JP2611905B2 - ダム監査廊用プレキャストコンクリートブロック及び該ブロックを用いたダム監査廊の施工法 - Google Patents

ダム監査廊用プレキャストコンクリートブロック及び該ブロックを用いたダム監査廊の施工法

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JP2611905B2
JP2611905B2 JP4289352A JP28935292A JP2611905B2 JP 2611905 B2 JP2611905 B2 JP 2611905B2 JP 4289352 A JP4289352 A JP 4289352A JP 28935292 A JP28935292 A JP 28935292A JP 2611905 B2 JP2611905 B2 JP 2611905B2
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一誠 下村
利雄 野網
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近畿コンクリート工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、最近のダム合理化施工
法(RCD工法、拡張レアー工法等)により建設される
ダム監査廊の施工に最適なプレキャストコンクリートブ
ロック及びダム監査廊の施工法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ダムの堤体の内部には、堤体の維持管
理、基礎地盤の止水工事、堤体及び基礎地盤の観察、計
測等のために監査廊が構築されている。この監査廊の従
来工法には、堤体と同時に施工され、重支保工を伴った
内型枠を組立て、周辺には補強鉄筋を配した後、ダムコ
ンクリートを打設し、養生期間をへて脱型枠する工法
や、工場製作の監査廊全断面薄肉プレキャスト鉄筋コン
クリートブロック連結工法がある。
【0003】しかしながら、上記前者のような監査廊の
施工法では、以下に述べる種々の問題があった。 まず、内型枠および鉄筋組立が必要であるから、特殊
作業となるので熟練工が必要となる。その上、その作業
時間とコンクリート打設サイクルとの調整が難しくダム
工期が遅延する傾向となる。 また、監査廊のところだけ鉄筋や型枠が突出し、リフ
ト面を分断し、ダムコンクリートの運搬や作業機器の走
行などに支障をきたす。 さらに、脱型枠、養生及び清掃に時間を要し、監査廊
の共用開始時期が遅延する。 通風等が生じると、監査廊表面には温度ひび割れが生
じやすい。
【0004】また上記後者のような監査廊の施工法で
は、以下に述べる種々の問題があった。 まず、大型
の吊込み機械が必要であること。 また、監査廊のところだけ構造物が突出し、リフト面
を分断し、ダムコンクリートの運搬や作業機器の走行な
どに支障をきたす。 ダムコンクリートと異質な材料によって工場で作製さ
れるためにダム管理に支障をきたす。 薄肉構造であり断熱効果はさほど期待できない。 薄肉のため全周に補強鉄筋を必要とし、運搬コストが
増大して単価が高い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようと
する課題は、内型枠や補強鉄筋を省略し、少ない労働力
でかつ短期間に監査廊を構築しうるダム監査廊用プレキ
ャストコンクリートブロック及び該ブロックを用いたダ
ム監査廊の施工法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねると共に、実験や解析で解明されたコンクリート
塑性フロー効果や応力場の結果から、監査廊周辺の補強
鉄筋は省略できることを見いだし、この発明を完成させ
るに至った。
【0007】かくして本願『請求項1』にかかる発明に
よれば、『ダム堤体における監査廊の水平部の側壁を構
成する略直方体で所定長さのプレキャストコンクリート
ブロックであって、高さ(H1)が1回の打設コンクリート
高さ(1リフト高)に設定され、監査廊の施工基面にこ
のブロックの複数を長さ方向に当接してブロック列を構
成してコンクリートを打設したとき、各ブロックが打設
コンクリートの側圧に十分抗しうる幅(W1)に設定される
と共に、上記ブロックがその幅(W1)を上下に揃えて積層
可能なように、ブロック下面には嵌合用凹条溝(1a)が、
またブロック上面には嵌合用凸条部(1b)が設けられてな
るダム監査廊用プレキャストコンクリートブロック
(1)』が提供される。
【0008】本発明のプレキャストコンクリートブロッ
ク(1)は、監査廊の水平部の側壁を構成するいわゆる側
壁ブロックのユニットとして予め作製されるものであり
(以下、側壁ブロックと略す)、監査廊の構築において
水平層状構築(いわゆるリフトに水平なレンガ積工法)
ができる画期的なものである。上記側壁ブロック(1)の
高さ(H1)は、1回の打設コンクリート高さ(1リフト
高)として設定されるものに相当する。上記1回のコン
クリート高さ(1リフト高)は、通常1日の打設量と応
力上許される温度上昇量から妥当なものとして割り出さ
れるものである。上記側壁ブロック(1)は、その高さ(H
1)まで打設されるコンクリートの側圧に十分抗し得る幅
(W1)に設定される。この幅(W1)としては高さ(H1)に0.6
〜0.8を乗じた程度とする。また上記側壁ブロック(1)の
長さ(L1)は、運搬作業及び取り扱いの点から、2000mm程
度が挙げられるがこれに限定されない。従って上記側壁
ブロック(1)の大きさの一例としては、高さ(H1)750×幅
(W1)500×長さ(L1)2000(mm)が挙げられるがこれに限定
されない。
【0009】上記側壁ブロック(1)は、積層可能なよう
に、下面には嵌合用凹条溝(1a)が、上面は嵌合用凸条部
(1b)が形成される。上記嵌合用凹条溝(1a)及び嵌合用凸
条部(1b)〔すなわちキー構造〕の形成は、長さ方向であ
っても幅方向であっても斜め方向のいずれであってもよ
い。またこのキー構造は、互いに嵌合可能な形状であれ
ば、凹条溝(1a)及び凸条部(1b)の断面形状やこれらの長
さ方向の連続又は断裂状態については、いずれのもので
あってもよい。また上記キー構造は、側壁ブロック(1)
を幅(W1)を揃えて上下に積層できる位置に設定される。
【0010】上記側壁ブロック(1)は、原則として鉄筋
が挿入されていないコンクリート硬化体(無筋コンクリ
ート)でも十分である。また、本発明の側壁ブロック
(1)は、ダムの現場で製作して供給することを原則とす
る。
【0011】本願『請求項2』に係る発明によれば、
『ダム堤体における監査廊の斜路部に用いられて階段部
を構成するプレキャストコンクリートブロックであっ
て、意図する監査廊の幅に相当する幅(W2)と、所定の奥
行き(L2)と、請求項1記載のプレキャストコンクリート
ブロック(1)の高さ(H1)と同等の高さ(H2)とを有し、奥
行き方向に所定の傾斜で数段の階段部が予め設定された
ものからなるダム監査廊用プレキャストコンクリートブ
ロック(2)』が提供される。
【0012】上記プレキャストコンクリートブロック
(2)は、監査廊の斜路部に階段を構成するいわゆる階段
部ブロックのユニットとして予め作製されるものであり
(以下、階段部ブロックという)、その高さ(H2)は、上
記側壁ブロック(1)の高さ(H1)と同等に構成され、側溝
も同時に構成される。またこの階段部ブロック(2)も、
原則として無筋コンクリートでも十分である。 またさ
らに、本発明の階段部ブロック(2)は、ダムの現場で製
作して供給することを原則とする。
【0013】次に、上記本発明の側壁ブロック(1)を用
いたダム監査廊の施工法として、本願『請求項3』に係
る発明は、『請求項1記載のプレキャストコンクリー
トブロック(1)と、このプレキャストコンクリートブ
ロック(1)を所定の監査廊の両側壁を形成するよう配置
したとき、これら両側壁に跨がる幅を有しかつ両側壁上
面の各嵌合用凸条部若しくは凹条溝と嵌合し得る嵌合用
凹条溝若しくは凸条部が下面両側に形成された天端ブロ
ック(3)とを予め用意し、堤体における監査廊の水平な
施工基面の、監査廊の両側壁を意図する部分に、請求項
1記載のプレキャストコンクリートブロック(1)を長さ
方向に当接させた1段ブロック列を2列に敷設した後、
この2列のブロック列の外側に該ブロック列の高さ(H1)
までコンクリートを打設し、該打設コンクリートの硬化
後前記ブロック列上面の凸条部(1b)若しくは凹条溝(1a)
に次のブロック下面の凹条溝(1a)若しくは凸条部(1b)を
嵌合させて2段目ブロック列を積層した後、再びコンク
リートをそのブロック高さ(H1)まで打設して硬化させ、
所定の高さまでこの方法で繰返した後、これら両側壁上
に、上記天端ブロック(3)を蓋状に敷設してダム監査廊
の水平部を構成することを特徴とするプレキャストコン
クリートブロックを用いたダム監査廊の施工法』を提供
する事ができる。
【0014】上記施工法において、側壁ブロック(1)の
積層は、各積層段毎に側壁ブロックを長さ方向に互いに
ずらして積む方法(チドリ積み)であっても、長さ方向
の端面を上下に揃えて積む方法であってもよい。
【0015】上記本発明の施工法に用いられる天端ブロ
ック(3)は、監査廊の天井部を構成するものであるた
め、その上部にかかる外力に抗し得る剛性を備える必要
があるため、鉄筋等の補強材を挿入して構成される。ま
た、この天端ブロック(3)は、両側壁に跨がる形状であ
ればいずれのものであってもよく、ダイヤフラム状、ア
ーチ状、半円状等が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0016】また本発明の側壁ブロック(1)及び階段部
ブロック(2)を用いたダム監査廊の施工法として、本願
『請求項4』に係る発明は、『請求項1記載のプレキ
ャストコンクリートブロック(1)と、このプレキャス
トコンクリートブロック(1)を所定の監査廊の両側壁を
形成するよう配置したとき、この両側壁間の幅に相当す
る幅と、所定の奥行きと、上記プレキャストコンクリー
トブロック(1)と同等の高さとを有し、奥行き方向に所
定の傾斜で数段の階段部が予め設定された階段部ブロッ
ク(2)と、水平断面がコ字状を有する形状で、このコ
字状の対向辺を接続する部分(4A)が上記階段部ブロック
(2)の階段部と同等の傾斜を有する傾斜面に構成され、
高さ(H4)が上記プレキャストコンクリートブロック(1)
と同等で、さらに上記両側壁に跨がる幅(W4a)を有しか
つ両側壁の各嵌合用凸条部(1b)若しくは凹条溝(1a)と嵌
合し得る嵌合用凹条溝若しくは凸条部がコ字状の対向辺
(4B)(4B)の下面に形成された斜路部天端ブロック(4)と
を予め用意し、堤体における監査廊の水平部から斜路部
に続く施工基面の、監査廊の両側壁を意図する部分に、
請求項1記載のプレキャストコンクリートブロック(1)
を長さ方向に当接させた1段ブロック列を2列に敷設し
た後、これら2列のブロック列の端部で意図する斜路部
の始まる部分に、上記階段部ブロック(2)を両ブロック
列が載置されている面と同一面に配置した後、この2列
のブロック列の外側及び階段部ブロック(2)の後部に、
該ブロック列の高さ(H1)までコンクリートを打設し、該
打設コンクリートの硬化後前記ブロック列上面の凸条部
(1b)若しくは凹条溝(1a)に次のブロック下面の凹条溝(1
a)若しくは凸条部(1b)を嵌合させて2段目ブロック列を
積層し、次の階段部ブロック(2)を前記敷設した階段部
ブロック(2)と階段部が接続するようにずらして載置し
た後、再びコンクリートをそのブロック高さ(H1)まで打
設して硬化させ、所定の高さまでこの方法で繰返した
後、水平部の両側壁上に上記天端ブロック(3)を蓋状に
敷設すると共に、斜路部の起始部に相当する部分から両
側壁間に上記斜路部天端ブロック(4)をその傾斜面が連
続するように1段ずつずらして敷設することにより、監
査廊の水平部から斜路部を構成することを特徴とするプ
レキャストコンクリートブロックを用いたダム監査廊の
施工法』を提供する事ができる。
【0017】上記施工法において、水平部での側壁ブロ
ックの積層は、前記と同様である。また、上記施工法に
おいて、水平部から斜路部に移行する部分には天端ブロ
ックと斜路部天端ブロックとの間に段差が生ずる場合に
は、その接続用として、適宜形状の接続部ブロック(5)
が用いられる。
【0018】
【作用】本願『請求項1』に係る発明によれば、監査廊
の施工基面にプレキャストコンクリートブロック(1)の
複数を長さ方向に当接してブロック列を構成し、このブ
ロック列の高さ(H1)までコンクリートを打設すると、上
記各ブロック(1)は打設コンクリートの側圧に抗してこ
れを堰止めることとなる。また上記各ブロック(1)の上
面に形成された嵌合用凸条部(1b)に対して、次のブロッ
ク(1)の下面に形成された嵌合用凹条溝(1a)を嵌合させ
て〔いわゆるキー構造を活用して〕積層することによ
り、下段のブロック列に対して一致して重なる次段のブ
ロック列が簡便に形成されることとなる。
【0019】本願『請求項2』に係る発明によれば、奥
行き方向に所定の傾斜で数段の階段部が形成されかつ高
さ(H2)が請求項1のプレキャストコンクリートブロック
(1)の高さ(H1)と同等に設定されているので、両側に配
置される請求項1のプレキャストコンクリートブロック
(1)(1)間に、これらと下面を揃えて本願のプレキャスト
コンクリートブロック(2)を配置するだけで、請求項1
のプレキャストコンクリートブロック(1)の高さ(H1)毎
に数段の階段が簡単に構成されることとなる。
【0020】本願『請求項3』に係る発明によれば、堤
体における監査廊の水平な施工基面に、請求項1のプレ
キャストコンクリートブロック(1)を長さ方向に当接さ
せることにより1段目のブロック列が構成されて監査廊
の側壁が形成される。次いで同様にもう一方の側の側壁
を形成した後、これらの両側壁の外側にコンクリートを
流し込み、該ブロックの高さ(H1)までコンクリートを打
設する。このコンクリートが硬化した後は、ブロック列
と同等の高さ(H1)でコンクリート打設面が構成されるこ
ととなる。次に、上記ブロック列の上面に現われている
嵌合用凸条部(1b)若しくは凹条溝(1a)に対して、別個の
各ブロック(1)の下面に形成されている嵌合用凹条溝(1
a)若しくは凸条部(1b)を嵌合させていくと、次段のブロ
ック列が下段のブロック列と上下に一致するよう重なっ
て構成されることとなる。そして同様にこのブロック列
の高さ(H1)までコンクリートを打設する。以下同様に繰
返すことにより、真っすぐな両側壁が形成されることと
なり、側壁外にはこの側壁上面と同等の高さでコンクリ
ート打設面が広がっていることとなる。所定の高さまで
ブロック列が積層された後、これら両側壁を構成する各
ブロック列上に現れている凸条部(1b)若しくは凹条溝(1
a)に対して、天端ブロック(3)をその裏面の嵌合用凹条
溝(3a)若しくは凸条部を嵌合させて蓋状に敷設すること
により監査廊の水平部の天井が構成されることとなる。
【0021】本願『請求項4』に係る発明によれば、堤
体における監査廊の水平部から斜路部に続く施工基面
に、請求項1のプレキャストコンクリートブロック(1)
を上記水平部上に意図する監査廊の幅に相当する間隔を
設けて、2列にブロック列を配置する。この後これら2
列のブロック列間の端部で斜路部の起始部に、階段部ブ
ロック(2)を配置すると共に上記2列のブロック列の外
側及び階段部ブロックの後部にコンクリートを流し込
み、該ブロック列の高さ(H1)までコンクリートを打設す
る。このコンクリートが硬化した後は、ブロック列と同
等の高さでコンクリート打設面が構成され、斜路部の起
始部には数段の階段が構成されることとなる。上記各ブ
ロック列の上面に現われている嵌合用凸条部(1b)若しく
は凹条溝(1a)に対して、別個の各ブロック(1)の下面に
形成されている嵌合用凹条溝(1a)若しくは凸条部(1b)を
嵌合させていくと、次段のブロック列が下段のブロック
列と上下に幅が一致して重なりさらに一段高いブロック
列が構成されると共に、前記階段部に連続する数段の階
段が構成されることとなる。上記各ブロック列が所定の
高さまで積層されると、斜路部の起始部上方にあたる部
分から1つずつ後方にずらしてプレキャストコンクリー
トブロック(1)を積層すると共に、このずらした部分に
斜路部天端ブロック(4)を載置していくことにより、斜
路部天端ブロック(4)の傾斜面が連続して斜路部の天井
が構成されることとなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って詳述する
が、これによって本発明が限定されるものではない。 実施例1 図1に示すものは、本願『請求項1』に係るプレキャス
トコンクリートブロックの一例の斜視図である。同図の
プレキャストコンクリートブロック(1)は、ダム堤体に
おける監査廊の水平部の側壁を構成するもの(以下、側
壁ブロックという)であって、同図に示す各部の寸法例
としては、L1=2000mm、W1=500mm、H1=750mmであり、
このものの重量は約1.87tである。なお、上記寸法例
は、運搬、組立ての簡便さと組立てのレッカー能力から
適切なブロック重量になるように計算されたものであ
る。上記側壁ブロック(1)には、同図に示すようにその
下面には嵌合用凹条溝(1a)が、また上面には嵌合用凸条
部(1b)がそれぞれ長軸方向(縦方向)に設けられてい
る。これらの凹条溝(1a)及び凸条部(1b)の嵌合(キー構
造)によって積層可能に構成されている。また上記側壁
ブロック(1)のコンクリート打設面は粗面処理(グリー
ンカット)されている。
【0023】図2に示すものは、本願『請求項2』に係
るプレキャストコンクリートブロックの一例の斜視図で
ある。同図のプレキャストコンクリートブロック(2)
は、監査廊の斜路部に用いられる階段状のもの(以下、
階段部ブロックという)であって、高さ(H2)が上記プレ
キャストコンクリートブロック(1)の高さ(H1)と同等に
設定されており、同図に示す各部の寸法例としては、L2
=1100mm、W2=2000mm、H2=750mmであり、このものの
重量は約3.0tである。なお、上記寸法例は、運搬、組
立ての簡便さと組立てのレッカー能力から適切なブロッ
ク重量になるように計算されたものである。 上記幅(W
2)は意図する監査廊の幅に相当するように設定されてお
り、奥行き(L2)方向に所定の傾斜で3段の階段部が形成
されており、その端部には幅300mmの排水溝(10a)が設け
られている。また、上下の対向面には同図に示すように
キー構造(2a及び2b)が設けられており、階段部が連続
して接続できるように構成されている。
【0024】図3に示すものは、本願『請求項3』の施
工法に用いられる天端ブロックの一例の斜視図である。
この天端ブロック(3)は、上記側壁ブロック(1)上面に形
成されている凸条部(1b)と嵌合し得る嵌合用凹条溝(3a)
が下面の両側部に設けられているもので、全体がダイヤ
フラム形状に構成されており、同図に示す各部の寸法例
としては、L3=1000mm、W3a=3000mm、W3b=2000mm、W3
c=500mm、t3a=550mm、t3b=300mmであり、このものの
重量は約3.02tである。なお、上記寸法例は、運搬、組
立ての簡便さと組立てのレッカー能力から適切なブロッ
ク重量になるように計算されたものである。
【0025】図4に示すものは、本願『請求項4』の施
工法に用いられる斜路部天端ブロックの一例の斜視図で
ある。この斜路部天端ブロック(4)は、水平断面がコ字
状を有する形状で、このコ字状の対向辺(4B)(4B)を接続
する部分(4A)が上記階段部ブロック(2)の階段部と同等
の傾斜(この例では45°)を有する傾斜面に構成され、
高さ(H4)が上記側壁ブロック(H1)と同等で、幅(W4a)が
上記天端ブロック(3)の幅(W3a)と同等に構成されてお
り、同図に示す各部の寸法例としては、L4a=1550mm、L
4b=800mm、L4c=300mm、W4a=3000mm、W4b=2000mm、W
4c=500mm、H4=750mmであり、このものの重量は約3.82
tである。また上記斜路部天端ブロック(4)のコ字状の
対向辺(4B)(4B)の上・下面には、同図に示すようにキー
構造(4a及び4b)が設けられている。
【0026】図5に示すものは、上記天端ブロック(3)
と斜路部天端ブロック(4)とをなめらかに接続する接続
部ブロック(5)の一例の斜視図である。接続部ブロック
(5)は同図に示す形状に構成されており、同図に示す各
部の寸法例としては、L5a=1000mm、L5b=800mm、L5c=
200mm、W5a=3000mm、W5b=2000mm、W5c=500mm、H5=7
50mmであり、このものの重量は約2.42tである。この天
端ブロックにも同図に示すようにキー構造(5a及び5b)
が設けられている。
【0027】上記側壁ブロック(1)を用いて、堤体にお
ける監査廊の水平部を構築する際の施工法について説明
する。まず、施工基面の監査廊の側壁を形成する部分
に、例えばモルタルを敷設して水平な面を構成し、この
上に上記側壁ブロック(1)を吊り込んで配置する。な
お、このとき粗面処理(グリーンカット)された面が監
査廊の外側面となるように配する。このようにして水平
な基面上に側壁ブロック(1)をその長軸方向に適宜数を
当接させてブロック列をつくる。以上の動作を繰返し
て、監査廊の幅を隔てて2列のブロック列を作り、その
外側にコンクリートを流し込む。このときダムコンクリ
ートを該ブロック列の高さ(H1)まで打設する(図6参
照)。各側壁ブロック(1)は基面に載置しているだけで
あるが、コンクリートの側圧に十分抗し得る重量に調節
されているため、ダムコンクリートの流し込みによって
も倒れずまたこれを堰止めることができる。
【0028】このようにして打設されたダムコンクリー
トが硬化した後は、図6に示すように、ダムコンクリー
ト打設面と側壁ブロック列とは、各ブロック上面に形成
されている嵌合用凸条部(1b)を除いては同一平面を形成
しおり、さらに鉄筋等の突出物が無い平坦な平面が形成
されることとなる。
【0029】次に、上記コンクリート打設面を作業面と
して、先のブロック列上に露呈されている嵌合用凸条部
(1b)に対して、次の側壁ブロック(1)の嵌合用凹条溝(1
a)を嵌合させ(キー構造を合致させ)ていき、2段目の
側壁を形成する。この後上記と同様にしてダムコンクリ
ートを打設し硬化させる。
【0030】側壁ブロック(1)が3段に積層されるまで
以上の動作を繰返した後、3段目の両ブロック列の上面
に露呈されている各嵌合用凸条部(1b)に対して、上記天
端ブロック(3)の下面の両側部に形成されている嵌合用
凹条溝(3a)を嵌合させ(キー構造を合致させ)、これら
の両側壁間に天端ブロック(3)を蓋状に被せる(図7参
照)。この後、ダムコンクリートを打設することによ
り、監査廊の水平部は、内型枠や補強鉄筋を省略して少
ない労働力で簡便に構築できることとなる。
【0031】次に、上記側壁ブロック(1)、階段部ブロ
ック(2)、天端ブロック(3)、斜路部天端ブロック(4)及
び接続部ブロック(5)を用いて、監査廊の水平部から斜
路部にわたる部分を構築する際の施工法について、図8
を参照して説明する。まず、堤体における監査廊の施工
基面の水平部には、モルタルを介して上記と同様に側壁
ブロック(1)が敷設され、側壁ブロック列が構成されて
いるが、この側壁ブロック列の後端で意図する斜路部の
起始部に、両側壁ブロック列間に階段部ブロック(2)を
敷設する。
【0032】その後、両側壁ブロック列の外側及び階段
部ブロック(2)の後部にダムコンクリートを側壁ブロッ
ク列の高さ(H1)まで打設する。上記ダムコンクリートの
硬化後、この硬化面上面を作業面として、1段目の側壁
ブロック列上面に現れている凸条部(1b)に、別の側壁ブ
ロック(1)の凹条溝(1a)を嵌合させて積載し2段目の側
壁を構成する。またそれと並行して、先に敷設した階段
部ブロック(2)の上に次の新たな階段部ブロック(2)を互
いにキー構造が合致するように配置して階段を接続す
る。そして、この新たに積層した高さ(H1)まで上記と同
様にダムコンクリートを打設し硬化させる。
【0033】上記のようにして3段目まで側壁ブロック
(1)及び階段部ブロック(2)が積層されると、最初の階段
部ブロック(2)の上方にあたるところから、4段目の側
壁ブロック(1)を所定距離ずらして積層する。この後5
段目の側壁ブロック(1)の積層は、斜路部天端ブロック
(4)に接続するよう所定の距離をずらして積層される。
【0034】上記水平部に積層された3段の両側壁上に
は、天端ブロック(3)が蓋状に被せられる。そして、最
初の階段部ブロック(2)の上方にあたる1つ手前の部分
には、天端ブロックに代えて接続部ブロック(5)が蓋状
に被せられる。この後、この接続部ブロック(5)の上部
に、最初の斜路部天端ブロック(4)が、接続部ブロック
(5)に設けられている傾斜部と接続するように配置され
る。以降この斜路部天端ブロックの傾斜が連続するよう
積層されていき、図8に示すように監査廊の水平部と斜
路部とが構築されることとなる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、予め製作された各種の
プレキャストコンクリートブロックを、設定されたリフ
ト面毎に構築するので、重支保工や足場を伴った内型枠
を使用しなくて済む。また、実験や解析で解明したコン
クリート塑性フロー効果や応力場の結果から、監査廊周
辺の補強鉄筋は省略できるので、現場での鉄筋組立の作
業が省略でき作業が煩雑化しない。温度ひびわれに対し
ては、ブロックの断熱効果や目地効果が有効に働き、ひ
び割れの規制ができる。さらに、特殊技術による熟練工
が必要でなく、リフト高さの作業行程に合わせて連続的
に監査廊を構築することが簡便にできる。これにより労
働力が少なく、経済的で、工期の短縮が図れるメリット
がある。またさらに、各種ブロックはキー構造を有して
おり、組立精度が高くかつ作業性が良好で、内面も美し
く高品質の監査廊を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願請求項1に係るプレキャストコンクリート
ブロックの一例の斜視図
【図2】本願請求項2に係るプレキャストコンクリート
ブロックの一例の斜視図
【図3】本願請求項3に係る施工法に用いる天端ブロッ
クの一例の斜視図
【図4】本願請求項4に係る施工法に用いる斜路部天端
ブロックの一例の斜視図
【図5】本願請求項4に係る施工法に用いる接続部ブロ
ックの一例の斜視図
【図6】本願請求項3に係る施工法の一例における側壁
ブロックと打設ダムコンクリートとの関係を説明する要
部断面概略図
【図7】本願請求項3に係る施工法の一例における天端
ブロックを積層した状態を説明する要部断面概略図
【図8】本願請求項4に係る施工法の一例を説明する要
部斜視図
【符号の説明】
(1)…側壁ブロック (2)…階段部
ブロック (3)…天端ブロック (4)…斜路部
天端ブロック (5)…接続部ブロック

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダム堤体における監査廊の水平部
    の側壁を構成する略直方体で所定長さのプレキャストコ
    ンクリートブロックであって、 高さが1回の打設コンクリート高さ(1リフト高)に設
    定され、監査廊の施工基面にこのブロックの複数を長さ
    方向に当接してブロック列を構成してコンクリートを打
    設したとき、各ブロックが打設コンクリートの側圧に十
    分抗しうる幅に設定されると共に、 上記ブロックがその幅を上下に揃えて積層可能なよう
    に、ブロック下面には嵌合用凹条溝が、またブロック上
    面には嵌合用凸条部が設けられてなるダム監査廊用プレ
    キャストコンクリートブロック。
  2. 【請求項2】 ダム堤体における監査廊の斜路部
    に用いられて階段部を構成するプレキャストコンクリー
    トブロックであって、 意図する監査廊の幅に相当する幅と、所定の奥行きと、
    請求項1記載のプレキャストコンクリートブロックと同
    等の高さとを有し、奥行き方向に所定の傾斜で数段の階
    段部が予め設定されたものからなるダム監査廊用プレキ
    ャストコンクリートブロック。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプレキャストコ
    ンクリートブロックと、このプレキャストコンクリー
    トブロックを所定の監査廊の両側壁を形成するよう配置
    したとき、これら両側壁に跨がる幅を有しかつ両側壁上
    面の各嵌合用凸条部若しくは凹条溝と嵌合し得る嵌合用
    凹条溝若しくは凸条部が下面両側に形成された天端ブロ
    ックとを予め用意し、 堤体における監査廊の水平な施工基面の監査廊の両側壁
    を意図する部分に、請求項1記載のプレキャストコンク
    リートブロックを長さ方向に当接させた1段ブロック列
    を2列に敷設した後、この2列のブロック列の外側に該
    ブロック列の高さまでコンクリートを打設し、該打設コ
    ンクリートの硬化後前記ブロック列上面の凸条部若しく
    は凹条溝に次のブロック下面の凹条溝若しくは凸条部を
    嵌合させて2段目ブロック列を積層した後、再びコンク
    リートをそのブロック高さまで打設して硬化させ、所定
    の高さまでこの方法で繰返した後、これら両側壁上に、
    上記天端ブロックを蓋状に敷設してダム監査廊の水平部
    を構成することを特徴とするプレキャストコンクリート
    ブロックを用いたダム監査廊の施工法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のプレキャストコ
    ンクリートブロックと、このプレキャストコンクリー
    トブロックを所定の監査廊の両側壁を形成するよう配置
    したとき、この両側壁間の幅に相当する幅と、所定の奥
    行きと、上記プレキャストコンクリートブロックと同等
    の高さとを有し、奥行き方向に所定の傾斜で数段の階段
    部が予め設定された階段部ブロックと、水平断面がコ
    字状を有する形状で、このコ字状の対向辺を接続する部
    分が上記階段部ブロックの階段部と同等の傾斜を有する
    傾斜面に構成され、高さが上記プレキャストコンクリー
    トブロックと同等で、さらに上記両側壁に跨がる幅を有
    しかつ両側壁の各嵌合用凸条部と嵌合し得る嵌合用凹条
    溝がコ字状の対向辺の下面に形成された斜路部天端ブロ
    ックとを予め用意し、 堤体における監査廊の水平部から斜路部に続く施工基面
    の、監査廊の両側壁を意図する部分に、請求項1記載の
    プレキャストコンクリートブロックを長さ方向に当接さ
    せた1段ブロック列を2列に敷設した後、これら2列の
    ブロック列の端部で意図する斜路部の始まる部分に、上
    記階段部ブロックを両ブロック列が載置されている面と
    同一面に配置した後、この2列のブロック列の外側及び
    階段部ブロックの後部に、該ブロック列の高さまでコン
    クリートを打設し、該打設コンクリートの硬化後前記ブ
    ロック列上面の凸条部に次のブロック下面の凹条溝を嵌
    合させて2段目ブロック列を積層し、次の階段部ブロッ
    クを前記敷設した階段部ブロックと階段部が接続するよ
    うにずらして載置した後、再びコンクリートをそのブロ
    ック高さまで打設して硬化させ、所定の高さまでこの方
    法で繰返した後、水平部の両側壁上に上記天端ブロック
    を蓋状に敷設すると共に、斜路部の起始部に相当する部
    分から両側壁間に上記斜路部天端ブロックをその傾斜面
    が連続するように1段ずつずらして敷設することによ
    り、監査廊の水平部から斜路部を構成することを特徴と
    するプレキャストコンクリートブロックを用いたダム監
    査廊の施工法。
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