JP3232896B2 - 部材間のロー付け接合方法 - Google Patents

部材間のロー付け接合方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2個の部材をその界
面で共晶系低融点合金を使用して液相接合させる場合に
おいて、高い接合強度を得る方法であり、著しく汎用性
の高いロー付けによる接合方法である。とりわけ、大き
な残留応力の生じ易い部材の組合せ、例えばセラミック
スと金属との接合に有効であり、このような用途として
は、摺動機械部品の摺動面への耐摩耗セラミックスまた
はサーメット材料の複合化、熱処理機械のような高温用
部品表面への耐熱セラミックス複合化等の分野に有効に
利用される。
【0002】
【従来の技術】一般に、被接合部材を溶融せずに強固に
接合する場合、あるいは、広い界面全体を強固に接合す
る場合には、ロー付けまたは液相拡散接合が用いられ
る。ここでは、両者を液相接合と呼ぶ。
【0003】従来のロー付け法の基本は、接合界面を溶
融物で埋めて凝固することである。このため、接合助材
を液相線温度以上に加熱した場合には、接合部はすべて
凝固物質となり、接合助材を固相線温度と液相線温度と
の中間温度とした場合には、未溶融物質と凝固物質との
混合物質となる。
【0004】ロー付け法において一般に使用される接合
助材は、共晶系低融点合金である。このため、接合部で
は共晶凝固相が形成されるが、実用材料では共晶凝固相
が多量に存在し、且つ、連続的に分布する。共晶凝固相
は、多くの場合脆弱である。このため、ロー付けされた
部材の継手では、外的負荷に対する接合強度が不足した
り、残留応力によって割れが生じたりする。
【0005】この問題を解決するには、例えば、接合強
度に信頼性の要求されるジェットエンジン内部品では、
液相拡散接合が適用されている。液相拡散接合とは、使
用される助材は、例えば共晶系低融点合金のNi−B合
金の場合、融点降下元素であるBの原子半径が小さいた
め、液相化温度に保持していると、Bが被接合材に速や
かに拡散し、液相の助材が等温凝固するものである。こ
の場合、接合部の凝固相は、Bがほぼ無くなるため延性
の高いNiとなり、接合強度が高くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、液相接
合によって高い強度を得るには、実質的に液相拡散接合
しかなく、ロー付けの適用が困難であった。しかしなが
ら、現状では液相拡散接合はごくわずかの限定された用
途にしか適用されていない。
【0007】その理由の第1は、Ni−B合金に代表さ
れる液相拡散接合用の助材は種類が少なく、且つ、いず
れも接合温度が約1100℃以上の点にある。しかしな
がら、例えば、鉄鋼材料の場合、1000℃以上の加熱
では、しばしば鉄鋼材料本来の強度性能を損なうことも
ある。このため、液相拡散接合の使えないケースが生じ
る。
【0008】第2の理由は、セラミックス同士の接合の
場合には、従来の液相拡散接合用の助材であっても、融
点降下元素は被接合材中に拡散しにくく、等温凝固現象
が生じないことである。
【0009】第3の理由は、液相拡散接合用の助材は、
現在ではコストが高く、経済上の理由から、適用拡大が
阻害されていることである。
【0010】従って、この発明の目的は、銀ロー、銅ロ
ーおよびニッケルリンロー等の、従来から普及している
低コスト、且つ、接合温度の低いロー付け用助材を使用
して、被接合材の種類によらず、液相拡散接合とほぼ同
等の高い接合強度を得ることができる、部材間のロー付
け接合方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の方法は、合
金、セラミックス、または、合金とセラミックスとの混
合物質からなる部材を用い、前記部材の中から選んだ2
個の部材を合わせた界面において、前記2個の部材と接
する側にそれぞれ共晶系低融点合金からなる層を配置
し、次いで、前記両共晶系低融点合金層の間に、前記共
晶系低融点合金に最も多量に含まれる成分からなるベー
ス金属層、または、前記共晶系低融点合金に最も多量に
含まれる成分からなるベース金属層と前記共晶系低融点
合金からなる層とが交互に積層された層を配置して、前
記部材間に配置された層の合計厚さを1mm以下とし、
且つ、前記ベース金属層の合計厚を前記共晶系低融点合
金層の合計厚の1倍以上とし、そして、前記部材間の界
面に0.1kg/cm2 以上の押さえ付け圧力を加えた
状態において、前記部材間の界面に前記共晶系低融点合
金の液相線温度よりも50〜150℃高い温度範囲の加
熱処理を施して前記部材同士を接合することに特徴を有
するものである。
【0012】
【作用】通常のロー付けでは接合部において、共晶系凝
固相が多量に存在し、且つ、連続的に分布していること
が、接合強度低下の原因である。本発明は、部材同士の
ロー付けにおいて、共晶凝固相の量を少なくするととも
に、それを微細に分散させることにより接合強度を改善
させるものである。
【0013】なお、本発明の被接合部材は、合金、セラ
ミックス、または、合金とセラミックスとの混合物質で
ある。即ち、本発明は、合金、セラミックス、および、
合金とセラミックスとの混合物質のうちのいずれか1つ
からなる部材1と、合金、セラミックス、および、合金
とセラミックスとの混合物質のうちのいずれか1つから
なる部材2とを接合する方法である。
【0014】以下に、図1を用いて作用の詳細を説明す
る。図1の(1)には、被接合部材(以下、「被接合
材」という)1と被接合材2との間に挟まれる接合助材
の最初の配置を示す。接合助材は被接合材1および被接
合材2の各々に形成された共晶系低融点合金からなる層
(以下、「合金層」という)4と、前記合金層4、4と
の間に配置された、前記共晶系低融点合金に最も多量に
含まれるベース金属の層(以下、「ベース金属層」とい
う)3と合金層4とが積層された層とからなっている。
【0015】また、図2は前記共晶系低融点合金の模式
的状態図である。図2において、Xがベース金属を、Y
濃度a%のXY合金が共晶組成合金を、温度T1が接合
温度を、そして、温度T2が共晶点温度を示すものとす
る。図1においては、合金層4は共晶組成XY合金から
なり、ベース金属層3はXからなっている。
【0016】図1の(2)は、接合温度に加熱した直後
の状態を示す。合金層4は液相線温度以上であるので、
すべてが完全な液相状態になる(図1の(2)では溶融
金属5で示す)。接合界面には圧力が付加されているの
で、液相は外部に絞り出され、その厚みが薄くなる。
【0017】図1の(3)は、接合温度において保持を
継続した場合である。残存液相は、ベース金属3と反応
し、液相の組成をY濃度が低い側に変化させつつ、液相
の量を増大させる。この場合、反応はベース金属層3の
結晶粒界のような反応容易部で優先的に生じるため、液
相は網目状に形成される。即ち、接合界面に平行な液相
部分には、常に圧力による絞り出し効果が続くため、厚
さが薄くなり、一方、垂直方向ではこのような現象はな
く、前者に比べ厚さが厚いのが特徴である。
【0018】図1の(4)は、冷却により液相が凝固し
た状態を示す(図1では凝固金属6で示す)。凝固は1
00%Xの固相が初晶として生じ、冷却中晶出を続け
る。図2の状態図から明らかなように、残存する液相の
Y成分は次第に高くなり、共晶点温度T2まで冷却され
ると、残存液相のY成分はa%になり、それと同時に共
晶凝固する。
【0019】界面に平行な液相は厚さが薄いため、すべ
てが晶出したXに置換される。この結果、共晶凝固金属
は界面に垂直方向のみに配列する。初晶金属Xは、図1
の(3)の固相部分と組成が同一であるから、相的には
区別がつかず、最終的に凝固する共晶金属部6が図1の
(4)のように観察される。
【0020】このような状態においては、界面に外力、
あるいは、残留応力が作用しても、脆弱な共晶凝固金属
部6は、延性に富むX金属に囲われているため、破壊し
にくく接合強度が高くなる。
【0021】以上のような、共晶凝固金属の分布形態を
制御するのに必要な因子を改めてまとめると、次のよう
になる。
【0022】 (1)圧力による液相金属の絞り出し (2)ベース金属との反応による液相部分の網目状拡大 (3)圧力による液相金属の絞り出しによる界面に平行
な液相厚さ低減 (4)冷却によるベース金属の晶出 (5)液相金属の界面垂直方向への残存 (6)共晶凝固金属の界面垂直方向への分布
【0023】これら因子と、請求項との関連を以下に示
す。
【0024】(1)と(3)とは、圧力が必要な過程で
あり、圧力が不可欠な因子である。下限圧力は実験によ
り求め、0.1kg/cm2 以上の圧力でこの様な効果
の生じることを確認した。
【0025】液相の絞り出し効果は、融液の流動性が高
いほど生じ易い。共晶系低融点合金において、組成が共
晶組成以外の場合、液相線温度と固相線温度との中間の
温度では、前記共晶系低融点合金は固液2相状態とな
る。固液2相状態の合金は、流動はするものの流動性に
欠けるため、絞り出し効果を十分に得るには前記共晶系
低融点合金を完全液相にする必要がある。このため、接
合温度は液相線温度以上とすることが必要条件となる。
【0026】(2)は、液相金属と反応しやすい金属
と、低融点合金との共存が不可欠なことを意味し、ベー
ス金属の存在の根拠となる。ベース金属の材料は、共晶
系低融点合金と反応しやすいことが必要条件であり、前
記共晶系低融点合金に最も多量に含まれる金属に限定さ
れるものではない。しかしながら、実際の材料選択にお
いては、多元系状態図を想定するような選択は組合せが
多く判断が困難である。そこで、最も確実な材料選択の
基準として、ベース金属を共晶系低融点合金に最も多量
に含まれる金属と限定した。なお、ここでは、図2のよ
うなX−Y二元系状態図を基準としているが、状態図に
著しい変化を与えない程度の添加成分であれば、同様の
効果が得られる。このため、ベース金属は純金属に限定
されるものではなく、前記添加成分を含有するベース金
属の合金を、前記ベース金属とみなして使用することが
できる。
【0027】また、接合温度に保持の期間において、液
相が網目状とならず、全面的に液相になっては、目的が
達っせられないので、接合部における液相と固相との比
率が問題となる。即ち、ベース金属は低融点合金に対
し、ある比率以上必要である。
【0028】液相の量は、2種類の因子により決まる。
第1の因子は接合温度である。接合温度を高くするほど
反応による液相が増す。接合温度は、液相線温度以上が
必要であるとしたが、加熱時の被接合材の温度分布の均
一性を考慮して、安定して制御できる温度として前記共
晶系低融点合金の液相線温度よりも50℃以上高い温度
を下限温度とした。
【0029】また、接合温度を高くすると、一般に被接
合材の材質劣化が生じるため、接合温度はより低い方が
よい。このため、前記共晶系低融点合金の液相線温度よ
りも150℃高い温度を上限の接合温度とした。
【0030】液相の量を決める第2の因子は、前記共晶
系低融点合金の量と前記ベース金属の量の比率である。
そこで、上に述べた接合温度の上下限(前記共晶系低融
点合金の液相線温度よりも50℃から150℃高い温度
範囲)を前提とし、網目状の液相分布が得られる前記ベ
ース金属の層の合計厚さの下限を、実験により求めたと
ころ、前記共晶系低融点合金の層の合計厚さの1倍以上
との数値が決定された。
【0031】以上の条件が得られれば、(4)、
(5)、(6)の条件は自動的に達成される。
【0032】次に、前記共晶系低融点合金の接合に必要
な量は僅かであるので、実使用できる範囲で前記共晶系
低融点合金の量に下限は無い。一方、前記共晶系低融点
合金は一般に高価格な材料であり、且つ、過剰な絞り出
し効果により除外されるため無駄になる。このため、経
済性を考慮し、前記共晶系低融点合金の層と前記ベース
金属の層の合計厚さの上限を1mmとした。
【0033】本発明は、接合部に低融点合金およびベー
ス金属の両者を介在させている点で、例えば、特開昭6
2−38784号公報に見られるNiとNi−P合金に
よるステンレスの接合(以下、「先行技術1」とい
う)、特開昭60−106662号公報に見られる導電
性金属とNi−P合金による異種材接合(以下、「先行
技術2」という)、特開昭59−31433号公報に見
られるAlとAl−Si合金によるアルミ合金とチタン
合金の異種材接合等(以下、「先行技術3」という)の
従来技術と類似している。
【0034】しかしながら、前記先行技術1では、ベー
ス金属に相当する部分は単なる低融点合金の支持層とし
て機能しているものであり、前記先行技術2では、ベー
ス金属に相当する部分は電気発熱体としての機能が期待
されているのみである。また、前記先行技術3では、S
iは被接合材への拡散が期待されており、ベース金属に
相当する部分がAlである必然性は限定されていない。
また、前記先行技術3では、接合圧力による液相金属の
絞り出し効果が説明されているが、必然的に生じる付帯
的現象を述べているのであって、これを積極的に制御す
る技術ではなく、更に、最終的に等温凝固を得る液相拡
散接合を対象とした発明であり、本発明とは主旨が異な
るものである。
【0035】本発明でいう液相接合は、高温度の液体金
属を介して接合するため、被接合材が処理中に酸化され
ても、酸化層は液体金属に溶解するため良好な接合が得
られるが、より確実で安定した接合を得るには、真空あ
るいは不活性ガス等による非酸化性雰囲気で実施するこ
とが望ましい。
【0036】共晶系低融点合金が脆弱な材料である場合
には、箔等の形態で入手することは困難である。また、
非晶質合金とすれば箔形態は得られるが、特定の材料に
限られる。そこで、この様な場合は、ベース金属の箔上
にあらかじめめっき等によって、複合化することで箔形
態が得られ、且つ、接合時の助材の重ね作業の点でも有
利となる。このような複合箔は、JISに規定されるブ
レージングシート(AlとAl−Si合金の複合)、先
行技術1で主張されるNiとNi−P合金の複合箔とし
て知られるもので、必ずしも特殊なものではないが、低
融点合金層とベース金属層との厚さ比を限定すること
で、本発明に著しく有用な助材となる。
【0037】また、高強度を得る目的では、Niをベー
ス金属とすることが望ましく、Niをベース金属として
より低い接合温度を得るには、共晶系低融点合金として
Ni−P合金が望ましい。
【0038】
【実施例】次に、この発明を図面を参照しながら説明す
る。
【0039】〔実施例1〕下記に示す被接合材間に接合
助材を配置し、下記に示す接合条件により、前記被接合
材のロー付け接合を実施して接合部材の供試体を調製し
た。諸元は下記の通りであった。 被接合材:ステンレス鋼(SUS304)同士、各々厚さ10mm。 接合助材: 共晶系低融点合金A;11wt.%P−Ni合金、厚さ10μ、液相線温度 880℃ 共晶系低融点合金B;8wt.%P−Ni合金、厚さ10μ、液相線温度1 010℃、 ベース金属 ;純Ni、厚さ50μ、 構成 ;ベース金属の両面に共晶系低融点合金AまたはBを電 気めっきしたものを2枚重ねて使用。 接合温度:950℃、保持時間10分、 接合圧力:0.1kg/cm2
【0040】図3は共晶系低融点合金Aを使用して得ら
れた接合部材の供試体の断面写真である。図3に示すよ
うに、本発明範囲内の方法によって接合された供試体
は、最終凝固相である共晶凝固相が接合界面に垂直方向
に配列しており、界面平行方向には凝固相がほとんど見
られなかった。
【0041】一方、図4は共晶系低融点合金Bを使用し
て得られた接合部材の供試体の断面写真であり、接合温
度が“液相線温度より50〜150℃高い温度範囲”で
はなかった点で本発明範囲外である。従って、図4に示
すように、最終凝固相が接合界面に対し垂直方向と平行
方向の両方向に見られ、界面平行方向の凝固相は連続し
ており、外力に対する接合強度の点で不利となってい
る。
【0042】〔実施例2〕種々の被接合材および接合助
材を使用し、表1に示す接合試験条件によって、被接合
材のロー付け接合を実施して接合部材の供試体を調製し
た。被接合材は残留応力の発生し易い材料の組合せを中
心とした。被接合材の板厚は全て10mmとした。ま
た、共晶系低融点合金は、被接合材の金属側に適したロ
ー付け用材料から選択し、厚さはいずれも40μとし
た。また、ベース金属の厚さは50μとした。被接合材
の組合せ、助材、接合条件を表1に示す。表1中の低融
点合金およびベース金属のそれぞれの厚さは、合計厚さ
であり、上記各助材の素材厚さに重ね枚数を乗じた値で
ある。なお、接合温度の保持時間は10分であった。
【0043】そして、調製された供試体の接合特性を、
接合の健全性および継手強度の面から調べた。接合の健
全性の評価では、調製された供試体を横断面観察し、残
留応力による割れが見られたものを不良とした。また、
継手強度の評価では、健全性の評価が良好とされた供試
体について、界面に対する垂直引張試験を実施し、引張
強度が20kg/mm2 以上のものを良好と判断した。
その結果を表1に併せて示す。
【0044】
【表1】
【0045】試験に供した被接合材の種類と、低融点合
金の種類およびそれぞれの記号は以下の通りである。 被接合材: ;ステンレス鋼(SUS304) ;炭素鋼(SCM440) ;チタン合金(Ti−6wt.%Al−4wt.%V) ;超硬合金(WC−20wt.%Co) ;アルミナ(Al2 3 ) 低融点合金: a;Ni−11wt.%P(JIS BNi−6相当)、液相線温度880 ℃ b;Ni−8wt.%P、液相線温度1010℃ c;Ni−19wt.%Cr−10wt.%Si(JIS BNi−5相当 )、液相線温度1135℃ d;Ti−15wt.%Ni−15wt.%Cu、液相線温度900℃ e;Ag−25wt.%Cu−20wt.%Zn−18wt.%Cd (JIS BAg−2相当)、液相線温度 690℃
【0046】以下に、試験結果を説明する。表1から明
らかなように、供試体No. 1では、材料同士の場合で
あり、通常のロー材を適用した場合である(ベース金属
不使用)。一般に、ロー付け継手は剪断負荷になるよう
に設計されるため、この用途には実用上の問題が無い
が、引張負荷では試験結果のように十分な強度が得られ
ない。供試体No. 2のように、ベース金属を使用した本
発明の適用により良好な強度が得られる。
【0047】供試体No. 3は材料と材料との組合わ
せであるが、通常のロー材(ベース金属不使用)では、
残留応力により、接合自体が不良となる。供試体No. 4
のごとくベース金属を使用した本発明の適用により、改
善されることがわかる。
【0048】供試体No. 5〜8は、本発明の条件の内、
低融点合金層とベース金属層との厚さ比(供試体No.
5)、接合温度(供試体No. 6)のいずれかあるいは両
者(供試体No. 7)が適正値をはずれた場合、および、
接合圧力が過小(供試体No. 8)な場合である。いずれ
においても、加熱時の液相金属が過多であることによ
り、良好な接合が得られないことが、確認された。
【0049】供試体No. 9および10は、共晶組成では
ない、共晶系低融点合金を適用した例であるが、本発明
の条件を適用することにより、良好な接合が得られるこ
とがわかる。
【0050】供試体No. 11〜17は、材料と材料
、、との異種材接合の例である。更に、供試体N
o. 18および19は、セラミックス材料同士の接合
の例である。いずれにおいても、本発明の条件を適用す
ることにより、良好な接合が得られることがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、従来から使用されている安価な接合助材(ロー材、
金属箔)等を適用して、セラミックスおよび金属によら
ず健全性および強度に優れた接合が得られ、例えば、金
属の高い強度および延性と、セラミックスの高い耐摩耗
性および耐熱性または耐食性等を兼ね備えた複合材料あ
るいは局部機能化材料を製造することが可能となり、か
くして、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の作用を説明する模式図である。
【図2】この発明の作用を説明するための共晶系低融点
合金の模式的状態図である。
【図3】共晶系低融点合金Aを使用して得られたこの発
明の方法に係る接合部材の金属組織を示す顕微鏡写真で
ある。
【図4】共晶系低融点合金Bを使用して得られたこの発
明の範囲外の方法に係る接合部材の金属組織を示す顕微
鏡写真である。
【符号の説明】
1、2:被接合材 3:ベース金属層 4:共晶系低融点合金層 5:溶融金属 6:凝固金属
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−38784(JP,A) 特開 昭63−194879(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/14 B23K 35/22 - 35/32 B23K 1/00 - 1/20 C04B 37/00 - 37/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金、セラミックス、または、合金とセ
    ラミックスとの混合物質からなる部材を用い、前記部材
    の中から選んだ2個の部材を合わせた界面において、前
    記2個の部材と接する側にそれぞれ共晶系低融点合金か
    らなる層を配置し、次いで、前記両共晶系低融点合金層
    の間に、前記共晶系低融点合金に最も多量に含まれる成
    分からなるベース金属層、または、前記共晶系低融点合
    金に最も多量に含まれる成分からなるベース金属層と前
    記共晶系低融点合金からなる層とが交互に積層された層
    を配置して、前記部材間に配置された層の合計厚さを1
    mm以下とし、且つ、前記ベース金属層の合計厚を前記
    共晶系低融点合金層の合計厚の1倍以上とし、そして、
    前記部材間の界面に0.1kg/cm2 以上の押さえ付
    け圧力を加えた状態において、前記部材間の界面に前記
    共晶系低融点合金の液相線温度よりも50〜150℃高
    い温度範囲の加熱処理を施して前記部材同士を接合する
    ことを特徴とする部材間のロー付け接合方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理を、真空中または非酸化性
    雰囲気中で実施する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記部材間に、前記ベース金属からなる
    箔上に前記共晶系低融点合金からなる皮膜を形成したも
    のを配置する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記共晶系低融点合金層は、実質的にN
    iにPが含有された合金からなる層であり、前記ベース
    金属層は、実質的にNiからなる層である請求項1記載
    の方法。
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