JP2613439B2 - 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法 - Google Patents

導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法

Info

Publication number
JP2613439B2
JP2613439B2 JP16907988A JP16907988A JP2613439B2 JP 2613439 B2 JP2613439 B2 JP 2613439B2 JP 16907988 A JP16907988 A JP 16907988A JP 16907988 A JP16907988 A JP 16907988A JP 2613439 B2 JP2613439 B2 JP 2613439B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin
conductive
weight
foam
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP16907988A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0220536A (ja
Inventor
善明 増子
和史 飯尾
洋 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Kako Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Kako Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Kako Co Ltd filed Critical Sanwa Kako Co Ltd
Priority to JP16907988A priority Critical patent/JP2613439B2/ja
Publication of JPH0220536A publication Critical patent/JPH0220536A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2613439B2 publication Critical patent/JP2613439B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法に
関し、さらに詳しくは、例えば通常の帯電防止性の包装
材などとしての用途の他、特に電波吸収材として有用な
導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、電子部品使用の各種機器類の包装、輸送、保存
用材料や静電防止性マット等、導電性発泡体の用途が広
範に拡大されている。
そして、従来より導電性を有するプラスチックフォー
ムとしてはウレタンフォームが知られているが(例えば
特公昭52−36902号)、カーボンの脱落や色落ち等の問
題があり、また基材がウレタンであるため耐候性が非常
に悪いなどの問題がある。
このため、耐候性や耐薬品性、耐水性等に優れたポリ
オレフィンを基材とした導電性発泡体の製造方法が種々
開発され、本出願人も既に特許出願している(特開昭58
−198537号、特開昭58−198538号)。しかしながら、基
材となるポリオレフィン系樹脂に導電性カーボンと共に
発泡剤等を加えて混練し、導電性ポリオレフィン発泡体
を製造する場合、カーボン練り込み時の導電性カーボン
の飛散が多く、発泡体の表面抵抗値が安定しないという
問題があった。また、導電性カーボンと共に発泡剤を混
練する場合、導電性カーボンの剪断発熱が大きくなり、
発泡剤の分解が起こり易くなる結果、発泡前のシートに
気泡が発生すると共に押出性が悪化するというような問
題も指摘されている。
このため、予めポリオレフィン系樹脂と導電性カーボ
ンを溶融、混練したマスターバッチ品を製造する工程を
含む方法、特に溶融している状態のポリオレフィン系樹
脂に導電性カーボンを混練し、ペレット状に成形してマ
スターバッチ品を製造する工程を含む方法など、種々開
発されている(特開昭59−129237号、特開昭60−81237
号、特開昭61−31440号、特公昭59−25815号)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記のような予めマスターバッチ品を製造し、これを
発泡させる従来の導電性ポリオレフィン発泡体の場合、
マスターバッチ品をつくる工程において、所謂高い剪断
力の作用が可能な混練機、例えばミキシングロール、押
出機、特に二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー等が使用されている。
しかし、このような混練機を使用する従来の方法で
は、せいぜい表面抵抗値が103Ω以上の発泡体しか得ら
れない。この理由としては、上記のような混練機の剪断
力によって導電性カーボンとして必要な鎖状構造がある
程度失なわれ、このため導電性が低下するものと思われ
る。また、上記のような混練機では、概して混練時のカ
ーボンの飛散が大きく、品質が安定しないという問題も
ある。
従って、本発明の目的は、前記のような従来法の欠点
を解消し、表面抵抗値が低く、しかも品質の安定した導
電性ポリオレフィン発泡体の製造方法を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の方法によれば、前記目的を達成するため、基
本的には、マスターバッチ品をつくる段階において無機
系充填剤を添加すること、及び混合機として実質的に高
い剪断力が付加されないような粉粒体混合機を用いるこ
とを特徴としている。
すなわち、本発明による第1の方法は、ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部と無機系充填剤2〜20重量部を粉粒
体混合機中で溶融し、これに導電性カーボンを添加混合
してマスターバッチ品をつくる工程、及び上記マスター
バッチ品を加熱発泡する工程からなることを特徴とする
方法である。
本発明の第2の方法は、ポリオレフィン系樹脂100重
量部と無機系充填剤2〜20重量部を粉粒体混合機中で溶
融し、これに導電性カーボンを添加混合してマスターバ
ッチ品をつくる工程、及び上記マスターバッチ品にポリ
オレフィン系樹脂を添加し、加熱発泡する工程からなる
ことを特徴とする方法であり、マスターバッチ品のポリ
オレフィン系樹脂の希釈によってカーボン濃度の調整を
行なえる方法である。
〔発明の作用〕
一般に導電性カーボンブラックが複合されたポリオレ
フィン系樹脂中での電子の移動は、カーボンブラックの
持つ、擬似グラファイト構造中のπ電子連鎖中の移動、
及び絶縁体であるポリオレフィンマトリックス中のカー
ボンブラック粒子間の電子の移動によってなされると推
測されている(参照:山田久志、成田道郎「導電性カー
ボンブラック<ケッチエンブラックEC>と樹脂の導電
化」、プラスチックエージ、34[4]、(1988))。
しかし、混練時に高い剪断力がかかると、カーボンの
連鎖が切断されて導電性の機能が低下してしまう。逆
に、剪断力をかけない混合機によれば、溶融したポリオ
レフィン系樹脂同士がくっついて大きな塊になってしま
うので、カーボンブラックを均一に分散することができ
ない。
本発明は、マスターバッチ品をつくる段階において、
ポリオレフィン系樹脂の溶融を無機系充填剤の存在下で
行なうこと、および溶融混合を実質的に高い剪断力を付
加しない粉粒体混合機で行なうことによって、前記相反
する要求を同時に満足させるものである。
すなわち、ポリオレフィン系樹脂を無機系充填剤と共
に溶融混合すれば、ポリオレフィン系樹脂のペレットが
溶融する際にその表面に無機系充填剤が付着し、大きな
塊になるのを防ぐことができる。従って、これに導電性
カーボンを添加混合してマスターバッチ品をつくる場合
に、従来のような高い剪断力を付加する混練機を用いな
くとも、粉粒体混合機で充分に導電性カーボンを分散さ
せることができる。その結果、カーボンの連鎖が切断さ
れることなく、導電性を大巾に向上させることができ
る。
このように、本発明の方法によれば、マスターバッチ
品をつくる段階において、ポリオレフィン系樹脂を無機
系充填剤と共に溶融混合すること、及び粉粒体混合機を
用いること、という極めて簡単な方法により、驚くべき
ことに従来の方法では得られなかった102Ωのオーダー
の表面抵抗値が得られ、導電性を大巾に改良することが
できた。
〔発明の態様〕
以下、本発明に係る導電性ポリオレフィン発泡体の製
造方法の各工程について具体的に説明する。
まず、第1の方法及び第2の方法のいずれにおいて
も、ポリオレフィン系樹脂及び無機系充填剤を粉粒体混
合機中で溶融混合する。
これに所定量の導電性カーボンを加え、充分に混合し
た後、冷却用ミキサーを通して排出し、粒状のマスター
バッチ品を得る。あるいは、混合物を例えばシート状に
押出した後、ペレタイザーによって切断する等のペレッ
ト化工程によってペレット状のマスターバッチ品が得ら
れる。
マスターバッチ品を得るための混合機としては、剪断
力ができるだけかからないこと、言い換えれば練り効果
のないことが必要である。一般に混合混練機は練り効果
の有無、大小によって混練機と粉粒体混合機に分けるこ
とができるが、本発明の方法においては、練り効果が殆
ど無いか、有っても実質的に分散した導電性カーボンの
連鎖に影響を及ぼさないようなもの、所謂粉粒体混合機
を用いる必要があり、従来用いられているようなニーダ
ー、バンバリーミキサー、ミキシングロール等は不適当
である。このような粉粒体混合機としては、容器回転
形、容器固定形等種々のタイプのものが知られており、
例えばリボン形ミキサー等の粉粒体混合機が使用できる
が、高速流動形ミキサーが好ましく、その中でもヘンシ
エルミキサーが特に好ましい。
マスターバッチ品の製造においては、ポリオレフィン
系樹脂100重量部に対し無機系充填剤を2〜20重量部、
好ましくは3〜10重量部、導電性カーボンを5〜30重量
部、好ましくは10〜20重量部添加する。
前記したように、無機系充填剤は、溶融したポリオレ
フィン系樹脂同士がくっつき合って大きな塊になるのを
防止する効果を有する。無機系充填剤の添加量が2重量
部未満になると上記効果を充分に発揮できず、溶融ポリ
オレフィン系樹脂が大きな塊になり、剪断力の殆どない
粉粒体混合機では導電性カーボンを分散させることがで
きない。一方、無機系充填剤の添加量が20重量部を超え
ると、後の発泡工程に悪影響を及ぼすので好ましくな
い。
また、マスターバッチ品の導電性カーボンの添加量が
30重量部を超えると、樹脂の伸びが低下し、良好な発泡
体を得ることができなくなるので好ましくなく、一方、
3重量部未満では充分な導電機能が得られなくなるので
好ましくない。
本発明の第1の方法では、上記のようにして得られた
マスターバッチ品を加熱発泡させて導電性ポリオレフィ
ン発泡体を得るものであるが、このようなマスターバッ
チ品を用いて発泡体を得る方法としては従来公知の各種
方法が適用できる。例えば、本発明のマスターバッチ品
を電子線又は化学架橋剤等で架橋し、これに発泡剤を添
加し、加熱発泡させる方法、マスターバッチ品に発泡剤
及び架橋剤を添加し、高温高圧下及び/又は常圧下で発
泡させるバッチ方法、マスターバッチ品を加熱溶融さ
せ、高温高圧下で揮発性もしくは分解性発泡剤を混合融
解させ、低圧帯域に押出発泡させる方法が適宜選択でき
る。これらの方法のうち、バッチ法による発泡倍率10倍
以上の高発泡体の製造方法を適用すると、電波吸収体用
の導電性発泡体として最適である。
本発明の適用に好適なバッチ方式について詳しく述べ
ると、マスターバッチ品に適宜の量の発泡剤と架橋剤、
必要に応じて発泡助剤、充填剤、顔料を添加混練し、得
られた架橋性、発泡性組成物を加圧下金型中にて発泡剤
が実質的に分解しない温度に加熱することによって該組
成物を架橋せしめ、次いで得られた架橋発泡性組成物を
急激に発泡もしくは膨脹させないように発泡させ、例え
ば一段階でもしくは二段階に分けて常圧下で加熱発泡さ
せる。このような方法によって高発泡倍率の導電性発泡
体が得られるが、もちろん通常の一段常圧もしくは加圧
発泡法、二段加圧発泡法なども採用可能である。このよ
うなバッチ方法の加熱条件は従来と同様でよく(特開昭
58−198537号公報、特開昭58−198538号公報参照)、例
えば130〜200℃の範囲で使用する方法に応じて適宜設定
すればよいが、例えば上記好適な方法における加熱条件
は、加圧下加熱を発泡剤の種類によって130〜160℃の範
囲に、また加熱発泡を145〜200℃の範囲に設定すればよ
い。
上記のようなバッチ方式に好適に用いられる架橋剤と
しては、ポリオレフィン系樹脂の流動開始温度以上の分
解温度を有するものであって、加熱により分解され、遊
離ラジカルを発生してその分子間もしくは分子内に架橋
結合を生ぜしめるラジカル発生剤であるところの有機過
酸化物、例えばジクミルパーオキサイド、1,1−ジター
シャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチル
パーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシヤ
リーブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジターシヤリ
ーブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、ターシャ
リーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチルパー
オキシベンゾエートなどがあり、また発泡剤としてはポ
リオレフィン系樹脂の溶融温度以上の分解温度を有する
化学発泡剤であり、例えばアゾ系化合物のアゾジカルボ
ンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等:ニトロ
ソ系化合物のジニトロソペンタメチレンテトラミン、ト
リニトロソトリメチルトリアミン等;ヒドラジッド系化
合物のp,p′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジ
ッド等;スルホニルセミカルバジッド系化合物のp,p′
−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジッド、ト
ルエンスルホニルセミカルバジッド等、などがある。ま
た、発泡助剤を発泡剤の種類に応じて添加することがで
きる。発泡助剤としては尿素を主成分とした化合物、酸
化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、サリチル酸、ステアリ
ン酸等を主成分とする化合物、即ち高級脂肪酸あるいは
高級脂肪酸の金属化合物などがある。
本発明の第2の方法は、前記第1の方法と同様にして
得られたマスターバッチ品に、適宜の量の希釈用ポリオ
レフィン系樹脂を添加することを特徴とするものであ
り、他の配合剤、発泡方法は第1の方法と全く同様であ
る。希釈後のマスターバッチ品を好ましくは90重量%、
特に好ましくは95重量%にすることによって、マスター
バッチ品を製造した後に導電性カーボンの量を調整する
ことができ、また一定の品質の導電性発泡体が得られ
る。
なお、希釈用のポリオレフィン系樹脂を添加するの
で、導電性は若干低下するが、マスターバッチ品に導電
性のバラツキがあっても、最終の発泡体の導電性のバラ
ツキを緩和することができる。
この第2の方法において使用する希釈用ポリオレフィ
ン系樹脂は、一般にマスターバッチ品に使用したポリオ
レフィン系樹脂と同じ物を使用する。しかし、マスター
バッチ品に使用したポリオレフィン系樹脂と相溶性の高
い他のポリオレフィン系樹脂を希釈用に用いることもで
きる。
本発明でいうポリオレフィン系樹脂とは、オレフィン
の単独もしくは共重合体の他、他のモノマーとの共重合
体などを含み、例えば通常市販の高、中、低圧法により
製造されたポリエチレン、ポリ−1,2−ブタジエン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとメチル
−、エチル−、プロピル−、ブチル−の各アクリレート
もしくはメタクリレートとの共重合体、またはこれらを
それぞれ塩素化したもの、あるいはこれらの2種以上の
混合物またはこれらとアタクチックもしくはアイソタク
チック構造を有するポリプロピレンとの混合物などであ
る。
本発明で用いられる導電性カーボンとは、ゴム及びプ
ラスチック等に充填することにより、高い導電性を付与
することが可能な炭素状物質であれば良く、天然黒鉛、
人造黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維等があるが、一
般にファーネスブラック、アセチレンブラック等のカー
ボンブラック、特に比表面積が900m2/g以上で中空シェ
ル構造を有する導電性のファーネスブラックが最も好ま
しい。
また、本発明で用いられる無機系充填剤としては、軽
質あるいは重質の炭酸カルシウム、石膏、クレー、タル
ク、ケイソウ土等が好適に用いられるが、これらの中で
も表面処理された重質の炭酸カルシウムが発泡への悪影
響がなく最適である。
本発明の組成物には、滑材としてステアリン酸亜鉛の
ような金属石けん、あるいはワックス類を少量添加する
ことができる。また、場合によっては紫外線劣化防止
剤、酸化安定剤等の添加も可能である。
〔実 施 例〕
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例により何ら限定されるもので
はないことはもとよりである。
実施例1 ポリエチレン樹脂(商品名「ノバテックL−300」三
菱化成工業(株)製)100重量部と重質炭酸カルシウム
6重量部を140℃に加熱したヘンシェルミキサーに装入
し、溶融混合した。次いで、これにファーネスブラック
(商品名「ケッチエンブラックEC」ケッチェン・ブラッ
ク インターナショナル(株)製)16重量部を加えてよ
く混合した後、溶融混合物を冷却用ミキサーに通した
後、排出し、粒状のマスターバッチ品を得た。
次に、得られたマスターバッチ品100重量部に、アゾ
ジカルボンアミド(商品名「ビニホールAC50S」永和化
成工業(株)製)9.0重量部、亜鉛華0.15重量部、α、
α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベ
ンゼン(商品名「パーカドックス−14/P40」化薬ヌーリ
ー(株)製)0.7重量部、トリアリルイソシアヌレート
(商品名「TAIC」日本化成(株)製)0.2重量部を加
え、ミキシングロールにて混練し、140℃に加熱された
プレス内の金型(1000×500×35mm)に上記混練物を充
填し、60分間加圧下で加熱し、架橋した発泡性シートを
得た。
次いで、この発泡性シートを160℃に加熱された密閉
系でない金型(その外壁に加熱用熱媒体導管が設けられ
ており、キャビティサイズは2000×1000×90mmである)
に入れ、150分間加熱して、冷却した後取り出し、導電
性発泡体を得た。
得られた発泡体は、厚み90mm、見掛け密度0.066g/cm3
であり、その表面抵抗値を測定したところ3.0×102Ωで
あり、外観共に良好な導電性発泡体であった。
なお、電気抵抗値は、米国John.Fluke.Mfg.Co,Inc.製
の“8060A TRUE RMS MULTIMETER"を使用し、端子2cm間
で端子を発泡体に突刺した後30秒後の値を測定した数値
である。
実施例2 実施例1と全く同様にして得られたマスターバッチ品
を、ポリエチレン樹脂(商品名「ノバテック L−30
0」前掲)で希釈し、マスターバッチ品の使用量を95%
にした。このようにして得られた組成物100重量部に、
実施例1と同じ配合剤を同じ割合で添加し、全く同じ方
法で発泡成形した。その結果、得られた導電性発泡体の
表面抵抗値は5.0×102Ωであり、外観も良好であった。
比較例1 ポリエチレン樹脂(商品名「ユカロンYF−30」三菱油
化(株)製)100重量部と重質炭酸カルシウム1重量部
を140℃に加熱したヘンシエルミキサーに装入し、溶融
混合したところ、ポリエチレン樹脂が大きな塊になり、
ファーネスブラック16重量部をこれに加えたが分散させ
ることができなかった。これは充填剤の量が少なすぎる
ためである。
比較例2 マスターバッチ品をつくる工程において、加圧ニーダ
ーを使用した以外は実施例1と全く同じ配合条件で導電
性発泡体を得た。得られた導電性発泡体の表面抵抗値を
測定したところ105Ωであり、電波吸収用として使える
ものではなかった。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の方法(第1の方法及び第2の
方法)によれば、ポリオレフィン系樹脂100重量部と無
機系充填剤2〜20重量部を粉粒体混合機中で溶融混合
し、これに導電性カーボンを添加混合してマスターバッ
チ品をつくるため、ポリオレフィン系樹脂溶融物への導
電性カーボンの分散性に優れ、またポリオレフィン系樹
脂と導電性カーボンを混合する際に導電性カーボンが飛
散することがないので、最終発泡体の表面抵抗値が安定
し、ほぼ一定の品質の導電性発泡体が得られる。また、
練り効果のない粉粒体混合機を使用するため、導電性カ
ーボンの連鎖を切断することがないので、表面抵抗値の
極めて低い(102Ωオーダー)導電性発泡体が得られ
る。このような発泡体は電波吸収体用として用いること
ができ、実用上極めて高い価値を有する。
また、本発明の第2の方法によれば、マスターバッチ
品をポリオレフィン系樹脂で希釈した後、加熱発泡させ
るものであるため、マスターバッチ品を製造した後に導
電性カーボンの量を調整でき、またマスターバッチ品に
導電性のバラツキがあっても、最終発泡体の導電性のバ
ラツキを緩和することができ、安定した均一な品質の導
電性ポリオレフィン発泡体が得られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂100重量部と無機系
    充填剤2〜20重量部を粉粒体混合機中で溶融し、これに
    導電性カーボンを添加混合してマスターバッチ品をつく
    る工程、及び上記マスターバッチ品を加熱発泡する工程
    からなることを特徴とする導電性ポリオレフィン発泡体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系樹脂100重量部と無機系
    充填剤2〜20重量部を粉粒体混合機中で溶融し、これに
    導電性カーボンを添加混合してマスターバッチ品をつく
    る工程、及び上記マスターバッチ品にポリオレフィン系
    樹脂を添加し、加熱発泡する工程からなることを特徴と
    する導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】粉粒体混合機が高速流動形である請求項1
    又は2記載の方法。
JP16907988A 1988-07-08 1988-07-08 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法 Expired - Lifetime JP2613439B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16907988A JP2613439B2 (ja) 1988-07-08 1988-07-08 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16907988A JP2613439B2 (ja) 1988-07-08 1988-07-08 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0220536A JPH0220536A (ja) 1990-01-24
JP2613439B2 true JP2613439B2 (ja) 1997-05-28

Family

ID=15879936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16907988A Expired - Lifetime JP2613439B2 (ja) 1988-07-08 1988-07-08 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2613439B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5472639A (en) * 1993-08-13 1995-12-05 The Dow Chemical Company Electroconductive foams
JP2001339190A (ja) * 2000-03-23 2001-12-07 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電波吸収体およびその製造方法
CN112251013A (zh) * 2020-11-05 2021-01-22 成都佳驰电子科技有限公司 一种轻质宽带吸波复合材料低rcs测试载体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0220536A (ja) 1990-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4160072A (en) Foamable and crosslinkable polyethylene composition, process for its production, and process for producing crosslinked polyethylene foams using said composition
JPH0238100B2 (ja)
JPH0229095B2 (ja)
CA1079000A (en) Crosslinked chlorinated polyethylene foam
EP0072536B1 (en) Foamable electroconductive polyolefin resin compositions
JP2613439B2 (ja) 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法
JP2687144B2 (ja) 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法
JPH02272039A (ja) 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法
JPH059325A (ja) オレフイン系エラストマー組成物の架橋発泡体の製造方法
JP2796739B2 (ja) 導電性ポリオレフィン発泡体の製造方法
JP3565815B2 (ja) 導電性架橋ポリエチレン系発泡体およびその製造方法
JP3306189B2 (ja) 発泡用オレフィン系樹脂組成物
JPH10310654A (ja) ポリオレフィン系樹脂連続気泡発泡体の製造方法
JPH059323A (ja) ポリオレフイン系発泡体
JPH0482014B2 (ja)
JP3763879B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂架橋発泡体
JPH059326A (ja) オレフイン系エラストマー組成物の架橋発泡体の製造方法
JPS62101203A (ja) ミクロ発泡構造の靴底を有する靴の製造法
JPH058279A (ja) ポリエチレン系発泡体の製法
JPS5884831A (ja) 高発泡ポリエチレン組成物
JPH0551475A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂組成物及び発泡絶縁電線の製法
JPS61133240A (ja) 高発泡用ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH04363338A (ja) ポリオレフィン架橋発泡体の製造方法
JP2004075872A (ja) ポリオレフィン発泡用成形材料
JPH07300532A (ja) ポリオレフィン組成物の製法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227