JP2613926B2 - 排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化装置

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JP2613926B2 JP63210566A JP21056688A JP2613926B2 JP 2613926 B2 JP2613926 B2 JP 2613926B2 JP 63210566 A JP63210566 A JP 63210566A JP 21056688 A JP21056688 A JP 21056688A JP 2613926 B2 JP2613926 B2 JP 2613926B2
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    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は排ガス浄化装置に関し、詳しくは触媒毒を除
去するための高活性化アルミナ充填層と排ガス中の有害
物質を除去して浄化するための酸化触媒充填層とを分離
して設けて、触媒毒を含有する排ガスを効率よく浄化す
る排ガス浄化装置に関する。
(従来の技術) 近年、大気汚染防止あるいは悪臭除去のために、排ガ
スを接触的に処理して、大気汚染あるいは悪臭の原因と
なる排ガス中の有害物質、例えば有機酸製造プラントか
らの排ガスに含まれる有機酸、塗装焼付乾燥炉からの排
ガスに含まれるアルデヒドなどを除去して排ガスを浄化
する排ガス浄化方法が広く採用されている。
しかし、一般に、排ガス中には上記有害物質のほかに
ダスト、タール状物質、有機金属化合物、シリコン化合
物、リン化合物などが含有され、これらは排ガスの接触
処理に使用する酸化触媒にとって、触媒毒として作用
し、酸化触媒の性能ひいては触媒寿命を著しく低下させ
る原因となっている。特に、有機金属化合物、有機シリ
コン化合物、有機リン化合物などは、触媒毒としての影
響が著しい。例えば、有機シリコン化合物および有機リ
ン化合物は、塗料、インキなどの化学製品製造時の消泡
剤またはこれら製品の添加剤として、あるいはプラスチ
ックスなどの難燃剤として広く利用されているので、こ
れらを取り扱う発生源からの排ガス中には微量の有機シ
リコン化合物および有機リン化合物が含有されているこ
とが多い。排ガス中のこれら化合物は、排ガス処理用酸
化触媒上で酸化分解して触媒活性表面を被覆し、その触
媒活性を著しく低下させる。
このような触媒毒の除去方法として、例えば特開昭52
−138054号公報には吸着剤として活性炭、シリカゲル、
活性アルミナ、ゼオライトを用いる前処理方法が、また
特公昭61−20333号公報には、排ガスを予め150℃以上の
温度でアルミナ充填層に通す前処理方法が提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らの研究によれば、上記従来の前処理方法に
よっては触媒毒は充分に除去できず、酸化触媒の劣化ひ
いてはその寿命の低下を来し、実用化にはなお問題があ
ることが判明した。
また、アルミナ充填層を用いた前処理方法において
は、排ガス中に含まれるタール状物質のアルミナ充填層
における酸化分解が不十分であるため、このタール状物
質は、場合によっては有害物質などとともにアルミナ充
填層に吸着されて重合し、更に炭化してカーボンとして
蓄積される。このため、触媒毒、特に有機金属化合物、
有機シリコン化合物および有機リン化合物のアルミナ充
填層における吸着、除去が著しく低下して、アルミナ充
填層における触媒毒除去効果が著しく損なわれる。更
に、このように蓄積されたカーボンは、発火点が比較的
低いため、排ガス処理用酸化触媒充填層からの伝熱、装
置停止などによる蓄熱などによってアルミナ充填層が昇
温すると急激に発火、燃焼して、排ガス処理用酸化触媒
の熱劣化、装置の損傷など種々の問題を起こし、また安
全上も好ましくないことが判明した。
本発明は、上記問題点を解決し、触媒毒を含有する排
ガスを効率よく浄化する排ガス浄化装置を提供すること
を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、触媒毒を除去するための
高活性化アルミナ充填層と排ガス中の有害物質を除去す
るための酸化触媒充填層とを分離して設け、触媒毒を含
有する排ガスを先ず高活性化アルミナ充填層に通して触
媒毒を除去し、次いで実質的に触媒毒を除去した排ガス
を酸化触媒充填層に通すと一段と効率よく排ガスを浄化
できるとともに、カーボンやタール状物質の蓄積、燃焼
も充分防止できることを知り、この知見に基づいて本発
明を完成するに到った。
即ち、本発明は、触媒毒を含有する排ガスを接触処理
して浄化する装置であって、(A)触媒毒を除去するた
めの、比表面積が50〜500m2/gの範囲にある活性アルミ
ナに少なくとも一種の貴金属を0.05〜2重量%(活性ア
ルミナ基準)の割合で担持してなる高活性化アルミナ充
填層と、(B)上記高活性化アルミナ充填層との間に10
〜200mmの間隙をおいて設けてなる、排ガス中の有害物
質を除去するための酸化触媒充填層とからなることを特
徴とする排ガス浄化装置を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する、触媒毒を除去するための高活性化
アルミナ充填層の高活性化アルミナとは、比表面積が50
〜500m2/gの範囲にある活性アルミナに少なくとも一種
の貴金属(例えば、白金、パラジウム、銀)を0.05〜2
重量%(活性アルミナ基準)の割合で担持したものであ
る。アルミナとしては、一般に使用されているアルミ
ナ、例えばα−アルミナ、γ−アルミナなどの活性アル
ミナを使用することができる。その比表面積は50〜500m
2/gの範囲にある。触媒成分の担持量は、アルミナの重
量基準で0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%で
ある。触媒成分の担持量が0.05重量%未満では触媒毒お
よびタール状物質を充分に除去できない。一方、排ガス
に含有される触媒毒およびタール状物質は微量であるこ
とから、触媒成分を2重量%を超えて使用する必要はな
く、逆に高価な触媒成分の使用によって高活性化アルミ
ナの価格が上昇して経済的に不利になる。
上記高活性化アルミナの調製方法には特に制限はな
く、この種触媒の調製に一般に使用されている方法によ
って調製することができる。その形状は、球状、円柱
状、ハニカム状などのいずれでもよく、またその大きさ
も、例えば球状の場合には2〜8mm(粒径)程度、円柱
状の場合には1〜5mm(直径)×3〜8mm(高さ)程度で
よい。
なお、本発明で使用する高活性化アルミナとしては、
アルミナ粒子全てに上記範囲内の量の触媒成分を担持さ
せたものが均一な触媒毒除去反応を達成できるという点
において好ましいが、許容し得る程度の均一な触媒毒除
去反応が行える限り、触媒成分高濃度担持アルミナと触
媒成分低濃度担持アルミナもしくは触媒成分無担持アル
ミナとを全体としての触媒成分担持量が上記範囲内にな
るように均一に混合して使用することもできる。
高活性化アルミナ充填層の使用によって、通常のアル
ミナ充填層に比較して、触媒毒の酸化分解が促進され一
層効率的に触媒毒を除去することができる。また、カー
ボン発生の原因となるタール状物質の酸化分解も効率よ
く達成することができる。
また、排ガス中の有害物質を除去するための酸化触媒
充填層の酸化触媒としては、有害物質を酸化除去し得る
触媒ならばいずれも使用可能であり、具体的には排ガス
の接触処理用酸化触媒として一般に使用されている、白
金、パラジウム、銀などの貴金属および鉄、マンガン、
クロム、銅、ニッケル、コバルトなどの重金属の酸化
物、例えばFe2O3、MnO2、Mn2O3、Cr2O3、NiO、CoO、Co3
O4、CuOなどから選ばれた少なくとも1種をアルミナな
ど適当な担体に担持したものを使用することができる。
触媒の担持量は、通常、担体の重量基準で0.1〜2重量
%程度である。担体の形状については、上記高活性化ア
ルミナで使用するアルミナと同様に、特に制限はなく、
球状、円柱状、ハミカム状などのいずれでもよく、また
その大きさも上記高活性化アルミナに関して述べた範囲
内で適宜決定することができる。なお、酸化触媒は上記
高活性化アルミナで使用する触媒成分と同一でも、ある
いは異なっていてもよく、浄化する排ガス中の有害物質
の種類などに応じて適宜決定することができる。
本発明では、上記高活性化アルミナ充填層と酸化触媒
充填層とを10〜200mmの間隙をおいて設ける。上記間隙
が10mm未満では蓄積されたカーボンやタール状物質の発
火、燃焼を充分防止できず、一方、200mmを超える間隙
を設けても、これ以上の発火、燃焼の防止効果を期待で
きない。
本発明の排ガス浄化装置においては、高活性化アルミ
ナ充填層と酸化触媒充填層とを上記範囲の間隔をおいて
設けてあるので、酸化触媒充填層からの伝熱による高活
性化アルミナ充填層の昇温が防止され、上記特公昭61−
20333号公報記載の前処理方法の実施の際に生じる、ア
ルミナ層におけるカーボンやタール状物質の発火、燃焼
を効果的に防止することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、種々の排ガスに適用可能
であり、具体例としては、塗装焼付乾燥炉からの有機溶
媒、アルデヒドなどを含有した排ガス、金属印刷、カラ
ー鉄板製造乾燥炉からのキシレンなどを含有した排ガ
ス、接着剤塗布乾燥炉からのトルエンなどを含有した排
ガス、粘着テープ製造などの乾燥炉からの酢酸エステル
などを含有した排ガス、オフセット印刷乾燥炉からのナ
フサなどを含有した排ガス、難燃性樹脂製造工程あるい
は石炭−重油混合燃料製造工程からの排ガスなどを挙げ
ることができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1 排ガス中の有害物質を除去するための酸化触媒とし
て、平均粒径5mmΦの粒状γ−アルミナ(比表面積250m2
/g)に白金を0.25重量%担持させた酸化触媒を使用し、
この酸化触媒2m3を反応器に充填して層長100mmの酸化触
媒充填層を形成した。一方、触媒毒を除去するための高
活性化アルミナとして、平均粒径3.2mmΦのγ−アルミ
ナ(比表面積250m2/g)にパラジウムを0.2重量%担持さ
せた高活性化アルミナを使用し、この高活性化アルミナ
2m3を、上記酸化触媒層の前段に80mmの間隙を設けて充
填し、層長100mmの高活性化アルミナ充填層を形成し、
排ガス浄化装置とした。
難燃性樹脂積層板製造工程から排出される、触媒毒と
しての有機リン化合物、タール状物質100〜200mg/Nm3
よびメタノール1,700ppmを含有する排ガスを上記排ガス
浄化装置に高活性化アルミナ充填層入口温度280℃、酸
化触媒充填層出口温度550±20℃および空間速度(SV)2
0,000hr-1の条件下に通した。
反応開始時のメタノール浄化率(除去率)は99.9%で
あり、また3ケ月経過後のメタノール浄化率も99.8%で
あり、触媒劣化は殆ど認められなかった。更に3ケ月経
過後、反応を一時中断し、高活性化アルミナ充填層およ
び酸化触媒層のカーボンの付着状況を調べたが、カーボ
ンの付着は殆ど認められなかった。
比較例1 実施例1において、高活性化アルミナ充填層の代わり
に平均粒径3.2mmΦのγ−アルミナ(比表面積250m2/g)
充填層を酸化触媒充填層との間に間隙を設けずに形成し
た以外は実施例1と同様にして排ガス浄化試験を行っ
た。なお、アルミナ充填層と酸化触媒充填層との間には
SUS製金網を設けた。
反応開始後1ケ月後に、酸化触媒充填層出口温度が異
常に上昇するのが認められたので、反応を停止して装置
内部を点検したところ、アルミナ充填層におけるγ−ア
ルミナのシンタリングおよびアルミナ充填層と酸化触媒
層との間に設けたSUS製金網の焼損による破損が発見さ
れた。
アルミナ充填層中のシンタリングしていないγ−アル
ミナを分析したところ、γ−アルミナの重量基準で6〜
8重量%(炭素換算)のカーボンやタール状物質が付着
していた。示差熱分析によれば、上記カーボンやタール
状物質の発火温度は350〜400℃であった。
以上の結果から、アルミナ充填層ではタール状物質は
充分分解されずに徐々に炭化、蓄積され、一方酸化触媒
充填層でのメタノールの燃焼熱がアルミナ充填層と酸化
触媒充填層との接触面を介して伝熱、輻射などによって
アルミナ充填層に移動し、多量に蓄積していたカーボン
やタール状物質の発火を誘引し、アルミナのシンタリン
グおよびSUS製金網の熱損を引き起こしたものと推定さ
れる。
比較例2 実施例1において、高活性化アルミナ充填層の代わり
に平均粒径3.2mmΦのγ−アルミナ(比表面積250m2/g)
充填層を酸化触媒充填層との間に80mmの間隙を設けて形
成した以外は実施例1と同様にして排ガス浄化試験を行
った。
反応開始時のメタノール浄化率は99.9%であり、3ケ
月経過後のメタノール浄化率は99.5%であった。なお、
3ケ月経過後のアルミナ充填層にはカーボンやタール状
物質の付着が認められ、タール状物質はアルミナ充填層
では完全に分解除去されず蓄積されていることが判っ
た。
(発明の効果) 本発明の排ガス浄化装置においては、高活性化アルミ
ナ充填層において触媒毒を効率よく除去できるので、有
害物質の除去に使用する酸化触媒の被毒による劣化を防
止することができる。特に、高活性化アルミナ充填層の
使用により、従来のアルミナ充填層に比較して、触媒毒
およびタール状物質を一段と効果的に除去することがで
きる。これによって、酸化触媒の被毒を防止し、その性
能を長時間維持することができ、この触媒寿命の延長に
よって、酸化触媒の取替え間隔を大幅に延長できるとい
う大きな経済的利益を得ることができる。
更に、本発明の排ガス浄化装置においては、高活性化
アルミナ充填層と酸化触媒充填層とを分離して設けてあ
るので、高活性化アルミナ充填層におけるカーボンの発
火、燃焼が防止可能となり、カーボンの発火、燃焼によ
る触媒の劣化、装置の損傷など種々の問題を解決するこ
とができる。
従って、本発明の排ガス浄化装置は排ガス技術分野に
おいて極めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 和良 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社触媒研 究所内 審査官 野田 直人 (56)参考文献 特開 昭55−137030(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒毒を含有する排ガスを接触処理して浄
    化する装置であって、 (A)触媒毒を除去するための、比表面積が50〜500m2/
    gの範囲にある活性アルミナに少なくとも一種の貴金属
    を0.05〜2重量%(活性アルミナ基準)の割合で担持し
    てなる高活性化アルミナ充填層と、 (B)上記高活性化アルミナ充填層との間に10〜200mm
    の間隙をおいて設けてなる、排ガス中の有害物質を除去
    するための酸化触媒充填層と からなることを特徴とする排ガス浄化装置。
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