JP2609328B2 - 超硬合金と鋼の接合方法及びその接合体 - Google Patents

超硬合金と鋼の接合方法及びその接合体

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は超硬合金と鋼を接合する方法とその接合体に
関する。
(従来の技術) 従来から、超硬合金は切削チップ、引き抜きダイス、
破砕機などの耐摩耗、耐衝撃性工具部品等に広い用途が
あり、鋼接合部品として利用することがよく行われる。
このような超硬合金と鋼の接合方法としては様々な方
法が知られており、例えば、ボルト締めなどの機械的な
方法や、銀ろうや銅ろうを用いたろう付法がある。
後者の超硬合金と鋼のろう付法などのように加熱して
接合を行うような場合、超硬合金と鋼の熱膨張係数の差
が大きいので、熱膨張差に起因する熱応力によって大型
の健全な接合体を得ることは難しいことから、このよう
な熱応力を緩和するため、超硬合金と鋼の中間の熱膨張
係数を持つ材料や、銅、ニッケルなどの延性材料をイン
サートする方法が知られている。
例えば、破砕機のハンマとして使用されるような場合
は、銅を応力緩和材して用い、銀ろうをインサートした
フラックスろう付けが行われている。また、「溶接学会
論文集」第6巻(1988)第4号p.499〜504には、銅を応
力緩和材として用いて銅ろうをインサートし、ろう付す
る方法が報告されており、「溶接学会論文集」第3巻
(1985)第4号p.105〜109には、ニッケル基合金を応力
緩和材として用い、固相拡散接合する方法が報告されて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前述のような応力緩和材を用いて熱膨
張差に起因する熱応力を緩和する方法においては、超硬
合金と応力緩和材との接合界面、鋼と応力緩和材との接
合界面が健全でなければならない。
この点、破砕機のハンマなどでは、応力緩和材として
銅を用い、銀基ろう材をインサートし、フラックスを用
いた大気中でのトーチろう付法や高周波ろう付法が行わ
れており、この場合、BAg−8(72%Ag−28%Cu)やBAg
−4(40%Ag−30%Cu−28%Zn)などの銀ろうがよく用
いられるが、このような銀ろうは超硬合金に対する濡れ
性が悪く、健全な接合体は得られない。また、超硬合金
の成分であるCoと銀ろうの成分のCuが金属間化合物を生
成し易いので、接合強度は低く、バラツキも大きい。こ
のため、使用中に超硬合金が剥離するという問題が起こ
っており、信頼性が低い。また大気中のトーチろう付や
高周波ろう付は、個々に接合を行うのでコストが高いう
え、フラックスの残存も問題である。
また、ニッケル基合金を応力緩和材として用いて固相
拡散により接合する方法は、接合温度が高いため、熱応
力が大きく、大型の健全な接合体を得ることができない
という問題がある。
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、超硬合金と
鋼を応力緩和材を介して接合するに際し、接合界面が健
全であると共に、接合強度が高い接合体が得られる技術
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は、応力緩和材と
して銅を用いて超硬合金と鋼を接合する方式において、
健全な接合界面が得られるインサート材について鋭意研
究を重ねた結果、ここに本発明をなしたものである。
すなわち、本発明は、超硬合金と鋼を応力緩和材を介
して加熱接合する方法において、応力緩和材として銅を
用い、超硬合金と応力緩和材の間にTiを含む銀基ろう材
をインサートし、かつ、応力緩和材と鋼の間に銀基ろう
材をインサートして、該インサート材を加熱溶融させて
接合することを特徴とするものである。
また、本発明に係る接合体の構成は、超硬合金と鋼を
応力緩和材を介して加熱接合した接合体において、応力
緩和材として銅を用い、超硬合金と応力緩和材の間にTi
を含む銀基ろう材がインサートされ、かつ、応力緩和材
と鋼の間に銀基ろう材がインサートされている積層構造
であることを特徴とするものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) まず、超硬合金と鋼との間に応力緩和材として銅を用
いるが、銅の材質、厚さ等は特に制限されるものではな
いが、以下にその望ましい態様を示す。
応力緩和材の銅の厚さは、0.2mm以上であれば、接合
率{(超音波探傷試験で欠陥エコーが観察されない面
積)/(全接合面積)×100}が95%以上の健全な接合
体を得ることができるが、銅の厚さが3.0mmを超すと銅
の強度が低いため、接合強度が低下する。したがって、
接合強度も考慮すると応力緩和材の銅の厚さは0.2〜3.0
mmが望ましく、より好ましくは0.5〜1.0mmの範囲であ
る。
次に、インサート材に関しては、まず、超硬合金と応
力緩和材との間にTiを含む銀基ろう材をインサートす
る。このTiを含む銀基ろう材は超硬合金と銅の双方に良
好な濡れ性を示し、更にろう成分中のTiは、前述した超
硬合金成分のCoと銀基ろう材成分のCuとの金属間化合物
の成長を抑制する効果があるので、健全で接合強度のバ
ラツキが小さい接合体を得ることができる。また、この
方法は炉中ろう付であるので、一度に多量の接合が可能
であり、コストの低減を図ることができる。
Tiを含む銀基ろう材としては、適当量のTiを含む限り
その成分組成は特に制限されないが、通常はCuを含み、
この場合、Tiによる金属間化合物の成長抑制効果が顕著
である。勿論、Cuが含まれていなくとも良く、Zn、Snな
どを含めることもできる。
一方、応力緩和材と鋼との間には銀基ろう材をインサ
ートする。この銀基ろう材は応力緩和材と鋼の双方に良
好な濡れ性を示し、その成分組成は特に制限されず、Cu
やZn、Sn或いはTiなどを含めることができる。
なお、接合条件に関しては、加圧条件は、被接合体の
自重も含めて0.01kgf/cm2で、95%以上の接合率が得ら
れるが、0.25kgf/cm2以上の加圧を行うことにより接合
率100%の接合体を得ることができる。殊に、被接合材
である超硬合金、応力緩和材、鋼材の各接合面にばり等
がない様に機械加工し、あるいは有機溶剤等による脱脂
処理等によって接合面を清浄化しておけば、被接合材の
自重を含めて、0.01〜0.03kgf/cm2程度の少ない加圧力
でも略100%の接合が可能となる。
また、接合時にはフラックスを用いる必要がなく、80
0〜900℃程度で10分前後の一回の加熱接合で十分な接合
状態を得ることができる。
なお、接合すべき一方の被接合材である超硬合金とし
ては、WC炭化物とCoの複合材などの種々のものが可能で
あり、具体的にはJIS G2相当あるいはJIS V10相当の超
硬合金等が使用可能である。また他方の鋼としても、炭
素鋼、合金鋼又は工具鋼等、具体的にはSKD11やS45C
等、種々のものが使用可能であることは云うまでもな
い。
(実施例) 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 40mm×40mmの超硬合金(G2)と40mm×40mmの鋼(SKD1
1)との間に、応力緩和材として銅を用い、超硬合金と
応力緩和材の間、並びに鋼と応力緩和材の間にそれぞれ
72%Ag−27%Cu−1%Tiろう材をインサートして、第1
図に示す積層構造とし、銅の厚さ、接合時の加圧力を変
化させ、炉中にて800〜850℃×10分間加熱し、接合し
た。
得られた接合体について超音波探傷試験と剪断試験を
行った。その結果を第2図、第3図に示す。
第2図より、銅の厚さは0.2mmで接合率96%を示し、
0.5mm以上では接合率100%(界面に欠陥エコーが観察さ
れない)であった。一方、加圧力は、第3図に示すよう
に、被接合体の自重も含めて0.1kgf/cm2でも接合率は95
%であったが、0.25kgf/cm2以上の加圧力で100%の接合
体を得ることができた。剪断強さは銅の厚さが0.5〜1.0
mmの場合、19kgf/mm2を示し、バラツキも少なかった。
実施例2 40mm×40mmの超硬合金(G2)と40mm×40mmの鋼(SKD1
1)との間に応力緩和材として銅(厚さ0.5mm)を用い、
超硬合金と応力緩和材の間に72%Ag−27%Cu−1%Tiろ
う材をインサートし、鋼と応力緩和材の間に72%Ag−28
%Cuろう材をインサートし、第1図に示すような積層構
造として、炉中にて800〜850℃×10分間加熱し、接合し
た。なお、加圧力は0.25kgf/cm2である。
得られた接合体の超音波探傷試験を行ったところ、界
面に欠陥エコーは観察されなかった。また平均剪断強さ
は18kgf/mm2で、バラツキも少なかった。
比較例1 40mm×40mmの超硬合金(G2)と40mm×40mmの鋼(SKD1
1)との間に応力緩和材として銅を用い、超硬合金と応
力緩和材の間、並びに鋼と応力緩和材の間にそれぞれ72
%Ag−28%Cuろう材をインサートし、第1図に示すよう
な積層構造として、炉中にて加熱し、接合した。
得られた接合体について超音波探傷試験を行ったとこ
ろ、界面に欠陥エコーは観察されなかった。しかし、剪
断強さは最小で7kgf/mm2、最大で14kgf/mm2とバラツキ
が大きかった。
比較例2 40mm×40mmの超硬合金(G2)と40mm×40mmの鋼(SKD1
1)との間に応力緩和材として銅を用い、第1表中の比
較例2の欄に示す各種銀基ろう材を超硬合金と応力緩和
材の間、鋼と応力緩和材の間にインサートし、炉中にて
加熱し、接合した。
得られた接合体の超音波探傷試験を行ったところ、い
ずれも接合率が低く、健全な接合体は得られなかった。
また剪断強さは全て10kgf/mm2以下と低く、バラツキが
大きかった。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、超硬応力と鋼
を応力緩和材を介して接合するに際し、応力緩和材とし
て銅を用い、特定のインサートを用いるので、接合界面
が健全であると共に接合強度が高い接合体が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の接合体の積層方法を示す説明図、 第2図は接合体における銅(応力緩和材)の厚さと接合
率及び剪断強さとの関係を示す図(加圧力:0.25kgf/c
m2)、 第3図は接合体における加圧力と接合率及び剪断強さと
の関係を示す図(銅の厚さ:0.5mm)である。 1……超硬合金、2……超硬合金/応力緩和材側ろう
材、3……応力緩和材、4……鋼/応力緩和材側ろう
材、5……鋼。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−299772(JP,A) 特開 昭63−310778(JP,A) 特開 平1−119571(JP,A) 特開 平1−224280(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超硬合金と鋼を応力緩和材を介して加熱接
    合する方法において、応力緩和材として銅を用い、超硬
    合金と応力緩和材の間にTiを含む銀基ろう材をインサー
    トし、かつ、応力緩和材と鋼の間に銀基ろう材をインサ
    ートして、該インサート材を加熱溶融させて接合するこ
    とを特徴とする超硬合金と鋼の接合方法。
  2. 【請求項2】前記応力緩和材と鋼の間にインサートする
    銀基ろう材がTiを含むものである請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】超硬合金と鋼を応力緩和材を介して加熱接
    合した接合体において、応力緩和材として銅を用い、超
    硬合金と応力緩和材の間にTiを含む銀基ろう材がインサ
    ートされ、かつ、応力緩和材と鋼の間に銀基ろう材がイ
    ンサートされている積層構造であることを特徴とする超
    硬合金と鋼の接合体。
  4. 【請求項4】前記応力緩和材と鋼の間にインサートする
    銀基ろう材がTiを含むものである請求項3に記載の接合
    体。
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