JP2616118B2 - 低温処理方法及び低温処理装置 - Google Patents

低温処理方法及び低温処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は低温処理方法及び低温処理装置に係わり、特
に例えば半導体装置の製造工程における微細な構造を得
る低温エッチング等の低温処理方法及び低温処理装置に
係わる。
〔発明の概要〕
本発明は、低温処理方法に係わり、基板冷却手段を有
する基板載置台に、基板を載置して反応ガスのプラズマ
照射を伴う低温処理を施す低温処理方法において、基板
を冷却後、基板温度をこの低温処理時における平衡状態
温度まで昇温した後、反応ガスのプラズマ照射を伴う低
温処理を施すことにより、プラズマ照射時の温度変化を
抑制し、低温処理の制御性の向上をはかる。
或いは他の本発明は、低温処理装置に係わり、基板冷
却手段を有する基板載置台に、基板を載置して低温処理
を施す低温処理装置において、基板載置台に熱伝導用ガ
ス供給孔を貫通し、この熱伝導用ガス供給孔を通じて基
板裏面に接触する温度センサを配設して構成することに
より、この温度センサによる基板への影響を回避して低
温処理の制御性の向上をはかる。
或いはまた他の本発明は、低温処理装置に係わり、上
述のガス冷却法による基板冷却手段を有する基板載置台
に、基板を載置して低温処理を施す低温処理装置におい
て、温度センサが温度アンテナ付蛍光ファイバ温度計で
構成されることにより、安定な測温を行って低温処理の
制御性の向上をはかる。
〔従来の技術〕
近年益々微細化が望まれている半導体装置の製造工程
において、その微細化を実現するための低温エッチング
法が注目されている。
例えばECR(電子サイクロトロン共鳴)プラエッチン
グ等の異方性エッチングにおいて、微細加工性の向上を
はかるためには、エッチングの異方性及びエッチングレ
ートの向上が望まれている。一般にエッチングの異方性
はエッチング時の物理的反応によって制御されるので、
例えばイオンエネルギーを強くする等して物理的反応を
促進し、かつ異方性に劣る化学反応をエッチングの選択
性を損なうことなく制御することにより、エッチング精
度の向上をはかることができる。
しかしながら、物理的反応を促進するためにイオンエ
ネルギーを強くすると基板に対してダメージを与えるこ
ととなり、エッチング精度の向上とは二律背反の関係と
なる。
このような問題を解決する方法として、基板を0℃以
下に低温冷却しながらエッチングを行う低温エッチング
法によれば、被エッチング物の側壁に吸着したラジカル
の熱反応を抑制してこのラジカルによるエッチングを抑
制し、一方被エッチング物の表面においては、吸着した
ラジカルはイオンによって活性化されてエッチングを促
進する。従ってイオンエネルギーを強めることなく、す
なわち基板へのダメージを与えることなく異方性の向上
をはかることができる。このように、低温で異方性エッ
チングを行う技術は例えば電気学会誌第108巻12号1195
〜1198頁に紹介されている。
しかしながらこのような低温エッチング法すなわち低
温処理方法では、反応速度が温度条件に左右されるため
温度制御が重要となる。特に例えば反応ガスのプラズマ
照射を用いた低温処理方法においては、基板載置台を−
80℃程度に冷却しても、プラズマ照射後イオンの衝突や
輻射により基板温度が上昇し、冷却温度との平衡状態で
飽和するまで温度上昇が続く。このような温度変化はエ
ッチングの反応速度等に影響を及ぼすためエッチング特
性の変動をもたらし、望ましくない。また半導体装置の
微細化に伴って短いエッチング時間で処理を行う場合、
このエッチングは上述したような温度上昇中にそのエッ
チングを終了させる必要が生じ、安定したエッチング特
性が得られず制御性が問題となっている。
またこのような低温処理方法においては、そのエッチ
ング条件を設定する上の温度制御を行うために精確な温
度測定が必要となるが、例えば上述のようなエッチング
工程においては基板表面すなわちエッチング処理を行う
面に温度センサを接触させると、このセンサがプラズマ
条件に影響を与えたり、ラジカル照射を阻害する等して
一様なエッチングや設計通りのエッチングを阻害する。
またさらに、上述したような低温処理方法において、
電磁気環境の影響を受けない温度計測が可能な蛍光ファ
イバ温度計の実用化が望まれているが、この蛍光ファイ
バ温度計の先端部は石英ガラスよりなり、直径が1mm以
下であるため、被温度測定物すなわち基板との充分な接
触をとるのが難しいという問題がある。従って、このよ
うな低温処理を多数枚について行うとき、各基板につい
て安定した温度測定を行うことができず、ばらつきが生
じる等制御性の低下をもたらす一因となっていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、反応ガスによるプラズマ照射を用いた低温
処理方法において、このプラズマ照射時の温度変化によ
るエッチング特性等の特性の変動を抑え、低温処理の制
御性の向上をはかる。
また他の本発明は、低温処理時においては温度センサ
による基板への影響を回避して低温処理の制御性の向上
をはかる。
またさらに他の本発明は温度センサの基板との接触を
改善して安定な測温を行って低温処理の制御性の向上を
はかる。
〔課題を解決するための手段〕
一の本発明は、第1図にこれに用いる低温処理装置の
一例の略線的断面図を示すように、基板冷却手段(3)
を有する基板装置台(1)に、基板(2)を載置して反
応ガスのプラズマ照射を伴う低温処理を施す低温処理方
法において、基板(2)を冷却後、基板温度をこの低温
処理時における平衡状態温度まで昇温した後、反応ガス
のプラズマ照射を伴う低温処理を施す。
或いは他の本発明は、第2図にその一例の略線的断面
図を示すように、基板冷却手段(3)を有する基板載置
台(1)に、基板(2)を載置して低温処理を施す低温
処理装置において、基板載置台(1)に熱伝導用ガス供
給孔(4)を貫通し、この熱伝導用ガス供給孔(4)を
通じて基板(2)裏面に接触する温度センサ(6)を配
設してなる。
或いはまた他の本発明は、第4図にその一例の略線的
断面図を示すように、上述の基板冷却手段(3)を有す
る基板載置台(1)に、基板(2)を載置して低温処理
を施す低温処理装置において、温度センサ(6)を温度
アンテナ付蛍光ファイバ温度計(7)とする。すなわち
この発明では蛍光ファイバ温度計(7)の蛍光ファイバ
の先端に、基板(2)と良好に熱的に接触してその温度
を敏感に受ける温度アンテナを設けるものである。
〔作用〕
上述したように、本発明による低温処理方法によれ
ば、反応ガスのプラズマ照射を用いた低温処理方法にお
いて、基板載置台を冷却してから、後の工程のプラズマ
照射によって昇温する平衡状態温度にまであらかじめ昇
温して、その後例えばECRプラズマエッチング等により
エッチングを行うので、このエッチング中に温度変化が
生じないことからエッチング条件の設定が容易かつ確実
となり、このためこの温度変化によって生じていたエッ
チングの反応速度等のエッチング特性の変動を回避し、
制御性の向上をはかることができる。
また半導体装置の微細化に伴って短いエッチング時間
で処理を行う場合でも、上述したようにプラズマ照射時
には平衡状態温度にまで昇温しておくため、エッチング
中に温度変化がなく、安定したエッチング特性が得られ
る。
また他の本発明による低温処理装置によれば、温度セ
ンサを基板裏面に接触させるため、例えば上述のような
エッチング工程においても、基板表面におけるエッチン
グ環境を乱すことがないことからエッチング特性の変動
をもたらしたり、エッチングのばらつきを生じさせるこ
とがなく、制御性の向上をはかることができる。
またさらに他の本発明による低温処理装置によれば、
上述した基板裏面に接触させる温度センサが温度アンテ
ナ付蛍光ファイバ温度計であるため、被温度測定物すな
わち基板との充分な接触をとることができ、例えば多数
枚の基板処理時において安定した温度測定を行うことが
でき、低温処理時の制御性の向上をはかることができ
る。
〔実施例〕
本発明による低温処理方法の一例を、第1図を参照し
て、詳細に説明する。
実施例1 この例では、第1図に示すように、ECRプラズマエッ
チング装置を用いて低温エッチング処理を行った場合
で、第1図において(11)は石英ベルジャーで、この石
英ベルジャー(11)の中には電極を兼ねた基板載置台
(1)が設けられ、高周波(RF)電源(19)が接続され
る。基板載置台(1)の上面に基板(2)が載置され
る。この基板(2)は、例えば半導体シリコン基板で、
これの上に多結晶シリコンをタングステンシリサイド化
してなる、いわゆるタングステンポリサイド層を有し、
このタングステンポリサイドに対して低温エッチングを
行ってゲート電極あるいは配線等を形成しようとする場
合である。
基板載置台(1)には基板冷却手段(3)が設けられ
てなる。この基板冷却手段(3)は冷却媒体が循環する
パイプ(23)がベルジャー(11)の外部から導入されて
基板載置台(1)内に配され、これにチラー(33)によ
り冷却された冷却媒体例えば−100℃のアルコールが供
給されて基板載置台(1)を冷却した後再びチラー(3
3)に戻される。
また基板載置台(1)の中心部には例えば常温のHeガ
スを送って、基板(2)と基板載置台(1)との熱的結
合を密とするための熱伝導用ガスが送り込まれる熱伝導
用ガス供給孔(4)が貫通穿設される。
そして基板冷却手段(3)の外側はベロー(18)によ
って基板載置台(1)の上面すなわちプラズマエッチン
グが行われる部分とは独別に気密に保持されて、図示し
ないが排気口(17A)に連結される真空ポンプによって
排気されて真空に保たれる。
石英ベルジャー(11)の側面には反応ガス供給口(1
6)が設けられSF6(六フッ化硫黄)ガス等の反応ガスを
導入する。そしてこの石英ベルジャー(11)内は図示し
ないが排気口(17B)に連結される真空ポンプによって
排気される。
石英ベルジャー(11)の外側上部には、マグネトロン
(14)を有するマイクロ波の導波管(15)が、石英ベル
ジャー(11)内の基板載置台(1)の周囲を覆うように
連結される。この導波管(15)の外側周囲にはソレノイ
ドコイル(12)が設けられる。(13)はランプ等の加熱
手段である。
このような構成において基板(2)上の被エッチング
物WSi2(タングステンシリサイド)に対する抵抗プラズ
マエッチングを行った。
まずエッチングを行うべきWSi2が形成された基板
(2)を基板載置台(1)上に載置して、例えばチラー
により−100℃程度に冷却した冷却媒体を基板冷却手段
(3)すなわちパイプ(23)に導入して冷却する。この
場合基板(2)は途中の熱損失により−80℃程度とな
る。
次にエッチングに関与しないガス例えばN2ガスを反応
ガス供給口(16)から流量50cc/minで導入し、圧力5×
10-3Torr、2.45GHzのマイクロ波500W、RF(高周波)バ
イアスを100Wとしてプラズマ照射を行った。1分程で基
板(2)の温度は−40℃程度の平衡状態温度となった。
この状態において、次に反応ガス導入してプラズマエ
ッチングを行う。この場合被エッチング物WSi2に対する
エッチングガスであるSF6の流量を40cc/min、及び形状
制御用の添加ガスであるHBr(臭化水素)の流量を30cc/
minとして導入し、圧力5×10-3Torr、2.45GHzのマイク
ロ波500W、RFバイアスを100Wとしてプラズマ照射を行
い、WSi2に対するエッチングを行った。このとき基板
(2)の温度は平衡状態温度にまで昇温してあるので、
エッチング中に温度変化によるエッチングレートの変動
等のエッチング特性の変動が生じない。
その後、必要に応じて例えばハロゲンランプ等の加熱
手段(13)により露結防止のための加熱を行って、石英
ベンジャー(11)から基板(2)を取り出す。
なお、上述した例においてはプラズマエッチングの前
に行う予備加熱をプラズマ照射により行ったが、その他
ランプアニール等の輻射熱による加熱や、非反応性高温
ガスの吹き付け等による加熱を行ってもよい。
次に他の本発明による低温処理装置の一例を第2図を
参照して詳細に説明する。
実施例2 第2図において基板載置台(1)は例えば第1図に示
すようなECRプラズマエッチング装置等に電極を兼ねて
設けられてなり、基板(2)の載置面すなわちステージ
(1A)とこれを保持する支柱(1B)とより構成される。
第2図中、第1図と対応する部分には同一符号を付し
て重複説明を省略する。
すなわちこの場合においても基板冷却手段(3)によ
り基板載置台(1)が冷却される。
基板載置台(1)の中心軸にはステージ(1A)及び支
柱(1B)を通じて熱伝導用ガス供給孔(4)が貫通され
る。この熱伝導用ガス供給孔(4)にはHe(ヘリウム)
ガス等の非反応性ガスが常温で供給され、基板冷却手段
(3)により冷却された基板載置台(1)と基板(2)
との熱伝導を良くして基板(2)の冷却効率を高める。
またさらに基板載置台(1)のステージ(1A)上面には
溝(5)が設けられる。第3図に基板載置台(1)の平
面図を示すように、この溝(5)は第3図中に斜線を付
して示すように、熱伝導用ガス供給孔(4)から供給さ
れた常温の熱伝導用ガスが基板(2)の裏面にほぼ均等
に接触するようになされる。
このような熱伝導用ガス供給孔(4)を有する基板載
置台(1)において温度センサ(6)を熱伝導用ガス供
給孔(4)内に挿入して、基板(2)裏面に接触させ
る。このような方法によればプラズマエッチング等のエ
ッチング処理時においても基板(2)表面のエッチング
環境を乱すことなく安定した温度測定を行うことができ
る。
さらに次の他の本発明による低温処理装置の一例を第
4図に参照して詳細に説明する。
実施例3 第4図中、第2図と対応する部分には同一符号を付し
て重複説明を省略する。
また第2図及び第3図に示した例と同様に基板載置台
(1)の中心軸にはステージ(1A)及び支柱(1B)を通
じて熱伝導用ガス供給孔(4)が貫通され、熱伝導用ガ
スが通常で供給され、基板(2)の冷却効率を高める。
このような構成において熱伝導用ガス供給孔(4)内
に温度アンテナ(7A)を有する温度アンテナ付蛍光ファ
イバ温度計(7)を挿通する。この温度アンテナ(7A)
は例えば平板状の熱伝導率の大なる材料例えばAlやCuの
金属板よりなり、これに蛍光ファイバ温度計(7)から
の蛍光ファイバ(7F)の先端側に熱的に密に固着させ
る。この温度アンテナ(7A)は基板(2)の裏面に熱的
に密に接触させるものであって、蛍光ファイバ(7F)の
先端を直接基板(2)の裏面に接触させる場合に比し格
段に熱的結合が大となる。
従って、このようにすることによって、電磁気環境に
影響を受けずに温度測定が可能な蛍光ファイバ温度計を
用いることと、これの被測温体すなわち基板(2)との
接触を良好にしたこととが相俟ってより温度測定を確実
に行うことができる。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明による低温処理方法によれ
ば、反応ガスのプラズマ照射を用いた低温処理方法にお
いて、基板載置台を冷却してから、後の工程のプラズマ
照射によって昇温する平衡状態温度にまであらかじめ昇
温して、その後例えばECRプラヅマエッチング等により
エッチングを行うので、このエッチング中に温度変化が
生じないことからエッチング条件の設定が容易かつ確実
となり、このためこの温度変化によって生じていたエッ
チング反応速度等のエッチング特性の変動を回避し、制
御性の向上をはかることができる。
また半導体装置の微細化に伴って短いエッチング時間
で処理を行う場合でも、上述したようにプラズマ照射時
には平衡状態温度にまで昇温しておくため、エッチング
中に温度変化がなく、安定したエッチング特性が得られ
る。
また他の本発明による低温処理装置によれば、温度セ
ンサを基板裏面に接触させるため、例えば上述のような
エッチング工程においても、基板表面におけるエッチン
グ環境を乱すことがないことからエッチング特性の変動
をもたらしたり、エッチングのばらつきを生じさせるこ
とがなく、制御性の向上をはかることができる。
またさらに他の本発明による低温処理装置によれば、
上述した基板裏面に接触させる温度センサが被温度測定
物すなわち基板との充分な接触をとることができる温度
アンテナ付の蛍光ファイバ温度計としたため、例えば多
数枚の基板処理時において安定した温度測定を行うこと
ができ、低温処理時の制御性の向上をはかることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は一の本発明による低温処理方法に用いる低温処
理装置の一例の略線的断面図、第2図及び第3図は他の
本発明による低温処理装置の一例の要部略線的断面図及
び平面図、第4図は他の本発明による低温処理装置の一
例の要部の略線的断面図である。 (1)は基板載置台、(1A)はステージ、(1B)は支
柱、(2)は基板、(3)は基板冷却手段、(23)はパ
イプ、(33)はチラー、(4)は熱伝導用ガス供給孔、
(5)は溝、(6)は温度センサ、(7)は温度アンテ
ナ付蛍光ファイバ温度計、(7A)は温度アンテナ、(7
F)は蛍光ファイバ、(11)は石英ベルジャー、(12)
はソレノイドコイル、(13)は加熱手段、(14)はマグ
ネトロン、(15)は導波管、(16)は反応ガス供給口、
(17A)及び(17B)は排気口、(18)はベロー、(19)
は高周波電源である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板冷却手段を有する基板載置台に、基板
    を載置して反応ガスのプラズマ照射を伴う低温処理を施
    す低温処理方法において、 基板を冷却後、 基板温度を上記低温処理時における平衡状態温度まで昇
    温した後、 上記反応ガスのプラズマ照射を伴う低温処理を施すこと を特徴とする低温処理方法。
  2. 【請求項2】基板冷却手段を有する基板載置台に、基板
    を載置して低温処理を施す低温処理装置において、 上記基板載置台に熱伝導用ガス供給孔を貫通し、 この熱伝導用ガス供給孔を通じて上記基板裏面に接触す
    る温度センサを配設してなることを特徴とする低温処理
    装置。
  3. 【請求項3】上記特許請求の範囲第2項において、 温度センサが低温アンテナ付蛍光ファイバ温度計である
    こと を特徴とする低温処理装置。
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