JP3462327B2 - 交流信号増幅装置 - Google Patents

交流信号増幅装置

Info

Publication number
JP3462327B2
JP3462327B2 JP33803295A JP33803295A JP3462327B2 JP 3462327 B2 JP3462327 B2 JP 3462327B2 JP 33803295 A JP33803295 A JP 33803295A JP 33803295 A JP33803295 A JP 33803295A JP 3462327 B2 JP3462327 B2 JP 3462327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
output
signal
circuit
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33803295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09153746A (ja
Inventor
治彦 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hioki EE Corp
Original Assignee
Hioki EE Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hioki EE Corp filed Critical Hioki EE Corp
Priority to JP33803295A priority Critical patent/JP3462327B2/ja
Publication of JPH09153746A publication Critical patent/JPH09153746A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3462327B2 publication Critical patent/JP3462327B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電源装置やオ
ーディオアンプなどの交流信号を増幅する交流信号増幅
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の交流信号増幅装置として、図3
に示すものが知られている。同図は、高圧交流電源装置
のうちの、正サイクルの交流信号Soを出力する最終出
力段部分である出力回路41を示している。出力回路4
1は、図示しない正電圧直流電源が接続される電源ライ
ン6と交流信号Soを出力する出力ライン8との間に直
列接続されたFET13およびトランジスタ14と、F
ET13のゲート電圧を出力ライン8に対して所定の電
圧差で安定化するツェナーダイオード19および抵抗2
0とを備えている。出力回路41は、例えば、瞬時電圧
波形が400Vp−p(Peak to Peak)の交流信号So
を生成して出力ライン8に出力するものであって、電源
ライン6には、230Vの直流電力が供給される。な
お、実際に交流電源として構成する場合には、負サイク
ルの交流信号Soを出力するための出力回路が必要であ
るが、ここでは、正サイクルの交流信号Soを増幅して
出力する出力回路41を代表して説明する。
【0003】出力回路41では、ツェナーダイオード1
9が、電圧変動する出力ライン8に対するFET13の
ゲート電圧を一定の電圧差に安定化するため、FET1
3は、常時作動可能な状態になっている。この状態で、
トランジスタ14のベースに正サイクルの交流信号Si
が入力されると、トランジスタ14は、交流信号Siを
増幅して出力ライン8に出力する。この場合、FET1
3とトランジスタ14とを直列に接続して出力段を構成
しているのは、以下の理由からである。つまり、このよ
うな高圧かつ大電流の交流信号Soを出力する交流電源
装置を構成する場合には、出力ライン8に交流信号So
を出力するための増幅用素子を安全動作領域内で作動さ
せる必要があるが、一般的に、高い電圧を印加して作動
させるにはFETの方が優れている。このため、電源ラ
イン6側にFET13を接続すると共にFET13のソ
ース電圧を低電圧に設定することにより、低耐圧素子で
あるトランジスタ14を増幅用素子に使用できるように
している。
【0004】このため、FET13のゲート電圧は、抵
抗値が47KΩの抵抗20と、ツェナー電圧が8Vのツ
ェナーダイオード19によって、出力ライン8の電圧に
対して8V高い電圧に安定化されている。この場合、各
素子に上述した定数を用いているのは、以下の理由から
である。つまり、出力ライン8には、瞬時電圧が−20
0V〜+200Vの交流信号Soが出力されるので、ツ
ェナーダイオード19での電力損失を、出力ライン8の
電圧が−200Vのときに定格最大損失以下にする必要
がある。また、出力ライン8の電圧が+200Vのとき
のFET13の作動の立ち上がりをよくするために、ツ
ェナーダイオード19には、少なくとも0.5mA程度
のツェナー電流を流しておく必要がある。この結果、こ
れらの条件を満足させるためには、電源ライン6に供給
する直流電源の電圧値を少なくとも+230V程度にす
る必要がある。これにより、出力ライン8の電圧が+2
00Vのときに、ツェナー電流が0.47mA流れ、か
つ、出力ライン8が−200Vのときに、ツェナーダイ
オード19の電力損失が72mWになり、前述した条件
を満足する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この出力回
路41には、以下の問題点がある。すなわち、電源ライ
ン6の電源電圧を230Vにしているため、電源ライン
6の電源電圧と、出力ライン8に出力する交流信号So
の電圧との差電圧に出力電流を乗算した値の電力がFE
T13で損失されている。この結果、FET13の発熱
量が大きいため、定格電力が大きい高価なFETを使用
しなければならず、また、その放熱器も大熱容量のもの
を使用しなければならない。さらに、電源電圧が230
Vにも拘わらず交流信号Soの瞬時最大電圧が200V
であるので、直流電源の電圧利用率が悪いという問題点
がある。
【0006】一方、直流電源電圧を例えば、210V程
度に低下させることにより、FET13の損失を低下さ
せることも可能である。しかし、かかる場合には、出力
ライン8の瞬時電圧が200VになったときにもFET
13のゲート電圧を安定化する必要があることから、抵
抗20の抵抗値を小さくして4KΩ程度にする必要があ
る。しかし、この場合には、出力ライン8の瞬時電圧が
−200Vのときに、抵抗20での電力損失が40Wと
なり、抵抗20の抵抗値が47KΩのときの3.8Wと
比較して約13倍となる。このため、極めて大きな定格
電力の抵抗を使用しなければならず、プリント基板上に
搭載することも困難で、かつ何らかの放熱手段を設けな
ければならないという他の問題が生じてしまう。
【0007】FET13の発熱を低下させるために、図
3における出力回路41を変更して図4に示すような構
成にすることも考えられる。この出力回路51では、出
力回路41におけるFET13およびトランジスタ14
に加えて、直列接続した他の1組のFET13aおよび
トランジスタ14aを電源ライン6と出力ライン8との
間に接続すると共に両トランジスタ14,14aのエミ
ッタにバランス用抵抗R51,R52を接続し、かつ、
両FET13,13aのゲート電流を保障するために、
電流増幅用のトランジスタTR1を両FET13,13
aとツェナーダイオード19のカソードとの間に接続し
ている。この出力回路51では、両FET13,13a
によって発熱量を分散させることによって、個々の発熱
量を低下させている。しかし、この出力回路51には、
高耐圧大電流出力用のFET13aと大電流出力用のト
ランジスタ14aとを余分に使用する結果、装置の部品
コストが上昇してしまうという問題点がある。
【0008】さらに、別電源によって図3におけるFE
T13のゲート電圧を設定することも可能である。しか
し、かかる場合には、別電源の電位とFET13に供給
する電源の電位とを共通しにくく、部品点数が増加して
回路構成が複雑になるので、装置のコストアップを招い
てしまう。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、増幅用素子の発熱量を低減させることがで
きると共に電源の電圧利用率を向上させることができる
交流信号増幅装置を提供することを主目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の交流信号増幅装置は、直流電源が接続され
る電源ラインと交流出力信号を出力する出力ラインとの
間に電源ライン側から順に直列接続した第1および第2
の増幅用素子と、第1の増幅用素子を作動させるために
その制御電極端子電圧を出力ラインに対して所定の電圧
差で安定化する電圧安定化回路とを備え、第2の増幅用
素子が、入力交流信号を増幅し増幅した入力交流信号を
交流出力信号として出力ラインに出力する交流信号増幅
装置において、電圧安定化回路に対して、少なくとも交
流出力信号の瞬時最大電圧が出力される高電圧出力時に
おいて、電圧安定化回路の電圧安定化動作のために必要
な最低入力電圧よりも低い電圧の直流を出力すると共
に、高電圧出力時以外の交流出力信号出力時において、
最低入力電圧を超える電圧の直流を出力する直流出力回
路と、電圧安定化回路の入力電圧が必要入力電圧よりも
低下したときにおける電圧安定化動作を保障可能な電荷
を蓄積する容量性素子と、容量性素子に電荷を蓄積する
電荷蓄積回路とを備えていることを特徴とする。
【0011】この交流信号増幅装置では、瞬時最大電圧
よりもある程度低い電圧の交流信号を出力ラインに出力
する際には、直流出力回路が、電圧安定化回路に対し
て、その電圧安定化動作に必要な最低入力電圧よりも高
い電圧を出力する。このため、電圧安定化回路が電圧安
定化動作を正常に行うことにより、第1の増幅用素子は
作動可能状態になっている。したがって、第2の増幅用
素子に交流信号が入力されると、出力ラインには、予め
規定された通りの電圧の交流信号が出力される。同時
に、この状態においては、電荷蓄積回路が、容量性素子
に電荷を蓄積する。一方、瞬時最大電圧およびそれに近
い電圧の交流信号を出力ラインに出力する際には、直流
出力回路は、電圧安定化回路が電圧安定化動作を行うに
必要な最低入力電圧よりも低い電圧を出力する。したが
って、本来的には、電圧安定化回路は電圧安定化動作を
正常に行うことはできない。しかし、この場合には、電
圧安定化回路は、容量性素子に蓄積された電荷を用いて
電圧安定化動作を行う。このため、第1の増幅用素子の
制御電極端子には、定電圧作動に必要な電圧が出力され
るので、高電圧の交流信号を出力ラインに出力すること
ができる。このように、電源ラインの電圧と出力ライン
の電圧との電圧差が小さいときに、直流出力回路が電圧
安定化回路の電圧安定化動作に必要な最低入力電圧を出
力する必要がないので、電源ラインに供給する直流電源
の電圧値を低くすることができる。この結果、第1の増
幅用素子で損失される電力が低減する。また、出力する
交流信号の最大瞬時電圧に近い電源電圧にすることがで
きるので、電源の電圧利用率を向上させることができ
る。
【0012】請求項2記載の交流信号増幅装置は、請求
項1記載の交流信号増幅装置において、直流出力回路
は、電荷蓄積回路の構成を兼用していることを特徴とす
る交流信号増幅装置。
【0013】この交流信号増幅装置では、直流出力回路
が出力する直流によって容量性素子に電荷が蓄積される
ので、電荷蓄積回路としての構成が不要になる。これに
より、装置のコストダウンを図ることができる。
【0014】請求項3記載の交流信号増幅装置は、請求
項1または2記載の交流信号増幅装置において、電圧安
定化回路は、集積化された三端子レギュレータであるこ
とを特徴とする。
【0015】この交流信号増幅装置では、電圧安定化回
路の入力側接続されている直流出力回路が、電圧安定化
回路の入力電圧を電圧安定化するので、低耐圧の三端子
レギュレータを電圧安定化回路として使用することがで
きる。これにより、回路を簡易にすることができる。
【0016】請求項4記載の交流信号増幅装置は、請求
項1から3のいずれかに記載の交流信号増幅装置におい
て、電源ラインには正電圧の直流電源が接続されると共
に、第2の増幅用素子は正サイクルの交流信号を出力ラ
インに出力するように構成され、負電圧の直流電源が接
続される負電圧電源ラインと出力ラインとの間に出力ラ
イン側から順に直列接続した第3および第4の増幅用素
子と、第3の増幅用素子を作動させるためにその制御電
極端子電圧を負電圧電源ラインに対して所定の電圧差で
安定化する負電圧安定化回路とをさらに備え、第4の増
幅用素子が、入力交流信号を増幅した負サイクルの交流
信号を出力ラインに出力することを特徴とする。
【0017】この交流信号増幅装置では、第3および第
4の増幅用素子が、入力交流信号を増幅して負サイクル
の交流信号を出力する。これにより、正負1サイクルの
交流信号を増幅して出力することが可能になるので、オ
ーディオアンプなどの低歪率用の交流信号増幅装置に適
用可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る交流信号増幅装置を高圧電源装置に適用した実
施の形態について説明する。
【0019】図1は、高電圧の交流電力を生成する高圧
電源装置1の回路図を示している。同図に示すように、
高圧電源装置1は、交流電力を生成するための基準周波
数源である交流信号源2と、交流信号源2から出力され
る交流信号Siを増幅する差動増幅器3と、抵抗R1〜
R4と、負サイクルの交流信号Si位相反転増幅して正
サイクルの交流電力を生成する正サイクル増幅回路(交
流信号増幅装置)4と、正サイクルの交流信号Siを位
相反転増幅して負サイクルの交流電力を生成する負サイ
クル増幅回路5とを備えている。また、電源ライン6お
よび7には、図示しない直流電源が接続されて+210
Vおよび−210Vの直流がそれぞれ供給され、出力ラ
イン8には、高圧電源装置1によって生成され、瞬時電
圧波形が400Vp−pの交流電力である交流信号So
が出力される。以下、高圧電源装置1の各構成要素につ
いて説明する。なお、従来の出力回路41と同一の構成
要素については同一の符号を使用する。
【0020】差動増幅器3は、いわゆるオペアンプで構
成され、交流信号源2の交流信号Siと、所定の比率で
フィードバックした交流信号Soとを加算して増幅す
る。これにより、差動増幅器3は、出力ライン8に出力
する交流信号Soの電圧を所定電圧に安定化する。
【0021】正サイクル増幅回路4は、バッファトラン
ジスタ11と、交流信号Siを位相反転増幅するトラン
ジスタ12と、電源ライン6と出力ライン8との間で直
列に接続された出力段増幅器としてのFET(第1の増
幅用素子)13およびトランジスタ(第2の増幅用素
子)14と、FET13のバイアスを設定するバイアス
設定回路Biとを備えている。バイアス設定回路Bi
は、FET13のゲート電圧を、出力ライン8に対し
て、例えば、+7Vに安定化する集積回路である三端子
レギュレータ(電圧安定化回路)15と、三端子レギュ
レータ15に直流電力を供給するトランジスタ(直流出
力回路、電荷蓄積回路)16およびダイオード17と、
三端子レギュレータ15に電力を供給するための電荷を
蓄積する47μFのコンデンサ(容量性素子)18と、
トランジスタ16のベース電圧を、出力ライン8に対し
て、例えば、+15.2Vに安定化するツェナーダイオ
ード19とを備えている。ツェナーダイオード19のツ
ェナー電圧は、出力ライン8に負サイクルの交流信号S
oが出力されているとき、および瞬時電圧が低電圧の正
サイクルの交流信号Soが出力されているときに、三端
子レギュレータ15の最大入力電圧以下であって、かつ
その電圧安定化動作を確実に保障できる電圧を、三端子
レギュレータ15に出力することができる電圧に設定さ
れている。また、ダイオード17は、逆電流防止用ダイ
オードであって、電源をオフにした場合など、コンデン
サ18に蓄積されている電荷がトランジスタ16のエミ
ッタに逆電圧として印加されることによるトランジスタ
16の破損を防止する。
【0022】正サイクル増幅回路4は、交流信号源2か
ら負サイクルの交流信号Siが出力されると、その負サ
イクルの交流信号Siを増幅して正サイクルの交流信号
Soを出力ライン8に出力する。具体的には、交流信号
源2から負サイクルの交流信号Siが出力されると、差
動増幅器3が交流信号Siを増幅し、バッファトランジ
スタ11が、増幅された交流信号Siをトランジスタ1
2に出力する。次いで、トランジスタ12が、交流信号
Siを位相反転すると共に電流増幅し、増幅した交流信
号Siをトランジスタ14に出力する。これにより、ト
ランジスタ14が交流信号Siを増幅して交流信号So
として出力ライン8に出力する。
【0023】次に、バイアス設定回路Biの動作につい
て、図2を参照して、詳細に説明する。なお、同図
(a)〜(e)は、出力ライン8を基準電位とした各部
の電圧波形をそれぞれ示している。トランジスタ16の
ベース電圧は、抵抗値が47KΩの抵抗R15と、ツェ
ナー電圧が15.2Vのツェナーダイオード19によっ
て、バイアスされている。このため、瞬時電圧が−20
0V〜+180Vの交流信号Soが出力ライン8に出力
されているとき(同図(a)参照、本発明における、高
電圧出力時以外の交流出力信号出力時に相当する)は、
トランジスタ16のベース電圧は、出力ライン8に対し
て+15.2Vに安定化されている(同図(b)参
照)。したがって、トランジスタ16のエミッタ電圧は
14.6Vになり(同図(c)参照)、ダイオード17
のカソード電圧は、14Vになっている(同図(d)参
照)。この状態では、三端子レギュレータ15の入力電
圧が、出力電圧を7Vに安定化する電圧安定化動作を保
障できる電圧になっているため、FET13のゲート電
圧は、出力ライン8の電圧に対して+7Vに安定化され
ている。このため、FET13は、オン状態になってお
り、トランジスタ14に十分なコレクタ電流を供給す
る。また、コンデンサ18は、トランジスタ16の出力
電流に基づく十分な電荷を蓄積している。
【0024】一方、瞬時電圧が+180V〜+200の
交流信号Soが出力ライン8に出力されているとき(同
図(a)参照、本発明における、高電圧出力時に相当す
る)は、抵抗R15とツェナーダイオード19の両端に
印加される電圧が30V〜10Vになり、かつ、トラン
ジスタ16にもベース電流が流れている。このため、ツ
ェナーダイオード19には十分なツェナー電流が流れな
くなる結果、ツェナーダイオード19のカソード電圧
は、ツェナー電圧(15.2V)よりも電圧V1分低い
電圧になってしまう(同図(b)参照)。したがって、
トランジスタ16のエミッタ電圧も14.6Vよりも電
圧V1 分低下する(同図(c)参照)。これにより、ダ
イオード17のカソード電圧、つまり、三端子レギュレ
ータ15の入力電圧も、本来的には、14Vよりも電圧
1 だけ低下する。しかし、コンデンサ18は、その容
量が十分大きく、電荷を十分蓄積している。このため、
入力される直流電力の電圧が電圧V1 分低下しても、コ
ンデンサ18の両端電圧は、緩やかに電圧低下し、しか
も、電圧V1 よりも値が小さい電圧V2 分低下するだけ
で、三端子レギュレータ15の電圧安定化動作を保障で
きる入力電圧を維持する(同図(d)参照)。したがっ
て、三端子レギュレータ15は、その出力電圧を確実に
7Vに安定化する(同図(e)参照)。この結果、FE
T13は、そのソース電圧を低下させることなく、トラ
ンジスタ14に十分なコレクタ電流を供給する。次い
で、コンデンサ18は、交流信号Soの瞬時電圧が低下
したときに、トランジスタ16によって再び電荷を蓄積
させられる。なお、コンデンサ18の電圧低下の速度
は、充電されている電荷量と三端子レギュレータ15に
出力される電流値に基づいて決定される。したがって、
容量が大きい場合には、電圧低下の速度はより緩やかに
なり、また、低下する電圧値も小さくなる。
【0025】次に、前述した負サイクル増幅回路5につ
いて説明する。負サイクル増幅回路5は、バッファアン
プのトランジスタ21と、出力ライン8と電源ライン7
との間で直列に接続された出力段増幅器としてのFET
(第3の増幅用素子)23およびトランジスタ(第4の
増幅用素子)24と、FET23のバイアスを設定する
ツェナーダイオード29および抵抗R25とを備えてい
る。ツェナーダイオード29は、FET23のゲート電
圧を、電源ライン7に対して、例えば、+7Vに安定化
する。なお、ツェナーダイオード29および抵抗R25
が本発明における負電圧安定化回路を構成する。
【0026】この負サイクル増幅回路5は、交流信号源
2から正サイクルの交流信号Siが出力されるときに、
出力ライン8に負サイクルの交流信号Soを出力する。
具体的には、交流信号源2から正サイクルの交流信号S
iが出力されると、差動増幅器3が、交流信号Siを増
幅し、増幅した交流信号Siをトランジスタ24のエミ
ッタに出力する。次いで、トランジスタ24が交流信号
Siをトランジスタ24のベースに出力する。この場
合、FET23が常時作動可能なようにバイアスされて
いるので、トランジスタ24が作動することによって、
FET23が共に作動し、これにより交流信号Siを位
相反転増幅した負サイクルの交流信号Soが出力ライン
8に出力される。
【0027】次いで、高圧電源装置1の全体的な動作に
ついて説明する。
【0028】交流信号源2から交流信号Siが差動増幅
器3に入力されると、負サイクルの交流信号Siは、正
サイクル増幅回路4によって位相反転増幅されて出力ラ
イン8に出力される。一方、正サイクルの交流信号Si
は、負サイクル増幅回路5によって位相反転増幅されて
出力ライン8に出力される。これにより、出力ライン8
とグランドとの間には、正負1サイクルの交流信号So
が出力される。この場合、出力ライン8に出力された交
流信号Soが差動増幅器3の入力部にフィードバックさ
れ、これにより、交流信号Soは所定の振幅に安定化さ
れる。
【0029】このように、この実施形態における高圧電
源装置1によれば、出力ライン8と電源ライン6との電
圧差が大きいときにコンデンサ18に電荷を蓄積してお
くことにより、出力ライン8と電源ライン6との電圧差
が小さくなるときでも三端子レギュレータ15が電圧安
定化動作を確実に行い、これにより、FET13が定電
圧をソースに出力する。このため、出力ライン8に出力
される交流信号Soを歪ませることなく出力することが
できる。したがって、従来の出力回路41では+230
V必要であった電源ライン6の電源電圧を、+210V
と20Vも低下させることができる結果、FET13に
おける電力損失を極めて低減させることができる。同時
に、電源ライン6に供給する直流電力の電圧に極めて近
い電圧まで交流信号Soを増幅することができるので、
直流電源の電圧利用率を向上させることができる。
【0030】また、出力ライン8に出力する交流信号S
oの最大振幅と電源ライン6との電圧差を小さくするこ
とができる結果、抵抗R15に流す最大電流を小さくす
ることもできる。具体的には、従来の交流電源装置41
における抵抗20では、出力ライン8に出力される交流
信号Soの瞬時最大電圧が−200Vのときに、最大電
流が8.98mA、最大損失が3.8Wであったのに対
し、本実施形態における高圧電源装置1の抵抗R15で
は、出力ライン8に出力される交流信号Soの瞬時最大
電圧が−200Vのときに、最大電流が8.4mAであ
って、最大損失が3.3Wになる。したがって、定格電
力が小さい抵抗を使用するとができるため、抵抗R15
のプリント基板への搭載スペースを小さくすることがで
きる。なお、この効果は、電源ライン6に供給する電源
電圧を+210Vにした場合のものであって、電源電圧
を従来の出力回路41と同じ+230Vにした場合に
は、抵抗R15の抵抗値を例えば、68KΩにすること
ができ、この場合には、抵抗R15での最大電流が6.
1mA、最大損失が2.5とさらに低減することができ
る。
【0031】また、コンデンサ18は、その両端に印加
される電圧が低いため、低コストの電解コンデンサなど
を使用することができる。この場合、大容量のコンデン
サを使用することにより、電源ライン6に供給する直流
電源の電圧値をより低くすることができる。さらに、例
えば、大容量のコンデンサを使用するものとした場合、
理論的には、出力ライン8に負サイクルの交流信号So
が出力されるときに電荷を充電しておけば、正サイクル
の交流信号Soを出力する際にトランジスタ16から電
流を出力しなくてもよい。この場合には、抵抗R15
は、コンデンサ18に電荷を蓄積するためだけに機能す
ればよく、その抵抗値を100KΩ程度にすることがで
きる。したがって、この場合には、抵抗R15での最大
電流は3.9mA、最大損失が1.67Wになり、極め
て小さな定格電力の抵抗を使用することができる。ま
た、トランジスタ16とコンデンサ18の間に電流増幅
用トランジスタを接続すれば、抵抗R15での損失をさ
らに低減することができる。
【0032】なお、本実施形態では、交流電源に適用し
た例について説明したが、これに限らず、オーディオア
ンプを初めとして交流信号を増幅する装置のすべてに適
用できる。この場合、例えば、スピーカアンプに適用す
るときには、出力ライン8にカップリングコンデンサを
使用することにより、SEPP(Single Ended PushPul
l)回路として適用することも可能である。さらに、本
実施形態では、セミコンプリメンタリ回路で構成したの
で、位相反転器としてのトランジスタ12を必要として
いるが、いわゆるコンプリメンタリ回路を構成すること
によって、トランジスタ12を省略することもできる。
また、交流信号の半波分を増幅する場合には、本実施形
態における負サイクル増幅回路5を不要にすることもで
きる。
【0033】さらに、電源電圧や接地方法(例えば、マ
イナス接地)も適宜変更して使用することもできる。ま
た、本実施形態では、本発明における電荷蓄積回路と直
流出力回路とを兼用している例について説明したが、そ
れぞれ別個に設けることもできる。さらに、三端子レギ
ュレータ15の代わりにツェナーダイオードなどのディ
スクリート部品によって電圧安定化回路を構成すること
もできる。また、FET13にトランジスタを使用する
こともできるし、トランジスタ14,16にFETを使
用することもできる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る交流信号増
幅装置によれば、電荷蓄積回路が、容量性素子に電荷を
蓄積しておくことにより、高電圧出力時において、電圧
安定化回路が電圧安定化動作を確実に行うことができ、
これにより、電源電圧を低下させることができる。この
結果、第1の増幅用素子における電力損失を低減させる
ことができる。また、同時に、出力する交流信号の瞬時
最大電力に近い電圧の直流電源を供給すればよいので、
電源電圧の電圧利用率を向上させることができる。
【0035】さらに、直流出力回路が電荷蓄積回路の構
成を兼用することにより、装置のコストダウンを図るこ
とができる。また、電圧安定化回路に三端子レギュレー
タを使用することにより、回路を簡易にすることができ
る。
【0036】また、負サイクルを増幅する回路を設ける
ことによって、低歪率の交流信号増幅装置を構成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る高圧電源装置のブロ
ック図である。
【図2】(a)は交流信号Soの信号波形図、(b)は
ツェナーダイオード19のカソードにおける信号波形
図、(c)はトランジスタ16のエミッタにおける信号
波形図、(d)は三端子レギュレータ15の入力電圧の
信号波形図、(e)は三端子レギュレータ15の出力電
圧の信号波形図である。
【図3】従来の交流信号増幅装置の回路図である。
【図4】従来の他の交流信号増幅装置の回路図である。
【符号の説明】
1 高圧電源装置 4 正サイクル増幅回路 5 負サイクル増幅回路 6 電源ライン 7 電源ライン 8 出力ライン 13 FET 14 トランジスタ 15 三端子レギュレータ 16 トランジスタ 19 ツェナーダイオード 23 FET 24 トランジスタ 29 ツェナーダイオード
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−149461(JP,A) 特開 昭58−75905(JP,A) 特開 昭52−117543(JP,A) 特開 平6−252665(JP,A) 特開 昭57−69909(JP,A) 実開 昭60−52715(JP,U) 実開 平6−34322(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03F 1/00 - 3/72

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源が接続される電源ラインと交流
    出力信号を出力する出力ラインとの間に前記電源ライン
    側から順に直列接続した第1および第2の増幅用素子
    と、前記第1の増幅用素子を作動させるためにその制御
    電極端子電圧を前記出力ラインに対して所定の電圧差で
    安定化する電圧安定化回路とを備え、前記第2の増幅用
    素子が、入力交流信号を増幅し当該増幅した入力交流信
    号を前記交流出力信号として前記出力ラインに出力する
    交流信号増幅装置において、 前記電圧安定化回路に対して、少なくとも前記交流出力
    信号の瞬時最大電圧が出力される高電圧出力時におい
    て、前記電圧安定化回路の電圧安定化動作のために必要
    な最低入力電圧よりも低い電圧の直流を出力すると共
    に、前記高電圧出力時以外の交流出力信号出力時におい
    て、前記最低入力電圧を超える電圧の直流を出力する直
    流出力回路と、 前記電圧安定化回路の前記入力電圧が前記必要入力電圧
    よりも低下したときにおける前記電圧安定化動作を保障
    可能な電荷を蓄積する容量性素子と、 前記容量性素子に前記電荷を蓄積する電荷蓄積回路とを
    備えていることを特徴とする交流信号増幅装置。
  2. 【請求項2】 前記直流出力回路は、前記電荷蓄積回路
    の構成を兼用していることを特徴とする請求項1記載の
    交流信号増幅装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧安定化回路は、集積化された三
    端子レギュレータであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の交流信号増幅装置。
  4. 【請求項4】 前記電源ラインには正電圧の直流電源が
    接続されると共に、前記第2の増幅用素子は正サイクル
    の交流信号を前記出力ラインに出力するように構成さ
    れ、 負電圧の直流電源が接続される負電圧電源ラインと前記
    出力ラインとの間に当該出力ライン側から順に直列接続
    した第3および第4の増幅用素子と、前記第3の増幅用
    素子を作動させるためにその制御電極端子電圧を前記負
    電圧電源ラインに対して所定の電圧差で安定化する負電
    圧安定化回路とをさらに備え、 前記第4の増幅用素子が、前記入力交流信号を増幅した
    負サイクルの交流信号を前記出力ラインに出力すること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の交流信
    号増幅装置。
JP33803295A 1995-11-30 1995-11-30 交流信号増幅装置 Expired - Fee Related JP3462327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33803295A JP3462327B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 交流信号増幅装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33803295A JP3462327B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 交流信号増幅装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09153746A JPH09153746A (ja) 1997-06-10
JP3462327B2 true JP3462327B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=18314298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33803295A Expired - Fee Related JP3462327B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 交流信号増幅装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3462327B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09153746A (ja) 1997-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3315748B2 (ja) 増幅回路
US4087759A (en) Power amplifier devices
US7319310B2 (en) Regulated power supply unit
JPH05199044A (ja) パルス幅変調増幅回路
JP3263418B2 (ja) 電源回路
JP3132280B2 (ja) D級電力増幅器
JP3462327B2 (ja) 交流信号増幅装置
JPS60263581A (ja) 偏向用パワートランジスタの駆動回路
US6734720B2 (en) Operational amplifier in which the idle current of its output push-pull transistors is substantially zero
US3417339A (en) Push-pull transistor amplifiers with transformer coupled driver
US4990863A (en) Amplifier output stage
JP3916463B2 (ja) 電力増幅器および電力増幅器を動作させる方法
JP3118870B2 (ja) 誤差増幅回路
TW465232B (en) Gamma conversion circuit changeable gain rate and amplifing capable range thereof
JPH087561Y2 (ja) 切換増幅回路
JPS6115619Y2 (ja)
JP2623954B2 (ja) 利得可変増幅器
JP3747591B2 (ja) 半導体回路
JPS6325765Y2 (ja)
JPS6244574Y2 (ja)
JPH09275677A (ja) 直流入力及び直流出力変換器
US6512418B1 (en) Amplifier
JPH069020B2 (ja) 基準電圧発生回路
JP3325813B2 (ja) 直流増幅回路のオフセット電圧補正回路
JP3423216B2 (ja) クリップ回路

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080815

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100815

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees