JP2614387B2 - 多目的発射体及びその製造方法 - Google Patents

多目的発射体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、針入度針を有した多目
的発射体及びその製造方法に関するものである。多目的
発射体とは、標的を突き刺す効果と発火する効果の双方
を有する発射体を意味している。また、発射体は、炸薬
も有しており、破砕効果及び／又は爆風効果がある。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】このよ
うな発射体の例はノルウェー公告第１５０９７７号（NO
AccptancePrint No.150977）に開示されている。公知
の発射体は内部シェルを囲む外部シェルを有しており、
該内部シェルは針入度針と、該針入度針を部分的に囲む
焼夷弾薬及び該焼夷弾薬の前方の爆破薬とを有してい
る。外部シェルの前端には標的の衝撃によって点火する
ようにした点火薬がある。もちろん、この点火薬は、特
に大口径の発射体の場合、点火機構に置き換えることが
可能である。内部シェルはその底部にくぼみを有し、該
くぼみに針入度針の後端が挿入されている。前記くぼみ
は、針入度針よりも径が大きく、シェル底部内に円形カ
ットが針入度針の周囲に形成され、その上に半径方向に
円形カット内側のシェル材料が内方に変形して針入度針
に接触するので、針入度針は絞め付けられる。針入度針
の前部を囲む焼夷弾薬はまた針入度針を内部シェルに同
軸状に合わせるのをある程度助ける。しかし、内部シェ
ル内の空間は前方に向かって先細になっており、それ
故、焼夷弾薬を押すために該空間の最大径に一致する外
径を有したプランジャを挿入することができない。した
がって、焼夷弾薬は、針入度針を保持し、中心に合わせ
ることに関して限られて効果を有するだけにすぎない。
【０００３】内部針入度針を有した発射体の別の例がノ
ルウェー公告第１３７２９７号（NOAccptance Print N
o.137297）に開示されている。この公知の発射体では、
針入度針の全長がシェルの壁に接触しており、そのため
針入度針の半径方向外側には薬材料が存在しない。発射
体の全ての薬は針入度針の前方に位置している（シェル
の底部の追跡薬をのぞいて）。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、針入度針１を
収容するシェル２と、該針入度針が挿入された該シェル
の底部のくぼみ３の前部において針入度針の一部を取り
囲む少なくとも１個の焼夷弾薬５とを有する多目的発射
体において、焼夷弾薬がその全断面にわたって十分に押
圧されており、それによって焼夷弾薬が配置されたシェ
ルの空間１２は円筒形になり、その全長にわたって一定
の径を有し、そして該空間の前端はそこに搭載した先部
分１１によって閉じられていることを特徴としている。
【０００５】焼夷弾薬の押圧は、環状の押圧面を有し、
先部分を搭載する前に前方からシェルに挿入するプラン
ジャの使用によって行われる。このプランジャは、押圧
面及び円形横断面の外側、内側円筒表面で画成されてお
り、それによって外側表面はシェルの空間とほぼ同じ大
きさの径を有し、一方内側表面はプランジャの内側に針
入度針を収容する空間を提供する径を有している。焼夷
弾薬の押圧はその全横断面あるいはそのほぼ全横断面を
要望する圧力で行うことができ、それによって焼夷弾薬
は針入度針を保持し、中心を合わせるように効果的に作
用するようになる。
【０００６】本発明は、また、針入度針と、該針入度針
が挿入されたシェルの底部のくぼみの前部において針入
度針の一部を取り囲む焼夷弾薬とを有した多目的発射体
の製造方法において、針入度針の挿入に際し、焼夷弾薬
５が一定の径の円形空間を有したシェル内に挿入され、
それから空間の全横断面をほぼ覆う環状押圧面を有した
プランジャ１４を、シェル２の開口端を通して空間の前
端から挿入し、焼夷弾薬の横断面のほぼ全体を押圧する
ことを特徴としている。
【０００７】本発明は、発射体の実施例及び本発明によ
る方法を図示した添付図面を参照して、以下により詳細
に説明される。
【０００８】
【実施例】図１に示された発射体は、好ましくは非常に
硬い材料、例えばタングステン・カーバイドからなる針
入度針１を有している。この針入度針の後端はシェル２
のくぼみ３に挿入され、くぼみ３の前部ではシェルは装
薬５、６及び７を収容した拡大空間１２を有しており、
該装薬５は針入度針１の保持及び心合わせに寄与する仕
方で押圧された焼夷弾薬である。シェルの前端には、図
示の例では点火薬１０が収容された先部分１１が搭載さ
れている。この先部分は例えばシェル２にねじ込むこと
ができる。発射の間に点火薬の“後戻り”を防ぐために
支持円盤８が先部分の後端に固定されている。この支持
円盤８は例えば先部分１１にねじ込むことができる。装
薬５、６及び７に対し後方に花火連鎖を提供するため
に、少なくとも１個の穴９が支持円盤８を貫通して設け
られている。図示の例では、点火薬１０からの燃焼ガス
が後方に流れるときに針入度針の前端の回りに分散する
ように、数個の穴９が支持円盤８の中心から間隔をおい
て配置されている。したがって、ガス流は針入度針によ
って実質的に妨害されない。装薬５、６及び７は、発射
の間に、シェル空間１２の後方で環状表面４によって支
持されている。シェルは周知のように外側案内バンド１
３を有している。
【０００９】図２は先部分１１（図１）が搭載される前
にシェルの前端から挿入することができるプランジャ１
４によって装薬５を押圧している状態を示している。プ
ランジャ１４が装薬の全端面又はほぼ全端面を要望する
力又は圧力で押圧するのが可能にであることが明らかで
あろう。
【００１０】図３は図２で示した同じプランジャ１４に
よって続いて別の装薬６を押圧している状態を示してい
る。
【００１１】図２及び図３に示すように、プランジャは
針入度針をぴったり収容する穴を有し、外径は空間１２
の径とほぼ同じである。
【００１２】装薬６及び７の押圧は装薬５の押圧で使用
した圧力と異なる圧力で実行することができる。
【００１３】各装薬６及び７は爆風薬又は焼夷弾薬であ
ってもよい。いかなる場合でも押圧は各装薬の全端面に
対して望ましい圧力又は力で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による発射体の実施例の縦断面図であ
る。
【図２】針入度針の一部分を取り囲む焼夷弾薬を押圧す
る押圧プランジャのシェル内への挿入を示す図である。
【図３】押圧された焼夷弾薬の前部に別の薬を押圧する
同じ押圧プランジャのシェル内への挿入を示す図であ
る。
【符号の説明】
１ 針入度針 ２ シェル ３ くぼみ ４ 環状端面 ５ 焼夷弾薬 ６、７ 装薬 ８ 支持円盤 ９ 穴 １０ 点火薬 １１ 先部分 １２ 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エイナー・ヴィラッセン ノルウェー王国 2830 ラウフォス，ハ レヴェイ ２ (56)参考文献 特開 昭63−131999（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−31297（ＪＰ，Ａ) 特開 昭42−4839（ＪＰ，Ａ) 特公 昭50−14840（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 針入度針１を収容するシェル２と、該針
    入度針が挿入された該シェルの底部のくぼみ３の前部に
    おいて針入度針の一部を取り囲む少なくとも１個の焼夷
    弾薬５とを有する多目的発射体において、 焼夷弾薬がその全断面にわたって十分に押圧されてお
    り、それによって焼夷弾薬が配置されたシェルの空間１
    ２は円筒形になり、その全長にわたって一定の径を有
    し、そして該空間の前端はそこに搭載した先部分１１に
    よって閉じられていることを特徴とする多目的発射体。
  2. 【請求項２】 請求項１記載の多目的発射体にして、 少なくとも１個の別の装薬６、７が前記焼夷弾薬５の前
    部で押圧されていることを特徴とする多目的発射体。
  3. 【請求項３】 針入度針と、該針入度針が挿入されたシ
    ェルの底部のくぼみの前部において針入度針の一部を取
    り囲む焼夷弾薬とを有した多目的発射体の製造方法にお
    いて、 針入度針の挿入に際し、焼夷弾薬５が一定の径の円形空
    間を有したシェル内に挿入され、それから空間の全横断
    面をほぼ覆う環状押圧面を有したプランジャ１４を、シ
    ェル２の開口端を通して空間の前端から挿入し、焼夷弾
    薬の横断面のほぼ全体を押圧することを特徴とする多目
    的発射体の製造方法。
  4. 【請求項４】 請求項３記載の多目的発射体の製造方法
    にして、 少なくとも１個の別の装薬６、７が前記焼夷弾薬５の押
    圧後に前記プランジャ１４を使用して押圧されることを
    特徴とする多目的発射体の製造方法。
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