JPH0756240Y2 - 即製薄肉貴金属複合板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、記念品や贈答品として、手軽に所持するこ
とがで、かつ使用者の要望に応えるべく短時間で製作す
ることができ、しかも装飾的、財産的価値を有する即製
薄肉貴金属複合板に関する。

「従来の技術」 従来、小型の金塊は、コインやメダルに見られるように
金型を用いて刻印することにより、その表面に模様が付
与されていた。

ところで、近年、金の大衆化が進み、金の取り扱い単位
が小さくなってグラム単位での売買がされるようになっ
た。しかしながら、このような少量の金をコインやメダ
ルとしてある程度厚さを持った状態でプレス成形したも
のは、形状が非常に小さいため見栄えがせず、記念品や
贈答品としての効果が薄いという難点があった。

そこで、例えば、金塊を圧延して薄板状（例えば、1gの
金を厚さ15μｍに延ばすと名刺程度の大きさになる）と
し、これの表面に目的に応じた模様や文字を刻印などに
よって施し、さらに、この薄板を透明な樹脂からなる保
護膜で被覆してある程度の厚みを付与した複合板とする
ことにより、カード状の記念品や贈答品等として使用す
ることができる。

「考案が解決しようとする課題」 ところが、上記複合板におていは、貴金属薄板が非常に
薄いものであるため、これに直接刻印等によって絵文字
を施すと、貴金属薄板にシワが発生したり、破損しやす
いという不具合点がある。

そこで、絵文字が施されていない貴金属薄板を保護膜に
より被覆してなる複合板に、部分的に不透明な絵文字を
施した透明装飾板を重ね合わせ、これら全体を透明な樹
脂フィルムで被覆してなる絵文字付き薄肉貴金属複合板
を形成すれば、上記不具合点を解消することができる。
しかしながら、このような絵文字付き薄肉貴金属複合板
においては、使用目的に応じた絵文字を透明装飾板に施
した後、これを複合板に重ね合わせ、さらにこれらを透
明な樹脂フィルムで被覆するため、利用者からの注文を
受けてからの製作日数がかかり、利用者の即入手の希望
に応えることができなかった。

「考案の目的」 この考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、利用
者からの注文を受けて即製作することができ、しかも貴
金属薄板の持つ商品価値および財産的価値を損なうこと
なく、記念品や贈答品として装飾的にも優れた即製薄肉
貴金属複合板を提供することを目的としている。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、この考案の請求項１の即製
薄肉貴金属複合板は、貴金属または貴金属の合金からな
る貴金属薄板の表裏面を透明な樹脂からなる第１保護膜
で被覆してなる複合板の表面に、予め部分的に不透明な
絵文字を施した透明装飾板を重ね合わせ、これら全体を
透明な樹脂からなる第２保護膜で被覆し、この第２保護
膜に絵文字を施したものである。

また、請求項２の即製薄肉貴金属複合板は、貴金属また
は貴金属の合金からなる貴金属薄板の表裏面を、透明な
樹脂からなりかつ表面に予め絵文字が施された第１保護
膜で被覆してなる複合板を、透明な樹脂からなる第２保
護膜で被覆し、この第２保護膜に絵文字を施したもので
ある。

「作用」 この考案の請求項１の即製薄肉貴金属複合板にあって
は、複合板に、予め絵文字を施した透明装飾板を重ね合
わせ、これら全体を第２保護膜により被覆して一体化
し、この第２保護膜の表面に、使用目的に応じた利用者
により異なる絵文字を直接施すようにしたので、利用者
からの注文を受けてから即製作するとができ、利用者の
即入手の希望に十分応えることができる。

また請求項２の即製薄肉貴金属複合板にあっては、第１
保護膜に予め絵文字を施された複合板の第２保護膜によ
り被覆し、この第２保護膜の表面に、使用目的に応じた
利用者により異なる絵文字を直接施すようにしたので、
利用者からの注文を受けてから即製作することができ、
利用者の即入手の希望に十分応えることができる。

また、上記いずれの即製薄肉貴金属複合板にあっても、
全体が第２保護膜が被覆されているので、汚れ等の付着
やスリ傷等の発生を防止して装飾的、財産的価値を長期
に亙って維持することができ、しかも貴金属の持つ色調
を背景にして絵文字が浮き上がって見えるので、より装
飾効果を高めることができる。

「実施例」 以下、第１図ないし第11図の参照して、この考案の即製
薄肉貴金属複合板の実施例を説明する。

（請求項１に相当する実施例） 第１図ないし第６図は第一実施例を示すものであり、図
中符号１は複合板を示す。この複合板１は、純度99.99
％以上の金の塊状素材を圧延を繰り返して厚さ15μｍに
仕上げ、名刺大に切断された薄板（重量:1g）２の両面
に、透明のポリエステルからなり、かつ裏面に接着剤が
塗布されて第１保護膜（厚さ:0.1mm）3,3を加熱圧着
し、周縁部をトリミング加工してなるものである。

この複合板１の表面には、部分的に不透明な絵文字４を
施した透明装飾板（厚さ:0.1mm）５が重ね合わされてい
る。この透明装飾板５は、第５図に示すように、透明の
ポリエステル樹脂フィルムに、絵文字４である結婚式用
の図柄を印刷してなるものであり、複合体１と同形状に
形成されている。また、複合板１の裏面には、上記透明
装飾板５と同形状、同材質の透明装飾板６が重ね合わさ
れている。この透明装飾板６には、第６図に示すよう
に、金の品位、量目、メーカ名等からなる保証文字（絵
文字）７が印刷されている。

上記絵文字4,7は、印刷の他に、塗料の塗布、レリーフ
彫刻、エッチングなど適宜の方法及びこれらを組み合わ
せた方法、さらに、コピーマシンによる方法があり、熱
複写、レーザコピー、写真方式のコピーなどによれば、
鮮明なカラーコピーを任意の原版を元に容易に行える。
また、不透明な部分を絵文字4,7の部分としても、絵文
字の背景の部分としてもよい。絵文字の部分を繰り抜い
てその部分の貴金属を露出させてもよい。上記透明装飾
板５に表示する絵文字４の内容は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、行事の記念、著名な絵画やデダイ
ンの複製などが考えれ、また、結婚式の引き出物の場合
には、新郎新婦の名前のように商品ごとに異なる絵文字
以外の固定された絵文字が画一的に表示され、透明装飾
板６に表示される保証文字７も固定文字として画一的に
表示される。

そして、上記複合板１、透明装飾板5,6全体を、裏面に
接着剤が塗布された第２保護膜10により加熱圧着して被
覆することにより一体化し、周縁部をトリミング加工
し、さらに、第２保護膜10の表面に、利用者により異な
る変動絵文字11すなわち結婚式の場合、年月日および名
前等が直接印刷されて、即製薄肉貴金属複合板が製造さ
れる。

なお、上記第２保護膜10は、表面にハードコート（5H）
を施した厚さ0.1mmのポリエステル樹脂フィルムからな
るものであり、取り扱い時におけるスリ傷等の発生等を
防止するとができるから、上記のように、この表面に直
接印刷した変動文字11が消滅するのを防止することがで
きる。

また、上記第１保護膜３および第２保護膜10の素材のポ
リエステル樹脂フィルムは、加熱圧着前は不透明である
が、加熱圧着後は透明化される。

上記構成の即製薄肉貴金属複合板によれば、複合板１
に、固定文字である絵文字４と保証文字７とをそれぞれ
画一的に施した透明装飾板5,6を重ね合わせ、これら全
体を第２保護膜10により被覆して一体化し、この第２保
護膜の表面に、利用者により異なる変動絵文字11を直接
印刷したものであるから、利用者からの注文を受けてか
ら即製作することができ、利用者の即入手の希望に十分
応えることができる。

また、全体が第２保護膜10で被覆されているので、汚れ
等の付着やスリ傷等の発生を防止して、装飾的、財産的
価値を長期に亙って維持することができる。

さらに、金の持つ黄金色を背景にして絵文字４、11が浮
き上がって見えるので、より装飾効果を高めることがで
きる。

（請求項２に相当する実施例） 第７図ないし第11図は第二実施例を示すものである。こ
れらの図に示す即製薄肉貴金属複合板は上記複合板１の
表裏両側のそれぞれの第１保護膜3,3にそれぞれ、固定
文字である絵文字４と保証文字７とをそれぞれ施し、こ
の複合板１を第２保護膜10により被覆し、さらに、この
第２保護膜10の表面に、変動文字11を施したものであ
る。

この即製薄肉貴金属複合板によれば、上記第一実施例の
効果に加えて、透明装飾板5,6を必要としないので、よ
り安価にかつ簡単に製作することができるという効果が
得られる。

「考案の効果」 以上説明したように、この考案の請求項１の即製薄肉貴
金属複合板によれば、貴金属薄板を第１保護膜により被
覆してなる被覆板に、予め絵文字を施した透明装飾板を
重ね合わせ、これら全体を第２保護膜により被覆して一
体化し、この第２保護膜の表面に、使用目的に応じた利
用者により異なる絵文字を直接施したものであるから、
利用者からの注文を受けてから即製作するとができ、利
用者の即入手の希望に十分応えることができる。

また、全体が第２保護膜で被覆されているので、汚れ等
の付着やスリ傷等の発生を防止して、装飾的、財産的価
値を長期に亙って維持することができる。

さらに、貴金属の持つ色調を背景にして絵文字が浮き上
がって見えるので、より装飾効果を高めることができ
る。

また、請求項２の即製薄肉貴金属複合板によれば、請求
項１の効果に加えて、透明装飾板を必要としないので、
より安価にかつ簡単に製作することができるという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はこの考案の即製薄肉貴金属複合板
の第一実施例を示すものであり、第１図は即製薄肉貴金
属複合板の断面図、第２図および第３図はそれぞれ即製
薄肉貴金属複合板の表裏面を示す平面図、第４図は複合
板の断面図、第５図および第６図はそれぞれ透明装飾板
の平面図、 第７図ないし第11図は第二実施例を示すものであり、第
７図は即製薄肉貴金属複合板の断面図、第８図および第
９図はそれぞれ即製薄肉貴金属複合板の表裏面を示す平
面図、第10図および第11図はそれぞれ複合板の表裏面を
示す平面図である。 １……複合板、２……貴金属薄板、３……第１保護膜、
4,7,11……絵文字、5,6……透明装飾板、10……第２保
護膜。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】貴金属または貴金属の合金からなる貴金属
   薄板の表裏面を透明な樹脂からなる第１保護膜で被覆し
   てなる複合板の表面に、予め部分的に不透明な絵文字を
   施した透明装飾板を重ね合わせ、これら全体を透明な樹
   脂からなる第２保護膜で被覆し、この第２保護膜に絵文
   字を施したことを特徴とする即製薄肉貴金属複合板。
2. 【請求項２】貴金属または貴金属の合金からなる貴金属
   薄板の表裏面を、透明な樹脂からなりかつ表面に予め絵
   文字が施された第１保護膜で被覆してなる複合板を、透
   明な樹脂からなる第２保護膜で被覆し、この第２保護膜
   に絵文字を施したことを特徴とする即製薄肉貴金属複合
   板。