JP2613358B2 - 湿度センサ - Google Patents

湿度センサ

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JP2613358B2
JP2613358B2 JP6020628A JP2062894A JP2613358B2 JP 2613358 B2 JP2613358 B2 JP 2613358B2 JP 6020628 A JP6020628 A JP 6020628A JP 2062894 A JP2062894 A JP 2062894A JP 2613358 B2 JP2613358 B2 JP 2613358B2
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器、例えば複写機、プリン
タ等に用いられる湿度センサの内の一つに、湿度の変化
に対してインピ−ダンスが変化するインピ−ダンス変化
型の湿度センサ素子を利用したものが知られている。イ
ンピ−ダンス変化型の湿度センサ素子は、インピーダン
スが相対湿度に対して指数関数的に変化する性質をもっ
ているから、実際の使用に当っては、湿度センサ素子の
非直線性を補正し、湿度ー出力電圧特性を直線化しなけ
ればならない。直線化の手段としては、ログアンプを使
用するのが一般的であるが、最近、ログアンプを使用し
ない安価な直線化技術として、特開平3−123843
号公報、特開平3−125952号公報、実開平5−5
2751号公報に開示された技術が知られている。これ
らの先行技術文献においては、電圧制御可変インピ−ダ
ンス素子となるトランジスタのベ−ス電圧とエミッタ電
流との関係が指数関数特性となり、そのインピーダンス
が指数関数的に変化することに着目し、湿度センサ素子
の非直線性をトランジスタの上記特性により補正するよ
うにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の湿度センサには、以下のような問題点がある。 (A)トランジスタのインピーダンス制御は、積分回路
の積分出力を用いているので、積分出力が小さい領域、
即ち低湿度側でトランジスタのベース・エミッタ間電圧
が不足する。このため、トランジスタのインピーダンス
制御が不充分となり、相対湿度ー出力電圧特性の直線化
が不充分となる。 (B)トランジスタの非直線性の不足を補正するため
に、トランジスタのエミッタに直列にダイオードを接続
した場合は、ダイオードの順方向電圧も加わるので、更
にこの点が顕著になる。
【0004】そこで、本発明の課題は、直線化された湿
度信号を出力し得る湿度センサを提供することである。
【0005】本発明のもう一つの課題は、低出力側にお
ける電圧制御可変インピ−ダンス素子の動作を確実にす
ると共に、バラツキの影響を防止し、高い直線性を持つ
湿度信号を出力し得る湿度センサを提供することであ
る。
【0006】本発明の更にもう一つの課題は、電圧制御
可変インピ−ダンス素子の非直線性の不足を補正し、低
出力側で高い直線性を持つ湿度信号を出力し得る湿度セ
ンサを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る湿度センサは、湿度センサ素子と、イ
ンピ−ダンス−周波数変換回路と、時定数制御微分回路
と、波形整形回路と、積分回路と、定電流回路とを含ん
でおり、前記湿度センサ素子は、インピ−ダンスが相対
湿度に対して指数関数的に変化するものであり、前記イ
ンピ−ダンス−周波数変換回路は、前記湿度センサ素子
のインピ−ダンスに対応した周波数のパルス信号を発生
させるものであり、前記時定数制御微分回路は、コンデ
ンサと、電圧制御可変インピ−ダンス素子とを含み、前
記コンデンサと前記電圧制御可変インピ−ダンス素子と
が直列に接続されており、前記電圧制御可変インピ−ダ
ンス素子は、主電極と制御電極とを有する三端子素子で
なり、インピ−ダンスが前記制御電極に印加される電圧
により指数関数的に変化し、前記主電極の両端から前記
パルス信号を微分した微分信号を出力するものであり、
前記波形整形回路は、前記微分信号が入力され、所定電
圧で前記微分信号を二値化したパルス信号列を出力する
ものであり、前記積分回路は、第1の積分回路と、第2
の積分回路とを含み、前記第1の積分回路が入力された
前記パルス信号列を積分し、積分して得られた電圧を前
記制御電圧として前記電圧制御可変インピ−ダンス素子
の前記制御電極に供給し、前記第2の積分回路が前記パ
ルス信号列を積分し、積分して得られた電圧を湿度信号
として出力するものであり、前記定電流回路は、前記制
御電極に定電流を供給するものである。
【0008】前記定電流回路は、好ましくは、前記パル
ス信号列を電源として動作する。
【0009】更に別の好ましい例では、前記時定数制御
微分回路は、インピーダンスが印加電圧により変化する
非直線性インピーダンス素子を含み、前記非直線性イン
ピーダンス素子が前記コンデンサの接続される主電極と
は反対の主電極に接続され、直列接続された前記電圧制
御可変インピ−ダンス素子と電圧制御可変インピ−ダン
ス素子との両端から前記微分信号を出力する。
【0010】更に別の好ましい例では、前記電圧制御可
変インピ−ダンス素子は、トランジスタでなり、前記非
直線性インピ−ダンス素子は、ダイオ−ドでなり、前記
ダイオ−ドのアノ−ドが前記トランジスタのエミッタ側
に接続され、前記コンデンサが前記トランジスタのコレ
クタ側に接続されており、前記制御電圧及び前記一定電
流は、前記トランジスタのベ−スに供給される。
【0011】更に別の好ましい例では、前記時定数制御
微分回路は、インピ−ダンス調整回路を有し、前記イン
ピ−ダンス調整回路が前記非直線性インピ−ダンス素子
に並列に接続されている。
【0012】更に別の好ましい例では、前記インピ−ダ
ンス調整回路は、コンデンサを含んでいる。
【0013】更に別の好ましい例では、前記インピ−ダ
ンス調整回路は、抵抗を含んでいる。
【0014】更に別の好ましい例では、前記インピ−ダ
ンス調整回路は、ダイオ−ドを含んでいる。
【0015】
【作用】湿度センサ素子は、インピ−ダンスが相対湿度
に対して指数関数的に変化し、インピ−ダンス−周波数
変換回路は、湿度センサ素子のインピ−ダンスに対応し
た周波数のパルス信号を発生させるから、インピ−ダン
ス−周波数変換回路から周波数が相対湿度に対して指数
関数的に変化するパルス信号が得られる。
【0016】時定数制御微分回路は、コンデンサと電圧
制御可変インピ−ダンス素子とが直列接続され、電圧制
御可変インピ−ダンス素子が主電極と制御電極とを有す
る三端子素子でなり、インピ−ダンスが制御電極に印加
される制御電圧により指数関数的に変化し、主電極の両
端からパルス信号を微分した微分信号を出力するから、
電圧制御可変インピ−ダンス素子のインピ−ダンス変化
に追従し、時定数が指数関数的に変化する微分信号が得
られる。
【0017】波形整形回路は、時定数が指数関数的に変
化する微分信号が入力され、所定電圧で微分信号を二値
化したパルス信号列を出力するようになっているから、
波形整形回路からパルス信号のパルス幅を周波数に対し
て対数的に圧縮したパルス幅を有するパルス信号列が得
られる。
【0018】積分回路は、第1の積分回路が入力された
パルス信号列を積分し、積分して得られた電圧を制御電
圧として電圧制御可変インピ−ダンス素子の制御電極に
供給するようになっているから、パルス信号列のパルス
幅が広くなり制御電圧が上昇しようとすると、電圧制御
可変インピ−ダンス素子のインピ−ダンスを減少させ
る。このため、波形整形回路から得られるパルス信号列
のパルス幅が狭くなり、制御電圧の上昇が抑えられる。
逆にパルス信号列のパルス幅が狭くなり制御電圧が低下
しようとすると、電圧制御可変インピ−ダンス素子のイ
ンピ−ダンスを増加させる。このため、波形整形回路か
ら得られるパルス信号列のパルス幅が広くなり、制御電
圧の低下が抑えられる。即ち、第1の積分回路は、時定
数制御微分回路に負帰還をかけ、パルス信号列を安定化
させる。
【0019】積分回路は、第2の積分回路がパルス信号
列を積分し、積分して得られた電圧を湿度信号として出
力するから、直線化された相対湿度−出力電圧特性が得
られる。
【0020】定電流回路は、制御電極に定電流を供給す
るから、制御電圧が低い場合でも電圧制御可変インピ−
ダンス素子を適切に動作させることができる。これによ
り、制御電圧の不足が定電流の供給により補完され、電
圧制御可変インピ−ダンス素子が動作し、かつ、インピ
−ダンスが指数関数的に変化し、その結果、電圧制御可
変インピ−ダンス素子の主電極の両端から時定数が指数
関数的に変化する微分信号が得られる。このため、低出
力側における電圧制御可変インピ−ダンス素子の動作を
確実にすると共に、バラツキの影響を防止し、高い直線
性の相対湿度信号が得られる。
【0021】定電流回路がパルス信号列を電源として動
作する例では、電圧制御可変インピ−ダンス素子が動作
し、パルス信号を微分する時にのみ制御端子に定電流を
供給する。このため、定電流の供給が必要な場合にのみ
定電流が供給され、電圧制御可変インピ−ダンス素子の
制御性能を向上させることができる。パルス信号列の波
高値は微分開始時から積分された制御電圧よりも大きく
なるから、定電流回路は制御端子に定電流を供給するこ
とができる。また、定電流回路の消費電力も少なくな
る。
【0022】時定数制御微分回路は、インピーダンスが
印加電圧により指数関数的に変化する非直線性インピー
ダンス素子を含み、非直線性インピーダンス素子がコン
デンサの接続される主電極とは反対の主電極に接続さ
れ、直列接続された電圧制御可変インピ−ダンス素子と
非直線性インピ−ダンス素子との両端から微分信号を出
力する例においては、湿度センサ素子の非直線性を補正
するにあたり、従来の電圧制御可変インピ−ダンス素子
では不足しているインピ−ダンスが非直線性インピ−ダ
ンス素子により補完され、電圧制御可変インピ−ダンス
素子及び非直線性インピ−ダンス素子のインピ−ダンス
変化に追従し、時定数が指数関数的に変化する微分信号
が得られる。この際、制御電圧としては、電圧制御可変
インピ−ダンス素子の制御電極ー主電極間の電圧降下分
に非直線性インピ−ダンス素子の電圧降下分を加算した
電圧が必要となるが、定電流回路が制御電圧を補完して
電圧制御可変インピ−ダンス素子及び非直線性インピ−
ダンス素子の動作を確実にする。このため、制御電圧の
印加により、電圧制御可変インピ−ダンス素子及び非直
線性インピ−ダンス素子に負帰還がかかり、相対湿度信
号の直線性が改善される。また、定電流の供給により、
低出力側における電圧制御可変インピ−ダンス素子及び
非直線性インピ−ダンス素子の動作を確実にすると共
に、バラツキの影響が防止され、高い直線性の相対湿度
信号が得られる。
【0023】時定数制御微分回路の電圧制御可変インピ
−ダンス素子はトランジスタでなり、非直線性インピ−
ダンス素子はダイオ−ドでなり、ダイオ−ドのアノ−ド
がトランジスタのエミッタ側に接続され、コンデンサが
トランジスタのコレクタ側に接続され、制御電圧及び定
電流がトランジスタのベ−スに供給される例では、制御
電圧の印加により電圧制御可変インピ−ダンス素子及び
非直線性インピ−ダンス素子に負帰還がかかり、相対湿
度信号の直線性が改善され、定電流の供給により低出力
側における電圧制御可変インピ−ダンス素子及び非直線
性インピ−ダンス素子の動作が確実になると共に、バラ
ツキの影響が防止され、高い直線性の相対湿度信号が得
られる。
【0024】時定数制御微分回路はインピ−ダンス調整
回路を含み、インピ−ダンス調整回路が非直線性インピ
−ダンス素子に並列に接続されている例では、非直線性
インピ−ダンス素子のインピ−ダンスを微細に調整でき
る。
【0025】インピ−ダンス調整回路がコンデンサでな
る例では、パルス信号の周波数に応じて非直線性インピ
−ダンス素子のインピ−ダンスを微細に調整できる。
【0026】インピ−ダンス調整回路が抵抗でなる例で
は、パルス信号の周波数に関係なく非直線性インピ−ダ
ンス素子のインピ−ダンスを微細に調整できる。
【0027】インピ−ダンス調整回路がダイオ−ドでな
る例では、非直線性インピ−ダンス素子のインピ−ダン
スを整数分の1に調整できる。
【0028】
【実施例】図1は本発明に係る湿度センサの構成を示す
ブロック図である。図において、1は湿度センサ素子、
2はインピ−ダンス−周波数変換回路(以下「z−f変
換回路」と称する。)、3は時定数制御微分回路、4は
波形整形回路、5は積分回路、6は定電流回路である。
【0029】湿度センサ素子1は、インピ−ダンスZs
が相対湿度に対して指数関数的に変化する。本実施例
の湿度センサ素子1は、高分子材料でなり、高湿度では
インピ−ダンスが低く、低湿度ではインピ−ダンスが高
くなる。具体的には、インピ−ダンスが104 〔Ω〕〜
107 〔Ω〕の範囲で変化する。
【0030】z−f変換回路2は、湿度センサ素子1の
インピ−ダンスZsに対応した周波数のパルス信号S1
を発生させる。インピ−ダンスZsが低いときは周波数
が高くなり、インピ−ダンスZsが高いときは周波数が
低くなる。
【0031】時定数制御微分回路3は、コンデンサ31
と、電圧制御可変インピ−ダンス素子32とを含み、コ
ンデンサ31と電圧制御可変インピ−ダンス素子32と
が直列に接続されている。電圧制御可変インピ−ダンス
素子32は、主電極321、322と制御電極323と
を有する三端子素子でなり、インピ−ダンスZtが制御
電極323に印加される制御電圧Vcにより指数関数的
に変化する。時定数制御微分回路3は、電圧制御可変イ
ンピ−ダンス素子32の主電極321、322の両端か
らパルス信号S1を微分した微分信号S2を出力する。
【0032】波形整形回路4は、微分信号S2が入力さ
れ、所定電圧で微分信号S2を二値化したパルス信号列
S3を出力する。
【0033】積分回路5は、第1の積分回路51と、第
2の積分回路52とを含んでいる。第1の積分回路51
は、入力されたパルス信号列S3を積分し、積分して得
られた電圧を制御電圧Vcとして電圧制御可変インピ−
ダンス素子32の制御電極323に供給する。具体的に
は、抵抗511とコンデンサ512とで構成し、コンデ
ンサ512の端子電圧を制御電圧Vcとしている。第2
の積分回路は、パルス信号列S3を積分し、積分して得
られた電圧を湿度信号S4として出力する。具体的に
は、抵抗521とコンデンサ522とで構成し、コンデ
ンサ522の端子電圧を湿度信号S4としている。
【0034】定電流回路6は、電圧制御可変インピ−ダ
ンス素子32の制御電極323に定電流を供給する。
【0035】上述したように、湿度センサ素子1は、イ
ンピ−ダンスZs が相対湿度に対して指数関数的に変
化し、z−f変換回路2は、湿度センサ素子1のインピ
−ダンスZs に対応した周波数のパルス信号S1を発
生させるから、z−f変換回路2から周波数が相対湿度
に対して指数関数的に変化するパルス信号S1が得られ
る。
【0036】時定数制御微分回路3は、コンデンサ31
と電圧制御可変インピ−ダンス素子32とが直列接続さ
れ、電圧制御可変インピ−ダンス素子32が主電極32
1、322と制御電極323とを有する三端子素子でな
り、インピ−ダンスZtが制御電極323に印加される
制御電圧Vcにより指数関数的に変化し、主電極32
1,322の両端からパルス信号S1を微分した微分信
号S2を出力するから、電圧制御可変インピ−ダンス素
子32のインピ−ダンス変化に追従し、時定数が指数関
数的に変化する微分信号S2が得られる。
【0037】波形整形回路4は、時定数が指数関数的に
変化する微分信号S2が入力され、所定電圧で微分信号
S2を二値化したパルス信号列S3を出力するようにな
っているから、波形整形回路4から、パルス信号S1の
パルス幅を周波数に対して対数的に圧縮したパルス幅を
有するパルス信号列S3が得られる。
【0038】積分回路5は、第1の積分回路51が入力
されたパルス信号列S3を積分し、積分して得られた電
圧を制御電圧Vcとして電圧制御可変インピ−ダンス素
子32の制御電極323に供給するようになっているか
ら、パルス信号列S3のパルス幅が広くなり制御電圧V
cが上昇しようとすると、電圧制御可変インピ−ダンス
素子32のインピ−ダンスZtを減少させる。このた
め、波形整形回路4から得られるパルス信号列S3のパ
ルス幅が狭くなり、制御電圧Vcの上昇が抑えられる。
逆にパルス信号列S3のパルス幅が狭くなり制御電圧V
cが低下しようとすると、電圧制御可変インピ−ダンス
素子32のインピ−ダンスZtを増加させる。このた
め、波形整形回路4から得られるパルス信号列S3のパ
ルス幅が広くなり、制御電圧Vcの低下が抑えられる。
即ち、第1の積分回路51は、時定数制御微分回路3に
負帰還をかけ、パルス信号列S3を安定化させる。
【0039】積分回路5は、第2の積分回路52がパル
ス信号列S3を積分し、積分して得られた電圧を湿度信
号S4として出力するから、直線化された相対湿度−出
力電圧特性が得られる。
【0040】定電流回路6は、電圧制御可変インピ−ダ
ンス素子32の制御電極323に定電流を供給するか
ら、制御電圧Vcが低い場合でも電圧制御可変インピ−
ダンス素子32の動作を確実にする。これにより、制御
電圧Vcの不足が定電流回路6の定電流により補完さ
れ、電圧制御可変インピ−ダンス素子32が動作し、か
つ、インピ−ダンスZtが指数関数的に変化し、その結
果、電圧制御可変インピ−ダンス素子32の主電極32
1、322の両端から時定数が指数関数的に変化する微
分信号S2が得られる。このため、低出力側における電
圧制御可変インピ−ダンス素子32のバラツキの影響を
防止し、高直線性の相対湿度信号S4が得られる。
【0041】図2は本発明に係る湿度センサの特性を示
す図、図3は従来の湿度センサの特性を示す図である。
図において、横軸は相対湿度、縦軸は湿度信号の出力電
圧を示している。電圧制御可変インピ−ダンス素子32
はトランジスタを使用している。図2における定電流回
路は、0.1〜1μAとなっている。黒丸印は電流増幅率
バラツキが下限値のものを使用し、抵抗511も適切に
調整された場合を示し、黒角印は電流増幅率バラツキが
上限値のものを使用し、抵抗511も適切に調整された
場合を示している。本発明に係る湿度センサは、定電流
回路6の効果により、相対湿度が50%以下の領域で直
線性が大幅に改善され、更にバラツキの影響も抑えられ
ている。
【0042】図4は本発明の湿度センサの別の実施例の
ブロック図である。図において、図1と同一参照符号は
同一性ある構成部分を示している。
【0043】定電流回路6は、パルス信号列S3を電源
として動作する。実施例は、電界効果型トランジスタ6
1と抵抗62とを用いた一般的な定電流回路で構成され
ている。この構成によれば、電圧制御可変インピ−ダン
ス素子32が動作し、パルス信号S1を微分する時にの
み制御端子323に定電流を供給する。このため、定電
流の供給が必要な場合にのみ定電流が供給され、電圧制
御可変インピ−ダンス素子32の制御性能を向上させる
ことができる。パルス信号列S3の波高値は積分された
制御電圧Vcよりも大きくなるから、定電流回路6は制
御端子323に確実に定電流を供給することができる。
また、定電流回路6の消費電力も少なくなる。
【0044】図5〜図7は本発明の湿度センサの更に別
の実施例のブロック図である。図において、図1及び図
4と同一参照符号は同一性ある構成部分を示している。
【0045】図5〜図7の実施例は、定電流回路6が直
流電源Vinを電源として動作する例を示している。図
5の定電流回路6は、コンデンサ63が直流電源Vin
を平滑し、電界効果型トランジスタ61及び抵抗62が
直流電源Vinから定電流を得る。図6の定電流回路6
は、抵抗64及び抵抗65の抵抗分圧回路が直流電源V
inを分圧し、抵抗65の分圧電圧に応じた電流を制御
端子323に供給する。抵抗65の分圧電圧は、制御電
圧Vcの最大値よりも小さく、最小値よりも大きく設定
される。ダイオード66は、コンデンサ512から抵抗
65への逆流を阻止し、制御電圧Vcの低下を防止する
ものである。図7の定電流回路6は、図6のダイオード
66を高抵抗値を有する抵抗67に置き代えたものであ
る。
【0046】図8は本発明の湿度センサの更に別の実施
例のブロック図である。図において、図1と同一参照符
号は同一性ある構成部分を示している。
【0047】時定数制御微分回路3は、インピーダンス
Zdが印加電圧により指数関数的に変化する非直線性イ
ンピーダンス素子33を含んでいる。非直線性インピー
ダンス素子33は、一端がコンデンサ31の接続される
主電極321とは反対の主電極322に接続され、他端
が接地されている。時定数制御微分回路3は、直列接続
された電圧制御可変インピ−ダンス素子32と非直線性
インピ−ダンス素子33との両端から微分信号S2を出
力する。
【0048】この実施例では、湿度センサ素子1の非直
線性を補正するにあたり、従来の電圧制御可変インピ−
ダンス素子32のインピ−ダンスZtでは不足している
インピ−ダンスが非直線性インピ−ダンス素子のインピ
−ダンスZdにより補完され、電圧制御可変インピ−ダ
ンス素子32及び非直線性インピ−ダンス素子33のイ
ンピ−ダンス変化に追従し、時定数が指数関数的に変化
する微分信号S2が得られる。この際、制御電圧Vcと
しては、電圧制御可変インピ−ダンス素子32の制御電
極323ー主電極322間の電圧降下分に非直線性イン
ピ−ダンス素子33の電圧降下分を加算した電圧が必要
となるが、定電流回路6が制御電圧Vcを補完して電圧
制御可変インピ−ダンス素子32及び非直線性インピ−
ダンス素子33の動作を確実にする。このため、制御電
圧Vcの印加により、電圧制御可変インピ−ダンス素子
32及び非直線性インピ−ダンス素子33に負帰還がか
かり、相対湿度信号S4の直線性が改善される。定電流
回路6の定電流の供給により、低出力側における電圧制
御可変インピ−ダンス素子32及び非直線性インピ−ダ
ンス素子33の動作を確実にすると共に、バラツキの影
響が防止され、高い直線性の相対湿度信号S4が得られ
る。
【0049】非直線性インピ−ダンス素子33は、全湿
度領域に亙って電圧制御可変インピ−ダンス素子32の
インピ−ダンスを補完するので、低出力側の相対湿度ー
出力電圧特性のみならず、高出力側の相対湿度ー出力電
圧特性も直線化する。
【0050】非直線性インピ−ダンス素子33を電圧制
御可変インピ−ダンス素子32に直列接続したので、合
成インピ−ダンスが大きくなり、電圧制御可変インピ−
ダンス素子32の温度による漏れ電流を抑制し、相対湿
度−出力電圧特性に対する温度影響を低減する。
【0051】時定数制御微分回路3の好ましい例では、
電圧制御可変インピ−ダンス素子32がトランジスタ3
20でなり、非直線性インピ−ダンス素子33がダイオ
−ド331でなる。トランジスタ320は、コレクタが
主電極321、エミッタが主電極322、ベ−スが制御
電極323となる。ダイオ−ド331のアノ−ドがトラ
ンジスタ320のエミッタ側に接続され、コンデンサ3
1がトランジスタ320のコレクタ側に接続されてい
る。制御電圧Vcは、トランジスタ320のベ−スに供
給される。ダイオ−ド331として、シリコンダイオ−
ド、ショットキ−バリア・ダイオ−ド等が使用可能であ
る。
【0052】この例では、トランジスタ320のベ−ス
電圧とエミッタ電流との関係が指数関数特性となるの
で、ベ−スに供給される制御電圧Vcに従いトランジス
タ320の動作状態のインピ−ダンスZtも指数関数的
に変化する。ダイオ−ド331は順電圧と順電流との関
係が指数関数特性となるので、ダイオ−ド331の動作
状態のインピ−ダンスZdも指数関数的に変化する。こ
のため、制御電圧Vcの印加により、トランジスタ32
0及びダイオ−ド331に負帰還がかかり、相対湿度信
号S4の直線性が改善される。定電流回路6の定電流の
供給により、低出力側におけるトランジスタ320及び
ダイオ−ド331の動作が確実になると共に、バラツキ
の影響が防止され、高い直線性の相対湿度信号S4が得
られる。
【0053】時定数制御微分回路3は、インピ−ダンス
調整回路34を含んでいる。インピ−ダンス調整回路3
4は、非直線性インピ−ダンス素子33に並列に接続さ
れている。この実施例では、非直線性インピ−ダンス素
子33によるインピ−ダンスZdの補正量が多すぎた場
合に、インピ−ダンス調整回路34が合成インピ−ダン
スを小さくするので、結果的に、非直線性インピ−ダン
ス素子33のインピ−ダンスZdを微細に調整できる。
【0054】インピ−ダンス調整回路34がコンデンサ
でなる例では、パルス信号S2の周波数に応じて非直線
性インピ−ダンス素子33のインピ−ダンスZdを微細
に調整できる。
【0055】インピ−ダンス調整回路34が抵抗(図示
しない)でなる例では、パルス信号S2の周波数に関係
なく非直線性インピ−ダンス素子33のインピ−ダンス
Zdを微細に調整できる。
【0056】インピ−ダンス調整回路34がダイオ−ド
(図示しない)でなる例では、非直線性インピ−ダンス
素子33のインピ−ダンスZdを整数分の1に調整でき
る。
【0057】図9は本発明に係る湿度センサの具体的な
回路図である。図4の実施例に対応したものである。図
において、図1及び図4と同一参照符号は同一性ある構
成部分を示している。
【0058】z−f変換回路2は、シュミットトリガ2
1、バッファ22、抵抗23、抵抗24、サ−ミスタ2
5、コンデンサ26及びコンデンサ27を有している。
湿度センサ素子1と、サ−ミスタ25と、コンデンサ2
6とが直列に接続され、湿度センサ素子1の一端がシュ
ミットトリガ21の入力端子に接続され、コンデンサ2
6の一端がバッファ22の出力端子に接続されている。
シュミットトリガ21、バッファ22はCMOS、TT
L等のICが用いられる。サ−ミスタ25は湿度センサ
素子1のインピ−ダンスZs の温度補償をするために
設けてある。コンデンサ26は直流カットのために設け
てある。バッファ22はシュミットトリガ21の出力イ
ンピ−ダンスを下げると共に、波形整形をするために設
けてある。抵抗23及び抵抗24は直列接続され、直列
回路の両端がシュミットトリガ21の入力端子、バッフ
ァ22の出力端子に接続されている。コンデンサ27の
一端がシュミットトリガ21の入力端子に接続されてい
る。これにより、z−f変換回路2は、湿度センサ素子
1、抵抗23、抵抗24、サ−ミスタ25及びコンデン
サ26のインピ−ダンスと、コンデンサ27のインピ−
ダンスとの関係により発振し、湿度センサ素子1のイン
ピ−ダンス変化に従った周波数のパルス信号S1を出力
する。
【0059】波形整形回路4は、バッファ41により構
成されている。バッファ41は、CMOS、TTL等の
ICが用いられ、スレショルドレベルを所定の電圧とし
て微分信号S2を二値化し、パルス信号列S3を出力す
る。
【0060】図10は本発明に係る湿度センサの別の具
体的な回路図である。図において、図9と同一参照符号
は同一性ある構成部分を示している。コンデンサ28
は、一端が抵抗23及び抵抗24の直列接続点に接続さ
れ、他端が接地されている。この構成によれば、パルス
信号に含まれる交流成分がコンデンサ28によりバイパ
スされ、抵抗23及び抵抗24の直列回路の両端で見た
インピーダンスを高インピーダンスに維持できる。この
ため、湿度センサ素子1に並列接続される抵抗23及び
抵抗24の直列回路による合成インピーダンスの低下が
防止され、zーf変換回路2は、湿度センサ素子1のイ
ンピーダンス変化を効率的にパルス信号S1に変換でき
る。
【0061】図11は本発明に係る湿度センサの更に別
の具体的な回路図である。図8の実施例に対応したもの
である。図において、図4、図8及び図10と同一参照
符号は同一性ある構成部分を示している。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、以
下のような効果が得られる。 (a)直線化された湿度信号を出力し得る湿度センサを
提供できる。 (b)低出力側における電圧制御可変インピ−ダンス素
子の動作を確実にすると共に、バラツキの影響を防止
し、高い直線性を持つ湿度信号を出力し得る湿度センサ
を提供できる。 (c)電圧制御可変インピ−ダンス素子の非直線性の不
足を補正し、低出力側で高い直線性を持つ湿度信号を出
力し得る湿度センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る湿度センサの構成を示すブロック
図である。
【図2】本発明に係る湿度センサの特性を示す図であ
る。
【図3】従来の湿度センサの特性を示す図である。
【図4】本発明の湿度センサの別の実施例のブロック図
である。
【図5】本発明の湿度センサの更に別の実施例のブロッ
ク図である。
【図6】本発明の湿度センサの更に別の実施例のブロッ
ク図である。
【図7】本発明の湿度センサの更に別の実施例のブロッ
ク図である。
【図8】本発明の湿度センサの更に別の実施例のブロッ
ク図である。
【図9】本発明に係る湿度センサの具体的な回路図であ
る。
【図10】本発明に係る湿度センサの別の具体的な回路
図である。
【図11】本発明に係る湿度センサの更に別の具体的な
回路図である。
【符号の説明】
1 湿度センサ素子 2 z−f変換回路 3 時定数制御微分回路 31 コンデンサ 32 電圧制御可変インピ−ダンス素子 320 トランジスタ 321、322 主電極 323 制御電極 33 非直線性インピ−ダンス素子 331 ダイオ−ド 34 インピ−ダンス調整回路 4 波形整形回路 5 積分回路 51 第1の積分回路 52 第2の積分回路 6 定電流回路 S1 パルス信号 S2 微分信号 S3 パルス信号列 S4 湿度信号 Vc 制御電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−123843(JP,A) 特開 平3−125952(JP,A) 実開 平5−52751(JP,U) 実開 平3−130548(JP,U) 実開 平4−1438(JP,U) 実開 平4−1439(JP,U) 実開 平4−1440(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿度センサ素子と、インピ−ダンス−周
    波数変換回路と、時定数制御微分回路と、波形整形回路
    と、積分回路と、定電流回路とを含む湿度センサであっ
    て、 前記湿度センサ素子は、インピ−ダンスが相対湿度に対
    して指数関数的に変化するものであり、 前記インピ−ダンス−周波数変換回路は、前記湿度セン
    サ素子のインピ−ダンスに対応した周波数のパルス信号
    を発生させるものであり、 前記時定数制御微分回路は、コンデンサと、電圧制御可
    変インピ−ダンス素子とを含み、前記コンデンサと前記
    電圧制御可変インピ−ダンス素子とが直列に接続されて
    おり、 前記電圧制御可変インピ−ダンス素子は、主電極と制御
    電極とを有する三端子素子でなり、インピ−ダンスが前
    記制御電極に印加される電圧により指数関数的に変化
    し、前記主電極の両端から前記パルス信号を微分した微
    分信号を出力するものであり、 前記波形整形回路は、前記微分信号が入力され、所定電
    圧で前記微分信号を二値化したパルス信号列を出力する
    ものであり、 前記積分回路は、第1の積分回路と、第2の積分回路と
    を含み、前記第1の積分回路が入力された前記パルス信
    号列を積分し、積分して得られた電圧を前記制御電圧と
    して前記電圧制御可変インピ−ダンス素子の前記制御電
    極に供給し、前記第2の積分回路が前記パルス信号列を
    積分し、積分して得られた電圧を湿度信号として出力す
    るものであり、 前記定電流回路は、前記制御電極に定電流を供給するも
    のである湿度センサ。
  2. 【請求項2】 前記定電流回路は、前記パルス信号列を
    電源として動作する請求項1に記載の湿度センサ。
  3. 【請求項3】 前記時定数制御微分回路は、インピーダ
    ンスが印加電圧により指数関数的に変化する非直線性イ
    ンピーダンス素子を含み、前記非直線性インピーダンス
    素子が前記コンデンサの接続される主電極とは反対の主
    電極に接続され、直列接続された前記電圧制御可変イン
    ピ−ダンス素子と前記非直線性インピ−ダンス素子との
    両端から前記微分信号を出力するものである請求項1ま
    たは2に記載の湿度センサ。
  4. 【請求項4】 前記電圧制御可変インピ−ダンス素子
    は、トランジスタでなり、前記非直線性インピ−ダンス
    素子は、ダイオ−ドでなり、前記ダイオ−ドのアノ−ド
    が前記トランジスタのエミッタ側に接続され、前記コン
    デンサが前記トランジスタのコレクタ側に接続されてお
    り、 前記制御電圧及び前記定電流は、前記トランジスタのベ
    −スに供給される請求項3に記載の湿度センサ。
  5. 【請求項5】 前記時定数制御微分回路は、インピ−ダ
    ンス調整回路を有し、前記インピ−ダンス調整回路が前
    記非直線性インピ−ダンス素子に並列に接続されている
    請求項3または4に記載の湿度センサ。
  6. 【請求項6】 前記インピ−ダンス調整回路は、コンデ
    ンサを含んでいる請求項5に記載の湿度センサ。
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