JP2616916B2 - アモルフアス組成物及びその製造方法 - Google Patents

アモルフアス組成物及びその製造方法

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    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はアモルファス組成物及びその製造方法に係
り、例えば、アモルファスなコーディエライト(菫青
石、キンセイ石とも言い、結晶構造の場合には2MgO・2A
l2O3・5SiO2で表わされる。)組成ガラス及び有機金属
化合物の前駆物質からアモルファスなコーディエライト
組成ガラスを製造する方法に関する。
本発明のコーディエライト組成(Mg2Al4Si5O18)のア
モルファス組成物は多層電子装置(例えば高密度実装基
板)をつくる上で有用な薄いセラミックフィルムやシー
トの製造に利用できる。また、コーディエライト組成の
物質に限らず、本発明は少なくとも2つの主要成分のう
ちの1つがシリコン酸化物であるようなアモルファス組
成物の製造方法をも提供する。
B.従来技術 有機金属化合物からのガラスと金属酸化物の合成法
(しばしば「ゾルーゲル法」と言われている。)につい
てはセラミックス工業分野において近年大いに興味が持
たれている。最初の有機金属化合物誘導の金属酸化物は
約45年前に塗料として製造された(W.GeffckenとE.Berg
erに付与されたドイツ特許736411(1939))。1971年に
は、H.Dislichがゾルーゲル法を用いて金属アルコキシ
ドの加水分解により多成分酸化物が合成でき、その際に
はアルコキシドは有機溶媒中に溶解して水と反応し、濃
縮されて微細な粒状酸化物になることを発表した(H.Di
slichのAngew.Chem.Int.Ed.Eng.10、363(1971))。ま
た、アルコキシドから誘導された安定性ジルコニアのよ
うな、有機金属化合物の前駆物質から誘導される耐火性
酸化物がK.S.Mazdiyasni等により既に合成されている
(K.S.Mazdiyasni等のJournal of the American Cerami
cs Society 50、532(1967)及びK.S.MazdiyasniのCera
mics International 、42(1982))。
アルコキシド前駆物質が減成しても金属酸化物は合成
できる。例えば、金属クエン酸塩が水溶液中に混合され
てから脱水化されてゲルとなった後に熱分解されて酸化
物となるところのアモルファスクエン酸塩法が多数の金
属酸化物について実証されている(Ph.Courty等の「ア
モルファスな有機化合物前駆物質の熱分解を通じて得ら
れる十分に分散された組成の混合酸化物及び酸化物固体
溶体」Powder Technology 、21(1973);M.S.G.Bayth
oun等の「アモルファスクエン酸塩法を用いたストロン
チウム置換のリチウム水マンガン鉱ペロブスキ粉末の製
造」、Journal of Meterials Science 17、2757(198
2));及びD.J.Anderton等の「アモルファスクエン酸
塩法を用いた導電性酸化物粉末の製造」、Powder Metal
lurgy 、14(1979))。更に、日本で試験的規模で行
なわれたもので、Hiranoが金属アセチルアセトナトから
のコーディエライトフェライトの合成を開発した(Hira
no等の「有機金属化合物の加水分解によるMn、Zn−フェ
ライト微細粒子の製法と性質」、American Ceramic Soc
iety Bulletin 61、362(1982)及びY.Suwa等の「金属
アセチルアセトナトの加水分解によるスピネルフェライ
トの製法」Proceedings of the International ICF、3r
d(48TRAI)1980(Pub.1982)、23−26.)。
フェリ磁性スピネルは金属アセチルアセトナトの加水
分解(Arons等の米国特許第4486401号)によってもアモ
ルファスクエン酸塩法(L.D.Davidの米国特許第4473542
号)によっても合成されている。
有機金属化合物からのセラミックスの合成法の利点は
以下のとおりである。
(1)特別な工程条件を用いることにより極めて優れた
表面と焼結性を有する超微細なサブミクロン粒子を得る
ことができる。
(2)合成を通常の工程よりも1000℃だけ低い低温度で
行うことができる。これにより、粗い粒子の成長、分
相、更には揮発性酸化物の損失を抑えられる。他の合成
法では得られないような運動エネルギー的に安定した相
を得ることができる。
(3)分子レベルの混合を加水分解段階(金属アルコキ
シド、アセチルアセトナト、その他の加水分解)に先立
ち溶液中で前駆物質を分子混合できるので、分子レベル
の混合をすることができる。こうして、均一に混合され
た酸化物を極めて容易につくることができる。
(4)混合、ボール粉砕、及び熱的に非両立な出発原料
との溶融といった他の方法では得られないような多成分
酸化物を有機金属化合物の前駆物質法によって得ること
ができる。
(5)突発的な粒成長を生じさせる温度よりも遥かに低
い温度において粉末焼結できるアモルファスな或いは超
微粒結晶のセラミックスが望まれるが、有機金属化合物
誘導のセラミックス粉末はこのような要求を満してい
る。
微粒で等軸性で均質粒子のα相及びμ相の両方のコー
ディエライト組成ガラスの合成方法が求められている。
そのような粉末はガラス−セラミックス製の基体パッケ
ージにおける薄いフィルムの代替用途として及び半導体
構造一般の絶縁用途として望まれている。
多成分酸化物組成体の合成は文献上の幾つかの所説に
反して極めて複雑である。特に以下のような難点があ
る。
(1)ガラス−セラミックス状態の初期において細孔閉
塞前に炭質残留物が焼えつきてしまわなければならない
ものである。コーディエライトを目的とする組成物とと
もに誘導されたゲルは加水分解による有機生成物の改質
に際してのモレキュラーシーブスのように働くことがで
きる。酸化現象は炭素−酸素結合の脱水素化として現わ
れ、アルデヒドが形成し、これが脱カルボニル化すると
一酸化炭素とアルカンになる。一酸化炭素は触媒酸化物
表面上にて不均化反応して炭素と二酸化炭素になり、ア
ルカンも同時に脱水素化すると考えられる。全てのコー
ディエライト合成法はこの炭素生成を抑えなければなら
ない。炭素残留物はセラミックスの誘導率に不利な影響
を与え得るし、また、各粒子間の疎遠物として挙動し、
焼結性を阻害するからである。
(2)多成分前駆物質は異なる速度で加水分解して最終
生成物に分相を招くおそれがある。解決方法の1つは2
種のアルコキシド前駆物質を加水分解してペロブスキー
構造とスピナル構造の均質な2成分にすることである。
他の処理方法はアセチルアセトナトおよびアルコキシド
前駆物質の混合物を利用するもので、Hiranoがフェライ
ト合成において行っている。
(3)W.Holand他のJournal Non−Crystalline Solids
48、205(1982)には有機金属化合物前駆物質からコー
ディエライトを合成しようとしている最中に、生成物を
24時間600℃を超える温度に維持すると分相が生じるこ
とが報告されている。報告された合成ではSiO2、Al
2O3、及びMgOの原料としてのマグネシウムアセテートの
アルコキシド前駆物質が用いられている。このアルコキ
シド手法はそれゆえに薄膜置換(TFR、Thin Film Redis
tribution)の用途としてのコーディエライト組成ガラ
スの形成には不適である。
Y.Ozakiの特開昭57(1982)−88075には有機金属化合
物原料からのコーディエライトの合成が記載されてい
る。マグネシウム、アルミニウム、及びシリコン酸化物
の分離した有機金属化合物誘導ゾルを混合し、攪拌し、
そして薄膜に型形成する。しかしながら、これらの薄膜
は600℃と1200℃との間ではスピネル型β−クリストバ
ライト相を経由し、この温度を超えないとコーディエラ
イトに変態しない。この高い温度は現在の溶融型合成温
度(1600℃)に対する充分な改良とはならず、また、半
導体工業におけるパッケージの典型的な用いられ方であ
るガラス−セラミックスと銅導電体との組み合せ体を燃
焼させてしまうので、この温度は不適当である。
コーディエライト組成のセラミックスは本来的に物理
的及び電気的性質に優れた物質である。しかしながら、
粉末原料から焼結及び焼成してセラミックスにする際の
最適焼成温度が極めて狭く、しかも、粉末原料中に微か
に不純物が存在しただけでも前記温度範囲が敏感に影響
されるため、実際にはコーディエライト組成のセラミッ
クスを電子装置等に用いることは極めて困難であった。
C.発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、コーディエライト組成のセラミック
スを容易に形成することのできる粉末原料となるような
組成物及びそのような組成物の製造方法を提供すること
にあり、本発明は更にはコーディエライト組成のセラミ
ックスに限らず、シリコン酸化物を含む多成分酸化物組
成のセラミックスをも容易に形成することのできる粉末
原料及びその粉末原料の製造方法を提供しようとするも
のである。
D.問題点を解決するための手段 前記目的を達成するため、本発明に係る組成物は、シ
リコンの酸化物を含む2つ以上の主要成分を有し、平均
粒径を50Åから80Åの範囲とし、かつ、アモルファス構
造を有するものとした。このような組成物を粉末原料と
すれば、優れた特性のセラミックスを容易に焼結形成す
ることができる。
また、本発明に係る製造方法は、有機金属化合物を出
発物質としてゾルーゲル法を用いるものであり、シリコ
ン以外の金属の前駆物質の溶液にシランを添加した後に
加水分解により重合を行なわせてゾルを生成させ、この
ゾルを乾燥させてゲルとし、更に熱分解させて粉末とす
るものである。シリコン以外の金属の前駆物質の溶液を
つくるために用いる有機金属化合物の例としては、金属
のβ−ジケトン化物あるいは金属にキレート結合したオ
キシカルボキシル化物がある。
E.実施例 本発明はコーディエライト組成ガラス等のアモルファ
ス組成物を有機金属化合物前駆物質から合成する方法を
提供し; (A)ゾルーゲル法を用いたβ−ジケトン化物法; (B)ゾルーゲル法を用いたアモルファス状態でキレー
ト結合しているオキシカルボキシル化物法; のいずれを採用してもよい。
アモルファス組成物であるコーディエライト組成物ガ
ラスは次式で示される組成を有する。
Mg2Al4Si5O18 たとえ組成がこの式で表わされる化学量論的関係から
外れていてもコーディエライトはなおも生成し、即ち、
アモルファス相の加ったコーディエライトが結晶上に生
成するので、この式に正確に従わされる必要はない。
前記(A)のゾルーゲル法を用いたβ−ジケトン化物
法は下記工程を含んでいる。
(1)マグネシウム(Mg)のβ−ジケトン化物とアルミ
ニウム(Al)のβ−ジケトン化物とのモル比が約1:1か
ら約2:5であるところのMgのβ−ジケトン化物及びAlの
β−ジケトン化物を含む有機溶媒溶液をつくる。金属の
β−ジケトン化物は次の一般構造を有している; ここにおいて、M=金属 n=金属の原子価 R=CH3、アルキル基、アリル基、あるいはCF3 R′=CH3、アルキル基、アリル基、あるいはCF3 R″=H、CH3、アルキル基、アリル基、あるいはCF3 である。有機溶媒はβ−ジケトン化物を溶かさねばなら
ず、また、すべての溶媒は水混和性物を溶解するのに適
している。利用し得る溶媒の例にはテトラハイドロフラ
ン、エタノール、メタノール、グリコール、エーテル
類、ジメチルサルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等がある。有機溶媒中のβ−ジケト
ン化物の溶液を約25℃から約100℃の範囲内の温度でつ
くる。β−ジケトン化物を溶媒に対して加えることが、
不可欠ではないが、易溶解のためには好ましい。溶液を
不活性ガス或いはそうでない雰囲気中で約25℃から約15
0℃の範囲内の温度で約1時間から約4時間の範囲内の
時間だけ攪拌及び環流する。この混合と環流によって、
分子レベルの混合が達成され、β−ジケトン化物配位子
が異なる金属間を橋渡しする。
(2)アモルファスコーディエライトを得るのに必要な
化学量論的な量のテトラエトキシシラン(TEOS)、Si
(OC2H5を溶液に加える。酸素に結合する炭化水素
はエチル基である必要はないことに留意されたい。即
ち、生じたシランが選択した溶媒に溶けるのであればア
ルキル基あるいはアリル類でもよい。TEOSは本発明を実
行し易くするために用いられる。というのは、TEOSはシ
ラン類で最も安価であり、またSi(OCH3のような毒
性がない。TEOSは溶液に加えれば解ける。
(3)TEOSを加水分解することのできる試薬を前記
(2)で得たTEOSを含む有機溶液に反応させる。典型的
な加水分解試薬は、例えば、水希釈の硝酸、希釈塩酸、
希釈臭化水素酸、希釈ヨウ化水素酸、希釈フッ化水素
酸、希釈酢酸、希釈硫酸等であり、これらの試薬をゆっ
くりと溶液に加える。加水分解試薬として水酸化アンモ
ニウムのような塩基を用いることはできない。なぜなら
ば、TEOSが不完全にしか加水分解せず、後の焼結工程で
炭素の停溜を惹き起こすからである。加水分解反応によ
り透明な黄色のゾルが生じる。希釈加水分解試薬の典型
的濃度範囲は約0.01重量%から約5重量%である。結果
物のゾルを約2時間から約24時間の期間環流反応させ
る。
(4)乾燥ゲルを得るため有機溶媒をゾルから除く。有
機溶媒はロータリ蒸発、凍結乾燥技法、あるいは噴霧乾
燥により取り除くことができる。後につづくところの加
熱分解に先立って行う大きさ縮減の必要性がなくなるの
で噴霧乾燥が好ましい。
(5)乾燥ゲルを窒素のような不活性雰囲気中あるいは
空気のような酸化雰囲気中で約700℃の温度まで加熱
し、炭質残留物を焼失させる。典型的な焼失工程サイク
ルは、まず乾燥ゲルを空気中で約5℃/分の昇温速度で
約225℃まで加熱し、約1から約4時間の範囲の期間こ
の温度に維持して排気し、次に乾燥ゲルを空気中で約2
時間から約36時間の範囲の期間に約500℃から約700℃に
加熱する。焼失工程サイクルにとって好ましい最高温度
は約600℃である。もし工程(4)にて噴霧乾燥あるい
は凍結乾燥以外の技法が用いられる場合には、この熱処
理生成物を熱分解に先立って微粒にまで小さくする必要
がある。約700℃までの温度範囲にて加熱分解すると炭
素除去が完了し、実験式Mg2Al4Si5O18の微粒なアモルフ
ァス組成物が生成する。上述の製造方法の結果得られる
粉末は等軸性の粒子で、そのうちの幾らかは直径10μm
であるが、大部分は4μmかそれ以下であり、また、硬
性凝集体は存在しない。
前記工程(4)で噴霧乾燥法を用いた場合には、アモ
ルファス粉末は約60Åから約80Åの粒子となり、800−1
000Åの塊に凝集し、さらに0.5−4μmの極めて大きな
塊に凝集する。この粉末のX線照射パターンにはどのよ
うなラインも観られず、このことは当該物質がアモルフ
ァスであることを示し、それは市販のコーディエライト
よりも遥かにアモルファスである。本発明の方法の典型
的収率は約55%から約95%であり、このうち、前記工程
(4)で噴霧乾燥を用いたときには約80%から約95%で
ある。
このゾルーゲル法はSiO2を成分として含むほとんど全
てのガラス組成物の生成に拡張できる。唯必要なことは
適当なβ−ジケトン化物前駆物質を見つけてそれを溶液
中でTEOSかそれと等価的なシランに加え、ここでは開示
した合成法を実行すればよい。例えば、ジルコニアを加
えるには、ここで述べている合成法に適した化学量論的
な量だけアセチルアセトナトジルコニウム、Zr(acac)
を加えればよい。本発明の方法は2成分ガラスの生成
にも用いることができる。化学量論的量のTEOSを有機溶
液に加えたら、合成法の残りの部分は上述のとおりであ
る。ゾルーゲル法を用いたホウケイ酸ガラス、B2O3−Si
O2を合成する場合は例外である。ホウケイ酸ガラスの場
合には、典型的な前駆物質はエステル、B(OR)(β
−ジケトンではない)である。ここでB(OR)中のR
はメチル基、エチル基、プロピル基あるいは他のアルチ
ル置換基、アリル置換基、あるいはCF3である。ホウ素
エステルを用いるときには、ホウ素エステルの添加前に
TEOSを溶液中に加え加水分解させることが必要である。
前記(B)のゾルーゲル法を用いたアモルファス状態
でキレート結合したオキシカルボキシル化物法によるコ
ーディエライト組成ガラスは下記工程を含んでいる。
(1)マグネシウムとアルミニウムとのキレート結合に
よるオキシカルボキシル化物の水溶液をつくる。安定し
たキレートオキシカルボキシル化物はクエン酸塩、マレ
イン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、グリコール酸のエステル
等である。簡単のために以後は1つの好ましい実施例で
あるクエン酸塩について述べるが、本発明はこのクエン
酸塩に限定されるものではない。
マグネシウム及びアルミニウムの化学量論的量のクエ
ン酸塩の水溶液をつくる。クエン酸塩を約室温から約10
0℃の温度の範囲内で攪拌しながら水に添加すると、約1
5分でクエン酸塩溶液ができる。
(2)クエン酸塩溶液に化学量論的量のテトラエトキシ
シラン(TEOS)を添加する。酸素に結合している炭化水
素がクエン酸塩溶液中のシランの溶解度に影響する。シ
ラン中に酸素に結合している炭化水素の分子量が増すと
シランの溶解度は低下する。Si(OCH3とSi(OC
2H5とが好ましく、このうち毒性が低いことからSi
(OC2H5が最も好ましい。TEOSを水溶液に直接添加
してもよいし、水に溶かしたTEOSをクエン酸塩溶液に添
加してもよい。添加中は溶液を攪拌して水溶液で囲まれ
て分離した状態の粒ができないようにする。
(3)TEOSを加水分解する試薬とTEOSを含む水溶液とを
反応させる。このような試薬は、例えば、水希釈硝酸、
希釈塩酸、希釈臭化水素酸、希釈ヨウ化水素酸、希釈フ
ッ化水素酸、希釈酢酸、希釈硫酸等である。希釈酸の好
ましい重量濃度は約0.01重量%から約20重量%である。
希釈酸は約25℃から約100℃の温度の範囲内で例えば滴
下する等してゆっくりと溶液に添加する。TEOSの加水分
解反応及び加水分解したTEOSとマグネシウム及びアルミ
ニウムの重合反応はTEOSと水溶液との界面にて起きてい
ると考えられる。
(4)反応後の溶液を次に蒸発乾燥すると濃い油性分と
なり、これを更に重合するとついにはゼラチンとなる。
蒸発乾燥は常圧下で行ってもよいし、蒸発速度を速める
ために減圧下で行ってもよい。典型的には蒸発は約50℃
から約180℃の範囲の温度において約4時間から約24時
間かけて行う。ゲル化は約2時間から約8時間で起き
る。
(5)ゼラチンの加熱分解を温度勾配約5℃/minで約25
℃で始めて約700℃まで続ける。完全な加熱分解は酸化
雰囲気中で行なわれる。加熱分解により微粒で白色のア
モルファスなMg2Al4Si5O18が生成する。上述の方法によ
り製造した粉末をX線分析すると前記粉末がアモルファ
スに違いないことを示し、また、遷移電子顕微鏡により
観察するとHoland−Plumat−Duvigenaud法を用いて製造
したコーディエライトを観察するとみられるような結晶
島が存在しないことを示す。粉末は粒径が約50Åから約
20μmの大きさに分散している。形態は等軸性である。
噴霧乾燥あるいは凍結乾燥により溶媒を蒸発させ、その
結果物を加熱分解することにより、粒子の球面を改良し
大きさの範囲を改善することができる。ゾルを直接乾燥
するときには結果物である粉末の球面度を増すために界
面活性剤を用いることができる。
このようなアモルファスなキレート結合したオキシカ
ルボキシル化物法はSiO2を成分として含むほぼ全てのガ
ラス組成物にも適用できる。所望する金属酸化物にとっ
て適切なキレート結合オキシカルボキシル化物前駆物質
を見つけてTEOSの化学量論的量にそれを加え、上述の合
成法を実行すればよい。例えば、クエン酸塩の実施例
で、ジルコニアを加えるためには、ZrO−クエン酸塩あ
るいはZr3(クエン酸塩)を適切な化学量論的量だけ
用いればよい。
有機溶媒の噴霧乾燥除去と組み合わされた本発明のゾ
ルーゲル法により合成されるアモルファス組成物、即ち
コーディエライト組成ガラスは粒径が50Åから約80Åの
範囲で、それらは約800Åから約1000Åの大きさの範囲
に緩く凝集している。これらのコーディエライト組成ガ
ラスは、固化剤、アモルファス粉末、あるいは溶媒を構
成する製剤として用いることができ、また基板上に薄い
フィルムを形成するために前記基板上で回転型形成する
ことができる。型フィルムを実質的に焼結して高密度の
フィルムを形成する。更に、所望の形式のシートを形成
し、このシートを薄板にし、その薄板を焼結体とするよ
うに燃焼させることができる。本発明の方法により得ら
れるコーディエライト組成ガラスの平均粒径及び粒径範
囲は薄いフィルム層の製造では特に重要である。このよ
うな粒径制御ができなければ、焼結時に型形成フィルム
内に開孔が生成し、これにより低張力物質となってしま
う。更に、本発明による方法を用いて得られる金属酸化
物の純度においては、型形成焼結したフィルムにひずみ
を作用させたときに応力点となるような結晶中の包有物
が生じない。不純であると結晶構造の誘電率、結晶とし
ての挙動、及び電荷移動性質全般が影響され、したがっ
てそれらの制御は精密なものである。
本発明の方法を用いて合成されたアモルファス組成物
であるコーディエライト組成ガラスは小さくて均一な粒
径であり、また、均質であるために均一な焼結が可能と
なる。結晶相の形成が始まるため、焼結が停止し好まし
い電気的及び機械的性質のフィルムを得るために望まれ
るような理論的濃度にまで焼結することは不可能であ
る。本発明の合成方法を用いて得られた優れた表面領域
の粒子により焼結機構が改良される。均一な粒子形状に
より焼結前に緻密に詰めこむことができる。金属酸化物
の均質な組成によりフィルムの型形成を通じて焼結速度
が均一になり易く、空所部分の形成が減少する。高純度
なコーディエライト組成ガラスでは合成中の不純物の存
在による焼結の際の結晶中の核形成が起きない。このよ
うに、本発明の方法により合成されたアモルファスなコ
ーディエライトを利用すれば、所望の機械的、物理的、
及び電気的性質を有する厚さ1μmかそれより薄い結晶
構造のコーディエライト組成のフィルムを形成できる。
当分野では、L.W.Herron他の米国特許第4234367号、
A.H.Kumar他の同4301324号及びD.J.Dubetskyの同434043
6号に記載されているように、ホウ素及びリンをコーデ
ィエライト結晶構造に加えるとその結晶構造の膨張係数
が変わることが知られている。ホウ素及びリンの存在し
ない結晶構造はμ相であるが、これら成分が存在すると
α相構造となる。μ相コーディエライトの膨張係数は約
33×10-7/℃から約35×10-7/℃であるが、α相では約5
×10-7から約7×10-7/℃である。
本発明の方法により製造されたコーディエライトを含
むセラミックスの膨張係数はガラス質相の存在する量に
より約25×10-7/℃である。この後者の膨張係数はシリ
コンの膨張係数(約25×10-7/℃)に非常に近いため、
α相コーディエライトのこの後者の組成を半導体用途に
用いることは明らかに有益である。
アモルファス組成物であるガラス構造のコーディエラ
イトが一旦合成され、それは焼結及び結晶化されて構造
的にはm相のコーディエライトとなる。この物質は約33
×10-7/℃から約35×10-7/℃の膨張係数と約5の誘導率
を有している。既述したように、アモルファスコーデイ
エラィトの合成に際してホウ素及びリンを添加すると結
晶化に際してα相構造が生成する。α相を含む物質は膨
張係数が約25×10-7/℃であり、これはシリコンの膨張
係数である約25×10-7/℃に極めて近いので、α相物質
をつくることは半導体用途では一層有用である。本発明
の合成方法にホウ素及びリンを導入してもアモルファス
コーディエライトの粒径、均一性、及び均質性が維持で
きることが分った。
ゾルーゲル法をアモルファスコーディエライトの製造
に用いる場合には、コーディエライト基質にホウ素ある
いはリンを2つの方法で添加できる。TEOSを加水分解す
るリン酸を用いて、あるいは、トリアルキルーリン酸塩
エステルを有機溶液に加水分解に先立って添加すること
によりリンを反応系中に導入する。TEOSを加水分解する
ホウ酸を用いて、あるいはホウ素アルコキシドの加水分
解に続いて加水分解した有機溶媒にホウ素アルコキシド
を添加することによりホウ素を反応系中に導入する。ア
モルファスクエン酸塩法を用いてアモルファスコーディ
エライトを製造する場合にも、同様の技法がホウ素やリ
ンを導入するために用いられ得る。約20モル%までの酸
化ホウ素あるいは約20モル%までの5酸化リンをアモル
ファスなコーディエライト組成ガラスに導入することが
できる。α型のコーディエライト組成ガラスを製造する
ためには、酸化物の組み合せ体を用いればよい。この酸
化物の組み合せ体を用いるときには、酸化ホウ素と5酸
化リンの組み合さった濃度はα型コーディエライト組成
ガラスの12重量%にすることができる。典型的には組み
合さった濃度は約1から約7重量%である。アモルファ
スコーディエライトをつくるときの加熱分解温度が低い
ために、ここで述べた方法により製造されたP2O5もB2O3
も結果物であるコーディエライトガラスから蒸発などに
よって失なわれることがない。
本発明を更に説明するため、以下の実験例を報告す
る。
実験例1、β−ジケトン化物前駆物質 Noah Chemicalの25.02gのマグネシウムアセチルアセ
トナト、Mg(acac)・2H2O(0.2モルMg)、Noah Chem
icalの129.94gのアルミニウムアセチルアセトナト、Al
(acac)(0.4モルAl)、及びAlfa Ventronの115mlの
TEOS(0.5モルSi)を975mlのエタノール中に溶解した。
反応容器は第2図に示されるような2l、3ッ首、丸底の
フラスコ42であり、これにはモータ攪拌機44、還流凝縮
器52、滴下ロート50、そしてガス入口46及び出口48が取
り付けられている。こはく色の溶液54は加熱マントル40
でフラスコ42を加熱することにより還流され又入口46か
ら供給されて出口48から排出される窒素により反応装置
内が一掃され、滴下ロート50から凝縮器50へ向って還流
がなされている。2時間後、滴下ロート50から、30分間
かけて、4重量%の水溶液HNO3を200ml(計算上の必要
量の100倍)滴下して加えた。ゾルが形成され、溶液は
相当に濁った。ゾルを約2時間よりも長く還流してから
放冷した。
加熱板上あるいは真空炉中で溶液を煮沸するような蒸
発法を通じて、溶液から溶媒を取り除いて、黄白色の粉
末を残した。この粉末をアルミナボートに載せてチュー
ブ型加熱炉に入れて、窒素ガスを流しながら、約5℃/m
inの昇温速度で約500℃まで昇温し、その温度に約1時
間維持した。黒化した粉末を加熱炉から回収し粉砕機で
約10分間すり潰した。粉末を再びアルミナボートに載せ
てチューブ型加熱炉に入れて、空気中で、約5℃/minの
昇温速度で約700℃まで昇温し、その温度に一晩維持し
た。この方法により白色粉末が得られた。この白色粉末
は、アモルファスで、等軸性で、50Åから20μmの大き
さで緩く凝集したコーディエライト組成ガラスの粒子で
あった。上述の合成法の典型的な収率は約91%であっ
た。
更にこの方法でコーディエライト組成ガラスをつくっ
た。そこでは、市販の噴霧乾燥技術を用いてゾルから溶
媒を取り除いた。噴霧乾燥を用いるときには粉砕段階が
不要である。既述のように、噴霧乾燥では60−80Åの二
重凝集した等軸性の粒子が得られる。既述のように黄白
色の前駆物質粉末は全くの空気中で熱処理できる。
実験例2、クエン酸塩前駆物質 Noah Chemicalの75.19gのクエン酸マグネシウム(0.5
モルMg)とNoah Chemicalの216.08gのクエン酸アルミニ
ウム(0.1モルAl)とAlfa Ventronの261.38g(280ml)
のTEOSを秤量しておき、クエン酸塩についてはモータ攪
拌器で攪拌しているビーカ中の1900mlの蒸留水中に添加
した。超音波槽に浸すことにより加熱して更らに攪拌し
た。TEOSを迅速に添加すると溶液が澄化した。攪拌し且
つ音波作用を与えながら、蓋をした容器内で、約60℃の
温度において、約2.5時間かけてTEOSの前段階の加水分
解を完了させた。
TEOSの前段階の加水分解の後に、100mlの20%硝酸
(水溶液、計算上の必要量の100倍)を約5分間かけて
滴下して添加した。生成したゾルを、開放容器内で、約
60℃において約20時間以上の間でけ攪拌し且つ音波処理
した。沸騰が起って1500mlのシロップ(精密)状のこは
く色の液体になった。シロップ状の液体をゼラチンが生
ずるように一晩放置した。ゲル形成の間に生ずる重合化
反応は不可逆であり、ゼラチンから水が散逸した澄んだ
ゲルができることはない。
ゼラチンを空気中で、次いで真空炉中で150℃にして
乾燥させて脱水素化した。この乾燥した堅い物質を約15
分間粉砕機内ですり潰した。すり潰した物質をアルミナ
ボートに載せてチューブ型加熱炉内に入れ、空気中で、
約5℃/minの昇温速度で約700℃まで昇温し、700℃を一
晩維持した。その結果の生成物は前述した性質と同じ白
い粉末であったが、平均粒径が約0.01μmから約10μm
の範囲である点では異っていた。この方法の典型的収率
は約89.5%であった。
実験例3、噴霧乾燥法 クエン酸塩水溶液あるいはアセチルアセトナト誘導の
ゾルのいずれについても噴霧乾燥すると上質で、微粒
の、均一分散した、等軸性の粒子粉末が得られることが
分った。噴霧乾燥は新しい技術ではないが、しかし、β
−ジケトン化物あるいはアモルファスクエン酸塩法と組
み合せられたときには、予期できなかった結果を得るこ
とができるMg(acac)−Al(acac)−Si(OC2H5
ゾルを噴霧乾燥して加熱分解すると、70Åの等軸性粉
末(その巨大な表面エネルギーによって軟凝集してい
る。)を得ることができる。有機金属化合物誘導のコー
ディエライト組成ガラスについての他の合成法で同じよ
うにしてこの物質をつくることはできない。この粉末を
鋳込んで積層あるいはペレット内で冷圧し空気燃焼させ
て例外なく理論値の少なくとも約97%の濃度とすること
ができる。約5℃/minの加熱勾配(加熱速度)において
は、粉末は約800℃で焼結し始めて約900℃で結晶化し始
めた。焼結が開始してから結晶化が開始するまでに100
℃の余裕があるので、結晶化の開始により高密度化が止
まる以前に、焼結を理論的密度に非常に近い値にまで到
達させることができる。
第3図は、μ相あるいはα相の両方の結晶コーディエ
ライトを形成するためのβ−ジケトン化物誘導のアモル
ファス粉末の焼結及び高密度化方法を示している。β−
ジケトン化誘導のアモルファス粉末60をペレット62中で
約2KSI(Kilo Squired Inches)だけ乾燥加圧し、その
際には実密度ρと理論密度ρTHとの比を約0.25から約0.
28にする。ブロック64に示すように約6%から約8%の
範囲で連続収縮を行う。この間、ペレットは空気中で約
850℃に加熱しておく。続いて、約910℃まで昇温させ、
ブロック66に示すように、急激に高密度化させる。920
℃まで連続的に温度を上げて、ブロック68に示すよう
に、実密度ρと理論密度ρTHとの割合を95%を超えるよ
うにする。ブロック70に示すように、約930℃から約950
℃の温度範囲において結晶が形成する。約965℃あるい
はそれ以上に均一加熱すると、ブロック72に示すよう
に、μ相コーディエライトあるいはβ−ジケトン化物誘
導のアモルファスコーディエライト粉末中にホウ素とリ
ンが存在するときにはα相コーディエライトが生成す
る。
第4図は収縮曲線を示し、実線80は典型的なμ相コー
ディエライト組成ガラスを表わし、鎖線82は典型的なα
相コーディエライトを表わしている。
アモルファスクエン酸塩から製造したゾル噴霧乾燥と
熱分解をしたものであれば、製造した粉末粒子はβ−ジ
ケトン化物の場合よりも10倍大きい。このことはアモル
ファスコーディエライトを利用する幾つかの鋳込み工程
にとっては理想的である。焼結と結晶化における挙動に
ついては前述したとおりと同じである。
実験例4、5成分系 アセチルアセトナト法を5成分系に拡張することがで
き、既に例として取り挙げられたように、ホウ素とリン
とをそれぞれのアルコキシドを通じて導入できる。
101.01gのマグネシウムアセチルアセトナト、Mg(aca
c)2;98.9gのアルミニウムアセチルアセナト、Al(aca
c)3;及び111mlのTEOSを200mlのエタノールに溶解し
た。この溶液に10mlのOP(OC2H5を添加した。この
溶液は既述のように加水分解された。続いて、7mlのB
(OC4H9を添加して加水分解した。ゾル形成後、ゾ
ルを噴霧乾燥し、結果物を加熱分解して前記実施例1中
で述べた生成物を得た。最終生成物であるアモルファス
コーディエライト組成ガラスに対して約1重量%のB2O3
と約3重量%のP2O5を計測した。
典型的な5成分生成物の全組成はMgO、SiO2、Al2O3
P2O5及びB2O3であり、ここにおいて、MgO、SiO2、Al2O3
の3成分(組成はMg2Al4Si5O18)の全重量%は約93〜約
99重量%である。上述の組成物は既述のようにして所望
の相構造及び所望の膨張係数の範囲を示すことができ
る。
生成物は粒子形態においては3成分系と同じであり、
焼結の仕方も同じである。この5成分系はMg(acac)
−Al(acac)−Si(OR)−B(OR)−OP(OR)
の組成であり、結晶化してα相コーディエライトを生成
した。一方、3成分系はMg(acac)−Al(acac)
Si(OR)の組成であり、結晶化してμ相コーディエラ
イトを生成した。
第1B図中に示したように、アモルファスクエン酸塩法
にホウ素とリンとを導入することによりβ相コーディエ
ライトが得られる。
実験例5、2成分系 本発明の方法によりMgO−SiO2、Al2O3−SiO2、B2O3
SiO2、及びZrO2−SiO2のような2成分系も合成できる。
シリコン以外の金属酸化物は、ゾルーゲル法ではβ−ジ
ケトン化物の形態をとり、アモルファスクエン酸塩法で
はクエン酸塩の形態をとる。ホウ素を含むコーディエラ
イト組成ガラスを合成するときには、2成分系では、β
−ジケトン化物に代ってホウ素エステルを用いる必要が
ある。後者の例では、ホウケイ酸ガラスがトリエチルホ
ウ酸塩を用いて製造される。
154ml(0.7モル)のTEOSを2,200mlのエタノール中に
溶解した。この溶液を40重量%の硝酸を2ml含んでいる2
00mlの脱イオン水中にて加水分解した。この溶液を約79
℃まで暖めて還流した。約4時間環流した後、102.1ml
(0.6モル)のトリエチルホウ酸を溶液に滴下して加え
た。これでも透明溶液は維持されていた。溶液を更に約
4時間還流して噴霧乾燥して微細な白い粉末を生成さ
せ、この粉末を空気中で約5℃/minの温度匂配で炉の温
度が約470℃になるまで焼いた。48gの生成物が得られ、
TEOSを出発物質の基礎として約88.5%の収率であった。
生成物は約80モル%のSiO2と約20モル%のB2O3の組成で
ある。
上述の合成法ではTEOSが最初に加水分解することが必
要である。この方法で用いるSiO2中に混入させるB2O3
最大量は約22モル%である。このようにすれば、合成溶
液中のB(OR)3:Si(OR)の比は1:2より低くなり、
引き続いて同様の生成物を得ることができる。
F.発明の効果 上述のように本発明によれば、コーディエライト組成
のセラックスのようなシリコン酸化物を成分の1つとす
る多成分金属酸化物を容易に形成することのできる組成
物及びそのような組成物の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1A図及び第1B図はともに有機金属誘導のコーディエラ
イト組成ガラスの製造方法を示し、このうち第1A図はβ
−ジケトン化物法を示す流れ図、第1B図はキレートオキ
シカルボキシル塩法の1つであるアモルファスクエン酸
塩法を示す流れ図、第2図は有機金属前駆物質からアモ
ルファスコーディエライト組成ガラスを製造するための
実験室での反応装置の一例を示す図、第3図は第1A図に
示された方法を用いて得られたアモルファスコーディエ
ライト組成ガラスを微粒化するための焼結及び高密度化
工程を示す流れ図、第4図はβ−ジケトン化方法を用い
て合成されたコーディエライト組成のアモルファス粉末
から出来たペレットにおける焼結温度範囲に亘って観察
された縮小率の変化の様子を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム、マグネシウムおよびシリコ
    ンを含むアモルファス・コーデイエライト組成物粉末で
    あって、 ホウ素、リンまたはこれらの混合物の酸化物を含み、平
    均粒径は50Åから80Åの範囲であり、結晶化及び焼結後
    にコーデイエライトを生成するアモルファス・コーデイ
    エライト組成粉末。
  2. 【請求項2】平均粒径が50Åから80Åの範囲のアモルフ
    ァス・コーデイエライト組成粉末を製造する方法であっ
    て、 (a)水又は有機溶媒と、前記アモルファス・コーデイ
    エライト組成粉末の少なくとも2つの前駆物質とを含
    み、前記前駆物質がマグネシウム及びアルミニウムのβ
    −ジケトン化物又はマグネシウム及びアルミニウムのキ
    レートオキシカルボキシル化合物である、水溶液又は有
    機溶液を形成する工程と、 (b)前記水溶液又は有機溶液にシランを添加する工程
    と、 (c)前記水溶液又は有機溶液にホウ素またはリンを含
    有する成分を添加する工程と、 (d)前記水溶液又は有機溶液に少なくとも前記シラン
    を加水分解できる試薬を添加して、前記前駆物質と前記
    シランと前記ホウ素またはリンを含有する成分と前記加
    水分解試薬とを重合反応させてゾルを形成する工程と、 (e)噴霧乾燥により前記ゾルから水又は有機溶媒を取
    り除いて残留物を残す工程と、 (f)前記残留物を熱分解して平均粒径が50Åから80Å
    の範囲のアモルファス・コーデイエライト組成粉末を生
    成する工程と、を含む方法。
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