JP2615989B2 - 薄肉貴金属複合板 - Google Patents

薄肉貴金属複合板

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JP2615989B2 JP7424389A JP7424389A JP2615989B2 JP 2615989 B2 JP2615989 B2 JP 2615989B2 JP 7424389 A JP7424389 A JP 7424389A JP 7424389 A JP7424389 A JP 7424389A JP 2615989 B2 JP2615989 B2 JP 2615989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、記念品や贈答品として手軽に用いること
ができ、かつ装飾的にも価値を有する酔うな、銀、プラ
チナ等の貴金属を主体とする薄肉貴金属複合板に関す
る。
「従来の技術」 従来、小型の金塊は、コインやメダルに見られるよう
に金型を用いて刻印することにより、その表面に模様が
付与されていた。
ところで、近年、金の大衆化が進み、金の取り扱い単
位が小さくなってグラム単位での売買がされるようにな
った。しかしながら、このような少量の金をコインやメ
ダルとしてある程度厚さを持った状態でプレス成形した
ものは、形状が非常に小さいため見栄えがせず、記念品
や贈答品としての効果が薄いという難点があった。
そこで、金塊を圧延して薄板状とし、これの表面に刻
印などによってマーキングを施し、目的に応じた模様が
文字などを付することが考えられる。この場合、例えば
1gの金を厚さ20μmに延ばすと名刺程度の大きさとな
り、充分見栄えがするものとなり、模様や文字が判別し
やすいから記念品などには好適である。これに透明な保
護膜を用いてラミネート被覆を行えば、汚れの付着や摩
耗などによる損耗を防止して耐用性を確保することがで
きる。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上記のような従来の技術においては、
非常に薄い板を素材とするものであるので、強度が小さ
く変形または破損しやすく、従って取り扱いが不便であ
るという不具合がある。また、上記のようなマーキング
の内容は、記念品や贈答品として用いられる目的に応じ
て異なることになり、そのために個々の受注に応じて変
えることが必要とされるが、金型を使用していたので
は、そのような受注に対応することができず、ロットが
小さいのでコストが高くつくという不具合もあった。そ
こで、例えば貴金属薄板と、アクリル板などに模様に付
した透明な装飾板とを重ね合わせて一体化して複合装飾
板とすることが考えられる。しかし、貴金属薄板の厚さ
が一定値以下になると、その薄板が透光性を持つように
なり、裏面から模様が透けて見えることになり、装飾的
機能が低下し、商品価値が低下することになる。
「課題を解決するための手段」 上記のような課題を解決するために、この発明は、貴
金属または貴金属の合金からなる薄板に透明な樹脂から
なる保護膜を被覆して複合板を形成し、この複合板に、
部分的に不透明な絵文字を施した複合の透明装飾板を層
状に重ね合わせたものである。
「作用」 このような薄肉貴金属複合板においては、貴金属薄板
を透明な保護膜で被覆した複合板と、部分的に不透明な
絵文字を施した透明装飾板と重ね合わせることにより、
装飾板の方から見れば装飾板に施された絵文字が貴金属
の色を背景にして浮き上がって見える。また、複数の透
明装飾板を層状に重ね合わせたので、各絵文字のそれぞ
れの奥行きが異なって、模様が立体的に見え、立体的な
色々なバリエーションの模様を施すことができる。貴金
属薄板が保護膜により被覆されているので、保護膜と貴
金属薄板の間の面における光の屈折により貴金属薄板の
透光性が相殺される。従って、貴金属薄板側から見たと
きに貴金属の色調を落とさずかつ装飾板の模様が透けて
見えることを防ぐ。層状に重ね合わされた複数の透明装
飾板が貴金属薄板を補強するので、外力が付加されても
変形しにくく、取り扱いや保管が容易となる。
「実施例」 以下第1図ないし第3図を参照してこの発明の薄肉貴
金属複合板の一実施例を説明する。
これらの図において符号1は複合板を示す。この複合
板1は、純度99.99%以上の金の塊状素材を圧延を繰り
返して厚さ15μmに仕上げ、名刺大に切断した薄板2の
裏面に、YAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネッ
ト)レーザ発生装置からレーザビームを照射して第1図
に示すような文字3と模様(家紋)4をマーキングし、
その表裏面を透明な樹脂からなる保護膜5によりラミネ
ート被覆したものである。
この過程において、レーザビームを移動させる手段と
しては、発生装置を制御してレーザビームの照射位置を
X−Y軸面内で変化させる周知の方法が採用されてい
る。そして、レーザビームの強度を変えることにより、
模様を形成する凹凸の深さを適宜に調節することがで
き、例えばこれを板厚の1/10程度に抑えておけば、薄板
2自体が透けて表面の模様が重なってしまうなどの事態
は生じない。また、金型を圧着させるのではないので、
表の凹凸が裏に現れることもない。この方法において
は、レーザビームを移動する装置を、適当な図形入力装
置と組み合わせることにより、任意の図形、模様、文
字、肖像や認定マークなどを薄板に付与することが簡単
かつ迅速に、しかも安価に行える。
貴金属薄板2への表示内容は特に限定されることがな
いが、貴金属板自体の材質や品位、重量等を表示の一部
とすることは妥当である。
上記複合板1の表面には、第2図および第3図に示す
ように、例えばアクリル等の樹脂、ガラスなどの素材か
らなる3枚の透明な装飾板6…が層状に重ね合わされて
いる。各透明装飾板6には、その表面に不透明な部分か
らなる絵文字7が施されている。各層の絵文字7はそれ
ぞれ異なる色調で描かれており、全体が合成されて一つ
の模様が構成されている。この模様は各絵文字7のそれ
ぞれの奥行きが異なるので、立体的に見え装飾性を高め
ている。また、上記透明装飾板6の素材は必ずしも剛性
の高いものである必要はなく、適度の柔軟性のあるもの
であってよく、その厚さは適宜に設定される。また、上
記の不透明部分は塗料の塗布、レリーフ彫刻、エッチン
グなど適宜の方法及びこれらを組み合わせた方法を用い
てもよい。さらに、不透明な部分を絵文字7の部分とし
ても、絵文字の背景の部分としてもよい。絵文字の部分
を繰り抜いてその部分の貴金属を露出させてもよい。装
飾板6に表示する絵文字7の内容は、やはり特に限定さ
れるものではないが、例えば結婚式の引き出物の場合に
は、新郎新婦の名前を最上層の装飾板6に施し、扇等の
輪郭を最下層の装飾板6に施し、中間層の装飾板6にそ
の他の模様を施すことは妥当であり、これは商品ごとに
異なる表示がされ、しかもこれが比較的容易に行なわれ
ることは言うまでもない。
そして、最上層の透明装飾板6の表面に、この表面に
施された絵文字7の剥離等を防止するための透明樹脂膜
8が貼付されて、文字3または模様と絵文字7がそれぞ
れ表裏面に現れる薄肉貴金属複合板が製造される。
なお、貴金属薄板2の形状は長方形に限るものではな
く、その材料は金以外に、銀、プラチナ等適宜のものま
たはこれらの合金が採用されてよいし、また装飾板6の
層数は製品によって適宜設定されるものである。
上記構成の薄肉貴金属複合板によれば、貴金属薄板2
を保護膜5により被覆してなる複合板1がアクリル樹脂
等からなる複数の透明装飾板6により補強されているの
で、搬送や人手を介して移送の際などに破損したり折り
曲がったりするという事態が防止され、商品価値が損な
われることがない。
また、貴金属薄板2が保護膜5により被覆されている
ので、保護膜5と貴金属薄板2の間の面における光の屈
折により貴金属薄板2の透光性が相殺され、貴金属薄板
2の側から見た場合、貴金属薄板2の色調を落とすこと
がなく、かつ表側の透明装飾板6に付した絵文字7が透
けて見えることがなくなる。
さらに、部分的に不透明な絵文字7が施された複数の
透明装飾板6を層状に重ね合わせたので、色々なバリエ
ーションの模様を施すことができるとともに、各絵文字
7のそれぞれの奥行きが異なって模様が立体的に見える
ので、装飾性をさらに高めることができる。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明は、貴金属または貴金
属の合金からなる薄板に透明な樹脂からなる保護膜を被
覆して複合板を形成し、この複合板に、部分的に不透明
な絵文字を施した複数の透明装飾板を層状に重ね合わせ
たものであるので、高価な貴金属を薄く延ばして比較的
安価な薄板とした場合でも、その両面にそれぞれ適宜の
方法で絵文字を配し、またその絵文字が他面から透けて
見えることがなく、見栄えのする装飾品を提供すること
ができ、しかも、保護膜が貴金属薄板を機械的化学的摩
耗から保護するので、商品の耐用期間を長いものとし、
商品価値を長期に保持することができ、さらには、絵文
字を施した複数の透明装飾板を層状に重ね合わせたの
で、色々なバリエーションの模様を施すことができると
とともに、各絵文字のそれぞれの奥行きが異なって模様
が立体的に見え、装飾性をさらに高めることができるな
どの優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図はこの発明の一実施例を示すもので
あり、第1図は複合板の平面図、第2図は薄肉貴金属複
合板の分解斜視図、第3図は同断面図である。 1……複合板、2……貴金属薄板、 5……保護膜、6……透明装飾板、 7……絵文字。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貴金属または貴金属の合金からなる薄板に
    透明な樹脂からなる保護膜を被覆して複合板を形成し、
    この複合板に、部分的に不透明な絵文字を施した複数の
    透明装飾板を層状に重ね合わせたことを特徴とする薄肉
    貴金属複合板。
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FR2974767B1 (fr) * 2011-05-05 2013-06-14 Visteon Global Tech Inc Element decoratif surfacique a motif lumineux a projection tridimensionnelle et son procede de fabrication

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