JP2617230B2 - 絹織物用精練助剤および絹織物の精練方法 - Google Patents
絹織物用精練助剤および絹織物の精練方法Info
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- JP2617230B2 JP2617230B2 JP1236478A JP23647889A JP2617230B2 JP 2617230 B2 JP2617230 B2 JP 2617230B2 JP 1236478 A JP1236478 A JP 1236478A JP 23647889 A JP23647889 A JP 23647889A JP 2617230 B2 JP2617230 B2 JP 2617230B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は絹織物用精練助剤および絹織物の精練方法に
関するものである。詳しくは、ショ糖脂肪酸エステルを
含有する絹織物用精練助剤および該助剤を用いて絹織物
を精練することにより、光沢のある白度及び風合いに優
れた白生地が得られ、かつ該白生地を染色した際の精練
残滓や精練ムラ等による染めむらが改良される絹織物の
精製方法に関するものである。
関するものである。詳しくは、ショ糖脂肪酸エステルを
含有する絹織物用精練助剤および該助剤を用いて絹織物
を精練することにより、光沢のある白度及び風合いに優
れた白生地が得られ、かつ該白生地を染色した際の精練
残滓や精練ムラ等による染めむらが改良される絹織物の
精製方法に関するものである。
(従来の技術) まゆから製糸の工程を経て作られる生糸は、75%前後
のフィブロインと、その上を包んでいる25%前後のセリ
シンおよび微量のロウ質、脂肪酸、色素、灰分とからな
る組成を有しており、セリシンおよび他の不純物を除去
することにより、はじめて絹という優れた光沢のある白
度と風合いをもつ繊維となる。
のフィブロインと、その上を包んでいる25%前後のセリ
シンおよび微量のロウ質、脂肪酸、色素、灰分とからな
る組成を有しており、セリシンおよび他の不純物を除去
することにより、はじめて絹という優れた光沢のある白
度と風合いをもつ繊維となる。
従って、絹織物は未精練の生糸から布を製織し、その
後、糊抜き、粗練り、本練り、漂白および仕上練り工程
からなる精練処理を経て白生地として製品化される。
後、糊抜き、粗練り、本練り、漂白および仕上練り工程
からなる精練処理を経て白生地として製品化される。
上記粗練り、本練り工程では、生糸を石けんやアルカ
リ成分を含む精練液で処理することによってセリシンを
溶解除去し、仕上練り工程において該粗練り、本練り工
程で付着した石けん、アルカリ成分を、高級アルコール
洗剤又は非イオン活性剤を用いて除去することにより、
絹繊維特有の光沢のある白度と風合いを発現させてい
る。
リ成分を含む精練液で処理することによってセリシンを
溶解除去し、仕上練り工程において該粗練り、本練り工
程で付着した石けん、アルカリ成分を、高級アルコール
洗剤又は非イオン活性剤を用いて除去することにより、
絹繊維特有の光沢のある白度と風合いを発現させてい
る。
ところで、絹織物はその使用にあたって光、風雨、汗
等の作用を受けると変退色する(染色物がこれらの作用
にあった時のその色の耐久力の程度を「染色堅ろう度」
という)。そのため、昔の消費者は洗い張りや染め直し
を行うなど、絹織物の取扱い方法を十分にこころえてい
た。
等の作用を受けると変退色する(染色物がこれらの作用
にあった時のその色の耐久力の程度を「染色堅ろう度」
という)。そのため、昔の消費者は洗い張りや染め直し
を行うなど、絹織物の取扱い方法を十分にこころえてい
た。
しかしながら、最近の消費者、特に若い消費者はこの
ような伝承的生活技術の知識をそなえておらず、染色堅
ろう度の高い絹織物が求められて来ていた。
ような伝承的生活技術の知識をそなえておらず、染色堅
ろう度の高い絹織物が求められて来ていた。
このような背景から、従来、白生地を染色する際に用
いる酸性染料としては、溶解性と均染性は良いが染色堅
ろう度は低いレベリング染料が用いられていたが、近
年、溶解性と均染性は良くないが染色堅ろう度の高いミ
リング染料、超ミリング染料および2:1型金属錯塩染料
等が用いられるようになった。
いる酸性染料としては、溶解性と均染性は良いが染色堅
ろう度は低いレベリング染料が用いられていたが、近
年、溶解性と均染性は良くないが染色堅ろう度の高いミ
リング染料、超ミリング染料および2:1型金属錯塩染料
等が用いられるようになった。
(発明が解決しようとする課題) 上記のミリング染料等は染色堅ろう度が高い反面、溶
解性と均染性が低い。そのため、精練処理後の絹繊維上
に、精練処理で用いた石けん、高級アルコール洗剤、又
は、セリシンを含まれていたカルシウム等の金属が再付
着して残留すると、該染料の均染性が更に悪くなり、染
色の際の染むらの原因となることが多かった。
解性と均染性が低い。そのため、精練処理後の絹繊維上
に、精練処理で用いた石けん、高級アルコール洗剤、又
は、セリシンを含まれていたカルシウム等の金属が再付
着して残留すると、該染料の均染性が更に悪くなり、染
色の際の染むらの原因となることが多かった。
本発明は、従来の方法と同等の光沢のある白度、風合
いに優れた白生地を得ることができ、更には、該白生地
を溶解性及び均染性が低いミリング染料を用いて染色し
た際の染めむらを改良することができる絹織物用精練助
剤、ならびに該精練助剤を用いる絹織物の精練方法の提
供を目的とするものである。
いに優れた白生地を得ることができ、更には、該白生地
を溶解性及び均染性が低いミリング染料を用いて染色し
た際の染めむらを改良することができる絹織物用精練助
剤、ならびに該精練助剤を用いる絹織物の精練方法の提
供を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) すなわち、本発明は、ショ糖脂肪酸エステルを主剤と
する絹織物用精練助剤であって、ショ糖とエステルを構
成する脂肪酸中の炭素数8〜14の飽和脂肪酸の割合が全
脂肪酸の70重量%以上であり、かつショ糖に対する平均
置換度が3以下であることを特徴とする絹織物用の仕上
練り工程用精練助剤、及び、該ショ糖脂肪酸エステルと
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとを主剤
とする絹織物用の仕上練り工程精練助剤、ならびに、水
媒体中で絹織物を精練する際に、仕上練り工程において
該水媒体中に該絹織物用の仕上練り工程用精練助剤を0.
01〜0.5重量%存在させることを特徴とする絹織物の精
練方法を要旨とするものである。
する絹織物用精練助剤であって、ショ糖とエステルを構
成する脂肪酸中の炭素数8〜14の飽和脂肪酸の割合が全
脂肪酸の70重量%以上であり、かつショ糖に対する平均
置換度が3以下であることを特徴とする絹織物用の仕上
練り工程用精練助剤、及び、該ショ糖脂肪酸エステルと
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとを主剤
とする絹織物用の仕上練り工程精練助剤、ならびに、水
媒体中で絹織物を精練する際に、仕上練り工程において
該水媒体中に該絹織物用の仕上練り工程用精練助剤を0.
01〜0.5重量%存在させることを特徴とする絹織物の精
練方法を要旨とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ
糖とエステルを構成する脂肪酸中の炭素数8〜14の飽和
脂肪酸の割合が70重量%以上であり、かつショ糖に対す
る平均置換度が3以下、好ましくは2以下、特に好まし
くは1.5以下のものが挙げられる。
糖とエステルを構成する脂肪酸中の炭素数8〜14の飽和
脂肪酸の割合が70重量%以上であり、かつショ糖に対す
る平均置換度が3以下、好ましくは2以下、特に好まし
くは1.5以下のものが挙げられる。
ここで平均置換度とは、ショ糖脂肪酸エステルを構成
するショ糖一分子にエステル化された脂肪酸の平均結合
数をいう。
するショ糖一分子にエステル化された脂肪酸の平均結合
数をいう。
ショ糖脂肪酸エステルの平均置換度が3より大きい
と、親水性に乏しくなり本発明の効果が期待できない。
と、親水性に乏しくなり本発明の効果が期待できない。
構成脂肪酸としては、炭素数8〜14の飽和脂肪酸が挙
げられるが、特にC12のラウリル酸が好ましく用いられ
る。これら脂肪酸は単品として用いてもよいが、むしろ
商業的にはC8・C10・C12の混合物、C8・C10・C12・C14
の混合物、C10・C12・C14の混合物等が入手しやすいの
でそのまま使用することができる。
げられるが、特にC12のラウリル酸が好ましく用いられ
る。これら脂肪酸は単品として用いてもよいが、むしろ
商業的にはC8・C10・C12の混合物、C8・C10・C12・C14
の混合物、C10・C12・C14の混合物等が入手しやすいの
でそのまま使用することができる。
また、全構成脂肪酸に対する炭素数8〜14の飽和脂肪
酸の割合が、70重量%未満では、本発明の効果が期待で
きない。
酸の割合が、70重量%未満では、本発明の効果が期待で
きない。
本発明では、精練処理のなかの仕上練り工程における
精練浴に本発明の絹織物用精練助剤を0.01〜0.5重量
%、好ましくは0.01〜0.1重量%存在させる。0.01重量
%より少量では本発明の染むら防止効果が期待できず、
一方、0.5重量%より多いと効果が頭打ちとなり、又、
風合いも悪くなる。
精練浴に本発明の絹織物用精練助剤を0.01〜0.5重量
%、好ましくは0.01〜0.1重量%存在させる。0.01重量
%より少量では本発明の染むら防止効果が期待できず、
一方、0.5重量%より多いと効果が頭打ちとなり、又、
風合いも悪くなる。
仕上練り工程に至るまでの糊抜き、粗練り、本練り及
び漂白工程は、通常行われている方法によれば良い。
び漂白工程は、通常行われている方法によれば良い。
仕上練り工程の条件も、通常行われている条件を採用
すれば良いが、その一例を挙げると、精練浴のpH9.5〜1
0.5、精練温度90〜95℃、浴比(被精練物の重量に対す
る使用精練水量)10〜50倍、精練時間約1時間、用水は
鉄分含有量0.1ppm以下、硬度3以下のものを用いる。
すれば良いが、その一例を挙げると、精練浴のpH9.5〜1
0.5、精練温度90〜95℃、浴比(被精練物の重量に対す
る使用精練水量)10〜50倍、精練時間約1時間、用水は
鉄分含有量0.1ppm以下、硬度3以下のものを用いる。
本発明の精練助剤は、染料の均染性に影響を与える精
練残滓(繊維表面に付着している粗練りや本練りで用い
た石けん等)を均一に溶解洗浄することができ、しかも
柔軟性と均染性を付与することができるため、精練助剤
として単独に用いることができる。しかしながら、光沢
や風合いを好みに応じて調整するために、高級アルキル
硫酸エステル塩(ROSO3Na、例えば、第一工業製薬
(株)製モノゲル等)等の高級アルコール洗剤、ポリオ
キシエチレンエーテル〔RO(CH2CH2O)nH、RO(CH2CH
2O)nR、例えば、第一工業製薬(株)製ノイゲンHC、日
本油脂(株)製ノニオン等〕等の非イオン活性剤などを
併用することもできる。その場合これらの添加量は、精
練浴に対して0.01〜0.1重量%である。
練残滓(繊維表面に付着している粗練りや本練りで用い
た石けん等)を均一に溶解洗浄することができ、しかも
柔軟性と均染性を付与することができるため、精練助剤
として単独に用いることができる。しかしながら、光沢
や風合いを好みに応じて調整するために、高級アルキル
硫酸エステル塩(ROSO3Na、例えば、第一工業製薬
(株)製モノゲル等)等の高級アルコール洗剤、ポリオ
キシエチレンエーテル〔RO(CH2CH2O)nH、RO(CH2CH
2O)nR、例えば、第一工業製薬(株)製ノイゲンHC、日
本油脂(株)製ノニオン等〕等の非イオン活性剤などを
併用することもできる。その場合これらの添加量は、精
練浴に対して0.01〜0.1重量%である。
本発明では、下記一般式(I) (式中、Rはアルキル基を、nは30以上の整数を表わ
す。) で表わされるポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルを、ショ糖脂肪酸エステルに対して1/4〜5/6重量倍
添加することにより、染料の溶解性、均染性をより改良
することができる。ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルの添加量がショ糖脂肪酸エステルに対して5/
6重量倍より多くなると、精練残滓の溶解洗浄力は向上
するが、風合ががさつく。
す。) で表わされるポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テルを、ショ糖脂肪酸エステルに対して1/4〜5/6重量倍
添加することにより、染料の溶解性、均染性をより改良
することができる。ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテルの添加量がショ糖脂肪酸エステルに対して5/
6重量倍より多くなると、精練残滓の溶解洗浄力は向上
するが、風合ががさつく。
仕上練り後の湯洗は、通常行われている方法によれば
良い。
良い。
このようにして得られた絹の白生地は、優れた光沢の
ある白度と風合いをもつものである。
ある白度と風合いをもつものである。
本発明の精練助剤を用いて精練した白生地は、その
後、酸性染料を用いて、引染法、パディング法、浸染
法、捺染法、防染法、抜染法等の方法により染色するこ
とができる。用いる酸性染料としてミリング染料等の均
染性の低いものを用いても、本発明の精練助剤及び精練
方法を用いて得られた白生地は染めむらが起こり難い。
後、酸性染料を用いて、引染法、パディング法、浸染
法、捺染法、防染法、抜染法等の方法により染色するこ
とができる。用いる酸性染料としてミリング染料等の均
染性の低いものを用いても、本発明の精練助剤及び精練
方法を用いて得られた白生地は染めむらが起こり難い。
(実施例) 以下、本発明を実施例により、より詳細に説明する
が、実施例はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
が、実施例はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
なお、実施例中、「%」とあるのは「重量%」を示
す。
す。
実施例1 糊抜き、粗練り、本練り及び漂白工程を施した後の絹
布(変り一越;長浜ちりめん)に対して、下記に示す組
成を有するショ糖脂肪酸エステル水溶液(三菱化成株式
会社製 リョート−シュガーエステル LWA−1570)0.1
5%(ショ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.06%)、
ハイドロ0.05%、ケイ酸Na(18Be)0.05%及びEDTA(キ
レストD)0.002%を溶解させた精練浴槽(浴比1:30)
を用いて、pH9.5〜10、90〜95℃の温度下1時間精練仕
上練りを行った。
布(変り一越;長浜ちりめん)に対して、下記に示す組
成を有するショ糖脂肪酸エステル水溶液(三菱化成株式
会社製 リョート−シュガーエステル LWA−1570)0.1
5%(ショ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.06%)、
ハイドロ0.05%、ケイ酸Na(18Be)0.05%及びEDTA(キ
レストD)0.002%を溶解させた精練浴槽(浴比1:30)
を用いて、pH9.5〜10、90〜95℃の温度下1時間精練仕
上練りを行った。
・ショ糖脂肪酸エステル 40% ・エタノール 4% ・水 56% その後、湯洗(50〜60℃)と水洗とを経て乾燥を行っ
た。その結果、白度、光沢、風合いに優れ、かつ若干の
膨化効果をも認められら白生地が得られた。又、この白
生地の繊維表面に付着している精練残滓(粗練りや本練
りで用いた石けん、高級アルコール洗剤等)の状態をブ
ラックライトを照射して観察したところ、白生地の表面
は白っぽく透き通るように均一になっており、すなわ
ち、精練残滓が繊維表面に均一に残留しており、練りむ
らや一点の汚れらしき曇り(光の吸収むら)もなかっ
た。
た。その結果、白度、光沢、風合いに優れ、かつ若干の
膨化効果をも認められら白生地が得られた。又、この白
生地の繊維表面に付着している精練残滓(粗練りや本練
りで用いた石けん、高級アルコール洗剤等)の状態をブ
ラックライトを照射して観察したところ、白生地の表面
は白っぽく透き通るように均一になっており、すなわ
ち、精練残滓が繊維表面に均一に残留しており、練りむ
らや一点の汚れらしき曇り(光の吸収むら)もなかっ
た。
この白生地上に、サンドランミーリングブルーN−FR
L、サンドランミーリングスカーレットN−GRL及びサン
ドランミーリングエローN−5GLの3種類の染料を各々
0.1%含む染料溶液に染色用均染剤を用いずにその染液
(常温)を、刷毛に浸して塗布し引染を行った。その
後、自然乾燥させてから95℃以上の飽和蒸気を用いて50
分間蒸熱を行い、次に水洗、乾燥を行った。得られた染
色物は、通常ならば精練むらや、染むらの見えやすい赤
味のグレー系統に染上ったが、色相むらは全くなく、均
一に染着していた。
L、サンドランミーリングスカーレットN−GRL及びサン
ドランミーリングエローN−5GLの3種類の染料を各々
0.1%含む染料溶液に染色用均染剤を用いずにその染液
(常温)を、刷毛に浸して塗布し引染を行った。その
後、自然乾燥させてから95℃以上の飽和蒸気を用いて50
分間蒸熱を行い、次に水洗、乾燥を行った。得られた染
色物は、通常ならば精練むらや、染むらの見えやすい赤
味のグレー系統に染上ったが、色相むらは全くなく、均
一に染着していた。
実施例2 リョート−シュガーエステルLWA−1570を0.1%(ショ
糖脂肪酸エステルとしての添加量0.04%)、ハイドロ0.
05%、ケン酸Na(18Be)0.05%、EDTA(キレストD)0.
002%を溶解させた精練浴(浴比1:30)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして紋意匠(丹後産)の生地を
精練仕上練りを行った。その後、白度、光沢に優れる白
生地が得られた。又、ブラックライトを照射させて白生
地の表面を観察したところ、透き通るように均一になっ
ており、精練残滓むらは認められなかった。
糖脂肪酸エステルとしての添加量0.04%)、ハイドロ0.
05%、ケン酸Na(18Be)0.05%、EDTA(キレストD)0.
002%を溶解させた精練浴(浴比1:30)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして紋意匠(丹後産)の生地を
精練仕上練りを行った。その後、白度、光沢に優れる白
生地が得られた。又、ブラックライトを照射させて白生
地の表面を観察したところ、透き通るように均一になっ
ており、精練残滓むらは認められなかった。
この白生地を、カヤノールミーリングバイオレットFB
Wを0.7%、ラナクロンレッドS−Gを0.1%含む染浴(8
0〜85℃、浴比1:50)中で、均染剤を添加せずに中性染
色の条件下(pH7〜8)40分間染色を行った。染色後水
洗、乾燥を行った。やや赤味を帯びた濃度の紫色に染上
った染色物には、染むらはなかった。
Wを0.7%、ラナクロンレッドS−Gを0.1%含む染浴(8
0〜85℃、浴比1:50)中で、均染剤を添加せずに中性染
色の条件下(pH7〜8)40分間染色を行った。染色後水
洗、乾燥を行った。やや赤味を帯びた濃度の紫色に染上
った染色物には、染むらはなかった。
比較例1 モノゲン0.05%、ノイゲンHC0.01%、ハイドロ0.05
%、ケイ酸Na(18Be)0.05及びEDTA(キレストD)0.01
%を溶解させた精練浴(浴比1:30)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして変り一越(長浜産)の生地を
精練仕上練りを行った。その後、湯洗、水洗、乾燥を行
った。その結果、白度、光沢、風合に優れ、ぬめり感の
ある白生地が得られた。しかしながら、ブラックライト
を照射して白生地の繊維表面を観察したところ、経糸方
向には幾本かのレールを敷いた様な青くにごった線が、
緯糸方向には約50〜70cm間隔で束ねたような1本の青く
沈んだ太い線が見えた。これは撚糸工程で用いた油脂分
が完全に溶解除去されていないためと思われた。
%、ケイ酸Na(18Be)0.05及びEDTA(キレストD)0.01
%を溶解させた精練浴(浴比1:30)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして変り一越(長浜産)の生地を
精練仕上練りを行った。その後、湯洗、水洗、乾燥を行
った。その結果、白度、光沢、風合に優れ、ぬめり感の
ある白生地が得られた。しかしながら、ブラックライト
を照射して白生地の繊維表面を観察したところ、経糸方
向には幾本かのレールを敷いた様な青くにごった線が、
緯糸方向には約50〜70cm間隔で束ねたような1本の青く
沈んだ太い線が見えた。これは撚糸工程で用いた油脂分
が完全に溶解除去されていないためと思われた。
この白生地を、実施例1と同じ染料溶液、条件で引染
を行った。その結果、得られた染色物は、若干の色相む
らがあり、いらいらした落ち着きのない染上りであっ
た。又、経縞(これを「サシ」という)が少し目立っ
た。
を行った。その結果、得られた染色物は、若干の色相む
らがあり、いらいらした落ち着きのない染上りであっ
た。又、経縞(これを「サシ」という)が少し目立っ
た。
実施例3 リョート−シュガーエステルLWA−1570を0.08%(シ
ョ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.032%)、モノゲ
ン0.02%、ハイドロ0.05%、ケイ酸Na(18Be)0.05%及
びEDTA(キレストD)0.002%を溶解させた精練浴(浴
比1:30)を用いたこと以外は実施例1と同様にして本古
代ちりめん(長浜産)の生地を精練仕上練りを行った。
その後、湯洗、水洗、乾燥を行った。その結果、白度、
光沢、風合に優れた白生地が得られた。又、ブラックラ
イトを照射して白生地の表面を観察したところ、透き通
るように均一になっており、精練残滓むらは認められな
かった。
ョ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.032%)、モノゲ
ン0.02%、ハイドロ0.05%、ケイ酸Na(18Be)0.05%及
びEDTA(キレストD)0.002%を溶解させた精練浴(浴
比1:30)を用いたこと以外は実施例1と同様にして本古
代ちりめん(長浜産)の生地を精練仕上練りを行った。
その後、湯洗、水洗、乾燥を行った。その結果、白度、
光沢、風合に優れた白生地が得られた。又、ブラックラ
イトを照射して白生地の表面を観察したところ、透き通
るように均一になっており、精練残滓むらは認められな
かった。
この白生地を、サンドランミーリングエローN−5GL
0.02%、サンドランミーリングスカーレットN−GRL 0.
001%、サンドランミーリングバイオレットN−FBL 0.0
01%及びリョート−シュガーエステルLWA−1570 0.05%
を溶解した染浴(浴比1:50、温度80〜85℃)中で、50分
間染色を行った。その後水洗、乾燥を行った。その結
果、染めむらのない、淡いベージュ色の染色物を得た。
0.02%、サンドランミーリングスカーレットN−GRL 0.
001%、サンドランミーリングバイオレットN−FBL 0.0
01%及びリョート−シュガーエステルLWA−1570 0.05%
を溶解した染浴(浴比1:50、温度80〜85℃)中で、50分
間染色を行った。その後水洗、乾燥を行った。その結
果、染めむらのない、淡いベージュ色の染色物を得た。
実施例4 リョート−シュガーエステルLWA−1570を0.04%(シ
ョ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.016%)、モノゲ
ン0.05%、ハイドロ0.05%、ケイ酸Na(18Be)0.05%及
びEDTA(キレストD)0.002%を溶解させた精練浴(浴
比1:30)を用いたこと以外は実施例1と同様にして紋綸
子(丹後産)の生地を精練仕上練りを行った。その後、
湯洗、水洗、乾燥を行った。その結果、白度、光沢、風
合に優れた白生地が得られた。又、ブラックライトを照
射して白生地の表面を観察したところ、透き通るように
均一になっており、精練残滓むらは認められなかった。
ョ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.016%)、モノゲ
ン0.05%、ハイドロ0.05%、ケイ酸Na(18Be)0.05%及
びEDTA(キレストD)0.002%を溶解させた精練浴(浴
比1:30)を用いたこと以外は実施例1と同様にして紋綸
子(丹後産)の生地を精練仕上練りを行った。その後、
湯洗、水洗、乾燥を行った。その結果、白度、光沢、風
合に優れた白生地が得られた。又、ブラックライトを照
射して白生地の表面を観察したところ、透き通るように
均一になっており、精練残滓むらは認められなかった。
この白生地上に、アシドールネービィブルーM−RBL
1.6%、ラナセットブルー5G 2%、サンドランミーリン
グバイオレットN−FBL 0.4%、カヤラックスウラウンG
R 0.1%、リョート−シュガーエステルLWA−1570 0.5%
及びふのり0.2%(2%水溶液として添加)を含む染料
溶液(常温)を、刷毛に浸して塗布し引染を行った。そ
の後、自然乾燥させてから95℃以上の飽和蒸気を用いて
50分間蒸熱を行い、水に水洗、乾燥を行った。深い濃紺
に染上った染色物には染むらはなかった。
1.6%、ラナセットブルー5G 2%、サンドランミーリン
グバイオレットN−FBL 0.4%、カヤラックスウラウンG
R 0.1%、リョート−シュガーエステルLWA−1570 0.5%
及びふのり0.2%(2%水溶液として添加)を含む染料
溶液(常温)を、刷毛に浸して塗布し引染を行った。そ
の後、自然乾燥させてから95℃以上の飽和蒸気を用いて
50分間蒸熱を行い、水に水洗、乾燥を行った。深い濃紺
に染上った染色物には染むらはなかった。
実施例5 リョート−シュガーエステルLWA−1570を0.08%(シ
ョ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.032%)、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル0.008%、ハイド
ロ0.05%、ケン酸Na(18Be)0.05%及びEDTA(キレスト
D)0.002%を溶解させた精練浴(浴比1:30)を用いた
こと以外は実施例1と同様にして変り三越(長浜産)の
生地を精練仕上練りを行った。その後、湯洗、水洗、乾
燥を行った。その結果、白度、光沢、風合に優れた白生
地が得られた。又、ブラックライトを照射して白生地の
表面を観察したところ、透き通るように均一になってお
り、精練残滓むらは認められなかった。
ョ糖脂肪酸エステルとしての添加量:0.032%)、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル0.008%、ハイド
ロ0.05%、ケン酸Na(18Be)0.05%及びEDTA(キレスト
D)0.002%を溶解させた精練浴(浴比1:30)を用いた
こと以外は実施例1と同様にして変り三越(長浜産)の
生地を精練仕上練りを行った。その後、湯洗、水洗、乾
燥を行った。その結果、白度、光沢、風合に優れた白生
地が得られた。又、ブラックライトを照射して白生地の
表面を観察したところ、透き通るように均一になってお
り、精練残滓むらは認められなかった。
この白生地をアシドールスカーレットM−Lを1%溶
解した染浴(浴比1:50、温度80〜85℃)に均染剤を加え
ることなく、その染浴中で、50分間染色を行った。その
後水洗、乾燥を行った。その結果、染めむらのない、ど
しっとした濃度の赤に染上った染色物を得た。
解した染浴(浴比1:50、温度80〜85℃)に均染剤を加え
ることなく、その染浴中で、50分間染色を行った。その
後水洗、乾燥を行った。その結果、染めむらのない、ど
しっとした濃度の赤に染上った染色物を得た。
実施例6 実施例1においてLWA−1570のかわりに10%ショ糖ラ
ウリン酸エステル(構成脂肪酸の95%がラウリン酸で、
平均置換度は1.24)水溶液0.6%を使用した以外は実施
例1と同様に実施した。(ショ糖ラウリン酸エステルは
10%の希薄水溶液の形で多量に使用したが正味使用量は
実施例1と同一) 実施例1と同様に均一な精練処理ができ、その後の染
色処理においても染めむら、色相むらなく均一な染色物
を得ることができた。
ウリン酸エステル(構成脂肪酸の95%がラウリン酸で、
平均置換度は1.24)水溶液0.6%を使用した以外は実施
例1と同様に実施した。(ショ糖ラウリン酸エステルは
10%の希薄水溶液の形で多量に使用したが正味使用量は
実施例1と同一) 実施例1と同様に均一な精練処理ができ、その後の染
色処理においても染めむら、色相むらなく均一な染色物
を得ることができた。
(発明の効果) 本発明の絹織物用の仕上練り工程用精練助剤を用いれ
ば、光沢のある白度及び風合いに優れた白生地が得ら
れ、かつ該生地を染色した際の染めむらが防止される。
ば、光沢のある白度及び風合いに優れた白生地が得ら
れ、かつ該生地を染色した際の染めむらが防止される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−36208(JP,A) 特公 昭46−7585(JP,B1) 編集代表者林茂助「染色加工講座4」 精練・漂白および浸染1、第1頁、第68 〜71頁昭和39年1月15日共立出版株式会 社発行 堀口博「新界面活性剤」第597〜599頁 昭和56年6月1日三共出版株式会社発行
Claims (3)
- 【請求項1】ショ糖脂肪酸エステルを主剤とする絹織物
用精練助剤であって、ショ糖とエステルを構成する脂肪
酸中の炭素数8〜14の飽和脂肪酸の割合が全脂肪酸の70
重量%以上であり、かつショ糖に対する平均置換度が3
以下であることを特徴とする絹織物用の仕上練り工程用
精練助剤。 - 【請求項2】ショ糖脂肪酸エステルとポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテルとを主剤とする絹織物用精
練助剤であって、該ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖と
エステルを構成する脂肪酸中の炭素数8〜14の飽和脂肪
酸の割合が全脂肪酸の70重量%以上であり、かつショ糖
に対する平均置換度が3以下であることを特徴とする絹
織物用の仕上練り工程用精練助剤。 - 【請求項3】水媒体中で絹織物を精練する際に仕上練り
工程において該水媒体中にショ糖脂肪酸エステルを主剤
とする絹織物用の仕上練り工程用精練助剤を0.01〜0.5
重量%存在させることを特徴とする絹織物の精練方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1236478A JP2617230B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-12 | 絹織物用精練助剤および絹織物の精練方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1236478A JP2617230B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-12 | 絹織物用精練助剤および絹織物の精練方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03104982A JPH03104982A (ja) | 1991-05-01 |
JP2617230B2 true JP2617230B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=17001333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1236478A Expired - Fee Related JP2617230B2 (ja) | 1989-09-12 | 1989-09-12 | 絹織物用精練助剤および絹織物の精練方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2617230B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112126532A (zh) * | 2020-09-25 | 2020-12-25 | 诸暨市华都联和印花有限公司 | 一种人棉布的印花工艺 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4836208A (ja) * | 1971-09-13 | 1973-05-28 |
-
1989
- 1989-09-12 JP JP1236478A patent/JP2617230B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
堀口博「新界面活性剤」第597〜599頁昭和56年6月1日三共出版株式会社発行 |
編集代表者林茂助「染色加工講座4」精練・漂白および浸染1、第1頁、第68〜71頁昭和39年1月15日共立出版株式会社発行 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03104982A (ja) | 1991-05-01 |
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