JPH11339997A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH11339997A
JPH11339997A JP10165874A JP16587498A JPH11339997A JP H11339997 A JPH11339997 A JP H11339997A JP 10165874 A JP10165874 A JP 10165874A JP 16587498 A JP16587498 A JP 16587498A JP H11339997 A JPH11339997 A JP H11339997A
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JP
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microwave
antenna member
planar antenna
plasma
cooling
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JP10165874A
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Nobuo Ishii
信雄 石井
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Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンテナ部材を効率的に冷却してアンテナ部
材の変形等を防止するようにしたプラズマ処理装置を提
供する。 【解決手段】 マイクロ波発生器86にて発生したマイ
クロ波を、導波管88を介して平面アンテナ部材62に
導き、これよりマイクロ波透過窓60を介して被処理体
Wをプラズマ処理する処理容器22内にマイクロ波を導
入するプラズマ処理装置において、前記平面アンテナ部
材の近傍に冷却空間70,78を形成し、この冷却空間
内に前記平面アンテナ部材を冷却する冷媒を流す。これ
により、アンテナ部材を冷却してこの熱変形を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波により
アンテナ表面からプラズマ発生用のエネルギを投入し
て、これによりプラズマを発生させるプラズマ処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製品の高密度化及び高微細
化に伴い半導体製品の製造工程において、成膜、エッチ
ング、アッシング等の処理のためにプラズマ処理装置が
使用される場合があり、特に、0.1〜数10mTor
r程度の比較的圧力が低い高真空状態でも安定してプラ
ズマを立てることができることからマイクロ波とリング
状のコイルからの磁場とを組み合わせて高密度プラズマ
を発生させるマイクロ波プラズマ装置が使用される傾向
にある。
【0003】従来、この種のマイクロ波プラズマ装置と
しては、特開平3−17273号公報に示すような装置
が知られている。この装置にあっては、磁場形成手段を
有するプラズマ発生室にマイクロ波を導入する導波管を
接続し、この導波管より導入したマイクロ波により電子
サイクロトロン共鳴を生ぜしめて高密度のプラズマを生
成するようになっている。図5はこの種の従来のプラズ
マ処理装置の一例を示す概略構成図であり、処理容器2
の天井部にマイクロ波透過窓4を設け、マイクロ波発生
器6にて発生した例えば2.45GHzのマイクロ波を
例えば矩形導波管8及び矩形・同軸変換器9を介して多
数のスリットを有する円板状のアンテナ部材10へ導
き、各スリットより下方へマイクロ波を放射させること
により、このマイクロ波をマイクロ波透過窓4を介して
処理容器2内へ導入するようになっている。このアンテ
ナ部材10の上面には、マイクロ波の波長を短くしてエ
ネルギ投入効率を向上させるために例えばセラミック等
の誘電体材料よりなる遅波材12が接着剤等により接合
させて配置されている。そして、処理容器2内へ導入さ
れたマイクロ波は、処理容器2の上部外側に設けた磁石
14により発生される水平方向の磁界とECR(Ele
ctron Cyclotron Resonanc
e)を生じ、高密度のプラズマを発生することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、導波管8内
の同軸線16を伝播してきたマイクロ波は、円板状のア
ンテナ部材10の中心部から周辺部に広がりながらその
下方へエネルギとして放射されるが、この時、アンテナ
部材10を構成する導体、例えば銅による抵抗損失(銅
損)が発生することは避けられず、ジュール熱に伴う温
度上昇が生ずる。また、遅波材12においてもマイクロ
波による誘電損失が発生するので、これ自体の温度上昇
が生ずることは避けられない。通常、この温度は、マイ
クロ波の電力にもよるが、例えば100℃近傍まで上昇
する。この場合、アンテナ部材10を構成する金属材料
と遅波材12を構成する誘電体材料の熱線膨張率は大き
く異なって金属材料の方がはるかに大きいため、繰り返
し使用した時に膨張量の差に起因して、アンテナ部材1
0と遅波材12との接合面が少しずつ剥離するという現
象が発生していた。
【0005】このように部分的に剥離が生ずると、その
部分におけるマイクロ波の伝播状況が変化してしまっ
て、処理容器2内に投入されるマイクロ波が分布を持っ
てしまい、プラズマ分布が不均一となり、更にこれに伴
ってウエハ処理の面内均一性が劣化するばかりか、処理
の再現性も劣化するといった問題点が発生していた。ま
た、遅波材12の表面に金属材料を例えばスパッタ形成
してアンテナ部材10を設けるようにした構造の装置も
あるが、この場合には、両者が強固に結合していること
から、線膨張差に耐えられずに遅波材が破損する場合も
あった。
【0006】更には、遅波材12を設けていない構造の
装置もあるが、この場合にはアンテナ部材10の厚みが
0.2〜0.5mm程度と非常に薄いために、繰り返し
熱伸縮により、平面状のアンテナ部材10自体に凹凸状
のゆがみが生じてしまうという問題もあった。また、マ
イクロ波によって発生した熱を、低マイクロ波損失液
体、例えばフロリナート(商品名)によって冷却するプ
ラズマ装置も、例えば特開昭64−71097号公報等
に開示されているが、これはプラズマ放電管を冷却する
技術であり、平面アンテナ部材を有するプラズマ装置と
はその構造が異なり、上記技術を直接適用することはで
きない。
【0007】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、アンテナ部材、或いはアンテナ部材に加えて
遅波材を設けている場合には、アンテナ部材と遅波材と
を効率的に冷却してアンテナ部材の変形や両者間の剥離
を防止するようにしたプラズマ処理装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するために、マイクロ波発生器にて発生したマイク
ロ波を、導波管を介して平面アンテナ部材に導き、これ
よりマイクロ波透過窓を介して被処理体をプラズマ処理
する処理容器内にマイクロ波を導入するプラズマ処理装
置において、前記平面アンテナ部材の近傍に冷却空間を
形成し、この冷却空間内に前記平面アンテナ部材を冷却
する冷媒を流すように構成したものである。
【0009】このように、冷却空間に冷媒を流すことに
より、これに接する平面アンテナ部材は、例えば常温程
度まで冷却されるので、マイクロ波を流しても平面アン
テナ部材は加熱状態にならず、平面アンテナ部材が熱に
より変形等することを防止することができる。このよう
な冷却空間は、例えば前記冷却空間は、前記マイクロ波
透過窓と前記平面アンテナ部材との間に形成される。
【0010】また、平面アンテナ部材の上面に、誘電体
部材より成る遅波材を接合して設けている場合には、前
記冷却空間は、前記接合された遅波材と前記平面アンテ
ナ部材の上方と下方に設けられ、前記冷媒は前記上下の
冷却空間間に循環されるように構成する。
【0011】これにより、平面アンテナ部材と遅波材を
共に冷却することができるので、両者が部分的、或いは
全面的に剥離することを防止することができる。また、
前記冷媒としては、誘電損失が小さい低誘電率媒体を用
いるのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るプラズマ処
理装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1
は本発明に係るプラズマ処理装置を示す構成図、図2は
図1に示す装置中の平面アンテナ部材を示す平面図、図
3は図1に示す装置中の遅波材を示す斜視図である。
【0013】本実施例においてはプラズマ処理装置をプ
ラズマエッチング装置に適用した場合について説明す
る。図示するようにプラズマ処理装置としてのこのプラ
ズマエッチング装置20は、例えば側壁や底部がアルミ
ニウム等の導体により構成されて、全体が筒体状に成形
されると共に上部が段部状に縮径された処理容器22を
有しており、内部は密閉された処理空間Sとして構成さ
れている。また、この処理空間Sの上方が、プラズマ生
成空間S1として形成される。
【0014】この処理容器22内には、上面に被処理体
としての例えば半導体ウエハWを載置する載置台24が
収容される。この載置台24は、例えばアルマイト処理
したアルミニウム等により中央部が凸状に平坦になされ
た略円柱状に形成されており、この下部は同じくアルミ
ニウム等により円柱状になされた支持台26により支持
されると共にこの支持台26は処理容器22内の底部に
絶縁材28を介して設置されている。
【0015】上記載置台24の上面には、ここにウエハ
を吸着保持するための静電チャックやクランプ機構(図
示せず)が設けられ、この載置台24は給電線30を介
してマッチングボックス32及び例えば13.56MH
zのバイアス用高周波電源34に接続されている。載置
台24を支持する支持台26には、プラズマ処理時のウ
エハを冷却するための冷却水等を流す冷却ジャケット3
6が設けられる。上記処理容器22の側壁であって、処
理空間Sを区画する部分には、容器内に例えばエッチン
グガスを導入するための例えば石英パイプ製の処理ガス
供給ノズル38が設けられ、このノズル38はガス供給
路40によりマスフローコントローラ42及び開閉弁4
4を介して処理ガス源46に接続されている。処理ガス
としてのエッチングガスは、CHF3 、CF4 、C4
8 ガス等を単ガスとして或いはこれらと水素ガスとの混
合ガスを用いることができる。また、プラズマ生成空間
S1の部分に臨ませて、プラズマガスとしてアルゴン等
の不活性ガスを供給するための同じく石英製のガスノズ
ル48が設けられており、流量制御されたArガスをこ
こに供給できるようになっている。
【0016】そして、処理容器22の段部の外側には、
ECR用のリング状の磁石50が設けられており、プラ
ズマ生成空間S1にECR発生用の磁界を印加するよう
になっている。また、容器側壁の外周には、この内部に
対してウエハを搬入・搬出する時に開閉するゲートバル
ブ52が設けられる。また、容器底部には、図示されな
い真空ポンプに接続された排気口54が設けられてお
り、必要に応じて処理容器22内を所定の圧力まで真空
引きできるようになっている。
【0017】一方、処理容器22の天井部には、この容
器内にマイクロ波を導入するために、被処理体Wの直径
と略同じ大きさの、或いはこれより大きい開口56が形
成されており、この開口56に、Oリング等のシール部
材58を介して例えば石英製のマイクロ波透過窓60が
気密に設けられている。そして、このマイクロ波透過窓
60の上面側に、円板状の平面アンテナ部材62が設置
される。具体的には、このアンテナ部材62は、例えば
アルミニウム等の金属製のリング状の冷却区画壁64を
介してマイクロ波透過窓60の上方に設置されており、
この冷却区画壁64とマイクロ波透過窓60及び平面ア
ンテナ部材62の接合部には、シール性を保つシール部
材66、68がそれぞれ介在されている。これにより、
このマイクロ波透過窓60、平面アンテナ部材62及び
冷却区画壁64により仕切られた空間を形成し、これを
第1の冷却空間70として構成している。
【0018】また、平面アンテナ部材62の上面には、
図3にも示すように薄い略円板状に成形された誘電体材
料、例えばセラミックよりなる遅波材72が接着剤等に
より接合されて配置されている。この遅波材72の中央
部には、後述する同軸線を通したり、冷媒を流すための
貫通孔73が形成されている。この遅波材72は、これ
に作用するマイクロ波の伝播速度を低下させることによ
り波長を短くして平面アンテナ部材62より下方へ放射
されるマイクロ波の放射効率を向上させるものである。
そして、この遅波材72の表面から所定の間隙を隔てて
これを覆うようにして覆い部材74が設置されている。
この覆い部材74は、例えばアルミニウム等の金属等よ
りなり、これと上記平面アンテナ部材62との接合部に
は、シール部材76が介設されている。これにより、覆
い部材74の内面と遅波材72の外面とで仕切られた空
間を形成し、これを第2の冷却空間78として構成して
いる。
【0019】上記平面アンテナ部材62は、例えば銅や
アルミニウム等の導伝性材料よりなり、図2にも示すよ
うにこのアンテナ部材62には、この周方向に延びる多
数のスリット80が形成されている(図2では同心円状
に配列されている場合を示す)。ここで各スリット80
の長さ及び半径方向へのピッチは、マイクロ波の管内波
長(遅波材72によって短くなった波長)に依存して設
定する。例えばスリット80のピッチは、管内波長の1
/2波長か、1波長程度の距離に設定される。そして、
この平面アンテナ部材62の中心点の周囲には、例えば
4つの冷媒上昇口82が形成されると共に、平面アンテ
ナ部材62の周縁部であってスリット80の形成エリア
の外側には、例えば4つの冷媒下降口84が形成されて
おり、後述するように冷媒を流通できるようになってい
る。これらの冷媒上昇口82及び冷媒下降口84の数や
大きさは、スリット80に悪影響を与えない範囲で変更
でき、上記したものに限定されない。また、この平面ア
ンテナ部材62の厚みは、例えば0.3mm前後であ
り、非常に薄く設定され、この直径は、例えば12イン
チ(30cm)ウエハを処理する場合には40〜50c
m程度になされている。
【0020】一方、上記平面アンテナ部材62に対して
マイクロ波を供給するマイクロ波発生器86は例えば
2.45GHzのマイクロ波を発生するものであり、こ
れからは、矩形導波管88及び矩形・同軸変換器89を
介してマイクロ波を伝送し、内部の同軸線90を覆い部
材74の中心に設けた開口92及び遅波材72の貫通孔
73に挿通させて、その先端を上記平面アンテナ部材6
2の中心部に接続している。このマイクロ波の周波数は
2.45GHzに限定されず、1GHz〜10数GHz
の範囲内のものを用いることができる。また、矩形導波
管88の途中には、インピーダンスのマッチングを行な
うマッチング回路93が介設されると共に、その先端
は、上記覆い部材74の開口92にシール部材94を介
して気密に接合されている。また、上記開口92の近傍
の矩形導波管88内には、矩形導波管88内の奥へ冷媒
が漏れ出ることを防止するためにシール部材96が設け
られている。
【0021】そして、上記第1の冷却空間70の一部を
仕切る冷却区画壁64には、冷媒を内部へ導入するため
の冷媒導入ノズル98が貫通させて設けられており、こ
のノズル98の先端は拡径されて上記平面アンテナ部材
62の中心部の下面に、直接接合されており、ここに設
けた冷媒上昇孔82内へ直接冷媒を供給するようになっ
ている。また、この冷却区画壁64には、第1の冷却空
間70内の冷媒を外へ排出する冷媒排出ノズル100が
形成されている。尚、図1に示す装置例にあっては、第
1及び第2の冷却空間70、78の厚みを大きく記載し
て説明を判り易くしているが、実際にはもっと小さく設
定されているのは勿論である。
【0022】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、ゲートバルブ52を介し
て半導体ウエハWを搬送アームにより処理容器22内に
収容し、リフタピン(図示せず)を上下動させることに
よりウエハWを載置台24の上面の載置面に載置する。
そして、処理ガス供給ノズル38から例えばCF4 等の
エッチングガスを流量制御しつつ供給し、また、ガスノ
ズル48からプラズマガスとしてArガスを供給し、処
理容器22内を所定のプロセス圧力、例えば0.1〜数
10mTorrの範囲内に維持する。尚、このArガス
を供給しない場合もある。同時にマイクロ波発生器86
からのマイクロ波を、矩形導波管88及び矩形・同軸変
換器89を介して平面アンテナ部材62と覆い部材74
で形成される空間に供給してプラズマ生成空間S1及び
処理空間Sに電界を形成し、プラズマ放電によりガスを
解離させてプラズマを発生させ、エッチング処理を行
う。
【0023】ここで、マイクロ波発生器86にて発生し
た例えば2.45GHzのマイクロ波は、矩形導波管8
8内に伝播されて平面アンテナ部材62と覆い部材74
で形成される空間に供給され、その中で半径方向へ伝播
しながら、多数のスリット80から下方へ向けて放射さ
れ、この放射マイクロ波はマイクロ波透過窓60を透過
してプラズマ生成空間S1側へ導入されることになり、
磁石50により印加される磁界により電子サイクロトロ
ン共鳴を生ずる。このように、マイクロ波が平面アンテ
ナ部材62と覆い部材74で形成される区間を流れる
と、平面アンテナ部材62はその抵抗によりジュール熱
を発生し、また、遅波材72は誘電損失を発生して、共
に温度が上昇する傾向となるが、本実施例の場合には、
冷媒によりアンテナ部材62と遅波材72が冷却される
ので、温度上昇による問題が発生することはない。
【0024】すなわち、冷媒導入ノズル98から導入さ
れた冷媒は、平面アンテナ部材62の中心の冷媒上昇孔
82へ直接供給され、この冷媒上昇孔82を通過して遅
波材72の貫通孔73を上昇し、そして、遅波材72と
接触しつつ、第2の冷却空間78を矢印Aに示すように
その中心部から放射状に周辺部に向かって流れて行き、
この時、遅波材72にて発生した誘電損失による熱を奪
ってこれを冷却する。この冷媒は、第2の冷却空間78
の周縁部を流下し、平面アンテナ部材62の周縁部に設
けてある冷媒下降孔84を通過して第1の冷却空間70
内に流れ込む。この流れ込んだ冷媒は平面アンテナ部材
62の下面と接触しつつ、この第1の冷却空間70内を
流れて行き、この時、アンテナ部材62にて発生したジ
ュール熱を奪ってこれを冷却することになる。そして、
この冷媒は冷媒排出ノズル100から系外へ排出され
る。系外へ排出された冷媒は、これを冷却して再度、冷
媒導入ノズル98へ供給することにより循環使用すれば
よい。
【0025】このように、冷媒を、冷媒導入ノズル98
から導入して、これを第2の冷却空間78及び第1の冷
却空間70の順に流すことにより、遅波材72や平面ア
ンテナ部材62にて発生した熱を奪うことによって、こ
れらを冷却して、例えば常温程度に維持できるので、装
置を繰り返し使用しても従来の装置にて熱伸縮に伴って
発生していた遅波材72とアンテナ部材62との接合面
における剥離やアンテナ部材の熱変形が発生することを
未然に防止することができる。このため、部分的にマイ
クロ波が強くなるなどしてマイクロ波に強弱の分布がそ
れほど生ずることもなく、マイクロ波分布を均一に保つ
ことが可能となる。また、冷媒としては、マイクロ波を
吸収し難いもの、例えば冷却ガスを用いることができる
が、特に、熱容量が大きくて誘電損失の小さい低誘電体
冷媒、例えばフロリナート(商品名)やガルデン(商品
名)を用いれば、マイクロ波のエネルギを損失すること
なく、効率的にアンテナ部材62や遅波材72を冷却す
ることが可能となる。
【0026】図示例では、冷媒を第2の冷却空間78内
へ導入してから冷媒を第1の冷却空間70内へ流入させ
るようにしたが、この冷媒の流れ方向は特に限定され
ず、どのような方向に流してもよい。また、上記実施例
では、平面アンテナ部材62の上面に遅波材72を接合
させて設けるようにしたが、図4に示すように遅波材を
設けていない構造の装置にも適用できる。この場合に
は、平面アンテナ部材62には、図2に示される多数の
スリット80は設けるが、遅波材を冷却するために設け
られた冷媒上昇孔や冷媒下降孔は図4に示す装置では設
ける必要がない。また、冷媒導入ノズル98の構造は、
図1に示す構造と比較して簡単なものでよく、第1の冷
却空間70内に直接冷媒を導入するようになっている。
【0027】この変形実施例の場合には、冷媒は主とし
て平面アンテナ部材62の下面と接しつつ第1の冷却空
間70内を流れ、冷媒排出ノズル100から排出される
ことになり、この時、平面アンテナ部材62は冷却され
ることになる。従って、平面アンテナ部材62が過加熱
されることはなく、熱変形することを未然に防止するこ
とができる。また、多数のスリット80を介して平面ア
ンテナ部材62の上方の第2の冷却空間78にも冷媒が
浸入するが、矩形導波管88内の下端側にはシール部材
94を介在させてあるので、冷媒が矩形導波管88内の
奥まで浸入することもない。
【0028】尚、以上の各実施例では、プラズマ処理装
置としてECRプラズマ処理装置を例にとって説明した
が、この方式のプラズマ処理装置に限定されず、マイク
ロ波を平面アンテナ部材により処理容器内へ放射させる
ようにした構造ならば、本発明は全てのプラズマ処理装
置に適用することができる。また、ここではプラズマエ
ッチング処理を例にとって説明したが、プラズマ成膜処
理、プラズマスパッタ処理、プラズマアッシング処理等
にも適用できるのは勿論である。更には、被処理体とし
て半導体ウエハに限定されず、LCD基板、ガラス基板
等にも適用し得る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプラズマ
処理装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮す
ることができる。平面アンテナ部材の近傍に冷却空間を
設けて、これに冷媒を流すことにより平面アンテナ部材
を冷却するようにしたので、熱応力により平面アンテナ
部材が変形することを防止でき、従って、均一性のある
プラズマを安定的に生成することができる。また、平面
アンテナ部材の上面に遅波材を接合させて設けた場合に
は、これらの両者を冷却することによって熱伸縮が発生
することがなくなり、従って、熱膨張差に起因して発生
していた両者の接合面における部分的、或いは全面的な
剥離の発生をなくすことができる。従って、再現性よく
マイクロ波を処理容器内へ投入できるので、均一性のあ
るプラズマを安定的に生成することができる。更に、遅
波材を設けた場合には、この上下に冷却空間を設けて、
これに冷媒を循環させることにより、冷却効率を高めて
一層プラズマの安定的な生成に寄与することができる。
また、冷媒として、誘電損失が小さい低誘電率媒体を用
いることにより、媒体によるマイクロ波の吸収を最小限
にすることができるので、プラズマの生成効率を劣化さ
せることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理装置を示す構成図で
ある。
【図2】図1に示す装置中の平面アンテナ部材を示す平
面図である。
【図3】図1に示す装置中の遅波材を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明の変形例を示す構成図である。
【図5】従来のプラズマ処理装置を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
20 プラズマエッチング装置(プラズマ処理装置) 22 処理容器 24 載置台 60 マイクロ波透過窓 62 平面アンテナ部材 64 冷却区画壁 70 第1の冷却空間 72 遅波材 74 覆い部材 78 第2の冷却空間 80 スリット 82 冷媒上昇孔 84 冷媒下降孔 86 マイクロ波発生器 88 矩形導波管 90 同軸線 98 冷媒導入ノズル 100 冷媒排出ノズル W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 16/50 H01L 21/302 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波発生器にて発生したマイクロ
    波を、導波管を介して平面アンテナ部材に導き、これよ
    りマイクロ波透過窓を介して被処理体をプラズマ処理す
    る処理容器内にマイクロ波を導入するプラズマ処理装置
    において、前記平面アンテナ部材の近傍に冷却空間を形
    成し、この冷却空間内に前記平面アンテナ部材を冷却す
    る冷媒を流すように構成したことを特徴とするプラズマ
    処理装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却空間は、前記マイクロ波透過窓
    と前記平面アンテナ部材との間に形成されていることを
    特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記平面アンテナ部材の上面には、誘電
    体部材よりなる遅波材が接合させて設けられることを特
    徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却空間は、前記接合された遅波材
    と前記平面アンテナ部材の上方と下方に設けられ、前記
    冷媒は前記上下の冷却空間間に循環されていることを特
    徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記冷媒は、誘電損失が小さい低誘電率
    媒体よりなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載のプラズマ処理装置。
JP10165874A 1998-05-30 1998-05-30 プラズマ処理装置 Pending JPH11339997A (ja)

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