JP2613723B2 - 屋根材一体型太陽電池及びその設置方法 - Google Patents

屋根材一体型太陽電池及びその設置方法

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JP2613723B2 JP4289139A JP28913992A JP2613723B2 JP 2613723 B2 JP2613723 B2 JP 2613723B2 JP 4289139 A JP4289139 A JP 4289139A JP 28913992 A JP28913992 A JP 28913992A JP 2613723 B2 JP2613723 B2 JP 2613723B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば体育館の屋根等
に設置される屋外設置型太陽電池モジュールに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、太陽電池は、クリーンで非枯
渇性のエネルギー供給源として汎用されており、また、
それ自体の開発研究も多種多様に行われているが、太陽
電池の使用形態についても、例えば家屋の屋根等に設置
して使用でき、かつ、屋根材として兼用できる屋根材一
体型の太陽電池モジュールの開発がなされている。
【0003】(太陽電池モジュール同士の接合につい
て)図6は、かかる屋根材一体型太陽電池モジュールに
おける、モジュール間の電気的接続を行う手法の一例を
示したものである。これによれば、太陽電池モジュール
18、19は、屋根を構成する野地板Y上に載置された
基板20上に太陽電池素子21を直列接続して成り、透
光性の高分子樹脂から成る封止材22によって封止され
ている。なお、太陽電池素子18の正極側からは凸状の
正極端子23が封止材の外側に突出するように設けられ
ている。また、太陽電池素子19の負極側からは凹状の
負極端子24が封止材22及び基板20を貫通するよう
に設けられている。
【0004】このように太陽電池モジュールを構成した
場合、該モジュール上に降った雨は矢印Dに示すように
野地板Yの勾配に沿って封止材22上を流れるので、屋
根Yを介しての建物内への雨水の侵入阻止するようにし
ている。
【0005】図7は、両モジュール18、19同士の接
続部の拡大して示すものである。 (軽量太陽電池モジュールについて)一方、透光性の高
分子樹脂から成る封止材22によって封止された太陽電
池モジュールは、全高が厚く比重が大きい結晶系の太陽
電池モジュールに比ベて、全重量が軽量であるので、例
えば図14、図15に示すように、モジュール33の端
部を架台を構成する金属製の棒材34にボルト35で固
定するという簡易な設置手段を採用している。
【0006】(可撓性太陽電池モジュールについて)他
方、アモルファスシリコン太陽電池、結晶薄膜太陽電池
等については、ステンレス等の可撓性を有する基板上に
設けられた薄膜の太陽電池素子を高分子樹脂で密封する
等に作製された太陽電池モジュールは、薄くて軽く、さ
らに可撓性を有する。
【0007】図20は、その一例を示すものであり、可
撓性のステンレス基板上に設けられたアモルファスシリ
コン太陽電池素子91は、スパッタリング等の手法によ
り形成した金属層、プラズマCVD等の方法によりn、
i、pを順に形成したアモルファスシリコン半導体層、
抵抗加熱蒸着法等により形成した透明電極層をその順序
で積層したものである。ここで、前記透明電極層上に
は、スクリーン印刷法によって銀ペースト等の多数条の
細長状の集電電極92が互いに平行に形成されており、
各集電電極92は、その長手方向中央位置であってかつ
該長手方向と直交する方向を長手方向とするバスバー電
極93に導電性接着剤94を介して接着され、互いに電
気的に接続されている。
【0008】また、前記透明電極層の周縁には、太陽電
池素子の正極と負極との分離、すなわち透明電極層とス
テンレス基板の分離を確実に行うべく該透明電極層を剥
離した電極分離部95が設けられている。さらに、該電
極分離部95の外周側の一部には、前記可撓性ステンレ
ス基板をグラインダー等により露出させたステンレス露
出部96が形成されている。そして、該ステンレス露出
部96には外部回路との接続を図る電極(負極)として
の金属箔97がスポット溶接によって取り付けられてい
る。
【0009】他方、前記バスバー電極93の一端は、ア
モルファスシリコン太陽電池素子9lの外側に突出し、
該突出部分には金属箔98の端部がハンダ99を介して
取り付けられ、外部回路との接続を図る電極(正極)と
している。なお、該金属箔98が接続された側のバスバ
ー電極93と太陽電池素子91の周縁部との間にはポリ
エステルテープ等の絶縁材100が介在しており、該バ
スバー電極93と透明電極層の周縁部との短絡を防止を
図るようにしている。
【0010】図21は、このように構成された太陽電池
素子91を示すものであり、該太陽電池素子91は、受
光面側と裏面側とにフッ素樹脂等の耐候性樹脂フィルム
101、102が配され、その間の隙間はEVA等から
成る充填材103で樹脂封止されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】(太陽電池モジュール
の接合部における外的ストレスの問題)しかしながら、
上記従来例に示すようなモジュール間を接続する手法に
おいては、モジュール同士を接合する際に、その接合面
間への砂等の異物Gの挿入、基板20の平面度の悪さ等
の原因により、該接合面の全部又は一部に広がる挟小な
隙間Eが形成される場合がある。かかる隙間Eが形成さ
れると、毛細管現象により、該隙間Eを伝って雨水が浸
入し、これが電極端子23、24の接続部分まで達する
ことがある。これは、漏電の発生原因となるもので放置
することは望ましくなく、ひいては太陽電池の損傷を招
くという問題がある。
【0012】かかる問題を防止するべく、例えば前記隙
間Eへの雨水の浸入を防ぐためのシール材を封入すると
いう手段が考えられるが、かかる手段によると、屋根Y
の上でモジュール間の接続作業を行った後に、モジュー
ル間の接続部にシール材を封入するという作業を行うこ
とになり、作業性が著しく悪く、また、モジュールのメ
ンテナンス時等、モジュール間の接続を離す場合には必
ずシール材を破壊しなければならないという問題があ
る。加えて、シール材を用いるので、その分確実にコス
ト高になってしまう。
【0013】(太陽電池モジュールの波打ちについて)
図14に示すような軽量太陽電池モジュールを固定設置
する場合、モジュール単体では充分な剛性を有せず、図
15に示すように、例えばモジュール面中央部におい
て、風圧等による矢印C方向の力を受けると、モジュー
ル30は矢印d及び矢印e方向にのみ作用する力で支持
されているに過ぎないので、面振動を起こしてこれに伴
う波打ち音を発生させ、この音が周辺に伝搬して居住者
に不快感を与えるという問題があった。
【0014】(非可撓性集電電極の剥離について)他
方、図20、図21に示すような太陽電池モジュールの
構成では、集電電極がステンレス基板に比べて比較的剛
性が大きいものから成る場合、該太陽電池素子91の集
電電極92についてその長手方向に対してモジュール面
を貫通する方向に沿って(図20の矢印H方向に沿っ
て)曲げる力が作用すると、該集電電極92はステンレ
ス基板の変形に追従した曲げ変形がなされないので、ス
テンレス基板から剥離してしまうという問題がある。
【0015】かかる問題を解決するべく、集電電極を十
分な可撓性を有する材料で形成することも考えられる
が、コストや電気的損失を考慮しつつ集電電極のみの剥
離を回避することができない場合が多い。
【0016】本発明は、上記従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、モジュール間の電気的接続部分
を防水性に優れた太陽電池モジュールを提供することを
目的とするものである。
【0017】また、本発明は、面振動による不快音の発
生を防止し得るようにした太陽電池モジュ―ルを提供す
ることを目的とする。
【0018】さらに、本発明は、集電電極の剥離を防止
できる太陽電池モジュールを提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1に係る発明は、隣接する太陽電池モジュール
気的及び機械的に接合する少なくとも一方の太陽電池モ
ジュールの接合端部が、基板折曲部と、絶縁部材から成
る接続部材と、該接続部材内に設けられる電極端子とか
ら成り、当該接合端部と隣接する他の太陽電池モジュー
ルの接合端部とを機械的に連結したとき、それぞれの太
陽電池モジュールの基板及び基板折曲部により形成され
空間内に接合端部の接合部材が配置されており、か
つ、該接合部材の内部でそれぞれの電極端子が電気的に
接続するように構成したことを特徴とする屋根材一体型
太陽電池である。ここで、屋根材一体型太陽電池とは、
太陽電池を屋根材に架台を介さずに直接固定した太陽電
池モジュールを複数接続した状態のものをいう請求項
3に係る発明は、接合端部が、基板折曲部と、絶縁部材
から成る接続部材と、該接続部材内に設けられる電極端
子とから成る太陽電池モジュールに対し、隣接する太陽
電池モジュールを、それぞれの太陽電池モジュールの基
板及び基板折曲部により空間ができるように配置し、次
いで、絶縁部材同士を機械的に連結するとともに電極端
子同士を接続し、これによりそれぞれの太陽電池モジュ
ールの基板及び基板折曲部により形成される空間内に接
合端部の接合部材が配置され、かつ、該接合部材の内部
でそれぞれの電極端子を電気的に接続することを特徴と
する屋根材一体型太陽電池の設置方法
【0020】
【0021】基板上に積層される半導体層としては、好
ましくは薄膜のアモルファスシリコンであるが、他の製
法によるアモルファスシリコン、単結晶、多結晶のシリ
コン、さらには、CuInSe2 、CdSなどの化合物
半導体も適用できる。
【0022】次に、本発明に係る太陽電池モジュールの
材料に付いて述べる。
【0023】まず、基板の材料としては、金属、プラス
チック、セラミック、ガラス、カーボンファイバー、コ
ンクリートなどが好適である。
【0024】コネクタ部を構成する囲繞部のゴム材料に
はシリコーンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴムなどが好適
である。
【0025】コネクタ部を構成する電極端子材料として
は、ばね性を有し、導電性の良い材料が好ましく、銅ク
ラッドステンレス材が好ましいが、アルミニウム、アル
ミニウム合金、銅合金などの他の金属及び合金材料等も
好適である。
【0026】本発明に係る太陽電池モジュールにおい
て、太陽電池素子の絶縁、封止、保護を行うための部材
の材料としては、透光性を有し紫外線やオゾンに対して
安定で耐候性を有するものが好適である。具体的には、
例えばフッ素樹脂フィルム/エチレンー酢酸ビニル共重
合体の二層構造のもの(この場合、光入射側はフッ素樹
脂フィルム)、エチレン−酢酸ビニル共重合体の上にガ
ラスを載せたもの、シリコーン樹脂、フッ素樹脂塗料等
である。
【0027】次に、本発明のモジュール間接続の固定手
段としては、市販の樹脂製のファスニング部品、あるい
は、それを本発明のモジュールに適合するように改良し
たものを、前記電気的接続手段と併設するように構成し
たものが挙げられる。また、他の固定手段としては、モ
ジュール間の接続固定を目的とするのではなく、各モジ
ュールを屋根構造材にそれぞれ固定することによって、
モジュール間の接続固定の機能を果たすような構成とし
たものが挙げられる。
【0028】
【作用】請求項1及び請求項2の構成の場合、互いに接
合されるべき太陽電池モジュールの接続時には、各モジ
ュールに対応する夫々のコネクタは、巴状に連結され、
基板及びその端部により囲まれた空間に配されることに
なる。従って、該コネクタ部が雨、風に直接的に曝され
ることはなく、通常、コネクタ部に雨水等の液状物や雹
霰等の固形物が侵入するようなことはない。
【0029】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面を
参照しながら説明する。
【0030】(実施例1)図1に示すように、野地板1
1上に設置された太陽電池モジュール1a及び1bは、
その接合端部同士を機械的及び電気的に接続した。
【0031】両モジュール1a及び1bは構造的には同
様な構成としたが、まず、一方のモジュール1aの構成
を中心に説明すると、基板2a上に設けられる太陽電池
素子4aは、高分子樹脂から成る封止材5aにより封止
され、該封止材5aの表面は透光性の耐候性樹脂から成
る保護膜6aで覆った。基板2aの端部には、略直角に
曲げられた折曲部3aを形成した。
【0032】該基板2aは、屋根材として一般によく用
いられている亜鉛鋼板を用い、封止材5aとしては、E
VA(酢酸ビニルアセテート)を、保護膜6aとしては
汚れ難いフッ素樹脂シートを使用した。
【0033】前記基板2aの折曲部3aには、その裏面
側に電気的接続手段であって断面略コ字状に形成された
コネクタ7aを接着した。該コネクタ7aは、弾性ゴム
体から成る接続部材(囲繞部)8aと金属の板ばねから
成る電極端子9aにより構成した。該電極端子9aに
は、太陽電池素子4aの負極側から延びるフラットケー
ブル10aを接続し、従って電極端子9aはモジュール
1aの負極端子とした。
【0034】次に、他方のモジュール1bについては、
前記電極端子9aと同様な電極端子9bに、太陽電池素
子4bの正極側から延びているフラットケーブル10b
を接続し、従って電極端子9bはモジュール1bの正極
端子とした。
【0035】本実施例は上記のように構成されているの
で、両モジュール1a、1bの接続時には、コネクタ7
a、7b同士は巴状に連結され、負極側電極端子9aの
先端部が上方に湾曲し、正極側電極端子9bが進入した
際に、その先端部を好便に下方に逃がしつつ押さえるよ
うにした。これにより、両電極端子9a、9bは互いに
上下方向に押し合うことにより、確実に接触するように
した。
【0036】この場合、図1から理解できるように、コ
ネクタ7a及び7bは、基板2a及び2bの端部3a、
3bにより囲まれた空間に設けられることになり、雨、
風に直接的に曝されることはなく、通常、コネクタ部に
雨水等の液状物や雹霰等の固形物が侵入するようなこと
はない。従って、屋外設置時においても、漏電や太陽電
池の損傷という事故を未然に防止することができる。
【0037】上記構成に基づく作用は、コネクタ部への
いわば静的な雨水侵入防止を中心として説明したが、次
に、動的及び強制的な雨水侵入防止について説明する。
【0038】例えば強風を伴った雨水、あるいは、図2
に示すように、落下した木の枝等の浮遊的静止物体12
が折曲部3aと細隙を介して対向するように存在するよ
うな場合、矢印Aに示すように雨水の侵入は次のように
防止できる。
【0039】図1に示すように、コネクタ7aと7bの
接続状態においては、各囲繞部8aと8bの対向する開
口側端部同士は突き合った状態となっている。該囲繞部
8a及び8bはゴム材から成るので、その突き合った端
部近傍はその接触圧力で変形し、該接触面は強く密着し
たものとなる。
【0040】従って、折曲部3a、3bで囲まれた空間
内への雨水侵入が生じても、囲繞部8aと8bにより形
成された囲繞空間、換言すれば電極端子9a、9bを浸
水するような事態はなくなる。
【0041】本実施例のように、隣接する太陽電池モジ
ュールの接合端部においては、種々の態様の雨水であっ
ても、電極端子への侵入を防止することができるので、
これを原因とする漏電及び太陽電池の劣化、損傷を防ぐ
ことができる。
【0042】すなわち、本実施例の構成では、ゴム材の
劣化要因となる太陽光、雨、風等外的ストレスたる擾乱
要因が直接にコネクタ部に侵入することはないので、こ
れら外的ストレスたる擾乱要因が直接侵入する場合と比
べて、寿命が極端に延びる。また、強風等により小石や
砂等の固形物が飛来した場合にも基板の折曲部3a、3
bによって保護されているので、損傷を受けたりする心
配がない。
【0043】以上本実施例の説明においては、建物の屋
根に設置し、屋根材としての機能も有する屋根材一体型
太陽電池モジュールを想定した。すなわち、図1に示す
ように、モジュールの下方側には屋根の構造材である野
地板11が敷設されているので、該野地板側からの外的
ストレスを考慮する必要がない。その意味の限りにおい
ては、太陽電池モジュール2bの基板折曲部3bの有用
性は発揮されない。
【0044】ただし、例えば図3に示すように、太陽電
池モジュール1a及び1bを設置用架台30上に設置す
るような形態で使用する場合、架台30の下方側から外
的ストレスが付加されるようになるので、前記折曲部3
bは該下方側からの外的ストレスに対する保護部材とし
機能する。
【0045】(実施例2)図4は、本発明の第2の実施
例を説明するものである。
【0046】本実施例は、接合される両太陽電池モジュ
ール1a、1bのうち、一方の太陽電池モジュール1b
の基板折曲部14bをコネクタ7bから相当距離だけ離
間させるように構成したものであり、太陽電池モジュー
ルが設置される面側、すなわち基板2bが直接的に接す
る側の屋根構造材40が外的ストレスへの耐性が強いも
のから成る場合に適用されるようにした。
【0047】なお、本実施例における基板折曲部14b
は、第1の実施例の基板折曲部3bに比べて立ち上がり
部分が短く形成されている一方、コネクタ部7bの囲繞
部8bはその一端を基板2bに接触させるように固定し
た。他の構成は上記第1の実施例と同様であるので重複
した説明を省略する。
【0048】従って、矢印Bで示す雨水が基板折曲部3
aの下方と太陽電池モジュール1bの隙間から侵入した
場合にも囲繞部8bに遮られるので、それを超えて雨水
が構造材40下方の建物内部に漏れ出すようなことはな
い。基板折曲部14bはさらに万が一のための侵入防止
手段である。
【0049】(実施例3)次に、本発明の第3の実施例
について図5に基づいて説明する。
【0050】本実施例は、接合される両太陽電池モジュ
ール1a、1bの基板2a、2bの接合端部を夫々U字
状に折曲して基板折曲部31a、31bとし、両部を巴
状に組み合わせた。両折曲部31a、31bの内側に夫
々配されたコネクタ15a及び15bは、例えばABS
樹脂から成る断面コ字状の囲繞部17a、17bと該囲
繞部17a、17bの対向する開口側先端側に夫々接着
され弾性ゴムから成る接触触部16a、16bにより構
成した。他の構成は上記第1の実施例と同様である。
【0051】かかる構成とすると、例えば、設置された
太陽電池モジュール上を人が通過したような場合のよう
に、矢印Cに示す方向の力が加わった場合、基板折曲部
31a、31bがU字状に折曲され、しかもコネクタ部
の囲繞部17a、17bが剛体から成るので、上記第1
及び第2の実施例に比べてコネクタ部の損傷の程度を低
減できる。
【0052】(実施例4)図8に示すように、本実施例
に係る太陽電池モジュール40は、ステンレス基板上に
アモルファスシリコン半導体層を積層して成るアモルフ
ァスシリコン太陽電池素子41と、該太陽電池素子41
の受光面側の被覆材としてのフッ素樹脂シート42と、
封止材としてのEVA(酢酸ビニルアセテート)43
と、モジュール裏面側のナイロンシート44とから成る
ものである。
【0053】前記封止材43におけるナイロンシート4
4側の中央部には、例えば厚みが0.3mmの鋼板から
成る吊下支持部材45を埋設し、該吊下支持部材45に
は継手部材47を固定し、該継手部材47はEVA43
及びナイロンシート44を貫通して太陽電池モジュール
40の裏面側に突出させた。一方、細い鋼棒材の先端側
に環状部を折曲加工し、かつ、基端側に雄ネジを形成し
た懸架部材46を設け、該懸架部材46の基端側を前記
継手部材46に螺着させた。モジュール40の両端部に
は、ハトメ部48が設けられており、モジュール40は
該ハトメ部48に挿通されるボルト51(図10参照)
により架台側の固定部材49(図9参照)に固定するよ
うにした。
【0054】本実施例はこのように構成されているの
で、図9に示すように(矢印A方向が受光面側であ
る)、懸架部材46にワイヤー50を挿通し、該ワイヤ
50の両端を不図示の架台側の部材に固定した。これに
より、モジュール40がモジュール裏面側に引っ張ら
れ、もって、図10に示すように、モジュールは受光面
側を凹にした状態で湾曲し、矢印a、b、cで示す力が
釣り合った状態で支持されるようになる。このため、モ
ジュールの面振動が抑制され、波打ち音を防止すること
ができる。
【0055】なお、本実施例においては、懸架部材46
にワイヤー50を懸架してモジュール面を下側に引っ張
る構成としたが、それ以外の構成としては、例えば懸架
部材46の環状部分を他の部材により把持したり、ある
いは、該環状部分に棒材を貫通させたり、さらには、懸
架部材46に代えて他の部材を継手部材8に螺合させる
構成としてもよい。要するに、モジュール40の裏面側
を図10で示すような矢印cの力を常時加える手段を講
じれば良い。
【0056】また、本実施例においては、懸架部材46
をモジュール裏面側中央部に1個設けたが、必要に応じ
て複数個設けるようにしてもよい。
【0057】(実施例5)図11は、第5の実施例の構
成を示すものであり、本実施例は上記第4の実施例にお
ける懸架部材46等に代えてモジュール40の裏面側に
金属補強板(本実施例においては厚さ0.3mmの亜鉛
鋼板を用いた)53を設け、かつ、該金属補強板53の
略中央の一部を切り起こしてクランク状に折曲した引き
下げ部材52を設ける構成としたものである。この場
合、モジュール40の裏面側は該金属補強板53により
ある程度の剛性を持たせた。
【0058】図12に示すように、前記引き下げ部材5
2は、その折曲部分のうちモジュール面に直交する部分
には貫通孔54を形成し、該モジュール面に平行な部分
にはバーリング加工が施されかつ内面に雌ネジが刻設さ
れた係止孔55を形成した。
【0059】該金属補強板53は封止材43等と一体的
に形成したが、他の構成部分について上記第4の実施例
と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0060】本実施例のように構成すると、ワイヤー5
0を貫通孔54に挿通させてその両端部を不図示の架台
側の部材に固定することにより、モジュール40が下方
に引っ張られる。このため、上記第4の実施例で説明し
たのと同様に、モジュールの波打ち音を防止できる。こ
のように、引き下げ部材52は、金属補強板12の一部
を切り起こすだけで形成されるので、新しく部材を設け
る場合に比ベコスト面で有利である。
【0061】ここで、引き下げ部材52は、金属補強板
53の全体の面積に占める割合が少なので、金属補強板
53の本来の目的であるモジュールの剛性保持に影響を
与えることはない。
【0062】なお、本実施例においては、貫通孔54に
ワイヤー50を挿通し、もってモジュールを裏面側に引
っ張る構成とした、引き下げ部材52を他の部材で把持
したり、あるいは、バーリング加工された係止部55に
他の部材を螺合することにより、モジュールを裏面側に
引っ張る構成としても良い。また、本実施例において
も、引き下げ部材52は、必要に応じて複数個設けるよ
うにしてもよい。
【0063】(実施例6)図16、図17に示すよう
に、太陽電池モジュール71におけるバスバー電極73
の長手方向の両端側、すなわち並列した多数条の集電電
極72の長手方向と直交する方向の両端側には、例えば
アルミニウム等の剛体から成る断面コ字状の補強部材8
4が耐候性樹脂フィルム81、83の端縁部に沿うよう
に固着した。
【0064】該補強部材84は金属製で断面がコの字状
に形成されているので、少なくともステンレス基板を撓
ませる程度の力が補強部材84に作用しても補強部材8
4自体が撓むようなことはない。また、補強部材84は
太陽電池モジュール71の端部を保持するようにモジュ
ールと一体的に設けられるので、モジュール全体として
も、補強部材84の長手方向に直交する方向に力が作用
しても撓むようなことはない。
【0065】従って、集電電極72が非可撓性材料で形
成された場合でも集電電極が太陽電池素子基板から剥離
することはない。
【0066】因みに、本実施例の場合、前記ステンレス
基板は厚さ0.13mm程度のものを用い、充填材82
についてもEVA(酢酸ビニルアセテート)等からなる
可撓性を有するものを用いたので、前記補強部材84の
取付けを省略するとモジュール全体が撓み易くなる。
【0067】図16、図17中、74は導電性接着剤、
75は電極分離部、76はステンレス露出部、77は負
極の金属箔、78は正極の金属箔、79はハンダ、80
はポリエステルテープ等の絶縁材である。
【0068】図18は、本実施例に係る太陽電池モジュ
ール71を体育館等の建築物によく見られるアーチ状の
屋根に適用した場合の設置状態を示すものである。同図
に示すように、前記補強部材84をその長手方向が水平
梁方向に沿うように設置することにより、両補強部材8
4の間の基板は屋根の湾曲方向に沿っては可撓性を有す
るので、屋根面形状との調和を取りつつ太陽電池モジュ
ールの設置が行える。
【0069】なお、付言すると、集電電極の長手方向に
直交する方向、すなわち図18に示す矢印A方向につい
ての可撓性は必要なく、むしろ補強部材84による剛性
を有した方が屋根への固定に際しては便利である。この
ように、太陽電池モジュールを実際に設置する際、モジ
ュールの可撓性については、モジュール面の2次元方向
のいずれの方向にも十分な可撓性が要求されることは少
なく、l方向にのみ十分な可撓性を有すればよい。
【0070】(実施例7)本実施例は、図19に示すよ
うに、モジュール裏面側に金属補強部板85(本実施例
においては厚さ0.3mm程度の亜鉛鋼板を用いた)を
設け、かつ、該金属補強板85における集電電極72の
長手方向に沿う両端部を断面コの字状に折曲した。
【0071】該金属補強板85の折り曲げ部は、その長
手方向に対して直交する方向については可撓性を有しな
いので、モジュール全体としても、モジュール面を貫通
する方向に作用する力が働いても非可撓性材料から成る
集電電極72が撓んで基板から剥離することはない。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、雨水、風雨等の液体の侵入による漏電や雹霰等
固形物の飛来による太陽電池本体の損傷や太陽光等の侵
入による劣化を防止することができる。
【0073】請求項2の発明によれば、水分の侵入によ
り確実に防止することができる。
【0074】請求項3の発明によれば、雨水、風雨等の
液体の侵入による漏電や雹霰等固形物の飛来による太陽
電池本体の損傷や太陽光等の侵入による劣化を防止する
ことができる屋根材一体型太陽電池を設置することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る太陽電池モジュー
ルの構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施例において、モジュールの接合部近
傍に固形物が停留した状態を示す断面図である。
【図3】第1の実施例を架台上に設置した状態を示す斜
視図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る太陽電池モジュー
ルを示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例に係る太陽電池モジュー
ルを示す断面図である。
【図6】従来の太陽電池モジュールの一例を示す断面図
である。
【図7】図6に示す従来の太陽電池モジュールの電気的
接続部を拡大した詳細を示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係る太陽電池モジュー
ルの構成を示す断面図である。
【図9】第4の実施例の太陽電池モジュールの設置状態
を示す斜視図である。
【図10】図9に示す状態を一端方向から見た側面図で
ある。
【図11】第5の実施例に係る太陽電池モジュールの一
の端部から見た側面図である。
【図12】図11に示す太陽電池モジュールの下方から
見た斜視図である。
【図13】第5の実施例の金属補強板の切り起こし部の
部分拡大図である。
【図14】従来の太陽電池モジュール設置例の一例を示
す斜視図である。
【図15】従来例における面振動状態を説明するもので
あり、図14のDーD’線に沿う側面図である。
【図16】本発明の第6の実施例に係る太陽電池モジュ
ールの上部樹脂板を除いた状態の平面図である。
【図17】図16のFーF’線に沿った断面図である。
【図18】第6の実施例に係る太陽電池モジュールをア
ーチ状屋根に設置した状態を示す斜視図である。
【図19】第7の実施例に係る太陽電池モジュールの構
成を示す断面図である。
【図20】従来の太陽電池モジュールの一例を示す平面
図である。
【図21】従来の太陽電池モジュールの一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1a、1b 太陽電池モジュール、 2a、2b 基板、 3a、3b14b 基板折曲部、 4a、4b 太陽電池素子、 5a、5b 封止材、 6a、6b 透光性保護膜、 7a、7b、15a、15b コネクタ、 8a、8b コネクタ囲繞部、 9a、9b 電極端子、 10a、10b フラットケーブル 11 野地板、 12 固形物、 13b 基板延長部、 16a、16b コネクタ接触部、 17a、17b コネクタ構造部、 40 太陽電池モジュール、 41 アモルファスシリコン太陽電池素子、 44 フッ素樹脂シート、 43 封止材、 44 ナイロンシート、 45 鋼板、 46 継手部材、 47 懸架部材、 48 ハトメ、 49 架台、 50 ワイヤー、 52 引き下げ部材、 53 金属補強板、 54 貫通孔、 55 係止孔、 71 アモルファスシリコン太陽電池素子、 72 集電電極、 73 バスバー電極、 74 導電性接着剤、 75 電極分離部、 76 ステンレス露出部、 77、78金属箔、 79 ハンダ、 80 絶縁材、 81、83 耐候性樹脂フィルム、 84 補強部材、 85 金属補強板。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する太陽電池モジュール電気的及
    び機械的に接合する少なくとも一方の太陽電池モジュー
    ルの接合端部が、基板折曲部と、絶縁部材から成る接続
    部材と、該接続部材内に設けられる電極端子とから成
    り、当該接合端部と隣接する他の太陽電池モジュールの
    接合端部とを機械的に連結したとき、それぞれの太陽電
    池モジュールの基板及び基板折曲部により形成される
    間内に接合端部の接合部材が配置されており、かつ、
    接合部材の内部でそれぞれの電極端子が電気的に接続す
    るように構成したことを特徴とする屋根材一体型太陽電
  2. 【請求項2】 前記接続部材の接触部分が弾性材料から
    成ることを特徴とする請求項1に記載の屋根材一体型太
    陽電池
  3. 【請求項3】 接合端部が、基板折曲部と、絶縁部材か
    ら成る接続部材と、該接続部材内に設けられる電極端子
    とから成る太陽電池モジュールに対し、隣接する太陽電
    池モジュールを、それぞれの太陽電池モジュールの基板
    及び基板折曲部により空間ができるように配置し、次い
    で、絶縁部材同士を機械的に連結するとともに電極端子
    同士を接続し、これによりそれぞれの太陽電池モジュー
    ルの基板及び基板折曲部により形成される空間内に接合
    端部の接合部材が配置され、かつ、該接合部材の内部で
    それぞれの電極端子を電気的に接続することを特徴とす
    る屋根材一体型太陽電池の設置方法
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