JP2615024B2 - モノクローナル抗体を用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法 - Google Patents
モノクローナル抗体を用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、モノクローナル抗体を用いて、ヒトヘモ
グロビン(以下ヒトHbという)を高感度に分析する方法
に関するものである。
グロビン(以下ヒトHbという)を高感度に分析する方法
に関するものである。
<従来の技術> モノクローナル抗体を用いて、生体成分、特にヒトHb
を免疫学的に高特異的に分析する方法について、発明者
等は先に特許出願した(特願昭61−201489号)。
を免疫学的に高特異的に分析する方法について、発明者
等は先に特許出願した(特願昭61−201489号)。
すなわち、この方法は、測定対象(抗原)であるヒト
Hbと特異的に反応するモノクローナル抗体感作担体
(A)と、測定対象と同一抗原であるヒトHb感作担体
(B)を含有する溶液を混合して生ずる凝集反応を、測
定対象であるフリーのヒトHb(抗原)が阻止する程度
(度合)を目視的、または光学的に測定することによっ
て、測定対象であるフリーのヒトHbを免疫学的に高特異
的に測定するものである。
Hbと特異的に反応するモノクローナル抗体感作担体
(A)と、測定対象と同一抗原であるヒトHb感作担体
(B)を含有する溶液を混合して生ずる凝集反応を、測
定対象であるフリーのヒトHb(抗原)が阻止する程度
(度合)を目視的、または光学的に測定することによっ
て、測定対象であるフリーのヒトHbを免疫学的に高特異
的に測定するものである。
<発明が解決しようとする問題点> この方法は、従来の化学的呈色反応や、ポリクローナ
ル抗体を使用した分析方法(例えば、特開昭59−125064
号)に比較すれば、非常に優れた方法である。
ル抗体を使用した分析方法(例えば、特開昭59−125064
号)に比較すれば、非常に優れた方法である。
しかしながら、疾病の早期発見のため、ヒトHb、特に
大便中のフリーのヒトHb(便中潜血)を更に高感度に測
定する方法の開発が望まれている。
大便中のフリーのヒトHb(便中潜血)を更に高感度に測
定する方法の開発が望まれている。
発明者等が経験したところによれば、前記した発明者
等の分析方法(モノクローナル抗体を用いた生体成分の
分析方法,特願昭61−201489号)において、大便中のフ
リーのヒトHbのような、いわゆる生(native)のヒトHb
を適用した場合、抗ヒトHbモノクローナル抗体感作担体
と、ヒトHb感作担体との凝集反応の阻止される度合が、
市販の精製ヒトHbに比較して、かなり弱いことが分かっ
た(実施例2参照)。
等の分析方法(モノクローナル抗体を用いた生体成分の
分析方法,特願昭61−201489号)において、大便中のフ
リーのヒトHbのような、いわゆる生(native)のヒトHb
を適用した場合、抗ヒトHbモノクローナル抗体感作担体
と、ヒトHb感作担体との凝集反応の阻止される度合が、
市販の精製ヒトHbに比較して、かなり弱いことが分かっ
た(実施例2参照)。
そこで、発明者等は何故、生のヒトHbは、前記凝集反
応を阻止する力が弱いのか検討し、市販のヒトHbは、精
製過程で何らかの変性を受けていることが原因ではなか
ろうか、との見地から、種々の変性剤に着目し試験した
結果、生のヒトHbを界面活性剤で前処理すると、ヒトHb
モノクローナル抗体感作担体と、ヒトHb感作担体との凝
集反応が、市販の精製ヒトHbと同程度まで、高感度に阻
止されることを発見し本発明を完成した。
応を阻止する力が弱いのか検討し、市販のヒトHbは、精
製過程で何らかの変性を受けていることが原因ではなか
ろうか、との見地から、種々の変性剤に着目し試験した
結果、生のヒトHbを界面活性剤で前処理すると、ヒトHb
モノクローナル抗体感作担体と、ヒトHb感作担体との凝
集反応が、市販の精製ヒトHbと同程度まで、高感度に阻
止されることを発見し本発明を完成した。
<問題を解決するための手段> すなわち、この発明は、ヒトヘモグロビン(以下ヒト
Hbという)と特異的に反応するモノクローナル抗体感作
担体(A)と、ヒトHb感作担体(B)とが反応して生ず
る凝集現象を、測定対象であるフリーのヒトHb(C)が
阻止する程度(度合)を目視的、または光学的に測定す
ることによって、測定対象であるフリーのヒトHbを免疫
学的に測定する分析方法において、測定対象であるフリ
ーのヒトHb(C)に予じめドデシル硫酸塩を添加して前
処理するすることによって、感度を大幅に上昇させるこ
とを目的として開発したものである。
Hbという)と特異的に反応するモノクローナル抗体感作
担体(A)と、ヒトHb感作担体(B)とが反応して生ず
る凝集現象を、測定対象であるフリーのヒトHb(C)が
阻止する程度(度合)を目視的、または光学的に測定す
ることによって、測定対象であるフリーのヒトHbを免疫
学的に測定する分析方法において、測定対象であるフリ
ーのヒトHb(C)に予じめドデシル硫酸塩を添加して前
処理するすることによって、感度を大幅に上昇させるこ
とを目的として開発したものである。
この発明に使用する陰イオン界面活性剤のドデシル硫
酸塩としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデ
シル硫酸リチウム(Li DS、SDSに比較して、特に低温で
の溶解性がよい)、及びドデシル硫酸トリエタノールア
ミンが代表的な物質である。
酸塩としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデ
シル硫酸リチウム(Li DS、SDSに比較して、特に低温で
の溶解性がよい)、及びドデシル硫酸トリエタノールア
ミンが代表的な物質である。
<実施例1> 健常者の便1g当り、溶血ヒトHb20mgを添加した後、0.
1%、SDS含有0.1Mトリス塩酸緩衝液(A)10ml、または
SDSを含有しない0.1Mトリス塩酸緩衝液(B)10mlに懸
濁し、遠心して上清2種を採取する。次にこれらの上清
2種を、0.1Mトリス塩酸緩衝液(C)で10倍に稀釈した
後、この2種の稀釈液を(C)液で5倍稀釈を4回行な
い、2000μg/ml,400μg/ml,80μg/ml,16μg/ml,3.2μg/
ml,0μg/ml濃度系列のサンプルを作る。この2種のサン
プルを各々スライド凝集板上に滴下した後、抗ヒトHbモ
ノクローナル抗体感作ラテックス懸濁液20μl,ヒトHb感
作ラッテクス10μlを追加して滴下し、3分間ゆるやか
に撹拌しながら観察する。
1%、SDS含有0.1Mトリス塩酸緩衝液(A)10ml、または
SDSを含有しない0.1Mトリス塩酸緩衝液(B)10mlに懸
濁し、遠心して上清2種を採取する。次にこれらの上清
2種を、0.1Mトリス塩酸緩衝液(C)で10倍に稀釈した
後、この2種の稀釈液を(C)液で5倍稀釈を4回行な
い、2000μg/ml,400μg/ml,80μg/ml,16μg/ml,3.2μg/
ml,0μg/ml濃度系列のサンプルを作る。この2種のサン
プルを各々スライド凝集板上に滴下した後、抗ヒトHbモ
ノクローナル抗体感作ラテックス懸濁液20μl,ヒトHb感
作ラッテクス10μlを追加して滴下し、3分間ゆるやか
に撹拌しながら観察する。
その結果は第1表(表はまとめて巻末に示す)の通り
であった。
であった。
この結果からSDS無添加では2000μg/mlでも検出でき
ないのに対し、SDS処理をすると、16μg/mlまで検出す
ることができ、感度が大幅に上昇することがわかる。
ないのに対し、SDS処理をすると、16μg/mlまで検出す
ることができ、感度が大幅に上昇することがわかる。
<実施例2> 実施例1と同様に、市販精製ヒトHbと溶血ヒトHbとを
用いて調製したサンプルを実施例1と同様に測定した。
用いて調製したサンプルを実施例1と同様に測定した。
その結果は第2表の通りであった。
この結果から、SDS処理をすると、溶血ヒトHbの検出
感度は、市販精製ヒトHbと同程度になることがわかる。
感度は、市販精製ヒトHbと同程度になることがわかる。
<実施例3> 実施例1に準じ、SDSに代替物として、次の界面活性
剤を使用した結果を第3表に示す。
剤を使用した結果を第3表に示す。
(1)陰イオン系 (A)ドデシル硫酸リチウム(Li DS) SDSに比較して、特に低温での溶解性がよい。
(B)ドデシル硫酸トリエタノールアミン (C)α−オレフィンスルフォン酸ナトリウム (D)アルキルリン酸エステル塩 (E)ジアルキルスルホこはく酸エステルナトリウム (F)ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸ナト
リウム (2)非イオン系 (G)ポリオキシエチレンアルキルエーテル (H)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル (I)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル (J)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
クポリマー (K)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル (L)アミンオキシド 第3表の結果は、これらの界面活性剤が、溶血ヒトHb
の検出感度を大幅に上昇させることを示している。
リウム (2)非イオン系 (G)ポリオキシエチレンアルキルエーテル (H)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル (I)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル (J)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロッ
クポリマー (K)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル (L)アミンオキシド 第3表の結果は、これらの界面活性剤が、溶血ヒトHb
の検出感度を大幅に上昇させることを示している。
<発明の効果> 以上のように、この発明に係るモノクローナル抗体を
用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法によれば、い
わゆる生(native)のヒトHbを、市販精製ヒトHbと同程
度に、高感度に測定することができるという効果を有す
る。
用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法によれば、い
わゆる生(native)のヒトHbを、市販精製ヒトHbと同程
度に、高感度に測定することができるという効果を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 功 千葉県船橋市習志野台8−41−16 サン ライズ多田106号 (72)発明者 高野 喜久雄 東京都中野区沼袋4−18 (56)参考文献 特開 昭59−173760(JP,A) 特開 昭60−20149(JP,A) 特開 昭61−137064(JP,A) 特開 昭59−182367(JP,A) 特開 昭58−187862(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】次に示す(A)、及び(B)成分を含有す
る溶液を混合して生ずる凝集反応と、前記(A)、及び
(B)成分に、更に次に示す(C)成分を含有する可能
性がある溶液を添加混合して生ずる凝集反応の両者の程
度を比較測定する、モノクローナル抗体を用いたヒトヘ
モグロビンの分析方法において、(C)成分を含有する
可能性がある溶液にドデシル硫酸塩を添加することを特
徴とするモノクローナル抗体を用いたヒトヘモグロビン
の高感度分析方法。 (A)ヒトヘモグロビンと特異的に反応するモノクロー
ナル抗体感作担体 (B)ヒトヘモグロビン感作担体 (C)測定対象であるヒトヘモグロビン - 【請求項2】便潜血を測定対象であるヒトヘモグロビン
とする特許請求の範囲第1項記載のモノクローナル抗体
を用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61234519A JP2615024B2 (ja) | 1986-10-03 | 1986-10-03 | モノクローナル抗体を用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61234519A JP2615024B2 (ja) | 1986-10-03 | 1986-10-03 | モノクローナル抗体を用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6390764A JPS6390764A (ja) | 1988-04-21 |
JP2615024B2 true JP2615024B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=16972293
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61234519A Expired - Fee Related JP2615024B2 (ja) | 1986-10-03 | 1986-10-03 | モノクローナル抗体を用いたヒトヘモグロビンの高感度分析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2615024B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02141665A (ja) * | 1988-11-24 | 1990-05-31 | Godo Shiyusei Kk | 糞便中のヘモグロビンの検出方法 |
JPH0429062A (ja) * | 1990-05-24 | 1992-01-31 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 回転体の回転検出装置 |
US5763280A (en) * | 1997-01-21 | 1998-06-09 | Coulter International Corp. | Cyanide-free lytic reagent composition and method for hemoglobin and cell analysis |
JP5775197B1 (ja) * | 2014-04-30 | 2015-09-09 | 田中貴金属工業株式会社 | 免疫クロマト分析キット及び免疫クロマト分析方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58187862A (ja) * | 1982-04-27 | 1983-11-02 | Sanyo Chem Ind Ltd | 免疫測定改良剤および改良方法 |
AU529210B3 (en) * | 1983-02-02 | 1983-04-14 | Australian Monoclonal Development Pty. Ltd. | Monoclonal antibody in occult blood diagnosis |
JPS59173760A (ja) * | 1983-03-24 | 1984-10-01 | Teikoku Hormone Mfg Co Ltd | 免疫化学的測定方法及びその試薬 |
JPS6020149A (ja) * | 1983-07-15 | 1985-02-01 | Teikoku Hormone Mfg Co Ltd | 免疫化学的測定方法及びその試薬 |
JPS61137064A (ja) * | 1984-12-07 | 1986-06-24 | Fujirebio Inc | 大腸癌の予備スクリ−ニング方法 |
-
1986
- 1986-10-03 JP JP61234519A patent/JP2615024B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6390764A (ja) | 1988-04-21 |
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