JP2610138B2 - 光変調素子の駆動方法 - Google Patents

光変調素子の駆動方法

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JP2610138B2 JP62213014A JP21301487A JP2610138B2 JP 2610138 B2 JP2610138 B2 JP 2610138B2 JP 62213014 A JP62213014 A JP 62213014A JP 21301487 A JP21301487 A JP 21301487A JP 2610138 B2 JP2610138 B2 JP 2610138B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はフラットパネルディスプレイ等に応用される
光変調素子の駆動方法に関し、詳しくは強誘電性液晶を
用いた光変調素子の駆動方法に関する。
[開示の概要] 本明細書及び図面は、強誘電性液晶を用いた光変調素
子において、長手方向に電界勾配の付与された複数の帯
状電極と、全面一様な電極を組み合わせてセル構成し、
パルス電圧を印加して、帯状電極の一端から他の一端に
向って、このパルスの電圧値に対応する領域の液晶分子
を画像情報に応じて逐次反転させることにより、結線数
やドライバー数を減らし、且つ中間調表示や動画表示に
適したフルカラーのフラットディスプレイを可能とする
技術を開示するものである。
[従来の技術] 従来、強誘電性液晶(以下、FLCという)を用いたフ
ラットパネルディスプレイとしては、マトリクス状に配
置された走査電極群と信号電極群を有する一対の基板間
にFLCを挟持した構造のセルが用いられ、各電極群の交
点にあたる画素を白または黒に選択的に駆動する方法が
とられている。
[発明が解決しようとする問題点] 前述したマトリクス電極構造のセルにおいては、多数
の画素を有する大画面ディスプレイとした場合、結線数
が多くなり、特にFLCフラットパネルディスプレイでは
走査側と信号側に各々ドライバーが必要となるため、ド
ライバーの数が多くなるという問題点があった。
また、FLCは原理的に白と黒の2値表示となるため、
中間調の表示が困難であった。
さらに、カラーフィルターを装備してマルチカラーの
FLCフラットパネルディスプレイを作製した場合、白黒
表示のディスプレイに比べて3倍の画素、結線数及びド
ライバーが必要となり、高価なディスプレイとなってし
まう問題点があった。
一方、FLCの応答速度は現状ではせいぜい約3μsec程
度なので、A4版程度の白黒ディスプレイであっても動画
表示には困難が伴う。
このように、従来はFLCを用いたフラットパネルディ
スプレイにおいて、中間調表示可能なフルカラーの動画
表示装置、例えばカラーテレビの大型版である壁掛けテ
レビの実現は不可能であった。
本発明の目的は、従来のFLC素子の欠点を除去し、中
間調表示や動画表示が可能なフルカラーのフラットパネ
ルディスプレイを実現できる光変調素子の駆動方法を提
供することにある。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成する本発明の駆動方法は、比抵抗が10
Ω・cm以上である複数の帯状電極を有する基板と該複数
の帯状電極に共通の対向電極を有する基板との間に強誘
電性液晶を配した液晶セルと、該対向電極を所定の電位
に保持し、各帯状電極の一方の端部に時系列に複数のパ
ルス電圧を印加するドライバーと、を具備する光変調素
子の駆動方法において、 各帯状電極に、所定の極性のパルス電圧を印加する第
1工程と、該第1工程の後、先に印加されるパルス電圧
より低い電圧で且つ該先に印加されるパルス電圧とは逆
極性のパルス電圧を各帯状電極に繰り返し印加する第2
工程とにより、各帯状電極の他方の端部側から該強誘電
性液晶の配向状態を定めることを特徴とするものであ
る。
[作 用] 基板上の電極を抵抗膜により形成したセルにおいて
は、抵抗膜を流れる電流によって生じる電圧降下によ
り、長手方向に閾値電圧の勾配が形成される。このよう
に閾値電圧の勾配を有する帯状電極の端部からパルス状
の電圧を印加すると、FLCの液晶分子の反転を生じる領
域はその電圧に比例してアナログ的に変化する。例え
ば、ドライバー側の電極端部からの距離をx、帯状電極
の長手方向の長さをLとすると、0<x<lでは反転
し、l≦x≦Lでは反転しないように駆動することがで
きる。
[実施例] 第1図は本発明による光変調素子の説明図である。図
において、2はガラス基板であり、その表面には全面一
様な共通電極11(対向電極)、絶縁膜3及びR,G,Bの3
色の帯状のカラーフィルター13、配向膜4が順に形成さ
れている。一方、5はこれと対向して配置されたガラス
基板であり、その表面には平行な帯状電極12が形成され
ている。14は駆動用のドライバーを模式的に表わしたも
のであって、各出力端子は前記帯状電極12の各々に接続
されている。ガラス基板2及び5の間にはFLC10が封入
されて、周囲部はシール材(図示せず)によって封止さ
れている。このように構成されたFLCセル1の両側に
は、クロスニコル状態の偏光板6a,6bが設けられ、光変
調素子100が形成される。この光変調素子100の下部に
は、光散乱板7、反射板9及び蛍光灯15より構成される
バック光源8が配置されている。なお、本実施例では透
過型のディスプレイを示したが、バック光源を用いず反
射板9だけを配置した反射型のディスプレイとしてもよ
い。
前述の帯状電極12としては、抵抗膜を用いる。この抵
抗膜の比抵抗ρは10Ω・cm以上、好ましくは103Ω・cm
以上とすることが望ましい。具体例としては、Ti0(ρ
=3x104Ω・cm),SnO2(ρ=4x106Ω・cm),ZnO(ρ=
6.7x103Ω・cm),V2O5(ρ=26.9Ω・cm),C2O2(ρ=2
1.3Ω・cm),Cr2O3(ρ=12,65Ω・cm),NiO+Li(0.1m
ol%)(ρ≠1x102Ω・cm),C0O+Li(5mol%)(ρ=1
x102Ω・cm)等を挙げることができる。
このうち、SnO2とZnOは色調が白で、比較的抵抗値が
高く好適である。特にSnO2とZnOよりも103程比抵抗が大
きいためより好ましい。抵抗膜の厚さは50Å〜2000Å、
好ましくは50Å〜1000Åの範囲が好適である。
本実施例ではSnO2膜を50Å〜500Åで形成した。な
お、透明導電膜であるITO(Indium−Tin−Oxide)も透
光性に優れ、且つバルクでの比抵抗が高いため、膜厚を
薄くすることにより、より有効な抵抗膜とすることがで
きる。
全面一様な共通電極11としては、ITOを用い、絶縁膜
3としてはSiO2膜を用いた。
カラーフィルター13としては、R,G,Bの3色を前記帯
状電極12の各々に対応するよう帯状に配列し、各カラー
フィルターの間にはブラックマトリクス等の比反射性物
質(図示せず)を形成した。
配向膜4としては、ポリイミド(PI)やポリビニルア
ルコール(PVA)等を用いることができ、本実施例ではP
I膜を用い、ラビング処理を施した。なお、第1図にお
いては、ガラス基板5側には配向膜、絶縁膜を用いない
構成例を示したが、FLC10の双安定性や配向性の点で
は、配向膜、絶縁膜共に設けることが好ましい。
FLC10としては、強誘電性を有するカイラルスメクテ
ィック液晶が最も好ましく、そのうちカイラルスメクテ
ィックC相(SmC相)、H相(SmH相)、I相(SmI
相)、F相(SmF相)やG相(SmG相)の液晶が適
している。
このFLCについては、“ル・ジュールナル・ド・フィ
ジーク・ルテール(“LE JOURNAL DE PHYSIQUE LETTER
S")1975年、36(L−69)号、「フェロエレクトリック
・リキッド・クリスタルス」(「Ferroelectricliquid
Crystals」);“アプライド・フィジックス・レター
ズ”("Applied Physics Letters")1980年、36(11)
号、「サブミクロ・セカンド・バイステイブル・エレク
トロオプチック・スイッチング・イン・リキッド・クリ
スタルス(「Submicro Second Bistable Electrooptic
Switching in Liquid Crystals」);“固体物理"1981
年、16(141)号、「液晶」等に記載されており、本発
明においては、これらに開示されたFLCを用いることが
できる。
より具体的には、本発明に用いられるFLC化合物の例
としては、デシロキシベンジリデン−P′−アミノ−2
−メチルブチルシンナメート(DOBAMBC)、ヘキシルオ
キシベンジリデン−P′−アミノ−2−クロロプロピル
シンナメート(HOBACPC)および4−o−(2−メチ
ル)−ブチルレゾルシリデン−4′−オクチルアニリン
(MBRA8)等が挙げられる。
これらの材料を用いて、素子を構成する場合、液晶化
合物が、SmC、SmH、SmI、SmF、SmGとなるよ
うな温度状態に保持する為、必要に応じてセルをヒータ
ーが埋め込まれた銅ブロック等により支持することがで
きる。
本実施例では、チッソ社製CS 1018を用いた。このFLC
はパルス幅約30μsecのパルスで反転する。
次に、上記光変調素子の駆動方法を第2図〜第4図と
共に説明する。
第2図はn本の帯状電極のq番目の電極を模式的に示
したもので、図中21は電極部分を示し、22の斜線部は前
述したブラックマトリクス等により遮光された部分を示
す。本発明においては、画素数はアナログ的に増やすこ
とができるが、ここでは、帯状電極1本あたり、P+1
個の画素を考え、その各画素内を白領域と黒領域に分割
することにより中間調表示を行なう。第2図でl1,l3,…
l2N+1,l2N+3,…,l2P+1なる位置は、この白領域と黒領域
の分割数を示す。具体的には、任意の整数Nについてl
2N>x>l2N+1では黒、l2N+1>x>l2N+2では白となる
ようにパルス電圧を印加する。すなわち、前述した抵抗
膜による電界勾配によって、0≦x≦luでは黒に反転
し、lu≦x≦Lでは白のままとなるような閾値電圧の
組、V(lu)(ただし、u=0,1,2,3…,2P+1)が存在
する。したがって、ドライバー14より、第3図に示すよ
うにV(l0)なるバルス電圧を印加することにより0≦
x≦なる領域、すなわち、帯状電極面全体を黒とす
る。続いて、−V(l2)≧−V(l1)≧−V(l0)なる
パルス電圧−V(l1)を印加することにより、第1の画
素の階調度を黒から白まで指定する。ただし、第Nの画
素とはlN-1≦x≦lNなる領域をさす。ここで−V(l1
=−V(l0)の時は白を選択することになり、−V
(l1)=−V(l2)の時は黒を選択したことになる。以
下、順番にN=1,2,3,4,…,Pについて、まず、V
(l2N)なるパルス電圧を印加することにより0≦x≦l
2Nなる領域を黒とし、続いて−V(l2N+2)≧−V(l
2N+1)≧−V(l2N)なるパルス電圧−V(l2N+1)を印
加することにより、第(N+1)の画素の階調度を黒か
ら白まで指定する。ここでは、−V(l2N+1)=−V(l
2N)の時は白を選択することになり、−V(l2N+1)=
−V(l2N+2)の時は黒を選択したことになる。このよ
うに、本発明による駆動方法の特徴は、第2図に示した
ように、帯状電極の左側の領域、すなわちドライバー14
によりパルス電圧が印加される側とは反対側から強誘電
性液晶の配向状態を定めることにある。
上記実施例では、黒を書いて次に白を書く例について
説明したが、白を書いて次に黒を書く場合についてもま
ったく同様である。また、n本の帯状電極を同時に駆動
するか、あるいは時間をおいて例えば1本ずつ駆動する
かは自由であるが、同時に駆動する方が時間的に有利で
ある。
本発明によれば、帯状電極上の画素数(P+1)を50
0、帯状電極の個数nを600×3個、パルス幅ΔT(=30
μsec)としてn本を同時に駆動すると、1枚の画面に
要する時間は、2ΔT×(P+1)=2×30μsec×500
=30msecとなり、十分に動画表示が可能となる。R,G,B
のカラーフィルターを第1図に示すように帯状電極に対
応して形成し、R,G,Bの3画素分をカラー表示の1画素
とみなすと、500×600個の画素数の中間調を有するフル
カラーのフラットパネルディスプレイが実現される。す
なわち、本発明によって壁掛けテレビなどに応用できる
高画素で高精細の中間調を有するフルカラーの平面型画
像形成装置が実現される。
また、従来のマトリクス駆動法では、上述例の画素数
の駆動を行なうためには、中間調を考えない場合でも、
600×3+500個のドライバーが必要であり、本発明と同
レベルの例えば64階調をFLCでデジタル表示しようとし
た場合には、600×3+500×64個ものドライバーが必要
となり、高価なディスプレイとなるが、本発明によれば
600×3個ですむようになり安価でかつ高精細のフラッ
トパネルディスプレイ装置が実現される。また、ドライ
バーの個数の減少と同時に、結線数を大幅に減らすこと
ができ、実装費用も減少させることができる。
また、上述の実施例では第3図に示すようにパルス間
に間隔をあけない例について説明したが、液晶の高速化
に伴って前のパルスの影響が問題となる場合がある。こ
の場合には、第4図に示すようにパルス間に間隔をあけ
ることが有効となる。第4図ではこの間隔をΔT/2とし
たが、この値は特に限定されるものではない。ただし、
ドライバーを安価にするためには、この間隔をγ・ΔT
またはΔT/γ(ただしγは整数)、より好ましくはΔT
とする。
また、本発明の特徴である平行な帯状電極と一様な電
極を用いた駆動方法によれば、従来のFLCのマトリクス
駆動では常々問題となるパルス幅の広いパルスが印加さ
れることによるクロストークの問題は完全に除去され
る。すなわち、本発明の駆動方法においては、印加パル
ス幅ΔT以外のパルス幅の電界が液晶層にかかることは
ない。しかも、画素の非選択時の印加電圧、すなわち、
上述N番目の画素の書き込み時における1,…,N−1番目
の画素に印加される電圧パルスは、パルス幅がかならず
ΔTで、常に閾値電圧以下となる。したがって、画素の
非選択時に非選択画素の反転、すなわち、クロストーク
は発生しない。さらには、閾値近くのパルスが同じ方向
に、例えば500回も印加された場合は、ある種の液晶で
は、クロストークが発生する場合もありうるが、本発明
では、非選択時の印加電圧について交互に逆方向の電圧
が印加されるために、上述のような原因によるクロスト
ークは防止される。
また、ここでは特に1番目の画素から書く場合を示し
たが、ワープロなどに応用する時には、適当にN番目の
画素からN+m(<P+1)番目まで部分的に書き込む
ようにすればよい。
なお、上記実施例では、フルカラーのディスプレイに
ついて述べたが、本発明は、白・黒2値表示がマルチカ
ラー表示及び白黒階調表示等も実現可能である。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明は次のような
特有の効果を有する。
(1)高画素で高精細の中間調表示を実現できると共
に、結線数やドライバーの数を大幅に減らすことができ
るため、製作が容易で安価なディスプレイとすることが
できる。
(2)従来のマトリクス駆動と異なり、30μsec程度の
応答速度でも十分に動画表示が可能であり、クロストー
クも防止できる。
(3)一画素毎に階調度が指定できるため、従来のFLC
ディスプレイでは困難であった中間調表示で可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による光変調素子の説明図、第2図は帯
状電極の模式図、第3図及び第4図は印加パルスの電圧
波形図である。 1:FLCセル、2,5:ガラス基板、 3:絶縁膜、4:配向膜、 6a,6b:偏光板、7:光散乱板、 8:バック光源、9:反射板、 10:FLC(強誘電性液晶)、11:共通電極、 12:帯状電極、13:カラーフィルター、 14:ドライバー、15:蛍光灯、 100:光変調素子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比抵抗が10Ω・cm以上である複数の帯状電
    極を有する基板と該複数の帯状電極に共通の対向電極を
    有する基板との間に強誘電性液晶を配した液晶セルと、
    該対向電極を所定の電位に保持し、各帯状電極の一方の
    端部に時系列に複数のパルス電圧を印加するドライバー
    と、を具備する光変調素子の駆動方法において、 各帯状電極に、所定の極性のパルス電圧を印加する第1
    工程と、該第1工程の後、先に印加されるパルス電圧よ
    り低い電圧で且つ該先に印加されるパルス電圧とは逆極
    性のパルス電圧を各帯状電極に繰り返し印加する第2工
    程とにより、各帯状電極の他方の端部側から該強誘電性
    液晶の配向状態を定めることを特徴とする光変調素子の
    駆動方法。
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