JP2613157B2 - 流体用配管継手 - Google Patents

流体用配管継手

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JP2613157B2
JP2613157B2 JP4255124A JP25512492A JP2613157B2 JP 2613157 B2 JP2613157 B2 JP 2613157B2 JP 4255124 A JP4255124 A JP 4255124A JP 25512492 A JP25512492 A JP 25512492A JP 2613157 B2 JP2613157 B2 JP 2613157B2
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民郎 伊藤
裕昭 池田
安明 肌附
幸宏 柴田
健雄 大倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温雰囲気下で使用
される耐熱性を有した流体用配管継手に関し、例えば、
金型の温度コントロール用の流体を供給・排出する際に
使用する流体用配管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウム鋳造の鋳造装置
では、鋳造品の品質向上等を図るため、金型を積極的に
冷却できるよう、金型冷却回路を備えており、その金型
には、冷却流体を導くためと冷却流体を排出するための
複数の流体用配管継手が配置されていた。
【0003】かかる金型は、塗型及びメンテナンスのた
めに鋳造装置から着脱する頻度が高く、作業性の観点か
ら、配管継手は、ねじを利用して結合するものより、ワ
ンタッチで結合できるものが多く利用されてきた。
【0004】そして、ワンタッチで結合できる配管継手
の一例として、冷却流体の供給若しくは排出パイプに固
定される雌側のアダプタと、金型側に固定される雄側の
プラグと、から構成されるものがあった。これらの継手
の流体に対するシール構造としては、アダプタの内周面
若しくはプラグの外周面に、二重にシールリングを配設
させるものがあった(実開平1−136789号公報、
実開昭64−41793号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種
の配管継手では、二重のシールリングが、共にゴム系の
エラストマー製としていた。そのため、金型の温度が5
00℃前後の高温となるような部位で使用される場合、
例えば、冷却流体が水であれば、配管中の水が蒸気化
し、その熱によってシールリングのシール性が低下し易
く、耐熱性の点で課題があった。
【0006】すなわち、耐熱性を有するゴム系エラスト
マーとして、フッ素ゴムやシリコーンゴムを使用したと
ころで、これらの耐熱温度は、200℃以下であり、順
次、シールリングが直接高温となった冷却流体(蒸気と
なっている)で熱老化され、シール性が低下してしまう
ためである。ちなみに、従来の二重のシールリングを配
設させた継手は、二重にシールリングが配置されている
ことから、一つのシールリングを備えた継手に比べて、
寿命が長くなるものの、一つめのシールリングが漏れ始
めた際には、二つめのシールリングには既に熱負荷がか
かっており、一重のシールリングの継手に比べ、二倍の
寿命とはならない。
【0007】この発明は、上述の課題を解決するもので
あり、結合時に、流体若しくは雰囲気の温度が高温で
も、長時間にわたって高いシール性能を維持することが
できる流体用配管継手を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る流体用配
管継手は、雌側のアダプタに雄側のプラグを挿入させて
結合させる流体用配管継手であって、前記アダプタ内周
面に、前記プラグの先端面に圧接される第1シールリン
グと、前記プラグの外周面に圧接される第2シールリン
グと、が配設され、前記第1シールリングが、耐熱性を
有し、かつ、曲げ弾性率を3000〜6000MPaと
した硬質合成樹脂から形成され、断面形状として、外周
側に凹溝を備えた内周側へ曲がる湾曲状とし、後端側を
前記アダプタに取り付けられる部位とするとともに、前
端側を前記プラグの先端面に圧接されるリップ部とし
て、該リップ部を斜め前方の外方へ延ばした形状に形成
され、前記第2シールリングが、耐熱皮膜を備えた耐熱
性エラストマーからなることを特徴とする。
【0009】
【作用】この発明に係る流体用配管継手では、アダプタ
とプラグとの結合時、第1・2シールリングによって二
重シールを行なう。
【0010】この時、第1シールリングは、それ自体で
流体の流出を止めることができ、第2シールリングに対
して高温の流体が直接当たらないようにする。この第1
シールリングは、耐熱性を有する硬質合成樹脂から形成
されるとともに、耐熱性を低下させずにかつアダプタと
プラグとの結合作業に支障を生じない範囲の3000〜
6000MPaの曲げ弾性率を有する硬質合成樹脂から
形成され、さらに、断面形状として、外周側に凹溝を備
えた内周側へ曲がる湾曲状とし、後端側をアダプタに取
り付けられる部位とするとともに、前端側をプラグの先
端面に圧接されるリップ部として、リップ部を斜め前方
の外方へ延ばした形状に形成されている。すなわち、第
1シールリングは、アダプタ内周面とプラグ先端面との
間をシールするものであり、エラストマー製の第2シー
ルリングに比べて弾力性が低くても高いばね弾性を有
し、さらに、リップ部を斜め前方の外方へ延ばして、リ
ップ部の軸方向に沿った後端側へ撓む際の撓み代を大き
く取れるように構成されており、アダプタに対して深く
プラグを挿入するように押し込めば、リップ部が撓ん
で、高いシール圧を確保することができる。そのため、
アダプタに対して深くプラグを挿入すれば、容易にシー
ル性を高めて流体の流出を抑えることができる。
【0011】そして、第2シールリングは、第1シール
リングのバックアップとしての働きをなし、第2シール
リングにアダプタやプラグからの伝導熱がかかった状態
で、仮に、第1シールリングから僅かな流体が流出して
きたとしても、第2シールリングが耐熱皮膜を備えた耐
熱性エラストマーからなっていることから、第2シール
リングが、第1シールリングから漏れる流体を長時間に
わたって確実にシールする。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0013】実施例の流体用配管継手Cは、図2に示す
ように、アルミニウム鋳造の金型冷却板に使用されるも
のであり、金属製フレキシブルパイプPに接続される雌
側のアダプタ1と、冷却板Hに固定される雄側のプラグ
21と、から構成されている。
【0014】アダプタ1は、後端内周にパイプPを結合
させる雌ねじ部2aを有する略円筒状のアダプタ本体2
を、備えている。アダプタ本体2は、ステンレス等の金
属材から形成され、軸方向の中央部内周の全周には、内
側へ膨らむ突条2bが形成され、突条2bの前方側近傍
の内周の全周には、凹溝2dが形成されている。突条2
bの前面とアダプタ本体2の内周面との間の段差凹部2
cは、第1シールリング3を配設させるものであり、凹
溝2dは、第2シールリング4を配設させるものであ
る。
【0015】第1シールリング3は、図5に示すよう
に、耐熱性を有してばね弾性を有する硬質合成樹脂から
円環状に形成され、軸方向に撓み易いように、外周側に
凹溝3aを備えて内周側に曲がる湾曲状の断面形状とし
ている。端側の全周には、アダプタ本体2の段差凹部
2cに嵌合されて、アダプタ本体2への取付部位とな
凸部3bが形成されている。また、前端側の全周には、
斜め前方の外方へ延ばした形状のリップ部3cが形成さ
、このリップ部3cは、プラグ21の先端面22aに
圧接される部位となる。
【0016】第1シールリング3は、耐熱温度を300
℃以上とし、曲げ弾性率を3000〜6000MPaの
性質を有した硬質合成樹脂、例えば、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリオキシベンジレン等が例示できる。
【0017】なお、耐熱温度・曲げ弾性率の境界概念
は、耐熱温度が、300℃未満であれば、耐熱性が不十
分となり、曲げ弾性率が、3000MPa未満であれば
耐熱性が低下したものとなり、6000MPaを超えれ
ば、高いシール圧となって、プラグ21を強くアダプタ
1に押し付ける必要が生じ、アダプタ1とプラグ21と
の結合作業に支障が生ずるからである。
【0018】ちなみに、実施例では、第1シールリング
3は、耐熱温度を450℃、曲げ弾性率を4800MP
aとした、ポリイミドから形成されている。
【0019】第2シールリング4は、図6に示すよう
に、表面に耐熱皮膜4aを有した耐熱性エラストマー4
bから構成されている。耐熱皮膜4aとしては、セラミ
ック系耐熱塗料等が例示でき、エラストマー4bとして
は、フッ素ゴム・シリコーンゴム等が例示できる。
【0020】なお、セラミック系耐熱塗料は、連続相
(結合剤)となる「ポリメタロカルボシラン」と、分散
相となる無機充填剤(酸化物系・非酸化物系セラミッ
ク)とを塗膜成分とするものである。
【0021】ポリメタロカルボシランとは、カルボシラ
ン結合単位及び1種又は2種以上のメタロキサン(−M
O−、M:Ti,Zr等の金属元素)結合単位から主と
してなり、該カルボシラン及びメタロキサンの各結合単
位が主鎖骨格中でランダムに結合した重合体及び/又は
該カルボシラン結合単位のケイ素原子の少なくとも一部
が該メタロキサン結合単位の前記各元素と酸素原子を介
して結合し、これによって主鎖中のカルボシラン部分が
架橋された重合体を言う。そしてさらに、メタロキサン
の金属元素がTiであるポリチタノカルボシランが、耐
熱性・耐熱衝撃性及び水蒸気シール性の点で優れてお
り、これを使用することが望ましい。
【0022】無機充填剤としては、酸化物、ホウ酸塩、
リン酸塩、ケイ酸塩、窒化物、ホウ化物、ケイ化物、及
び炭化物からなる群から、1種又は2種以上を適宜選択
する。
【0023】ポリメタロカルボシランと無機充填剤との
混合比は、ポリメタロカルボシラン100重量部に対
し、無機充填剤を10〜500重量部が望ましい。10
重量部未満では、十分な耐熱性を得難く、500重量部
を超えると、塗膜に可撓性がなくなり、塗膜密着性が低
下するためである。
【0024】そして、第2シールリング4の製造は、エ
ラストマー4bに上述のセラミック系耐熱塗料をスプレ
ー・刷毛・浸積塗り等で塗布し、乾燥・焼き付け工程を
経て製造する。
【0025】耐熱皮膜4aの膜厚は、乾燥状態で、20
〜100μmが望ましい。20μm未満では、十分な塗
布効果(耐熱性)が得難く、100μmを超えると、エ
ラストマー4bの形状変化に皮膜4aが追従できなくな
り、皮膜4aにクラックが発生する虞れが生ずるためで
ある。
【0026】乾燥・焼き付け温度は、100〜300℃
とする。100℃未満では、焼き付け効果を奏せず、3
00℃を超えると、エラストマー4bの熱老化を促進さ
せてしまうからである。なお、焼き付け時間は、生産性
及び要求物性に応じて適宜選択する。
【0027】ちなみに、実施例の第2シールリング4
は、フッ素ゴムとしたエラストマー4bに、ポリメタロ
カルボシラン系塗料(ポリチタノカルボシランのキシレ
ン50wt%溶液50重量部と、炭酸カルシウム50重量
部とからなる)を、乾燥塗膜厚30μmとなる様に、ス
プレー塗布し、250℃×30min の条件で焼き付け
た、耐熱皮膜4aを形成したものである。
【0028】アダプタ本体2の後部側外周面における対
称位置の二箇所には、各々、ワッシャ5・6を利用し
て、カム7が回動可能にボルト8止めされている。この
カム7は、図2・4に示すように、小径部7aと大径部
7bとを備えて構成され、小径部7aは、外周面を非円
形として、レバー9の各組付孔9bと嵌合される。大径
部7bは、小径側を長円形のカム部7cとしており、こ
のカム部7cは、ハウジング10の円形に開口する各従
動孔10eに挿入されている。
【0029】レバー9は、把持部9aから二又状に分れ
る鋼板等の金属材から形成され、その分れた部位にそれ
ぞれ組付孔9bが形成され、カム7及びワッシャ5・6
を介在させて、ボルト8によって、各組付孔9b周縁が
アダプタ本体2に保持されている。そして、このレバー
9は、把持部9aをアダプタ1の後方側へ回転させた
際、それぞれのカム7を回転させ、それらのカム部7c
によって、ハウジング10を基準にアダプタ本体2を前
方に移動させ、アダプタ本体2に配設した第1シールリ
ング3をプラグ21の先端面22aに、荷重をかけて圧
接させるものである。
【0030】ハウジング10は、ステンレス等の金属材
から略円筒状に形成されるとともに、中間部位に段差部
10aを備え、前部側を大径部10bとし、後部側を小
径部10dとして、小径部10dの対称位置に従動孔1
0eが形成されている。大径部10bの前部側内周に
は、後述するロックナット15を螺合させる雌ねじ部1
0cが形成されている。
【0031】アダプタ本体2の前部側には、黄銅等の金
属材からなる略円筒状のボールホルダ11が配設されて
いる。ボールホルダ11は、後部側へ向うにつれて、第
1段差部11a・第2段差部11bが形成されて拡径
し、後端外周面にフランジ部11cが形成されている。
また、ボールホルダ11の前部側には、周方向に沿っ
て、複数(実施例では6個)の貫通孔11dが形成され
ている。各貫通孔11dは、ボールホルダ11の半径方
向の外方にかけて拡径するように、テーパ孔としてい
る。そして、各貫通孔11dには、貫通孔11dの小径
側の直径より大きく、貫通孔11dの大径側の直径より
小さい寸法とし、貫通孔11dからボールホルダ11の
内周面に突出可能なボール12が配設されている。さら
に、ボールホルダ11の前端外周面の全周には、ストッ
プリング19が突設されている。
【0032】ボールホルダ11の第1段差部11aとア
ダプタ本体2の前端面との間には、コイルばね13とカ
ラー14のばね座14aとが配設されている。カラー1
4は、ステンレス等の金属材から略円筒状に形成され、
後部に、第1段差部11aに当接可能なコイルばね13
用のばね座14aを備えて、ボールホルダ11の貫通孔
11d周縁の内周面を摺動可能とし、また、内径をアダ
プタ本体2の前部側の内径と同一の寸法としている。こ
のカラー14は、プラグ21をアダプタ本体2内に挿入
する前の状態において、コイルばね13の付勢力によ
り、前方側に移動し、プラグ21を挿入し易いように、
各ボール12をボールホルダ11の内周面から突出させ
ないようにするものである。
【0033】そして、ボールホルダ11とハウジング1
0との間には、ロックナット15とスリーブ17とが配
設されている。
【0034】ロックナット15は、黄銅等の金属材から
略円筒状に形成され、前部に半径方向外方に突出するフ
ランジ部15aを備え、後部に半径方向内方に突出する
ばね座15bを備え、外周面にハウジング10の雌ねじ
部10cに螺合する雄ねじ部15cを備えている。
【0035】ばね座15bの後面と、ボールホルダ11
のフランジ部11cとの間には、コイルばね16が配設
されている。このコイルばね16は、ボールホルダ11
を後方へ付勢するものである。
【0036】スリーブ17は、ステンレス等の金属材か
ら略円筒状に形成され、前部に半径方向外方に突出する
フランジ部17aを備え、ロックナット15内を摺動可
能に形成されている。また、内周面の前端全周には、テ
ーパ面17bが形成され、内周面の後部側には、凹部が
形成されてばね座17cが形成されている。
【0037】そして、スリーブ17のばね座17cとロ
ックナット15のばね座15bとの間には、コイルばね
18が配設されている。このコイルばね18は、ロック
ナット15からスリーブ17を前方に付勢するものであ
り、スリーブ17は、テーパ面17bにストッパリング
19が当接することにより、前方への移動位置を規制さ
れることとなる(図1・3)。
【0038】また、スリーブ17は、後方へ移動させ
て、テーパ面17bを各ボール12の配置位置に配置さ
せることにより、各ボール12がボールホルダ1の半径
方向外方へ移動することを許容して、プラグ21のアダ
プタ本体2への挿入・離脱を容易にさせる役目を果す
(図2参照)。なお、各ボール12は、ボールホルダ1
1の半径方向外方へ移動しても、スリーブ17のテーパ
面17bに当接して、ボールホルダ11から外れること
はない。
【0039】プラグ21は、ステンレス製の略円筒状と
し、先端側から順に、小径部22、中径部23、外形を
六角柱状とする大径部24、及び、雄ねじ部25が形成
されている。小径部22は、アダプタ本体2の前部に挿
入可能に、アダプタ本体2の前部内径と略同一の寸法に
形成され、その先端面に先細り状のテーパ面22aを備
えている。中径部23は、ボールホルダ11の前部内径
と略同一の寸法に形成されている。中径部23の全周に
は、ボールホルダ11の各ボール12を嵌合可能な凹溝
23bが形成されている。
【0040】つぎに、実施例の配管継手Cの使用態様に
ついて説明する。
【0041】結合時には、まず、アダプタ2側の準備作
業として、図2に示すように、レバー9を引き起こした
状態としておき、コイルばね18の付勢力に抗して、一
旦、スリーブ17を後方側へ移動させ、テーパ面17b
をボールホルダ11のボール12の配置位置まで移動さ
せておく。その際、各ボール12がテーパ面17bに規
制されるまでボールホルダ11の半径方向への移動を許
容されることとなるため、カラー14が、コイルばね1
3の付勢力により、前方側へ移動してボールホルダ11
の各貫通孔11dを遮蔽し、各ボール12がボールホル
ダ11の内周面から突出しない状態となる。
【0042】そして、その状態で、アダプタ1をプラグ
21に外装するように押し込む(図3参照)。すると、
プラグ21における小径部22先端のテーパ面22aの
全周が、アダプタ本体2の段差凹部2cに配設された第
1シールリング3のリップ部3cに圧接し、また、小径
部22の先端外周面の全周が、アダプタ本体2の凹溝2
dに配設された第2シールリング4に圧接されることと
なる。
【0043】また、その際、プラグ21における中径部
23の段差面23aに押されて、コイルばね13の付勢
力に抗して、カラー14が後方へ移動する。そのため、
ボールホルダ11の各貫通孔11dが開口し、コイルば
ね18で前方側へ付勢されているスリーブ17がテーパ
面17bで各ボール12を押すことから、各ボール12
が、ボールホルダ11の内周面から突出して中径部23
の凹溝23bに嵌合し、アダプタ1とプラグ21とが抜
け不能となる。
【0044】そして、把持部9aを把持して、レバー9
をアダプタ1の後方側へ回転させる(図4・1参照)。
すると、各組付孔9bと嵌合しているカム7が回転し
て、それらのカム部7cによって、ハウジング10を基
準にアダプタ本体2が前方に移動することから、アダプ
タ本体2に配設した第1シールリング3が、プラグ21
の先端のテーパ面22aに、より圧接させることとな
る。
【0045】なお、この時、ボールホルダ11は、コイ
ルばね16によって、後方へ付勢されている構成であ
る。そのため、アダプタ本体2がハウジング10に対し
て前方へ移動しても、コイルばね16の付勢力に抗し
て、プラグ21ごとボールホルダ11は前方へ移動可能
であることから、第1シールリング3の縮みは、アダプ
タ本体2のハウジング10に対する前方移動距離より若
干少ないものとなる。
【0046】その後、冷却水を流す。そして、配管継手
Cの結合を解除する場合には、既述の作業と逆に、レバ
ー9を引き起こし、各ボール12を凹溝23bから離脱
できるように、スリーブ17を後方へ移動させ、アダプ
タ1をプラグ21から引き抜けば良い。
【0047】このように構成された配管継手Cでは、ア
ダプタ1の内周面に、プラグ21の先端のテーパ面22
aに圧接される第1シールリング3と、プラグ21の外
周面全周に圧接される第2シールリング4と、が配設さ
れており、アダプタ1とプラグ21との結合時、第1・
2シールリング3・4によって二重シールを行なうこと
となる。
【0048】そして、第1シールリング3は、耐熱性を
有し、かつ、3000〜6000MPaの所定の範囲の
曲げ弾性率を有する硬質合成樹脂から形成され、断面形
状として、外周側に凹溝3aを備えた内周側へ曲がる湾
曲状とし、後端側をアダプタ本体2の段差凹部2cに取
り付けられる部位とするとともに、前端側をプラグ21
の先端面22aに圧接されるリップ部3cとして、リッ
プ部3cを斜め前方の外方へ延ばした形状に形成されて
いる。すなわち、第1シールリング3は、アダプタ1の
内周面とプラグ21の先端面22aとの間をシールする
ものであり、エラストマー製の第2シールリング4に比
べて弾力性が低くても高いばね弾性を有し、さらに、
リップ部3cを斜め前方の外方へ延ばして、リップ部3
cの軸方向に沿った後端側へ撓む際の撓み代を大きく取
れるように構成されており、アダプタ1に対して深くプ
ラグ21を挿入するように押し込めば、リップ部3cが
撓んで、高いシール圧を確保することができる。そのた
め、アダプタ1に対して深くプラグ21を挿入すれば
容易にシール性を高めることができる。そして、第1シ
ールリング3では、僅かな流体の流出を許容するだけで
済み、その流出した高温の僅かな量の蒸気等の流体を、
耐熱皮膜4aを備えた耐熱性エラストマーからなる第2
シールリング4によって、長時間にわたって確実にシー
ルすることが可能となる。
【0049】ちなみに、実施例の配管継手Cを使用し
て、300℃の蒸気を流した場合、15時間以上経過し
ても漏れが生じなかった。これに対し、実施例の第1・
2シールリング3・4を共にフッ素ゴムに置き換えて、
300℃の蒸気を流した場合、1.5時間経過しただけ
で、漏れが生じた。
【0050】なお、実施例の配管継手Cでは、結合前
に、一旦、スリーブ17を後方へ移動させておけば、ス
リーブ17から手を離しても、カラー14が前方へ移動
して各ボール12をボールホルダ11の内周面に突出さ
せないようにすることができるため、スリーブ17を常
時保持する必要が無く、結合作業を容易にさせることが
できる。
【0051】
【発明の効果】この発明に係る流体用配管継手では、
1シールリングが、耐熱性を有する硬質合成樹脂から形
成されるとともに、耐熱性を低下させずにかつアダプタ
とプラグとの結合作業に支障を生じない範囲の3000
〜6000MPaの曲げ弾性率を有する硬質合成樹脂か
ら形成され、さらに、断面形状として、外周側に凹溝を
備えた内周側へ曲がる湾曲状とし、後端側をアダプタに
取り付けられる部位とするとともに、前端側をプラグの
先端面に圧接されるリップ部として、リップ部を斜め前
方の外方へ延ばした形状に形成されている。すなわち、
第1シールリングは、アダプタ内周面とプラグ先端面と
の間をシールするものであり、エラストマー製の第2シ
ールリングに比べて弾力性が低くても高いばね弾性を
有し、さらに、リップ部を斜め前方の外方へ延ばして、
リップ部の軸方向に沿った後端側へ撓む際の撓み代を大
きく取れるように構成されており、アダプタに対して深
くプラグを挿入するように押し込めば、リップ部が撓ん
で、高いシール圧を確保することができる。そのため、
アダプタに対して深くプラグを挿入すれば、第1シール
リングが、それ自体で流体の流出を止めることができ
て、第2シールリングに対して高温の流体が直接当たら
ないようにすることができる。
【0052】そして、耐熱皮膜を備えた耐熱性エラスト
マーからなる第2シールリングが、第1シールリングの
バックアップとしての働きをなし、第2シールリングに
アダプタやプラグからの伝導熱がかかった状態で、仮
に、第1シールリングから僅かな流体が流出してきたと
しても、第2シールリングが耐熱皮膜を備えた耐熱性エ
ラストマーからなっていることから、この第2シールリ
ングが、第1シールリングから漏れる流体を長時間にわ
たって確実にシールすることができる。
【0053】したがって、この発明に係る流体用配管継
手では、アダプタとプラグとの結合時に、流体若しくは
雰囲気が高温でも、長時間にわたって高いシール性能を
維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す配管継手の断面図で
あり、アダプタとプラグとの結合時を示す断面図であ
る。
【図2】同実施例の結合解除時のアダプタとプラグとの
断面図である。
【図3】同実施例のアダプタをプラグに外装して押し込
んだ直後の状態を示す断面図である。
【図4】同実施例のアダプタをプラグに外装して押し込
んだ直後の状態を示す側面図である。
【図5】同実施例の第1シールリングを示す部分断面図
である。
【図6】同実施例の第2シールリングを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…アダプタ、 3…第1シールリング、 4…第2シールリング、 21…プラグ、 C…配管継手。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 裕昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 肌附 安明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 柴田 幸宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大倉 健雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 平1−82391(JP,U) 実開 昭61−73888(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌側のアダプタに雄側のプラグを挿入さ
    せて結合させる流体用配管継手であって、 前記アダプタ内周面に、前記プラグの先端面に圧接され
    る第1シールリングと、前記プラグの外周面に圧接され
    る第2シールリングと、が配設され、 前記第1シールリングが、耐熱性を有し、かつ、曲げ弾
    性率を3000〜6000MPaとした硬質合成樹脂か
    形成され、断面形状として、外周側に凹溝を備えた内
    周側へ曲がる湾曲状とし、後端側を前記アダプタに取り
    付けられる部位とするとともに、前端側を前記プラグの
    先端面に圧接されるリップ部として、該リップ部を斜め
    前方の外方へ延ばした形状に形成され、 前記第2シールリングが、耐熱皮膜を備えた耐熱性エラ
    ストマーからなることを特徴とする流体用配管継手。
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