は開繊した状態でなく、繊維軸に収束させ
て測定した(測定法は後述する)。
散乱強度を散乱強度曲線のベースラインの散乱強度で除
した値である。マイクロ波複屈折、長周期散乱強度比と
もに、開繊糸は開繊した状態でなく、繊維軸に収束させ
て測定した(測定法は後述する)。
加熱寸法安定性は加熱伸長率と熱収縮率で評価するこ
とができる。加熱伸長率は熱機械分析装置で測定でき
る。それは、繊維にわずかな引張荷重(デニール単位の
繊度をgf単位化し、その10%の荷重)をかけて昇温しな
がら(5℃/min)観測される伸長率である。繊維にかけ
る引張荷重は、寸法を正確に測定するためにかける程度
の小さな荷重であり、この程度の荷重で伸びが発生する
ことは、加熱加工、たとえば熱固定、熱接合等で、ロー
ルとの摩擦、あるいは折れ曲り、しわ等直線性、平面性
不良防止用にかけるテンション等のわずかな荷重により
寸法変化が発生することを意味する。繊維だけでなく、
繊維積層ウェブも損われることも示している。経験的
に、繊維の加熱伸長率で、100℃で約8%以下、130℃で
約12%以下であれば、このような加熱加工で問題を起す
懸念は少ない。
とができる。加熱伸長率は熱機械分析装置で測定でき
る。それは、繊維にわずかな引張荷重(デニール単位の
繊度をgf単位化し、その10%の荷重)をかけて昇温しな
がら(5℃/min)観測される伸長率である。繊維にかけ
る引張荷重は、寸法を正確に測定するためにかける程度
の小さな荷重であり、この程度の荷重で伸びが発生する
ことは、加熱加工、たとえば熱固定、熱接合等で、ロー
ルとの摩擦、あるいは折れ曲り、しわ等直線性、平面性
不良防止用にかけるテンション等のわずかな荷重により
寸法変化が発生することを意味する。繊維だけでなく、
繊維積層ウェブも損われることも示している。経験的
に、繊維の加熱伸長率で、100℃で約8%以下、130℃で
約12%以下であれば、このような加熱加工で問題を起す
懸念は少ない。
熱収縮率は、熱風の循環するオーブン中、温度145℃
で、無拘束で20分間放置して測定する。
で、無拘束で20分間放置して測定する。
耐熱性を示す尺度として、動的弾性率5.0×109dyne/c
m2を保持する最高温度をみると、マイクロ波複屈折が0.
07以上の場合に約60℃以上、好ましい0.10以上の場合に
は、100℃以上を示す。マイクロ波複屈折が0.07でこの
温度は急激に上昇する。
m2を保持する最高温度をみると、マイクロ波複屈折が0.
07以上の場合に約60℃以上、好ましい0.10以上の場合に
は、100℃以上を示す。マイクロ波複屈折が0.07でこの
温度は急激に上昇する。
動的弾性率の測定は、周波数110kHz、昇温速度2℃/m
inで行った。
inで行った。
このように加熱寸法安定性の高い、特に加熱伸長率が
低い繊維とするためには、マイクロ波複屈折の特定値を
満足させることが重要である。また熱収縮率を低下させ
るためには、長周期構造の発現が重要である。更に加熱
伸長率と熱収縮率を満足させるためには、非晶部も含め
た分子配向性が高く、かつ繊維周期の整った構造にすべ
きことが認められる。溶融紡糸で作られた繊維を熱処理
すると、長周期構造が整い、長周期は大きくなることは
文献で見うけられることであるが、紡糸速度5000m/min
〜14000m/minでの溶液からの高速の紡糸で、熱処理しな
い紡出したままの繊維にこのように長周期構造が明瞭に
現われ、しかもX線散乱強度比が高いことは驚くべきこ
とである。
低い繊維とするためには、マイクロ波複屈折の特定値を
満足させることが重要である。また熱収縮率を低下させ
るためには、長周期構造の発現が重要である。更に加熱
伸長率と熱収縮率を満足させるためには、非晶部も含め
た分子配向性が高く、かつ繊維周期の整った構造にすべ
きことが認められる。溶融紡糸で作られた繊維を熱処理
すると、長周期構造が整い、長周期は大きくなることは
文献で見うけられることであるが、紡糸速度5000m/min
〜14000m/minでの溶液からの高速の紡糸で、熱処理しな
い紡出したままの繊維にこのように長周期構造が明瞭に
現われ、しかもX線散乱強度比が高いことは驚くべきこ
とである。
本発明の第2の目的である高い開繊性を有するポリプ
ロピレン三次元網状繊維の製造法はアイソタクチックポ
リプロピレン、トリクロルフルオルメタン及びアイソタ
クチックポリプロピレンの0.1〜11PHRの開繊剤から成る
高圧の均一溶液を減圧室、紡糸口金を通して低温低圧域
に放出して、フィブリル化されたポリプロピレンの三次
元網状を製造する方法において、減圧室を通過する前の
溶液の圧力が減光開始圧力以上であり、減圧室内の温度
が198℃以上220℃未満であり、減圧室内の圧力が減光終
了圧力以下であり、押出し直前のアイソタクチックポリ
プロピレンの溶融流速(MFR)が 〔TPFは℃で表わした減圧室の溶液温度、Cは重量%で
表わしたポリプロピレンの濃度である〕を満たすことを
特徴とする。
ロピレン三次元網状繊維の製造法はアイソタクチックポ
リプロピレン、トリクロルフルオルメタン及びアイソタ
クチックポリプロピレンの0.1〜11PHRの開繊剤から成る
高圧の均一溶液を減圧室、紡糸口金を通して低温低圧域
に放出して、フィブリル化されたポリプロピレンの三次
元網状を製造する方法において、減圧室を通過する前の
溶液の圧力が減光開始圧力以上であり、減圧室内の温度
が198℃以上220℃未満であり、減圧室内の圧力が減光終
了圧力以下であり、押出し直前のアイソタクチックポリ
プロピレンの溶融流速(MFR)が 〔TPFは℃で表わした減圧室の溶液温度、Cは重量%で
表わしたポリプロピレンの濃度である〕を満たすことを
特徴とする。
前記開繊剤として結晶核剤、滑剤または基材樹脂以外
の結晶性樹脂を用いると好ましい。
の結晶性樹脂を用いると好ましい。
高い加熱寸法安定性と開繊性を有した繊維を得るため
には、i−ppのフロン−11溶液にi−ppの0.1〜11PHR
(PHRは樹脂100重量部に対する開繊剤の重量)の開繊剤
を含ませることが重要である。更に開繊剤は前述のよう
結晶核剤、滑剤、または基材樹脂以外の結晶性樹脂であ
ることが望ましい。開繊させる方法は、紡糸口金からの
吐出流に衝突板を当てる方法あるいは、矩形の溝付きの
紡糸口金を用いる方法のいずれも使うことができる。
には、i−ppのフロン−11溶液にi−ppの0.1〜11PHR
(PHRは樹脂100重量部に対する開繊剤の重量)の開繊剤
を含ませることが重要である。更に開繊剤は前述のよう
結晶核剤、滑剤、または基材樹脂以外の結晶性樹脂であ
ることが望ましい。開繊させる方法は、紡糸口金からの
吐出流に衝突板を当てる方法あるいは、矩形の溝付きの
紡糸口金を用いる方法のいずれも使うことができる。
開繊剤を添加する時期は、均一溶液の調整前であれ
ば、いつでもよい。ポリマーの溶解、紡糸をオートクレ
ーブ等を用いて回分式で行う場合等は、原料の仕込みの
際に添加してもよいし、スクリュー型押出機を用いて行
う場合は、ポリマーの押出し前に、ポリマーと混合しな
がら押出、混合してもよい。あるいはあらかじめポリマ
ー中に添加しておく方法をとってもよい。紡糸口金から
溶液が吐出後、開繊剤が溶媒と一緒に飛散することは少
なく、相当量が繊維中に含有される。この事は繊維中の
開繊剤の分析をすると判明する。また、繊維の特性も結
晶核剤等を添加した場合、結晶化温度が1〜20℃程度高
くなる。結晶化温度が高くなることも高配向化、加熱寸
法安定化に有効に作用する。
ば、いつでもよい。ポリマーの溶解、紡糸をオートクレ
ーブ等を用いて回分式で行う場合等は、原料の仕込みの
際に添加してもよいし、スクリュー型押出機を用いて行
う場合は、ポリマーの押出し前に、ポリマーと混合しな
がら押出、混合してもよい。あるいはあらかじめポリマ
ー中に添加しておく方法をとってもよい。紡糸口金から
溶液が吐出後、開繊剤が溶媒と一緒に飛散することは少
なく、相当量が繊維中に含有される。この事は繊維中の
開繊剤の分析をすると判明する。また、繊維の特性も結
晶核剤等を添加した場合、結晶化温度が1〜20℃程度高
くなる。結晶化温度が高くなることも高配向化、加熱寸
法安定化に有効に作用する。
高温高圧下で溶媒に溶解しにくい開繊剤、たとえば、
安息香酸塩、無機粉体、あるいはポリアミド樹脂等ある
が、均一に分散混合されていれば効果はある。しかし紡
糸装置内のフィルターや減圧オリフィス、紡糸口金ノズ
ルを詰まらせる場合もあるので、たとえば、500メッシ
ュ金網通過グレード等微細グレードを用いるのが好まし
い。
安息香酸塩、無機粉体、あるいはポリアミド樹脂等ある
が、均一に分散混合されていれば効果はある。しかし紡
糸装置内のフィルターや減圧オリフィス、紡糸口金ノズ
ルを詰まらせる場合もあるので、たとえば、500メッシ
ュ金網通過グレード等微細グレードを用いるのが好まし
い。
前記減光開始圧力及び減光終了圧力について以下説明
する。測定装置の略図を第1図に示す。すなわち覗窓付
きのオートクレーブ1を用いて、中の溶液の状態を温
度、圧力を変化させて、光(タングステン光)の透過量
で観測する。通常ポリマーを高温高圧下で溶解した後、
溶液を徐々にバルブ(11及び12をあける)から排出し、
圧力を減少させて調べる。光の透過量が減少し始めた時
の温度、圧力が、減光開始温度(TIEと表示する)、減
光開始圧力(PIEと表示する。)であり、光の透過量が
0になった、すなわち、覗窓が暗視野になった時の温度
及び圧力が減光終了温度(TEE)及び減光終了圧力
(PEE)である。必要に応じて、液用増圧器(アルプス
高圧(株)製)10を用いて、ポリマー濃度の大きく変ら
ない範囲で溶媒のフロン−11を圧入して溶液を高圧化す
る。溶液の温度を変えることと、溶液の高圧化、低圧化
を繰り返すことによって、減光の開始する点と終了する
点を調べる。加熱時間等をオートクレーブを用いる棒糸
と同じにして、ポリマーの熱分解による分子量の差異を
なくすようにした。必要に応じて、相図に変化を与えな
い範囲で熱安定剤を添加した。オートクレーブは容積25
0cm3のものを用いた。減光開始温度・圧力は2液相化が
開始する温度・圧力であり、減光終了温度は2液相化が
完了する温度であると考えられる。
する。測定装置の略図を第1図に示す。すなわち覗窓付
きのオートクレーブ1を用いて、中の溶液の状態を温
度、圧力を変化させて、光(タングステン光)の透過量
で観測する。通常ポリマーを高温高圧下で溶解した後、
溶液を徐々にバルブ(11及び12をあける)から排出し、
圧力を減少させて調べる。光の透過量が減少し始めた時
の温度、圧力が、減光開始温度(TIEと表示する)、減
光開始圧力(PIEと表示する。)であり、光の透過量が
0になった、すなわち、覗窓が暗視野になった時の温度
及び圧力が減光終了温度(TEE)及び減光終了圧力
(PEE)である。必要に応じて、液用増圧器(アルプス
高圧(株)製)10を用いて、ポリマー濃度の大きく変ら
ない範囲で溶媒のフロン−11を圧入して溶液を高圧化す
る。溶液の温度を変えることと、溶液の高圧化、低圧化
を繰り返すことによって、減光の開始する点と終了する
点を調べる。加熱時間等をオートクレーブを用いる棒糸
と同じにして、ポリマーの熱分解による分子量の差異を
なくすようにした。必要に応じて、相図に変化を与えな
い範囲で熱安定剤を添加した。オートクレーブは容積25
0cm3のものを用いた。減光開始温度・圧力は2液相化が
開始する温度・圧力であり、減光終了温度は2液相化が
完了する温度であると考えられる。
本発明者らは、種々の製造会社のi−ppに対して、フ
ロン−11溶液が、このような減光終了点(該温度と該圧
力の交点)がかなりの幅(溶液圧力でみれば、10〜40kg
/cm2)を持って存在することを見出した。光がレーザー
光(He−Neレーザー、波長6328Å)の時は、幅はタング
ステン光より狭くなるものの、幅を有する。この減光開
始点と終了点の間の光の透過光量は、温度、圧力が一定
値であれば、観測中の数分の間、変化は認められなかっ
た。温度または圧力を変化させると、瞬時に透過光量は
変化する。従って溶液の状態(相)の転移による透過的
現象とは考えにくい。分布を持つポリマーの分子量に対
応して減光開始点と終了点がずれて現われているとも考
えられるが、明らかでない。MFR(メルトフローレイ
ト)の異なるi−ppを用いて測定した濃度10wt%におけ
るLIEで表わす減光開始線とLEEで表わす終了線(減光開
始点を結んだ曲線を減光開始線と称する。終了線につい
ても同様である。)を第2図に示す。ポリマーのMFRの
広い範囲で減光開始点と終了点があり、本発明に使用さ
れるi−ppはすべてに観測されると考えてよい。本発明
の範囲から外れるPPワックス(数平均分子量で4000)程
度になると減光開始点と終了点の差はほとんどなくな
る。MFR0.7のi−ppを用いて測定した濃度9wt%、13wt
%及び15wt%における減光開始線と終了線を第3図、第
4図及び第5図に示す。
ロン−11溶液が、このような減光終了点(該温度と該圧
力の交点)がかなりの幅(溶液圧力でみれば、10〜40kg
/cm2)を持って存在することを見出した。光がレーザー
光(He−Neレーザー、波長6328Å)の時は、幅はタング
ステン光より狭くなるものの、幅を有する。この減光開
始点と終了点の間の光の透過光量は、温度、圧力が一定
値であれば、観測中の数分の間、変化は認められなかっ
た。温度または圧力を変化させると、瞬時に透過光量は
変化する。従って溶液の状態(相)の転移による透過的
現象とは考えにくい。分布を持つポリマーの分子量に対
応して減光開始点と終了点がずれて現われているとも考
えられるが、明らかでない。MFR(メルトフローレイ
ト)の異なるi−ppを用いて測定した濃度10wt%におけ
るLIEで表わす減光開始線とLEEで表わす終了線(減光開
始点を結んだ曲線を減光開始線と称する。終了線につい
ても同様である。)を第2図に示す。ポリマーのMFRの
広い範囲で減光開始点と終了点があり、本発明に使用さ
れるi−ppはすべてに観測されると考えてよい。本発明
の範囲から外れるPPワックス(数平均分子量で4000)程
度になると減光開始点と終了点の差はほとんどなくな
る。MFR0.7のi−ppを用いて測定した濃度9wt%、13wt
%及び15wt%における減光開始線と終了線を第3図、第
4図及び第5図に示す。
本発明者らは、高密度ポリエチレンのフロン−11溶液
系では、ある種のポリマーグレードを除いてほとんどの
ポリマーが減光開始点と終了点の差がないのに対して
(あったとしても溶液圧力で1〜4kg/cm2以内)、i−p
pのフロン−11溶液系では減光開始点と終了点が現われ
ることに着目して、繊維の加熱寸法安定化研究を進めた
結果、溶液の温度、圧力条件を適正な条件にするととも
に、ポリマーのMFRと濃度、押出し直前の溶液温度から
成る関係を特定な範囲にすることにより、繊維の分子配
向性を極めて高く、また長周期構造をより高度に形成さ
せ得ること、その結果、加熱寸法安定性の高い繊維が安
定に得られることが判明し、本発明の更に好ましい繊維
が製造できることを見出すに至った。
系では、ある種のポリマーグレードを除いてほとんどの
ポリマーが減光開始点と終了点の差がないのに対して
(あったとしても溶液圧力で1〜4kg/cm2以内)、i−p
pのフロン−11溶液系では減光開始点と終了点が現われ
ることに着目して、繊維の加熱寸法安定化研究を進めた
結果、溶液の温度、圧力条件を適正な条件にするととも
に、ポリマーのMFRと濃度、押出し直前の溶液温度から
成る関係を特定な範囲にすることにより、繊維の分子配
向性を極めて高く、また長周期構造をより高度に形成さ
せ得ること、その結果、加熱寸法安定性の高い繊維が安
定に得られることが判明し、本発明の更に好ましい繊維
が製造できることを見出すに至った。
まず、i−ppとフロン−11を蒸気圧以上の圧力がかか
るようにオートクレーブに仕込み、加熱して溶液を生成
する。該溶液を減圧室通過以前において減光開始点以上
の圧力条件にすることが、繊維の加熱寸法安定性と開繊
性を上げるのに重要である。
るようにオートクレーブに仕込み、加熱して溶液を生成
する。該溶液を減圧室通過以前において減光開始点以上
の圧力条件にすることが、繊維の加熱寸法安定性と開繊
性を上げるのに重要である。
特にスクリュー押出機を用いて、PP樹脂を溶融し溶媒
と混合して溶解させる連続紡糸装置を用いる方法におい
ては、溶液形成領域での溶液の滞留時間が短いこともあ
り、特に溶液の圧力を高めることが重要である。たとえ
ば溶液温度204〜215℃で、好ましい溶液圧力はPIE+50k
g/cm2G以上で、更に好ましい溶液圧力はPIE+120kg/cm2
G以上である。
と混合して溶解させる連続紡糸装置を用いる方法におい
ては、溶液形成領域での溶液の滞留時間が短いこともあ
り、特に溶液の圧力を高めることが重要である。たとえ
ば溶液温度204〜215℃で、好ましい溶液圧力はPIE+50k
g/cm2G以上で、更に好ましい溶液圧力はPIE+120kg/cm2
G以上である。
減圧室に溶液を導く以前において、溶液は減光開始線
以上にすることが重要であるが、減圧室に溶液を導く際
には(直前においては)溶液は減光終了線(第2図ある
いは第3図、第4図、第5図参照)以上であればよく、
必ずしも減光開始線以上の温度、圧力の条件にする必要
はない。
以上にすることが重要であるが、減圧室に溶液を導く際
には(直前においては)溶液は減光終了線(第2図ある
いは第3図、第4図、第5図参照)以上であればよく、
必ずしも減光開始線以上の温度、圧力の条件にする必要
はない。
溶液温度は、上述のように、減圧室導入以前において
減光開始線以上、減圧室導入直前では減光終了線以上で
あれば(溶液温度の絶対値では減光終了温度より低温側
の領域)、特に限定されないが、より高温では、ポリマ
ーの熱劣化、溶媒の熱分解が起り易く、ポリマーの劣化
が加速され、紡糸した繊維が黄変するので好ましくな
く、220℃未満が好ましい。
減光開始線以上、減圧室導入直前では減光終了線以上で
あれば(溶液温度の絶対値では減光終了温度より低温側
の領域)、特に限定されないが、より高温では、ポリマ
ーの熱劣化、溶媒の熱分解が起り易く、ポリマーの劣化
が加速され、紡糸した繊維が黄変するので好ましくな
く、220℃未満が好ましい。
次に溶液を減圧室に導く。減圧室は、高圧の溶液滞留
部との間にオリフィスを設けて作ることができる。減圧
室の数は1つに限定されない。
部との間にオリフィスを設けて作ることができる。減圧
室の数は1つに限定されない。
紡糸口金直前の減圧室では、 198≦TPF<220 PPF≦PEE 〔PPFは減圧室内の圧力〕 を満す条件にすることが、長周期散乱強度比及びマイク
ロ波複屈折を、特に長周期散乱強度比を高くするのに重
要である。即ち、減圧室内の条件、温度の圧力、特に圧
力を厳密にコントロールすることが極めて重要であるこ
とが分った。極端な場合、適正な圧力範囲は、一定温度
下で6kg/cm2以内であることもまれではない。減圧室内
の圧力(PPF)がPPF>PEE、即ち減光終了圧力より大き
い条件では、特に長周期散乱強度比は高くならない。そ
の結果、熱収縮率は高くなり、加熱伸長率も高くなる傾
向である。しかも紡糸された繊維はフィブリル化してい
ない粒子状物の発生が認められる繊維形態となり、伸度
は高いが強度の低い繊維となる。
ロ波複屈折を、特に長周期散乱強度比を高くするのに重
要である。即ち、減圧室内の条件、温度の圧力、特に圧
力を厳密にコントロールすることが極めて重要であるこ
とが分った。極端な場合、適正な圧力範囲は、一定温度
下で6kg/cm2以内であることもまれではない。減圧室内
の圧力(PPF)がPPF>PEE、即ち減光終了圧力より大き
い条件では、特に長周期散乱強度比は高くならない。そ
の結果、熱収縮率は高くなり、加熱伸長率も高くなる傾
向である。しかも紡糸された繊維はフィブリル化してい
ない粒子状物の発生が認められる繊維形態となり、伸度
は高いが強度の低い繊維となる。
好ましくは PPF≧PEE−30 かつ PPF≧43.6 である。PPF≦PEE−30、即ち減光終了圧力下30kg/cm2G
より低い圧力、及びPPF<43.6、即ちフロン−11の臨界
圧力43.6kg/cm2Gより低い圧力の条件では、フィブリル
の分断があり、マイクロ波複屈折は低くなり、加熱伸長
率は高くなる。長周期散乱強度比も低くなる傾向である
が、この繊維の場合、分子配向性の低さ、フィブリルの
分断が作用して、熱収縮率は高くならない。
より低い圧力、及びPPF<43.6、即ちフロン−11の臨界
圧力43.6kg/cm2Gより低い圧力の条件では、フィブリル
の分断があり、マイクロ波複屈折は低くなり、加熱伸長
率は高くなる。長周期散乱強度比も低くなる傾向である
が、この繊維の場合、分子配向性の低さ、フィブリルの
分断が作用して、熱収縮率は高くならない。
減圧室内の溶液の温度は198℃〜220℃にするのが好ま
しい。198℃未満では溶液の流動性が低く、フラッシュ
力も小さいので、紡糸口金から吐出した繊維の延伸性が
低下し、マイクロ波複屈折を高くしにくい。また、220
℃より高い温度では、フィブリル間の密着が起りやす
く、開繊しにくくなる。また紡糸口金から吐出した吐出
流の温度が高く、ポリマーが結晶化しにくいので、得ら
れた網状繊維の配向性が低下し、加熱伸長率が低くなら
ない。好ましくは204℃〜212℃である。
しい。198℃未満では溶液の流動性が低く、フラッシュ
力も小さいので、紡糸口金から吐出した繊維の延伸性が
低下し、マイクロ波複屈折を高くしにくい。また、220
℃より高い温度では、フィブリル間の密着が起りやす
く、開繊しにくくなる。また紡糸口金から吐出した吐出
流の温度が高く、ポリマーが結晶化しにくいので、得ら
れた網状繊維の配向性が低下し、加熱伸長率が低くなら
ない。好ましくは204℃〜212℃である。
減圧室の温度は、減圧室壁からの伝熱の影響を受けな
いように熱電対型の温度検出端をセットすることで、計
測することができる。その際に特に温度検出端を小さ
く、熱容量が小さくなるように設計することが重要であ
る。
いように熱電対型の温度検出端をセットすることで、計
測することができる。その際に特に温度検出端を小さ
く、熱容量が小さくなるように設計することが重要であ
る。
押出し直前のi−ppのMFRと濃度C、溶液温度TPFの関
係が、 を満すことがマイクロ波複屈折を高めるのに重要であ
る。好ましくは、上限が を満す条件にする。第6図に示すように、溶液は高粘性
領域に入る。しかも溶液温度は198〜220℃で比較的低
い。溶液がより高粘性であるためポリマー分子が配向し
やすく、マイクロ波複屈折の高い繊維が与えられると考
えられる。
係が、 を満すことがマイクロ波複屈折を高めるのに重要であ
る。好ましくは、上限が を満す条件にする。第6図に示すように、溶液は高粘性
領域に入る。しかも溶液温度は198〜220℃で比較的低
い。溶液がより高粘性であるためポリマー分子が配向し
やすく、マイクロ波複屈折の高い繊維が与えられると考
えられる。
の領域では、溶液の流動性が低過ぎてポリマーの分子配
向がかかりにくく、マイクロ波複屈折の高い繊維は得に
くい。また、ポリマーが溶解しにくく、形態の良い繊維
にしにくい。
向がかかりにくく、マイクロ波複屈折の高い繊維は得に
くい。また、ポリマーが溶解しにくく、形態の良い繊維
にしにくい。
押出し直前のポリマーのMFRは20以下にすることが好
ましい。この値が20を越えると、熱的な安定性が低い、
すなわち溶融し易い傾向となる。好ましくは、10以下で
ある。押出し直前のポリマーのMFRは、紡出した繊維のM
FRを用いた。MFRは、JIS K7210に従って、温度230℃、
荷重2.16kgにより東洋精機製作所製メルトインデクサー
で測定した。
ましい。この値が20を越えると、熱的な安定性が低い、
すなわち溶融し易い傾向となる。好ましくは、10以下で
ある。押出し直前のポリマーのMFRは、紡出した繊維のM
FRを用いた。MFRは、JIS K7210に従って、温度230℃、
荷重2.16kgにより東洋精機製作所製メルトインデクサー
で測定した。
溶液中のi−pp濃度は、7〜17wt%であればよい。7w
t%未満ではマイクロ波複屈折を適正値にしにくい。ポ
リマー濃度は高いほど好ましく、好ましくは9wt%以上
である。しかし、ポリマー濃度が高くなるに従い、繊維
の開繊性は低下する。17wt%より上では、ポリマーのMF
Rが20であっても、減圧室内溶液温度198℃以上220℃未
満での溶液の流動性を満足させにくい。また、微細なフ
ィブリルから成る高開繊の繊維を得にくい。
t%未満ではマイクロ波複屈折を適正値にしにくい。ポ
リマー濃度は高いほど好ましく、好ましくは9wt%以上
である。しかし、ポリマー濃度が高くなるに従い、繊維
の開繊性は低下する。17wt%より上では、ポリマーのMF
Rが20であっても、減圧室内溶液温度198℃以上220℃未
満での溶液の流動性を満足させにくい。また、微細なフ
ィブリルから成る高開繊の繊維を得にくい。
使用するi−ppは、約85wt%以上のi−ppを含有する
ものであり、約15wt%未満はi−pp以外のpp、あるい
は、エチレン、n−ブチレン、イソブチレン、酢酸ビニ
ル、メタクリル酸メチル等の重合体成分を含んでいても
よい。また、i−ppの特性を損わない範囲で、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、核剤、帯電防止剤、
着色剤等の添加剤を添加しても差しつかえない。
ものであり、約15wt%未満はi−pp以外のpp、あるい
は、エチレン、n−ブチレン、イソブチレン、酢酸ビニ
ル、メタクリル酸メチル等の重合体成分を含んでいても
よい。また、i−ppの特性を損わない範囲で、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、核剤、帯電防止剤、
着色剤等の添加剤を添加しても差しつかえない。
ポリマーの溶解、溶解押出はオートクレーブ等を用い
るバッチ方式だけでなく、スクリュー押出機等を用いる
連続方式でも実施できる。
るバッチ方式だけでなく、スクリュー押出機等を用いる
連続方式でも実施できる。
本発明の方法によって製造される繊維は、既に述べて
きたように、開繊剤量、好ましくはマイクロ波複屈折、
長周期散乱強度比について特定値を有しているが、他に
開繊度(遊離フィブリル数及び繊維幅)、X線回折によ
る配向角、100面からの回折ピークの半価幅、長周期、
見かけの密度、比表面積等について特定の値を有する。
以下それら特定の数値を説明する。ただし本発明のポリ
プロピレン三次元網状繊維がこれらの数値によって限定
されるものではない。
きたように、開繊剤量、好ましくはマイクロ波複屈折、
長周期散乱強度比について特定値を有しているが、他に
開繊度(遊離フィブリル数及び繊維幅)、X線回折によ
る配向角、100面からの回折ピークの半価幅、長周期、
見かけの密度、比表面積等について特定の値を有する。
以下それら特定の数値を説明する。ただし本発明のポリ
プロピレン三次元網状繊維がこれらの数値によって限定
されるものではない。
X線回折による配向角は約36゜以下であり、好ましく
は30゜以下である。X線回折による110面からの回折ピ
ークの半価幅は約2.6゜以下である。長周期は75Å以上1
40Å以下である。見かけの密度は、0.895g/cm3以上であ
り、多くは0.900g/cm3以上である。比表面積は約2m2/g
〜30m2/gである。
は30゜以下である。X線回折による110面からの回折ピ
ークの半価幅は約2.6゜以下である。長周期は75Å以上1
40Å以下である。見かけの密度は、0.895g/cm3以上であ
り、多くは0.900g/cm3以上である。比表面積は約2m2/g
〜30m2/gである。
以下実施例により本発明を詳述する。たヾし実施例に
より本発明が限定されるものではない。
より本発明が限定されるものではない。
実施例の説明に先立ち、既に説明したもの以外の各種
物性値の測定方法を一括して以下に説明する。
物性値の測定方法を一括して以下に説明する。
加熱伸長率は、熱機械分析装置TMA−40(島津製作所
(株)製)を用いて、昇温速度5℃/minで30℃〜170℃
の間で測定した。サンプルの繊度を測定し、デニール単
位をgf単位とし、その10%の引張荷重(約810gf/mm2の
荷重)をかけてチャック間2〜4mmで測定した。
(株)製)を用いて、昇温速度5℃/minで30℃〜170℃
の間で測定した。サンプルの繊度を測定し、デニール単
位をgf単位とし、その10%の引張荷重(約810gf/mm2の
荷重)をかけてチャック間2〜4mmで測定した。
マイクロ波複屈折はマイクロ波分子配向計MOA−2001A
(神崎製紙(株)製)を用いて、周波数4GHzで測定し
た。測定用の試料は、ホルダーに繊維を幅10mm、長さは
必要長さで75mm、実質厚さ約100μmになるように引き
そろえて作った。マイクロ波複屈折算出用に必要な実質
厚みは、繊維本数、繊度、密度から算出した。
(神崎製紙(株)製)を用いて、周波数4GHzで測定し
た。測定用の試料は、ホルダーに繊維を幅10mm、長さは
必要長さで75mm、実質厚さ約100μmになるように引き
そろえて作った。マイクロ波複屈折算出用に必要な実質
厚みは、繊維本数、繊度、密度から算出した。
X線小角散乱は、回転対陰極式強力X線発生装置ロー
タフレックスRU−200Aを用いた小角散乱装置に位置敏感
型比例計数管(PSPC)及びマルチチャンネルパルスアナ
ライザー(理学電機(株)製)を付加して用いて、CuK
α線で子午線方向の散乱強度を測定した。
タフレックスRU−200Aを用いた小角散乱装置に位置敏感
型比例計数管(PSPC)及びマルチチャンネルパルスアナ
ライザー(理学電機(株)製)を付加して用いて、CuK
α線で子午線方向の散乱強度を測定した。
管電圧は50kV、管電流は200mA、スリットは第1、第
2スリットとも0.2mm幅で3mm長さである。試料からPSPC
の距離は約1170mmである。
2スリットとも0.2mm幅で3mm長さである。試料からPSPC
の距離は約1170mmである。
長周期は、散乱強度曲線のピーク又はショルダーの位
置から求めた。(極大散乱強度を示す位置)長周期散乱
強度は長周期を示す散乱強度曲線と、長周期散乱をはさ
む曲線の共通接線との間の散乱強度から求め、それを曲
線のベースライン(回折角2θ=2.1〜2.4゜の位置)の
散乱強度で除して長周期散乱強度比とした。X線小角散
乱は、空気散乱の補正を行った。空気散乱の補正を行わ
ない場合は長周期散乱強度比が小さく求まるので注意を
要する。
置から求めた。(極大散乱強度を示す位置)長周期散乱
強度は長周期を示す散乱強度曲線と、長周期散乱をはさ
む曲線の共通接線との間の散乱強度から求め、それを曲
線のベースライン(回折角2θ=2.1〜2.4゜の位置)の
散乱強度で除して長周期散乱強度比とした。X線小角散
乱は、空気散乱の補正を行った。空気散乱の補正を行わ
ない場合は長周期散乱強度比が小さく求まるので注意を
要する。
動的粘弾性の測定は、自動動的粘弾性測定器RHEOVIBR
ON DDV−II−EA(東洋ボールドウィン(株)製)を用い
て、周波数110KHz、昇温速度2℃/分で測定した。
ON DDV−II−EA(東洋ボールドウィン(株)製)を用い
て、周波数110KHz、昇温速度2℃/分で測定した。
繊維の引張強度、伸度は、8回/cmの撚りを与えた試
料でインストロン型の引張試験機で引張速度200mm/分で
測定した。
料でインストロン型の引張試験機で引張速度200mm/分で
測定した。
X線回折による配向角は、結晶面110面からの回折角
(2θ=14.2〜14.8゜、θ=ブラッグ角)において、照
射X線と試料が垂直となる面内で試料を回転させて測定
した回折ピーク半価幅である。X線回折装置は、回転対
陰極形超強力X線装置(理学電機(株)製、RAD−γA
型CuKα線)を用いた。また、110面からの回折ピークの
半価幅は、該ピークが2θ=16.5〜16.8゜の回折ピーク
(040面からの回折ピーク)と高回折角側で重なるの
で、110面からの回折ピークから下した垂線と低回折角
側の回折線との間の半価幅を求め、この値を2倍にして
求めた。
(2θ=14.2〜14.8゜、θ=ブラッグ角)において、照
射X線と試料が垂直となる面内で試料を回転させて測定
した回折ピーク半価幅である。X線回折装置は、回転対
陰極形超強力X線装置(理学電機(株)製、RAD−γA
型CuKα線)を用いた。また、110面からの回折ピークの
半価幅は、該ピークが2θ=16.5〜16.8゜の回折ピーク
(040面からの回折ピーク)と高回折角側で重なるの
で、110面からの回折ピークから下した垂線と低回折角
側の回折線との間の半価幅を求め、この値を2倍にして
求めた。
マイクロ波複屈折、長周期散乱強度、熱機械分析、熱
収縮率、動的粘弾性、広角X線回折は、繊維を、繊維軸
と直角方向に広げたままでなく、繊維軸に収束させて測
定した。繊維の繊度及び長さの測定は、繊度(d)をgf
単位化し、その10%の引張荷重を繊維にかけて測定し
た。
収縮率、動的粘弾性、広角X線回折は、繊維を、繊維軸
と直角方向に広げたままでなく、繊維軸に収束させて測
定した。繊維の繊度及び長さの測定は、繊度(d)をgf
単位化し、その10%の引張荷重を繊維にかけて測定し
た。
見かけの密度は、トルエンとクロルベンゼンから成る
密度勾配管を用いて、25℃で測定した。
密度勾配管を用いて、25℃で測定した。
比表面積はアムコ(株)販売ソープティ1750を用いて
測定した。
測定した。
実施例1,2、比較例1,2 MFRが0.7のi−pp(チッソ(株)販売、チッソポリプ
ロK1011)67.1g、ヒドロキシ−ジ(ターシャリ−ブチル
安息香酸)アルミニウム(以後Al−PTBBAと略す)0.336
g(i−ppの0.50PHR)、フロン−11、543gを534cm3のオ
ートクレーブに仕込んで(ポリマー濃度11wt%)、プロ
ペラ型撹拌機を回転させながらオートクレーブを加熱
し、i−ppを溶解した。(約90℃で溶解開始) 溶液を更に加熱し、溶液圧力を上昇させ、250〜300kg
/cm2Gにした。既にこの時点でポリマーは溶解し終って
いた。300kg/cm2Gを越えないように(オートクレーブの
耐圧が300kg/cm2G)、オートクレーブ下部の放出ノズル
から溶液を排出し、圧力を一定に保った。所定の溶液温
度になった時点で(約50〜75分間の加熱)更に溶液量を
減少させ、加圧する所定圧力より約3〜5kg/cm2低い圧
力とした後再度溶液を所定温度として、撹拌機を停止し
て、オートクレーブ上部のバルブを開け、N2ガス導入に
よる所定圧力の加圧を行い、素早くオートクレーブ下部
の排出バルブを開け、溶液を減圧オリフィス(径0.65mm
φ、長さ5mm)を通して減圧室(径8mmφ、長さ80mm)に
導き、次に紡糸口金(減圧室からノズル孔への導入角度
60゜、ノズル孔径0.5mmφ、長さ0.5mm、ノズル孔を中心
として外側に3.0mmφ、深さ3.0mmφの円形の溝を有す
る。)を通過させ、紡糸口金から約20mm離れた位置で約
45゜傾けた銅板に当てた。開繊糸は開繊状態で10メッシ
ュの金網を受けた。
ロK1011)67.1g、ヒドロキシ−ジ(ターシャリ−ブチル
安息香酸)アルミニウム(以後Al−PTBBAと略す)0.336
g(i−ppの0.50PHR)、フロン−11、543gを534cm3のオ
ートクレーブに仕込んで(ポリマー濃度11wt%)、プロ
ペラ型撹拌機を回転させながらオートクレーブを加熱
し、i−ppを溶解した。(約90℃で溶解開始) 溶液を更に加熱し、溶液圧力を上昇させ、250〜300kg
/cm2Gにした。既にこの時点でポリマーは溶解し終って
いた。300kg/cm2Gを越えないように(オートクレーブの
耐圧が300kg/cm2G)、オートクレーブ下部の放出ノズル
から溶液を排出し、圧力を一定に保った。所定の溶液温
度になった時点で(約50〜75分間の加熱)更に溶液量を
減少させ、加圧する所定圧力より約3〜5kg/cm2低い圧
力とした後再度溶液を所定温度として、撹拌機を停止し
て、オートクレーブ上部のバルブを開け、N2ガス導入に
よる所定圧力の加圧を行い、素早くオートクレーブ下部
の排出バルブを開け、溶液を減圧オリフィス(径0.65mm
φ、長さ5mm)を通して減圧室(径8mmφ、長さ80mm)に
導き、次に紡糸口金(減圧室からノズル孔への導入角度
60゜、ノズル孔径0.5mmφ、長さ0.5mm、ノズル孔を中心
として外側に3.0mmφ、深さ3.0mmφの円形の溝を有す
る。)を通過させ、紡糸口金から約20mm離れた位置で約
45゜傾けた銅板に当てた。開繊糸は開繊状態で10メッシ
ュの金網を受けた。
減圧室には、オートクレーブで用いたのと同様の温
度、圧力検出端子が挿入されており、温度、圧力を計測
した。温度はチャートに記録された値を読みとった。減
圧室内の溶液温度は、オートクレーブから減圧室までの
導管(100mm以上)と減圧室の温度を加熱ヒータで調節
することにより、調節した。
度、圧力検出端子が挿入されており、温度、圧力を計測
した。温度はチャートに記録された値を読みとった。減
圧室内の溶液温度は、オートクレーブから減圧室までの
導管(100mm以上)と減圧室の温度を加熱ヒータで調節
することにより、調節した。
この実施例では、開繊糸のマイクロ波複屈折が0.07以
上、また、長周期散乱強度が5以上になるように紡糸条
件を調整した。即ち、減圧室導入以前において溶液の温
度・圧力は減光開始線以上、減圧室導入直前の溶液の温
度、圧力を減光終了線より上の215℃、118kg/cm2Gにし
た。一方、減圧室の条件として、温度215℃、圧力79kg/
cm2Gを用いた。この温度・圧力条件は、温度が198℃以
上220℃未満、圧力が減光終了点以下を満足させる範囲
内にある。
上、また、長周期散乱強度が5以上になるように紡糸条
件を調整した。即ち、減圧室導入以前において溶液の温
度・圧力は減光開始線以上、減圧室導入直前の溶液の温
度、圧力を減光終了線より上の215℃、118kg/cm2Gにし
た。一方、減圧室の条件として、温度215℃、圧力79kg/
cm2Gを用いた。この温度・圧力条件は、温度が198℃以
上220℃未満、圧力が減光終了点以下を満足させる範囲
内にある。
その結果、マイクロ波複屈折は0.091で、添加剤をAl
の定量分析(溶融法による前処理後溶液化し、後、プラ
ズマ発光分析)から求めた含有量から0.41wt%含む、自
由フィブリル数311本、繊維幅26mmの68dの三次元網状の
開繊糸を得た。繊維のMFRは7.5であった。減圧室内温
度、MFR/Cの関係を第6図にプロットした。X線小角散
乱から求めた長周期散乱強度は11であった。この繊維の
加熱伸長率は100℃で5.2%、130℃で9.2%、熱収縮率
(145℃×20分間処理)は3.3%であった。また、X線回
折による配向角は24.4゜、110面からの回折ピークの半
価値は1.94゜、見かけの密度は0.900g/cm3であった(実
施例1)。
の定量分析(溶融法による前処理後溶液化し、後、プラ
ズマ発光分析)から求めた含有量から0.41wt%含む、自
由フィブリル数311本、繊維幅26mmの68dの三次元網状の
開繊糸を得た。繊維のMFRは7.5であった。減圧室内温
度、MFR/Cの関係を第6図にプロットした。X線小角散
乱から求めた長周期散乱強度は11であった。この繊維の
加熱伸長率は100℃で5.2%、130℃で9.2%、熱収縮率
(145℃×20分間処理)は3.3%であった。また、X線回
折による配向角は24.4゜、110面からの回折ピークの半
価値は1.94゜、見かけの密度は0.900g/cm3であった(実
施例1)。
紡糸に先立って、この系の相図を調べた。Al−PTBBA
を添加しない場合と比べて、減光終了線は約7kg/cm2高
圧側に移動したが、大きな差異ではなかった。また透過
光量が極端に低下したので、Al−PTBBAが溶解しきって
いないと思われる。次にAl−PTBBAを1.68g(i−ppの2.
5PHR)にして同様の紡糸を行った。減圧室温度、圧力は
215℃、81kg/cm2Gであった。その結果良好な形態を有す
る三次元に網状構造をした開繊糸が得られた。Alの定量
分析から、Al−PTBBAの含有量は1.83wt%であった。マ
イクロ波複屈折は0.096で、長周期散乱強度比は6であ
った。自由フィブリル数は507本、繊維幅は29mmであっ
た(繊度は64d)。この繊維の加熱伸長率は100℃で3.9
%、130℃で6.1%、熱収縮率は5.7%で、動的弾性率5.0
×109dyne/cm2を保持する最高温度は100℃であった(実
施例2)。
を添加しない場合と比べて、減光終了線は約7kg/cm2高
圧側に移動したが、大きな差異ではなかった。また透過
光量が極端に低下したので、Al−PTBBAが溶解しきって
いないと思われる。次にAl−PTBBAを1.68g(i−ppの2.
5PHR)にして同様の紡糸を行った。減圧室温度、圧力は
215℃、81kg/cm2Gであった。その結果良好な形態を有す
る三次元に網状構造をした開繊糸が得られた。Alの定量
分析から、Al−PTBBAの含有量は1.83wt%であった。マ
イクロ波複屈折は0.096で、長周期散乱強度比は6であ
った。自由フィブリル数は507本、繊維幅は29mmであっ
た(繊度は64d)。この繊維の加熱伸長率は100℃で3.9
%、130℃で6.1%、熱収縮率は5.7%で、動的弾性率5.0
×109dyne/cm2を保持する最高温度は100℃であった(実
施例2)。
次に、ポリマー濃度が高いと繊維の縦(繊維軸方向)
裂けが発生しにくいので、ポリマー濃度を13wt%にアッ
プし(i−pp79.3g、R−11,531g)、Al−PTBBAをi−p
pの18PHR(14.3g)添加する系で同様の紡糸を行った。
減圧室温度、圧力条件は215℃、83kg/cm2Gであった。そ
の結果、実施例1,2に比べてポリマー濃度が高いにもか
かわらず繊維軸方向に裂けの多い開繊糸となった(比較
例1)。
裂けが発生しにくいので、ポリマー濃度を13wt%にアッ
プし(i−pp79.3g、R−11,531g)、Al−PTBBAをi−p
pの18PHR(14.3g)添加する系で同様の紡糸を行った。
減圧室温度、圧力条件は215℃、83kg/cm2Gであった。そ
の結果、実施例1,2に比べてポリマー濃度が高いにもか
かわらず繊維軸方向に裂けの多い開繊糸となった(比較
例1)。
また、Al−PTBBAを添加せずに実施例1,2と同じ条件で
紡糸、開繊操作した。得られた繊維のマイクロ波複屈折
は0.100で、長周期散乱強度比は4.7であり、加熱伸長率
は100℃で4.6%、130℃で7.1%、熱収縮率は、4.2%と
比較的良好な特性を示したが、自由フィブリル数は132
本/54dで少なく、裂けの発生が多く、穴あきの多い開繊
性の低い繊維であった(比較例2)。
紡糸、開繊操作した。得られた繊維のマイクロ波複屈折
は0.100で、長周期散乱強度比は4.7であり、加熱伸長率
は100℃で4.6%、130℃で7.1%、熱収縮率は、4.2%と
比較的良好な特性を示したが、自由フィブリル数は132
本/54dで少なく、裂けの発生が多く、穴あきの多い開繊
性の低い繊維であった(比較例2)。
実施例3 MFRが0.7のi−pp(チッソポリプロK1011)を用い
て、添加剤1,3,2,4−ジパラメチル−ジベンジリデンソ
ルビトール(新日本理化(株)製ゲルオールMD)(以後
PMDBSと略す)をi−ppの1.0PHR含むi−pp10wt%のト
リクロルフルオルメタン溶液を第1図に示す覗窓付きの
オートクレーブ中で作り、相図を調べた。その結果、PM
DBSを添加しない系に比べて、減光開始線で15〜25kg/cm
2、減光終了線は10〜20kg/cm2低温、高圧側に移動し
た。
て、添加剤1,3,2,4−ジパラメチル−ジベンジリデンソ
ルビトール(新日本理化(株)製ゲルオールMD)(以後
PMDBSと略す)をi−ppの1.0PHR含むi−pp10wt%のト
リクロルフルオルメタン溶液を第1図に示す覗窓付きの
オートクレーブ中で作り、相図を調べた。その結果、PM
DBSを添加しない系に比べて、減光開始線で15〜25kg/cm
2、減光終了線は10〜20kg/cm2低温、高圧側に移動し
た。
相図の知見を元に、同じ組成のi−pp61.0g、PMDBS0.
610g、トリクロルフルオルメタン549gを実施例1と同じ
装置を用いてフラッシュ紡糸、開繊操作をした。減圧室
導入直前の溶液温度・圧力は、それぞれ213℃、115kg/c
m2Gであった。減圧室の温度、圧力は、それぞれ213℃、
78kg/cm2Gであった。
610g、トリクロルフルオルメタン549gを実施例1と同じ
装置を用いてフラッシュ紡糸、開繊操作をした。減圧室
導入直前の溶液温度・圧力は、それぞれ213℃、115kg/c
m2Gであった。減圧室の温度、圧力は、それぞれ213℃、
78kg/cm2Gであった。
その結果、形態の良い開繊糸が得られた。その開繊糸
のマイクロ波複屈折は0.103であった。X線小角散乱か
ら求めた長周期散乱強度は6であった。繊度67dで繊維
幅は32mm、自由フィブリル数は391本であった。加熱伸
長率は100℃で4.1%、130℃で6.7%で、熱収縮率は4.5
%であった。また動的弾性率E=5.0×109dyne/cm2を保
持する最高温度は116℃、X線回折による配向角は21.2
゜、110面からの回折ピークの半価幅は1.94゜、長周期
は115Å、みかけの密度は0.903g/cm3、比表面積は5.6m2
/g、MFRは5.7であった。減圧室内温度とMFR/Cの関係を
第6図にプロットした。
のマイクロ波複屈折は0.103であった。X線小角散乱か
ら求めた長周期散乱強度は6であった。繊度67dで繊維
幅は32mm、自由フィブリル数は391本であった。加熱伸
長率は100℃で4.1%、130℃で6.7%で、熱収縮率は4.5
%であった。また動的弾性率E=5.0×109dyne/cm2を保
持する最高温度は116℃、X線回折による配向角は21.2
゜、110面からの回折ピークの半価幅は1.94゜、長周期
は115Å、みかけの密度は0.903g/cm3、比表面積は5.6m2
/g、MFRは5.7であった。減圧室内温度とMFR/Cの関係を
第6図にプロットした。
実施例4,5 MFR0.7のi−pp(チッソポリプロK1011)、添加剤、
フロン−11の系で(添加剤はポリマーの0.5PHR添加)実
施例1,2と同じ装置でフラッシュ紡糸、開繊操作をし
た。
フロン−11の系で(添加剤はポリマーの0.5PHR添加)実
施例1,2と同じ装置でフラッシュ紡糸、開繊操作をし
た。
添加剤として、滑剤のステアリン酸アマイド(日本油
脂(株)製アルフロ−S−10)(実施例4)及び結晶性
ポリマーのポリカプラミド(旭化成工業(株)製。濃度
1g/100ccの96%硫酸溶液で25℃で測定した相対粘度が2.
5のもの)(実施例5)を用いた。紡糸条件、開繊糸物
性を第1表に示す。第1表に示すように、添加剤含有
の、マイクロ波複屈折と長周期散乱強度を満足した開繊
糸が得られ、その結果、その開繊糸の開繊性、加熱寸法
安定性は優れていた。添加剤の含有量は、赤外線吸収ス
ペクトル分析により求めた。実施例5の場合の減圧室の
温度と圧力を第3図中にプロットした。
脂(株)製アルフロ−S−10)(実施例4)及び結晶性
ポリマーのポリカプラミド(旭化成工業(株)製。濃度
1g/100ccの96%硫酸溶液で25℃で測定した相対粘度が2.
5のもの)(実施例5)を用いた。紡糸条件、開繊糸物
性を第1表に示す。第1表に示すように、添加剤含有
の、マイクロ波複屈折と長周期散乱強度を満足した開繊
糸が得られ、その結果、その開繊糸の開繊性、加熱寸法
安定性は優れていた。添加剤の含有量は、赤外線吸収ス
ペクトル分析により求めた。実施例5の場合の減圧室の
温度と圧力を第3図中にプロットした。
実施例6 スクリュー押出機、溶媒導入管部、混合管部、減圧
室、紡糸口金が連続しているポリマー溶液調整、紡出装
置を用いて、添加剤Al−PTBBA0.5PHRを含むMFR2.2のi
−ppチップをスクリュー押出機にかけ、溶融押出しし、
一方R−11を高圧定量ポンプで溶媒導入管部に導入、混
合管部で均一溶液にした。この溶液を減圧室、紡糸口金
を通して吐出させ、紡糸口金から約20mm離れた位置で、
約45゜傾けた銅板に当て、開繊した三次元網状繊維を得
た。
室、紡糸口金が連続しているポリマー溶液調整、紡出装
置を用いて、添加剤Al−PTBBA0.5PHRを含むMFR2.2のi
−ppチップをスクリュー押出機にかけ、溶融押出しし、
一方R−11を高圧定量ポンプで溶媒導入管部に導入、混
合管部で均一溶液にした。この溶液を減圧室、紡糸口金
を通して吐出させ、紡糸口金から約20mm離れた位置で、
約45゜傾けた銅板に当て、開繊した三次元網状繊維を得
た。
減圧室の減圧オリフィスは、0.5mmφ、長さ5mm、減圧
室の容量は3cm3のものを用いた。紡糸口金は、減圧室か
らノズル孔への導入角度60゜、ノズル孔径0.7mmφ、長
さ0.7mmであり、外側にノズル孔を中心として4.3mmφ、
深さ3.6mmの円形の溝を有する。溶液押出量は1460g/
分、ポリマー濃度は10.4wt%、溶液温度、圧力は混合部
で210℃、263kg/cm2G、減圧室で206℃、60kg/cm2Gであ
った。
室の容量は3cm3のものを用いた。紡糸口金は、減圧室か
らノズル孔への導入角度60゜、ノズル孔径0.7mmφ、長
さ0.7mmであり、外側にノズル孔を中心として4.3mmφ、
深さ3.6mmの円形の溝を有する。溶液押出量は1460g/
分、ポリマー濃度は10.4wt%、溶液温度、圧力は混合部
で210℃、263kg/cm2G、減圧室で206℃、60kg/cm2Gであ
った。
得られた開繊糸のマイクロ波複屈折は0.102であり、
長周期散乱強度は14であった。またAlの定量分析(プラ
ズマ発光分析)からAl−PTBBAは0.42wt%含まれている
ことが分った。MFRは5.6であった。減圧室内温度とMFR/
Cの関係を第6図にプロットした。開繊幅は50mm/156dで
あった。加熱伸長率は100℃で2.5%、130℃で4.2%、熱
収縮率は3.8%であった。動的弾性率5.0×109dyne/cm2
を保持する最高温度は121℃であった。強伸度は強度3.9
g/d、伸度87%であった。
長周期散乱強度は14であった。またAlの定量分析(プラ
ズマ発光分析)からAl−PTBBAは0.42wt%含まれている
ことが分った。MFRは5.6であった。減圧室内温度とMFR/
Cの関係を第6図にプロットした。開繊幅は50mm/156dで
あった。加熱伸長率は100℃で2.5%、130℃で4.2%、熱
収縮率は3.8%であった。動的弾性率5.0×109dyne/cm2
を保持する最高温度は121℃であった。強伸度は強度3.9
g/d、伸度87%であった。
実施例7 スクリュー押出機、溶媒導入管部、混合管部、減圧
室、紡糸口金が連続しているポリマー溶液調整・紡出装
置を用いて、添加剤1,3,2,4−ジパラメチル−ジベンジ
リデンソルビトール(新日本理化(株)製ゲルオールM
D)0.5PHRを含むMFR4.9のi−ppチップ(チッソポリプ
ロK1014から調整)をスクリュー押出機にかけ、溶融押
出し、一方フロン−11を高圧定量ポンプで溶媒導入管部
に導入、混合管部で均一溶液にした。この溶液を減圧
室、紡糸口金を通して吐出させ、紡糸口金から約20mm離
れた位置で、USP3,456,156号公報に示されている回転分
散板と同種の、3つの畝を持った回転分散板(回転数15
00回転/min)に当て、開繊した三次元網状繊維を得た。
室、紡糸口金が連続しているポリマー溶液調整・紡出装
置を用いて、添加剤1,3,2,4−ジパラメチル−ジベンジ
リデンソルビトール(新日本理化(株)製ゲルオールM
D)0.5PHRを含むMFR4.9のi−ppチップ(チッソポリプ
ロK1014から調整)をスクリュー押出機にかけ、溶融押
出し、一方フロン−11を高圧定量ポンプで溶媒導入管部
に導入、混合管部で均一溶液にした。この溶液を減圧
室、紡糸口金を通して吐出させ、紡糸口金から約20mm離
れた位置で、USP3,456,156号公報に示されている回転分
散板と同種の、3つの畝を持った回転分散板(回転数15
00回転/min)に当て、開繊した三次元網状繊維を得た。
減圧室の減圧オリフィスは、0.5mmφ、長さ5mm、減圧
室の容量は約3cm3のものを用いた。紡糸口金は、減圧室
からノズル孔への導入角度60゜、ノズル孔径0.7mmφ、
長さ0.7mmであり、外側にノズル孔を中心として4.3mm
φ、深さ3.6mmの円形の溝を有する。溶液押出量は1440g
/分、ポリマー濃度は10.0wt%、溶液温度、圧力は混合
部で221℃、226kg/cm2G、減圧室で204℃、68kg/cm2Gで
あった。
室の容量は約3cm3のものを用いた。紡糸口金は、減圧室
からノズル孔への導入角度60゜、ノズル孔径0.7mmφ、
長さ0.7mmであり、外側にノズル孔を中心として4.3mm
φ、深さ3.6mmの円形の溝を有する。溶液押出量は1440g
/分、ポリマー濃度は10.0wt%、溶液温度、圧力は混合
部で221℃、226kg/cm2G、減圧室で204℃、68kg/cm2Gで
あった。
開繊三次元網状繊維は繊度211d、マイクロ波複屈折0.
086、MFR11.6で、加熱伸長率は100℃で4.3%、130℃で
7.5%であった。
086、MFR11.6で、加熱伸長率は100℃で4.3%、130℃で
7.5%であった。
減圧室内温度とMFR/Cの値を第6図にプロットした。
本発明のPP三次元網状繊維は開繊性に優れているの
で、用途の広い綿状物が得られ、更に厚みの均一性の高
い、かつ厚みの薄い不織布の製造が可能となる。又加熱
雰囲気での寸法安定性が高い。即ち加熱伸長率及び熱収
縮率が低い。従って、開繊糸積層ウェブの熱接合等の熱
処理が変形が少ない状態で可能である。更に繊維の強度
が高いので、高強度の不織布となる。
で、用途の広い綿状物が得られ、更に厚みの均一性の高
い、かつ厚みの薄い不織布の製造が可能となる。又加熱
雰囲気での寸法安定性が高い。即ち加熱伸長率及び熱収
縮率が低い。従って、開繊糸積層ウェブの熱接合等の熱
処理が変形が少ない状態で可能である。更に繊維の強度
が高いので、高強度の不織布となる。
本発明の製造方法により上記のような高開繊の、更に
は、加熱雰囲気での寸法安定性の高い三次元網状PP繊維
が得られる。
は、加熱雰囲気での寸法安定性の高い三次元網状PP繊維
が得られる。
第1図は繊維の原料ポリマーの減光終了温度とその圧
力、減光開始温度とその圧力を測定するための装置の略
図である。 第2図は、製造会社とMFRの異なるアイソタクチックポ
リプロピレンとトリクロルフルオルメタン溶媒系で測定
した減光開始線及び減光終了線を示すグラフである。 第3図、第4図及び第5図は、ポリマー濃度を変えた場
合での減光開始線、減光終了線および減圧室内溶液の温
度および圧力の適正範囲を示したグラフであり、第3図
はポリマー濃度が9wt%、第4図は13wt%、第5図は15w
t%の場合をそれぞれ示す。 第6図は、押出し直前の(減圧室)溶液温度と押出し直
前のポリマーのMFRと濃度Cとの比MFR/Cとの関係につい
て本発明による適正範囲及び従来技術の範囲を示したグ
ラフである。実施例の条件(番号で示す)が示されてい
る。 1……覗窓付きオートクレーブ、 2……締め付けボルト、3……撹拌機、 4……バルブ、5……温度検出用端子、 6……ダイヤフラム式圧力検出端子、 7……覗窓、8……光源、 9……受光器、10……液用増圧器、 11〜13……バルブ。
力、減光開始温度とその圧力を測定するための装置の略
図である。 第2図は、製造会社とMFRの異なるアイソタクチックポ
リプロピレンとトリクロルフルオルメタン溶媒系で測定
した減光開始線及び減光終了線を示すグラフである。 第3図、第4図及び第5図は、ポリマー濃度を変えた場
合での減光開始線、減光終了線および減圧室内溶液の温
度および圧力の適正範囲を示したグラフであり、第3図
はポリマー濃度が9wt%、第4図は13wt%、第5図は15w
t%の場合をそれぞれ示す。 第6図は、押出し直前の(減圧室)溶液温度と押出し直
前のポリマーのMFRと濃度Cとの比MFR/Cとの関係につい
て本発明による適正範囲及び従来技術の範囲を示したグ
ラフである。実施例の条件(番号で示す)が示されてい
る。 1……覗窓付きオートクレーブ、 2……締め付けボルト、3……撹拌機、 4……バルブ、5……温度検出用端子、 6……ダイヤフラム式圧力検出端子、 7……覗窓、8……光源、 9……受光器、10……液用増圧器、 11〜13……バルブ。
Claims (8)
- 【請求項1】フィブリル化されたポリプロピレンの三次
元網状繊維において、該三次元網状繊維が0.1〜10wt%
の開繊剤を含むことを特徴とする三次元網状繊維。 - 【請求項2】開繊剤が結晶核剤、滑剤または基材樹脂以
外の結晶性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の
三次元網状繊維。 - 【請求項3】三次元網状繊維のマイクロ波複屈折が0.07
以上であることを特徴とする請求項1または2記載の三
次元網状繊維。 - 【請求項4】三次元網状繊維のマイクロ波複屈折が0.10
以上であることを特徴とする請求項3記載の三次元網状
繊維。 - 【請求項5】三次元網状繊維の長周期散乱強度比が5以
上であることを特徴とする請求項3または4記載の三次
元網状繊維。 - 【請求項6】三次元網状繊維の長周期散乱強度比が15以
上であることを特徴とする請求項5記載のフィブリル化
されたポリプロピレンの三次元網状繊維。 - 【請求項7】アイソタクチックポリプロピレン、トリク
ロルフルオルメタン及びアイソタクチックポリプロピレ
ンの0.1〜11PHRの開繊剤から成る高圧の均一溶液を減圧
室、紡糸口金を通して低温低圧域に放出して、フィブリ
ル化されたポリプロピレンの三次元網状繊維を製造する
方法において、減圧室を通過する前の溶液の圧力が減光
開始圧力以上であり、減圧室内の温度が198℃以上220℃
未満であり、減圧室内の圧力が減光終了圧力以下であ
り、押出し直前のアイソタクチックポリプロピレンの溶
融流速(MFR)が 〔TPFは℃で表わした減圧室の溶液温度、Cは重量%で
表わしたポリプロピレンの濃度である〕を満すことを特
徴とするポリプロピレン三次元網状繊維の製造方法。 - 【請求項8】開繊剤が結晶核剤、滑剤または基材樹脂以
外の結晶性樹脂であることを特徴とする請求項7記載の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63000684A JP2617961B2 (ja) | 1987-06-26 | 1988-01-07 | ポリプロピレン高開繊網状繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15777387 | 1987-06-26 | ||
JP19997887 | 1987-08-12 | ||
JP62-157773 | 1987-08-12 | ||
JP62-199978 | 1987-08-12 | ||
JP63000684A JP2617961B2 (ja) | 1987-06-26 | 1988-01-07 | ポリプロピレン高開繊網状繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01132819A JPH01132819A (ja) | 1989-05-25 |
JP2617961B2 true JP2617961B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=26485107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63000684A Expired - Lifetime JP2617961B2 (ja) | 1987-06-26 | 1988-01-07 | ポリプロピレン高開繊網状繊維及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2617961B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994024347A1 (en) * | 1993-04-08 | 1994-10-27 | Unitika Ltd | Fiber with network structure, nonwoven fabric constituted thereof, and process for producing the fiber and the fabric |
US5786284A (en) * | 1993-04-08 | 1998-07-28 | Unitika, Ltd. | Filament having plexifilamentary structure, nonwoven fabric comprising said filament and their production |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3756441A (en) * | 1972-08-14 | 1973-09-04 | Du Pont | Flash spinning process |
CH599986A5 (ja) * | 1974-01-18 | 1978-06-15 | Solvay |
-
1988
- 1988-01-07 JP JP63000684A patent/JP2617961B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01132819A (ja) | 1989-05-25 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |